JP2000128971A - ポリエステル樹脂 - Google Patents
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Abstract
るいは飲料用等の容器、包装材料として有利に使用しう
るポリエステル樹脂を提供することである。 【解決手段】 アンチモン化合物を触媒として製造され
る主たる繰り返し単位がエチレンテレフタレートである
ポリエステル樹脂であって、(a)この樹脂から成形し
た非晶成形体を、140℃で60秒間加熱した時の密度
が1.338(g/cm3 )以下で、かつ140℃での
密度上昇速度が0.4×10-3〜0.8×10-3(g/
(cm3 ・秒))の範囲にあり、そして(b)前記非晶
成形体を180℃で20秒間加熱した時の密度が1.3
38(g/cm3 )以下で、かつ180℃での密度上昇
速度が1.0×10-3〜3.5×10-3(g/(cm3
・秒))の範囲であるポリエステル樹脂。
Description
ム、シートなどの成形品に用いられるポリエステル樹脂
に関する。詳しくは、透明性および耐熱寸法安定性の優
れた成形品、特に中空成形品を与えるポリエステル樹脂
に関するものである。
レフタレート(以下単に「PET」と略称する)はその
優れた透明性、機械的強度、耐熱性、ガスバリヤー性等
の特性により炭酸飲料、ジュース、ミネラルウオータ等
の容器の素材として採用されておりその普及はめざまし
いものがある。
は、主としてテレフタール酸、エチレングリコールを原
料とし、重縮合触媒としてゲルマニウム化合物、アンチ
モン化合物、チタン化合物およびこれらの混合物などを
用いて製造される。前記の触媒の中で、アンチモン触媒
は価格が低いことから繊維やフイルム用のPETを製造
するさいの触媒として使用されている。しかし、ゲルマ
ニウム化合物やチタン化合物を触媒として用いた場合に
比べて、得られたPETの結晶化速度が速く、透明性の
優れた中空成形品を得ることが非常に困難である。
媒としてゲルマニウム化合物やこれとチタン化合物の混
合物が使用されているが、高価なゲルマニウム化合物を
使用するとPETのコストが高くなるという欠点があ
る。このような問題点を解決する方法として、例えば特
開平6−279579号公報では、アンチモン化合物と
リン化合物の使用量比を規定することにより透明性を改
良される方法が開示されている。しかしながら、この方
法で得られたPETからの中空成形品の透明性は、十分
なものではない。また、特開平10−36495号公報
には、三酸化アンチモン、リン酸およびスルホン酸化合
物を使用して透明性に優れたポリエステルの連続製造法
が開示されている。しかしながら、このような方法で得
られたポリエステルは熱安定性が悪く、得られた中空成
形品のアセトアルデヒド含量が高くなり問題である。
問題を解決し、透明性が優れた成形品が得られ、且つ、
安価なポリエステル樹脂を提供することを目的とする。
題を解決すべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。
即ち、本発明のポリエステル樹脂は、アンチモン化合物
を触媒として製造される主たる繰り返し単位がエチレン
テレフタレートであるポリエステル樹脂において、 (a)この樹脂から成形した非晶成形体を、140℃で
60秒間加熱した時の密度が1.338(g/cm3 )
以下で、かつ140℃での密度上昇速度が0.4×10
