JP2000131046A - 変位測定装置 - Google Patents

変位測定装置

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JP2000131046A
JP2000131046A JP10300963A JP30096398A JP2000131046A JP 2000131046 A JP2000131046 A JP 2000131046A JP 10300963 A JP10300963 A JP 10300963A JP 30096398 A JP30096398 A JP 30096398A JP 2000131046 A JP2000131046 A JP 2000131046A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 相対移動する一対の部材の相対変位量を環境
温度の変化に拘わらず高精度に測定できる変位測定装置
を提供する。 【解決手段】 相対移動する一方の部材28に取付けら
れるスケール11と、相対移動する他方の部材24Aに
取付けられてスケール11の目盛りを読み取る検出器1
2とを備えた変位測定装置1において、スケール11を
転がり軸受け5を介して一方の部材28に取り付ける。
これにより、環境温度の変化によりスケール11と一方
の部材28とが異なる伸縮量を示しても、その間に生じ
る摩擦力を低減できるので、熱応力に基づく歪みを低減
できるとともに温度補正係数の誤差を低減できるから、
高精度な測定でも十分な測定精度を確保できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、相対移動する一対
の部材の相対移動変位量を測定する変位測定装置に関
し、詳しくは、相対移動する一方の部材に取付けられて
相対移動する方向に沿って目盛りを有するスケールと、
相対移動する他方の部材に取付けられてスケールの目盛
りを読み取る検出器とを備えた変位測定装置に関する。
【0002】
【背景技術】被測定物の形状、寸法等の測定を行う測定
機としてハイトゲージ(一次元測定機)、三次元測定
機、輪郭測定機等が知られている。この種の測定機は被
測定物に当接するスクライバーやプローブ等の測定子を
支持する移動部材を測定機の案内レールに沿って相対移
動させ、それらが被測定物に関与(接触又は非接触)し
たときの相対移動量を基に被測定物の形状や寸法等を測
定するが、この移動部材の相対移動量は、案内レールに
密着して装着されたスケールと、光源、受光素子等の光
学的な検出器等から構成された変位測定装置によって測
定される。
【0003】変位測定装置を構成するスケールは、通
常、ガラス材料で形成され、このスケールが取付けられ
る測定機の案内レールはグラナイト(はんれい岩)、ス
テンレス、セラミックス等によって形成されている。す
なわち、スケールと、スケールが密着して取付けられる
案内レールとは線膨張係数の異なる異種材料で形成され
ているので、温度変化があった場合には、線膨張係数の
差によってスケールと案内レールとの間に熱応力が生
じ、この熱応力に伴う歪みがスケールの均一な伸縮を妨
げて、測定精度を悪化させる場合がある。
【0004】そこで、従来、温度変化に伴う測定精度の
悪化を防止するために、スケールを板ばねにより押圧す
ることで案内レールに密着させて支持させ、温度変化に
よって案内レールとスケールとが伸縮する際にスケール
と案内レールとを各々独立して伸縮させることでスケー
ルに熱応力が生じないようにしていた。しかし、この方
法では、板ばねによる押圧箇所に大きな摩擦力が生じる
ため、温度変化があった場合に案内レールとスケールと
の間に生じる熱応力を完全に解消することができず、測
定誤差の悪化を防止できないという不具合があった。
【0005】このような不具合を解消する方法として、
本出願人は、スケールを弾性部材で案内レールに対して
押圧することにより取り付けるとともに、スケールと案
内レールとの間に、フッ化炭素重合体と呼ばれる高分子
材料からなる板状の摩擦低減材を介装する方法を提案し
た(特開平6−185950号公報)。この方法による
と、スケールと案内レールとの間に生じる摩擦力を低減
できるので、温度変化によってスケールと案内レールと
が各々異なる伸縮量を示したとしても、それぞれ自由に
伸縮することができる上に、熱応力に基づく歪みを低減
できる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
