JP2000135288A - 筒状運動素子 - Google Patents

筒状運動素子

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JP2000135288A
JP2000135288A JP10311385A JP31138598A JP2000135288A JP 2000135288 A JP2000135288 A JP 2000135288A JP 10311385 A JP10311385 A JP 10311385A JP 31138598 A JP31138598 A JP 31138598A JP 2000135288 A JP2000135288 A JP 2000135288A
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peltier element
actuator
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section
shape memory
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JP10311385A
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Shigenao Maruyama
重直 圓山
Yoshikatsu Tanahashi
善克 棚橋
Makoto Yamada
誠 山田
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Tohoku Electronic Industrial Co Ltd
Original Assignee
Tohoku Electronic Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 所要の方向に屈曲又は回転させることがで
き、応答速度が速い筒状運動素子を構成することが困難
であった。 【解決手段】 形状記憶合金からなる複数の作動部1
7、18は、高温時の形状と低温時の形状が記憶されて
いる。これら作動部17、18の近傍には、P型ペルチ
ェ素子233、N型ペルチェ素子243が交互に配置さ
れている。これらP型ペルチェ素子233、N型ペルチ
ェ素子243は発熱部と吸熱部が同一位置となるよう
に、電極25によりジグザグに直列接続されている。こ
れらペルチェ素子を選択的に通電することにより、作動
部17、18を所要の方向に変形させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば内視鏡やカ
テーテル等に適用される形状記憶合金と熱電変換素子を
用いた筒状運動素子に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、従来のカテーテルは、操作者の
意図に応じた方向に変形するような能動性を有していな
い。このため、屈曲した人体内の管腔臓器、例えば尿道
や尿管等にカテーテルを挿入する際に対象臓器を損傷き
せる危険性があった。
【0003】また、複数の細いワイヤーを用いて先端部
を屈曲させる構造のカテーテルも開発されている。しか
し、このようなカテーテルは屈曲する部位が固定されて
おり、さらにカテーテル内に処置具を挿入した場合に屈
曲状態を保持するだけの有効なトルクを有していないな
どの問題点があった。しかも、現状のカテーテルはワイ
ヤーを用いてカテーテルの先端部をカテーテルの長軸と
直交方向へ屈曲させる場合は特に問題はないが、先端部
を長軸の周囲方向に回転させる場合は、手元でカテーテ
ル全体を回転しなければならない。その際、カテーテル
の途中の部分が内蔵組織に接しているため、摩擦などに
よりスムーズな回転動作を行うことが困難であり、しか
も、内蔵組織を損傷する虞を有している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】一方、マイクロマシン
の技術を用いた能動カテーテルが開発されている。この
能動カテーテルは形状記憶合金をヒータと組合わせたも
のである。
【0005】しかし、マイクロマシンの技術を用いた能
動カテーテルは形状記憶合金をヒータにより電気的に加
熱しているため、消費電力が大きくかつ変形力が小さ
い。しかも、ジュール熱の発生が大きいため、生体に与
える負担が大きいという問題を有している。また、この
方式の場合、形状記憶合金の冷却は自然放冷であるた
め、形状記憶合金の応答速度が遅く、操作性が劣るとい
