JP2000135964A - ガス発生器およびその使用方法 - Google Patents

ガス発生器およびその使用方法

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JP2000135964A
JP2000135964A JP10311089A JP31108998A JP2000135964A JP 2000135964 A JP2000135964 A JP 2000135964A JP 10311089 A JP10311089 A JP 10311089A JP 31108998 A JP31108998 A JP 31108998A JP 2000135964 A JP2000135964 A JP 2000135964A
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Japan
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pressure
gas
gas generator
control member
cleavage
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JP10311089A
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English (en)
Inventor
Jun Okada
田 順 岡
Kiyohiro Uramoto
本 清 弘 浦
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Publication date
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  • Air Bags (AREA)
  • Feeding, Discharge, Calcimining, Fusing, And Gas-Generation Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 可燃性ガスを用いたガス発生器において、エ
アバッグシステムの機能向上のための改善が望まれてい
た。 【解決手段】 ガス発生器A1は、保持部材4により第
1および第2の圧力容器1,2を圧力隔壁3同士が相対
向する状態に保持し、両圧力容器1,2には可燃性ガス
を加圧充填し且つ着火手段6を設け、保持部材4にはガ
ス放出空間7から外部へのガス放出口8を設け且つ開裂
制御部材5を移動自在に収容し、各着火手段6の作動時
期を同時とすることで発生圧力を大きくし、各着火手段
6の作動時期を非同時にした際に、後から開裂する圧力
隔壁3を開裂制御部材5で一部抑制することによって発
生圧力を小さくした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車の衝突時に
乗員を保護するためのエアバッグシステムに用いられる
ガス発生器およびその使用方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】この種のガス発生器としては、例えば、
ハウジング内にフィルタを介してガス発生剤を充填する
と共に、ガス発生剤への着火剤および伝火剤を充填した
ものがある。ガス発生剤には、一般的に、熱分解により
窒素ガスを放出するアジ化ナトリウムが用いられる。着
火剤には、例えばジルコニウムと過塩素酸カリウム粉末
の混合物が用いられ、伝火剤には、例えばホウ素と塩素
酸カリウム粉末の混合物が用いられる。フィルタは、ア
ジ化ナトリウムの反応副生成物であるナトリウムの放出
を抑えると共に、放出するガスの温度を低下させる。そ
して、このガス発生器は、自動車の衝突を検出したセン
サから信号が入力されると、着火剤に着火して伝火剤お
よびガス発生剤を燃焼させ、その燃焼により発生したガ
スをエアバッグ側に瞬時に放出する。
【0003】また、近年では、可燃性ガスを用いたガス
発生器が提案されている。このガス発生器は、圧力隔壁
により閉塞した圧力容器を備えると共に、この圧力容器
に可燃性ガスを加圧充填し、可燃性ガスの燃焼により生
じた発生圧力で圧力隔壁を開裂させて、エアバッグ側に
瞬時にガスを放出するようになっている。このような可
燃性ガスを用いたガス発生器は、ガス発生剤を用いたガ
