JP2000130230A - エンジンの燃料噴射制御装置 - Google Patents

エンジンの燃料噴射制御装置

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JP2000130230A
JP2000130230A JP10302242A JP30224298A JP2000130230A JP 2000130230 A JP2000130230 A JP 2000130230A JP 10302242 A JP10302242 A JP 10302242A JP 30224298 A JP30224298 A JP 30224298A JP 2000130230 A JP2000130230 A JP 2000130230A
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fuel injection
electromagnetic solenoid
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Futoshi Nakano
太 中野
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Isuzu Motors Ltd
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 回路素子等のバラツキの影響をなくし、一定
条件下で一定の燃料噴射特性を得るようにする。 【解決手段】 本発明は、エンジン運転状態に基づくコ
マンド信号のON/OFFに追従して電磁ソレノイドをON/OFF
し、これにより燃料噴射ノズルの燃料噴射実行又は停止
を制御するエンジンの燃料噴射制御装置において、上記
電磁ソレノイドに流れる駆動電流の電流値を検出する電
流値検出手段と、上記コマンド信号のON/OFFが切り替わ
った時TA から上記電流値が所定値IA に達する時まで
の時間TA0+TA1を検出する時間検出手段と、この検出
時間に応じて上記コマンドパルスを補正する補正手段と
を備えたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ディーゼルエンジ
ン等に適用されるエンジンの燃料噴射制御装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】ディーゼルエンジンの燃料噴射制御装置
において、エンジン運転状態に基づき所定のコマンド信
号を発生させ、このコマンド信号のON/OFFに追従して電
磁ソレノイドをON/OFFすることにより、燃料噴射ノズル
の燃料噴射実行又は停止を制御するものが知られてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この種の燃料
噴射制御装置には回路素子のバラツキや雰囲気温度等に
起因する性能のバラツキがあり、一定条件下で一定の性
能を得られないという欠点がある。特に、コマンド信号
のON/OFFを切替えても電磁ソレノイドに流れる駆動電流
の立上がり、立下がりにバラツキがあるため、狙い通り
の燃料噴射を行えず、一定の噴射特性を得ることが難し
かった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、エンジン運転
状態に基づくコマンド信号のON/OFFに追従して電磁ソレ
ノイドをON/OFFし、これにより燃料噴射ノズルの燃料噴
射実行又は停止を制御するエンジンの燃料噴射制御装置
において、上記電磁ソレノイドに流れる駆動電流の電流
値を検出する電流値検出手段と、上記コマンド信号のON
/OFFが切り替わった時から上記電流値が所定値に達する
時までの時間を検出する時間検出手段と、この検出時間
に応じて上記コマンドパルスを補正する補正手段とを備
えたものである。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態
を添付図面に基づいて詳述する。
【0006】図7は本発明が適用されるディーゼルエン
ジンのコモンレール式燃料噴射装置を示す。周知のよう
