JP2000136056A - 多連リール及び連続巻出し装置 - Google Patents

多連リール及び連続巻出し装置

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JP2000136056A
JP2000136056A JP10308810A JP30881098A JP2000136056A JP 2000136056 A JP2000136056 A JP 2000136056A JP 10308810 A JP10308810 A JP 10308810A JP 30881098 A JP30881098 A JP 30881098A JP 2000136056 A JP2000136056 A JP 2000136056A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 機構が簡単で、低コストで、従来のリールと
の互換性が維持でき、可搬性に優れ、接続信頼性が確保
できる、連続巻出し装置に使用可能な多連リールを提供
する。 【解決手段】 基材を巻回するための巻芯と、前記巻芯
の少なくとも一方の端部に設けられた側板とを有するリ
ールを回転軸方向に2以上有し、前記リールの間にスペ
ーサを配置する。前記スペーサは、前記側板の外周端部
と同一かそれより突出するように形成された突出部と、
前記基材を案内するために前記スペーサの外周に形成さ
れた案内面とを有し、前記スペーサの一方の側のリール
に巻回された基材が、前記スペーサの前記突出部とこれ
に連続する前記案内面に沿って、他方の側のリールの巻
芯に略螺旋状に案内されるようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子部品の製造工
程で使用されるフープ材等のコイル状に巻き取られた基
材(以下、単に「基材」という)の巻出しに使用される
リールを2以上連設してなる多連リール、及びこれを備
えた連続巻出し装置に関する。更に詳しくは、複数のリ
ールに巻き取られた基材を、途切れることなく連続して
巻出すことを可能にする多連リール及び連続巻出し装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】トランジスタなどの電子部品の製造工程
においては、生産効率の向上とコストの低減を図るため
に、フープ材と呼ばれる長尺の基材が使用される。フー
プ材を一連に設置された工程装置に連続的に通過させる
ことにより、チップボンディング、ワイヤボンディン
グ、樹脂封止などの各製造工程をフープ材上で順次行な
うことができ、電子部品をフープ材上に連続して効率よ
く製造することができる。また、フープ材は必要に応じ
て、プレス加工やめっき処理が施されるが、これらの工
程も、工程順に設置された各種処理装置にフープ材を連
続的に通過させることにより行なわれる。
【0003】上記のような連続的な製造・処理工程で
は、フープ材は連続して供給されることが必要であり、
フープ材の供給が何らかの理由により途絶えると、工程
が中断して効率が低下する。
【0004】一般に、使用されるフープ材は、リールに
コイル状に巻き取られたものを順次巻出して供給され
る。各リールに巻き取られたフープ材の長さは有限であ
るから、連続的にフープ材を供給するためには、複数の
リールに巻き取られたフープ材を途切れることなく供給
することが必要である。
【0005】複数のリールに巻き取られた基材を連続的
に供給する手段として、例えば自動接続機が考案されて
いる。これは、一のリールからの巻出しが完了した直後
に、その基材の終端(該リールに巻き取った際の始端)
に次のリールに巻かれた基材の始端(該リールに巻き取
った際の終端)を自動的に接続することにより、基材を
途切れることなく連続的に供給することを可能にするも
のである。
【0006】また、特開平8−143231号公報に
は、長尺の基材を複数のリールにわたって巻き取ること
が可能な多連リールが提案されている。この方法によれ
ば、リール径を大きくすることなく、長尺の基材を途切
れることなく連続的に供給することができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記自
動接続機によれば、基材の終端と始端とを自動的に接続
する特別の機構が必要となり、設備コストが向上し、そ
の結果、電子部品等の製品価格の上昇を招く。また、例
えば供給速度が早くなった場合などに、接続の確実性に
欠け、安定した連続操業を行なうことが困難である。
【0008】また、特開平8−143231号公報に記
