JP3342756B2 - 窒化ケイ素粉末及びその製造方法 - Google Patents
窒化ケイ素粉末及びその製造方法Info
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Description
ックス材料の原料として注目されている窒化ケイ素粉末
及びその製造方法に関するものである。
の観点から、ターボロータ、バルブ、スワールチャンバ
ーなど自動車のエンジン部品や各種産業用機械部品とし
て窒化ケイ素焼結体が検討されているが、これらは過酷
な条件での使用となるので窒化ケイ素粉末に求められる
条件も以下のように厳しくなっている。 (1)α相が主体であること。(2)サブミクロンの微
粒子からなること。 (3)高純度であること。 (4)安価であること。
に種々の方法が提案されており、それを大別すると以下
の4法となる。 (a)金属シリコンを窒素やアンモニア等の反応ガスを
用いて窒化する直接窒化法。 (b)シリカを炭素等の還元剤と反応ガスを用いて窒化
する還元窒化法。 (c)四塩化ケイ素から生成するシリコンジイミドを熱
分解するイミド熱分解法。 (d)レーザーやプラズマ等の加熱によってモノシラン
や四塩化ケイ素等のガスとアンモニア等のガスとを反応
させる気相法。
法は直接窒化法である。直接窒化法においては、生成し
たインゴットを粉砕して窒化ケイ素粉末とするため、そ
の粉末特性はインゴットの影響を強く受ける。インゴッ
トとは、金属シリコン粉末から合成された窒化ケイ素粒
子の集合体である。主原料の金属シリコン粉末は、通
常、取扱い性向上のために成形体とするか又は粉末のま
ま窒化炉に充填されるが、金属シリコンの窒化反応は大
きな発熱反応であるので生成した窒化ケイ素粒子は、比
較的強固な集合体すなわちインゴットとなる。
があるが、それらには一長一短がある。湿式粉砕では、
粉砕物の精製・濾過・乾燥・解砕等の後工程が必要とな
り、しかも窒化ケイ素のような硬い被粉砕物を長時間粉
砕することになるので粉砕メディアの摩耗が激しくラン
ニングコストの増加になると共に、混入したメディアや
増加した表面酸素を取り除く精製工程が不可欠となる。
ましてやこの精製工程は酸処理であるので高価である。
これに対して、乾式粉砕ではこのような問題はないが、
比表面積はあまり増加せず、メディアの摩耗粉の混入や
表面酸素の大幅な増大等の問題があり、収率を低下させ
る分級を行わなければ数十μm又はそれ以上の粗大粒子
が残留する。粗大粒子は、わずかに残留しても焼結体の
大きな欠陥となって強度や靱性を低下させる。
性の焼結体を製造するには、微粉末の窒化ケイ素粉末が
必要となるが、微粉末は常温においても長時間内に酸化
を受けたり加水分解したりして経時的安定性が悪く、し
かも容器内に付着したり粒子が凝集して「ダマ」が発生
して取扱い性が悪くなり、更にはスラリー化すると粘度
が高くなって充填性が低下する等の問題がある。
では、上記(1)〜(4)の条件を充分に満たし、しか
も工業的に利用できる比較的安価な窒化ケイ素粉末を製
造することは困難であり、新しい技術の出現が待たれて
いた。本発明者らは、このような要望に応えるべく種々
検討した結果、本発明を完成させたものである。
ーザー回折散乱法による平均粒子径が0.65〜1.6
μm、比表面積8m2 /g以上、凝集度が3以上である
ことを特徴とする窒化ケイ素粉末である。また、本発明
は、酸素含有量0. 2〜0. 5重量%の金属シリコン粉
末100重量部に対し、α化率85%以上で比表面積6
m2 /g以上の窒化ケイ素粉末30〜100重量部を含
む窒化原料を嵩密度1g/cm3 以下の集合体となし、
それを以下の(1)〜(4)の条件で窒化させることを
特徴とする窒化ケイ素の製造方法であり、 (1)水分濃度1000ppm以下、酸素濃度100p
pm以下の窒素及び/又はアンモニアを含む反応ガス雰
囲気下で窒化を行う (2)反応速度を4%/hr以下とする (3)窒化率10〜90%における反応速度を0.5%
/hr以上とする (4)窒化率50%未満における反応速度の増加分を
0.6%/hr2 以下とする 更に、本発明は、上記によって製造された窒化ケイ素
を、分子内にアミン基、ケトン基、ニトリル基、エーテ
ル基及びアルデヒド基から選ばれた1種又は2種以上の
基を有するが水酸基、カルボキシル基及び/又はスルフ
ォン基を有しないものであって、その沸点が100℃未
満であり、しかも温度20℃における溶解度が3g/水
