JP2000127692A5 - - Google Patents

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Description

【書類名】 明細書
【発明の名称】 ホログラムを有する転写フィルム及びその製造方法
【特許請求の範囲】
【請求項1】 フィルム基材上に所望の図柄を構成する転写層が設けられた転写フィルムであって、上記転写層が、所望の色彩のインキが塗布された部分と、このインキ部分に相隣接して金属薄膜が形成された部分とを有すると共に、上記転写層とフィルム基材との間に表面保護層が設けられ、この表面保護層と上記転写層における金属薄膜部分との境界面が凹凸に形成されていることを特徴とするホログラムを有する転写フィルム。
【請求項2】 フィルム基材上に所望の図柄を構成する転写層が設けられた転写フィルムの製造方法であって、フィルム基材上に表面保護層を設け、この表面保護層の反フィルム基材側の面に凹凸を形成したのち、該面上に所望の色彩のインキを所望の図柄に塗布し、かつそのインキを塗布した部分に水溶性樹脂層を形成したのち、この水溶性樹脂層及び表面保護層の上に金属薄膜層を形成し、しかるのちに、上記水溶性樹脂層を該樹脂層上の金属薄膜層と共に除去することを特徴とするホログラムを有する転写フィルムの製造方法。
【請求項3】 フィルム基材上に表面保護層を設ける前に離型層を設け、この離型層の上に表面保護層を設けると共に、水溶性樹脂層を除去したのちに接着層を全面的に付与することを特徴とする請求項2に記載のホログラムを有する転写フィルムの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は転写フィルム、特に、所望の図柄を所望の色彩のインキとホログラムとで印刷することのできる転写フィルムに関し、印刷技術の分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
民生用弱電製品のパーツ等、様々なプラスチック部品をはじめとする被印刷物の表面に文字や数字あるいはロゴマーク等の図柄を印刷するのに転写フィルムを用いることはよく知られている。一般に転写フィルムは例えばポリエチレンテレフタレート(PET)等でなるフィルム基材の一方の面に転写すべき図柄が所望の色彩のインキにより印刷されてなる転写層が設けられたものである。転写層は加熱加圧されることにより被印刷物側に移転し、これにより被印刷物表面に図柄を多色刷りで印刷することができる。転写フィルムを用いる代表的な印刷法としては、転写層の側を被印刷物表面に接触させた状態で転写フィルムを加熱したパッドでフィルム基材側から被印刷物に押し付けるホットスタンプ法や、転写層の側を上にして転写フィルムを樹脂射出成形の型に仕込み、樹脂成形と同時に図柄を印刷するインモールド法等がよく知られている。
【0003】
一方、近年では光の乱反射効果を呈するホログラムを用いて被印刷物表面に図柄を形成することが行われている。ホログラムは例えばエンボス加工により外表面に凹凸が形成された金属薄膜等でなり、従来の印刷インキでは実現し難い高級感のある金属性光沢が得られ、かつ見る角度によってその色相が変化する。それゆえ、相互に異質の外観を有するこのホログラムの部分と従来の印刷インキの部分とを組み合わせて構成した図柄を印刷すると、得られる製品は見栄えに優れ、他の製品からの差別化を図ることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、そのようなインキ部分とホログラム部分との組合せでなる図柄を印刷する場合、従来は、印刷インキのみで図柄を構成した転写フィルムによる転写と、ホログラムのみで図柄を構成した転写用ホログラムフィルムによる転写とをそれぞれ別々に行っていた。それゆえ、一つの図柄を印刷するのに二回の印刷工程を経なければならず、印刷工程全体が長くなり、また図柄同士を相互に位置合わせすることが困難で、手間暇がかかっていた。
【0005】
また、図柄の位置合せを回避するために、転写フィルムで印刷されたインキ部分に重ねてホログラムフィルムでホログラム部分をベタ印刷すると、インキ部分とホログラム部分とが重なり合う領域で主としてインキ独自の色彩が鈍くなり鮮明度が低下するという不具合が起こっていた。
【0006】