載された多連リールによれば、長尺の基材を複数のリー
ルに連続して巻き取るために、リールの運搬はこれら複
数のリールを一体として行なう必要がある。この結果、
リール全体の重量が増大し、リールの運搬作業などが困
難になる。また、リールの構造が複雑なため、リールの
製造コストが上昇する。更に、既存のリールや巻き取り
・巻出し装置との互換性が維持できず、設備コストが上
昇する。
【0009】本発明は、上記の従来の各種問題点を解決
し、機構が簡単で、低コストで、従来のリールとの互換
性が維持でき、リールの可搬性に優れ、しかも接続信頼
性が確保された、連続巻出し装置に使用可能な多連リー
ルを提供することを目的とする。更に、本発明は、上記
特性を有する基材の連続供給が可能な連続巻出し装置を
提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の目的を
達成するために、以下の構成とする。
【0011】即ち、本発明にかかる多連リールは、基材
をコイル状に巻回するための巻芯と、前記基材の一方の
端部が当接するように、前記巻芯の少なくとも一方の端
部に設けられた側板とを有するリールを回転軸方向に2
以上有し、前記リールの間にスペーサが配置されてな
り、前記スペーサは、前記側板の外周端部と同一かそれ
より突出するように形成された突出部と、前記基材を案
内するために前記スペーサの外周に形成された案内面と
を有し、前記スペーサの一方の側のリールに巻回された
基材が、前記スペーサの前記突出部とこれに連続する前
記案内面に沿って、他方の側のリールの巻芯に略螺旋状
に案内されるようにされてなることを特徴とする。
【0012】上記の構成によれば、基材をスペーサの突
出部とこれと連続して形成された案内面に沿って略螺旋
状に案内することができるので、隣り合うリールの基材
同士をスペーサの案内面上で確実かつ容易に接続するこ
とができる。これにより、複数のリールに巻かれた基材
を連続させることができる。しかも基材は略螺旋状に巻
芯まで案内されるので、基材にねじれ、折れ、しわ、片
伸び等の損傷が生じにくい。この結果、基材を安定的に
連続して巻出し、供給することが可能になる。しかも、
部品点数が少なく、構造が簡単で、低コストで多連リー
ルを製造することができる。更に、従来のリールと互換
性を維持することが可能で、従来の巻き取り・巻出し装
置に取り付けて使用することができる。
【0013】上記の構成において、スペーサは上記の構
成を満足する限り特に制限はないが、スペーサが円筒状
又は外周面が凸の樽状であり、前記リールに対して偏心
して設置する構成とすることができる。また、この場合
において、前記側板が外周の半径がrPの円盤状であ
り、前記スペーサの最外周の半径をrS、前記偏心量を
dとしたとき、rP≦rS+dを満足することが好まし
い。また、前記巻芯が外周面の半径がrCの円筒状であ
り、前記スペーサの前記巻芯側の端部の半径をrS’、
前記偏心量をdとしたとき、
【0014】
【数1】|rC−(rS’−d)|/rC≦0.2
【0015】を満足することが好ましい。
【0016】また、スペーサの別の構成として、前記ス
ペーサの回転軸方向から見た平面形状が長円形又は楕円
形であり、その長軸方向の一方の端部が前記突出部とな
るようにすることもできる。
【0017】以上のいずれの構成によっても、突起部と
案内面を有するスペーサを容易に実現することができ
る。
【0018】上記の構成において、前記スペーサが、基
材との干渉を防止するための切り欠き部を有することが
好ましい。かかる好ましい構成によれば、案内面の螺旋
のピッチを小さくすることができ、基材の長手方向の張
力を幅方向でほぼ均一にすることができるので、基材に
ねじれ、しわ、折れ、片伸びなどの損傷が生じるのをよ
り一層防止することができる。
【0019】また、上記の構成において、前記リールと
前記スペーサとが分離可能であることが好ましい。かか
る好ましい構成によれば、リールとして従来から使用し
ていたリールを使用できれば、本発明のスペーサを新た
に追加するだけで、上記の特性を有する多連リールを容
易に実現できる。また、リールの取り扱いは、個々のリ
ールを一単位として行なえるので、リールの重量が重く
ならず、リールの取り扱い性が低下することがない。
【0020】また、本発明の多連リールは、基材が巻回
された2以上の前記リールを前記スペーサを介して配置
した後、隣り合うリールに巻回された基材を順に接続し
て使用されるのが好ましい。かかる好ましい構成によれ
ば、隣り合うリールの基材同士を接続するまでは、個々