-3〜0.8×10-3(g/(cm3 ・秒)) (b)前記非晶成形体を180℃で20秒間加熱した時
の密度が1.338(g/cm3 )以下で、かつ180
℃での密度上昇速度が1.0×10-3〜3.5×10-3
(g/(cm3 ・秒)) の範囲であることを特徴とするポリエステル樹脂であ
る。
明性、および、耐熱寸法安定性の優れた成形品、特に中
空成形品を与える。
する。本発明の主たる繰り返し単位がエチレンテレフタ
レートからなるポリエステル樹脂とは、エチレンテレフ
タレート単位を85モル%以上含む線状ポリエステル樹
脂であり、好ましくは90モル%以下、さらに好ましく
は95モル%以上含む線状ポリエステル樹脂である。
るジカルボン酸としては、イソフタル酸、2,6−ナフ
タレンジカルボン酸、ジフェニール−4,4’−ジカル
ボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸等の芳香族ジ
カルボン酸及びその機能的誘導体、p−オキシ安息香
酸、オキシカプロン酸等のオキシ酸及びその機能的誘導
体、アジピン酸、セバシン酸、コハク酸、グルタル酸等
の脂肪族ジカルボン酸及びその機能的誘導体、シクロヘ
キサンジカルボン酸等の脂環族ジカルボン酸及びその機
能的誘導体などが挙げられる。
るグリコールとしては、ジエチレングリコール、トリメ
チレングリコール、テトラメチレングリコール、ネオペ
ンチルグリコール等の脂肪族グリコール、シクロヘキサ
ンジメタノール等の脂環族グリコール、ビスフェノール
A、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物等
の芳香族グリコールなどが挙げられる。
化合物からなるその他の共重合成分としては、酸成分と
して、トリメリット酸、ピロメリット酸等を挙げること
ができ、またグリコール成分としてグリセリン、ペンタ
エリスリトール等を挙げることができる。これらの多官
能化合物からなる共重合成分の使用量は、ポリエステル
樹脂が実質的に線状を維持する程度でなければならな
い。
化合物を触媒として製造される主たる繰り返し単位がエ
チレンテレフタレートであるポリエステル樹脂であっ
て、この樹脂から成形した非晶成形体を、(a)140
℃で60秒間加熱した時の密度が1.338(g/cm
3 )以下、好ましくは1.337(g/cm3 )以下、
更に好ましくは(1.336g/cm3 )以下で、かつ
140℃での密度上昇速度が0.4×10-3〜0.8×
10 -3(g/(cm3 ・秒))、好ましくは0.45×
10-3〜0.75×10-3(g/(cm3 ・秒))、更
に好ましくは0.50×10-3〜0.70×10-3(g
/(cm3 ・秒))の範囲にあり、(b)180℃で2
0秒間加熱した時の密度が1.338(g/cm3 )以
下、好ましくは1.337(g/cm3 )以下、更に好
ましくは1.336(g/cm3 )以下で、かつ180
℃での密度上昇速度が1.0×10-3〜3.5×10 -3
(g/(cm3 ・秒))、好ましくは1.1×10-3〜
3.4×10-3(g/(cm3 ・秒))、更に好ましく
は1.2×10-3〜3.3×10-3(g/(cm3 ・
秒))の範囲であることを特徴とするポリエステル樹脂
である。
1.338(g/cm3 )以上で、かつ140℃での密
度上昇速度が0.8×10-3(g/(cm3 ・秒))以
上、そして180℃で20秒間加熱した時の密度が1.
