JP2000127692A - ホログラフを有する転写フィルム及びその製造方法 - Google Patents

ホログラフを有する転写フィルム及びその製造方法

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JP2000127692A JP10305647A JP30564798A JP2000127692A JP 2000127692 A JP2000127692 A JP 2000127692A JP 10305647 A JP10305647 A JP 10305647A JP 30564798 A JP30564798 A JP 30564798A JP 2000127692 A JP2000127692 A JP 2000127692A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 印刷インキの色彩領域とホログラフの金属光
沢領域という異質の視覚的効果を有する複数の部分の組
合せでなる図柄を一回の工程で鮮明に印刷することを課
題とする。 【解決手段】 フィルム基材10上に、離型層11、表
面保護層12、転写層13及び接着層14の積層構造を
有する転写フィルム1で図柄Pを被印刷物表面に熱転写
する。図柄Pを構成するインキ部分13iとホログラフ
部分13hとが転写層13中に相隣接して存在すること
により両部分の外観上の特徴の対比が増幅する。表面保
護層12と転写層13との境界面を凹凸に形成すること
によりホログラフ部分13hの外表面が光乱反射効果を
呈する。インキ部分13iには金属薄膜層を存在させな
いことにより色彩の鮮明度を維持する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は転写フィルム、特
に、所望の図柄を所望の色彩のインキとホログラフとで
印刷することのできる転写フィルムに関し、印刷技術の
分野に属する。
【0002】
【従来の技術】民生用弱電製品のパーツ等、様々なプラ
スチック部品をはじめとする被印刷物の表面に文字や数
字あるいはロゴマーク等の図柄を印刷するのに転写フィ
ルムを用いることはよく知られている。一般に転写フィ
ルムは例えばポリエチレンテレフタレート(PET)等
でなるフィルム基材の一方の面に転写すべき図柄が所望
の色彩のインキにより印刷されてなる転写層が設けられ
たものである。転写層は加熱加圧されることにより被印
刷物側に移転し、これにより被印刷物表面に図柄を多色
刷りで印刷することができる。転写フィルムを用いる代
表的な印刷法としては、転写層の側を被印刷物表面に接
触させた状態で転写フィルムを加熱したパッドでフィル
ム基材側から被印刷物に押し付けるホットスタンプ法
や、転写層の側を上にして転写フィルムを樹脂射出成形
の型に仕込み、樹脂成形と同時に図柄を印刷するインモ
ールド法等がよく知られている。
【0003】一方、近年では光の乱反射効果を呈するホ
ログラフを用いて被印刷物表面に図柄を形成することが
行われている。ホログラフは例えばエンボス加工により
外表面に凹凸が形成された金属薄膜等でなり、従来の印
刷インキでは実現し難い高級感のある金属性光沢が得ら
れ、かつ見る角度によってその色相が変化する。それゆ
え、相互に異質の外観を有するこのホログラフの部分と
従来の印刷インキの部分とを組み合わせて構成した図柄
を印刷すると、得られる製品は見栄えに優れ、他の製品
からの差別化を図ることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、そのよ
うなインキ部分とホログラフ部分との組合せでなる図柄
を印刷する場合、従来は、印刷インキのみで図柄を構成
した転写フィルムによる転写と、ホログラフのみで図柄
を構成した転写用ホログラフフィルムによる転写とをそ
れぞれ別々に行っていた。それゆえ、一つの図柄を印刷
するのに二回の印刷工程を経なければならず、印刷工程
全体が長くなり、また図柄同士を相互に位置合わせする
ことが困難で、手間暇がかかっていた。
【0005】また、図柄の位置合せを回避するために、