た特開平6−185950号公報の方法は、汎用型の変
位測定装置に適用した場合には十分な測定精度が得られ
るものの、高精度な変位測定装置においては精度の面で
不十分であった。すなわち、この方法では、スケールお
よび案内レールを摩擦低減材と面接触させるため、比較
的摩擦力の大きい滑り摩擦が生じるので、摩擦係数を十
分に低減できなかった。このため、スケールと案内レー
ルとの間に生じる熱応力を十分に解消できず、高精度な
測定に要求される測定精度が得られないという問題があ
った。
【0007】また、高精度な測定装置では、環境温度の
変化に対応させるために、温度変化に基づく精度低下を
所定の演算処理によって補正する温度補正を行うことが
多い。このような温度補正を行うときに、スケールと案
内レールとの間に熱応力が生じると、熱的ヒステリシス
や線膨張係数における誤差が発生して正確な補正を行え
なくなるため、測定精度が低下するおそれがあった。
【0008】本発明の目的は、相対移動する一対の部材
の相対変位量を環境温度の変化に拘わらず高精度に測定
できる変位測定装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、相対移動する
一方の部材に取付けられて相対移動する方向に沿って目
盛りを有するスケールと、相対移動する他方の部材に取
付けられてスケールの目盛りを読み取る検出器とを備え
た変位測定装置であって、スケールは、一方の部材に転
がり軸受けを介して取り付けられていることを特徴とす
る。
【0010】ここで、転がり軸受けとは、回転可能な複
数の転動体を有する軸受けであり、転がり軸受けのころ
がりの摩擦係数は、通常、滑りの摩擦係数の約1/10
程度である。本発明においては、スケールが転がり軸受
けを介して一方の部材に取り付けられているため、スケ
ールと一方の部材との間に生じる摩擦力を大幅に低減で
きる。例えば、特開平6−185950号公報の摩擦低
減材を介在させた場合よりも摩擦力を低減できるので、
環境温度の変化によりスケールと一方の部材とが各々異
なる伸縮量を示したとしても、スケールと一方の部材と
を相互に拘束されることなく自由に伸縮させることがで
きる。従って、熱応力に基づく歪みを低減できるので、
一対の部材の相対移動量を検出するときの測定精度を向
上させることができ、高精度な測定装置に適用しても十
分な測定精度を確保できる。また、温度補正を行う場合
にも、転がり軸受けによってスケールと一方の部材との
摩擦係数を大幅に低減できるので、熱応力による熱的ヒ
ステリシスや線膨張係数における誤差を低減できる。従
って、正確な補正を行うことができるので、高精度な測
定にも十分に対応できる優れた測定精度が得られる。
【0011】また、転がり軸受けとしては各種の転がり
軸受けを採用できるが、転がり軸受けは、スケールを挟
持する一対の挟持部と、各挟持部およびスケールの間に
介装された複数の針状ころとを有する針状ころ軸受けと
することが望ましい。このように転動体として針状ころ
を用いた針状ころ軸受け(ニードルローラベアリング)
を用いれば、玉軸受け(ボールベアリング)やころ軸受
け(ローラベアリング)等の他の軸受けよりも接触面積
が大きいので大荷重に耐えられる上に、針状ころの径寸
法は通常のころ(ローラ)の径寸法よりも小さいから、
装置の小型化を実現できる。さらに、玉が任意の方向に
転がる玉軸受けと比較して、ころ軸受けの転がり方向は
制約されるため、スケールところとの間で転がり方向以
外の方向(スケールの幅方向)に摩擦力が生じ、スケー
ルの固定に十分な力が働くから、測定中等におけるスケ
ールの幅方向へのずれを防止できる。
【0012】この場合、一方の挟持部は一方の部材に固
定され、スケールは、弾性部材により他方の挟持部を一
方の挟持部に対して押圧することによって一方の部材に
取り付けられていることが望ましい。このようにすれ
ば、スケールと一方の部材とをそれぞれ独立して自由に
伸縮させることができるので、熱応力の発生を一層抑制
できる。また、弾性部材とスケールとの間にも針状ころ
を介在させるので、これらの間で発生する摩擦力も確実
に低減できる。
【0013】以上において、転がり軸受けは、スケール
の長手方向に沿って間欠的に設けられていることが好ま
しい。このようにすると、スケールおよび一方の部材と
軸受けとの接触面積を少なくすることができるので、摩
擦力を一層低減できる。
【0014】一方、本発明は、相対移動する一方の部材