338(g/cm3 )以上で、かつ180℃での密度上
昇速度が3.5×10-3(g/(cm3 ・秒))以上の
場合は、得られた成形品の透明性は非常に悪くなる。1
40℃での密度上昇速度が0.4×10-3(g/(cm
3 ・秒))以下で、かつ180℃での密度上昇速度が
1.0×10-3(g/(cm3 ・秒))以下の場合は、
得られた成形品の耐熱性が悪くなる。
ル酸とエチレングリコール及び/又は第三成分を直接反
応させて水を留去しエステル化した後、減圧下に重縮合
を行う直接エステル化法、または、テレフタル酸ジメチ
ルとエチレングリコール及び/又は第三成分を反応させ
てメチルアルコールを留去しエステル交換させた後、減
圧下に重縮合を行うエステル交換法により製造される
が、この製造過程でMg化合物、Ca化合物、Co化合
物、Mn化合物及びZn化合物より選ばれた少なくとも
1種の金属化合物およびP化合物を2回以上に分割して
添加し、またエステル化反応またはエステル交換反応が
実質的に終了後から重縮合反応前までにSb化合物を添
加して重縮合を行うことにより得ることが出来る。
せ、アセトアルデヒド含量を低下させるために固相重合
を行ってもよい。 前記のエステル化反応、エステル交換
反応、溶融重縮合反応および固相重合反応は、回分式反
応装置でおこなっても良いしまた連続式反応装置で行っ
ても良い。
物、Co化合物、Mn化合物およびZn化合物は反応系
に可溶な化合物であれば全て使用できる。
ム. 、酸化マグネシウム、酢酸マグネシウムのような低
級脂肪酸塩、マグネシウムメトキサイドのようなアルコ
キサイド等が挙げられる。Ca化合物としては、水素化
カルシウム、水酸化カルシウム、酢酸カルシウムのよう
な低級脂肪酸塩、カルシウムメトキサイドのようなアル
コキサイド等が挙げられる。Co化合物としては、酢酸
コバルトのような低級脂肪酸塩、ナフテン酸コバルト、
安息香酸コバルト等の有機酸塩、塩化コバルト等の塩化
物、コバルトアセチルアセトネート等が挙げられる。
香酸マンガン等の有機酸塩、塩化マンガン等の塩化物、
マンガンメトキサイド等のアルコキサイド、マンガンア
セチルアセトナート等が挙げられる。Zn化合物として
は、酢酸亜鉛、安息香酸亜鉛等の有機酸塩、塩化亜鉛等
の塩化物、亜鉛メトキサイド等のアルコキサイド、亜鉛
アセチルアセトナート等が挙げられる。
ン酸、亜リン酸、ホスホン酸およびそれらの誘導体等が
挙げられる。具体例としてはリン酸、リン酸トリメチル
エステル、リン酸トリエチルエステル、リン酸トリブチ
ルエステル、リン酸トリフェニールエステル、リン酸モ
ノメチルエステル、リン酸ジメチルエステル、リン酸モ
ノブチルエステル、リン酸ジブチルエステル、亜リン
酸、亜リン酸トリメチルエステル、亜リン酸トリエチル
エステル、亜リン酸トリブチルエステル、メチルホスホ
ン酸、メチルホスホン酸ジメチルエステル、エチルホス
ホン酸ジメチルエステル、フェニールホスホン酸ジメチ
ルエステル、フェニールホスホン酸ジエチルエステル、
フェニールホスホン酸ジフェニールエステル等であり、
これらは単独で使用してもよく、また2種以上を併用し
てもよい。
三酸化アンチモン、酢酸アンチモン、酒石酸アンチモ
ン、酒石酸アンチモンカリ、オキシ塩化アンチモン、ア
ンチモングリコレート、五酸化アンチモン、トリフェニ
ルアンチモン等が挙げられる。本発明で用いられるMg
化合物、Ca化合物、Co化合物、Mn化合物およびZ
n化合物は、ポリエステル樹脂の製造過程で少なくとも
2回以上に分割して添加するのが好ましく、また生成ポ
リマー中の含有量が金属原子としてポリマー1トン中
0.03〜5.0モルの範囲になるように添加する。
テル樹脂の製造過程で少なくとも2回以上に分割して添