100g以上である有機化合物からなる粉砕助剤を用い
て乾式粉砕することを特徴とする上記窒化ケイ素粉末の
製造方法である。
本発明の窒化ケイ素粉末の最大の特徴は、比表面積は通
常の微粉末と同程度の値を保ちながら、焼結性を低下さ
せずに一次粒子を適当に凝集させることによって二次粒
子の平均粒子径を0.65〜1.6μmとしたことであ
る。従来、ファインセラミックス用窒化ケイ素粉末原料
は、非凝集粒子が好ましいとされていたが、本発明にお
いては、積極的に凝集粒子を利用することによって、製
造や取扱いを容易としたものである。
は、レーザー回折散乱法で測定された粒度分布の累積体
積百分率が50%となる値をいう。レーザー回折散乱法
においては、窒化ケイ素粉末を溶媒中に分散させて測定
するので、この値は凝集粒子が全くない場合にのみ一次
粒子の平均粒子径に一致し、一般には凝集した二次粒子
の平均粒子径として測定される。これの測定方法と装置
は、一般的に用いられているものでよく、通常は溶媒と
してヘキサメタリン酸等の分散剤の添加された水を用
い、超音波分散装置で粒子を分散し、「マイクロトラッ
クSPA」や「シーラスグラニールメータ」等の市販の
装置で測定される。
する場合、上記レーザー回折散乱法で測定される二次粒
子の平均粒子径が小さくなるほど粉砕が困難となり、逆
にあまりにも大きいと粉としての取扱い性が悪化するの
で、本発明では0.65〜1.6μm好ましくは0.7
〜1.3μmとする。
いて測定されるBET比表面積である。比表面積が小さ
いということは、大きな窒化ケイ素粒子で粉末が構成さ
れているか、又は窒素ガスが入り込めない程度に粒子が
強固に結合していることを示し、逆に比表面積が大きい
ということは、窒化ケイ素粉末の一次粒子が微細である
ことを表している。微細な窒化ケイ素ほど焼結性がよ
く、焼結体の微構造制御が可能となるので強度や靭性が
向上し易くなる。本発明においては、比表面積は少なく
とも8m2 /g以上は必要であり、それが大きいほど好
都合であるが粉砕効率を考慮し、10〜15m2 /gが
好ましい比表面積である。
から一次粒子の平均粒子径を(1)式に従って算出する
と、8m2 /gでは0. 24μm、9m2 /gでは0.
21μm、10m2 /gでは0. 19μmとなって本発
明の二次粒子の平均粒子径とはかなり異なったものとな
る。 一次粒子の平均粒子径(μm)=6/(ρ×S) ・・(1) ρ:測定粒子の真密度(g/cm3 ) S:測定粉末のBET比表面積(m2 /g)
成しているためであって、本発明では、このような凝集
の尺度として次の(2)式に従って凝集度を算出する。 凝集度=(二次粒子の平均粒子径)/(一次粒子の平均粒子径)・・(2)
ーザー回折散乱法によって測定された平均粒子径すなわ
ち粒度分布の累積体積百分率の50%値の実測値であ
り、また一次粒子の平均粒子径は、比表面積から単分散
球状粒子を仮定して算出された粒子径いわゆるBET径
である。本発明においては、窒化ケイ素粉末の取扱い性
と製造の容易性から、凝集度は少なくとも3以上が必要
であり、好ましくは3.3以上である。
散乱法による粒度分布の測定時には凝集しているが、比
表面積の測定時には吸着ガスが入り込む程度の凝集しか
していない。通常、ファインセラミックス用の窒化ケイ
素粉末を焼結するには、それをスラリー化し焼結助剤が
混合されるが、その混合装置としては、ボールミル、ア
トライターミル等が用いられるのでその際に凝集粒子は
解砕されて微粒子となる。その結果、二次粒子の平均粒
子径である0.65μmよりも小さい微粉末と同程度の
焼結体強度や靭性を発現する。焼結助剤の混合を通常の
湿式法で行うと窒化ケイ素粉末の凝集粒子の解砕は容易
となるが、乾式法の場合には充分な時間をかけて混合す
ることが肝要である。
は特に制限されるものではなく、例えば超微粉末を凝集
させて製造することもできるが、高比表面積で解砕の容
易な窒化ケイ素(インゴット)を製造しそれを乾式で簡
易的に粉砕して製造する方法がコスト的にも最適であ
る。以下にその製造方法について説明する。
コン粉末100重量部に対し骨材としての窒化ケイ素粉
末を30〜100重量部を含み、嵩密度1g/cm3 以
下の集合体である。骨材としての窒化ケイ素粉末の割合
がこれ以外では、未反応の金属シリコンが残留したり生
成した窒化ケイ素粒子同士が焼結したりするか、又は窒
化炉の効率が低下する。