う問題を有している。
【0006】本発明は、上記課題を解決するためになさ
れたものであり、その目的とするところは、所要の方向
に屈曲又は回転させることが可能であり、しかも、応答
速度が速い筒状運動素子を提供しようとするものであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の筒状運動素子
は、上記課題を解決するため、高温時の形状が記憶され
た線状の形状記憶合金からなる複数の作動部と、これら
作動部の各相互間に配置され、通電方向に応じて発熱又
は吸熱する複数の熱電変換素子と、これら熱電変換素子
と前記作動部を保持し、中央部に空洞を有する筒状の保
持体とを具備している。
【0008】また、本発明の筒状運動素子は、リング状
の第1の保持体と、この第1の保持体より径が小さいリ
ング状の第2の保持体が同心状に配置された第1のアク
チュエータ部と、前記第1のアクチュエータ部の軸上に
配置され、リング状の第3の保持体と、この第3の保持
体より径が小さいリング状の第4の保持体が同心状に配
置された第2のアクチュエータ部とを有し、前記第1の
アクチュエータ部は前記第1、第2の保持体の相互間に
保持され、高温時に軸と直交方向に変形する形状が記憶
された線状の形状記憶合金からなる複数の第1の作動部
と、これら第1の作動部の各相互間に配置され、通電方
向に応じて発熱又は吸熱する複数の第1の熱電変換素子
とを有し、前記第2のアクチュエータ部は前記第3、第
4の保持体の相互間に保持され、高温時に軸の接線方向
に変形する形状が記憶された線状の形状記憶合金からな
る複数の第2の作動部と、これら第2の作動部の各相互
間に配置され、通電方向に応じて発熱又は吸熱する複数
の第2の熱電変換素子とを具備している。
【0009】前記第1、第2のアクチュエータ部はカテ
ーテルに配置されている。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。
【0011】図1、図2は本発明の第1の実施例を示す
ものであり、細線状の形状記憶合金と熱電変換素子とし
てのペルチェ素子を用いて筒状運動素子を構成した例を
示している。この筒状運動素子は、電流の供給方向及び
電流量に応じて、所要の方向に曲げたり回転させること
が可能とされている。
【0012】図1、図2に示す筒状運動素子11は軸方
向先端部に第1のアクチュエータ部12が設けられ、こ
の第1のアクチュエータ部12の基部に第2のアクチュ
エータ部13が配置されている。これら第1、第2のア
クチュエータ部12、13の相互間にはスペーサ14が
設けられている。第1のアクチュエータ部12は後述す
るように、軸と直交方向に屈曲するように構成され、第
2のアクチュエータ部13は後述するように、軸の周囲
方向に回転可能に構成されている。
【0013】上記第1のアクチュエータ部12におい
て、スペーサ14の上面には例えば4本の細線状の形状
記憶合金からなる作動部15、16、17、18の一端
部が固定されている。これら作動部15〜18は、高温
時の変形方向がそれぞれ図2(b)に矢印で示すよう
に、作動部15〜18の中心方向となるように記憶さ
れ、低温時には弾性率が減少し曲げ易くなるように設定
されている。これら作動部15〜18を構成する形状記
憶合金としては、例えばTiNi,Cu−Zn−Al、
Cu−Al−Niを適用することが可能であるが、材質
はこれらに限定されるものではない。
【0014】これら作動部15〜18には、複数の熱電
変換素子としての例えばP型ペルチェ素子を含む第1の
ペルチェ素子ユニットPU1と、複数のN型ペルチェ素
子を含む第2のペルチェ素子ユニットPU2とが軸方向
に所定間隔離間して交互に設けられている。
【0015】図2(a)は第1のペルチェ素子ユニット
PU1を示している。第1のペルチェ素子ユニットPU
1は熱伝導率の良好な複数の金属片19、20、21、
22を有している。作動部15は金属片19に貫通さ
れ、作動部16は金属片20に貫通され、作動部17は
金属片21に貫通され、作動部18は22に貫通されて
いる。金属片19、20、21、22の作動部15〜1
8が貫通される貫通孔は作動部15〜18の径より若干
大きくされ、作動部15〜18が移動可能とされてい
る。これら貫通孔と作動部15〜18との間の隙間には
熱伝導を良好とするため、例えば図示せぬ熱伝導グリス
が塗布されている。
【0016】前記金属片19、20、21、22の相互
間にはP型ペルチェ素子231、232、233、23
4が設けられている。各P型ペルチェ素子231、23
2、233、234の両端部には電極25がそれぞれ配
