JP2000129472A - 銅,硫酸,過酸化水素を含有する水溶液の処理・回収装置 - Google Patents
銅,硫酸,過酸化水素を含有する水溶液の処理・回収装置Info
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- JP2000129472A JP2000129472A JP10309912A JP30991298A JP2000129472A JP 2000129472 A JP2000129472 A JP 2000129472A JP 10309912 A JP10309912 A JP 10309912A JP 30991298 A JP30991298 A JP 30991298A JP 2000129472 A JP2000129472 A JP 2000129472A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 銅,硫酸,過酸化水素を含む水溶液から、
銅,硫酸を個別に分離・回収して、それぞれを資源化し
て再利用し、且つ、無排水なシステムとする。 【解決手段】 硫酸,過酸化水素を含有するエッチング
液W0により銅材をエッチングすることにより、銅,硫
酸,過酸化水素を含む水溶液W1が生じる。この水溶液
W1は、過酸化水素分解槽30にて活性炭層31を通過
すると、活性炭の触媒作用により過酸化水素が水と酸素
に分解して過酸化水素成分が除去される。過酸化水素成
分が除去されて銅,硫酸を含有する水溶液W2は、回転
電解槽50にて電解処理されると、銅分が金属銅として
回収され、硫酸のみを含有する水溶液W3となり、この
水溶液W3は再度エッチング液として再利用される。個
別に除去した銅も資源化して再利用できる。また、外部
に水を排出することもない。
銅,硫酸を個別に分離・回収して、それぞれを資源化し
て再利用し、且つ、無排水なシステムとする。 【解決手段】 硫酸,過酸化水素を含有するエッチング
液W0により銅材をエッチングすることにより、銅,硫
酸,過酸化水素を含む水溶液W1が生じる。この水溶液
W1は、過酸化水素分解槽30にて活性炭層31を通過
すると、活性炭の触媒作用により過酸化水素が水と酸素
に分解して過酸化水素成分が除去される。過酸化水素成
分が除去されて銅,硫酸を含有する水溶液W2は、回転
電解槽50にて電解処理されると、銅分が金属銅として
回収され、硫酸のみを含有する水溶液W3となり、この
水溶液W3は再度エッチング液として再利用される。個
別に除去した銅も資源化して再利用できる。また、外部
に水を排出することもない。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、銅,硫酸,過酸化
水素を含有する水溶液の処理・回収装置に関し、銅,硫
酸を個別に分離回収してリサイクル使用ができ、かつ、
外部に有害物質や水を排出することがないように工夫し
たものである。
水素を含有する水溶液の処理・回収装置に関し、銅,硫
酸を個別に分離回収してリサイクル使用ができ、かつ、
外部に有害物質や水を排出することがないように工夫し
たものである。
【0002】
【従来の技術】電子部品等に用いられる銅材(銅または
銅合金でなる銅箔や銅体)は、その表面に生成している
酸化皮膜を除去してから、電子部品(銅基板やリードフ
レーム)等の材料として使用される。このように銅材の
表面に生成している酸化皮膜を除去するために、エッチ
ング液により銅材表面をエッチング処理している。即
ち、エッチング槽にエッチング液を貯溜しておき、この
エッチング液(水溶液)中に銅材を通していくことによ
り、エッチング処理して銅材の表面の酸化皮膜を除去し
ている。エッチング液としては各種のものがあるが、例
えば、硫酸,過酸化水素及び水でなる水溶液が用いられ
ることがある。
銅合金でなる銅箔や銅体)は、その表面に生成している
酸化皮膜を除去してから、電子部品(銅基板やリードフ
レーム)等の材料として使用される。このように銅材の
表面に生成している酸化皮膜を除去するために、エッチ
ング液により銅材表面をエッチング処理している。即
ち、エッチング槽にエッチング液を貯溜しておき、この
エッチング液(水溶液)中に銅材を通していくことによ
り、エッチング処理して銅材の表面の酸化皮膜を除去し
ている。エッチング液としては各種のものがあるが、例
えば、硫酸,過酸化水素及び水でなる水溶液が用いられ
ることがある。
