JP2000126845A - 精密鋳造鋳型の造型スラリー管理方法 - Google Patents

精密鋳造鋳型の造型スラリー管理方法

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JP2000126845A
JP2000126845A JP10302166A JP30216698A JP2000126845A JP 2000126845 A JP2000126845 A JP 2000126845A JP 10302166 A JP10302166 A JP 10302166A JP 30216698 A JP30216698 A JP 30216698A JP 2000126845 A JP2000126845 A JP 2000126845A
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slurry
molding slurry
zirconia
precision casting
casting mold
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JP10302166A
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English (en)
Inventor
Atsushi Kanekawa
川 淳 金
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Daido Steel Co Ltd
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Daido Steel Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 精密鋳造鋳型の造型スラリー管理を容易かつ
正確に行うことによって精密鋳造品の表面肌品質低下を
防止する。 【解決手段】 精密鋳造鋳型の造型スラリーとしてジル
コニアフィラーと酢酸ジルコニルバインダーを使用する
場合のスラリー管理に際し、ジルコニアと上澄み液とを
分離して上澄み液の比重を測定し、測定した比重の値に
より造型スラリーの劣化度合いを管理する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、TiおよびTi合
金を鋳造する精密鋳造鋳型の造型スラリーとしてジルコ
ニアフィラーと酢酸ジルコニルバインダーを使用する場
合のスラリー管理に好適に利用される精密鋳造鋳型の造
型スラリー管理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】TiおよびTi合金は、密度に対する強
度の比、つまり比強度が大きく、耐食性にも優れている
ため、宇宙航空機器分野においてかなり古くから使用さ
れており、また、発電プラントや化学反応プラントなど
に使用されたり、自動車部品に使用されたりしており、
さらには、生体適合性にも優れているため人工骨や人工
歯根などの素材としても使用され、趣味ないしはスポー
ツの分野ではゴルフクラブのヘッドやスポーツカーのコ
ネクティングロッドなどにも使用されている。
【0003】TiおよびTi合金は、このような幅広い
用途に適しているものの、切削性や溶接性があまり良好
でないため、鋳造品として製造されることも多く、この
場合に、材料の加工代を小さくして歩留りのより一層の
向上をはかることができるように最終製品の形状に近い
形状の鋳造品とするニヤネットシェイプの技術を採用す
ることが多い。
【0004】このようなニヤネットシェイプの技術に適
合するもののひとつとして、ワックスを消失性材料とし
て用いた消失性模型を用いるロストワックス鋳造法(イ
ンベストメント鋳造法)が広く普及している。
【0005】このようなワックスに代表される消失性材
料を用いて鋳造品と同一ないしは近似する形状に成形し
た消失性模型により精密鋳造用鋳型を製造するに際して
は、消失性模型の表面に、初層造型スラリーの付着と初
層造型スタッコの付着(スタッコイングないしはサンデ
ィング)を行ったのち、バックアップ造型スラリーの付
着とバックアップ造型スタッコの付着とこれらの間での
適宜の乾燥を所要回数繰り返し実施して耐火物の積層体
を形成し、消失性材料の溶融ないしは昇華温度に加熱し
て消失性材料を除去し、その後耐火物の積層体を焼成す
ることによって、内部に製品形状と同一ないしは近似す
る形状を有する鋳造用キャビティが形成された精密鋳造
鋳型を製造するようにしていた。
【0006】そして、TiおよびTi合金のロストワッ
クス精密鋳造鋳型を製造する場合に、初層造型スラリー
中に配合される耐火物粉末としてジルコニア(ZrO
2 )フィラーを用い、バインダーとして酢酸ジルコニル
(ZrO(OH)(CH3COO)3 +nH2O)を用い
ることもあった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た初層造型スラリーとしてジルコニアフィラーと酢酸ジ
ルコニルバインダーを使用した場合において、造型スラ
リー作成後の日数の経過と共に初層造型スラリーの劣化