置され、これら各電極25と各金属片19、20、2
1、22の相互間にはそれぞれ絶縁フィルム26が配置
されている。
【0017】前記金属片19、20、21、22、P型
ペルチェ素子231、232、233、234、金属電
極25、絶縁フィルム26等は、第1のプラスチックリ
ング27、第2のプラスチックリング28により固定さ
れる。第1のプラスチックリング27は例えば熱収縮性
のプラスチックが用いられる。第1のプラスチックリン
グ27と各ペルチェ素子の相互間にはスペーサ29が配
置されている。
【0018】一方、前記第2のペルチェ素子ユニットP
U2も第1のペルチェ素子ユニットPU1とほぼ同様の
構成とされており、第1のペルチェ素子ユニットPU1
におけるP型ペルチェ素子がN型ペルチェ素子に置き換
えられている点が相違している。
【0019】前記複数の金属電極25は、前記第1、第
2のペルチェ素子ユニットPU1、PU2が図1に示す
ように、作動部15〜18に配置された状態でにおい
て、軸方向の同一位置に配置されたP型ペルチェ素子と
N型ペルチェ素子の発熱位置と吸熱位置が同一方向とな
るように、P型ペルチェ素子とN型ペルチェ素子とをジ
グザグに直列接続する。図1はP型ペルチェ素子233
とN型ペルチェ素子243とを含む列を示しているが、
P型ペルチェ素子231を含む列、P型ペルチェ素子2
32を含む列、及びP型ペルチェ素子234を含む列も
同様の構成とされている。このように直列接続された複
数のペルチェ素子からなる列を以下、ペルチェ素子列と
呼ぶ。
【0020】また、図1に示すように、前記絶縁フィル
ム26は軸方向に連続して設けられている。これら絶縁
フィルム26は熱伝導率が高く、フレキシブルな材質で
あればよい。このように、各ペルチェ素子と作動部15
〜18とは絶縁フィルム26により電気的に絶縁され、
熱的に接続されている。
【0021】また、図1に示すように、例えば第2のペ
ルチェ素子ユニットPU2の金属片222には温度検出
素子としての例えば熱電対30が設けられている。この
熱電対30の配線31は各金属片19、20、21、2
2の軸方向同一位置に設けられた複数の凹部32に配置
されている。熱電対の数及び配設位置は任意である。さ
らに、図1に示すように、前記作動部15〜18の他端
部には、例えばプラスチック製のスペーサ33を介し
て、例えばリング状のコモン電極34が設けられてい
る。このコモン電極34は前記第2のプラスチックリン
グ28とほぼ同等の径の透孔(図示せず)を有し、各ペ
ルチェ素子列の終端に位置する電極25に接続されてい
る。
【0022】一方、第2のアクチュエータ部13は、第
1のアクチュエータ部12とほぼ同様の構成であり、第
1のアクチュエータ部12を軸周りに45度回転した構
成となっている。第2のアクチュエータ部13におい
て、第1のアクチュエータ部12と異なるのは作動部3
5〜38を構成する形状記憶合金の記憶方向である。こ
の場合、これら作動部35〜38は高温時において図2
(b)に示すように、軸の接線方向に変形するように記
憶され、低温時において弾性率が減少し曲げ易くなるよ
うに設定されている。
【0023】また、第2のアクチュエータ部13を構成
する金属片の凹部32には、第1のアクチュエータ部1
2の金属電極に接続された配線39及び前記熱電対30
の配線31が配置されている。その他の構成は第1のア
クチュエータ部12と同一構成であるため、同一部分に
は同一符号を付し説明は省略する。
【0024】上記構成の筒状運動素子11を能動カテー
テルに適用する場合、前記第1のプラスチックリング2
7の外部を例えば図示せぬフレキシブルなチューブによ
り被覆し、第2のプラスチックリング28の内側を例え
ば図示せぬフレキシブルなチューブにより被覆するよう
にしてもよい。このようにして構成された能動カテーテ
ルは外径が例えば数mm程度であり、内径が1mm以上
の空洞部を有する筒状構造物となる。この空洞部に内視
鏡や処置具が挿入される。
【0025】図3は、能動カテーテルの一例を示すもの
であり、カテーテル41の先端に本発明の筒状運動素子
11が一体的に設けられている。このような構成によれ
ば、筒状運動素子11を所要の方向に変形させることに
より、カテーテルを生体の所要の部位に挿入することが
できる。この例において、筒状運動素子11の第1のア
クチュエータ部12と第2のアクチュエータ部13は連
続して配置されているが、必ずしもその必要はなく、第
1のアクチュエータ部12と第2のアクチュエータ部1
3とを離して配置してもよい。
【0026】図4は、上記筒状運動素子11の制御装置
