JP2000128664A - 光触媒機能を有する外壁材 - Google Patents

光触媒機能を有する外壁材

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JP2000128664A
JP2000128664A JP10304578A JP30457898A JP2000128664A JP 2000128664 A JP2000128664 A JP 2000128664A JP 10304578 A JP10304578 A JP 10304578A JP 30457898 A JP30457898 A JP 30457898A JP 2000128664 A JP2000128664 A JP 2000128664A
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photocatalytic
wall
wall material
titanium oxide
oxide
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Masahiro Omori
将弘 大森
Hidenori Nakamura
英則 中村
Katsutoshi Tamura
克俊 田村
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Showa Denko KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 空気清浄に優れた光触媒機能層を有する外壁
材を提供する。主な課題は、希薄な窒素酸化物を効率的
に触媒層に吸着、除去すること、触媒層を長期的に維持
しカビ等の発生で美観を損なわない外壁材を提供する。 【解決手段】 室温における吸水寸法変化率が0.08
%以下の窯業系外壁基材を使用し、好ましくはトバモラ
イト結晶を含み線状及び/または繊維状の補強材で強化
された外壁基材を使用し、この基材表面に光触媒機能を
有する金属酸化物が固定された光触媒機能性外壁材を提
供することにより、上記課題を解決した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光触媒機能を有す
る金属酸化物と結着剤を含む光触媒機能層で、窯業系外
壁基材を被覆することにより、空気浄化性能を備えた光
触媒機能性外壁材料に関する。
【0002】
【従来の技術】車等から排出される汚染物質によって大
気が汚れている。特に、道路交通量の多い住宅地や工事
用大型車両の往来が激しい道路周辺地域では、深刻な環
境問題となっている。中でも窒素酸化物の低減は、人体
に対する健康障害や地球環境保護の見地から叫ばれ、そ
の対策が急がれている。例えば、大規模であれば窒素酸
化物の処理は、発電所、ボイラ−の例に見られるように
発生源にて抑制する方法(高温での窒素酸化物の接触分
解、可燃物質との接触還元など)、自動車用排気ガスの
場合は、排気ガスの出口に酸化チタンを含む光触媒に紫
外線を照射して除去する方法(特開平10−18009
6号公報、特開平10−141044号公報)が提案さ
れている。
【0003】また、最近では人工エネルギーを使わない
で窒素酸化物を分解する手法として、光触媒反応のある
酸化チタンを担持させた多孔質セラミック体の道路防護
擁壁(特開平10−94717号公報)やコンクリート
表面に酸化チタンを含むセメント質混合物を塗った大気
浄化コンクリート(特開平10−46512号公報)、
発砲コンクリート表面に酸化チタン、セメント、充填剤
と水の混合物を吹き付けた発泡コンクリートブロック
(特開平10−158079号公報)などが知られてい
る。また、屋内用の空気浄化法として酸化チタンを0.
1−30%含む表層部を持つ建築材料(特開平10−1
52904号公報)、基材表面に光触媒性コーティング
を施して親水性化する方法(再公表WO96−2937
5号公報)、遮音パネルに酸化チタン含有層を設けた遮
音パネル(特開平10−152909号公報)、それに
太陽電池を装備させて換気機能を加えたもの(特開平1
0−151323号公報)などが提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記建
築材(道路防護擁壁、コンクリート材等)や外壁材、遮
音材等で使用されている光触媒層または光触媒機能性材
料には、大気中では窒素酸化物が希薄であるために効率
的に触媒層に吸着するのが難しいこと、長期間光触媒機
能を継続するのが困難であり酸化チタンが短期的に剥離
・崩壊してしまいやすいこと、光触媒効率の点では光が
表層の奥まで届かず表層中の酸化チタンが十分光触媒と
して作用しないこと、さらに長期的試験では表層にカビ
等が発生して美観を損なう等の多くの課題があった。
【0005】本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で、外壁材の基材として十分に吸水及び乾燥処理による