加するのが好ましく、また生成ポリマー中のP原子に対
するポリマー中のMg化合物、Ca化合物、Co化合
物、Mn化合物およびZn化合物の合計金属原子比とし
て0.1〜3.0の範囲になるように添加する。
n化合物、Zn化合物およびP化合物を分割して添加す
る方法は、ポリエステル樹脂の製造を回分式で実施する
場合は添加時期をずらすことにより、また連続式で実施
する場合は添加場所を変更することにより行うことが出
来る。ポリエステル樹脂の製造を連続式で実施する場合
は、反応缶の個数を増加して少なくとも2つの反応缶に
別々に添加する方法、同じ反応缶で反応の進行順に少な
くとも2カ所以上の添加位置を別々に設けて添加する方
法、また反応缶と反応缶の連続部にラインミキシングす
る方法等種々の方法が採用される。
n化合物およびZn化合物の添加量の分割割合は、初回
の添加量を全添加量の約50%以下にするのが好まし
く、30%以下にするのが特に好ましい。
加量を全添加量の約50%以下にするのが好ましく、3
0%以下にするのが特に好ましい。またそれぞれMg化
合物、Ca化合物、Co化合物、Mn化合物およびZn
化合物の添加後に添加するのが好ましい。
化合物、Mn化合物、Zn化合物およびP化合物の添加
時期は、エステル化およびエステル交換反応前または反
応途中でもよいし、終了後でもよいが、第2回目以降の
添加時期はエステル化またはエステル交換反応途中又は
終了後が好ましい。
リマー中の含有量が金属原子としてポリマー1トン中
0.1〜2.5モルの範囲になるように添加する。
0.57〜0.90dl/g、好ましくは0.58〜
0.88dl/g、さらに好ましくは0.60〜0.8
5dl/gの範囲である。0.57dl/g以下では、
得られた成形品等の機械的特性が悪い。また、0.90
dl/gを越える場合は、成型機等による溶融時に樹脂
温度が高くなって熱分解が激しくなり、保香性に影響を
及ぼす遊離の低分子量化合物が増加したり、成形品が黄
色に着色する等の問題が起こる。
るジエチレングリコール量はグリコール成分の1.5〜
5.0モル%、好ましくは1.6〜4.5モル%、更に
好ましくは1.7〜4.0モル%である。ジエチレング
リコール量が1.5モル%以下の場合は、結晶化速度が
早いため本発明で規定した成形体の密度が本発明で規定
する範囲に入らず、得られた成形品の透明性が悪くな
る。またジエチレングリコール量が5.0モル%以上の
場合は、ポリエステル樹脂のガラス転移点が低下し、得
られた成形品の耐熱性が低下し、また熱安定性が悪いた
め成形時にアセトアルデヒド含量の増加量が大となり、
保香性に悪影響を与える。
アルデヒド含量は10ppm以下、好ましくは8ppm
以下、更に好ましくは5ppm以下である。アセトアル
デヒド含量が10ppm以上の場合は、このポリエステ
ル樹脂から成形された容器等の内容物の風味や臭い等が
悪くなる。
量体の含有量は0.35重量%以下、好ましくは0.3
3重量%以下、さらに好ましくは0.32重量%以下で
ある。本発明のポリエステル樹脂から耐熱性の中空成形
品等を成形する場合は加熱金型内で熱処理を行うが、環
状3量体の含有量が0.35重量%以上含有する場合に
は、加熱金型表面へのオリゴマー付着が急激に増加し、
得られた中空成形品等の透明性が非常に悪化する。
られる溶融成形法により、中空成形品、フイルム、シー
ト等に成形することが出来る。中空成形品を製造する場
合は、公知のホットパリソン法またはコールドパリソン
法等の方法を用いて本発明のポリエステル樹脂から、透
明な、耐熱性に優れた中空成形品を作ることが出来る。
形品を製造する場合は、先ず射出成形により予備成形体
を成形し、次いでこれを延伸ブロー成形してボトルに成
形する。射出成形は、一般に約265〜約300℃の射