を示している。制御部51は制御装置全体の動作を制御
するものであり、例えばパーソナルコンピュータにより
構成されている。この制御部51には操作部52が接続
されている。この操作部52は例えばジョイスティック
やキーボードにより構成され、制御部51に例えば筒状
運動素子11の運動方向、運動量を入力する。制御部5
1は操作部52から供給された運動方向、運動量に基づ
いて、筒状運動素子11の運動方向を示す第1の信号及
び運動量を示す第2の信号を生成し、素子駆動部53に
供給する。素子駆動部53は制御部から供給された第1
の信号に基づいて、筒状運動素子11を構成する4列か
ら2つのペルチェ素子列を選択する選択部53aと、第
2の信号に基づいて、前記選択部53aにより選択され
たペルチェ素子列に供給する電流量を制御する電流制御
部53bとにより構成されている。この素子駆動部53
には前記筒状運動素子11が接続され、この筒状運動素
子11は素子駆動部53から供給される電流により駆動
される。また、筒状運動素子11の各所に設けられた熱
電対30の出力信号は電流制御部53bに供給され、電
流制御部53bは、熱電対30により検出された温度に
応じて、筒状運動素子11の作動部15〜18、35〜
38が適正に動作するように電流量を制御する。
【0027】図5は、前記第1のアクチュエータ部12
の等価回路を示しており、図1、図2と同一部分には同
一符号を付す。前述したように第1のアクチュエータ部
12は列方向に複数のP型ペルチェ素子とN型ペルチェ
素子が交互に配置され、これらペルチェ素子がジグザグ
に直列接続されている。各ペルチェ素子列P1、P2、
P3、P4の最上部の電極はコモン電極34に接続さ
れ、最下部の電極はそれぞれ前記素子駆動部53に接続
されている。素子駆動部53はこれらペルチェ素子列P
1、P2、P3、P4から2列を選択し、これら選択さ
れた2つのペルチェ素子列に所定の電流を供給する。
尚、第2のアクチュエータ部13も同様の構成とされて
いる。
【0028】図6は、前記素子駆動部53の電流制御部
53bとペルチェ素子列の関係を示している。この電流
制御部53bは増幅器61と、この増幅器61の出力端
にベースが接続されたNPNトランジスタ62、PNP
トランジスタ63とから構成されている。トランジスタ
62のコレクタには電源+Vccが供給され、トランジ
スタ63のコレクタには電源−Vccが供給されてい
る。これらトランジスタ62、63のエミッタは例えば
前記ペルチェ素子列P1に接続されている。
【0029】この回路は、増幅器61に正の電圧が供給
された場合、トランジスタ63に多く電流が流れ、増幅
器61に負の電圧が供給された場合、トランジスタ62
に多く電流が流れる。このためペルチェ素子列に流れる
電流の方向、及び量を制御できる。
【0030】図6に示す構成は、ペルチェ素子列毎にそ
れぞれ対応して設けられている。
【0031】上記構成において、筒状運動素子11の動
作について説明する。図7(a)(b)は前記第1のア
クチュエータ12の動作を示している。図7(a)は第
1のアクチュエータ12を構成する作動部15〜18を
1本ずつ駆動する場合を示し、図7(b)は第1のアク
チュエータ12を構成する作動部15〜18を2本ずつ
駆動する場合を示している。
【0032】図8(a)(b)(c)(d)は作動部1
5〜18を1本ずつ駆動する場合の具体例を示してい
る。この場合、駆動する作動部の両側に位置する2つの
ペルチェ素子列を選択し、これら選択されたペルチェ素
子列の駆動する作動部側が高温となるように、2つのペ
ルチェ素子列に対する電流の向きを定める。例えば図8
(a)に示すように、作動部15を駆動する場合、ペル
チェ素子列P1とP2を選択し、これらペルチェ素子列
P1とP2の作動部15側が高温となるように、これら
ペルチェ素子列P1とP2に電流を供給する。
【0033】すなわち、この場合、ペルチェ素子列P1
に供給された電流はコモン電極34を介してペルチェ素
子列P2に供給される。この結果、ペルチェ素子列P
1、P2の作動部15側が高温(図8にHで示す)とな
り、作動部15と反対側が低温(図8にCで示す)とな
る。この高温部と低温部の位置は、P型ペルチェ素子も
N型ペルチェ素子の同様である。このようにペルチェ素
子列P1とP2を電流駆動することにより、作動部15
を図示矢印方向に駆動することができ、第1のアクチュ
エータ部を同様に図示矢印方向に駆動することができ
る。
【0034】他の作動部も図8(b)(c)(d)に示
すように電流の向きを設定することにより、図示矢印方