のリールを一単位として取り扱えるので、リールの重量
が重くならず、リールの取り扱い性が低下することがな
い。また、リールとして従来から使用していたリールを
使用できれば、従来の巻き取り装置を用いてリールに基
材を巻き取ることができるので、従来のリールとの互換
性を確保することができる。
【0021】更に、上記の構成において、前記基材がフ
ープ材であることが好ましい。フープ材は、各種装置を
工程順に配置して連続的に処理を行なう電子部品等の製
造工程において、キャリア基材として使用されており、
フープ材に本発明を適用することにより、本発明の上記
の効果がより顕著に発現し、電子部品等の製造効率を向
上させることができる。
【0022】また、本発明にかかる連続巻出し装置は、
上記に記載の多連リールを具備することを特徴とする。
かかる構成によれば、簡単な構造で、また、低コスト
で、しかも接続信頼性が確保された連続巻出し装置を実
現することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を図面を用いて具
体的に説明する。
【0024】(実施の形態1)図1は、本実施の形態に
かかるリールの概略構成を示した図であり、(A)は平
面図、(B)は(A)のI−I線での矢印方向から見た
断面図である。図2は、図1に示したリールに基材を巻
き付けた状態を示した概略斜視図である。図3は、本実
施の形態にかかるスペーサの概略構成を示した図であ
り、(A)は平面図、(B)は(A)のII−II線での矢
印方向から見た断面図である。図4は、本実施の形態に
かかる多連リールの一部の概略構成を示した図であり、
(A)は平面図、(B)は(A)のIII−III線での矢印
方向から見た断面図である。図5は、図4に示した本実
施の形態にかかる多連リールの斜視図である。
【0025】本実施の形態のリール110は、図1に示
したように、基材が巻回される円筒状の巻芯111と、
巻芯111の一端部に設けられた円盤状の側板112と
からなる。リール110の中心部には、保持部材(図示
せず)を嵌挿するための貫通孔113が形成されてい
る。リール110は、巻芯111の中心軸115を回転
中心として回転して使用される。円盤状の側板112
は、この中心軸115上にその中心を有する。巻芯11
1と側板112とは一体に成形又は加工してもよく、あ
るいはそれぞれ別個に製造してその後両者を一体化して
もよい。
【0026】巻芯111の幅WCは、使用する基材の幅
に応じて適宜決定される。一般に、基材の幅より5mm
程度大きいことが好ましい。
【0027】図2に、図1のリール110に基材130
を巻き付けた状態の概略斜視図を示す。本実施の形態に
おいては、図2に示したように、基材130の巻き始め
部(始端,但し、基材を巻出す場合には「終端」,以下
特に断わらない限り基材をリールに巻き取る場合を想定
して「始端」と「終端」を定義する)131を所定長さ
だけ巻出した状態で、かつ、基材の一方の端部が側板1
12に当接するようにして、巻芯111上に巻き付け
る。始端131を予め引き出しておくのは、図2のリー
ルを複数個連設したときに、隣り合うリールに巻回され
た基材の終端と接続するためである。
【0028】本実施の形態のスペーサ120は、図3に
示したように、外周面121が凸状の樽型形状を有す
る。また、図1のリール110に形成された貫通孔11
3と略同一径の貫通孔123が形成されている。このと
き、貫通孔123の中心軸125は、外周面121の中
心軸126と同一ではなく、距離dだけ偏心している。
【0029】図4及び図5は、図1のリール110の貫
通孔113と、図3のスペーサ120の貫通孔123に
円筒状の保持部材101を嵌挿して、一体化して本実施
の形態にかかる多連リールを構成した状態の一部を示し
ている。なお、構造の理解を容易にするために、図は基
材が巻かれていない状態を示している。また、実際の使
用時においては、図4(B)に2点鎖線を用いて示した
ように、必要数のリール110の間にスペーサ120を
1つずつ配置した状態で使用される。
【0030】本実施の形態においては、スペーサ120
の貫通孔123の偏心量dは、側板の外周の半径を
P、スペーサ120の最外周の半径をrS(rS<rP
とすると(図1,図3参照)、下記の関係を満足する。
【0031】
【数2】rP≦rS+d
【0032】貫通孔123の偏心量dをこのようにする
ことにより、リール110とスペーサ120とを保持部
材101を用いて一体化したときに、スペーサの外周面
121の一部121’が側板112の外周端と一致する