ス発生器に比べて、レイアウトの自由度向上、製造工程
の簡素化および低コスト化などを実現するという利点が
ある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、自動車のエ
アバッグシステムは、乗員の衝撃吸収能力等をより一層
高めるためにさらなる研究開発が進められており、例え
ば、衝突形態や乗員の体格などに応じてガスの発生圧力
を変化させる機能が考えられている。
【0005】しかしながら、ガス発生剤を用いた従来の
ガス発生器にあっては、出力の異なるガス発生器を複数
備えた構成とすることにより、発生圧力を選択すること
が可能になるが、この場合、構造が複雑化するとともに
コスト高になるなどの問題がある。そこで、従来にあっ
ては、ガス発生剤使用のガス発生器よりもレイアウトや
コストの面で有利な可燃性ガス使用のガス発生器におい
て、エアバッグシステムの機能向上のための改善が要望
されていた。
【0006】
【発明の目的】本発明は、上記従来の状況に鑑みて成さ
れたもので、可燃性ガスを用いたガス発生器において、
発生圧力を変化させることができるガス発生器およびそ
の使用方法を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係わるガス発生
器は、請求項1として、所定圧力で開裂する圧力隔壁に
より閉塞した第1および第2の圧力容器と、両圧力容器
を圧力隔壁同士が一定間隔で相対向する状態に保持する
保持部材を備え、両圧力容器には、可燃性ガスを加圧充
填するとともに可燃性ガスへの着火手段を設け、保持部
材には、両圧力隔壁間に形成したガス放出空間から外部
に連通するガス放出口を設けると共に、ガス放出空間
に、両圧力隔壁に相対向する開裂制御部材を両圧力隔壁
方向に移動自在に収容した構成とし、請求項2として、
開裂制御部材が、略中央部に、両圧力隔壁側に連通する
開口部を備えている構成とし、請求項3として、保持部
材が円筒状を成すと共に、開裂制御部材が略円盤状を成
しており、開裂制御部材の外径を保持部材の内径の75
〜99%にすると共に、開裂制御部材の開口部の内径を
当該開裂制御部材の外径の50〜90%にした構成と
し、請求項4として、開裂制御部材の開口部が、第1圧
力容器側と第2圧力容器側とで異なる内径を有している
構成とし、請求項5として、可燃性ガスが、水素と、酸
素と、窒素またはアルゴンの混合ガスである構成とし、
請求項6として、圧力容器に加圧充填した可燃性ガスの
圧力を1〜20MPaにした構成としており、上記の構
成をもって従来の課題を解決するための手段としてい
る。
【0008】また、本発明に係わるガス発生器の使用方
法は、請求項7として、請求項1〜6のいずれかに記載
のガス発生器を用い、第1および第2の圧力容器の各着
火手段の作動時期を同時または非同時から選択して、ガ
ス発生器を作動させる構成としており、上記の構成をも
って従来の課題を解決するための手段としている。
【0009】
【発明の作用】本発明の請求項1に係わるガス発生器で
は、保持部材において、第1および第2の圧力容器を圧
力隔壁同士が相対向する状態に保持すると共に、両圧力
隔壁の間のガス放出空間に開裂制御部材を移動自在に備
えているので、第1および第2の圧力容器の着火手段の
作動時期を選択することにより、発生圧力が異なるもの
となる。つまり、双方の着火手段を同時に作動させる
と、可燃性ガスの燃焼による圧力で両圧力隔壁がほぼ同
時に開裂すると共に、双方の開裂変形部分によって開裂
制御部材がガス放出空間のほぼ中央に保持された状態と
なるので、両圧力容器からのガスがガス放出空間からガ
ス放出口を通して瞬時に外部に放出されることとなり、
大きな発生圧力が得られる。また、一方の着火手段を先
に作動させ、これに続いて他方の着火手段を作動させる
と、一方の圧力隔壁が開裂するのに伴って開裂制御部材
が他方の圧力隔壁側に移動し、その後開裂する他方の圧
力隔壁が開裂制御部材によって一部抑制された状態とな
るので、一方の圧力容器からのガスが瞬時に放出され、
他方の圧力容器からのガスが緩やかに放出されることと
なり、初期の発生圧力が小さくなる。
【0010】本発明の請求項2に係わるガス発生器で
は、開裂制御部材の略中央部に開口部を設けたので、と
くに双方の着火手段の作動時期を非同時とした場合に、
一方の圧力隔壁の開裂により移動した開裂制御部材が、
他方の圧力隔壁の開裂により大きく押し戻されるような