向に駆動することができる。
【0035】図9(a)(b)(c)(d)は作動部1
5〜18を2本ずつ駆動する場合の具体例を示してい
る。この場合、駆動する作動部に隣接する2つのペルチ
ェ素子列を選択し、これら選択されたペルチェ素子列の
駆動する作動部側が高温となるように、2つのペルチェ
素子列に対する電流の向きを定める。例えば図9(a)
に示すように、作動部15、16を駆動する場合、ペル
チェ素子列P2とP4を選択し、これらペルチェ素子列
P2とP4の作動部15、16側が高温となるように、
これらペルチェ素子列P2とP4に電流を供給する。
【0036】すなわち、この場合、ペルチェ素子列P4
に供給された電流はコモン電極34を介してペルチェ素
子列P2に供給される。この結果、ペルチェ素子列P
2、P4の作動部15、16側が高温(図9にHで示
す)となり、作動部15、16と反対側が低温(図9に
Cで示す)となる。このようにペルチェ素子列P2とP
4を電流駆動することにより、作動部15、16を図示
細い矢印方向に駆動することができ、第1のアクチュエ
ータ部をこれら作動部15、16が発生する力の合力方
向(図示太い矢印方向)に駆動することができる。
【0037】他の作動部も図9(b)(c)(d)に示
すように電流の向きを設定することにより、図示矢印方
向に駆動することができる。
【0038】図7(c)(d)は前記第2のアクチュエ
ータ13の動作を示している。図7(d)は図7(c)
に示す状態より第2のアクチュエータ13を駆動した状
態を示している。
【0039】第2のアクチュエータ13を駆動する場合
も第1のアクチュエータ12を駆動する場合と同様に、
2つのペルチェ素子列を選択し、これらに供給する電流
の方向を設定することにより、第2のアクチュエータ1
3を回動させる。
【0040】図10(a)は作動部35〜38を2本ず
つ駆動する場合の具体例を示している。この場合、駆動
する作動部に隣接する2つのペルチェ素子列を選択し、
これら選択されたペルチェ素子列の駆動する作動部側が
高温となるように、2つのペルチェ素子列に対する電流
の向きを定める。例えば図9(a)に示すように、第2
のアクチュエータ13を時計方向に回動する場合、例え
ば作動部35、38を駆動する。この場合、例えばペル
チェ素子列P1とP4を選択し、これらペルチェ素子列
P1とP4の作動部35、38側が高温となるように、
これらペルチェ素子列P1とP4に電流を供給する。
【0041】すなわち、この場合、ペルチェ素子列P1
に供給された電流はコモン電極34を介してペルチェ素
子列P4に供給される。この結果、ペルチェ素子列P
1、P4の作動部35、38側が高温(図10にHで示
す)となり、作動部15、16と反対側が低温(図10
にCで示す)となる。このようにペルチェ素子列P1と
P4を電流駆動することにより、作動部35、38を図
示矢印方向に駆動することができ、第2のアクチュエー
タ部を時計回り方向に駆動することができる。
【0042】また、第2のアクチュエータ部を反時計回
り方向に駆動する場合は、図10(b)に示すように、
例えばペルチェ素子列P3、P4を選択し、これらペル
チェ素子列P3、P4により作動部36、37を駆動す
ればよい。
【0043】また、図8乃至図10において、電流の向
きを逆とすることにより、ペルチェ素子の高温部と低温
部の位置関係を逆とすることができ、作動部を元の直線
状態に復帰することができる。さらに、電流量を制御す
ることにより、作動部の屈曲量、回動量を任意に制御で
きる。
【0044】上記第1の実施例によれば、所定の熱変形
状態を記憶した形状記憶合金により構成された作動部1
5〜18、35〜38の近傍に複数のペルチェ素子列P
1〜P4を配置し、これらペルチェ素子列P1〜P4を
選択的に動作して作動部15〜18、35〜38を駆動
している。ペルチェ素子は電流供給に応じて高速に温度
変化するため、作動部15〜18、35〜38の応答速
度を速くすることができる。しかも、作動部15〜1
8、35〜38、ペルチェ素子列P1〜P4を筒状に配
置しているため、空洞部に処置具等を挿入することが可
能である。
【0045】また、従来のヒータを用いた加熱の場合、
大きなジュール熱を発生する問題を有しているが、ペル
チェ素子の場合、発熱量が少ないため、生体組織に与え
る熱の影響を抑えることが可能である。
【0046】さらに、第1の実施例の場合、軸と直交方
向に動作可能な第1のアクチュエータ部12と、軸回り
に回動可能な第2のアクチュエータ部13を有している
ため、これら第1、第2のアクチュエータ部12、13