には、粉末のまま窒化ケイ素製・炭化ケイ素製等の容器
に充填する方法、粉末から成形体を成形しそれを発泡す
る方法、加熱により焼失する物質を該粉末成形体に加え
て多孔体とする方法等を採用することができるが、平均
の嵩密度を下げるために大きな空隙を導入すると嵩密度
の高い部分が生じて後記の反応制御がうまくできなくな
り、インゴットの品質がばらついてしまうので、窒化原
料の空隙径は最大でも1mm程度特に100μm以下と
するのが望ましい。
素含有量は、0. 2〜0. 5重量%であることが必要で
あり、0. 2重量%未満では後記の条件で窒化反応を制
御することが困難となり、また0. 5重量%をこえると
酸化反応が起こり易くなる。金属シリコン粉末の粒度に
ついては、あまりにも細かいと粉砕工程に負担がかか
り、またあまりにも粗いと窒化反応が起こり難くなるの
で、0. 2〜5m2 /g特に0. 5〜4m2 /gの比表
面積であることが望ましい。
素粉末は、窒化後にそれを分離することは困難であるの
で、そのまま最終製品に混入しても差し支えがないよう
にα化率が85%以上のものを用いる。また、その比表
面積は大きいほど望ましいが経済性を考慮して6m2 /
g以上好ましくは7〜20m2 /gとする。
するには、それらの原料の粉砕と混合を同時に行える方
式を採用することもできる。この場合は、粉砕・混合時
に不純物特にメディアの摩耗による不純物の混入と金属
シリコンの酸化には充分な配慮が必要であり、特に高純
度品を製造する場合には、窒化ケイ素製のメディアを使
用し、窒素、アルゴン等の非酸化性雰囲気下で行うのが
望ましい。
下の(1)〜(4)の条件で窒化を行い窒化ケイ素(イ
ンゴット)を製造するものである。 (1)水分濃度1000ppm以下、酸素濃度100p
pm以下の窒素及び/又はアンモニアを含む反応ガス雰
囲気下で窒化を行う (2)反応速度を4%/hr以下とする (3)窒化率10〜90%における反応速度を0.5%
/hr以上とする (4)窒化率50%未満における反応速度の増加分を
0.6%/hr2 以下とする
明する。従来から、雰囲気の酸素と水分を調節する提案
はあるが(例えば、特公平2-18284 号公報、特公平5-22
1617号公報等)、これらは低酸素の窒化ケイ素を製造す
ることを目的としており本発明の高α・高比表面積かつ
易粉砕性のインゴットを製造することとは異なってお
り、窒化原料の調製とその反応制御は充分に行われてい
ないものである。
金属シリコンの窒化反応に優先して起こる反応であるか
ら、従来技術においては低酸素の窒化ケイ素を製造する
ために雰囲気の酸素濃度と水分濃度が調節される。これ
に対し、本発明においてはインゴットの反応を著しく不
均一にする原因であるインゴット表面の酸化層の生成を
抑制するために、水分濃度1000ppm以下好ましく
は500ppm以下、酸素濃度100ppm以下好まし
くは50ppm以下の窒素及び/又はアンモニアを含む
反応ガス雰囲気下で窒化を行わせるものである。
明における反応速度とは、窒化炉に充填された窒化原料
中の金属シリコン分が窒化反応によって単位時間当たり
に消費される割合である。例えば、1kgの金属シリコ
ンを含む窒化原料を窒化反応させる場合、反応速度が1
%/hrであるということは、1時間当たりに10gの
金属シリコンが窒化することである。厳密には、反応速
度は、単位微小時間に反応する金属シリコン量に基づい
て決定されるべきであるが、その測定は技術的に困難で
あるので、本発明においては反応速度及びその増加分を
測定するための時間は、可及的に短時間であることが望
ましく、その時間としては30分以下好ましくは10分
以下特に5分以下である。
される反応ガス量を測定し、それが1.5モル倍の金属
シリコンを消費したとして重量に換算する方法が簡便で
正確である。この場合において、消費される反応ガス量
は、窒化炉に供給される反応ガス量と系外に排出される
反応ガス量の差を求めることによって測定することがで
き、系外に排出される反応ガスがないときは、一定時間
内における炉内のガス組成の変化、炉圧の変化等を測定
することによって行うことができる。例えば、標準状態
に換算して22.4リットル(1モル)の消費ガス量が
5分間に測定されたとすると、その間に反応した金属シ
リコンは、1.5モル(42g)であるから1時間当た
りでは504gとなる。このときの窒化原料中の金属シ
リコン分の充填量が20kgであれば、反応速度は2.