繰り返し操作または前記現象の環境変化において、基板
の吸水寸法変化率が0.08%以下の窯業系外壁基材を
使用し、その外気に面する表面層に光触媒機能を有する
金属酸化物が存在(固定)する光触媒機能性外壁材を提
供することにより、前記課題を解決した。特に好ましく
は、前記金属酸化物は酸化チタンであり、好ましい形態
としては前記基板表面に酸化チタンと結着剤を含む光触
媒機能層で被覆された光触媒機能性外壁材を提供するこ
とを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、詳しくは下記
の光触媒機能性外壁材を提供することにより課題を解決
する手段とする。 (1)室温における吸水寸法変化率が0.08%以下の
窯業系外壁基材において、その外側面を光触媒機能を有
する金属酸化物と結着剤を含む光触媒機能層で被覆した
ことを特徴とする光触媒機能性外壁材。 (2)上記(1)記載の光触媒機能性外壁材において、
上記外壁基材がトバモライト結晶を含み、線状及び/ま
たは繊維状の補強材で強化された光触媒機能性外壁材。 (3)上記(1)または(2)記載の光触媒機能性外壁
材において、上記外壁基材が押出成形材である光触媒機
能性外壁材。
【0007】(4)上記(1)乃至(3)の何れか1つ
に記載の光触媒機能性外壁材において、上記光触媒機能
層の外表にシリカの保護層を設けた光触媒機能性外壁
材。 (5)上記(1)乃至(4)の何れか1つに記載の光触
媒機能性外壁材において、上記光触媒機能層の内側に下
地層を設けた光触媒機能性外壁材。 (6)上記(5)記載の光触媒機能性外壁材において、
上記下地層がシリカ、ジルコニア、酸化鉄、アルミナ、
酸化カルシウム、酸化マグネシウム及び硼素からなる群
より選ばれた少なくとも1種の化合物からなる光触媒機
能性外壁材。
【0008】(7)上記(1)乃至(6)の何れか1つ
に記載の光触媒機能性外壁材において、上記結着剤が上
記光触媒機能を有する金属酸化物に対して60重量%以
下であり、かつ、シリカ、ジルコニア、酸化鉄、アルミ
ナ、酸化カルシウム、酸化マグネシウム及び硼素からな
る群より選ばれた少なくとも1種の化合物からなる光触
媒機能性外壁材。 (8)上記(1)乃至(7)の何れか1つに記載の光触
媒機能性外壁材において、上記光触媒機能を有する金属
酸化物が酸化チタンである光触媒機能性外壁材。 (9)上記(8)記載の光触媒機能性外壁材において、
上記酸化チタンの60モル%以上がアナターゼ構造であ
る光触媒機能性外壁材。 (10)上記(8)記載の光触媒機能性外壁材におい
て、上記酸化チタンの60モル%以上がブルーカイト構
造である光触媒機能性外壁材。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明において使用される基材と
しては、前記吸水寸法変化率が0.08%以下の基材で
あれば何でもよく、好ましい基材例としては、主として
トバモライト結晶を含む前記特性の外壁基材が挙げられ
る。ここで、トバモライト結晶とは、カルシウムと珪酸
の化学反応でできる珪酸カルシウムの一種であり、セメ
ント使用時の場合には一次硬化後にオートクレーブ養生
すると生成する。これが、外壁材においては強固な成型
物を作るのに有効に役立つものである。そして、主とし
てトバモライトで結合されたセメント硬化物は、緻密で
化学的及び環境変化に安定であり、長期間の使用におい
てもセメント材料の劣化を抑えられると共に低い吸水性
変化特性を持つ。その為、このような材料からなる構造
体は、他のセメント構築物で見られるような大きな吸水
寸法変化を小さくできる利点を有する。さらに、本発明
の好ましい外壁用基材としては、前記トバモライト結晶
を含み、線状や繊維状の補強材で強化された外壁基材を
使用しても良い。ここで使用される補強材は金属やプラ
スチックの線状や繊維状のものや金属繊維、蛇紋岩石綿
(クリソタイルやアンチゴライト等)の天然石綿、ポリ
プロピレン繊維やレーヨン繊維、アラミド繊維等のポリ
マー繊維、パルプ繊維、植物繊維、気相法炭素繊維(VG
CF)やPAN系の炭素繊維、酸化チタン繊維やアルミナ
繊維等の金属酸化物繊維、チタン酸カリウム等に見られ
るウイスカー、金属補強筋(針状)等が挙げられ、繊維
の形状は2次元に延びた繊維状よりも3次元方向にも繊
維構造の方が良い。
【0010】該繊維の外径は、一般的に約10〜約10
0μm、好ましくは約10〜約20μmの範囲である。
外径が約10μm未満の細い繊維の場合は人体の肺機能
等への危険性から使用は好ましくなく、また約100μ
m以上の場合は外壁材への耐久性等に好影響を及ぼさな
い。該繊維の繊維長は、約3mm〜約10mm、好まし
くは約3mm〜約6mmの範囲である。繊維長が約3m
m未満の場合は、外壁材への添加効果が著しく損なわ
れ、約10mm以上の場合は外壁材へ加工性等が損なわ
れて好ましくない。従って、本発明において繊維が使用
される場合には、該繊維物質としては外壁基材の製造で
行われる養生耐性のある一般に公知なものが使われる。
【0011】本発明における第1の実施形態として、前