を生じ、とくに初層造型スラリーは鋳造時にTiおよび
Ti合金の溶湯と接触する精密鋳造鋳型のキャビティ部
分を形成するため、上述したごとく初層造型スラリーに
劣化を生じていた場合には、TiおよびTi合金精密鋳
造品の表面品質に悪影響を及ぼすことになることから、
例えば、スラリー作成後20日とか、25日とかの日数
で管理して初層造型スラリーを更新するようにしてい
た。
【0008】したがって、造型スラリー作成後の日数で
管理する場合には、十分な安全率をも確保する必要があ
ることから、未だ使用可能な状態にある初層造型スラリ
ーについても更新することになるため、無駄なコストを
必要とすることとなるので、このような無駄をなくすこ
とが望まれているという課題があった。
【0009】
【発明の目的】本発明は、このような従来の課題にかん
がみてなされたものであって、精密鋳造鋳型の造型スラ
リーとしてジルコニアフィラーと酢酸ジルコニルバイン
ダーを使用する場合に、この造型スラリーの更新を日数
で管理するのではなく、造型スラリーそれ自体の劣化度
合を検知することによって造型スラリーの更新を図るよ
うにし、未だ使用可能な状態にある造型スラリーの無駄
な更新を回避して、生産性のより一層の向上を実現する
ことを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明に係わる精密鋳造
鋳型の造型スラリー管理方法は、請求項1に記載してい
るように、精密鋳造鋳型の造型スラリーとしてジルコニ
アフィラーと酢酸ジルコニルバインダーを使用する場合
のスラリー管理に際し、ジルコニアと上澄み液とを分離
して上澄み液の比重を測定し、測定した比重の値により
造型スラリーの劣化度合いを管理するようにしたことを
特徴としている。
【0011】そして、本発明に係わる精密鋳造鋳型の造
型スラリー管理方法の実施態様においては、請求項2に
記載しているように、精密鋳造鋳型はTiおよびTi合
金のロストワックス精密鋳造鋳型であるものとすること
ができる。
【0012】同じく、本発明に係わる精密鋳造鋳型の造
型スラリー管理方法の実施態様においては、請求項3に
記載しているように、造型スラリーは初層造型スラリー
であるものとすることができる。
【0013】同じく、本発明に係わる精密鋳造鋳型の造
型スラリー管理方法の実施態様においては、請求項4に
記載しているように、ジルコニアと上澄み液との分離に
際して遠心分離を用いるようになすことができる。
【0014】
【発明の作用】精密鋳造鋳型の初層造型スラリーとして
ジルコニア(ZrO2 )フィラーと酢酸ジルコニル(Z
rO(OH)(CH3 COO)3+nH2O)バインダー
を使用する場合において、スラリー作成後の経過日数が
多くなっていて劣化していると、この初層造型スラリー
を用いて製作した精密鋳造鋳型によりTiおよびTi合
金の鋳造品を製造すると、鋳造品の表面肌が低下してく
る。
【0015】そして、従来の場合には日数管理をして初
層造型スラリーの更新を行うようにしていたが、前述し
たようにこれはあまり良好な策とは言えないので、これ
を改善すべく造型スラリー作成後の経過日数と造型スラ
リーの特性変化との関連について種々調査した。
【0016】その結果、造型スラリーを汲み取り、遠心
分離器によりジルコニア(フィラー)と上澄み液とを分
離し、日数経過による上澄み液の比重の変化を調べたと
ころ、図1に示すようにスラリー作成からの経過日数と
上澄み液比重との間に相関のあることが認められた。
【0017】これは酢酸ジルコニル主体(ZrO(O
H)(CH3COO)3 +nH2 O)の上澄み液から酢酸
分が徐々に蒸発し、ジルコニアリッチな状態に変化して
いくことから、図2に示すように上澄み液の比重が次第
に増加し、ジルコニアリッチになるためバインダーとし
ての機能が低下して鋳造品の表面肌が悪化したものにな
ると考えられた。
【0018】そこで、ジルコニアリッチになってバイン
ダーとしての機能が低下する前、すなわち、ジルコニア
濃度が所定値以下、換言すれば上澄み液の比重が所定値
以下までは初層造型スラリーを使用することとし、上澄
み液比重が所定値にまで高またところで造型スラリーの
劣化限界として更新することとした。
【0019】
【実施例】Ti−6Al−4V合金の精密鋳造鋳型の初
層造型スラリーとして、ジルコニア(ZrO2 )フィラ
ーを200重量部と酢酸ジルコニル(ZrO(OH)
(CH3 COO)3 +nH2 O)バインダーを100重
量部と界面活性剤を0.5重量部配合したものを用い、
初層造型スタッコとしてアルミナ(SiO2 )を用い、
シリカ(SiO2 )を含むバックアップスラリーの塗布
とムライト(3Al23 ・2SiO2 )を含むバック
アップスタッコの付着および乾燥を5回くり返し、最後
にシリカ(SiO2 )を含むバックアップスラリーの塗
布を行うことによって、ワックスからなる消失性模型の
表面に耐火物の積層体を形成した。
【0020】次に、上記耐火物の積層体を約180℃,
7気圧に加熱および加圧することによってワックスを除
去したのち、約1100℃に加熱して焼成することによ
って精密鋳造鋳型を製造した。
【0021】このとき、初層造型スラリーとして、スラ
リー作成後の経過日数が異なるものを意図的に使用して