【0003】上記エッチング処理をしていくと、エッチ
ング槽に貯溜した水溶液(エッチング液)には銅が徐々
に溶け込んでいく。そして溶け込んでいった銅の濃度が
ある一定濃度を越えると、今まで使用していた水溶液
(エッチング液)を廃棄して、新しい水溶液(エッチン
グ液)に入れ換えてエッチング処理をする。
ング槽に貯溜した水溶液(エッチング液)には銅が徐々
に溶け込んでいく。そして溶け込んでいった銅の濃度が
ある一定濃度を越えると、今まで使用していた水溶液
(エッチング液)を廃棄して、新しい水溶液(エッチン
グ液)に入れ換えてエッチング処理をする。
【0004】硫酸,過酸化水素及び水でなるエッチング
液の場合には、銅濃度がある一定濃度を越えると、従来
では、産業廃棄物として処理されていた。つまり、産業
廃棄物の処理業者に委託してエッチング液を処理してい
る。
液の場合には、銅濃度がある一定濃度を越えると、従来
では、産業廃棄物として処理されていた。つまり、産業
廃棄物の処理業者に委託してエッチング液を処理してい
る。
【0005】なお、過酸化水素等の酸化剤成分が含まれ
ていない酸性エッチング液に銅イオンが溶出したものに
ついては、電解回収により銅イオンを金属銅として回収
し、銅分が除去されたエッチング液をリサイクルして再
使用することはできる。
ていない酸性エッチング液に銅イオンが溶出したものに
ついては、電解回収により銅イオンを金属銅として回収
し、銅分が除去されたエッチング液をリサイクルして再
使用することはできる。
【0006】しかし、エッチング液に過酸化水素が含ま
れていると、過酸化水素が酸化剤として機能してしまう
ため、銅の電解回収はできず、エッチング液をリサイク
ルして再使用することはできなかった。つまり、硫酸銅
となっている硫酸溶液(エッチング液)であれば銅は電
析するが、硫酸と過酸化水素が共存するエッチング液か
らは、過酸化水素の酸化力が邪魔して、銅を電析するこ
とはできないのである。
れていると、過酸化水素が酸化剤として機能してしまう
ため、銅の電解回収はできず、エッチング液をリサイク
ルして再使用することはできなかった。つまり、硫酸銅
となっている硫酸溶液(エッチング液)であれば銅は電
析するが、硫酸と過酸化水素が共存するエッチング液か
らは、過酸化水素の酸化力が邪魔して、銅を電析するこ
とはできないのである。
【0007】このため、従来では、硫酸,過酸化水素及
び水でなるエッチング液により銅材をエッチング処理し
て銅濃度が一定濃度を越えたエッチング液は、産業廃棄
物として処理せざるを得なかったのである。
び水でなるエッチング液により銅材をエッチング処理し
て銅濃度が一定濃度を越えたエッチング液は、産業廃棄
物として処理せざるを得なかったのである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、銅濃
度がある一定濃度を越えた、硫酸,過酸化水素及び水で
なるエッチング液は、産業廃棄物の処理業者に委託して
処理される。このため、処理委託のために多大の処理費
用がかかっていた。また、処理の際に公害が発生する恐
れがあった。
度がある一定濃度を越えた、硫酸,過酸化水素及び水で
なるエッチング液は、産業廃棄物の処理業者に委託して
処理される。このため、処理委託のために多大の処理費
用がかかっていた。また、処理の際に公害が発生する恐
れがあった。
【0009】本発明は、上記従来技術に鑑み、銅濃度が
一定濃度を越えた硫酸,過酸化水素及び水でなるエッチ
ング液(水溶液)を、廃棄することなく再利用すること
ができ、しかも、公害の発生を防止すると共に、装置外
に水を排出しないクローズドシステムとした、銅,硫
酸,過酸化水素を含有する水溶液の処理・回収装置を提
供することを目的とする。
一定濃度を越えた硫酸,過酸化水素及び水でなるエッチ
ング液(水溶液)を、廃棄することなく再利用すること
ができ、しかも、公害の発生を防止すると共に、装置外
に水を排出しないクローズドシステムとした、銅,硫
酸,過酸化水素を含有する水溶液の処理・回収装置を提
供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明の構成は、銅および硫酸ならびに過酸化水素を含有し
ている水溶液が供給され、供給された水溶液を活性炭層
に通すことにより過酸化水素を分解させる過酸化水素分
解槽と、分解により過酸化水素が除去された水溶液が、
前記過酸化水素分解槽から取り出されて供給され、この
