JP2000128972A - ポリエステルの連続製造方法 - Google Patents

ポリエステルの連続製造方法

Info

Publication number
JP2000128972A
JP2000128972A JP11183186A JP18318699A JP2000128972A JP 2000128972 A JP2000128972 A JP 2000128972A JP 11183186 A JP11183186 A JP 11183186A JP 18318699 A JP18318699 A JP 18318699A JP 2000128972 A JP2000128972 A JP 2000128972A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
distillation column
polyester
tetrahydrofuran
distillate
butanediol
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP11183186A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3566582B2 (ja
Inventor
Kazumoto Miyajima
一元 宮嶋
Hideyori Kurihara
英資 栗原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Teijin Ltd filed Critical Teijin Ltd
Priority to JP18318699A priority Critical patent/JP3566582B2/ja
Publication of JP2000128972A publication Critical patent/JP2000128972A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3566582B2 publication Critical patent/JP3566582B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Polyesters Or Polycarbonates (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 副生されたテトラヒドロフランを少ない工程
数で、しかも効率良く回収でき、運転経費の削減と設備
の簡略化を達成することができるポリエステルの連続製
造方法を提供する。 【解決手段】 芳香族ジカルボン酸又はその低級アルキ
ルエステルと1,4−ブタンジオールを主とするグリコ
ール成分とから、ポリエステルを連続的に製造する方法
であって、その際、重縮合反応による留出物をエステル
化反応またはエステル交換反応に付属の第一蒸留塔に供
給し、該蒸留塔の塔頂よりテトラヒドロフランを含有す
る留出物を留出させ、該留出物を第一蒸留塔に連続する
第二蒸留塔へ供給し、該第二蒸留塔よりテトラヒドロフ
ランを回収することを特徴とするポリエステルの連続製
造方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリエステルの連
続製造方法に関し、特に、芳香族ジカルボン酸又はその
低級アルキルエステルと、1,4−ブタンジオールを主
とするグリコール成分とから、ポリエステルを連続的に
製造する方法に関する。さらに詳しくは、製造する際に
副生するテトラヒドロフランを少ない工程で、効率よく
系外に回収するポリエステル連続製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、1,4−ブタンジオールを主たる
グリコールを成分とするポリエステル、中でも、ポリブ
チレンテレフタレートは、そのすぐれた物理的、化学的
性質を有するため、繊維、フィルム、その他の成形品等
の種々の用途に広く用いられている。また、強度や弾性
率等の機械特性、耐熱性等に優れているため、特に、エ
ンジニアリングプラスチックとして広く用いられてい
る。
【0003】一般に、このような各種の用途に使用され
るポリブチレンテレフタレートの製造方法としては、直
接重合法又はエステル交換法が用いられる。
【0004】ここで、前者の直接重合法は、酸成分とジ
オール成分とを直接エステル化反応させることにより、
先ずポリエステル先駆体を形成し、次いで該ポリエステ
ル先駆体を減圧下で重縮合させてポリブチレンタレフタ
レートを製造する方法である。他方、後者のエステル交
換法は、酸成分の低級アルキルエステルとジオールとを