に、この装置では、高圧ポンプ1で発生した高圧燃料を
コモンレール2に蓄圧しておき、ユニットインジェクタ
3から各気筒毎に所定の噴射量、噴射時期で噴射するよ
うになっている。燃料タンク4の燃料は燃料フィルタ5
を通じた後フィードポンプ6で適当に加圧され、この後
燃料配管7を通じて高圧ポンプ1に送られ、高圧まで加
圧される。高圧ポンプ1から吐出された燃料は燃料配管
9を通じてコモンレール2に送られる。コモンレール2
の燃料は燃料配管10を通じてユニットインジェクタ3
に常時供給されている。
【0007】ユニットインジェクタ3は電子制御ユニッ
ト(以下ECUという)11によって制御される。EC
U11には、気筒判別センサ、クランク角センサ、アク
セル踏込み量センサ、水温センサ、吸気管内圧センサ等
の各種センサ12やコモンレール圧センサ13が接続さ
れ、ECU11はこれらセンサから現在のエンジン運転
状態を読取り、これに基づき最適目標噴射量及び噴射時
期を決定し、これに従ってユニットインジェクタ3を動
作させる。
【0008】図8にユニットインジェクタ3の構造を示
す。これは周知のように燃料噴射ノズル15に制御ユニ
ットを追加したもので、燃料噴射ノズル15のニードル
弁16を電磁ソレノイド17のON/OFFに基づいて昇降さ
せ、燃料噴射の実行又は停止を行うものである。
【0009】通常、ECU11から電磁ソレノイド17
への駆動電流が断たれているとき(OFF )は、プッシュ
ロッド18が高圧燃料で下向き(閉弁方向)に押され、
ニードル弁16が下方に押し付けられて噴孔19が閉じ
られ、燃料噴射が停止される。このときアーマチュアロ
ッド20はバネ力で下降され、高圧燃料のリーク穴21
を閉じている。一方、ECU11から電磁ソレノイド1
7に駆動電流が送出されると(ON)、アーマチュアロッ
ド20が上昇されてリーク穴21が開放され、プッシュ
ロッド18を押していた高圧燃料がリークされ、プッシ
ュロッド18が上昇され、ニードル弁16が上昇され、
噴孔19が開放され、燃料噴射が実行される。
【0010】ECU11は、EDUなるドライバユニッ
トを装備しており、ソレノイド駆動電流のような大電流
を流す際は、このドライバユニットの回路を経由して電
流を送るようになっている。一方、ECU11は、上記
の如くエンジン運転状態に基づき決定された目標噴射
量、噴射時期に応じたコマンド信号を発生し、これをE
DUに送出する。ここではデジタル処理する関係上、コ
マンド信号としてコマンドパルスを用い、コマンドパル
スをONにした(OFF からONに切り替えた)瞬間に、ED
Uが電磁ソレノイド17をONし、燃料噴射を開始させ
る。また上記目標噴射量に見合った所定の通電期間の経
過後、ECU11はコマンドパルスをOFF にする(ONか
らOFF に切り替える)。するとこの瞬間EDUは電磁ソ
レノイド17をOFF し、燃料噴射を停止させる。
【0011】このように、コマンドパルスのON/OFFに追
従して電磁ソレノイド17がON/OFFされ、これによって
燃料噴射ノズル15の燃料噴射実行又は停止が制御され
る。
【0012】一方、これとは別に、本発明は図9に示す
ようなディーゼルエンジンのロータリポンプ式燃料噴射
装置にも適用できる。ここでも前記同様の燃料噴射ノズ
ル25の制御が行われる。かかる装置では、ロータリポ
ンプ26のプランジャ27の往復動により燃料を圧送
し、燃料噴射ノズル25から燃料噴射を行うようになっ
ている。ポンプシャフト28がエンジンのクランクシャ
フトに同期回転され、フェイスカム29がローラ30上
を転動することによりプランジャ27の往復動が生じ
る。プランジャ27は加圧室28aに挿入され、加圧室
28はリーク通路31を介してポンプ本体内(リーク
側)に連通されると共に、プランジャ27内部のスピル
ポート32と圧送通路33とを介して燃料噴射ノズル2
5に連通される。
【0013】リーク通路31に開閉弁34が設けられ、
開閉弁34は電磁ソレノイド35に駆動され、電磁ソレ
ノイド35はEDU39から電力供給を受けて駆動さ
れ、EDU39はECU36からコマンドパルスを受け