転写フィルムで印刷されたインキ部分に重ねてホログラ
フフィルムでホログラフ部分をベタ印刷すると、インキ
部分とホログラフ部分とが重なり合う領域で主としてイ
ンキ独自の色彩が鈍くなり鮮明度が低下するという不具
合が起こっていた。
【0006】本発明は、このような現状に鑑みてなされ
たもので、インキ部分とホログラフ部分とを組み合わせ
た図柄を、一回の印刷工程で、かつインキ部分とホログ
ラフ部分とを明確に別々の領域に仕切って、印刷するこ
とのできる転写フィルムを提供することを課題とする。
以下、その他の課題を含め、本発明を更に詳しく説明す
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明に係る
転写フィルムは、フィルム基材上に所望の図柄を構成す
る転写層が設けられたものであって、上記転写層が、所
望の色彩のインキが塗布された部分と、このインキ部分
に相隣接して金属薄膜が形成された部分とを有すると共
に、上記転写層とフィルム基材との間に表面保護層が設
けられ、この表面保護層と上記転写層における金属薄膜
部分との境界面が凹凸に形成されている。
【0008】転写フィルムから被印刷物表面に転写され
た各層間の上下の位置関係はフィルム基材上での上下の
位置関係と逆転する。それゆえ、この本発明に係る転写
フィルムによって被印刷物表面に転写された転写層の金
属薄膜部分においては、上層の表面保護層との境界面で
ある外表面が凹凸状となる。したがって、この金属薄膜
部分は光の乱反射効果を呈するホログラフの部分とな
り、しかもこのホログラフ部分はインキ部分と相互に隣
接して転写層の中で位置しているから、該転写層によっ
て構成される図柄はインキ部分とホログラフ部分とが組
み合わされたものとなる。
【0009】その結果、インキ部分とホログラフ部分と
の組合せでなる図柄が、両部分が重なり合うことなくそ
れぞれ別々の領域に隣接した状態で、しかも一回の印刷
工程で印刷されることになる。これにより、ホログラフ
部分の特有の光乱反射効果とインキ部分の独自の色彩効
果という異質の視覚的効果が相乗的により強調され、見
栄えに優れた図柄の印刷が可能となる。
【0010】また、本発明に係る転写フィルムの製造方
法は、フィルム基材上に表面保護層を設け、この表面保
護層の反フィルム基材側の面に凹凸を形成したのち、該
面上に所望の色彩のインキを所望の図柄に塗布し、かつ
そのインキを塗布した部分に水溶性樹脂層を形成したの
ち、この水溶性樹脂層及び表面保護層の上に金属薄膜層
を形成し、しかるのちに、上記水溶性樹脂層を該樹脂層
上の金属薄膜層と共に除去するものである。
【0011】この製造方法によれば、フィルム基材上の
表面保護層に凹凸を形成したのち、ここにインキ部分を
所望の図柄に塗布する。このとき、このインキ部分にお
いては、表面保護層の凹凸がインキで充填されるから、
ホログラフのような顕著な光反射効果は生じない。それ
ゆえ、インキ独自の色彩効果がそのまま維持される。
【0012】そして、このインキ部分に水溶性樹脂層を
形成してから金属薄膜層を全面的に付与する。その結
果、フィルム基材上には、表面保護層とインキ部分と水
溶性樹脂層と金属薄膜層とが積層した領域と、表面保護
層と金属薄膜層とが積層した領域とが生成する。このと
き、後者の領域では、表面保護層と金属薄膜層との境界
面が凹凸状となるから、この金属薄膜部分は光の乱反射
効果を呈するホログラフの部分となる。つまり、この段
階では、ホログラフ部分とインキ部分とが相互に隣接し
て表面保護層上に位置し、したがってこれら両部分の組
合せでなる図柄が転写層によって構成されている状態で
はあるが、上記インキ部分においても水溶性樹脂層を介
して金属薄膜層が余分に積層されている状態にある。
【0013】そして、しかるのちに、上記水溶性樹脂層
を除去することにより、この水溶性樹脂層の上に積層さ
れた余分な金属薄膜層を除去する。その結果、フィルム
基材上には、表面保護層の上に、インキ部分のみとホロ
グラフ部分のみとを有する転写層が積層した状態とな
り、その場合にインキ部分の独自の色彩が金属薄膜層と