エステル交換反応させてポリエステル先駆体を形成し、
次いで該ポリエステル先駆体を減圧下で重縮合させる方
法である。
【0005】このようなポリエステルの重合に際して
は、従来はバッチ方式によるものが多く用いられていた
が、近年においてスケールメリットを生かし、安価にポ
リエステルを製造するために、連続方式への切り替えが
進められてきている。何故ならば、連続方式を採用する
ことによる歩留まりの低下、品質の向上、重合度の均一
化、操業性の向上等そのメリットが極めて大きいからで
ある。
【0006】一般に、ポリエステルの連続重合による製
造方法の多くは、エステル交換反応器又はエステル化反
応器と、重縮合反応器とが複数組み合わせられたプロセ
スにより行われている。例えば、原料をエステル交換反
応器又はエステル化反応器に供給して単量体若しくはオ
リゴマーを生成し、得られた単量体若しくはオリゴマー
を初期重縮合反応器へと供給して減圧下で反応させて低
重合体を生成し、さらに重縮合反応器へ供給して減圧下
で中間重合体及び高重合体を生成させる方式が行われて
いる。
【0007】通常、ポリブチレンテレフタレートを製造
する際に、原料の一部として用いる1,4−ブタンジオ
ールの脱水環化反応によってテトラヒドロフランが副生
される。また、反応中にポリブチレンタレフタレートの
ヒドロキシ末端の熱分解によってテトラヒドロフランが
副生される。このように、エステル交換またはエステル
化反応段階で副生したテトラヒドロフランの多くは、付
属の蒸留塔の塔頂留出物としてメタノールおよび/また
は水とともに系外に留出される。一方、重合段階で副生
したテトラヒドロフランは、沸点が65〜66℃と低い
ため、その多くは高真空下において真空系に吸引され、
一部は重合段階で発生する1,4−ブタンジオールとと
もに湿式コンデンサーなどによって凝縮されて系外に排
出される。このような工程において、テトラヒドロフラ
ンの副生により真空排気系の能力低下を引き起こした
り、1,4−ブタンジオールの損失を起こすことは、製
造コストの面で不利であるため、テトラヒドロフランの
副生を抑えるための多くの提案がなされているが、これ
を完全に無くすことは困難である。
【0008】一般に、留出物中に含まれるテトラヒドロ
フランを除去するため、連続製造プロセスとは別に設け
た複数の回分式または連続式の蒸留塔を用いて、テトラ
ヒドロフランを分離することが行われる。しかしなが
ら、該テトラヒドロフランの回収は、ポリエステル連続
製造プロセスにおいて、より効率良く、しかも、できる
だけ少ない工程数で回収を行うことが設備費および運転
経費を抑える上で望まれる。
【0009】このような方法としては、特開昭60−1
63918号公報には、ポリエチレンタレフタレートの
直接重合法において、重縮合反応器より発生するエチレ
ングリコールを主体とするガスを、湿式コンデンサーで
凝縮し、得られた凝縮液をエステル化反応器に付設され
た蒸留塔へ送り、低沸点の不純物を除いた後、スラリー
混合槽へ戻す方法が提案されている。
【0010】また、特公平5−53814号公報には、
初期重合缶を真空状態とするために設けた液封式真空ポ
ンプにおいて、封液入口側を後段の重合缶で各凝縮器に
冷却媒体として使用したエチレングリコール循環液の配
管に、液封式真空ポンプの出口側をエステル化反応器又
はエステル交換反応器付属の蒸留塔の配管に接続してエ
チレングリコールを回収する方法が提案されている。そ
して、前記の液封式真空ポンプの封液に1,4−ブタン
ジオールを用いることで、ポリブチレンテレフタレート
の製造を行なうことが提案されている。
【0011】また、特公平7−100734号公報に
は、ポリブチレンテレフタレートの直接重合法におい
て、エステル化反応器の塔にテトラヒドロフランおよび
水を含む減圧装置からの凝縮物を導くことが実施例とし
て示されている。このようなポリエステルの製造方法
は、新たに精留装置を付帯設備として設置する必要がな
く運転経費を低減できると共に、装置の簡略化が可能と
いう面からは有効な方法であるが、連続製造プロセスに
おいて、エステル化反応器またはエステル交換反応器付
属の蒸留塔の塔頂留出物よりテトラヒドロフランを回収
する方法については何らの配慮も払われていない。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】以上に述べた諸問題に
鑑み、本発明が解決しようとする課題は、「芳香族ジカ
ルボン酸又はその低級アルキルエステルと、1,4−ブ
タンジオールを主とするグリコール成分とから、ポリエ
ステルを連続的に製造するに際し、副生されたテトラヒ
ドロフランを少ない工程数で、しかも効率良く系外に回
収するポリエステル連続製造方法を提供すること」にあ