本発明は、このような現状に鑑みてなされたもので、インキ部分とホログラム部分とを組み合わせた図柄を、一回の印刷工程で、かつインキ部分とホログラム部分とを明確に別々の領域に仕切って、印刷することのできる転写フィルムを提供することを課題とする。以下、その他の課題を含め、本発明を更に詳しく説明する。
【0007】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明に係る転写フィルムは、フィルム基材上に所望の図柄を構成する転写層が設けられたものであって、上記転写層が、所望の色彩のインキが塗布された部分と、このインキ部分に相隣接して金属薄膜が形成された部分とを有すると共に、上記転写層とフィルム基材との間に表面保護層が設けられ、この表面保護層と上記転写層における金属薄膜部分との境界面が凹凸に形成されている。
【0008】
転写フィルムから被印刷物表面に転写された各層間の上下の位置関係はフィルム基材上での上下の位置関係と逆転する。それゆえ、この本発明に係る転写フィルムによって被印刷物表面に転写された転写層の金属薄膜部分においては、上層の表面保護層との境界面である外表面が凹凸状となる。したがって、この金属薄膜部分は光の乱反射効果を呈するホログラムの部分となり、しかもこのホログラム部分はインキ部分と相互に隣接して転写層の中で位置しているから、該転写層によって構成される図柄はインキ部分とホログラム部分とが組み合わされたものとなる。
【0009】
その結果、インキ部分とホログラム部分との組合せでなる図柄が、両部分が重なり合うことなくそれぞれ別々の領域に隣接した状態で、しかも一回の印刷工程で印刷されることになる。これにより、ホログラム部分の特有の光乱反射効果とインキ部分の独自の色彩効果という異質の視覚的効果が相乗的により強調され、見栄えに優れた図柄の印刷が可能となる。
【0010】
また、本発明に係る転写フィルムの製造方法は、フィルム基材上に表面保護層を設け、この表面保護層の反フィルム基材側の面に凹凸を形成したのち、該面上に所望の色彩のインキを所望の図柄に塗布し、かつそのインキを塗布した部分に水溶性樹脂層を形成したのち、この水溶性樹脂層及び表面保護層の上に金属薄膜層を形成し、しかるのちに、上記水溶性樹脂層を該樹脂層上の金属薄膜層と共に除去するものである。
【0011】
この製造方法によれば、フィルム基材上の表面保護層に凹凸を形成したのち、ここにインキ部分を所望の図柄に塗布する。このとき、このインキ部分においては、表面保護層の凹凸がインキで充填されるから、ホログラムのような顕著な光反射効果は生じない。それゆえ、インキ独自の色彩効果がそのまま維持される。
【0012】
そして、このインキ部分に水溶性樹脂層を形成してから金属薄膜層を全面的に付与する。その結果、フィルム基材上には、表面保護層とインキ部分と水溶性樹脂層と金属薄膜層とが積層した領域と、表面保護層と金属薄膜層とが積層した領域とが生成する。このとき、後者の領域では、表面保護層と金属薄膜層との境界面が凹凸状となるから、この金属薄膜部分は光の乱反射効果を呈するホログラムの部分となる。つまり、この段階では、ホログラム部分とインキ部分とが相互に隣接して表面保護層上に位置し、したがってこれら両部分の組合せでなる図柄が転写層によって構成されている状態ではあるが、上記インキ部分においても水溶性樹脂層を介して金属薄膜層が余分に積層されている状態にある。
【0013】
そして、しかるのちに、上記水溶性樹脂層を除去することにより、この水溶性樹脂層の上に積層された余分な金属薄膜層を除去する。その結果、フィルム基材上には、表面保護層の上に、インキ部分のみとホログラム部分のみとを有する転写層が積層した状態となり、その場合にインキ部分の独自の色彩が金属薄膜層と重なり合って鈍くなったりせず、インキ部分とホログラム部分とが明確に別々の領域に仕切られるから、図柄の見栄えが損なわれたりするようなことがない。
【0014】
また、ホログラム部分を生成するための表面保護層の凹凸は、前述したように、インキ部分においては悪影響を及ぼさず問題とならないから、該凹凸をインキ部分及びホログラム部分の配置位置に拘らず表面保護層全面に形成することができ、転写フィルムの製造全体が容易となる。
【0015】
さらに、同じくホログラム部分を生成するための金属薄膜層は、前述したように、インキ部分においては水溶性樹脂層と共に後に除去されるから、該金属薄膜層をインキ部分及びホログラム部分の配置位置に拘らず全面的に形成することができ、先に塗布されているインキ部分に対して位置合わせ等をする必要がなく、転写フィルムの製造全体が容易となる。