取る。ここではEDU39がECU36の外部に装備さ
れる。電磁ソレノイド35がONのとき、電磁ソレノイド
35がアーマチュア37をバネ38の引張力に抗じて反
発させ、開閉弁34を閉じる。電磁ソレノイド35がOF
F のときはアーマチュア37がバネ38の引張力で引き
戻され、開閉弁34が開となる。
【0014】従って、電磁ソレノイド35がOFF なら、
プランジャ27が図示右側に移動しても燃料がリーク側
に流れ、燃料噴射が行われない。逆に電磁ソレノイド3
5がONなら、プランジャ27が図示右側に移動したとき
燃料が燃料噴射ノズル25に圧送され、燃料噴射が行わ
れる。このとき、前記同様、電磁ソレノイド35のON/O
FFタイミングがECU36によって最適化され、これに
よって圧送開始時期と終了時期、即ち噴射開始時期と終
了時期がエンジン運転状態に応じて最適化される。
【0015】図6は上記の如きECUに具備されるED
Uの基本回路図である。EDU40は高電圧発生回路4
1を有し、電磁ソレノイド42をONにするとき電磁ソレ
ノイド42に大電流を瞬時に流し、燃料噴射ノズルを短
時間で開弁させるようになっている。高電圧発生回路4
1は一般的にはチャージ用コイルに発生させた誘電力を
コンデンサに蓄えるようになっている。
【0016】またEDU40は低電圧電源43を有し、
電磁ソレノイド42に大電流を流し燃料噴射ノズルを開
弁させた後、その開弁状態を省電力で保持すべく、低電
圧によるチョッピング制御を行うようになっている。4
4は電磁ソレノイド42に流れる電流を検出するための
電流計、45は電磁ソレノイド42に印加した電圧を検
出するための電圧計で、それぞれECUに装備されてい
る。なお電流計44及び電圧計45で検出される電流及
び電圧の波形をそれぞれ(b) 、(c) に示す。
【0017】EDU40には(a) に示すコマンドパルス
がECUから入力される。まず、コマンドパルスがOFF
からONに切り替えられると(時刻T0 )、高電圧通電制
御用FET46及び通電制御用FET48がONされ、高
電圧発生回路41の高電圧が(c) に示すように電磁ソレ
ノイド42に瞬時に印加される。これにより(b) に示す
ように電磁ソレノイド42には瞬時に大電流が流される
ようになる。
【0018】燃料噴射ノズルの開弁に十分な時間の経過
後、こんどは低電圧電源43を用いたチョッピング制御
に移行され、燃料噴射ノズルの開弁状態が保持される。
即ち、高電圧通電制御用FET46がOFF され、チョッ
ピング制御用FET47が(b) 、(c) に示すように断続
的にONされ、低電圧がパルス状に電磁ソレノイド42に
印加される。
【0019】次に、コマンドパルスがONからOFF に切り
替えられると(時刻T1 )、チョッピング制御用FET
47がOFF され、同時に通電制御用FET48がOFF さ
れる。こうして電磁ソレノイド42への印加電圧が瞬時
に断たれると、電磁ソレノイド42に逆起電力が生じて
逆向きの電流が流れ、電磁ソレノイド42が電磁力を発
生し、OFF の状態とならない。しかし、ここでは通電制
御用FET48或いはこれに追加又は代用して設けられ
るツェナダイオード49のアバランシェ降伏を利用し
て、逆起電力を瞬時にGNDに落とし、逆向き電流及び
電磁力を瞬時に消失させるようになっている。なお(c)
に示すVA がアバランシェ電圧である。
【0020】図5に、このような制御装置を用いたとき
の各値の変化の様子を示す。この例はパイロット噴射と
メイン噴射とを行う例である。(a) がコマンドパルス、
(b)が電磁ソレノイドへの印加電圧、(c) が電磁ソレノ
イドに流れる駆動電流、(d)が燃料噴射ノズルのニード
ル弁リフト(上昇量)、(e) が燃料噴射率である。(a)
、(b) 、(c) は上述の通りで、これに対応してニード
ル弁の昇降が生じ、所定の燃料噴射が実行される。
【0021】ここで、実線で示す各中央値ないし基準値
に対し、実際は回路素子のバラツキや雰囲気温度等の相
違によりバラツキが生じる。仮に一定の時刻T0 でコマ
ンドパルスをONにしたとしても、印加電圧の値が基準値
より高く((b) 図のA)、供給電流の立上がりが早けれ