る。
【0013】更には、「1,4−ブタンジオールを主と
するグリコール成分を大掛かりな精留装置を用いること
なく回収でき、運転経費の削減と設備の簡略化を達成す
ることができるポリエステルの連続製造方法を提供する
こと」にある。
【0014】
【課題を解決するための手段】ここに、本発明によれ
ば、下記のポリエステルの連続製造方法が提供される。
先ず、請求項1に係る本発明として、「芳香族ジカルボ
ン酸又はその低級アルキルエステルと1,4−ブタンジ
オールを主とするグリコール成分とから、ポリエステル
を連続的に製造する方法であって、その際、重縮合反応
による留出物をエステル化反応またはエステル交換反応
に付属の第一蒸留塔に供給し、該蒸留塔の塔頂よりテト
ラヒドロフランを含有する留出物を留出させ、該留出物
を第一蒸留塔に連続する第二蒸留塔へ供給し、該第二蒸
留塔よりテトラヒドロフランを回収することを特徴とす
るポリエステルの連続製造方法」が提供される。
【0015】また、請求項2に係る本発明として、「第
二蒸留塔より回収するテトラヒドロフランが該第二蒸留
塔からの留出物に対して10重量%以上含有されること
を特徴とする請求項1記載のポリエステルの連続製造方
法」が提供される。
【0016】また、請求項3に係る本発明として、「重
縮合反応器からの留出物の少なくとも一部が真空排気系
へ供給されて得られた凝縮物である請求項1記載のポリ
エステルの連続製造方法」が提供される。
【0017】さらに、請求項4に係る本発明として、
「第一蒸留塔の塔底からの留出物である1,4−ブタン
ジオールの水分含有率が0.5重量%以下である請求項
1〜3の何れか一項に記載のポリエステルの連続製造方
法」が提供される。
【0018】そして、請求項5に係る本発明として、
「第一蒸留塔の塔底からの留出物である1,4−ブタン
ジオールを少なくとも出発原料の一部として再利用する
請求項1〜4の何れか一項に記載のポリエステルの連続
製造方法」が提供される。
【0019】
【発明の実施の形態】先ず、本発明で用いる芳香族ジカ
ルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフ
タレンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェ
ノキシエタンジカルボン酸等が挙げられる。また、芳香
族カルボン酸の低級アルキルエステルとしては、ジメチ
ルテレフタレート、ジメチルイソフタレートなどが挙げ
られる。
【0020】本発明において、ポリエステルを構成する
グリコールの「主たる」とは、全グリコール成分に対して
50モル%以上を言い、好ましくは80モル%以上を言
う。
【0021】又、1,4−ブタンジオール以外のグリコ
ール成分としては、エチレングリコール、ネオペンチル
グリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパ
ンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジ
オール、1,5−ペンタジオール、1,6−ヘキサンジ
オール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−
シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサン
ジメタノール、ジエチレングリコール、トリエチレング
リコール、ポリアルキレングリコール、プロピレングリ
コール等が例示でき、これらのグリコール成分は、1種
のみで用いても、或いは2種以上を併せて用いてもよ
い。
【0022】また、ポリエステルには、トリメリット
酸、ピロメリット酸、グリセロール等の三官能以上の多
官能化合物、安息香酸、イソシアン酸フェニル等の単官
能化合物等の化合物を共重合することができる。
【0023】さらに、本発明においては、ポリエステル
を製造する際に、触媒の存在下または不存在下のどちら
で行なってもよい。触媒を用いる場合、公知の触媒を使
用することができ、例えば、アンチモン化合物、マンガ
ン化合物、チタン化合物、スズ化合物、亜鉛化合物、マ
グネシウム化合物等を用いることができる。このような
触媒の供給位置および供給方法については、特に限定さ
れるものではなく、製造条件に対応して適宜決定すれば
よい。また、本発明のポリエステルの製造方法におい
て、テトラヒドロフランの副生を抑えるのに有効な慣用
されている触媒や添加剤を使用することができる。
【0024】さらに、必要に応じて、慣用されている他
の熱可塑性樹脂、添加剤、無機充填剤、有機充填剤等の
一種または二種以上を、そのまま若しくはジオール成分
とともに、本発明の反応器に添加したり、反応器の出側