重なり合って鈍くなったりせず、インキ部分とホログラ
フ部分とが明確に別々の領域に仕切られるから、図柄の
見栄えが損なわれたりするようなことがない。
【0014】また、ホログラフ部分を生成するための表
面保護層の凹凸は、前述したように、インキ部分におい
ては悪影響を及ぼさず問題とならないから、該凹凸をイ
ンキ部分及びホログラフ部分の配置位置に拘らず表面保
護層全面に形成することができ、転写フィルムの製造全
体が容易となる。
【0015】さらに、同じくホログラフ部分を生成する
ための金属薄膜層は、前述したように、インキ部分にお
いては水溶性樹脂層と共に後に除去されるから、該金属
薄膜層をインキ部分及びホログラフ部分の配置位置に拘
らず全面的に形成することができ、先に塗布されている
インキ部分に対して位置合わせ等をする必要がなく、転
写フィルムの製造全体が容易となる。
【0016】本発明に係るホログラフを有する転写フィ
ルムの好ましい層構成を図1に例示する。この転写フィ
ルム1にあっては、そのフィルム基材10の片面上に、
離型層11と、表面保護層12と、転写層13と、接着
層14とが積層されている。転写層13は表面保護層1
2上に部分的に存在し、インキ部分13iとホログラフ
部分13hとを有して、全体として所望の図柄Pを構成
している。
【0017】表面保護層12と転写層13との境界面は
凹凸に形成されている。したがって、転写層13におけ
るホログラフ部分13hを表面保護層12側からみたと
きには、上記凹凸によって光の乱反射効果が観察され
る。しかし、転写層13におけるインキ部分13iを表
面保護層12側からみても、上記凹凸がインキで埋まっ
ているから光の乱反射効果が観察されず、インキ独自の
色彩がそのまま観察される。
【0018】そして、転写層13のインキ部分13iと
ホログラフ部分13hとは隙間なくぴったりと相隣接し
ている。したがって、これらの両部分13i,13hの
組合せにより表わされる図柄Pは、インキ部分13iの
独自の色彩効果と、ホログラフ部分13hの特有の光乱
反射効果という異質の視覚的効果が相乗的に強調された
見栄えに優れたものとなる。
【0019】次に、図1に例示した転写フィルム1の製
造過程における層構成を図2〜図6に例示する。上記転
写フィルム1の製造においては、図2に示すように、ま
ず、フィルム基材10の片面に樹脂溶液をコーティング
することにより離型層11を形成する。
【0020】ここで、フィルム基材10としては、被印
刷物への転写時における耐熱性及び耐圧性の観点からポ
リエチレンテレフタレートフィルムが好ましく、その厚
さは9〜25μmが好適である。特に、厚さが25μm
より大きいと、被印刷物表面が湾曲している場合に図柄
の密着性が低下するので好ましくない。
【0021】また、離型層11を形成するための樹脂と
しては特に限定されず、従来よりこの種の転写フィルム
に一般に使用される離型性を有するものが種々利用可能
である。
【0022】次いで、同じく図2に示すように、この離
型層11の表面に、耐熱性及び透明性に優れる樹脂溶液
をコーティングして表面保護層12を形成する。このと
きの樹脂溶液としては特に限定されず、例えばアクリル
−ウレタン系の樹脂溶液等が好ましく使用可能である。
【0023】この表面保護層12は、基本的には、被印
刷物に転写される図柄の表面を保護するためのものであ
る。しかし、特に湾曲する被印刷物表面への転写時にお
いては、後述するように、接着層14と共に、図柄を構
成するインキ部分13iやホログラフ部分13hないし
転写層13にクラック(割れ)が発生するのを防止した
り、金属薄膜層でなるホログラフ部分13hがヤケて退
色や変色したりするのを防止する機能を併せもつ。これ
により、ホログラフ部分13hの美しい光沢が表現可能
となる。
【0024】次いで、図3に示すように、この表面保護
層12の表面に、例えばエンボス加工等によって凹凸を
形成する。このときの凹凸は、従来より一般に転写用ホ
ログラフフィルムを製造する際に金属薄膜に形成される
凹凸と同様の粗度や間隔で形成する。