記外壁基材の外気に接する表面層に光触媒機能を有する
金属酸化物が固定され、その固定化手段として結着剤を
含む光触媒機能層で被覆された光触媒機能性外壁材を提
供する。このような構造体から構成される外壁材は、ト
バモライト結晶を含む構造体であってその凹凸構造の他
に、好ましい形態として繊維を含む外壁基材を使用した
場合は、基材内部まで大気と接する表面微細凹凸構造が
深く広がった外壁表層構造を有している。本発明では、
このような基材表面に金属酸化物が固定され、基板独特
の凹凸微細構造の効果や金属酸化物微粒子の粒子径又は
該粒子が2次的に繋がった2次的構造の寄与により、金
属酸化物微粒子を塗布した後も、元の基材表面の微細構
造の寄与を大きく失うことなく光触媒機能層を形成する
ことができる。この結果、大気中に希釈されて存在する
窒素酸化物や塩素系有害化合物等を酸化チタン粒子表面
に集めることができる。
【0012】基材表面に形成される金属酸化物、特に酸
化チタン層は使用する酸化チタン粒子径や結着剤の濃度
及び被覆方法により表面凹凸構造が異なる。本発明の外
壁材を形成する酸化チタンコーティング材は、一般塗料
などで良く用いられる公知方法、例えばスプレーコート
(吹き付け法)、刷毛塗り法、バーコート法、ディップ
コート法、フローコート法、スピンコート法等を採用す
ることができる。上記方法で外壁基材表面に形成される
光触媒機能層は、光触媒機能の金属酸化物が好ましくは
膜状もしくは島状の被覆表面状態に作製することによっ
て窒素酸化物や塩素系有害化合物等の除去を効果的にす
ることができる。特に、被覆形態は島状の方が好まし
い。
【0013】また、外壁基材表面に塗布する下地材料、
保護層材料は前記塗布方法を同じく採用することができ
る。本発明の第2の実施形態として、この基板表層の凹
凸構造を大きく失うことなく、基板表層に下地層を設け
てなる基板/下地層/光触媒機能層を形成し、前記光触
媒機能を有する外壁材を提供することができる。この下
地層形成により、長期光触媒機能を維持することができ
る。この場合、下地層の形成に使用される材料には、基
材と化学的親和力のある化合物なら何でも良いが、好ま
しくは下記結着剤で使用されるシリカ、酸化鉄、アルミ
ナ、酸化カルシウム、酸化マグネシウム等の酸化物もし
くはこれらの複合酸化物及びジルコニア、硼素が用いら
れる。中でも、シリカが好適に形成される。
【0014】また、第3の実施形態として前記の外壁基
板/光触媒機能層や外壁基板/下地層/光触媒機能層の
構成の他に、該表層に新たな保護層を形成することで大
きな汚れ防止に効果的な、光触媒機能を有する外壁材を
提供することもできる。即ち、一般的には外壁材は長期
間の使用により有機物、煤、泥、細かい砂等が外壁材表
面付着するが、有機物は酸化チタンをはじめとする金属
酸化物の光触媒作用で除去できるが、煤、泥、砂等は酸
化チタン層自体が親水性であるために剥離しにくい。そ
のため、本発明においてはその対策として金属酸化物で
被覆された外壁材の表面に、窒素酸化物や塩素系化合物
等の外気からの出入りに支障がない程度に多孔質シリカ
層によって保護することができる。この保護処理により
無機物の永久的固着を防ぎ、酸化チタン層の光触媒作用
を長期間にわたって持続させることができる。ここでシ
リカ系保護層として使用される前駆化合物には、公知の
前記各種シリコーン類またはシラン類を使用することが
できる。
【0015】このような3つの実施形態を行うことによ
り、表面に到着した窒素酸化物や塩素系有害化合物等を
効率よく、また長期間光触媒分解を維持することが可能
な外壁材を提供することができる。前記実施形態により
作製された光機能性を有する外壁材は、大気に接する表
層の凹凸構造が走査型電子顕微鏡(SEM )で観察した結
果、平均0.01〜1μmの孔径を有する凹凸構造が見
られた。孔径が0.01μm 以下であると酸化チタンに
より孔が塞がれてしまい、ガス吸着能が極端に悪くな
る。一方、孔系が1μm 以上であると、基材のガス吸着
能力が悪く、酸化チタンを坦持させても脱NOxの効果
が上がらない。
【0016】特に、本発明の外壁材は前記トバモライト
結晶を含み繊維で強化された時には、外壁材の表面構造
と接着材の寄与により酸化チタン粒子の剥離・崩落を防
ぎ、光触媒機能を長期間継続させることができる。この
ことにより、外壁表面のカビ等の繁殖を防ぎ汚れにくく
することができる。窒素酸化物や塩素系有害化合物、有
機物付着の汚れ、カビ発生に対する酸化チタンの分解作
用は、大陽光中に含まれる紫外線の作用によって酸化チ
タン粒子表面にホールが誘起され、これが表面の水と作
用してOHラジカルを発生、このOHラジカルが強力な
酸化力を持っているために周囲に位置する窒素酸化物な
どの汚染物質を酸化するものであると云われている。窒
素酸化物は硝酸イオンに、有機物は炭酸ガスや水または
低分子等に酸化され、表面に蓄積、そして雨などで洗い
流され、光触媒機能が復活し、継続的な光触媒機能が維
持されるものである。
【0017】このような光触媒機能を有する光機能性材