か、又はこれより突出し、スペーサの外周面121の残
りの部分は側板112の外周端より回転中心側に配され
る。この結果、リール110を連設したときに、このス
ペーサの外周面121の突出部121’上で、基材の終
端を隣接するリールの基材の始端と接続でき、しかも始
端側の基材をスペーサの外周面に沿ってリールの巻芯部
分に無理なく案内することができる。
【0033】図6に、スペーサの外周面の突出部上で、
隣接するリールの基材の始端と終端とを接続した状態の
概略斜視図を示す。
【0034】リール110a,110bには、図2に示
したように、それぞれ基材130a,130bが巻き付
けられている。そして、リール110a,110bの間
にスペーサ120を介在させて、保持部材101をそれ
ぞれの貫通孔に嵌挿することにより、これらが一体化さ
れている。
【0035】この状態において、リール110aに巻か
れた基材130aの終端132aと、リール110bに
巻かれた基材130bの始端131bとが、スペーサ1
20の突出部121’上で、接続部133により接続さ
れる。このように、本実施の形態によれば、リールの側
板の外周端と同じかそれより突出したスペーサの突出部
121’上で、隣り合うリールに巻かれた基材の始端と
終端とを接続できるので、接続作業が容易かつ確実に行
なえる。また、スペーサは外周面が凸の樽状であるか
ら、突出部121’近傍で基材がねじれ、折れなどの損
傷を受けにくい。更に、基材130bは、接続部133
からスペーサ120の外周面に沿って螺旋状に案内さ
れ、リール110bの巻芯部に導かれるので、この過程
においても基材がねじれ、折れ、しわ、片伸び等の損傷
を受けることがない。
【0036】また、リール110の巻芯111の外周面
の半径をrC(図1(B)参照)、スペーサ120の巻
芯と接する側の端部の半径をrS’、偏心量をdとした
とき(図3(A)参照)、|rC−(rS’−d)|/r
Cが0.2以下、さらには0.1以下、特に0であるの
が好ましい。上記パラメータは巻芯111の外周面とス
ペーサ120の外周面との間の段差の程度を意味し、こ
れが大きくなると、基材が巻芯部分で折れ、しわ等の損
傷を受けやすくなる。
【0037】スペーサ120の厚さは、使用する基材の
幅やスペーサの半径rS等に応じて適宜決定される。但
し、スペーサの厚さが基材の幅に対して薄くなりすぎる
と基材の端部が側板112の壁面と接触して損傷する場
合がある。一方、スペーサの厚さが基材の幅に対して厚
くなりすぎると、螺旋状に案内される基材の螺旋ピッチ
が大きくなって、基材に片伸び、しわ、折れ等が生じる
場合がある。
【0038】なお、図6では、2つのリールを連設した
場合を例に説明したが、これ以上のリールを同様に連接
することも勿論可能である。
【0039】本実施の形態の多連リールを用いた連続巻
出し装置の具体例を図7を用いて以下に示す。
【0040】図7は、フープ材の連続巻出し装置の概略
構成を示しており、(A)は平面図、(B)は(A)の
IV−IV線での矢印方向から見た断面図、(C)は左側面
図である。
【0041】図7の連続巻出し装置では、基材(フープ
材)130a,130b,130cがそれぞれ巻かれた
本実施の形態のリール110a,110b,110c
と、本実施の形態のスペーサ120a,120bとが、
回転軸方向に交互に配置されている。リール110aの
側板が設けられていない側には、別途保持板158が設
置される。そしてこれらは、保持部材110により保持
される。保持部材110は、駆動装置(図示せず)によ
り、図7(B)の矢印方向に回転駆動され、これによっ
て基材が巻出される。
【0042】基材130a,130b,130cは、図
6で説明したように、スペーサ120a,120bの突
出部上で順次接続されている。
【0043】本実施の形態では、基材は合紙とともにリ
ールに巻回されている。基材の巻出しと同時に巻出され
る合紙は、合紙リール153により巻き取られる。合紙
リール153は、各リール110に対応してそれぞれ設
置される。合紙リール153の添字a,b,cは、リー
ル110の添字a,b,cにそれぞれ対応する。各合紙
リール153は支持部材154により支持されており、
支持部材154の一端が支点155を介してベース15
1に固定されることにより、合紙リール153は支点1
55を回転中心として遊動可能に設置される。156は
引っ張りバネであり、その一端は支持部材154に接続
され、他端はベース151に接続される。この結果、合
紙リール153は、リール110上の基材130表面上