【0025】次いで、図4に示すように、この凹凸を形
成した表面保護層12の表面に、例えばグラビア印刷又
はスクリーン印刷等によって所望の図柄を印刷インキで
塗布し、インキ部分13iを形成する。このときの印刷
インキについては特に限定されず、従来よりこの種の転
写フィルムに一般に使用される各種の色彩を有するもの
が種々利用可能である。
【0026】次いで、図5に示すように、ホログラフ部
分13hを形成する領域を残して、上記インキ部分13
iの表面と、もともと図柄Pが配置されない領域におけ
る表面保護層12の表面とに、例えばグラビア印刷又は
スクリーン印刷等によって水溶性樹脂溶液を印刷し、水
溶性樹脂層15を形成する。このときの樹脂溶液として
は例えば水酸化ナトリウム水溶液等による水洗いによっ
て除去可能なものであれば特に限定されず、例えばポリ
ビニルアルコールの樹脂溶液等が好ましく使用可能であ
る。
【0027】次いで、同じく図5に示すように、フィル
ム基材10の片面全面にわたって、すなわち上記水溶性
樹脂層15の表面と、該水溶性樹脂層15及びインキ部
分13iを形成しない表面保護層12の表面とにわたっ
て金属薄膜層16を形成する。この金属薄膜層16の金
属としては、該金属薄膜層16を例えば真空蒸着等によ
って形成可能なものであれば特に限定されず、例えばア
ルミニウム等が好ましく使用可能である。また、金属薄
膜層16の形成方法としても、上記真空蒸着の他、スパ
ッタリング等の公知の方法が種々使用できる。
【0028】特に、アルミニウムからなる金属薄膜層1
6の場合、その層厚は、好ましくは200〜600Å、
より好ましくは300〜550Å、特に好ましくは35
0〜450Åである。これは、次に行う水洗工程で、上
記水溶性樹脂層15を、該樹脂層15上のこの金属薄膜
層16と共に比較的容易に除去することを図るためであ
る。
【0029】次いで、これを例えば水酸化ナトリウム水
溶液等を用いて水洗いする。これにより上記水溶性樹脂
層15が溶解し、図6に示すように、該水溶性樹脂層1
5と、金属薄膜層16のうちのこの樹脂層15上に形成
された部分とが一緒に除去されて、インキ部分13i独
自の色彩が金属薄膜層16で鈍くなることなく鮮明な状
態に維持されることになる。一方、インキ部分13i及
び水溶性樹脂層15が形成されなかったホログラフ部分
13hにおいては金属薄膜層16が残存し、該金属薄膜
層16と表面保護層12との境界面が凹凸状となって、
ホログラフ部分13h特有の光の乱反射効果が呈される
ことになる。ここにおいて、インキ部分13i及びホロ
グラフ部分13hを有し、所望の図柄Pを構成する転写
層13が表面保護層12上に生成する。
【0030】次いで、この転写層13の全面にわたって
熱可塑性樹脂をコーティングし、接着層14を形成する
ことにより、図1に例示した層構成を有する転写フィル
ム1が得られる。
【0031】ここで接着層14を形成する熱可塑性樹脂
としては特に限定されるものではなく、加熱及び/又は
加圧した際の被印刷物への接着性が良好なものが種々利
用できる。好ましい例としては、塩化ビニル−酢酸ビニ
ル系樹脂とアクリル樹脂とのブレンド品、ポリエステル
系樹脂と塩化ビニル−酢酸ビニル系樹脂とアクリル樹脂
とのブレンド品、エチレン酢酸ビニル系樹脂と塩化ビニ
ル−酢酸ビニル系樹脂とアクリル樹脂とのブレンド品等
が挙げられる。
【0032】なお、このとき、図柄の転写時において表
面保護層12と接着層14との間に挟まれた転写層13
にクラックが発生することを防止する観点から、接着層
14は、表面保護層12と同等の熱収縮率、耐熱性、硬
さ等を有するものであることが好ましい。また、両層1
2,14の厚さのバランスについては、表面保護層12
が0.8〜1.5μmで、接着層14が1〜2μmであ
ることが好ましい。
【0033】本発明に係るホログラフを有する転写フィ
ルム1を用いて、ホットスタンプ法やインモールド法等
により被印刷物に図柄Pを転写することができる。例え
ばホットスタンプ法では、転写フィルム1の接着層14
側を被印刷物の表面と接触させた状態で、フィルム基材