料(金属酸化物)としては、TiO2、ZnO 、SnO2、SrTi
O2、H2WO3 、Bi2O3 、Fe2O3 からなる群より選ばれた1
種または複数の化合物を使用することができる。時に、
好ましくは酸化チタンを使用することがよい。酸化チタ
ンの光触媒機能作用は、ルチル、アナターゼ等の結晶系
により大なり小なり異なるが、より効果的なのはアナタ
ーゼ型または特殊な結晶系であるブルーカイト型である
ことがよい。ブルーカイト型は、今までに単体物質その
ものを取り出した例が少なく、その上光半導体(光触
媒)として用いることのできるような高比表面積を持つ
微粒子として得ることは知られていなかった。
【0018】即ち、従来既知の液相法による製造方法
(例えば、舟木 好右衛門、工業化学、第59巻、第1
1号、P.1295)では、四塩化チタン水溶液の高濃
度液の加水分解により、主としてルチル型が、低濃度の
加水分解からアナターゼ型が各々生成するのみであり、
ブルーカイト型の酸化チタンは生成不可能であったこと
が記載されている。また、従来既知の高温による製造法
では、ブルーカイト型の粒子が焼結してしまい、本発明
で使用できる微粒子は生成不可能であった。本発明で使
用できるブルーカイト型の酸化チタンは、この加水分解
条件を制御することで初めて液相法による簡易な方法で
製造することができたものである。
【0019】本発明においては、アナターゼ型やブルー
カイト型を多く含有する酸化チタン粒子を使うことが好
ましい。ブルーカイト型の酸化チタンは、低温で安定な
アナターゼ型と高温で安定なルチル型の中間温度域で生
成する結晶体とされているが、ブルーカイト型結晶を高
温反応で作り分けることはこれまで困難であった。また
高温反応により大量に合成された例は今まで知られてい
ない。本発明者らは、約100℃付近の温度において四
塩化チタンの加水分解についてその温度及び原料濃度を
適正に選択することにより、ブルーカイトを優先的に合
成できることを見出した。さらにこれらの加水分解条件
を制御することによって、アナターゼ型を多く含む酸化
チタンを合成することも可能であることも見出した。
【0020】本発明に使用する結着剤は、外壁材の光触
媒機能の寿命を左右するものであり、酸化チタンの光触
媒機能を妨害しない非有色系の化合物なら何でも良く、
酸化チタンと外壁材との強い付着力または結合を有する
バインダーであればよい。結着剤の好ましい例として
は、シリカ、酸化鉄、アルミナ、酸化カルシウム、酸化
マグネシウム等の酸化物もしくはこれらの複合酸化物及
びジルコニア、硼素が挙げられ、これらの前駆体も好ん
で用いられる。本発明では、中でもシリカやジルコニア
が好適に結着剤として用いられる。
【0021】シリカ層を形成できる化合物としては、シ
リカを形成できる公知な前駆体化合物であれば何でもよ
く、例えばテトラメチルオルソシリケート、テトラエチ
ルオルソシリケート、テトラプロピルオルソシリケー
ト、テトラブチルオルソシリケート等のテトラアルコキ
シシラン類、コロイダルシリカ、水ガラス等が挙げられ
る。一方、ジルコニア層を形成できる化合物としても、
ジルコニア層を産出できる公知な前駆体化合物であれば
何でもよく、一般的に水または有機溶媒に溶解しうるジ
ルコニア化合物が好適に使用される。該前駆体化合物と
して例えば、オキシ塩化ジルコニウム、ヒドロキシ塩化
ジルコニウム、硝酸ジルコニウム、硫酸ジルコニウム、
酢酸ジルコニウム、炭酸ジルコニウムアンモニウム、プ
ロピオン酸ジルコニウム等が使用できる。また、水酸
基、カルボキシル基、アルキルカルボキシル基の少なく
とも1つを有するジルコニウム化合物の錯体、錯塩等、
あるいは市販の高分子ジルコニウム化合物( Magnesium
Elektron Ltd.社製の技術資料、1985年、9月)も
使用できる。結着剤の使用される重量は、金属酸化物粒
子特に酸化チタン重量に対して60重量%以下、好まし
くは0.01〜60重量%、望ましくは0.1〜30重
量%の範囲がよい。
【0022】前述のごとく、本発明において好ましく使
用される外壁基材は、前記トバモライト結晶を含み繊維
で強化された外壁材であるが、これは外壁材の使用目的
上、本発明の外壁材は長期的に雨ざらしになるために、
基材の水分含有率の変化に対応する膨脹収縮の小さい基
材が好ましい理由による。酸化チタンを含む被覆層は、
酸化チタン含有量が高く、乾燥熱処理後水に接触しても
寸法は殆ど変化しない、または従来のコンクリートに比
べると寸法変化は小さいので問題にはならない。一つの
例(気乾状態と飽水状態の差)を下記に示す。
【0023】
【表1】
【0024】一般的に外壁材のような材質(基材)が水
に濡れて吸水したり乾燥したりする環境変化を繰り返す
と、材質の膨脹収縮により基材表面に固着した光触媒層
が剥離する。例えば、膨脹収縮し易いコンクリートの表
面に酸化チタン層を付ける場合は、酸化チタン層の剥離
が発生し易くなり、外装材による光触媒効果が低下して
しまう欠点が生じることが多い。一方、主としてトバモ
ライト結晶を含み繊維で強化された外壁材を基材は、表