5%/hrとなる。
あるので、反応速度が大きくなると発熱量も多くなり、
蓄熱し易い部分と放熱し易い部分とでは反応のばらつき
が生じる。多量の発熱は、生成した窒化ケイ素一次粒子
の焼結が進み粉砕が困難となる。本発明においては、上
記窒化原料の充填量において、反応速度は4%/hr以
下好ましくは3%/hr以下に制御される。
必然的に長くなり、炉効率が低下する。例えば、1%/
hrの平均速度で窒化すれば反応時間は100時間かか
り、0.1%/hrでは1000時間となる。本発明に
おいては、実用的な炉効率を達成するために、窒化率1
0〜90%における反応速度を0.5%/hr以上にす
ることが第3の条件である。窒化率10〜90%以外に
おける反応領域すなわち反応の初期と終了期において
は、反応速度は0.5%/hr未満となることがある
が、それは構わない。なお、本発明における窒化率は、
反応速度の積分値であるので、それは消費された金属シ
リコンの積算量から求めることができる。
る。本発明における反応速度の増加分とは、上記反応速
度の1時間当たりの増加分をいう。例えば、ある10分
間の反応速度が1.5%/hrであり次の10分間の反
応速度が1.6%/hrである場合、反応速度は10分
間に0.1%/hr増加しているので1時間当たりの増
加は0.6%/hr2 となる。反応速度の増加分が大き
いということは、窒化が加速度的に進行していることを
示し、反応速度が4%/hr以下であっても反応が充分
に制御されておらず、所期の目的を達成することができ
ない。このような現象は、窒化の後半よりも前半におい
て顕著となるので、本発明においては、窒化率50%未
満における反応速度の増加分を厳格に0.6%/hr2
以下好ましくは0.5%/hr2 以下に制御することが
重要である。
応条件とが組み合わさって両者が共働し、窒化反応が制
御されて高α・高比表面積かつ易粉砕性で、適度な凝集
度を持つことになる窒化ケイ素(インゴット)を製造す
ることができるものである。なお、本発明で使用される
反応ガスは窒素及び/又はアンモニアであるが、これら
は、通常、反応制御のためにアルゴン等の不活性ガスや
水素ガス等が混合される。
ンゴット)から窒化ケイ素粉末を製造するには粉砕を行
う。粉砕は、湿式法又は乾式法のいずれをも採用するこ
とができるが、乾式法が本発明の目的達成によく適合す
る。この場合、低酸素化・高比表面積化の点から、窒
素、アンモニア、アルゴン等の非酸化性雰囲気下、以下
に説明する粉砕助剤を用いて粉砕することが好ましい。
助剤は、分子内にアミン基、ケトン基、ニトリル基、エ
ーテル基及びアルデヒド基から選ばれた1種又は2種以
上の基を有するが水酸基、カルボキシル基及び/又はス
ルフォン基を有しないものであって、その沸点が100
℃未満であり、しかも温度20℃における溶解度が3g
/水100g以上である有機化合物からなるものであ
る。
又はスルフォン基を含む有機化合物、過酸化物等の酸化
力の強い物質や、吸湿性の大なる物質は、粉砕中にイン
ゴットの表面酸素量を著しく増加させるので好ましくな
い。また、分子内にアミン基、ケトン基、ニトリル基、
エーテル基及びアルデヒド基から選ばれた1種又は2種
以上の基を有し、水酸基、カルボキシル基及び/又はス
ルフォン基を有しない有機化合物においては、その沸点
の低いものほど粉砕効果が認められ、また粉砕後に揮発
し易いので炭素分の残留が少なくなるので望ましいが、
あまりにも低沸点物であると取扱いが困難となるので、
100℃以下特に50〜90℃が好ましい沸点といえ
る。
する際に、通常、媒体を用いて焼結助剤が混合・造粒さ
れ、そしてその媒体としては水又は水溶液がしばしば用
いられるので、粉砕助剤は水又は水溶液と馴染みのよい
ものが望ましい。具体的には温度20℃における溶解度
が3g/水100g以上のものである。これよりも小さ
い溶解度では水や水溶液との馴染みが悪いのでスラリー
化が困難となったり不溶残渣が残るようになる。
ば、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルア
ミン、プロピルアミン、n−ブチルアミン、sec−ブ