に取付けられて相対移動する方向に沿って目盛りを有す
るスケールと、相対移動する他方の部材に取付けられて
スケールの目盛りを読み取る検出器とを備えた変位測定
装置であって、スケールは、一方の部材に空気軸受けを
介して取り付けられていることを特徴とする。
【0015】また、本発明は、相対移動する一方の部材
に取付けられて相対移動する方向に沿って目盛りを有す
るスケールと、相対移動する他方の部材に取付けられて
スケールの目盛りを読み取る検出器とを備えた変位測定
装置であって、スケールは、一方の部材に磁気軸受けを
介して取り付けられていることを特徴とする。
【0016】このように空気軸受けや磁気軸受けを介し
てスケールを一方の部材に取り付ければ、空気や磁力に
よりスケールと一方の部材とを離隔させてその間の接触
をなくすことができるから、前述したように、熱応力に
基づく歪みを著しく低減できるとともに、熱応力による
熱的ヒステリシスや線膨張係数における誤差を大幅に低
減できるから、環境温度の変化に厳密に対応した優れた
測定精度を確保できる。
【0017】以上において、スケールは、長手方向の一
部分が板ばねを介して一方の部材に固定されていること
をが望ましい。この場合、板ばねは、近接した位置であ
れば、1つに限らず、数個でもよい。このようにする
と、スケールを一方の部材に対して位置調整しつつ簡単
に固定することができる。つまり、これが取り付けられ
る機械や装置の所定位置に正確かつ簡単に取り付けで
き、しかも、取り付けられた状態にあっては、これら機
械や装置の駆動によって振動等が発生しても、その振動
等によってスケールが動くことがないから、いわゆる原
点ずれを防止しつつ、熱応力に基づく歪みを低減でき
る。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の一形態を図
面に基づいて説明する。図1には、本実施形態の変位測
定装置1を組み込んだ三次元測定機20が示されてい
る。三次元測定機20は、被測定物に当接する測定子と
してのプローブ21をXYZ方向に移動させて、プロー
ブ21が被測定物に接触したときの相対移動量を基に被
測定物の形状や寸法等を測定するものであり、定盤22
と、この定盤22上をY軸方向に移動可能な門型フレー
ム24とを備えている。
【0019】定盤22の上面にはY軸方向に延びる案内
レール26が取付けられ、この案内レール26に沿って
門型フレーム24の一方の脚部24AがY軸方向に摺動
しながら移動するようになっている。なお、門型フレー
ム24の他方の脚部24Aの下面には、図示しないエア
ベアリングが配設され、このエアベアリングによって脚
部24Aが定盤22上に摺動自在に支持されている。門
型フレーム24のブリッジ部24Bには、X軸スライダ
41がX軸方向に摺動自在に配設されている。このX軸
スライダ41には、Z軸支持部材42が設けられ、この
Z軸支持部材42にZ軸方向に摺動しながら移動するプ
ローブ21が配設されている。
【0020】このような三次元測定機20は、相対移動
する一対の部材の相対変位量を測定する変位測定装置1
により、案内レール26と脚部24Aとの相対移動量、
ブリッジ部24BとX軸スライダ41との相対移動量、
およびプローブ21とZ軸支持部材42との相対移動量
をそれぞれ測定して、被測定物の形状や寸法等を求める
ように構成されている。変位測定装置1は、図2に示す
ように、相対移動する一方の部材に取付けられて相対移
動する方向に沿って目盛りを有する板状のスケール11
と、相対移動する他方の部材に取付けられてスケール1
1の目盛りを読み取る変位検出器12とを備えている。
【0021】スケール11は、例えば、ガラス等で形成
されたものであり、スケール精度および温度特性を向上
させるためには、線膨張係数ゼロの特殊ガラスにより形
成することが好ましい。このスケール11には、一対の
部材の相対移動方向となる長手方向に沿って目盛りが設
けられている。なお、スケール11の目盛りは、一定幅
の光反射帯および光吸収帯をY軸方向に交互に形成した
もの、或いは光遮断帯および光透過帯をY軸方向に交互
に形成したもの等、検出器12によって変位を検出でき
ればどのようなものでもよい。変位検出器12の種類は
特に制限されないが、例えば、光源、受光素子等を備え
た光学的な検出器を採用できる。また、本実施形態の変
位測定装置1は、環境温度の変化に対応させるために、
温度変化に基づく精度低下を所定の演算処理によって補
正する温度補正を行うように構成されている。この温度
補正は、熱的ヒステリシスや線膨張係数に基づく補正係
数を用い、温度変化に応じて測定値を補正するものであ
る。
【0022】このような本実施形態の変位測定装置1
は、案内レール26と脚部24AとのY軸方向の相対移
動量を測定するために、案内レール26と門型フレーム
24の脚部24Aとの間に設けられている。すなわち、
本実施形態の案内レール26には、図1および図2に示
すように、グラナイト(はんれい岩)、ステンレス、ア
ルミナセラミックス等からなるスケールベース28が長
手方向に沿って間欠的に設けられている。スケールベー
ス28は、図3、図4および図5にも示すように、案内
レール26に固定される固定面28Aとこの固定面28
Aの端部から立ち上がる立上部28Bと、この立上部2
8Bから固定面28Aと平行に延びる保持面28Cとを
有して断面略コ字状に形成されている。
【0023】このようなスケールベース28内には、ス
ケール11の一側縁が案内レール26と平行に挿入さ
れ、スケール11の長手方向に沿って設けられた目盛
が、案内レール26および脚部24Aの相対移動方向と
平行にされている。このスケール11は、長手方向の一
部分(一端側部分)がスケール11の表裏面を挟持する
比較的ばね性の強い断面コ字状の板ばね58(図3参
照)を介して前記案内レール26に固定されているとと
もに、その部分を除く長手方向の数箇所においては、立
上部28Bに突設されたピン281(図2参照)に当接
されて位置決めされ、かつ、針状ころ軸受け5を介して
スケールベース28に取り付けられている。なお、スケ
ール11を案内レール26に固定する場所は、スケール
の他端側や中間部でもよく、あるいは、それ以外の場所
でもよい。針状ころ軸受け5は、図4に示すように、ス
ケール11を挟持する一対の挟持部51,52と、各挟
持部51,52およびスケール11の間に介装された複
数の針状ころ53とを備えている。一方の挟持部51
は、スケールベース28の固定面28Aに兼用され、具
体的には、固定面28Aに設けられた一対の保持部28
2,283(図2参照)間に複数の針状ころ53を保持
するように構成されている。
【0024】他方の挟持部52は、スケール11側に突
出する一対の保持部521,522(図3参照)を備
え、これらの保持部521,522間に複数の針状ころ
53を保持するようになっている。この挟持部52は、
スケールベース28の保持面28Cと直交する一対のプ
ランジャ54によって一方の挟持部51に向かって押圧
され、これにより、スケール11がスケールベース28
の固定面28Aに押圧されて保持されている。プランジ
ャ54は、図6に示すように、シリンダ55に挿入され
た状態で保持面28Cにねじ56固定され、シリンダ5
5内に収納された弾性部材としての圧縮コイルばね57
により、先端部が一方の挟持部52に向かって突出する
方向に付勢されている。
【0025】このような一対の挟持部51,52に各々
保持される針状ころ53は、図2および図4に示すよう
に、案内レール26および脚部24Aの相対移動方向、
つまり、スケール11の長手方向に沿って並べられて保
持され、スケール11に当接されている。これにより、
スケール11およびスケールベース28がそれぞれ独立
して伸縮できるようになっている。
【0026】一方、図2に示すように、スケール11の
目盛りを読み取る変位検出器12は、Y軸方向に移動す
る他方の部材としての脚部24Aに設けられ、これによ
り、案内レール26と脚部24Aとの相対移動量を検出
できるようになっている。図1に戻って、以上に述べた
Y軸方向の場合と同様に、ブリッジ部24BとX軸スラ
イダ41との間、および、プローブ21とZ軸支持部材
42との間にも、図示しないが、それぞれ変位測定装置
が設けられ、ブリッジ部24BとX軸スライダ41との
X軸方向の相対移動量およびプローブ21とZ軸支持部
材42とのZ軸方向の相対移動量をそれぞれ測定するよ
うになっている。
【0027】このように構成された本実施形態において
は、スケール11と、スケール11が取付けられている
スケールベース28とがそれぞれ異種材料により形成さ
れている場合、環境温度が変化すると、スケール11お
よびスケールベース28は、材料の線膨張係数の違いに
よって異なる伸縮量を示す。このとき、針状ころ軸受け
5の針状ころ53は、スケール11およびスケールベー
ス28の伸縮に応じて転動するので、スケール11およ
びスケールベース28は、互いに独立してそれぞれに伸