ば((c) 図のA)、ニードル弁リフトが当初予定してい
た時期より早まり((d) 図のA)、燃料噴射率が増加す
る((e) 図のA)。逆に(b) 〜(e) 図のBに示すよう
に、印加電圧の値が基準値より低く供給電流の立上がり
が遅ければ、ニードル弁リフトが当初予定していた時期
より遅延し、燃料噴射率が減少する。
【0022】他方、仮に一定の時刻T1 でコマンドパル
スをOFF にしたとしても、(b) 〜(e) 図のCに示すよう
に、アバランシェ電圧VA が基準値より低ければ(マイ
ナス方向に高ければ)、電磁ソレノイドにおける電流消
失が早まり、ニードル弁の下降が当初の予定時期より早
まり、燃料噴射率が減少する。逆に(b) 〜(e) 図のDに
示すように、アバランシェ電圧VA が基準値より高けれ
ば(マイナス方向に低ければ)、電磁ソレノイドにおけ
る電流消失が遅延し、ニードル弁の下降が遅れ、燃料噴
射率が増大する。
【0023】このようなバラツキがあると、狙い通りの
燃料噴射が行えず燃料噴射特性に悪影響を及ぼす。な
お、噴射開始過渡期のバラツキを防止するため、高電圧
発生回路のコンデンサのチャージ電圧を監視、制御する
装置ないし回路を別途設けたり、噴射終了過渡期のバラ
ツキを防止するため、アバランシェ降伏を利用しないで
逆起電力の消費を監視、制御する装置ないし回路を別途
設けたりすることも考えられるが、いずれにしろ、制御
のためには回路素子に十分な容量(電圧、電流、静電容
量等)を持たせなければならず、回路の複雑化とも相俟
って大型化、コスト高が避けられない。
【0024】そこで、本装置では、電磁ソレノイドに流
れる駆動電流を監視することによりバラツキ量を特定
し、これに応じて所定の補正を加え、所望の燃料噴射を
得られるようにした。
【0025】この制御内容を以下具体的に説明する。図
1において、(a) はコマンドパルス、(b) は電磁ソレノ
イドを流れる駆動電流である。まず図示されたパイロッ
ト噴射の噴射開始過渡期について説明する。実線で見ら
れるように、所定時刻TA でコマンドパルスをONにした
として、バラツキがなければ、その時刻TA から時間T
A0経過後に電流値がIA まで立上がったとする。そこで
これら時間TA0及び電流値IA を基準時間及びしきい値
としてECU内にメモリしておき、バラツキ度合いの算
定に使用する。
【0026】一方、バラツキにより、(b) の破線で示す
ように、電流値が時刻TA から時間(TA0+TA1)経過
後に、つまり基準時間TA0よりTA1だけ遅れて、IA
で立上がったとする。するとECUは、自身に内蔵する
タイマと電流計44(図6参照)の検出値とからこの事
実を認識し、コマンドパルスを補正する。
【0027】ここではコマンドパルスの補正方法とし
て、(a) 図に破線で示すように、時刻TA より補正時間
A2だけ早くコマンドパルスをONする方法を採用する。
この場合ECUは、各エンジン運転状態毎に実機試験等
に基づいて作成されたマップに従い、このマップとTA1
の値とから補正時間TA2を算出する。こうしてコマンド
パルスのONの時期を早めれば、電流立上がりの遅れ分を
相殺ないし補正でき、これによりバラツキの影響をなく
し、所望の噴射開始時期に狙い通りの燃料噴射を実行で
きる。なおこの補正は補正時間TA2の算出後、次回の噴
射から行う。
【0028】同様に、例えば図示するパイロット噴射の
噴射終了過渡期について、バラツキにより、(b) の鎖線
で示すように、コマンドパルスのOFF への切替時刻TB
から基準時間TB0を経過し、さらに遅れ時間TB1を経過
した時に、電流値がIB まで立下がったとする。このと
きも(a) の鎖線で示すように、コマンドパルスのOFF切
替時を補正時間TB2だけ早めれば、先の遅れ分を相殺な
いし補正できる。
【0029】逆に、図示するメイン噴射の噴射開始過渡
期のように、電流値がIA まで立上がるのに時間(TC0
−TC1)を要した場合、つまり基準時間TC0より先行時
間TC1だけ早く電流値が立上がったときは、コマンドパ
ルスのON切替時刻を基準時刻TC より補正時間TC2だけ