で、成形機、押出機、混合器等で直接練り込むこともで
きる。
【0025】以下、本発明の実施の態様について、図面
を参照しながら詳細に説明する。図1は、本発明を実施
するための連続法のフロー図を例示したものである。図
2は、本発明を実施するための他の連続法のフロー図を
例示したものである。
【0026】図1において、エステル交換法によって本
発明のポリエステルを製造する際の説明を行う。1は第
一蒸留塔、即ち、エステル交換反応器(図示せず)に付
設された棚段式または充填塔式の第一蒸留塔を示し、該
エステル交換反応器(図示せず)とは配管3により連結
されている。なお、2はリボイラーを示す。
【0027】ここで、前記のエステル交換反応器より留
出するテトラヒドロフラン、水などを含むメタノールは
配管3から蒸留塔1に供給される。また、重縮合反応器
(図示せず)からの留出物であるテトラヒドロフラン、
水、メタノールなどを含む1,4−ブタンジオールは配
管4から蒸留塔1に供給される。なお、配管4を図2の
ように蒸留塔1の塔底に接続し、蒸留塔1に供給するこ
とが好ましい。さらに、蒸留塔1の塔頂に上昇してくる
メタノールを主たる成分とする蒸気は、配管5を経て第
一蒸留塔1と連続する第二蒸留塔6に供給される。ここ
で、蒸留塔1の塔頂温度をコントロールするため、蒸留
塔1の塔頂へ上昇してくる蒸気を図2に示す冷却器13
で凝縮させて、一部を配管14を経て塔頂部へ還流さ
せ、残りの凝縮液を配管5を経て連続する第二蒸留塔6
に供給させることが好ましい。なお、塔底の1,4−ブ
タンジオールを主たる成分とする排出液は、この排出配
管7を介してエステル交換反応の原料の一部として再利
用される。また、6は棚段式または充填塔式の蒸留塔を
示し、8はリボイラー、9は冷却器を示す。さらに、第
二蒸留塔6の塔頂に上昇してくるテトラヒドロフランと
メタノールを主たる成分とする蒸気は、冷却器9で凝縮
し、一部は配管10を経て蒸留塔6に還流され、一部は
配管11を経て系外に抜き出される。配管12はメタノ
ールの排出配管を示し、メタノールを主たる成分とする
排出液は系外に排出される。
【0028】以上のように構成された本装置において、
ポリブチレンテレフタレートをエステル交換法によって
連続的に製造する方法について図1を用いて詳しく説明
する。
【0029】先ず、原料であるジメチルテレフタル酸、
1,4−ブタンジオール及びチタン酸テトラブトキサイ
トはエステル交換反応器(図示せず)に供給される。こ
こで、該1,4−ブタンジオールと該ジメチルテレフタ
ル酸とのモル比は1.1〜1.8の範囲が好ましく、特に
好ましくは1.3〜1.7である。また、エステル交換反
応器内の温度は、150〜200℃に設定され、供給さ
れた原料は、常圧下でエステル交換反応が行なわれる。
この間、留出するメタノールを主とする副生蒸気は配管
3より蒸留1へと導かれる。引き続き重縮合反応器へと
移送され、反応温度200〜260℃、減圧下で重縮合
反応が行なわれる。ここで、エステル交換反応器及び該
重縮合反応器の数、及び反応器の形式については特に限
定されるものではない。また、操作圧力や温度について
も限定されるものではなく、必要に応じて不活性ガス雰
囲気下でこれらの反応を行ってもよい。さらに、最終的
に得られたポリブチレンテレフタレート重合体は、造粒
化工程等でペレット化され、必要に応じて固相重合によ
りさらに高分子量化される。
【0030】ここで、各重縮合反応器より発生する1,
4−ブタンジオールを主とする副生蒸気はコンデンサー
で凝縮され、凝縮された留出物は配管4を経て蒸留塔1
へと送られる。なお、1,4−ブタンジオールを主とす
る凝縮液には、固着性飛散物などの不純物が含まれてい
るため、蒸留塔1に供する前に金網フィルターや遠心分
離機などで固着性飛散物を除くことが好ましい。また、
予め加熱して供給してもよい。
【0031】以上のようにして重縮合反応器からの留出
物は、供給配管4よりエステル交換反応器付属の蒸留塔
1に供給される。なお、蒸留塔1は、エステル交換反応
器より導かれたメタノールを主とする副生蒸気と、重縮
合反応器からの留出物の蒸留を兼ねる。また、重縮合反
応器の真空装置としてメカニカルブースタポンプを用い
た際、真空系に留出するメタノール、テトラヒドロフラ
ンなど低沸点物の蒸気を凝縮し、蒸留塔1に供すること
によりこれらの蒸留も兼ねることができる。蒸留塔1の
底部温度はリボイラー2によりコントロールされる。そ
して、頂部からメタノールを主たる成分としテトラヒド
ロフランおよび水を含んだ蒸気を配管5を経て留出さ
せ、蒸留塔6へと供する。また、底部からは1,4−ブ
タンジオールを主たる成分とするグリコールを回収し、