水溶液を電解処理することにより、水溶液中に溶解した
銅分を金属銅として回収する電解槽と、を備えているこ
とを特徴とする。
明の構成は、銅および硫酸ならびに過酸化水素を含有し
ている水溶液が供給され、供給された水溶液を活性炭層
に通すことにより過酸化水素を分解させる過酸化水素分
解槽と、分解により過酸化水素が除去された水溶液が、
前記過酸化水素分解槽から取り出されて供給され、この
水溶液を電解処理することにより、水溶液中に溶解した
銅分を金属銅として回収する電解槽と、を備えているこ
とを特徴とする。
【0011】また本発明の構成は、前記過酸化水素分解
槽に供給される水溶液は、銅の濃度が5〜200g/リ
ットル,硫酸の濃度が10〜200g/リットル,過酸
化水素の濃度が10〜300g/リットルであることを
特徴とする。
槽に供給される水溶液は、銅の濃度が5〜200g/リ
ットル,硫酸の濃度が10〜200g/リットル,過酸
化水素の濃度が10〜300g/リットルであることを
特徴とする。
【0012】また本発明の構成は、前記過酸化水素分解
槽の前記活性炭層は、活性炭,または活性炭を含んだ
布,または活性炭を含んだカートリッジで構成されてい
ることを特徴とする。
槽の前記活性炭層は、活性炭,または活性炭を含んだ
布,または活性炭を含んだカートリッジで構成されてい
ることを特徴とする。
【0013】また本発明の構成は、分解により過酸化水
素が除去され且つ電解処理により銅分が回収された前記
水溶液を、前記電解槽から取り出して、銅材をエッチン
グ処理するエッチング液として再利用することを特徴と
する。
素が除去され且つ電解処理により銅分が回収された前記
水溶液を、前記電解槽から取り出して、銅材をエッチン
グ処理するエッチング液として再利用することを特徴と
する。
【0014】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を図面
に基づき詳細に説明する。図1は本発明の実施の形態に
係る、銅,硫酸,過酸化水素を含有する水溶液の処理・
回収装置を示す。
に基づき詳細に説明する。図1は本発明の実施の形態に
係る、銅,硫酸,過酸化水素を含有する水溶液の処理・
回収装置を示す。
【0015】図1に示すように、エッチング槽10に
は、硫酸および過酸化水素を含有している水溶液でなる
エッチング液W0が貯溜されている。銅材はエッチング
液W0中を通っていくことよりエッチング処理される。
かかるエッチング処理をしていくと、エッチング液W0
中に銅が徐々に溶け込んでいく。銅濃度がある一定濃度
(例えば5〜200g/リットル、一般的には100g
/リットル)を越えると、エッチング槽10では、今ま
で使用していたエッチング液(水溶液)W1を取り出し
て、新しいエッチング液W0に入れ換える。なお、銅濃
度がある一定値を越えたエッチング液を符号W1で示
す。
は、硫酸および過酸化水素を含有している水溶液でなる
エッチング液W0が貯溜されている。銅材はエッチング
液W0中を通っていくことよりエッチング処理される。
かかるエッチング処理をしていくと、エッチング液W0
中に銅が徐々に溶け込んでいく。銅濃度がある一定濃度
(例えば5〜200g/リットル、一般的には100g
/リットル)を越えると、エッチング槽10では、今ま
で使用していたエッチング液(水溶液)W1を取り出し
て、新しいエッチング液W0に入れ換える。なお、銅濃
度がある一定値を越えたエッチング液を符号W1で示
す。
【0016】銅濃度が一定濃度を越えた水溶液W1は、
エッチング槽10から取り出されて原液貯槽20に供給
されて貯溜される。この原液貯槽20に貯溜される水溶
液W1は、銅の濃度が5〜200g/リットル,硫酸の
濃度が10〜200g/リットル,過酸化水素の濃度が
10〜300g/リットルとなっている。
エッチング槽10から取り出されて原液貯槽20に供給
されて貯溜される。この原液貯槽20に貯溜される水溶
液W1は、銅の濃度が5〜200g/リットル,硫酸の
濃度が10〜200g/リットル,過酸化水素の濃度が
10〜300g/リットルとなっている。
【0017】原液貯槽20に貯溜された水溶液W1は、
ポンプP1により原液貯槽20から取り出され、フィル
タF1を通って過酸化水素分解槽30に供給される。過
酸化水素分解槽30には活性炭層31が配置されてい
る。本実施の形態では活性炭層31は、過酸化水素分解
槽30の内部空間の下部に充填して配置されている。こ
の活性炭層31は、活性炭の層、または活性炭を含む布