10側からシリコーンラバー製のパッド等により転写フ
ィルム1を被印刷物に押し付けて加熱及び加圧する。こ
のときの転写条件は、接着層14の種類等に依存し、従
来一般の顔料インキ、印刷インキを用いて製造された転
写フィルムの場合と同様の転写条件であってよいが、例
えば転写温度としては120〜150℃が好ましい。転
写温度が150℃を越えると被印刷物表面に熱的損傷が
発生する場合があるからである。
【0034】そして、フィルム基材10を剥離すること
により、被印刷物に対して変形等の熱的損傷を与えるこ
となく、また被印刷物表面が湾曲していたり凹凸があっ
たりしても、その表面に、接着層14、転写層13、表
面保護層12を良好に転写することができ、転写層13
における所望の色彩のインキ部分13iと特有の見栄え
のホログラフ部分13hとの組合せでなるホログラフを
有する図柄Pが、ただ一回の印刷工程で、クラック等を
生じさせることなく、良好に、多色刷り印刷される。そ
の場合に、図柄Pを構成し、相互に異質の視覚的効果を
有する上記両部分13i,13hの色彩領域とホログラ
フ領域とが、重なり合うことなく、明確に仕切られて、
それぞれ個別にかつ相隣接して存在しているから、図柄
Pの見栄えのよさが相乗的により強調され、該図柄Pが
印刷された製品の差別化、個性化が図られる。
【0035】なお、本発明に係るホログラフを有する転
写フィルムで図柄印刷できる製品としては、転写温度、
転写時間等の転写条件等に合致するものであれば特に限
定されず、例えばホットスタンプ法ではゴルフボールや
ゴルフクラブ、インモールド法では携帯電話のディスプ
レイ部窓枠等の樹脂射出成形品等が挙げられる。この場
合、図柄の転写を行ったあとで、製品の表面全体に、透
明性を有する素材からなる表面コート層をさらに付与し
てもよい。
【0036】以下、実施例を通じて本発明をさらに詳し
く説明するが、本発明はこれに限定されるものではな
い。
【0037】
【実施例】厚さ25μmのポリエチレンテレフタレート
フィルムの片面に、アクリル樹脂を用いてグラビア印刷
法により離型層を形成し、次いで、この離型層上にアク
リル−ウレタン系樹脂を用いて同じくグラビア印刷法に
より厚さ1.5μmの表面保護層を形成したのち、この
表面保護層の表面全面に、エンボス加工により微細な多
数の溝をランダムにきって凹凸を形成させた。
【0038】次いで、このエンボス加工した表面保護層
上に、中が塗りつぶされた直径1cmの円で数字の
「1」がくり貫かれた図柄をスクリーン印刷法により黒
色の印刷インキで塗布し、インキ部分とした。さらに、
上記円内の「1」のくり貫き数字の部分を残して、印刷
インキを塗布したインキ部分と、上記円の周囲における
所定範囲内の部分とにわたって、酸化珪素を添加したポ
リビニルアルコール樹脂を用いて同じくスクリーン印刷
法により水溶性樹脂層を形成した。
【0039】次いで、アルミニウムを用いて真空蒸着法
により厚さ450Åの金属薄膜層を全面にわたって形成
したのち、水酸化ナトリウム水溶液を用いてフィルム全
体を水洗いした。これにより、ポリビニルアルコール樹
脂が溶解し、その水溶性樹脂層と該樹脂層上に形成され
た部分の金属薄膜層とを共に除去することができた。一
方、水溶性樹脂層を形成しなかった上記円内の「1」の
数字部分には、アルミニウムの金属薄膜層がそのまま残
存し、ホログラフ部分が生成した。
【0040】そして、塩化ビニル−酢酸ビニル系樹脂と
アクリル樹脂とをブレンドしたものを用いてグラビア印
刷法により厚さ2μmの接着層を形成することにより、
黒色の円内に金属性光沢を有する「1」の数字が描かれ
た図柄の転写フィルムが得られた。
【0041】この転写フィルムを用いて、転写温度12
0℃、転写時間1秒の条件で、ホットスタンプ法によ
り、プラズマ処理されたアイオノマー樹脂表面のツーピ
ースゴルフボールに上記図柄を図7に示すように印刷し
たところ、ボールBの球面及びディンプルにもよく沿っ
て図柄Pが転写され、かつゴルフボールBの表面で、
「1」の数字がホログラフ13hとなって輝いてみえ、
しかもその周囲の円の黒色13iとの対比が鮮やかで、