縮する。特に、本実施形態のスケール11は、圧縮ばね
57の付勢力によりプランジャ54に押圧されて取り付
けられているので、止着具等でスケールベース28に固
定した場合よりも、各々の伸縮が一層自由に行われる。
【0028】この際、スケール11とスケールベース2
8との間の摩擦係数に応じた摩擦力、つまり、熱応力
が、スケール11とスケールベース28との間に生じる
が、本実施形態では、スケール11とスケールベース2
8との間に針状ころ軸受け5を介在させているので、そ
の間に生じる摩擦力は極めて低くなる。特に、圧縮コイ
ルばね57により付勢されるプランジャ54とスケール
11との間にも軸受け5が介在するので、付勢力が大き
くてもプランジャ54とスケール11との間に生じる摩
擦力は小さい。従って、環境温度が変化した場合でもス
ケール11とスケールベース28とは相互に拘束しあう
ことなく自由に伸縮するため、熱応力はスケール11に
ほとんど働かず、熱応力によってスケール11に生じる
歪みは極めて少なくなる。また、温度補正を行うにあた
っては、熱応力による熱的ヒステリシスや線膨張係数に
おける誤差がほとんどなくなって高精度な温度補正を行
うことができる。
【0029】このような本実施形態によれば、以下のよ
うな効果がある。すなわち、スケール11が針状ころ軸
受け5を介してスケールベース28に取り付けられてい
るため、スケール11とスケールベース28との間に生
じる摩擦力を大幅に低減できるから、環境温度の変化に
よりスケール11とスケールベース28とが各々異なる
伸縮量を示したとしても、スケール11とスケールベー
ス28とを相互に拘束させることなく自由に伸縮させる
ことができる。従って、熱応力に基づく歪みを低減でき
るので、スケールベース28と門型フレーム24の脚部
24Aとの相対移動量、ブリッジ部24BとX軸スライ
ダ41とのX軸方向の相対移動量およびプローブ21と
Z軸支持部材42とのZ軸方向の相対移動量をそれぞれ
検出するときの測定精度を向上させることができ、高い
精度を要求される測定にも対応できる十分な測定精度を
確保できる。また、温度変化に応じて温度補正が行う際
に、針状ころ軸受け5によってスケール11とスケール
ベース28との摩擦係数を大幅に低減できるので、熱応
力による熱的ヒステリシスや線膨張係数における誤差を
低減できるから、正確な補正を行うことができ、高精度
な測定にも十分に対応できる優れた測定精度が得られ
る。
【0030】そして、針状ころ53を用いた針状ころ軸
受け5が用いられているので、玉軸受けやころ軸受け等
の他の軸受けよりも大荷重に耐えられる上に、針状ころ
53は、通常のころよりも径寸法が小さいから装置20
の小型化を実現できる。
【0031】さらに、スケールベース28に固定された
一方の挟持部51に対して他方の挟持部52を圧縮ばね
57により押圧することによって、スケール11がスケ
ールベース28に取り付けられているので、スケール1
1とスケールべース28とをそれぞれ独立して確実に伸
縮させることができるので、熱応力の発生を一層抑制で
きる。また、圧縮ばね57とスケール11との間にも針
状ころ53が介在するので、これらの間で発生する摩擦
力も確実に低減できる。
【0032】そして、軸受け5は間欠的に設けられてい
るので、スケール11およびスケールベース28と軸受
け5との接触面積を少なくすることができるから、摩擦
力を一層低減できる。
【0033】なお、本発明は前記実施形態に限定される
ものではなく、本発明の目的を達成できる他の構成等を
含み、以下に示すような変形なども本発明に含まれる。
すなわち、前記実施形態では、スケール11を針状ころ
軸受け5を介してスケールベース28に取り付けたが、
これに限定されず、例えば、玉軸受け、或いは、ころ軸
受け等の他の転がり軸受けを介して、スケールをスケー
ルベースに取り付けてもよい。
【0034】また、スケールは、空気軸受けを介してス
ケールベースに取り付けてもよい。例えば、図7に示す
ように、スケールホルダ61のスケール11を保持する
ための凹部61Aに空気吹出部62を設けて空気軸受け
6を構成し、各空気吹き出し部62からスケール11に
向かって空気を吹き付けることによりスケール11とス
ケールホルダ61との間に空気層63を形成して、スケ
ール11をスケールホルダ61と離隔させた状態で保持
させるようにしてもよい。なお、この空気軸受け6は、
前記実施形態と同様にスケールベースに取り付けてもよ