に付勢される。かくして、リール110が回転して基材
が巻出されると、合紙リール153は、基材表面との摩
擦力により図7(B)の矢印方向に回転するとともに、
合紙が合紙リールに巻き取られていく。
【0044】以上により、図7の連続巻出し装置によれ
ば、連設された3つのリールに巻かれた基材を130
c,130b,130aの順に順次連続して巻出して供
給すことができる。
【0045】以上から明らかなように、本実施の形態に
よれば、隣り合うリールに巻かれた基材の始端と終端と
を、スペーサの突出部を利用して接続することにより、
容易かつ確実に接続作業を行なうことができる。そし
て、スペーサの外周面に沿って基材を案内すれば基材に
損傷を与えることがない。
【0046】また、接続するリールの数を調整すれば、
任意の長さの基材を連続して巻出して、供給することが
可能になる。
【0047】また、以上の動作を、リールとスペーサと
いう少ない部品点数で、しかもそれぞれが極めて簡単な
構造で実現できるので、低コストで基材の連続供給装置
を実現できる。
【0048】さらに、リールとスペーサとからなる本実
施の形態のリールは、その外径寸法等を適宜選択すれ
ば、従来の巻き取り・巻出し装置に取り付けることも可
能であり、従来のリールとの互換性を維持できる。例え
ば、従来使用していたリールが図1に示したような形状
を有する場合には、それに適合するスペーサを新たに追
加するだけで連続巻出し装置を実現することができる。
【0049】また、隣り合う基材を接続するまでは、図
2に示した状態で取り扱うことができる。従って、リー
ルの運搬等は従来と全く同様に行なうことができ、重量
が増大してリールの取り扱い性が劣るようなことはな
い。
【0050】なお、本実施の形態では、スペーサとし
て、図3に示したように外周面が凸の樽型形状の例を示
したが、本発明はこれに限定されない。例えば、円筒状
のスペーサであってもよく、また、その角部が面取りさ
れていてもよい。円筒状のスペーサの場合には、上記の
説明はrS=rS’とすればよい。
【0051】(実施の形態2)本実施の形態では、スペ
ーサの形状が異なる点で上記の実施の形態1と相違し、
その他の点は実施の形態1と同様である。
【0052】図8は、本実施の形態のスペーサの概略構
成を示した図であり、(A)は斜視図、(B)は平面
図、(C)は左側面図である。
【0053】本実施の形態のスペーサ220の平面形状
は、図8(B)に示したように、両側に配された2つの
半円弧を中央部の2本の平行直線で接続した長円形を有
している。スペーサ220の一端には、これを保持する
ための保持部材を嵌挿するための貫通孔223が形成さ
れている。貫通孔223の中心軸から長軸方向の外周面
221までの距離Lは、これと同時に使用されるリール
の側板の外周の半径(図1においてrP)と同等か、又
はこれより長く設定される。この結果、長軸方向の非貫
通孔側の外周面がリールの側板の外周と同一もしくは側
板の外周より突出することになり、当該突出部で隣り合
うリールの基材同士を接続し、基材をスペーサの外周面
上に案内することができる。
【0054】本実施の形態のスペーサは、図8に示した
ように、貫通孔223の突出部側に切り欠き228が形
成されている。
【0055】切り欠き228の作用を図9を用いて説明
する。図9は、基材130が巻回された図1に示したリ
ール110と、図8に示したスペーサ220とを交互に
配置し、図示しない保持部材を、リール110の貫通孔
(図1の貫通孔113)と、スペーサ220の貫通孔2
23に嵌挿して一体化した後、隣り合う基材の始端と終
端とをそれぞれ順に接続した状態において、その中の一
対のリール110とスペーサ220に着目し、基材13
0の案内状態を示した概念斜視図である。図9に示した
ように、基材130は、スペーサ220の外周面221
及び切り欠き部の外周面229に沿って略螺旋状に案内
され、図示しない隣(図9ではスペーサ220の上部)
に配されたリールに巻回された基材の巻芯部へとつなが
っていく。ここで、切り欠き228がないと、基材の螺
旋のピッチを大きくする必要があり、基材の長手方向の
張力が幅方向で不均一となって、基材にねじれ、しわ、
折れ、片伸びなどが生じてしまう場合がある。このよう
に、切り欠き228は、基材をスペーサ220の外周面
221に沿って略螺旋状に案内したときに、基材とスペ
ーサとの干渉を防止することにより、螺旋ピッチを小さ
くして、隣のリールの巻芯部に基材を無理なく案内する
ことを容易にする。
【0056】切り欠き部の外周面229は、貫通孔22