事態が防止され、開裂制御部材による他方の圧力隔壁の
開裂抑制機能が確実になる。
【0011】本発明の請求項3に係わるガス発生器で
は、開裂制御部材の外径を保持部材の内径の75〜99
%にすると共に、開裂制御部材の開口部の内径を当該開
裂制御部材の外径の50〜90%にしたので、圧力隔壁
の開裂に伴う開裂制御部材の移動が円滑なものになると
共に、開裂制御部材による圧力隔壁の開裂抑制機能がよ
り確実になる。
【0012】本発明の請求項4に係わるガス発生器で
は、開裂制御部材の開口部を第1圧力容器側と第2圧力
容器側とで異なる内径としたので、第1圧力容器の着火
手段を先に作動させた場合と、第2圧力容器の着火手段
を先に作動させた場合とで、開裂制御部材の移動量や各
圧力隔壁に対するそれぞれの開裂抑制の度合いに差が生
じ、発生圧力が異なるものとなる。
【0013】本発明の請求項5に係わるガス発生器で
は、可燃性ガスが、水素と、酸素と、窒素またはアルゴ
ンの混合ガスとしたので、放出されるガスが人体に対し
て無害なものとなる。
【0014】本発明の請求項6に係わるガス発生器で
は、圧力容器に加圧充填した可燃性ガスの圧力を1〜2
0MPaとしたので、放出されるガスが自動車のエアバ
ッグを展開させるのに充分な圧力および量となる。
【0015】本発明の請求項7に係わるガス発生器の使
用方法では、請求項1〜6のいずれかに記載のガス発生
器を用い、第1および第2の圧力容器の各着火手段の作
動時期を同時または非同時から選択して作動させること
により、発生圧力が異なるものとなる。
【0016】
【発明の効果】本発明の請求項1に係わるガス発生器に
よれば、可燃性ガスを用いたガス発生器において、第1
および第2の圧力容器を備えると共に、相対向する圧力
隔壁間で移動自在な開裂制御部材を採用したことによ
り、着火手段の作動時期を同時または非同時から選択す
ることで、圧力隔壁の開裂度を確実に変化させて異なる
発生圧力を得ることができる。これにより、エアバッグ
システムにおいて、自動車の衝突形態や乗員の体格など
に応じてエアバッグの展開形態を変化させることが可能
となる。
【0017】本発明の請求項2に係わるガス発生器によ
れば、請求項1と同様の効果を得ることができるうえ
に、開口部を有する開裂制御部材を採用したことによ
り、とくに双方の着火手段の作動時期を非同時とした場
合に、後から開裂する圧力隔壁に対して、開裂制御部材
による開裂抑制機能を確実なものにすることができ、発
生圧力を異ならせる機能をより高めることができる。
【0018】本発明の請求項3に係わるガス発生器によ
れば、請求項2と同様の効果を得ることができるうえ
に、開裂制御部材の外径および開口部の内径を設定する
ことにより、開裂制御部材の移動をより円滑にし得ると
共に、開裂制御部材による圧力隔壁の開裂抑制機能をよ
り確実にすることができる。
【0019】本発明の請求項4に係わるガス発生器によ
れば、請求項2および3と同様の効果を得ることができ
るうえに、開裂制御部材において、第1圧力容器側と第
2圧力容器側とで内径が異なる開口部を採用したことに
より、第1圧力容器の着火手段を先に作動させた場合
と、第2圧力容器の着火手段を先に作動させた場合とに
おいても異なる発生圧力を得ることができる。
【0020】本発明の請求項5に係わるガス発生器によ
れば、請求項1〜4と同様の効果を得ることができるう
えに、水素と酸素と窒素またはアルゴンの混合ガスとか
ら成る可燃性ガスを用いたことにより、人体に対して無
害なガスを放出することができる。
【0021】本発明の請求項6に係わるガス発生器によ
れば、請求項1〜5と同様の効果を得ることができるう
えに、圧力容器に加圧充填した可燃性ガスの圧力を1〜
20MPaとしたことにより、自動車のエアバッグを自
動車のエアバッグを展開させるのに充分な圧力および量
のガスを放出することができる。
【0022】本発明の請求項7に係わるガス発生器の使
用方法によれば、請求項1〜6のいずれかに記載のガス
発生器を用い、第1および第2の圧力容器の各着火手段
の作動時期を同時または非同時から選択して作動させる
ことにより、異なる発生圧力を得ることができる。
【0023】
【実施例】図1〜図3は、本発明に係わるガス発生器の
一実施例およびガス発生器の使用方法を説明する図であ
る。
【0024】図1に示すガス発生器A1は、自動車のエ