く、或いは、直接案内レールに取り付けてもよい。
【0035】さらに、スケールは、磁気軸受けを介して
スケールベースに取り付けてもよい。例えば、図8に示
すように、スケール11の側端部に装着される磁性体か
らなるスケール保持部71と、このスケール保持部71
およびボール72を介してスケール11の側端面を受け
る受け部73と、この受け部73に立設されてスケール
保持部71を挟んで対向する永久磁石からなる挟持部7
4,75とを含んで磁気軸受け7を構成し、磁気の力で
スケール保持部71と挟持部74,75とを離隔させた
状態で保持させるようにしてもよい。或いは、図9に示
すように、スケール11の両面にそれぞれ取り付けられ
る第一の磁石81,82と、これらの第一の磁石81,
82およびスケール11を挟んで対向する第二の磁石8
3,84とを含んで磁気軸受け8を構成し、スケール1
1の両側で各々対向する第一、第二の磁石81,83の
磁極、第一、第二の磁石82,84の磁極をそれぞれに
同じとすることにより、磁石間に生じる反発力でスケー
ル保持部71と挟持部74,75とを離隔させた状態で
スケール11を保持させるようにしてもよい。なお、磁
気軸受け7,8は、前記実施形態と同様にスケールベー
スに取り付けてもよく、或いは、直接案内レールに取り
付けてもよい。
【0036】このように空気軸受けや磁気軸受けを介し
てスケールを一方の部材に取り付ければ、前記実施形態
と略同様な作用、効果が得られる他、空気や磁力により
スケールと一方の部材とを離隔させてその間の接触をな
くすことができるから、前述したように、熱応力に基づ
く歪みを著しく低減できるとともに、熱応力による熱的
ヒステリシスや線膨張係数における誤差を大幅に低減で
きるから、環境温度の変化に厳密に対応した優れた測定
精度を確保できる。
【0037】前記実施形態では、スケールベースを案内
レールに対して間欠的に設けたが、案内レールに沿って
連続した長尺のスケールベースを設けてもよい。この場
合、軸受けは、前記実施形態と同様に間欠的に設けても
よく、スケールベースに沿って延びる長尺のものとして
もよい。
【0038】前記実施形態では、スケールを圧縮コイル
ばねにより押圧してスケールベースに取り付けたが、ス
ケールを押圧する弾性部材はこれに限定されず、例え
ば、板ばね等の他の弾性部材を用いてもよい。
【0039】そして、前記実施形態では、案内レール2
6にスケール11を取り付けて、案内レール26に対し
て移動する門型フレーム24にスケール11の目盛りを
読みとる変位検出器12を取り付けたが、これとは逆
に、門型フレーム24にスケール11を取り付けて、案
内レール26に変位検出器12を設けてもよい。この場
合、スケールベース28を門型フレーム24に取り付け
て、前記実施形態と同様に、このスケールベース28に
転がり軸受け、空気軸受けおよび磁気軸受けのうちのい
ずれかを介してスケール11を保持させればよい。
【0040】前記実施形態では、本発明を三次元測定機
に適用した場合について説明したが、これに限らずハイ
トゲージ(一次元測定機)、輪郭測定機や工作機械等の
相対移動する2つの部材間の変位測定に適用してもよ
い。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
相対移動する一方の部材に取付けられて相対移動する方
向に沿って目盛りを有するスケールと、相対移動する他
方の部材に取付けられてスケールの目盛りを読み取る検
出器とを備えた変位測定装置において、スケールを転が
り軸受けを介して一方の部材に取り付けることで、スケ
ールと一方の部材との間に生じる摩擦力を大幅に低減で
きるから、環境温度の変化によりスケールと一方の部材
とが各々異なる伸縮量を示したとしても、スケールと一
方の部材とを相互に拘束されることなく自由に伸縮させ
ることができる。従って、熱応力に基づく歪みを低減で
きるので、一方の部材と他方の部材との相対移動量を検
出するときの測定精度を向上させることができ、高精度
な測定装置においても十分な測定精度を確保できる。ま
た、温度補正を行う場合にも、転がり軸受けによってス
ケールと一方の部材との摩擦係数を大幅に低減できるの
で、熱応力による熱的ヒステリシスや線膨張係数におけ
る誤差を低減できるから、高精度な測定にも十分に対応
できる優れた測定精度が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す斜視図。
【図2】前記実施形態の変位測定装置の要部を示す断面