3と中心軸を同じくする円筒状に形成されているのが好
ましく、その半径をr1とすると(図8(B)参照)、
|rC−r1|/rCが0.2以下、さらには0.1以
下、特に0であるのが好ましい。上記パラメータは巻芯
111の外周面と切り欠き部の外周面229との間の段
差の程度を意味し、これが大きくなると、基材が巻芯部
分で折れ、しわ等の損傷を受けやすくなる。
【0057】本実施の形態では、図8に示したように、
平面形状が長円形のスペーサを例に説明したが、本発明
はこれに限定されるものではない。リールの側板の外周
端と同程度かこれより突出する突出部を有し、基材を案
内する案内面を有していれば、例えば平面形状が楕円形
等であってもかまわない。また、角部は面取りされてい
てもよい。
【0058】本実施の形態は、上記以外は実施の形態1
で説明したのと同様であり、ここでは詳細な説明を省略
する。
【0059】本発明においてスペーサが切り欠き部を有
する例を実施の形態2のスペーサを用いて説明したが、
同様の切り欠き部は実施の形態1で説明した図3のスペ
ーサについても同様に形成することができ、実施の形態
2で説明したのと同様の効果を奏する。
【0060】また、本発明のスペーサは上記の実施の形
態1,2で説明したものに限定されない。例えば、上記
の実施の形態1,2で説明したスペーサの外周面には、
基材の案内に利用されない領域があり、このような領域
の外周面を、基材の案内面と同様に形成する必要はな
い。即ち、スペーサが本発明の突出部と基材を案内する
案内面を具備する限り、それ以外の形状は上記の実施の
形態に限定されず、自由に変更することが可能である。
【0061】更に、実施の形態1,2で説明したスペー
サは回転軸に対して非対称であるため、回転時に有害な
振動を生ずるおそれがある。このような場合には、回転
バランス調整用のおもりを付与したり、スペーサの一部
をくり抜く等、周知のバランス調整手段により、回転に
伴う振動を除去することが好ましい。
【0062】また、実施の形態1,2では、リールとス
ペーサとを一体に保持する保持部材は円筒状のものを例
に説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、
従来のリールと互換性を維持するために、従来の巻き取
り・巻出し装置に使用されていた保持部材の形状を考慮
した設計にすることも勿論可能である。
【0063】本発明が適用できる基材は、連続巻出しが
要求されるコイル状基材であれば特に限定さない。例え
ば、電子部品の製造工程で使用されるフープ材の他、各
種金属又は樹脂等からなる基材に適用できる。また、基
材の接続方法は基材の特性に応じて適宜変更可能であ
り、接着、溶接等周知の接続方法が使用できる。
【0064】本発明のリール、スペーサの材質及び製造
方法は特に限定はなく、基材の種類等に応じて適宜選択
することができる。例えば、樹脂を射出成型し、必要に
より機械加工をしたり、金属を機械加工したりして製造
することができる。
【0065】本発明の多連リールは基材の連続巻出しが
要求される各種用途に使用でき、特に制限はない。例え
ば、トランジスタなどの半導体装置の製造過程に使用さ
れるフープ材の連続巻出し装置に使用することができ
る。即ち、リールに巻き取られたコイル状のフープ材を
リードフレームの製造のためのプレス加工工程のために
巻出す際の連続巻出し装置に使用することができる。あ
るいは、プレス工程でリードフレーム形状に打ち抜かれ
たフープ材をリールに巻き取った後、めっき処理工程の
ために巻出す際の連続巻出し装置に使用することができ
る。
【0066】
【発明の効果】本発明の多連リールによれば、基材をス
ペーサの突出部とこれと連続して形成された案内面に沿
って略螺旋状に案内することができるので、隣り合うリ
ールの基材同士をスペーサの案内面上で確実かつ容易に
接続することができる。これにより、複数のリールに巻
かれた基材を連続させることができる。しかも基材は略
螺旋状に巻芯まで案内されるので、基材にねじれ、折
れ、しわ、片伸び等の損傷が生じにくい。この結果、基
材を安定的に連続して巻出し、供給することが可能にな
る。しかも、部品点数が少なく、構造が簡単で、低コス
トで多連リールを製造することができる。更に、従来の
リールと互換性を維持することが可能で、従来の巻き取
り・巻出し装置に取り付けて使用することができる。
【0067】また、本発明の連続巻出し装置によれば、
簡単な構造で、また、低コストで、しかも接続信頼性が
確保された連続巻出し装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1にかかるリールの概略