【0016】
本発明に係るホログラムを有する転写フィルムの好ましい層構成を図1に例示する。この転写フィルム1にあっては、そのフィルム基材10の片面上に、離型層11と、表面保護層12と、転写層13と、接着層14とが積層されている。転写層13は表面保護層12上に部分的に存在し、インキ部分13iとホログラム部分13hとを有して、全体として所望の図柄Pを構成している。
【0017】
表面保護層12と転写層13との境界面は凹凸に形成されている。したがって、転写層13におけるホログラム部分13hを表面保護層12側からみたときには、上記凹凸によって光の乱反射効果が観察される。しかし、転写層13におけるインキ部分13iを表面保護層12側からみても、上記凹凸がインキで埋まっているから光の乱反射効果が観察されず、インキ独自の色彩がそのまま観察される。
【0018】
そして、転写層13のインキ部分13iとホログラム部分13hとは隙間なくぴったりと相隣接している。したがって、これらの両部分13i,13hの組合せにより表わされる図柄Pは、インキ部分13iの独自の色彩効果と、ホログラム部分13hの特有の光乱反射効果という異質の視覚的効果が相乗的に強調された見栄えに優れたものとなる。
【0019】
次に、図1に例示した転写フィルム1の製造過程における層構成を図2〜図6に例示する。上記転写フィルム1の製造においては、図2に示すように、まず、フィルム基材10の片面に樹脂溶液をコーティングすることにより離型層11を形成する。
【0020】
ここで、フィルム基材10としては、被印刷物への転写時における耐熱性及び耐圧性の観点からポリエチレンテレフタレートフィルムが好ましく、その厚さは9〜25μmが好適である。特に、厚さが25μmより大きいと、被印刷物表面が湾曲している場合に図柄の密着性が低下するので好ましくない。
【0021】
また、離型層11を形成するための樹脂としては特に限定されず、従来よりこの種の転写フィルムに一般に使用される離型性を有するものが種々利用可能である。
【0022】
次いで、同じく図2に示すように、この離型層11の表面に、耐熱性及び透明性に優れる樹脂溶液をコーティングして表面保護層12を形成する。このときの樹脂溶液としては特に限定されず、例えばアクリル−ウレタン系の樹脂溶液等が好ましく使用可能である。
【0023】
この表面保護層12は、基本的には、被印刷物に転写される図柄の表面を保護するためのものである。しかし、特に湾曲する被印刷物表面への転写時においては、後述するように、接着層14と共に、図柄を構成するインキ部分13iやホログラム部分13hないし転写層13にクラック(割れ)が発生するのを防止したり、金属薄膜層でなるホログラム部分13hがヤケて退色や変色したりするのを防止する機能を併せもつ。これにより、ホログラム部分13hの美しい光沢が表現可能となる。
【0024】
次いで、図3に示すように、この表面保護層12の表面に、例えばエンボス加工等によって凹凸を形成する。このときの凹凸は、従来より一般に転写用ホログラムフィルムを製造する際に金属薄膜に形成される凹凸と同様の粗度や間隔で形成する。
【0025】
次いで、図4に示すように、この凹凸を形成した表面保護層12の表面に、例えばグラビア印刷又はスクリーン印刷等によって所望の図柄を印刷インキで塗布し、インキ部分13iを形成する。このときの印刷インキについては特に限定されず、従来よりこの種の転写フィルムに一般に使用される各種の色彩を有するものが種々利用可能である。
【0026】
次いで、図5に示すように、ホログラム部分13hを形成する領域を残して、上記インキ部分13iの表面と、もともと図柄Pが配置されない領域における表面保護層12の表面とに、例えばグラビア印刷又はスクリーン印刷等によって水溶性樹脂溶液を印刷し、水溶性樹脂層15を形成する。このときの樹脂溶液としては例えば水酸化ナトリウム水溶液等による水洗いによって除去可能なものであれば特に限定されず、例えばポリビニルアルコールの樹脂溶液等が好ましく使用可能である。
【0027】