の動作を組合わせることにより、あらゆる方向に運動さ
せることができる。このため、カテーテルを生体内の所
要の部位に容易に到達させることができる。しかも、カ
テーテル全体を回転することなく、先端部のみを回転す
ることができるため、カテーテルの摩擦による生体組織
への影響を防止することができる。
【0047】尚、上記第1の実施例においては、4本の
作動部と4つのペルチェ素子列を組合わせてアクチュエ
ータ部を構成したが、これに限定されるものではない。
【0048】図11(a)は、本発明の第2の実施例を
示すものであり、3本の形状記憶合金からなる作動部7
1、72、73と、3つのペルチェ素子列74、75、
76を組合わせてアクチュエータ部を構成した場合につ
いて示している。このような構成において、作動部7
1、72、73の記憶方向を適宜設定することにより、
第1の実施例における第1のアクチュエータ部、又は第
2のアクチュエータ部を構成することができる。したが
って、第2の実施例によっても第1の実施例と同様の効
果を得ることができる。
【0049】図11(b)は、本発明の第3の実施例を
示すものであり、2つのペルチェ素子列81、82と、
2本の形状記憶合金からなる作動部83、84とにより
アクチュエータ部を構成している。このような構成にお
いて、作動部83、84の記憶方向を適宜設定すること
により、1方向又は2方向の屈曲動作を実現できる。図
12は、本発明の第4の実施例を示している。この実施
例は第1のアクチュエータ部12の他の駆動方法を示し
ている。この場合、4つのペルチェ素子列から3つを選
択し、これら選択されたペルチェ素子列に供給する電流
値を異ならせることにより、第1のアクチュエータ部1
2を任意の方向に屈曲可能としている。
【0050】すなわち、図12に示すように、例えばペ
ルチェ素子列P1、P2、P3が選択され、これらペル
チェ素子列P1、P2、P3により作動部15、17が
駆動される。これらペルチェ素子列P1、P2、P3に
は電流I1、I2、I3が図示する方向に供給され、こ
れら電流I1、I2、I3の関係がI1<I2<I3に
設定されている。このため、作動部15はペルチェ素子
列P1の発熱量とペルチェ素子列P2の吸熱量との差熱
により加熱され、作動部17はペルチェ素子列P2、P
3からの発熱量の総和により加熱される。つまり、作動
部17のほうが作動部15より高温で加熱されるため、
作動部17は作動部15より大きく変形する。したがっ
て、第1のアクチュエータ部12は作動部17、15が
発生する力の合力方向に屈曲される。
【0051】上記第4の実施例によれば、ペルチェ素子
列に供給する電流値を異ならせることにより、第1のア
クチュエータ部12を図8、図9に示す8方向以外の任
意の方向に屈曲することができる。このため、高精度の
運動を行うことが可能である。
【0052】図13(a)(b)は、本発明の第5の実
施例を示すものである。この実施例は第2のアクチュエ
ータ部13の他の例を示している。この実施例におい
て、作動部35〜38は高温時の形状をそれぞれ図示矢
印で示すように螺旋形状として記憶している。すなわ
ち、作動部35、38は例えば反時計方向、作動部3
6、37は例えば時計方向に螺旋形状とされている。ま
た、ペルチェ素子列P1、P2、P3、P4は図示のよ
うに直列接続されており、4つのペルチェ素子列P1〜
P4を同時に駆動して2つの作動部を動作させるように
している。
【0053】上記構成において、図13(a)に示すよ
うに、ペルチェ素子列P3、P4、P1、P2の順に電
流を流すと、ペルチェ素子列P1、P2により作動部3
5が加熱され、ペルチェ素子列P3、P4により作動部
38が加熱される。このため、作動部35、38が反時
計方向に駆動されることにより、第2のアクチュエータ
部13が反時計方向に回動される。
【0054】一方、図13(b)に示すように、上記と
は逆にペルチェ素子列P2、P1、P4、P3の順に電
流を流すと、ペルチェ素子列P1、P4により作動部3
6が加熱され、ペルチェ素子列P2、P3により作動部
37が加熱される。このため、作動部36、37が反時
計方向に駆動されることにより、第2のアクチュエータ
部13が時計方向に回動される。
【0055】上記第5の実施例によっても、第1の実施
例と同様に第2のアクチュエータ部13を回動でき、第
1の実施例と同様の効果を得ることができる。しかも、
この実施例の場合、螺旋形状を記憶させた作動部35〜
38を使用しているため、第1の実施例に比べてスムー
スに第2のアクチュエータ部13を回動することができ
る。
【0056】尚、上記実施例では、本発明をカテーテル