1に一例として記載の通り前記膨脹収縮挙動がコンクリ
ートに比べ小さく、基材表面から光触媒層の剥離が発生
しにくい特徴がある。本発明において使用できる前記基
材としては、吸水/乾燥処理による繰り返しの吸水寸法
変化率が0.08%以下、好ましくは0.01〜0.0
8%であることが望ましい。さらにこの特徴は、前記の
とおり本発明で使用する酸化チタンと結着剤を含む光触
媒機能層の接着効果によって強化され、光触媒作用が長
期間にわたって持続されるものである。
【0025】次に、前記シリカ等の下地材及び保護層を
形成する方法について概述する。例えば、シリカ層を形
成する場合には次の方法が本発明において採用できる。
即ち、(1)ケイ酸塩の酸分解反応による方法(例え
ば、オルトケイ酸ナトリウムを水溶液中で硫酸と反応さ
せて分解し、得られた含水ケイ酸を基材表面に沈着さ
せ、乾燥、熱処理を行ってシリカ被膜を得る方法)、
(2)シリカ微粒子混合媒液の塗布乾燥方法(例えば、
ハロゲン化ケイ素の高温気相加水分解法で得られた超微
粒子シリカを水、アルコール等の溶媒中に分散した混合
媒液を作成し、それを基材表面に塗布、乾燥を行ってシ
リカ被膜を得る方法)、(3)シラノールの脱水縮重合
による方法(無定形シリカの前駆体(例えば、テトラエ
トキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラn
−プロポキシシラン、テトラブトキシシラン、テトラメ
トキシシラン等のテトラアルキシキシラン又はそれらの
加水分解物であるシラノール)を基材表面に塗布し、必
要に応じて加水分解させてシラノールを形成した後、さ
らに加熱してシリカ被膜を形成する方法)、(4)ゾル
ゲル法(無定形シリカの前駆体にアルコール、水、酸等
を混合した溶液を作成してシリカゾルを生成し、そのゾ
ル中に基材を浸せきして基材表面にゲルコーティング膜
を形成しさらに膜を加熱処理することでシリカ被膜を形
成する方法)等である。
【0026】次に、光機能性材料(金属酸化物)の製造
方法について説明する。本発明で使用する光機能性材料
は、市販品または特定条件で製造した金属酸化物を自由
に選ぶことができるが、好ましくは以下の製造方法で得
られる酸化チタン微粒子を使用することができる。前記
酸化チタンは、超微粒子酸化チタンを水、もしくは有機
溶媒中に分散させたゾルにして使用する。例えば、四塩
化チタンを原料として、特定の条件での加水分解、すな
わち、加水分解中に反応液中で生成する塩化水素を反応
槽に残留させることで生成ゾル中の酸化チタン粒子径や
結晶性を制御することができるため、適当な条件を選択
して超微粒子の酸化チタンが分散したゾルにして使用す
る。
【0027】加水分解する四塩化チタン水溶液中の四塩
化チタンの濃度は、低過ぎると生産性が悪く、また濃度
が高過ぎると反応が激しくなり、得られる酸化チタンの
粒子が微細になりにくく、かつ分散性も悪くなり適さな
い。従って、加水分解する四塩化チタンの濃度は、約
0.05〜10モル/リットルの範囲、望ましくは、
0.1〜2.0モル/リットルの範囲内に調整する。
【0028】加水分解における温度は、50℃以上、望
ましくは四塩化チタン水溶液の沸点迄の温度範囲が好ま
しい。50℃未満では加水分解反応に長時間を要する。
加水分解は、好ましくは室温から上記の温度まで昇温さ
せ、その温度下で約10分〜約12時間程度保持して行
われる。この保持時間は加水分解の温度が高温側にある
程短くてよい。この加水分解反応により、ブルーカイト
型結晶にアナターゼ型結晶及び/又はルチル型結晶が混
合した酸化チタンが得られる。ブルーカイト型の酸化チ
タンの含有率を高めるには、水を反応槽で予め75〜1
00℃に加熱しておき、これに四塩化チタンを添加し、
75℃〜溶液の沸点の温度範囲で加水分解する方法が適
する。その方法によって生成する全酸化チタンのうちブ
ルーカイト型の酸化チタンは、約60重量%以上の存在
とすることが可能である。
【0029】四塩化チタン水溶液の昇温速度は、早い方
が酸化チタン粒子が細かくなるので、好ましくは0.2
℃/min以上、さらに好ましくは0.5℃/min以
上に制御することとよい。この方法によって、ゾル中の
酸化チタン粒子は平均粒径が0.5μm以下、好ましく
は0.01〜0.1μmの範囲の結晶性のよいものとな
る。加水分解反応で生成する塩素イオンの脱塩素処理は
公知の手段でよく、例えば電気透析法、イオン交換樹脂
法、電気分解法などが可能である。
【0030】
【実施例】以下、実施例によって具体的に説明するが、
本発明は実施例に限定されるものではない。 吸水変化率の測定方法 外壁基材の吸水変化率とは、室温下十分に吸水または乾
燥処理を繰り返し行う試験において、各々の処理を施さ
れた基材の長さから計算される尺度である。例えば、十
分に吸水された状態とは、室温下外壁基材を24時間水
中に浸した状態であり、十分に乾燥された状態とは、1
50℃で24時間乾燥した状態で作ることができる。
【0031】参考例1 ブルーカイト結晶に富むブルー