次いで、同じく図5に示すように、フィルム基材10の片面全面にわたって、すなわち上記水溶性樹脂層15の表面と、該水溶性樹脂層15及びインキ部分13iを形成しない表面保護層12の表面とにわたって金属薄膜層16を形成する。この金属薄膜層16の金属としては、該金属薄膜層16を例えば真空蒸着等によって形成可能なものであれば特に限定されず、例えばアルミニウム等が好ましく使用可能である。また、金属薄膜層16の形成方法としても、上記真空蒸着の他、スパッタリング等の公知の方法が種々使用できる。
【0028】
特に、アルミニウムからなる金属薄膜層16の場合、その層厚は、好ましくは200〜600Å、より好ましくは300〜550Å、特に好ましくは350〜450Åである。これは、次に行う水洗工程で、上記水溶性樹脂層15を、該樹脂層15上のこの金属薄膜層16と共に比較的容易に除去することを図るためである。
【0029】
次いで、これを例えば水酸化ナトリウム水溶液等を用いて水洗いする。これにより上記水溶性樹脂層15が溶解し、図6に示すように、該水溶性樹脂層15と、金属薄膜層16のうちのこの樹脂層15上に形成された部分とが一緒に除去されて、インキ部分13i独自の色彩が金属薄膜層16で鈍くなることなく鮮明な状態に維持されることになる。一方、インキ部分13i及び水溶性樹脂層15が形成されなかったホログラム部分13hにおいては金属薄膜層16が残存し、該金属薄膜層16と表面保護層12との境界面が凹凸状となって、ホログラム部分13h特有の光の乱反射効果が呈されることになる。ここにおいて、インキ部分13i及びホログラム部分13hを有し、所望の図柄Pを構成する転写層13が表面保護層12上に生成する。
【0030】
次いで、この転写層13の全面にわたって熱可塑性樹脂をコーティングし、接着層14を形成することにより、図1に例示した層構成を有する転写フィルム1が得られる。
【0031】
ここで接着層14を形成する熱可塑性樹脂としては特に限定されるものではなく、加熱及び/又は加圧した際の被印刷物への接着性が良好なものが種々利用できる。好ましい例としては、塩化ビニル−酢酸ビニル系樹脂とアクリル樹脂とのブレンド品、ポリエステル系樹脂と塩化ビニル−酢酸ビニル系樹脂とアクリル樹脂とのブレンド品、エチレン酢酸ビニル系樹脂と塩化ビニル−酢酸ビニル系樹脂とアクリル樹脂とのブレンド品等が挙げられる。
【0032】
なお、このとき、図柄の転写時において表面保護層12と接着層14との間に挟まれた転写層13にクラックが発生することを防止する観点から、接着層14は、表面保護層12と同等の熱収縮率、耐熱性、硬さ等を有するものであることが好ましい。また、両層12,14の厚さのバランスについては、表面保護層12が0.8〜1.5μmで、接着層14が1〜2μmであることが好ましい。
【0033】
本発明に係るホログラムを有する転写フィルム1を用いて、ホットスタンプ法やインモールド法等により被印刷物に図柄Pを転写することができる。例えばホットスタンプ法では、転写フィルム1の接着層14側を被印刷物の表面と接触させた状態で、フィルム基材10側からシリコーンラバー製のパッド等により転写フィルム1を被印刷物に押し付けて加熱及び加圧する。このときの転写条件は、接着層14の種類等に依存し、従来一般の顔料インキ、印刷インキを用いて製造された転写フィルムの場合と同様の転写条件であってよいが、例えば転写温度としては120〜150℃が好ましい。転写温度が150℃を越えると被印刷物表面に熱的損傷が発生する場合があるからである。
【0034】
そして、フィルム基材10を剥離することにより、被印刷物に対して変形等の熱的損傷を与えることなく、また被印刷物表面が湾曲していたり凹凸があったりしても、その表面に、接着層14、転写層13、表面保護層12を良好に転写することができ、転写層13における所望の色彩のインキ部分13iと特有の見栄えのホログラム部分13hとの組合せでなるホログラムを有する図柄Pが、ただ一回の印刷工程で、クラック等を生じさせることなく、良好に、多色刷り印刷される。その場合に、図柄Pを構成し、相互に異質の視覚的効果を有する上記両部分13i,13hの色彩領域とホログラム領域とが、重なり合うことなく、明確に仕切られて、それぞれ個別にかつ相隣接して存在しているから、図柄Pの見栄えのよさが相乗的により強調され、該図柄Pが印刷された製品の差別化、個性化が図られる。
【0035】
なお、本発明に係るホログラムを有する転写フィルムで図柄印刷できる製品としては、転写温度、転写時間等の転写条件等に合致するものであれば特に限定されず、例えばホットスタンプ法ではゴルフボールやゴルフクラブ、インモールド法では携帯電話のディスプレイ部窓枠等の樹脂射出成形品等が挙げられる。この場合、図柄の転写を行ったあとで、製品の表面全体に、透明性を有する素材からなる表面コート層をさらに付与してもよい。