遅らせ、時間先行分を相殺する。同様に、図示するメイ
ン噴射終了過渡期の如く、電流値がIB まで立下がるの
に時間(TD0−TD1)を要した場合は、コマンドパルス
のOFF 切替時刻を基準時刻TD より補正時間TD2遅らせ
るようにする。
【0030】ここで、コマンドパルスをONした時から電
流値がしきい値IA に達する時までの時間(電流立上が
り時間)と燃料噴射量との関係、及びコマンドパルスを
OFFした時から電流値がしきい値IB に達する時までの
時間(電流立下がり時間)と燃料噴射量との関係は図2
に示すようになる。即ち、(a) に示すように、電流立上
がり時間が長いほど燃料噴射量が減少し、(b) に示すよ
うに、電流立下がり時間が長いほど燃料噴射量が増大す
る。
【0031】また、上述のパイロット噴射の例における
補正内容を図示すると図3のようになる。(a) に示すよ
うに、電流値がIA に達するまでの時間が基準時間TA0
よりTA1長い場合は、同一の燃料噴射量を得るため、コ
マンドパルスのON時期を補正時間TA2だけ早めればよ
い。また(b) に示すように、電流値がIB に達するまで
の時間が基準時間TB0よりTB1長い場合は、補正時間T
B2だけコマンドパルスのOFF 時期を早めればよい。
【0032】このコマンドパルスの補正方法は、コマン
ドパルスをONからOFF に、またはOFF からONに切り替え
る時期を基準時期からそれぞれ別々に変更するものであ
る。しかしながら、いずれかの切替時期を基準時期に固
定し、パルス長さを変更することにより補正を行うこと
も可能である。また各補正時間の算出マップは、パイロ
ット噴射とメイン噴射とで別に作成してもよいし、共通
としてもよい。ただし少なくとも噴射開始過渡期と噴射
終了過渡期とでは別にする必要がある。上述の各時期及
び時間は純粋な時間単位でもクランク角単位でもよい。
【0033】補正の実行時期については補正時間算出後
できるだけ早くその結果を反映させるのがよく、時間的
に間に合えば今回の噴射で実行するのが望ましいが、間
に合わなければ次回以降の噴射からでもよい。また制御
の簡単化のため数回の噴射毎に共通の補正時間を用い、
補正を行うこともできる。エンジン運転状態を示すパラ
メータには主としてエンジン回転数とエンジン負荷、そ
の他の付帯的なものとして水温、外気温、吸気温、吸気
圧(過給圧)、コモンレール圧等がある。また最終的な
目標噴射量や、パイロット噴射の有無等もある。補正時
間の算出についてはこれらパラメータを任意に採用で
き、例えばエンジン回転数、エンジン負荷のみから算出
しても、他のパラメータを考慮に入れて算出してもよ
い。補正時間、電流立上がり時間、電流立下がり時間に
移動平均や指数化平均等のフィルタをかけて用いてもよ
い。
【0034】図4はECUが実行する本制御のフローチ
ャートを示す。まずステップ51でコマンドパルスをON
(OFF )すると同時に、ステップ52で内蔵タイマのカ
ウントを開始し、電流計44の出力Iを検出開始する。
次にステップ53で電流計44の出力IがIA (IB
に達したと判断したとき、ステップ54でタイマのカウ
ント及び電流計44の出力検出を終了し、そのカウント
値(電流立上がり(立下がり)時間に相当)を読み取
る。さらにステップ55で、タイマカウント値と現在の
エンジン運転状態とに基づき、補正時間をマップから算
出し、ステップ56でその補正時間に応じてコマンドパ
ルスを補正する。
【0035】このように、ECUの有する既存の装備を
利用してバラツキに応じた補正が可能となり、シンプル
且つ低コストで最適な補正が達成されると共に、一定条
件下で一定の噴射特性を得られるようになる。これによ
り、排ガス、騒音(燃焼音)、ドライバビリティ、燃
費、エンジン出力などといったエンジンの各性能のバラ
ツキが低下でき、品質の向上が達成される。
【0036】特に、電磁ソレノイドが発生する電磁力は
それに流れる駆動電流の大きさに比例するので、その電
流値を観察することは噴射量のバラツキを推定する上で
最も合理的である。もっとも、駆動電流の全体波形を観
察し、これに基づき補正時間を算出する方が原理的には