出発原料であるグリコールの少なくとも一部として再利
用する。この際、再利用する1,4−ブタンジオールの
水分が高いとエステル交換反応を阻害するため、0.5
重量%以下であることが好ましい。
【0032】また、蒸留塔6の頂部温度は冷却器9の還
流量で64℃以下に、好ましくは63℃以下にコントロ
ールされ、蒸留塔6に供給されるテトラヒドロフランの
大部分を塔頂より配管11を経て留出させる。このと
き、回収効率の面で、該留出物中にテトラヒドロフラン
が10重量%以上含まれることが望ましい。また、底部
温度はリボイラー8によりコントロールされる。また、
底部からメタノールを主たる成分とする留出液が抜き出
される。なお、本発明の蒸留塔6において、回収するテ
トラヒドロフランが少ない場合は、直接蒸留法を用いて
59.1℃でつくるメタノールとテトラヒドロフランの
共沸混合物を塔頂より回収する方法でも十分な効果が期
待でき、また、メタノールとテトラヒドロフラン、また
は水とテトラヒドロフランの公知の抽出蒸留法や操作条
件が適用できる。さらに、テトラヒドロフランを蒸留塔
6の塔底より回収する方法でもよい。
【0033】以上に述べた本発明の方法を用いれば、連
続する2基の蒸留塔を用い、ポリエステルの製造工程で
副生したテトラヒドロフランを極めて効率的に系外に回
収することができる。
【0034】
【実施例】次に、本発明の実施例を図1のフローを用い
て、具体的に説明する。
【0035】[実施例1]ジメチルテレフタル酸37k
g/hrと1,4−ブタンジオール26kg/hr、お
よびチタン酸テトラブトキサイト0.03kg/hrを
エステル交換反応器へ連続的に供給し、温度160〜1
90℃、常圧下でエステル交換反応を行ない、理論量の
85%のメタノールを留出させて、ポリブチレンテレフ
レートオリゴマーを得た。次いで、得られたオリゴマー
を初期重縮合反応器へ連続的に供給し、温度230℃、
真空度30Torrで重縮合反応を行ない、ポリブチレンテ
レフタレート低重合体を得た。次いで、得られた低重合
体を最終重縮合反応器へと連続的に供給し、温度247
〜248℃、真空度1.5Torrで重縮合反応を行なっ
た。得られたポリブチレンテレフタレート重合体の固有
粘度(オルソクロロフェノール中35℃で測定した溶融
粘度から算出した値)は0.62であり、これをギヤポ
ンプによって取り出し、造粒化工程でペレット化した。
【0036】また、エステル交換槽よりテトラヒドロフ
ラン1重量%を含むメタノールを主たる副生蒸気を11
kg/hrで配管3を経て蒸留塔1に供給した。初期重
縮合反応器及び最終重縮合反応器からのテトラヒドロフ
ラン2重量%を含む1,4−ブタンジオールを主たる留
出物を8kg/hrで配管4を介してエステル交換反応
器付属の蒸留塔1へと供給した。なお、蒸留塔1の頂部
温度は93℃、底部はリボイラー2により185℃にコ
ントロールした。そして、頂部からメタノールを主たる
成分としテトラヒドロフランおよび水等を含んだ蒸気を
留出させ、配管5を介して蒸留塔6へ供給した。このと
き、蒸留塔1の底部からは0.5重量%以下の水を含ん
だ1,4−ブタンジオールを配管7を経て回収し、出発
原料であるグリコールの一部として再利用した。また、
蒸留塔6の頂部から配管11を介してテトラヒドロフラ
ンを44重量%含むメタノールを回収した。また、底部
からはほとんどテトラヒドロフランを含まないメタノー
ルを配管12を介して回収した。なお、蒸留塔6の頂部
温度は冷却器9からの還流量で60.5℃にコントロー
ルし、底部温度はリボイラー8により65℃にコントロ
ールした。
【0037】以上の実施例において述べたポリブチレン
テレフタレートの連続製造方法において、連続する2基
の蒸留塔1および6により、大掛かりな蒸留装置とする
ことなく、かつ製造工程で副生したテトラヒドロフラン
を効率良く回収が可能であった。
【0038】
【発明の効果】本発明によれば、芳香族ジカルボン酸又
はその低級アルキルエステルと、1,4−ブタンジオー
ルを主とするグリコール成分とから、ポリエステルを連
続的に製造する際に副生するテトラヒドロフランを少な
い工程数で、しかも効率良く回収でき、運転経費の削減
と設備の簡略化を達成することでき、さらには安定した
安価なポリエステルの連続製造方法を提供できるという
極めて顕著な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施するための連続蒸留装置の模式図
フロー図である。
【図2】本発明を実施するための他の連続蒸留装置の模
式図フロー図である。
【符号の説明】
1 第一蒸留塔 2、8 リボイラー 3 エステル交換反応器の留出物供給配管 4 重縮合反応器の留出物供給配管 6 第二蒸留塔 9、13 冷却器