アバッグシステムにおいてエアバッグ展開用のガスを発
生するものであって、所定圧力で開裂する圧力隔壁3に
より閉塞した第1および第2の圧力容器1,2と、両圧
力容器1,2を圧力隔壁3,3同士が一定間隔で相対向
する状態に保持する保持部材4と、両圧力容器1,2間
で移動自在な開裂制御部材5を備えている。
【0025】第1および第2の圧力容器1,2は、有底
円筒状を成す高張力鋼製の容器であって、圧力隔壁3に
より各々の開口部が閉塞してあり、可燃性ガスが加圧充
填してあるとともに可燃性ガスへの着火手段6を備えて
いる。
【0026】各圧力隔壁3は、ステンレス、鉄およびア
ルミニウム等から選択した素材から成る薄い円板状の部
材であって、図3(a)に示すように、その中心から放
射状に開裂促進用の脆弱部3aを有している。脆弱部3
aは、圧力隔壁3の主体部分よりも薄肉となっていて、
この実施例では十字状に形成してある。この圧力隔壁3
は、溶接により各圧力容器1,2の開口部に固定してあ
ると共に、長期にわたって可燃性ガスの封入圧力に充分
に耐える強度を有しており、可燃性ガスへの着火により
圧力容器1,2内の圧力が著しく上昇すると、脆弱部3
aにおいて破断を生じ、図3(b)に示すように容器外
側に展開する状態に開裂する。
【0027】可燃性ガスは、水素と、酸素と、窒素ある
いはアルゴン等の不活性ガスとの混合ガスであって、1
〜20MPaの圧力で封入してある。着火手段6は、圧
力容器1,2の底部に適宜の絶縁手段を介して貫通させ
た一対の電極6a,6bと、圧力容器1,2内において
電極6a,6b間に設けたニクロム線6cを備えると共
に、衝突を検知したセンサからの信号を受けて電極6
a,6bに通電を行う図示しない制御装置に接続してあ
る。
【0028】保持部材4は、両圧力容器1,2の外径に
対応した内径を有する円筒状の部材であって、両圧力容
器1,2を保持した状態でその間にガス放出空間7を形
成すると共に、ガス放出空間7から部材外部に連通する
複数のガス放出口8を備えており、ガス放出空間7に、
両圧力隔壁3,3に相対向する開裂制御部材5が両圧力
隔壁方向(図1の左右方向)に移動自在に収容してあ
る。
【0029】開裂制御部材5は、一定の肉厚を有する円
板状の部材であって、その中央部には、両圧力隔壁3,
3側に連通する円形の開口部9が形成してある。このと
き、開裂制御部材5は、その外径Doを保持部材4の内
径Dhの75〜99%にすると共に、開口部9の内径D
iを当該開裂制御部材5の外径Doの50〜90%にし
ている。
【0030】上記のガス発生器A1は、第1および第2
の圧力容器1,2の着火手段6の作動時期を選択するこ
とにより、発生圧力を異ならせることができる。
【0031】すなわち、第1および第2の圧力容器1,
2の各着火手段6,6を同時に作動させると、可燃性ガ
スの燃焼による圧力で両圧力隔壁3,3がほぼ同時に開
裂すると共に、図3(b)に示す双方の開裂変形部分に
よって開裂制御部材5がガス放出空間7のほぼ中央に保
持された状態となる。そして、両方の圧力容器1,2か
らのガスが、ガス放出空間7からガス放出口8を通して
瞬時に外部に放出されることとなり、大きな発生圧力が
得られる。
【0032】このとき、当該ガス発生器A1では、可燃
性ガスとして、水素と酸素と窒素またはアルゴンの不活
性ガスとの混合ガスを用いているので、放出されるガス
は人体に対して無害であり、しかも、可燃性ガスの封入
圧力を1〜20MPaとしたので、放出されるガスが自
動車のエアバッグを展開させるのに充分な圧力および量
となる。
【0033】また、ガス発生器A1は、例えば、第1圧
力容器1の着火手段6を先に作動させ、これに続いて第
2圧力容器2の着火手段6を作動させると、図2に示す
ように、第1圧力容器1の圧力隔壁3が膨脹して開裂す
るのに伴って開裂制御部材5が第2圧力容器2の圧力隔
壁3側(図1では右側)に移動し、これに続いて膨脹し
て開裂する第2圧力容器2の圧力隔壁3が開裂制御部材
5によって一部抑制された状態となる。これにより、第
1圧力容器1からのガスが瞬時に放出され、第2圧力容
器2からのガスが緩やかに放出されることとなり、初期
の発生圧力が小さくなる。なお、図示の如く第1および
第2の圧力容器1,2がほぼ同一構成である場合には、
第2圧力容器2の着火手段6を先に作動させても同様の
動作をする。
【0034】このように、当該ガス発生器A1では、第