【0036】
以下、実施例を通じて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0037】
【実施例】
厚さ25μmのポリエチレンテレフタレートフィルムの片面に、アクリル樹脂を用いてグラビア印刷法により離型層を形成し、次いで、この離型層上にアクリル−ウレタン系樹脂を用いて同じくグラビア印刷法により厚さ1.5μmの表面保護層を形成したのち、この表面保護層の表面全面に、エンボス加工により微細な多数の溝をランダムにきって凹凸を形成させた。
【0038】
次いで、このエンボス加工した表面保護層上に、中が塗りつぶされた直径1cmの円で数字の「1」がくり貫かれた図柄をスクリーン印刷法により黒色の印刷インキで塗布し、インキ部分とした。さらに、上記円内の「1」のくり貫き数字の部分を残して、印刷インキを塗布したインキ部分と、上記円の周囲における所定範囲内の部分とにわたって、酸化珪素を添加したポリビニルアルコール樹脂を用いて同じくスクリーン印刷法により水溶性樹脂層を形成した。
【0039】
次いで、アルミニウムを用いて真空蒸着法により厚さ450Åの金属薄膜層を全面にわたって形成したのち、水酸化ナトリウム水溶液を用いてフィルム全体を水洗いした。これにより、ポリビニルアルコール樹脂が溶解し、その水溶性樹脂層と該樹脂層上に形成された部分の金属薄膜層とを共に除去することができた。一方、水溶性樹脂層を形成しなかった上記円内の「1」の数字部分には、アルミニウムの金属薄膜層がそのまま残存し、ホログラム部分が生成した。
【0040】
そして、塩化ビニル−酢酸ビニル系樹脂とアクリル樹脂とをブレンドしたものを用いてグラビア印刷法により厚さ2μmの接着層を形成することにより、黒色の円内に金属性光沢を有する「1」の数字が描かれた図柄の転写フィルムが得られた。
【0041】
この転写フィルムを用いて、転写温度120℃、転写時間1秒の条件で、ホットスタンプ法により、プラズマ処理されたアイオノマー樹脂表面のツーピースゴルフボールに上記図柄を図7に示すように印刷したところ、ボールBの球面及びディンプルにもよく沿って図柄Pが転写され、かつゴルフボールBの表面で、「1」の数字がホログラム13hとなって輝いてみえ、しかもその周囲の円の黒色13iとの対比が鮮やかで、著しく個性化され、差別化された製品となった。
【0042】
【発明の効果】
このように本発明によれば、所望の色彩のインキ部分と、見る角度によって色相の変化する金属性光沢を呈するホログラム部分という相互に異質の外観を有する複数の部分の組合せで構成された図柄を転写することができるから、従来の製品に比べて見栄えに優れ、高級感があり、かつ個性化され、差別化された新しい製品を提供することができる。また、インキ部分とホログラム部分とを明確に仕切って印刷できるから、各部分の特徴的外観が損なわれず、視覚的効果が相乗的により強調される。さらに、一回の印刷工程で、上記のようなホログラムを有する図柄を印刷できるから、印刷工程全体が短くなり、コスト的にも有利となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るホログラムを有する転写フィルムの層構成を例示する断面図である。
【図2】 同転写フィルムの製造過程において離型層と表面保護層とを形成した段階の層構成を示す断面図である。
【図3】 同じく表面保護層の表面に凹凸を形成した段階の層構成を示す断面図である。
【図4】 同じく表面保護層の表面にインキ部分を塗布した段階の層構成を示す断面図である。
【図5】 同じく水溶性樹脂層と金属薄膜層とを形成した段階の層構成を示す断面図である。
【図6】 同じく水洗いした段階の層構成を示す断面図である。
【図7】 本発明に係るホログラムを有する転写フィルムで図柄を転写したゴルフボールの外観図である。
【符号の説明】
1 転写フィルム
10 フィルム基材
11 離型層
12 表面保護層
13 転写層
13i インキ部分
13h ホログラム部分
14 接着層
15 水溶性樹脂層
16 金属薄膜層
B 被印刷物(ゴルフボール)
P 図柄
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