の層、または活性炭を含む複数本のカートリッジで構成
されている。前記カートリッジとしては、粒状活性炭や
活性炭繊維や活性炭を含むカーボン繊維を筒状に形成し
て構成した市販品を用いることができる。
ポンプP1により原液貯槽20から取り出され、フィル
タF1を通って過酸化水素分解槽30に供給される。過
酸化水素分解槽30には活性炭層31が配置されてい
る。本実施の形態では活性炭層31は、過酸化水素分解
槽30の内部空間の下部に充填して配置されている。こ
の活性炭層31は、活性炭の層、または活性炭を含む布
の層、または活性炭を含む複数本のカートリッジで構成
されている。前記カートリッジとしては、粒状活性炭や
活性炭繊維や活性炭を含むカーボン繊維を筒状に形成し
て構成した市販品を用いることができる。
【0018】原液貯槽20から供給された水溶液W1
は、過酸化水素分解槽30の下部に供給され、活性炭層
31を通過して、過酸化水素分解槽30の上部空間に達
する。水溶液W1中の過酸化水素には、活性炭層31を
通る際に活性炭が触媒として作用するため、下記反応が
発生する。 H2 O2 →H2 O+1/2 O2 ・・・・・(1)
は、過酸化水素分解槽30の下部に供給され、活性炭層
31を通過して、過酸化水素分解槽30の上部空間に達
する。水溶液W1中の過酸化水素には、活性炭層31を
通る際に活性炭が触媒として作用するため、下記反応が
発生する。 H2 O2 →H2 O+1/2 O2 ・・・・・(1)
【0019】この化学反応式(1)から分かるように、
水溶液W1中の過酸化水素は、水H 2 Oと、酸素O2 と
に分離する。このため、活性炭層31を通過して、過酸
化水素除去槽30の上部空間に達した水溶液W2中に
は、過酸化水素は分解・除去されて含有されていない。
なお、水溶液W1中から過酸化水素が除去された水溶液
を符号W2で示す。なお、発生した酸素は液中から気中
に出ていく。
水溶液W1中の過酸化水素は、水H 2 Oと、酸素O2 と
に分離する。このため、活性炭層31を通過して、過酸
化水素除去槽30の上部空間に達した水溶液W2中に
は、過酸化水素は分解・除去されて含有されていない。
なお、水溶液W1中から過酸化水素が除去された水溶液
を符号W2で示す。なお、発生した酸素は液中から気中
に出ていく。
【0020】このようにして、過酸化水素分解槽30に
おいて、水溶液W1中から過酸化水素が除去されること
になる。したがって、酸化剤として機能する過酸化水素
を、水溶液W1中から取り除くことができるのである。
おいて、水溶液W1中から過酸化水素が除去されること
になる。したがって、酸化剤として機能する過酸化水素
を、水溶液W1中から取り除くことができるのである。
【0021】分解により発生した酸素は、過酸化水素分
解槽30の上方に達し、空気に混合して装置外部に排出
される。この混合気は、無害であり公害は発生しない。
解槽30の上方に達し、空気に混合して装置外部に排出
される。この混合気は、無害であり公害は発生しない。
【0022】分解により過酸化水素が除去された水溶液
W2、つまり銅と硫酸を含有する水溶液W2は、配管3
2を通って、電解貯槽40に供給されて一旦貯溜され
る。電解貯槽40に貯溜された水溶液W2は、ポンプP
2により電解貯槽40から取り出されフィルタF2を通
って回転電解槽50に供給される。
W2、つまり銅と硫酸を含有する水溶液W2は、配管3
2を通って、電解貯槽40に供給されて一旦貯溜され
る。電解貯槽40に貯溜された水溶液W2は、ポンプP
2により電解貯槽40から取り出されフィルタF2を通
って回転電解槽50に供給される。
【0023】なお、過酸化水素分解槽30の上部空間に
達した水溶液W2を、循環ポンプ(図示省略)により、
再び過酸化水素分解槽30の下部に送り、水溶液を循環
流通させることにより、水溶液を活性炭層31に複数回
通過させ、確実に過酸化水素を除去するようにしてもよ
い。このようにして確実に過酸化水素が除去された水溶
液W2を、電解貯槽40を介して回転電解槽50に供給
するようにしてもよい。
達した水溶液W2を、循環ポンプ(図示省略)により、
再び過酸化水素分解槽30の下部に送り、水溶液を循環
流通させることにより、水溶液を活性炭層31に複数回
通過させ、確実に過酸化水素を除去するようにしてもよ
い。このようにして確実に過酸化水素が除去された水溶
液W2を、電解貯槽40を介して回転電解槽50に供給
するようにしてもよい。