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芳香族ジカルボン酸又はその低級アルキ
    ルエステルと1,4−ブタンジオールを主とするグリコ
    ール成分とから、ポリエステルを連続的に製造する方法
    であって、その際、重縮合反応による留出物をエステル
    化反応またはエステル交換反応に付属の第一蒸留塔に供
    給し、該蒸留塔の塔頂よりテトラヒドロフランを含有す
    る留出物を留出させ、該留出物を第一蒸留塔に連続する
    第二蒸留塔へ供給し、該第二蒸留塔よりテトラヒドロフ
    ランを回収することを特徴とするポリエステルの連続製
    造方法。
  2. 【請求項2】 第二蒸留塔より回収するテトラヒドロフ
    ランが該第二蒸留塔からの留出物に対して10重量%以
    上含有されることを特徴とする請求項1記載のポリエス
    テルの連続製造方法。
  3. 【請求項3】 重縮合反応器からの留出物の少なくとも
    一部が真空排気系へ供給されて得られた凝縮物である請
    求項1記載のポリエステルの連続製造方法。
  4. 【請求項4】 第一蒸留塔の塔底からの留出物である
    1,4−ブタンジオールの水分含有率が0.5重量%以下
    である請求項1〜3の何れか一項に記載のポリエステル
    の連続製造方法。
  5. 【請求項5】 第一蒸留塔の塔底からの留出物である
    1,4−ブタンジオールを少なくとも出発原料の一部と
    して再利用する請求項1〜4の何れか一項に記載のポリ
    エステルの連続製造方法。
JP18318699A 1998-08-18 1999-06-29 ポリエステルの連続製造方法 Expired - Fee Related JP3566582B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP18318699A JP3566582B2 (ja) 1998-08-18 1999-06-29 ポリエステルの連続製造方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10-231444 1998-08-18
JP23144498 1998-08-18
JP18318699A JP3566582B2 (ja) 1998-08-18 1999-06-29 ポリエステルの連続製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000128972A true JP2000128972A (ja) 2000-05-09
JP3566582B2 JP3566582B2 (ja) 2004-09-15