著しく個性化され、差別化された製品となった。
【0042】
【発明の効果】このように本発明によれば、所望の色彩
のインキ部分と、見る角度によって色相の変化する金属
性光沢を呈するホログラフ部分という相互に異質の外観
を有する複数の部分の組合せで構成された図柄を転写す
ることができるから、従来の製品に比べて見栄えに優
れ、高級感があり、かつ個性化され、差別化された新し
い製品を提供することができる。また、インキ部分とホ
ログラフ部分とを明確に仕切って印刷できるから、各部
分の特徴的外観が損なわれず、視覚的効果が相乗的によ
り強調される。さらに、一回の印刷工程で、上記のよう
なホログラフを有する図柄を印刷できるから、印刷工程
全体が短くなり、コスト的にも有利となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るホログラフを有する転写フィル
ムの層構成を例示する断面図である。
【図2】 同転写フィルムの製造過程において離型層と
表面保護層とを形成した段階の層構成を示す断面図であ
る。
【図3】 同じく表面保護層の表面に凹凸を形成した段
階の層構成を示す断面図である。
【図4】 同じく表面保護層の表面にインキ部分を塗布
した段階の層構成を示す断面図である。
【図5】 同じく水溶性樹脂層と金属薄膜層とを形成し
た段階の層構成を示す断面図である。
【図6】 同じく水洗いした段階の層構成を示す断面図
である。
【図7】 本発明に係るホログラフを有する転写フィル
ムで図柄を転写したゴルフボールの外観図である。
【符号の説明】
1 転写フィルム 10 フィルム基材 11 離型層 12 表面保護層 13 転写層 13i インキ部分 13h ホログラフ部分 14 接着層 15 水溶性樹脂層 16 金属薄膜層 B 被印刷物(ゴルフボール) P 図柄

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フィルム基材上に所望の図柄を構成する
    転写層が設けられた転写フィルムであって、上記転写層
    が、所望の色彩のインキが塗布された部分と、このイン
    キ部分に相隣接して金属薄膜が形成された部分とを有す
    ると共に、上記転写層とフィルム基材との間に表面保護
    層が設けられ、この表面保護層と上記転写層における金
    属薄膜部分との境界面が凹凸に形成されていることを特
    徴とするホログラフを有する転写フィルム。
  2. 【請求項2】 フィルム基材上に所望の図柄を構成する
    転写層が設けられた転写フィルムの製造方法であって、
    フィルム基材上に表面保護層を設け、この表面保護層の
    反フィルム基材側の面に凹凸を形成したのち、該面上に
    所望の色彩のインキを所望の図柄に塗布し、かつそのイ
    ンキを塗布した部分に水溶性樹脂層を形成したのち、こ
    の水溶性樹脂層及び表面保護層の上に金属薄膜層を形成
    し、しかるのちに、上記水溶性樹脂層を該樹脂層上の金
    属薄膜層と共に除去することを特徴とするホログラフを
    有する転写フィルムの製造方法。
  3. 【請求項3】 フィルム基材上に表面保護層を設ける前
    に離型層を設け、この離型層の上に表面保護層を設ける
    と共に、水溶性樹脂層を除去したのちに接着層を全面的
    に付与することを特徴とする請求項2に記載のホログラ
    フを有する転写フィルムの製造方法。
JP10305647A 1998-10-27 1998-10-27 ホログラフを有する転写フィルム及びその製造方法 Pending JP2000127692A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2018524200A (ja) * 2015-05-11 2018-08-30 ナショナル リサーチ カウンシル オブ カナダ セキュリティ表示デバイスのカスタマイズ

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