出温度、約30〜約70kg/cm2 の射出圧力で実施
し、予備成形体を成形する。この予備成形体の口栓部を
熱処理して結晶化させる。このようにして得られた予備
成形体を、コールドパリソン法の場合は約80〜約12
0℃に予熱し、またホットパリソン法の場合は約80〜
約120℃になるように冷却する。この予備成形体をブ
ロー金型中で約120〜約210℃にて延伸ブロー成形
し、次いで約0.5〜約30秒間熱処理する。延伸倍率
は、通常、縦方向に1.3〜3.5倍、周方向に2〜6
倍とするのがよい。
のフイルムとの積層フイルムや積層シート、金属板との
積層体、多層中空成形品用にも使用することが出来る。
本発明のポリエステル樹脂には、必要に応じて公知の核
剤、安定剤、帯電防止剤、着色剤、紫外線防止剤、酸化
防止剤、滑剤、離型剤などの各種の添加剤を配合しても
よい。
が本発明はこの実施例に限定されるものではない。
る。 1)極限粘度(IV) 1,1,2,2−テトラクロルエタン/フェノール
(2:3重量比)混合溶媒中30℃での溶液粘度から求
めた。
EG含量」という) メタノールにより分解し、ガスクロマトグラフィーによ
りDEG量を定量し、全グリコール成分に対する割合
(モル%)で表した。
量」という) 樹脂ペレット試料/蒸留水=1g/2mlを窒素置換し
たガラスアンプルに入れて上部を溶封し、160℃で2
時間抽出処理を行い、冷却後抽出液中のアセトアルデヒ
ドを高感度ガスクロマトグラフィーで測定し濃度をpp
mで表示した。
クロロフォルム混合液に溶解し、さらにクロロフォルム
を加え希釈する。これにメタノールを加えてポリマーを
沈殿させた後、濾過する。濾液を蒸発乾固し、ジメチル
フォルムアミドで定容とし、液体クロマトグラフ法によ
り定量した。
日本電色製へーズメータを用いて測定する。
出成形機により、シリンダー温度290℃(ホッパー下
は250℃)に於いて、10℃に冷却した段付平板金型
で成形し、段付成形体を得る(サイクルタイム70
秒)。この段付成形体は、2、3、4、5、6、7、
8、9、10,11mmの厚みの約3cm×約5cm角
の成形板を階段状に備えたもので、1個の重量は約14
6gである。2mm厚みの成形板は密度上昇速度の測定
に、また5mm厚みの成形板はヘーズ(霞度%)測定に
それぞれ切り出して使用する。
の算出 前記の2mm厚みの成形板を段付成形体より切り出し、
所定の温度にコントロールしたシリコン油浴(撹拌器付
き)に所定時間浸漬後す早く取り出し、n−ヘキサン中
に投入して急冷する。急冷後表面に付着したシリコン油
をn−ヘキサンで洗浄し、密度を測定する。試料の加熱
は、140℃及び180℃に於いて10秒間隔で実施す
る。加熱処理は、一条件につき5試料について繰り返し
実施し、各条件での試料の密度の平均値を求める。各温
度における加熱処理時間と成形板の密度の値をプロット
し、密度上昇曲線を得る。この密度上昇曲線より次のよ
うにして各温度での密度上昇速度を求める。即ち、14
0℃での密度上昇曲線は、密度1.340(g/c
m 3 )に対応する加熱時間(t1秒)および密度1.3
60(g/cm3 )に対応する加熱時間(t2秒)を求
め、次式より算出する。 密度上昇速度(g/(cm3 ・sec))=0.02/
(t2−t1) また、180℃での密度上昇曲線は、密度1.345
(g/cm3 )に対応する加熱時間(t1秒)および密
度1.365(g/cm3 )に対応する加熱時間(t2
秒)を求め、前記の式より算出する。
処理成形板の密度 四塩化炭素/n−ヘプタン混合溶媒の密度勾配管で25
℃で測定する。
拌装置、分縮器、原料仕込口および生成物取り出し口を
設けた第1エステル化反応装置、反応缶内を2つの槽に