【0024】回転電解槽50では、カスケード連結した
複数段(本例では3段)の電解槽51,52,53と出
口槽54を有している。各電解槽51,52,53に
は、それぞれ、モータM1,M2,M3により回転され
る回転軸J1,J2,J3と、正電極D1,D2,D3
が配置されている。また各回転軸J1,J2,J3に
は、それぞれ、負電極となる銅材C1,C2,C3が取
り付けられる。銅材C1,C2,C3としては、廃品と
なっている所謂「屑銅板」を丸めて円筒型としたもの等
を使用すれば十分である。
複数段(本例では3段)の電解槽51,52,53と出
口槽54を有している。各電解槽51,52,53に
は、それぞれ、モータM1,M2,M3により回転され
る回転軸J1,J2,J3と、正電極D1,D2,D3
が配置されている。また各回転軸J1,J2,J3に
は、それぞれ、負電極となる銅材C1,C2,C3が取
り付けられる。銅材C1,C2,C3としては、廃品と
なっている所謂「屑銅板」を丸めて円筒型としたもの等
を使用すれば十分である。
【0025】電解貯槽40から供給された銅と硫酸を含
有する水溶液W2は、第1段の電解槽51に供給され、
順次、槽52,53,54に流入していく。また、正電
極D1,D2,D3には正電圧が印加され、負電極とな
る銅材C1,C2,C3には負電圧が印加される。この
ため、メッキの原理により電解処理が行われ、水溶液W
2中の銅分(銅イオン)は、金属銅となって銅材C1,
C2,C3に付着する。つまり、水溶液W2中の銅分
は、電解槽51,52,53を進むにつれて電界処理に
より除去されることになる。出口槽54では殆どの銅分
が除去されている。したがって出口槽54には銅分が除
去された水溶液W3が溜まる。なお、電解処理により銅
分が除去された水溶液を符号W3で示す。
有する水溶液W2は、第1段の電解槽51に供給され、
順次、槽52,53,54に流入していく。また、正電
極D1,D2,D3には正電圧が印加され、負電極とな
る銅材C1,C2,C3には負電圧が印加される。この
ため、メッキの原理により電解処理が行われ、水溶液W
2中の銅分(銅イオン)は、金属銅となって銅材C1,
C2,C3に付着する。つまり、水溶液W2中の銅分
は、電解槽51,52,53を進むにつれて電界処理に
より除去されることになる。出口槽54では殆どの銅分
が除去されている。したがって出口槽54には銅分が除
去された水溶液W3が溜まる。なお、電解処理により銅
分が除去された水溶液を符号W3で示す。
【0026】なお、回転電解槽50により、全ての銅分
を除去することは可能であるが、ある程度の銅分が残っ
ていても問題はない。また本実施の形態では、電解槽と
して回転電解槽50を採用したが、電極が回転しない通
常の電解槽(メッキ槽)を使用してもよい。
を除去することは可能であるが、ある程度の銅分が残っ
ていても問題はない。また本実施の形態では、電解槽と
して回転電解槽50を採用したが、電極が回転しない通
常の電解槽(メッキ槽)を使用してもよい。
【0027】銅材C1,C2,C3には多量の金属銅が
付着していく。ある程度の量が付着したら、銅材C1,
C2,C3を新しいものに交換する。円筒状の銅材C
1,C2,C3に多量の金属銅が付着して中実の円柱状
となった銅部材は、銅の材料として再利用することがで
きる。
付着していく。ある程度の量が付着したら、銅材C1,
C2,C3を新しいものに交換する。円筒状の銅材C
1,C2,C3に多量の金属銅が付着して中実の円柱状
となった銅部材は、銅の材料として再利用することがで
きる。
【0028】回転電解槽50における銅分の回収量は、
3回の実験をしたところ、次の値となった。なお、下記
単位のkg/1000KAHとは、電流値が1000KAで通電
時間が1時間の時の回収量kgを示している。 第1回目実験・・・ 1.474kg/1000KAH 第2回目実験・・・ 1.512kg/1000KAH 第3回目実験・・・ 1.495kg/1000KAH
3回の実験をしたところ、次の値となった。なお、下記
単位のkg/1000KAHとは、電流値が1000KAで通電
時間が1時間の時の回収量kgを示している。 第1回目実験・・・ 1.474kg/1000KAH 第2回目実験・・・ 1.512kg/1000KAH 第3回目実験・・・ 1.495kg/1000KAH
【0029】銅分が除去され硫酸を含有する水溶液W3
は、ポンプP3により回転電解槽50の出口槽54から