チルアミン、t−ブチルアミン、メチルイソプロピルケ
トン、メチルエチルケトン、アセトン、アセトニトリ
ル、ピロリジン、テトラヒドロフラン等であり、特に好
適なものはトリエチルアミン、n−ブチルアミン、メチ
ルエチルケトン、アセトニトリル等である。
って異なるが、多量の使用はコスト的に不利となり、ま
たあまりにも少量では充分な効果を発現しないので、イ
ンゴットの0. 1〜5重量%が適切である。この範囲に
あっても最適添加量は、インゴットの比表面積の増加と
粗大粒子の減少によって決定される。比表面積は、主に
サブミクロンの微粒子の増加に伴って大きくなり、窒化
ケイ素粉末の焼結性を向上させる。粗大粒子特に数十μ
mの大きな粒子が残留するとそれを用いて製造された窒
化ケイ素焼結体の強度は低下する。
は、通常のもので充分であるが、高純度の窒化ケイ素粉
末を製造するには、窒化ケイ素を主成分としたメディア
を用いることが望ましい。窒化ケイ素の比重は、約3.
2と比較的小さく、鉄やジルコニアよりは勿論、一般的
なセラミックス製メディアであるアルミナの比重3. 9
よりも小さいので、粉砕効率の点で不利であるが、その
反面、耐摩耗性に優れ、被粉砕物への不純物の混入が防
止され、低酸素が保持される。その際の粉砕効率の不利
な点は、上記粉砕助剤の使用によって解消することがで
きる。
的に説明する。
有量とし、そのもの100重量部に表1に示される窒化
ケイ素粉末を骨材として種々配合しボールミルで混合し
た。得られた混合粉末の1kgを表1に示す嵩密度の集
合体にして窒化炉に入れ、真空排気後窒素ガスで置換し
てからアルゴンガスと水素ガスを供給し、窒素30%、
アルゴン50%、水素20%の初期ガス組成に雰囲気を
調整後、昇温を開始した。その後は、表2に示す反応速
度及び反応速度の増加分となるように、窒素ガスとアル
ゴンガスを適宜供給又は停止をしながら雰囲気を調整し
温度1420℃まで昇温して窒化を終えた。
窒化炉の入口と出口で積算ガス流量計によって反応ガス
量を5分間毎に測定し、その差を消費ガス量として算出
された金属シリコンの消費重量から求めた。また、雰囲
気の水分濃度と酸素濃度は、窒化炉のガス出口に取り付
けられた露点計と酸素メーターにより測定した。雰囲気
の最大水分濃度と最大酸素濃度、窒化率0〜100%に
おける最大反応速度、窒化率10〜90%における最小
反応速度及び窒化率50%未満における反応速度の増加
分の最大値を表2に示す。
で冷却して製造されたインゴットを取り出し、それを窒
化ケイ素製乳鉢で0. 2mm以下に粗・中砕後、表3に
示す粉砕助剤を添加し窒化ケイ素製ボールを用いた乾式
粉砕を行って窒化ケイ素粉末を製造した。得られた窒化
ケイ素粉末について、以下の物性を測定した。それらの
結果を表3に示す。
カンタソーブで、ヘリウム−窒素の混合ガスを標準ガス
として流通式の1点法で測定した。 (2)レーザー回折散乱法による平均粒子径:試料をヘ
キサメタリン酸0.5重量%水溶液中に20分間超音波
分散させた希薄スラリーを用い、Leeds &Northrup社製
「マイクロトラックSPA」により測定した。 (3)凝集度:上記(2)式を用いて算出した。 (4)粗大粒子の残留分:水500ミリリットルに窒化
ケイ素粉末200gを配合し30分間超音波分散させて
から、目開き25μmの篩で水篩する操作を3回繰り返
し行って篩上残分の乾燥重量を求め、元粉末に対する割
合を算出した。
20℃、湿度60%で300日間放置してから比表面積
を測定し、放置前の比表面積に対する相対値を求めた。 (6)α化率:CuKα線を用いた粉末X線回折による
α相の(102)面の回折線強度Ia102と(210)面
のIa210、及びβ相の(101)面の回折線強度Ib101
と(210)面の回折線強度Ib210から、次式により算
出した。 α化率(%)=[(Ia102+ Ia210)/( Ia102+ Ia210+
Ib101+ Ib210)]×100
以下のようにして評価した。窒化ケイ素粉末100重量
部にY2 O3 粉末5重量部、Al2 O3 粉末3重量部、
有機バインダー15重量部を混合して混合粉末50重量
%のスラリー水溶液を調製し、それをスプレードライヤ