に適用する場合について説明したが、これに限定される
ものではなく、本発明を内視鏡、気管内送管チューブや
腹腔鏡先端部等に適用することも可能である。
【0057】さらに、本発明は医用分野に限定されるも
のではなく、その他の産業分野に適用することも可能で
ある。
【0058】その他、本発明の要旨を変えない範囲で種
々変形実施可能なことは勿論である。
【0059】
【発明の効果】以上、詳述したようにこの発明によれ
ば、所要の方向に屈曲又は回転させることが可能であ
り、しかも、応答速度が速い筒状運動素子を提供でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示す一部切除した側面
図。
【図2】図2(a)は図1の2a−2a線に沿った断面
図、図2(b)は図1の2b−2b線に沿った断面図。
【図3】本発明を用いた能動カテーテルの一例を示す外
観図。
【図4】本発明の制御装置を示す構成図。
【図5】図1に示す第1のアクチュエータ部12を示す
等価回路図。
【図6】図4に示す制御装置の要部を示す回路図。
【図7】図7(a)(b)は第1のアクチュエータの動
作を示す斜視図、図7(c)(d)は第2のアクチュエ
ータの動作を示す斜視図。
【図8】図8(a)(b)(c)(d)は第1のアクチ
ュエータの駆動方法の一例を示す概略図。
【図9】図9(a)(b)(c)(d)は第1のアクチ
ュエータの駆動方法の他の例を示す概略図。
【図10】図10(a)(b)は第2のアクチュエータ
の駆動方法を示す概略図。
【図11】図11(a)は、本発明の第2の実施例を示
す概略図、図11(b)は、本発明の第3の実施例を示
す概略図。
【図12】本発明の第4の実施例を示す概略図。
【図13】図13(a)(b)は、本発明の第5の実施
例を示す概略図。
【符号の説明】
11…筒状運動素子、 12、13…第1、第2のアクチュエータ部、 15〜18、35〜38、71〜73、81、82…形
状記憶合金からなる作動部、 19、20、21、22…金属片、 231、232、233、234…P型ペルチェ素子、 243…N型ペルチェ素子、 25…金属電極、 26…絶縁フィルム、 27、28…第1、第2のプラスチックリング 30…熱電対、 41…能動カテーテル、 51…制御部、 53…素子駆動部、 P1、P2、P3、P4…ペルチェ素子列。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 棚橋 善克 宮城県仙台市太白区八木山香澄町10−26 (72)発明者 山田 誠 宮城県仙台市太白区向山2丁目36番4号 東北電子産業株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高温時の形状が記憶された線状の形状記
    憶合金からなる複数の作動部と、 これら作動部の各相互間に配置され、通電方向に応じて
    発熱又は吸熱する複数の熱電変換素子と、 これら熱電変換素子と前記作動部を保持し、中央部に空
    洞を有する筒状の保持体とを具備することを特徴とする
    筒状運動素子。
  2. 【請求項2】 リング状の第1の保持体と、この第1の
    保持体より径が小さいリング状の第2の保持体が同心状
    に配置された第1のアクチュエータ部と、 前記第1のアクチュエータ部の軸上に配置され、リング
    状の第3の保持体と、この第3の保持体より径が小さい
    リング状の第4の保持体が同心状に配置された第2のア
    クチュエータ部とを有し、 前記第1のアクチュエータ部は前記第1、第2の保持体
    の相互間に保持され、高温時に軸と直交方向に変形する
    形状が記憶された線状の形状記憶合金からなる複数の第
    1の作動部と、 これら第1の作動部の各相互間に配置され、通電方向に
    応じて発熱又は吸熱する複数の第1の熱電変換素子とを
    有し、 前記第2のアクチュエータ部は 前記第3、第4の保持体の相互間に保持され、高温時に
    軸の接線方向に変形する形状が記憶された線状の形状記
    憶合金からなる複数の第2の作動部と、 これら第2の作動部の各相互間に配置され、通電方向に
    応じて発熱又は吸熱する複数の第2の熱電変換素子とを
    具備することを特徴とする筒状運動素子。
  3. 【請求項3】 前記第1、第2のアクチュエータ部はカ
    テーテルに配置されることを特徴とする請求項2記載の
    筒状運動素子。
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