カイト/ルチル/アナターゼ混合体の酸化チタンの製造 蒸留水954mlを還流冷却器付きの反応槽に入れ、9
5℃に加温後、撹拌速度を約200rpmに保ちながら
四塩化チタン(Ti含有量:16.3%、比重1.5
9、純度99.9%)水溶液46mlを約5ml/mi
nの速度で反応槽に滴下した。この時、反応液の温度が
下がらないように注意した。反応槽中では反応液が滴下
直後から、白濁し始めたがそのままの温度で保持を続
け、滴下終了後さらに昇温し沸点付近(104℃)まで
加熱し、この状態で60分間保持して完全に加水分解反
応を終了した。冷却後、反応で生成し残留している塩素
イオンを電気透析により取り除き、pH=2(塩素イオ
ン600ppm)とした後、生成した酸化チタンを濾取
した。それから、60℃の真空乾燥器内で乾燥し、酸化
チタンを粉末として取り出した。これをX線回折法によ
り同定した結果、酸化チタンはブルーカイト型結晶が9
6.7モル%、ルチル型結晶が0.9モル%、アナター
ゼ型結晶が2.4モル%を含む混合体であった(モル%
の表記は重量%の表記と同じ)。また、透過型電子顕微
鏡でこの微粒子を観察したところ、1次粒子の平均粒子
径は15nmであった。さらにBET法によりこの微粒
子比表面積は100m2 /gであった。
【0032】参考例2 ブルーカイト結晶に富むブルー
カイト/ルチル混合体の酸化チタンの製造 参考例1において、四塩化チタン水溶液の滴下する反応
温度を75℃とした以外は、参考例1と同様にして酸化
チタンを析出させた。この粒子を同様にX線回折装置で
同定したところ、ブルーカイト型酸化チタンを75重量
%、ルチル型を25重量%を含むものであった。また、
透過型電子顕微鏡でこの微粒子を観察したところ、1次
粒子の平均粒子径は10nmであった。さらにBET法
によりこの微粒子比表面積は120m2 /gであった。
【0033】実施例1 外壁基材として、昭和電工建材(株)製の商品名ラムダ
(高強度セメント中空押し出し成型材で、主としてトバ
モライト結晶を含み繊維で強化された外壁材)を10c
m×20cmのサイズ(厚さ20mm)に切り出し、こ
の表面上に、結着剤としてテトラエチルオルソシリケー
ト、Si(OC254 を酸化チタン(昭和タイタニ
ウム(株)製のスーパータイタニアF−6、平均粒子径
約20nm、比表面積100m2 /g、アナターゼ型結
晶が90重量%及びルチル型結晶が10重量%を含む粒
子)に対してシリカ(SiO2 )換算で25重量%を含
む光触媒コーティング液(但し酸化チタン濃度は5重量
%であり、溶媒は75%エタノール水である)をスプレ
ー法で被覆後120℃で乾燥して、光触媒層で被覆され
た外装材を作製した。ここで、作製された光触媒機能を
有する外壁材の構成上の特徴を表2にまとめた。
【0034】実施例2 実施例1で使用したテトラエチルオルソシリケートを酢
酸ジルコニウム(ZrO2 換算で同重量濃度)に代えた
以外は、実施例1と同様、製法、基材及び試薬の使用条
件を同じとして光触媒機能性外壁材を作製した。ここ
で、作製された光触媒機能を有する外壁材の構成上の特
徴を表2にまとめた。
【0035】実施例3 実施例1で使用した酸化チタンを、参考例1記載の方法
で得られた酸化チタン(ブルーカイト含有率が97重量
%)に代えた以外は、実施例1と同様、製法、基材及び
試薬の使用条件を同じとして光触媒機能性外壁材を作製
した。ここで、作製された光触媒機能を有する外壁材の
構成上の特徴を表2にまとめた。
【0036】実施例4 実施例1で使用したテトラエチルオルソシリケートを酢
酸ジルコニウム(ZrO2 換算で同重量濃度)に代え、
さらに酸化チタンを参考例2記載の方法で得られた酸化
チタン(ブルーカイト含有率が75重量%)に代えた以
外は、実施例1と同様、製法、基材及び試薬の使用条件
を同じとして光触媒機能性外壁材を作製した。ここで、
作製された光触媒機能を有する外壁材の構成上の特徴を
表2にまとめた。
【0037】実施例5 外壁基材として、昭和電工建材(株)製の商品名ラムダ
(実施例1記載の外壁材と同じ)を10cm×20cm
のサイズ(厚さ20mm)に切り出し、この表面上に下
地材の住友精化(株)製浸透性吸水防止材アクアシール
200S(シラン系オリゴマー)をスプレー法にて被覆
厚さ1mm 、約0. 8kg/m2 相当(ガラス基板上に
よる比較実験で確認した)になるよう吹き付けて自然乾
燥した。次に、結着剤のテトラエチルオルソシリケー
ト、Si(OC254 を酸化チタン(参考例1で製
造されたブルーカイト含有率97重量%のもの)に対し
て25重量%を含む光触媒コーティング液(酸化チタン
濃度は5重量%で溶媒は75%エタノール水である)を
スプレー法にて前記表面上に吹き付け、光触媒機能を有
する外壁材を作製した。得られた外壁の構成上の特徴を
表2にまとめた。
【0038】実施例6 外壁基材として、昭和電工建材(株)製の商品名ラムダ
(実施例1記載の外壁材と同じ)を10cm×20cm
のサイズ(厚さ20mm)に切り出し、この表面上に結
着剤のテトラエチルオルソシリケート、Si(OC2