構成を示した図であり、(A)は平面図、(B)は
(A)のI−I線での矢印方向から見た断面図である。
【図2】 図1に示したリールに基材を巻き付けた状態
を示した概略斜視図である。
【図3】 本発明の実施の形態1にかかるスペーサの概
略構成を示した図であり、(A)は平面図、(B)は
(A)のII−II線での矢印方向から見た断面図である。
【図4】 本発明の実施の形態1にかかる多連リールの
一部の概略構成を示した図であり、(A)は平面図、
(B)は(A)のIII−III線での矢印方向から見た断面
図である。
【図5】 図4に示した実施の形態1にかかる多連リー
ルの斜視図である。
【図6】 本発明の実施の形態1にかかる多連リールを
用いて隣り合うリールの基材を接続した状態を示した概
略斜視図である。
【図7】 本発明の実施の形態1にかかる多連リールを
用いたフープ材の連続巻出し装置の概略構成を示した図
であり、(A)は平面図、(B)は(A)のIV−IV線で
の矢印方向から見た断面図、(C)は左側面図である。
【図8】 本発明の実施の形態2にかかるスペーサの概
略構成を示した図であり、(A)は斜視図、(B)は平
面図、(C)は左側面図である。
【図9】 図8に示したスペーサの切り欠きの作用を説
明するための斜視図である。
【符号の説明】
101 保持部材 110 リール 111 巻芯 112 側板 113 貫通孔 115 中心軸 120 スペーサ 121 外周面 121’ 突出部 123 貫通孔 125 貫通孔の中心軸 126 外周面の中心軸 130 基材 131 基材の始端 132 基材の終端 133 接続部 151 ベース 153 合紙リール 154 支持部材 155 支点 156 引っ張りバネ 220 スペーサ 221 外周面 223 貫通孔 228 切り欠き 229 切り欠き部の外周面

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材をコイル状に巻回するための巻芯
    と、前記基材の一方の端部が当接するように、前記巻芯
    の少なくとも一方の端部に設けられた側板とを有するリ
    ールを回転軸方向に2以上有し、 前記リールの間にスペーサが配置されてなり、 前記スペーサは、前記側板の外周端部と同一かそれより
    突出するように形成された突出部と、前記基材を案内す
    るために前記スペーサの外周に形成された案内面とを有
    し、 前記スペーサの一方の側のリールに巻回された基材が、
    前記スペーサの前記突出部とこれに連続する前記案内面
    に沿って、他方の側のリールの巻芯に略螺旋状に案内さ
    れるようにされてなることを特徴とする多連リール。
  2. 【請求項2】 前記スペーサが円筒状又は外周面が凸の
    樽状であり、前記リールに対して偏心して設置されてい
    る請求項1に記載の多連リール。
  3. 【請求項3】 前記側板が外周の半径がrPの円盤状で
    あり、前記スペーサの最外周の半径をrS、前記偏心量
    をdとしたとき、 rP≦rS+d を満足する請求項2に記載の多連リール。
  4. 【請求項4】 前記巻芯が外周面の半径がrCの円筒状
    であり、前記スペーサの前記巻芯側の端部の半径を
    S’、前記偏心量をdとしたとき、 |rC−(rS’−d)|/rC≦0.2 を満足する請求項2に記載の多連リール。
  5. 【請求項5】 前記スペーサの回転軸方向から見た平面
    形状が長円形又は楕円形であり、その長軸方向の一方の
    端部が前記突出部である請求項1に記載の多連リール。
  6. 【請求項6】 前記スペーサが、基材との干渉を防止す
    るための切り欠き部を有する請求項1〜5のいずれかに
    記載の多連リール。
  7. 【請求項7】 前記リールと前記スペーサとが分離可能
    である請求項1〜6のいずれかに記載の多連リール。
  8. 【請求項8】 基材が巻回された2以上の前記リールを
    前記スペーサを介して配置した後、隣り合うリールに巻
    回された基材を順に接続して使用される請求項1〜7の
    いずれかに記載の多連リール。
  9. 【請求項9】 前記基材がフープ材である請求項1〜8
    のいずれかに記載の多連リール。
  10. 【請求項10】 請求項1〜9のいずれかに記載の多連
    リールを具備してなる連続巻出し装置。
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