それぞれ精密鋳造鋳型を製造した。
【0022】次いで、各精密鋳造鋳型を使用してTi−
6Al−4V合金の溶湯を注入して精密鋳造品を製作
し、精密鋳造品の表面肌を観察したところ、表1に示す
結果であった。
【0023】
【表1】 表1に示すように、初層造型スラリーの上澄み液の比重
が、1.35以下であれば、表面肌の良好な精密鋳造品
を得ることができたので、この実施例においては、上澄
み液の比重が1.35を超える前に新規の初層造型スラ
リーに更新することとした。
【0024】
【発明の効果】本発明による精密鋳造鋳型の造型スラリ
ー管理方法では、請求項1に記載しているように、精密
鋳造鋳型の造型スラリーとしてジルコニアフィラーと酢
酸ジルコニルバインダーを使用する場合のスラリー管理
に際し、ジルコニアと上澄み液とを分離して上澄み液の
比重を測定し、測定した比重の値により造型スラリーの
劣化度合いを管理するようにしたから、造型スラリーの
劣化を日数で管理することなく、造型スラリーそれ自体
の劣化度を直接検知することによって造型スラリーの更
新を行うこととなり、未だ使用可能な状態にある造型ス
ラリーの無駄な更新を回避することが可能であるという
著しく優れた効果がもたらされる。
【0025】そして、請求項2に記載しているように、
精密鋳造鋳型はTiおよびTi合金のロストワックス精
密鋳造鋳型であるものとすることによって、表面品質の
良好なTiおよびTi合金精密鋳造品を製造することが
可能であるという著しく優れた効果がもたらされる。
【0026】さらに、請求項3に記載しているように、
造型スラリーは初層造型スラリーであるものとすること
によって、精密鋳造品の表面品質に最も影響する初層ス
ラリーにおいて劣化したスラリーの使用を防ぐことが可
能であるという著しく優れた効果がもたらされる。
【0027】さらにまた、請求項4に記載しているよう
に、ジルコニアと上澄み液との分離に際して遠心分離を
用いるようになすことによって、ジルコニアフィラーと
上澄み液との分離が極く簡単に行えて上澄み液の比重測
定を容易かつ正確に行うことが可能であるという著しく
優れた効果がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】造型スラリー作成からの日数経過による上澄み
液比重の変化を調べた結果を例示するグラフである。
【図2】酢酸ジルコニル主体(ZrO(OH)(CH3
COO)3 +nH2O)の上澄み液から酢酸分が蒸発し
て相対的にジルコニア濃度が高まることにより上澄み液
比重が増大する相関を例示するグラフである。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 精密鋳造鋳型の造型スラリーとしてジル
    コニアフィラーと酢酸ジルコニルバインダーを使用する
    場合のスラリー管理に際し、ジルコニアと上澄み液とを
    分離して上澄み液の比重を測定し、測定した比重の値に
    より造型スラリーの劣化度合いを管理することを特徴と
    する精密鋳造鋳型の造型スラリー管理方法。
  2. 【請求項2】 精密鋳造鋳型はTiおよびTi合金のロ
    ストワックス精密鋳造鋳型である請求項1に記載の精密
    鋳造鋳型の造型スラリー管理方法。
  3. 【請求項3】 造型スラリーは初層造型スラリーである
    請求項1または2に記載の精密鋳造鋳型の造型スラリー
    管理方法。
  4. 【請求項4】 ジルコニアと上澄み液との分離に際して
    遠心分離を用いる請求項1ないし3のいずれかに記載の
    精密鋳造鋳型の造型スラリー管理方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007000927A1 (ja) 2005-06-29 2007-01-04 Nissan Chemical Industries, Ltd. 精密鋳造用スラリー及び鋳型の製造方法
US7629389B2 (en) * 2005-06-29 2009-12-08 Nissan Chemical Industries, Ltd. Production method of alkaline zirconia sol

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007000927A1 (ja) 2005-06-29 2007-01-04 Nissan Chemical Industries, Ltd. 精密鋳造用スラリー及び鋳型の製造方法
US7629389B2 (en) * 2005-06-29 2009-12-08 Nissan Chemical Industries, Ltd. Production method of alkaline zirconia sol
US7892343B2 (en) 2005-06-29 2011-02-22 Nissan Chemical Industries, Ltd. Method for manufacturing slurry and mold for precision casting

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