ーで造粒・乾燥後、金型プレス成形し、更に2.5t/
cm2 のCIP成形をした。それを温度1750℃で4
時間の条件で焼成し、得られた窒化ケイ素焼結体につい
て、JIS R1601に準拠して室温における4点曲
げ強度を測定した。それらの結果を表3に示す。
の窒化ケイ素粉末(実施例1〜5)は、直接窒化法によ
って得られた窒化ケイ素(インゴット)を通常の乾式粉
砕によって製造されたものであるが、粗大粒子の残留は
殆ど認められず、保存安定性にも優れている。しかも、
焼結用原料として充分な比表面積とα化率をもっている
ので、それを用いて製造された窒化ケイ素焼結体の強度
は充分に高いものであった。
量やα化率が適切でない比較例1〜3では、比表面積は
それ程大きくないにもかかわらず凝集度が小さいので保
存安定性に劣り、粗大粒子の残留も認められ、焼結体の
強度も実施例に比べて小さいものであった。
い比較例4〜5、窒化原料の嵩密度が適切でない比較例
6では、レーザー回折散乱法による平均粒子径が本発明
の範囲を逸脱しているので保存安定性に劣り、また粗大
粒子の残留も多いので焼結体強度は著しく小さいもので
あった。
度が適切でない比較例7〜8、反応速度が適切でない比
較例9、反応速度の増加分が適切でない比較例10、粉
砕助剤が適切でない比較例11では、窒化ケイ素粉末の
比表面積や凝集度が小さいのでそれを用いて製造された
焼結体の強度は小さいものであった。
に優れ、しかも高強度を発現することのできる窒化ケイ
素粉末を容易かつ安価に提供することができる。
Claims (3)
- 【請求項1】 レーザー回折散乱法による平均粒子径が
0.65〜1.6μm、比表面積8m2 /g以上、凝集
度が3以上であることを特徴とする窒化ケイ素粉末。 - 【請求項2】 酸素含有量0. 2〜0. 5重量%の金属
シリコン粉末100重量部に対し、α化率85%以上で
比表面積6m2 /g以上の窒化ケイ素粉末30〜100
重量部を含む窒化原料を嵩密度1g/cm3 以下の集合
体となし、それを以下の(1)〜(4)の条件で窒化さ
せることを特徴とする窒化ケイ素の製造方法。 (1)水分濃度1000ppm以下、酸素濃度100p
pm以下の窒素及び/又はアンモニアを含む反応ガス雰
囲気下で窒化を行う (2)反応速度を4%/hr以下とする (3)窒化率10〜90%における反応速度を0.5%
/hr以上とする (4)窒化率50%未満における反応速度の増加分を
0.6%/hr2 以下とする - 【請求項3】 請求項1によって製造された窒化ケイ素
を、分子内にアミン基、ケトン基、ニトリル基、エーテ
ル基及びアルデヒド基から選ばれた1種又は2種以上の
基を有するが水酸基、カルボキシル基及び/又はスルフ
ォン基を有しないものであって、その沸点が100℃未
満であり、しかも温度20℃における溶解度が3g/水
100g以上である有機化合物からなる粉砕助剤を用い
て乾式粉砕することを特徴とする請求項1記載の窒化ケ
イ素粉末の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28490293A JP3342756B2 (ja) | 1993-11-15 | 1993-11-15 | 窒化ケイ素粉末及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28490293A JP3342756B2 (ja) | 1993-11-15 | 1993-11-15 | 窒化ケイ素粉末及びその製造方法 |
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JPH07138006A JPH07138006A (ja) | 1995-05-30 |
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1993
- 1993-11-15 JP JP28490293A patent/JP3342756B2/ja not_active Expired - Lifetime
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