1および第2の圧力容器1,2の着火手段6の作動時期
を同時あるいは非同時にすることにより、発生圧力が異
なるものとなる。また、開裂制御部材5に開口部9が設
けてあるので、図2に示す如く着火手段6の作動時期を
非同時とした場合に、第1圧力容器1の圧力隔壁3の開
裂により移動した開裂制御部材5が、第2圧力容器2の
圧力隔壁3の開裂により大きく押し戻されることがな
く、開裂制御部材5による第2圧力容器2の圧力隔壁3
の開裂抑制機能が確実に行われる。さらに、先に述べた
ように開裂制御部材5の外径Doおよび開口部9の内径
Dhを設定したので、圧力隔壁3の開裂に伴って開裂制
御部材5が倒れることなく円滑に移動し、開裂制御部材
5による圧力隔壁3の開裂抑制機能がより確実に行われ
る。
【0035】上記実施例の構成に基づいて製作したガス
発生器を容積60リッターの耐圧容器内にセットし、各
着火手段の作動時期を変えて作動させ、それぞれの発生
圧力を測定した。その結果を図7に示す。
【0036】図7から明らかなように、第1および第2
の圧力容器の着火手段を同時に作動させた場合には、実
線(同時作動)で示すように大きな発生圧力が得られ、
第1圧力容器の着火手段を先に作動させた場合には、点
線(非同時差動)で示すように発生圧力が小さくなるこ
とが確認できた。なお、第2圧力容器の着火手段を先に
作動させた場合でも、同様に発生圧力が小さくなるもの
と推測できる。
【0037】図4〜図6は、本発明に係わるガス発生器
の他の実施例およびガス発生器の使用方法を説明する図
である。なお、先の実施例と同一の構成部位は、同一符
号を付して詳細な説明を省略する。
【0038】図4に示すガス発生器A2は、圧力隔壁3
により閉塞された第1および第2の圧力容器1,2およ
び保持部材4を備えると共に、第1圧力容器1側と第2
圧力容器2側とで異なる内径d1,d2とした開口部9
を有する開裂制御部材15を備えている。この実施例で
は、開口部9は、第1圧力容器1側の内径d1が第2圧
力容器2側の内径d2よりも大きく、全体としてテーパ
孔になっている。
【0039】上記のガス発生器A2は、第1および第2
の圧力容器1,2の着火手段6を同時に作動させると、
先の実施例と同様に大きな発生圧力が得られる。
【0040】また、ガス発生器A2は、第1圧力容器1
の着火手段6を先に作動させると、図5に示すように、
第1圧力容器1の圧力隔壁3が膨脹して開裂すること
で、開裂制御部材15が第2圧力容器2側に移動し、こ
の開裂制御部材5によって第2圧力容器2の圧力隔壁3
の開裂が一部抑制される。このとき、当該ガス発生器A
2では、開裂制御部材15の開口部9が第1圧力容器1
側に大きい内径d1を有しているので、この開裂制御部
材15により、先に行われる第1圧力容器1の圧力隔壁
3の開裂が若干抑制された状態となり、続いて行われる
第2容器2の圧力隔壁3の開裂が一部抑制された状態と
なる。したがって、各着火手段6を同時に作動させた場
合に比べて全体の発生圧力が小さくなるうえに、初期の
発生圧力がさらに抑えられる。
【0041】次に、ガス発生器A2は、第2圧力容器2
の着火手段6を先に作動させると、図6に示すように、
第2圧力容器2の圧力隔壁3が膨脹して開裂すること
で、開裂制御部材15が第1圧力容器1側に移動し、こ
の開裂制御部材5によって第1圧力容器1の圧力隔壁3
の開裂が一部抑制される。この場合には、開裂制御部材
15の開口部9が第2圧力容器1側に小さい内径d2を
有しているので、先に行われる第2圧力容器2の圧力隔
壁3の開裂が開裂制御部材15による抑制をほとんど受
けることがなく、続いて行われる第1容器1の圧力隔壁
3の開裂が一部抑制された状態となる。したがって、各
着火手段6を同時に作動させた場合に比べて全体の発生
圧力が小さくなり、第1圧力容器1の着火手段6を先に
作動させる場合よりは発生圧力がやや大きいものとな
る。
【0042】上記実施例の構成に基づいて製作したガス
発生器を容積60リッターの耐圧容器内にセットし、各
着火手段の作動時期を変えて作動させ、それぞれの発生
圧力を測定した。その結果を図8に示す。
【0043】図8から明らかなように、第1および第2
の圧力容器の着火手段を同時に作動させた場合には、実
線(同時作動)で示すように大きな発生圧力が得られ
た。また、第1圧力容器の着火手段を先に作動させた場
合、および第2圧力容器の着火手段を先に作動させた場
合には、点線(第1が先)および一点鎖線(第2が先)