54 を酸化チタン(参考例1で製造されたブルーカイ
ト含有率97重量%のもの)に対して25重量%を含む
光触媒コーティング液(酸化チタン濃度は5重量%で溶
媒は75%エタノール水である)をスプレー法で吹き付
け自然乾燥した。次に、保護層としてこの上に住友精化
(株)製浸透性吸水防止材アクアシール200Sをスプ
レー法で吹き付け自然乾燥して、光触媒機能を有する外
壁材を作製した。得られた外壁の構成上の特徴を表2に
まとめた。
【0039】実施例7 外壁基材として、昭和電工建材(株)製の商品名ラムダ
(実施例1記載の外壁材と同じ)を10cm×20cm
のサイズ(厚さ20mm)に切り出し、この表面上に下
地材の住友精化(株)製浸透性吸水防止材アクアシール
200Sをスプレー法にて被覆厚さ1mm 、約0. 8
kg/m2 相当(ガラス基板上による比較実験で確認し
た)になるよう吹き付け、自然乾燥した。次に、結着剤
のテトラエチルオルソシリケート、Si(OC25
4 を酸化チタン(参考例1で製造されたブルーカイト含
有率97重量%のもの)に対して25重量%を含む光触
媒コーティング液(酸化チタン濃度は5重量%であり、
溶媒は75%エタノール水である)をスプレー法にて吹
き付け、光触媒機能層を設けた。この上に保護層とし
て、住友精化(株)製浸透性吸水防止材アクアシール2
00Sをスプレー法で吹き付け、自然乾燥して光触媒機
能を有する外壁材を作製した。得られた外壁の構成上の
特徴を表2にまとめた。
【0040】比較例1 外壁基材として、モルタル硬化物(吸水変化率0.02
5〜0.05%)の市販品から10cm×20cmのサ
イズ(厚さ20mm)に切り出し、そのまま比較用外壁
材とした。外壁材の構成上の特徴を表2にまとめた。
【0041】比較例2 外壁基材として、昭和電工建材(株)製の商品名ラムダ
(実施例1記載の外壁材と同じ)を10cm×20cm
のサイズ(厚さ20mm)に切り出し、その表面上に、
酸化チタン(参考例1で製造されたブルーカイト含有率
が97重量%含むもの)を5重量%含む光触媒コーティ
ング液(75%エタノール水)をスプレー法で吹き付
け、自然乾燥して光触媒層で被覆された外装材を作製し
た。ここで、作製された光触媒機能を有する外壁材の構
成上の特徴を表2にまとめた。
【0042】比較例3 外壁基材として、昭和電工建材(株)製の商品名ラムダ
(高強度セメント中空押し出し成型材で、主としてトバ
モライト結晶を含み繊維で強化された外壁材)を10c
m×20cmのサイズ(厚さ20mm)に切り出し、こ
の表面上に結着剤のテトラエチルオルソシリケート、S
i(OC254 を酸化チタン(昭和タイタニウム
(株)製のスーパータイタニアG−1、平均粒径約25
0nm、比表面積7.5m2 /g、結晶系はルチル型が
95重量%、アナターゼ型が5重量%を含むもの)に対
して25重量%を含む光触媒コーティング液(酸化チタ
ン濃度は5重量%で溶媒は75%エタノール水)をスプ
レー法で被覆後、120℃で乾燥して光触媒層で被覆さ
れた外装材を作製した。ここで、作製された光触媒機能
を有する外壁材の構成上の特徴を表2にまとめた。
【0043】比較例4 実施例1で使用した酸化チタンを、ルチル型70重量
%、アナターゼ型30重量%を含む酸化チタン(昭和タ
イタニウム製のスーパータイタニアF−1、平均粒径約
90nm、比表面積25.5m2 /g)に代えた以外
は、実施例1と同様、製法、基材及び試薬の使用条件を
同じとして光触媒機能性外壁材を作製した。ここで作製
された光触媒機能を有する外壁材の構成上の特徴を表2
にまとめた。
【0044】
【表2】
【0045】光触媒機能の初期評価 上面のみが石英ガラスで構成された塩化ビニル製容器
(内寸:高さ30mm、幅105mm、長さ300m
m)を準備し、その中に前記実施例で作製した外壁の試
験片を入れた。そして、側面の一方から0.5ppmの
窒素酸化物を含有する空気を2リットル/mm(サンプ
ル表面での線速度1.7m/minに相当)の条件下で
導入し、入り口と出口での窒素酸化物濃度の変化を測定
した。測定中は光励起用の10wブラックライトを石英
ガラス直上に点灯して光触媒機能を促進した。窒素酸化
物濃度は経時的にガスクロで測定し、数値が安定したと
ころの数値比で初期除去率を求めた。結果を表3中にま
とめた。
【0046】光触媒機能に及ぼす吸水負荷の影響(耐久
性試験) 十分大きいサイズの容器に張った水道水に前記試験片サ
ンプルを10分間浸漬し十分水を吸わせた後、25℃湿
度60%の流通空気の場所に1日置く作業を繰り返し
た。500回及び1000回の所定回数を繰り返した
後、前記光触媒性能の評価試験を同様行い、窒素酸化物
の除去率を測定した。結果を表3中にまとめた。
【0047】
【表3】
【0048】汚れ付着試験 車及び人通りの多い道路横で高さ10cmの所に試験片
サンプルを数点同一条件下で放置し、3ヶ月後に外観を
目視検査した。
【0049】
【表4】
【0050】光触媒機能の初期評価 前記窒素酸化物除去性能試験では、吸水負荷試験による