図。
【図3】前記実施形態の変位測定装置のスケールの取付
け状態を示す斜視図。
【図4】前記実施形態の変位測定装置のスケールの取付
け状態を示す断面図。
【図5】前記実施形態の変位測定装置のスケールの取付
け状態を示す図。
【図6】前記実施形態の変位測定装置の弾性部材による
押圧状態を示す断面図。
【図7】本発明の空気軸受けを用いた変位測定装置を示
す図。
【図8】本発明の磁気軸受けを用いた変位測定装置を示
す図。
【図9】本発明の他の磁気軸受けを用いた変位測定装置
を示す図。
【符号の説明】
1 変位測定装置 5 針状ころ軸受け 6 空気軸受け 7 磁気軸受け 11 スケール 12 変位検出器 20 三次元測定機 24 門型フレーム 24A 脚部(他方の部材) 24B ブリッジ部 26 案内レール 28 スケールベース(一方の部材) 51,52 挟持部 53 針状ころ 54 プランジャ 57 圧縮コイルばね(弾性部材)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2F069 AA06 DD30 EE02 EE23 GG04 GG06 GG07 GG62 HH02 HH21 JJ06 LL02 MM08 MM11 MM14 MM15 MM26 2F077 AA14 CC02 NN05 NN08 UU15 VV02 VV13

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 相対移動する一方の部材に取付けられて
    相対移動する方向に沿って目盛りを有するスケールと、
    前記相対移動する他方の部材に取付けられて前記スケー
    ルの目盛りを読み取る検出器とを備えた変位測定装置で
    あって、 前記スケールは、前記一方の部材に転がり軸受けを介し
    て取り付けられていることを特徴とする変位測定装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載した変位測定装置におい
    て、 前記転がり軸受けは、前記スケールを挟持する一対の挟
    持部と、各挟持部およびスケールの間に介装された複数
    の針状ころとを有する針状ころ軸受けであることを特徴
    とする変位測定装置。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載した変位測定装置におい
    て、 前記一方の挟持部は前記一方の部材に固定され、 前記スケールは、弾性部材により他方の前記挟持部を前
    記一方の挟持部に対して押圧することによって前記一方
    の部材に取り付けられていることを特徴とする変位測定
    装置。
  4. 【請求項4】 請求項1から請求項3までのいずれかに
    記載した変位測定装置において、 前記転がり軸受けは、前記スケールの長手方向に沿って
    間欠的に設けられていることを特徴とする変位測定装
    置。
  5. 【請求項5】 相対移動する一方の部材に取付けられて
    相対移動する方向に沿って目盛りを有するスケールと、
    前記相対移動する他方の部材に取付けられて前記スケー
    ルの目盛りを読み取る検出器とを備えた変位測定装置で
    あって、 前記スケールは、前記一方の部材に空気軸受けを介して
    取り付けられていることを特徴とする変位測定装置。
  6. 【請求項6】 相対移動する一方の部材に取付けられて
    相対移動する方向に沿って目盛りを有するスケールと、
    前記相対移動する他方の部材に取付けられて前記スケー
    ルの目盛りを読み取る検出器とを備えた変位測定装置で
    あって、 前記スケールは、前記一方の部材に磁気軸受けを介して
    取り付けられていることを特徴とする変位測定装置。
  7. 【請求項7】 請求項1から請求項6のいずれかに記載
    した変位測定装置において、 前記スケールは、長手方向の一部分が板ばねを介して前
    記一方の部材に固定されていることを特徴とする変位測
    定装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2020160091A (ja) * 2015-09-25 2020-10-01 株式会社ミツトヨ 寸法基準器の線膨張係数測定方法および測定装置

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