で示すように発生圧力が小さくなり、しかも、第1圧力
容器の着火手段を先に作動させた場合には、第2圧力容
器の着火手段を先に作動させた場合よりも発生圧力がさ
らに小さくなった。つまり、両圧力容器側で内径が異な
る開口部を有する開裂制御部材を採用したことにより、
各着火手段の作動時期が同時と非同時の場合で発生圧力
が大きく異なるうえに、非同時において着火順を変える
ことによっても異なる発生圧力が得られることを確認し
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わるガス発生器の一実施例を説明す
る断面図である。
【図2】図1に示すガス発生器において第1圧力容器の
着火手段を先に作動させた場合を説明する断面図であ
る。
【図3】開裂前の圧力隔壁を説明する斜視図(a)、お
よび開裂後の圧力隔壁を説明する斜視図(b)である。
【図4】本発明に係わるガス発生器の他の実施例を説明
する断面図である。
【図5】図4に示すガス発生器において第1圧力容器の
着火手段を先に作動させた場合を説明する断面図であ
る。
【図6】図4に示すガス発生器において第2圧力容器の
着火手段を先に作動させた場合を説明する断面図であ
る。
【図7】図1に示すガス発生器において、各着火手段の
作動時期を同時および非同時とした場合の発生圧力の変
化を示すグラフである。
【図8】図4に示すガス発生器において、各着火手段の
作動時期を同時、第1圧力容器側を先、および第2圧力
容器側を先とした場合の発生圧力の変化を示すグラフで
ある。
【符号の説明】
A1 A2 ガス発生器 1 第1圧力容器 2 第2圧力容器 3 圧力隔壁 4 保持部材 5 15 開裂制御部材 6 着火手段 7 ガス放出空間 8 ガス放出口 9 開口部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3D054 DD01 DD04 DD15 DD17 DD21 DD28 DD30 DD33 EE28 EE29 FF18 FF20 4G068 DA08 DB26 DB30 DD11

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定圧力で開裂する圧力隔壁により閉塞
    した第1および第2の圧力容器と、両圧力容器を圧力隔
    壁同士が一定間隔で相対向する状態に保持する保持部材
    を備え、両圧力容器には、可燃性ガスを加圧充填すると
    ともに可燃性ガスへの着火手段を設け、保持部材には、
    両圧力隔壁間に形成したガス放出空間から外部に連通す
    るガス放出口を設けると共に、ガス放出空間に、両圧力
    隔壁に相対向する開裂制御部材を両圧力隔壁方向に移動
    自在に収容したことを特徴とするガス発生器。
  2. 【請求項2】 開裂制御部材が、略中央部に、両圧力隔
    壁側に連通する開口部を備えていることを特徴とする請
    求項1に記載のガス発生器。
  3. 【請求項3】 保持部材が円筒状を成すと共に、開裂制
    御部材が略円盤状を成しており、開裂制御部材の外径を
    保持部材の内径の75〜99%にすると共に、開裂制御
    部材の開口部の内径を当該開裂制御部材の外径の50〜
    90%にしたことを特徴とする請求項2に記載のガス発
    生器。
  4. 【請求項4】 開裂制御部材の開口部が、第1圧力容器
    側と第2圧力容器側とで異なる内径を有していることを
    特徴とする請求項2または3に記載のガス発生器。
  5. 【請求項5】 可燃性ガスが、水素と、酸素と、窒素ま
    たはアルゴンの混合ガスであることを特徴とする請求項
    1〜4のいずれかに記載のガス発生器。
  6. 【請求項6】 圧力容器に加圧充填した可燃性ガスの圧
    力を1〜20MPaにしたことを特徴とする請求項1〜
    5のいずれかに記載のガス発生器。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれかに記載のガス発
    生器を用い、第1および第2の圧力容器の各着火手段の
    作動時期を同時または非同時から選択して、ガス発生器
    を作動させることを特徴とするガス発生器の使用方法。
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