望ましい。しかし、こうするとハードウェア(回路)的
にもソフトウェア(算出ロジック)的にも極めて複雑と
なり、現実的でない。電磁ソレノイドの過渡応答性が噴
射量に大きな影響を及ぼすことに鑑みれば、上述のよう
に電流値の立上がりと立下がりの部分のみに着目し、補
正を行えば実用上十分である。また電流立上がり、立下
がり時間と噴射量との間に一義的な関係が生じるので、
それら時間は補正時間算出の根拠となり得る。
【0037】なお、本発明の実施形態は上述のものに限
られず、種々の実施形態が可能である。また本発明は上
述のコモンレール式燃料噴射装置やロータリポンプ式燃
料噴射装置に限らず、電磁ソレノイドを用いて燃料噴射
制御を行うあらゆる燃料噴射制御装置に適用できる。
【0038】
【発明の効果】以上要するに本発明によれば、回路素子
等のバラツキの影響をなくし、一定条件下で一定の燃料
噴射特性を得られるという、優れた効果が発揮される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の制御内容を示すタイムチャ
ートである。
【図2】(a) は電流立上がり時間と燃料噴射量との関
係、(b) は電流立下がり時間と燃料噴射量との関係を示
すグラフである。
【図3】図1のパイロット噴射時の補正内容を図示した
グラフで、(a) は噴射開始時、(b) は噴射終了時であ
る。
【図4】本装置の制御内容を示すフローチャートであ
る。
【図5】本装置による燃料噴射制御時の各値の変化の様
子を示すタイムチャートである。
【図6】EDUの基本回路図である。
【図7】コモンレール式燃料噴射装置の全体構成図であ
る。
【図8】ユニットインジェクタを示す縦断面図である。
【図9】ロータリポンプ式燃料噴射装置の全体構成図で
ある。
【符号の説明】
11,36 ECU 15,25 燃料噴射ノズル 17,35,42 電磁ソレノイド 39,40 EDU 44 電流計 I ソレノイド駆動電流の電流値 IA ,IB 電流値のしきい値 T0 ,T1 ,TA ,TB ,TC ,TD コマンドパルス
の切替時刻 TA0,TB0,TC0,TD0 基準時間 TA1,TB1 遅れ時間 TC1,TD1 先行時間 TA2,TB2,TC2,TD2 補正時間
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F02M 51/00 F02M 51/00 F B // F02M 45/04 45/04 59/36 59/36 Fターム(参考) 3G066 AA07 AB02 AC04 AC09 AD12 BA06 BA09 BA12 BA16 BA17 BA23 BA61 CA01S CA04U CA09 CA20U CC06T CC08T CC26 CC64T CC66 CC68U CD26 CE03 CE13 CE22 CE29 DA01 DA09 DC00 DC01 DC03 DC04 DC05 DC09 DC13 DC14 DC18 DC19 3G301 HA02 JA17 LC10 MA18 MA20 NA01 NB06 PG02Z

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジン運転状態に基づくコマンド信号
    のON/OFFに追従して電磁ソレノイドをON/OFFし、これに
    より燃料噴射ノズルの燃料噴射実行又は停止を制御する
    エンジンの燃料噴射制御装置において、上記電磁ソレノ
    イドに流れる駆動電流の電流値を検出する電流値検出手
    段と、上記コマンド信号のON/OFFが切り替わった時から
    上記電流値が所定値に達する時までの時間を検出する時
    間検出手段と、該検出時間に応じて上記コマンドパルス
    を補正する補正手段とを備えたことを特徴とするエンジ
    ンの燃料噴射制御装置。
JP10302242A 1998-10-23 1998-10-23 エンジンの燃料噴射制御装置 Pending JP2000130230A (ja)

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