分割し各反応槽に撹拌装置を付し、分縮器、原料仕込口
および生成物取り出し口を設けた第2エステル化反応装
置よりなる3段の完全混合槽型の連続エステル化反応装
置を用いた。その第1エステル化反応装置内の反応生成
物が存在する系へ、TPAに対するEGのモル比1.7
に調整したTPAのEGスラリーを連続的に供給した。
同時にTPAのEGスラリー供給口とは別の供給口より
酢酸マグネシウム4水和物のEG溶液を生成ポリエステ
ル樹脂1トン当たりMg原子として0.33モル(生成
ポリエステル樹脂に対して約8ppm)となるように連
続的に供給し、常圧にて平均滞留時間4時間、温度25
5℃で反応させた。
て第2エステル化反応装置の第1槽目に供給し、第2槽
目より連続的に取り出した。第1槽目から第2槽目への
移送はオーバーフロー方式を採用した。第1槽目の入口
側の供給口より生成ポリエステル樹脂1トン当たりP原
子として0.33モル(約10ppm)となるような量
のリン酸のEG溶液、第2槽目の入口側の供給口より生
成ポリエステル樹脂1トン当たりMg原子として0.9
1モル(約22ppm)となるような量の酢酸マグネシ
ウム4水和物のEG溶液および第2槽目の中間位置の供
給口より生成ポリエステル樹脂1トン当たりP原子とし
て0.61モル(約19ppm)となるような量のリン
酸のEG溶液を連続的に添加し、常圧にて各槽の平均滞
留時間2.5時間、温度260℃で反応させた。
テル化反応生成物を連続的に取り出し、撹拌装置、分縮
器、原料仕込口および生成物取り出し口を設けた2段の
連続重縮合反応装置に連続的に供給した。エステル化反
応物の輸送配管に接続された重縮合触媒供給配管より、
生成ポリエステル樹脂1トン当たりSb原子として1.
6モル(約195ppm)となるような量の三酸化アン
チモンのEG溶液をエステル化反応生成物に供給し、前
記の連続重縮合反応装置で約270℃、減圧下に重縮合
を行った。得られたPET樹脂のIVは0.53であっ
た。この樹脂をひきつづき連続固相重合装置に送り、窒
素雰囲気下で約205℃で固相重合した。得られたPE
T樹脂のIVは0.74、DEG含量は2.5モル%、
AA含量は3.3ppm、環状3量体含量は0.32重
量%、密度は1.401g/cm 3 であった。
形し、加熱処理を行い密度を測定した。140℃で60
秒加熱した時の密度が1.335g/cm3 、140℃
での密度上昇速度が0.6×10-3(g/(cm3 ・
秒))であり、180℃で20秒間加熱した時の密度が
1.335g/cm3 、180℃での密度上昇速度が
1.8×10-3(g/(cm3 ・秒))であった。ま
た、5mm厚みの成形板のヘーズは4.1%と良好であ
った。
燥器で乾燥し、名機製作所製M−100射出成型機によ
り樹脂温度290℃でプリフォームを成形した。このプ
リフォームの口栓部を自家製の口栓部結晶化装置で加熱
結晶化させた後、コーポプラスト社製LB−01延伸ブ
ロー成型機を用いて2軸延伸ブロー成形し、引き続き約
140℃に設定した金型内で5秒間熱固定し、1500
mlの中空成型容器(胴部平均肉厚0.4mm)を得
た。胴部のヘーズは1.3%と良好であった。
し、金属化合物の添加量及び添加位置を変更する以外は
実施例1と同一条件でエステル化反応および溶融重合を
実施した。第2エステル化反応装置の第1槽目の入口側
の供給口より生成ポリエステル樹脂1トン当たりMg原
子として0.16モル(約4ppm)となるような量の
酢酸マグネシウム4水和物のEG溶液、第1槽目の中間
位置の供給口より生成ポリエステル樹脂1トン当たりP
原子として0.39モル(約12ppm)となるような
量のリン酸のEG溶液、第2槽目の入口側の供給口より
生成ポリエステル樹脂1トン当たりMg原子として0.
45モル(約11ppm)となるような量の酢酸マグネ
シウム4水和物のEG溶液および第2槽目の中間位置の
供給口より生成ポリエステル樹脂1トン当たりP原子と
して1.16モル(約36ppm)となるような量のリ
ン酸のEG溶液を連続的に添加してエステル化反応させ
た。次いで、実施例1と同様の方法で生成ポリエステル
樹脂1トン当たりSb原子として1.5モル(約183
ppm)となるような量の三酸化アンチモンのEG溶液
をエステル化反応生成物に供給して重縮合反応を実施し
た。得られたPET樹脂のIVは0.53であった。こ
の樹脂をひきつづき連続固相重合装置に送り、窒素雰囲
気下で約205℃で固相重合した。得られたPET樹脂
のIVは0.75、DEG含量は2.7モル%、AA含
量は3.5ppm、環状3量体含量は0.31重量%、
密度は1.400g/cm3 であった。
形し、加熱処理を行い密度を測定した。140℃で60
秒加熱した時の密度が1.334g/cm3 、140℃
での密度上昇速度が0.5×10-3(g/(cm3 ・
秒))であり、180℃で20秒間加熱した時の密度が
1.334g/cm3 、180℃での密度上昇速度が
1.5×10-3(g/(cm3 ・秒))であった。 ま
た、5mm厚みの成形板のヘーズは3.8%と良好であ
った。得られたPET樹脂から実施例1と同様にして、
1500mlの中空成型容器(胴部平均肉厚0.4m
m)を得た。胴部のヘーズは1.4%と良好であった。
加しているリン酸の全量と実施例1と同量の三酸化アン
チモンを第1エステル化装置に、また実施例1で2回に
分割して添加している酢酸マグネシウムの全量を第2エ
ステル化装置の第1槽目に添加し、実施例1と同一条件
で重縮合を行い、IVが0.54のプレポリマーを得
た。これを実施例1と同一固相重合設備を用いて同一条
件で固相重合し、IVが0.75、DEG含量が2.8
モル%、AA含量が3.5ppm、環状3量体含量が
0.33重量%、密度が1.399g/cm3 のPET
樹脂を得た。
い、密度を測定したところ、140℃で60秒加熱した
時の密度が1.340g/cm3 、140℃での密度上
昇速度が1.1×10-3(g/(cm3 ・秒))であ
り、180℃で20秒間加熱した時の密度が1.342
g/cm3 、180℃での密度上昇速度が4.5×10
-3(g/(cm3 ・秒))であった。 また、5mm厚み
の成形板のヘーズは25.1%と高かった。実施例1と
同様にして、平均肉厚0.4mm、1500mlの中空
容器を得た。この容器の胴部ヘーズは5.3%と高く、
透明性は不良であった。
透明性および耐熱寸法安定性の優れた成形品として有利
に使用出来る。
Claims (4)
- 【請求項1】 アンチモン化合物を触媒として製造され
る主たる繰り返し単位がエチレンテレフタレートである
ポリエステル樹脂において、 (a)この樹脂から成形した非晶成形体を、140℃で
60秒間加熱した時の密度が1.338(g/cm3 )
以下で、かつ140℃での密度上昇速度が0.4×10
-3〜0.8×10-3(g/(cm3 ・秒)) (b)前記非晶成形体を180℃で20秒間加熱した時
の密度が1.338(g/cm3 )以下で、かつ180
℃での密度上昇速度が1.0×10-3〜3.5×10-3
(g/(cm3 ・秒)) の範囲であることを特徴とするポリエステル樹脂。 - 【請求項2】 ポリエステル樹脂が中空成形品用である
ことを特徴とする請求項1に記載のポリエステル樹脂。 - 【請求項3】 極限粘度が0.70〜0.90dl/
g、共重合されたDEG量がグリコール成分の1.5〜
5.0モル%および密度が1.37g/cm3以上であ
る請求項1又は2に記載のポリエステル樹脂。 - 【請求項4】 アセトアルデヒド含量が10ppm以
下、環状3量体含量が0.35重量%以下である請求項
1〜3に記載のポリエステル樹脂。
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