膨脹収縮の繰り返しにより少しずつ外壁基材に固定され
た酸化チタンが剥離するために劣化が見られた(表3参
照)。ブルーカイト型酸化チタン粒子を用いた場合は、
窒素酸化物の初期除去性能が特に好ましかった。また、
下地層を入れると酸化チタン粒子が基材面から剥離しに
くかった。さらに保護層を入れると初期の窒素酸化物除
去率は下がるものの劣化は少なかった。酸化チタンだけ
の使用では、泥の付着防止力は弱く、保護層を導入する
ことが有効であることが分かった。
【0051】光触媒機能を有する外壁表面のSEM観察 前記実施例で作製された光機能性を有する外壁材につい
て、大気に接する表層の凹凸構造を走査型電子顕微鏡
(SEM )で観察した結果、平均0.01〜1μmの孔径
を有する微細凹凸構造が見られた。また、上記方法で形
成された光触媒機能層は、光触媒機能の酸化チタンが結
着剤を介して膜状及び島状の被覆表面状態を示し、特に
光触媒機能に優れたブルーカイトに富む酸化チタンを使
用した塗膜の場合には、その被覆表面状態は島状であっ
た。
【0052】発明の効果 本発明によれば、光触媒機能を長期間持続させるために
は、外壁基材として大気暴露時の吸水寸法変化率が0.
08%以下で小さく、安定している基材を使うことの大
切さである。さらには、該基材としてトバモライト結晶
を含み繊維で強化された外壁基材が好ましく、押出成形
可能な材料は産業上特に望ましい。また、本発明では金
属酸化物の中でもアナターゼ型またはブルーカイト型の
酸化チタンが光触媒機能を発現する化合物として効果的
である。特にブルーカイト型結晶に富む酸化チタンを使
用するのがよい。これらの金属酸化物を好ましく外壁基
材に固定化する手段として、結着剤、下地材、保護層材
料を必要に応じて使用することが効果的である。
【0053】
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例に係る光触媒機能性外壁材の斜視図の
概略図(一例)。
【図2】本実施例に係る光触媒機能性外壁材(一例)の
表面層拡大断面図。 1 外壁材本体 2 中空部分 3 外壁材の外表面 4 下地材及び光触媒機能層が存在しない外壁基材断面 5 下地材及び光触媒機能層が存在する外壁基材断面 6 基材外側面の光触媒機能層 7 光触媒機能層外表の保護層 8 外壁基材の断面 9 外壁基材の外表面
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C04B 41/71 B01D 53/36 ZABJ E04B 1/62 102D (72)発明者 田村 克俊 千葉県千葉市緑区大野台1丁目1番1号 昭和電工株式会社総合研究所内 Fターム(参考) 2E001 DH21 DH23 FA04 GA12 4G028 CA01 CB08 FA03

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 室温における吸水寸法変化率が0.08
    %以下の窯業系外壁基材において、その外側面を光触媒
    機能を有する金属酸化物と結着剤を含む光触媒機能層で
    被覆したことを特徴とする光触媒機能性外壁材。
  2. 【請求項2】 上記外壁基材がトバモライト結晶を含
    み、線状及び/または繊維状の補強材で強化された請求
    項1記載の光触媒機能性外壁材。
  3. 【請求項3】 上記外壁基材が押出成形材である請求項
    1または2記載の光触媒機能性外壁材。
  4. 【請求項4】 上記光触媒機能層の外表にシリカの保護
    層を設けた請求項1乃至3の何れか1項に記載の光触媒
    機能性外壁材。
  5. 【請求項5】 上記光触媒機能層の内側に下地層を設け
    た請求項1乃至4の何れか1項に記載の光触媒機能性外
    壁材。
  6. 【請求項6】 上記下地層がシリカ、ジルコニア、酸化
    鉄、アルミナ、酸化カルシウム、酸化マグネシウム及び
    硼素からなる群より選ばれた少なくとも1種の化合物か
    らなる請求項5に記載の光触媒機能性外壁材。
  7. 【請求項7】 上記結着剤が上記光触媒機能を有する金
    属酸化物に対して60重量%以下であり、かつ、シリ
    カ、ジルコニア、酸化鉄、アルミナ、酸化カルシウム、
    酸化マグネシウム及び硼素からなる群より選ばれた少な
    くとも1種の化合物からなる請求項1乃至6の何れか1
    項に記載の光触媒機能性外壁材。
  8. 【請求項8】 上記光触媒機能を有する金属酸化物が酸
    化チタンである請求項1乃至7の何れか1項に記載の光
    触媒機能性外壁材。
  9. 【請求項9】 上記酸化チタンの60モル%以上がアナ
    ターゼ構造である請求項8に記載の光触媒機能性外壁
    材。
  10. 【請求項10】 上記酸化チタンの60モル%以上がブ
    ルーカイト構造である請求項8に記載の光触媒機能性外
    壁材。
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