取り出され、フィルタF3を通って再生液槽60に送ら
れる。
は、ポンプP3により回転電解槽50の出口槽54から
取り出され、フィルタF3を通って再生液槽60に送ら
れる。
【0030】再生液槽60に貯溜された、銅分が除去さ
れ硫酸のみを含有する水溶液W3は、ポンプ(図示省
略)によりエッチング槽10に送られ、エッチング処理
用の硫酸水として再利用される。
れ硫酸のみを含有する水溶液W3は、ポンプ(図示省
略)によりエッチング槽10に送られ、エッチング処理
用の硫酸水として再利用される。
【0031】かくして、銅,硫酸,過酸化水素を含有す
る水溶液から、銅や硫酸や過酸化水素を個別に分離で
き、回収した銅や硫酸を再利用することができると共
に、水を系外に出すことのないクローズドシステムの処
理・回収装置が実現できた。
る水溶液から、銅や硫酸や過酸化水素を個別に分離で
き、回収した銅や硫酸を再利用することができると共
に、水を系外に出すことのないクローズドシステムの処
理・回収装置が実現できた。
【0032】なお、回転電解槽50により回収した硫酸
水は、エッチング処理以外の用途のために用いてもよ
い。つまり、図1に示すように、槽10,20,30,
40,50,60等を備えて硫酸水をサイクリックに利
用する処理・回収装置としてもよいし、エッチング槽1
0を分離して槽20,30,40,50,60等による
単独の処理・回収装置として、回収した硫酸水をエッチ
ング処理以外の用途に用いるようにしてもよい。
水は、エッチング処理以外の用途のために用いてもよ
い。つまり、図1に示すように、槽10,20,30,
40,50,60等を備えて硫酸水をサイクリックに利
用する処理・回収装置としてもよいし、エッチング槽1
0を分離して槽20,30,40,50,60等による
単独の処理・回収装置として、回収した硫酸水をエッチ
ング処理以外の用途に用いるようにしてもよい。
【0033】
【発明の効果】以上、実施の形態とともに具体的に説明
したように、本発明にかかる、銅,硫酸,過酸化水素を
含有する水溶液の処理・回収装置では、まず、酸化剤と
なる過酸化水素を、活性炭を触媒とした分解処理により
除去することができるので、その後段の電解処理により
銅分の回収が容易にできるようになり、この結果、硫酸
のみを含有する水溶液を取り出して硫酸水として再利用
することができる。また、回収した銅を再利用して資源
化することができる。このため、利用効率が高くなり、
エッチング処理のランニングコストが低減するととも
に、廃棄物処理の手間が全く不要になり、この点からも
コスト低減に寄与する。
したように、本発明にかかる、銅,硫酸,過酸化水素を
含有する水溶液の処理・回収装置では、まず、酸化剤と
なる過酸化水素を、活性炭を触媒とした分解処理により
除去することができるので、その後段の電解処理により
銅分の回収が容易にできるようになり、この結果、硫酸
のみを含有する水溶液を取り出して硫酸水として再利用
することができる。また、回収した銅を再利用して資源
化することができる。このため、利用効率が高くなり、
エッチング処理のランニングコストが低減するととも
に、廃棄物処理の手間が全く不要になり、この点からも
コスト低減に寄与する。
【0034】しかも、装置外部の環境系には、有害物質
はいうまでもなく、水さえも排出することはなく、無公
害で無排水のいわゆるクローズドシステムとなり、環境
安全のためにも有用である。
はいうまでもなく、水さえも排出することはなく、無公
害で無排水のいわゆるクローズドシステムとなり、環境
安全のためにも有用である。
【図1】本発明の実施の形態に係る銅,硫酸,過酸化水
素を含有する水溶液の処理・回収装置を示す構成図。
素を含有する水溶液の処理・回収装置を示す構成図。
10 エッチング槽 20 原液貯槽 30 過酸化水素分解槽 40 電解貯槽 50 回転電解槽 60 再生液槽 W0 エッチング液 W1,W2,W3 水溶液
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4D061 DA08 DB18 DB19 DC23 EA05 EB01 EB04 EB20 EB31 EB33 FA20 4K057 WB04 WE03 WE25 WG03 WH04 WH07 WH08 WM02 WM03 WN01
Claims (4)
- 【請求項1】 銅および硫酸ならびに過酸化水素を含有
している水溶液が供給され、供給された水溶液を活性炭
層に通すことにより過酸化水素を分解させる過酸化水素