Family

ID=26501725

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP18318699A Expired - Fee Related JP3566582B2 (ja) 1998-08-18 1999-06-29 ポリエステルの連続製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3566582B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102140998B1 (ko) * 2019-03-11 2020-08-04 주식회사 엘앤이 스팀 사용량을 저감시킬 수 있는 에틸렌글리콜의 정제 방법

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102140998B1 (ko) * 2019-03-11 2020-08-04 주식회사 엘앤이 스팀 사용량을 저감시킬 수 있는 에틸렌글리콜의 정제 방법

Also Published As

Publication number Publication date
JP3566582B2 (ja) 2004-09-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4132821B2 (ja) ポリエステルの連続製造方法
TW482790B (en) Method for continuous production of polyester
US4289895A (en) Method for the preparation of oligomeric alkylene terephthalates
US5786443A (en) Process of making polyester prepolymer
TWI281927B (en) Process and apparatus for producing polybutylene terephthalate
EP1019445B1 (en) Late addition of supplemental ethylene glycol in the preparation of copolyesters
CA2396465A1 (en) Continuous process for producing poly(trimethylene terephthalate)
JP2009524731A (ja) ポリエチレンテレフタレート(pet)からポリブチレンテレフタレート(pbt)を製造するプロセス
KR19990087569A (ko) 디히드록시 화합물을 함유하는 잔류물의 후처리 방법
US4499261A (en) Process for the continuous production of polybutylene terephthalate of high molecular weight
JP4460453B2 (ja) トリメチレンテレフタレートオリゴマーの調製方法
JP3566582B2 (ja) ポリエステルの連続製造方法
JP2002293903A (ja) 環状ポリエステルオリゴマーの製造方法、およびポリエステルの製造方法
US5948828A (en) Technology development and consultancy
JP4245775B2 (ja) ポリエステルの連続製造方法
JP2002317041A (ja) 環状ポリエステルオリゴマーの製造方法、およびポリエステル製造方法
JP4050022B2 (ja) ポリエステルの連続製造方法
JP3904532B2 (ja) ブチレンテレフタレートオリゴマーの製造方法及びポリブチレンテレフタレートの製造方法
JP3904536B2 (ja) ポリブチレンテレフタレートの製造方法
JP2002105185A (ja) ポリエステルの製造方法
WO1996022318A1 (en) Process for polymerization of polyester oligomers
JP2002088146A (ja) ポリエステルの連続製造方法
JPH09124783A (ja) ポリエステルの製造法
JP2004277412A (ja) テトラヒドロフラン含有物の精製方法
JP2018145220A (ja) 脂肪族ポリエステルの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040521

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040525

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040610

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080618

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090618

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090618

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100618

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100618

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110618

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130618

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140618

Year of fee payment: 10

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees