JP2000128511A - 窒化ケイ素粉末及びこれを用いたスラリー、充填材 - Google Patents

窒化ケイ素粉末及びこれを用いたスラリー、充填材

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JP2000128511A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】ロジン・ランムラー線図上において、篩下10
%点と50%点を結ぶ直線の頻度因子n1が1.1〜
1.9であり、かつ篩下50%点と90%点を結ぶ直線
の頻度因子n2が0.2〜1.1であり、かつn2がn
1の0.7以下である粒度構成をもつ窒化ケイ素粉。ま
た平均粒子径が0.5〜1.5μmであり、かつ0.4
μm以下の粒子の割合が10〜40重量%であり、かつ
5μm以上の粒子の割合が1〜30重量%である粒度構
成をもつ上記の窒化ケイ素粉末。更に、窒化ケイ素粉末
とエタノールを1/0.85の重量比で5分間攪拌混合
し、B形粘度計を用いて、温度23℃、ローターNo.
4使用時に回転数20rpmで30秒後に測定したスラ
リー粘度が100〜1,000Pa・sであることを特
徴とする窒化ケイ素粉末。これらを用いたスラリー、及
び充填材。 【効果】成形性、スラリー粘度に優れ、高密度の焼結体
で、高強度の焼結体を得ることができる。また樹脂充填
材として用いたとき高充填が可能であり、熱伝導性に優
れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、スラリー粘度が低く成
形性に優れ、かつ高強度の焼結体を得ることができる窒
化ケイ素粉末、及びこれを用いたスラリー及び充填材に
関する。
【0002】
【従来の技術】窒化ケイ素の焼成においては、窒化ケイ
素粉末にAl2O3やY2O3に代表されるような焼結
助剤等を添加し、有機溶媒や水等によりスラリー化し、
乾燥、成形、焼成を経て窒化ケイ素焼結体を得る。この
場合、スラリー濃度およびスラリー粘度が重要で、一般
にスラリー濃度が高く、かつスラリー粘度が低いほど成
形性や成形密度向上に有利で、焼結体の密度が高くなり
高強度を示す。
【0003】そのために、特開平7−267614で
は、スラリーのPHを調整する方法が、また特開平8−
2970では特定の解膠剤を添加する方法が提案されて
いる。しかし、それだけでは高濃度かつ低粘度のスラリ
ー作製には不十分であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】窒化ケイ素粉末を液中
に分散させたとき、スラリーの固形分濃度を高くする
と、スラリーが高粘度化し成形性に劣るという問題があ
った。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、種々の粒
度構成を持つ窒化ケイ素粉を用いてスラリーを作製し、
その固形分濃度と粘性の関係を調べた。その結果ある特
定の粒度構成を取ることにより、高濃度で低粘度のスラ
リーを得ることができ、成形が容易であり、該スラリー
を用いた焼結体は高強度であり、本発明を完成するに到
った。すなわち、本発明はロジン・ランムラー線上にお
いて、篩下10%点と50%点を結ぶ直線の頻度因子n
1が1.1〜1.9であり、かつ篩下50%点と90%
点を結ぶ直線の頻度因子n2が0.2〜1.1であり、
かつn2がn1の0.7倍以下である粒度構成をもつこ
とを特徴とする窒化ケイ素粉末である。 また、平均粒
子径が0.5〜1.5μmであり、かつ0.4μm以下
の粒子の割合が10〜40重量%であり、かつ5μm以
上の粒子の割合が1〜30重量%である粒度構成をもつ
前記の窒化ケイ素粉末である。
【0006】さらに、窒化ケイ素粉末とエタノールを1
/0.85の重量比で5分間攪拌混合し、B形粘度計を
用いて、温度23℃、ローターNo.4使用時に回転数
20rpmで30秒後に測定したスラリー粘度が100
〜1,000Pa・sであること窒化ケイ素粉末であ
り、固形成分が、上記の窒化ケイ素粉末を主成分とする
スラリーである。また上記窒化ケイ素粉末を主成分とす
る充填材である。
【0007】
【発明の実施形態】以下、更に詳しく本発明について説
明する。
【0008】窒化ケイ素の焼結体を得る上で、単に焼結
性が優れるだけでなく、成形性に優れた窒化ケイ素粉末
が要求されている。本発明者らはこのような焼結性/成
形性のバランスの良い粉を検討した結果、ある特定の粒
度分布を示す粉体が、この焼結性/成形性のバランスに
優れ、スラリー化した時に高充填で低粘度を示すことを
見いだした。
【0009】またこのような粒度特性を示す粉末はプラ
スチック、金属等の充填材として用いる時にも高充填可
能であり、複合材の剛性の賦与、高熱伝導化に有利であ
ることを見いだし本発明を完成するに到った。
【0010】本発明に用いる窒化ケイ素粉末の製造方法
は、金属シリコン粉末を窒素ガス等で窒化する金属シリ
コン直接窒化法、シリカ粉末を窒素ガスと炭素で還元窒
化するシリカ還元窒化法、四塩化ケイ素とアンモニアを
反応させるハロゲン化ケイ素法等の何れの方法で得られ
た粉末を単独で又は混合して用いることができる。金属
シリコン法は、比較的安価であり、各種粒度を作り分け
ることができるので特に好ましく本発明の実施に有利で
ある。
【0011】窒化ケイ素粉の粒子形状は粒状又は球状が
好ましく、針状又は柱状の形状の粒子は可能な限り少な
い方が好ましい。
【0012】又窒化ケイ素粉のα率は、焼結用に用いる
ときは、焼結性に優れ、高温強度が得られることより6
0%以上が望ましく、80%以上が好ましく、90%以
上とするとさら好ましい結果が得られる。
【0013】また高熱伝導を期待して、樹脂或いは金属
の充填用として用いる時には、α率が低いほど良い結果
が得られる、すなわち30%以下が好ましく、10%以
下が更に好ましい。
【0014】本発明に於いて粒度分布は特に重要で、こ
の粒度分布をロジン・ランムラー線図上で表現したと
き、篩下10%点と50%点を結ぶ直線の頻度因子n1
が1.1〜1.9の範囲が必要である。1.9より大き
いと焼結性が阻害され、1.1より低いと、充填性が低
く、スラリー化したときの粘度が上昇し好ましくない。
好ましくは1.3〜1.7であり、更に好ましくは1.
4〜1.6である。
【0015】又、篩下50%点と90%点を結ぶ直線の
頻度因子n2が0.2〜1.1であることが必要であ
り、1.1より大きいと、焼結性が阻害され、0.2よ
り低いと充填性が低下する、すなわち成形性が低下す
る。好ましくは0.4〜0.9であり、かつ頻度因子n
2がn1の0.7倍以下とすることが必要であり、好ま
しくは0.2〜0.6倍、更に好ましくは0.3〜0.
5倍である。
【0016】さらに平均粒子径は0.5〜1.5μmで
あり、1.5μmより大きいと、焼結が阻害され、収縮
が不足し、0.4μmより小さいと充填性が低く焼結時
の収縮率が大きくなり、焼結歪みが大きくなる。何れの
場合も焼結体の強度は低下する傾向にある。また0.4
μm以下の粒子の割合が10〜40重量%であり、かつ
5μm以上の粒子の割合が30重量%以下であることが
必要となる。好ましくは、15以下、更に好ましくは1
0以下である。0.4μmの粒子が10%より少なく、
また5μm以上粒子が30%以上では焼結性は低下し、
緻密化が不足する。
【0017】尚本発明に於いて、粒径測定方法はレーザ
ー法によって測定された値である。
【0018】頻度因子n1およびn2とは、ロジン・ラ
ンムラー線上で、篩下10%点、50%点および90%
点の粒子径を各々D10、D50およびD90μmとすると、
次式によって求めた値である。
【0019】
【数1】 又本発明は上記構成の窒化ケイ素粉末とすることによ
り、焼結性/成形性のバランスに優れた窒化ケイ素のス
ラリー特性を指標とした窒化ケイ素粉末である。すなわ
ち、窒化ケイ素粉末とエタノールを1/0.85の重量
比で5分間攪拌混合し、B形粘度計(株式会社東京計器
製)を用いて、温度23℃、ローターNo.4使用時に
回転数20rpmで30秒後に測定したスラリー粘度が
100〜1,000Pa・sであることを特徴とする窒
化ケイ素粉末である。好ましくは150〜700Pa・
s、更に好ましくは180〜50Pa・sである。粘度
が1,000Pa・s以上を示す窒化ケイ素粉は、成形
性に劣り、このような粉末を用いた場合、成型時に高圧
を必要とし、成形歪みが残存する、あるいは低嵩比重の
成形体しか得られない、何れの場合も焼結時に変形しや
すく、焼結歩留まりが低くなり好ましくない。また、粘
度が100Pa・sより低いスラリー特性を示す窒化ケ
イ素粉は、40μm以上の粗粉を5%以上含むことが多
くこのような粉末は焼結体中にボイド或いは粗大結晶を
生成させる原因となるので好ましくない。
【0020】更に本発明は固形成分が請求項1、2また
は3記載の窒化ケイ素粉末を主成分とするスラリーであ
り、このようなスラリーはテープ成形、スリップキャス
ト成形或いは高圧鋳込み法に好適であり、高嵩比重の成
形体が無理な加圧を必要とせず得ることができ、その結
果焼結収縮率が小さく焼結時の変形も少なく、高強度の
焼結体を得ることができる。
【0021】上記に示す本発明の窒化ケイ素粉は充填材
用に、特に樹脂充填材として用いるときに高充填が可能
でありβ型窒化ケイ素である場合、樹脂複合材に高い熱
伝導率、高耐摩耗性を賦与することができる。半導体封
止剤、及び機器部品に好適である。
【0022】次いで、本発明の窒化ケイ素粉末の製造方
法について、金属シリコン窒化法を主体として述べる
が、本発明は下記以外の製造方法を許容するものであ
る。
【0023】本発明で使用される金属シリコン粉末は、
平均粒子径5〜20μmで、特に5〜15μmであること
が好ましく、微細な窒化ケイ素粒子を形成しやすい。平
均粒子径が20μmより大きくなると、粗大な1次・2
次粒子や柱状粒子を形成しやすく、成形性および強度の
面で不利である。逆に5μmより小さいと微細な金属シ
リコン粉末が増加し、微細なウィスカーや1次粒子を生
成し、粉砕して得られた窒化ケイ素粉末の微粉量が多く
なることにより頻度因子n1が大きくなり、緩め嵩密度
およびスラリー粘度の面で不利となる。
【0024】また、金属シリコン粉末が窒化する際、窒
化した窒化ケイ素粒子同士の焼結を防ぐために、骨材と
して窒化ケイ素粉末を添加する。骨材となる窒化ケイ素
粉末は、低酸素、高比表面積、高純度であることが好ま
しく、添加量は金属シリコン粉末100重量部に対して
30〜50重量部が好ましい。骨材の添加量が30重量
部より少ないと、窒化ケイ素粒子同士の焼結が起こりや
すくなり、粉砕性の悪い粗大な2次粒子(塊状粒子)を
形成し粉砕時の頻度因子n2が小さくなり強度低下を招
く。また50重量部より多いと微細な粒子を形成する
が、頻度因子n1が大きくなり緩め嵩密度が低下し、ス
ラリー粘度が高くなる。
【0025】金属シリコン粉末と骨材との混合方法は、
両者を別々に粉砕してから混合してもよく、また粉砕と
混合を同時に行うこともできる。いずれの場合において
も、粉砕・混合時の不純物の混入、特にメディアの摩耗
による不純物の混入と金属シリコンの酸化には充分留意
すべきであり、特に高純度を必要とする場合には、窒化
ケイ素製のメディアを使用し、非酸化性雰囲気下で粉砕
・混合を行うことが好ましい。
【0026】更に、本発明においては、金属シリコン粉
末が気相反応により円滑に窒化反応をするのに必要な反
応空間を確保するために、金属シリコン粉末と骨材窒化
ケイ素粉末の集合体は、その緩め嵩密度を1.2g/c
m3以下(気孔率で55%以上)好ましくは1.0g/
cm3(気孔率で60%以上)の集合体として、反応炉
に充填する必要がある。これ以外の集合体では、気−固
反応が主体となるため、反応が大きな発熱を伴い暴走的
に進みやすくなり、金属シリコン粉末原料が溶融した
り、生成した窒化ケイ素粉末同士が焼結したりして、不
純物の多い、粉砕性のよくない、大きな塊状の窒化ケイ
素インゴットが生成する。
【0027】従って、金属シリコン粉末と骨材窒化ケイ
素粉末の集合体は、窒化ケイ素または炭化ケイ素を主成
分とする焼結体容器に自然充填(成形なし)することが
好ましい。
【0028】金属シリコンと窒素ガスとの反応は、主に
気−固反応によって進むものと考えられている。この反
応は、1150〜1450℃の温度範囲で行われる固体
の不均一反応であり、大きな発熱を伴うため反応を厳密
に制御することが困難である。そこで、通常はあまり急
激に反応させないよう長時間をかけて反応を行わせる。
【0029】反応制御がうまくいかないと、窒化ケイ素
の粗大な1次粒子や2次粒子を形成することで粉砕性が
悪くなり、また、粗大な柱状粒子を形成するため粉砕後
に得られた窒化ケイ素粉末の緩め嵩密度が0.6g/c
m3未満と低くなるため、スラリー粘度が1,000P
a・sより大きくなるため、本発明の目的である窒化ケ
イ素粉末を得ることができない。本発明では、金属シリ
コン粉末の粒度と骨材窒化ケイ素粉末の添加および窒化
反応時の反応速度を調整することで、気相反応を促進さ
せ、微細な構造をもつ窒化ケイ素インゴットを製造する
ことが特徴である。
【0030】窒化雰囲気の窒化反応ガスの例としては、
窒素および/またはアンモニアがある。窒化反応ガスは
反応制御のため不活性ガスや水素ガス等と併用すること
もできる。特に好ましいガス組成は、窒素−水素−アル
ゴン系であり、窒化率1〜80%の範囲においては、水
素とアルゴンガスの合計が15〜85容積%であること
が好ましい。
【0031】窒化(昇温)に際しては、温度1100〜
1450℃特に1150〜1350℃の範囲における窒
化率が80%以上となる用に制御することが好ましい。
窒化時間については、窒化反応が開始してから窒化率3
0%程度になるまでに20時間以上かけることが好まし
く、完全窒化するまでの最大反応速度を3%/hr以下
特に2%/hr以下にしてゆっくりと窒化させることが
好ましい。これ以上の反応速度になると、粗大な粒子や
柱状粒子を形成しやすくなる。
【0032】窒化反応終了後、窒素ガスを流しながら室
温まで冷却し、生成したインゴットを取り出す。インゴ
ットは、ジョークラッシャーやロールクラッシャーなど
により粗粉砕される。粗粉砕された窒化ケイ素粉末は1
次粒子および2次粒子の集合体は粗大な粒子が多いた
め、頻度因子n2が0.4未満と小さくなる。その結
果、緩め嵩密度が0.6g/cm3未満と低くなり、焼
結体の密度が低く強度低下を招く。
【0033】本発明の窒化ケイ素粉末は、このような窒
化ケイ素粉末を更に微粉砕すること、または微粉砕され
た粉末を分級し得られた微粉末および粗粉末の割合を調
整すること、更に分級で得られた粗粉末を再粉砕して微
粉末と粒度配合することで得ることができる。微粉砕機
の様式については、大まかに乾式粉砕と湿式粉砕とに分
けられるが、湿式粉砕では、窒化ケイ素粉末の過粉砕が
進みやすく、その結果、2次粒子がほぼ1次粒子になる
まで粉砕され、粉砕物の頻度因子n1が1.3未満と小
さくなり、その結果、緩め嵩密度が小さくスラリー粘度
が増加する。そのため、湿式粉砕機では、本発明が目的
とする窒化ケイ素粉末を得ることができない。しかも、
粉砕後の乾燥や粉砕メディアとして鉄系ボール等を使用
した場合、脱鉄や酸処理が必要となるため、コスト面で
不利である。
【0034】したがって、本発明の窒化ケイ素粉末を得
るためには、乾式のボールミル、振動ミルまたは攪拌粉
砕機等の媒体式粉砕機や、ジェットミル等の衝撃式粉砕
機で粉砕することが必要となる。また、微粉砕後の粉末
を乾式の気流分級機にて分級し、微粉末と粗粉末を得た
後、粒度調整を行うことや、粗粉末のみを再度微粉砕し
て微粉末と粒度配合を行うことが必要となる。微粉砕の
際には、粉砕メディアについても摩耗による不純物の混
入に留意すべきであり、高純度を目的とする場合には窒
化ケイ素製のボール等を使用する。
【0035】
【実施例】実施例1〜3 市販の高純度金属シリコン粉末(粒径200〜2000
μm程度)を窒化ケイ素製ボールを用いた振動ミルによ
り粉砕し、平均粒子径を10〜15μmとした。得られ
た金属シリコン粉末100重量部に骨材(電気化学工業
株式会社社製窒化ケイ素粉末:商品名「SN−9F
W」)40〜50重量部を加え振動ミルで粉砕・混合
し、窒化ケイ素または炭化ケイ素を主成分とする焼結体
容器に嵩密度が1.1〜1.2g/cm3となるように
自然充填し、バッチ式の反応炉に充填した。
【0036】炉内の酸素濃度が500ppm以下になる
ように窒素ガス置換した後、アルゴンガスと水素ガスを
加えて昇温を開始し、1100〜1450℃にて窒化反
応が開始してから窒化率が30%に達するまでに30時
間かけ、最大反応速度を2.5%/hr以下にして窒化
反応を行った。その際、水素およびアルゴンガスの合計
は20〜80容積%で推移させた。
【0037】このようにして得られた窒化ケイ素インゴ
ットをジョークラッシャーおよびロールクラッシャーに
より粗砕した。粗砕した窒化ケイ素粉末は、α化率90
%以上、酸素量1.2%、未反応Si量0.2%以下、
緩め嵩密度0.4〜0.5g/cm3であった。
【0038】粗砕した窒化ケイ素粉末を窒化ケイ素製ボ
ールを粉砕メディアとした乾式のボールミル(2Lポリ
エチポット)を用いて、窒化ケイ素量200g、粉砕ボ
ール径20mmφ、ボール充填量60容積%、粉砕時間
8hrの条件で微粉砕を行った。
【0039】また、微粉砕を行った粉末を乾式の気流分
級機にて分級したところ、得られた微粉末は、酸素量
1.5%、比表面積11m2/gであり、分級収率は50
%であった。次に、分級で得られた粗粉末75重量部に
対して、微粉末を25重量部添加して乾式混合した。次
に、分級で得られた粗粉を窒化ケイ素製ボールを粉砕メ
ディアとした乾式のボールミル(2Lポリエチポット)
を用いて、窒化ケイ素量200g、粉砕ボール径20m
mφ、ボール充填量60容積%、粉砕時間4hrの条件
で微粉砕を行ったのち、先に得られた微粉末と乾式混合
した。
【0040】比較例1〜4 比較例として、微粉砕に湿式アトライターミルを使用し
たものを比較例1、骨材窒化ケイ素粉末の添加量を金属
シリコン粉末100重量部に対して60重量部としたも
のを比較例2、実施例においてボールミルによる粉砕時
間を4hrとしたものを比較例3とした。
【0041】次に、得られた窒化ケイ素粉末の緩め嵩密
度を測定した。緩め嵩密度の測定は、メスシリンダーに
窒化ケイ素粉末を入れ、タッピングすることなく嵩体積
を計ることで行った。
【0042】窒化ケイ素粉末の粒度分布は、レーザー散
乱式粒度測定計(LEDSandNORTHRUP社製マ
イクロトラックSPA7997型)により測定し求め
た。
【0043】また、スラリー粘度は、500mlビーカ
ーに窒化ケイ素粉末とエタノールを1/0.85の重量
比で5分間混合し、B形粘度計を用いて、温度23℃、
ローターNo.4使用時に回転数20rpmで30秒後
に測定した。
【0044】焼結体の密度および強度は、窒化ケイ素粉
末90重量部、Al2O3粉末3重量部、Y2O3粉末
5重量部及び有機バインダー15重量%を加え湿式混合
した後、吸引濾過・乾燥・解砕し、金型プレス成形後
2.0トン/cm2の圧力でCIP成形してから、温度
1800℃で6時間焼成して窒化ケイ素焼結体を製造
し、アルキメデス法にて焼結体の密度を測定し理論密度
に対する相対密度を算出した後、JIS R1601に
準拠して室温における4点曲げ強度を測定した。
【0045】
【表1】
【0046】
【発明の効果】本発明の窒化ケイ素粉末を用いれば、成
形性、スラリー粘度に優れ、高密度の焼結体で、高強度
の焼結体を得ることができる。また樹脂充填材として用
いたとき高充填が可能である。
フロントページの続き Fターム(参考) 4G001 BA32 BA62 BA67 BA73 BB32 BC01 BC13 BC45 BC52 BC54 BD36 BE31

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ロジン・ランムラー線図上において、篩下
    10%点と50%点を結ぶ直線の頻度因子n1が1.1
    〜1.9であり、かつ篩下50%点と90%点を結ぶ直
    線の頻度因子n2が0.2〜1.1であり、かつn2が
    n1の0.7倍以下である粒度構成をもつことを特徴と
    する窒化ケイ素粉末。
  2. 【請求項2】平均粒子径が0.5〜1.5μmであり、
    かつ0.4μm以下の粒子の割合が10〜40重量%で
    あり、かつ5μm以上の粒子の割合が1〜30重量%で
    ある粒度構成をもつことを特徴とする請求項1記載の窒
    化ケイ素粉末。
  3. 【請求項3】窒化ケイ素粉末とエタノールを1/0.8
    5の重量比で5分間攪拌混合し、B形粘度計を用いて、
    温度23℃、ローターNo.4使用時に回転数20rp
    mで30秒後に測定したスラリー粘度が100〜1,0
    00Pa・sであることを特徴とする窒化ケイ素粉末。
  4. 【請求項4】固形成分が、請求項1、2または3記載の
    窒化ケイ素粉末を主成分とするスラリー。
  5. 【請求項5】請求項1、2または3記載の窒化ケイ素粉
    末を主成分とする充填材。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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