分解槽と、 分解により過酸化水素が除去された水溶液が、前記過酸
化水素分解槽から取り出されて供給され、この水溶液を
電解処理することにより、水溶液中に溶解した銅分を金
属銅として回収する電解槽と、 を備えていることを特徴とする銅,硫酸,過酸化水素を
含有する水溶液の処理・回収装置。 - 【請求項2】 前記過酸化水素分解槽に供給される水溶
液は、銅の濃度が5〜200g/リットル,硫酸の濃度
が10〜200g/リットル,過酸化水素の濃度が10
〜300g/リットルであることを特徴とする請求項1
の銅,硫酸,過酸化水素を含有する水溶液の処理・回収
装置。 - 【請求項3】 前記過酸化水素分解槽の前記活性炭層
は、活性炭,または活性炭を含んだ布,または活性炭を
含んだカートリッジで構成されていることを特徴とする
請求項1または請求項2の銅,硫酸,過酸化水素を含有
する水溶液の処理・回収装置。 - 【請求項4】 分解により過酸化水素が除去され且つ電
解処理により銅分が回収された前記水溶液を、前記電解
槽から取り出して、銅材をエッチング処理するエッチン
グ液として再利用することを特徴とする請求項1または
請求項2または請求項3の銅,硫酸,過酸化水素を含有
する水溶液の処理・回収装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10309912A JP2000129472A (ja) | 1998-10-30 | 1998-10-30 | 銅,硫酸,過酸化水素を含有する水溶液の処理・回収装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10309912A JP2000129472A (ja) | 1998-10-30 | 1998-10-30 | 銅,硫酸,過酸化水素を含有する水溶液の処理・回収装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000129472A true JP2000129472A (ja) | 2000-05-09 |
Family
ID=17998844
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10309912A Pending JP2000129472A (ja) | 1998-10-30 | 1998-10-30 | 銅,硫酸,過酸化水素を含有する水溶液の処理・回収装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000129472A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20040033146A (ko) * | 2002-10-11 | 2004-04-21 | 김영준 | 소프트 에칭 폐액의 재활용을 위한 용해 유산동 회수 방법및 장치 |
CN102510669A (zh) * | 2011-11-09 | 2012-06-20 | 金悦通电子(翁源)有限公司 | 一种基板铜面的化学清洗方法 |
CN108483411A (zh) * | 2018-04-09 | 2018-09-04 | 四川高绿平环境科技有限公司 | 一种除去硫酸废液中双氧水的处理装置及其处理方法 |
KR102091728B1 (ko) * | 2019-08-27 | 2020-05-29 | 정영남 | 활성탄을 이용하여 황산폐산 내 과산화수소를 제거하는 체류형 연속식 분해조장치 |
-
1998
- 1998-10-30 JP JP10309912A patent/JP2000129472A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20040033146A (ko) * | 2002-10-11 | 2004-04-21 | 김영준 | 소프트 에칭 폐액의 재활용을 위한 용해 유산동 회수 방법및 장치 |
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CN108483411A (zh) * | 2018-04-09 | 2018-09-04 | 四川高绿平环境科技有限公司 | 一种除去硫酸废液中双氧水的处理装置及其处理方法 |
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