JP2000125780A - 無添加ペットフードの製造方法 - Google Patents

無添加ペットフードの製造方法

Info

Publication number
JP2000125780A
JP2000125780A JP10297914A JP29791498A JP2000125780A JP 2000125780 A JP2000125780 A JP 2000125780A JP 10297914 A JP10297914 A JP 10297914A JP 29791498 A JP29791498 A JP 29791498A JP 2000125780 A JP2000125780 A JP 2000125780A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
intermediate product
cooling
additive
pet food
heating
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP10297914A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3016764B1 (ja
Inventor
Oaki Yamazaki
大明 山崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NISSHOKU SHOJI KK
DoggyMan H A Co Ltd
Original Assignee
NISSHOKU SHOJI KK
DoggyMan H A Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NISSHOKU SHOJI KK, DoggyMan H A Co Ltd filed Critical NISSHOKU SHOJI KK
Priority to JP10297914A priority Critical patent/JP3016764B1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3016764B1 publication Critical patent/JP3016764B1/ja
Publication of JP2000125780A publication Critical patent/JP2000125780A/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Feed For Specific Animals (AREA)
  • Fodder In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】ペットの健康を守ることができる、添加物を添
加しないまま常温で1年以上保存できる無添加ペットフ
ードの製造方法を提供する。 【解決手段】肉類などの原料を、添加物を添加しないま
ま、粉砕、混合する粉砕・混合工程と、混合した原料を
加熱処理して得られた中間生成物を、その水分含量が約
19〜28%になるように乾燥させる工程と、中間生成
物を冷却する冷却工程と、中間生成物を密封包装する包
装工程と、中間生成物を約80〜95℃で約20〜30
分間加熱ボイルする1次加熱殺菌工程と、冷却・放置工
程と、再度、約80〜95℃で約20〜30分間加熱ボ
イルする2次加熱殺菌工程と、冷却する冷却工程とから
なる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、保存料、酸化防止
剤、防腐剤などの添加物を添加しないまま常温で1年以
上長期保存できる無添加のペットフードの製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】人の食する食品については、その流通経
路や消費者宅においても冷蔵や冷凍などで保存すること
が行われている。これに対して、ペットフードについて
は、厚生省などが衛生基準などを設けて所管・監督する
「食品」ではないため、流通経路である小売店の店頭や
消費者宅においても、常温で陳列・保存されている。例
えば、従来からペット愛好者の間で広く利用されている
棒状ペットフード(以下「ジャーキー」という)は、ホ
ームセンターなどにおいて、食べ物ではない日用品など
と一緒に棚に陳列されて販売されているのが通常であ
る。そのため、従来のジャーキーの場合は、店舗や消費
者宅において常温で長期間保存しても腐食などしないよ
うに、予め製造工程で原材料の中に添加物を添加して製
造するようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、添加物
を含むジャーキーをペットが長期間摂取し続けると、ペ
ットに様々な身体障害を発生させることが知られてお
り、ペットの健康のためには望ましくない。
【0004】本発明はこのような従来技術の課題に着目
してなされたものであって、ペットの健康を守ることが
できる、添加物を添加しないまま常温で1年以上長期保
存できる無添加ペットフードの製造方法を提供すること
を目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】以上の課題を解決するた
めの本発明による無添加ペットフードの製造方法は、肉
類などの原料を、保存料、酸化防止剤、防腐剤などの添
加物を添加しないまま、粉砕、混合する粉砕・混合工程
と、混合した原料を加熱処理して中間生成物を生成する
加熱処理工程と、前記加熱処理により得られた中間生成
物を、その水分含量が約19〜28%になるように(よ
り望ましくは、約22〜23%になるように)、且つ、
その水分活性が約0.70〜0.75になるように、乾
燥させる乾燥工程と、前記乾燥させた中間生成物を冷却
する冷却工程と、前記冷却した中間生成物を密封包装す
る包装工程と、前記密封包装した中間生成物を約80〜
95℃(より望ましくは約95℃前後)で約20〜30
分間加熱ボイルすることにより加熱殺菌する1次加熱殺
菌工程と、前記加熱殺菌した中間生成物を冷却して所定
時間放置する冷却・放置工程と、前記冷却、放置された
中間生成物を、再度、約80〜95℃で約20〜30分
間加熱ボイルすることにより加熱殺菌する2次加熱殺菌
工程と、前記2次加熱殺菌した中間生成物を冷却する冷
却工程とから成り、これにより、添加物を添加しないま
ま常温で1年以上長期保存できる無添加ペットフードを
製造することを可能にした、ことを特徴とするものであ
る。
【0006】また、本発明による無添加ペットフードの
製造方法においては、前記粉砕・混合工程は、前記原料
の中に20重量%以上の糖類を含むものであり、前記乾
燥工程は、前記中間生成物を、その水分含量が約22〜
23%になるように乾燥させることにより、水分活性を
約0.70〜0.75にするものであるのがよい。
【0007】さらに、本発明による無添加ペットフード
の製造方法においては、前記の1次加熱殺菌工程後の冷
却・放置工程は、約80〜95℃に加熱された中間生成
品を約1分間以内又は2分間以内に約5℃以下の温度ま
で急速に冷却する急冷工程を含むものであるのがよい。
【0008】
【発明の実施の形態】図1は本発明の一実施形態によ
る、添加物を一切含まない無添加のジャーキー(棒状ペ
ットフード)の製造方法を説明するための工程流れ図で
ある。本実施形態においては、まず、鮮度や異物混入の
有無などを検査した牛肉や鶏肉などの原料を粉砕して挽
肉状にする(ステップ1)。次に、この挽肉状にした原
料に植物性蛋白、調味料、糖類などを入れて、全体が均
一になるように且つ弾力が出るように混合する(ステッ
プ2)。なお、このステップ2において、前記挽肉状の
原料に添加する糖類は、ペットフードの原料全体に対す
る糖類の比率が約20重量%以上となるように、添加す
る。次に、製造ライン上で、ネットコンベア上の整形機
の中に前記の混合した原料を入れて、整形機を駆動させ
てノズルから練肉状のものを棒状に押し出し整形する
(ステップ3)。次に、この押し出し整形した棒状の中
間生成品(生の状態)を、例えば90〜95℃の熱風に
より約30分間加熱して焼き、その後規定の長さに切断
する(ステップ4)。次に、この加熱処理し切断した棒
状の中間生成品に、例えば約50〜55℃の熱風を約3
時間〜3時間30分間与え続けることにより、前記中間
生成品の水分含量が約19〜28%となるように(より
望ましくは約22〜23%となるように)、乾燥させる
(ステップ5)。
【0009】なお、前記ステップ5の乾燥工程により、
前記中間生成品の水分活性は、前記中間生成品の水分含
有量が約22〜23%であることと、前記糖類の原料全
体に対する含有比率が20重量%以上であることとが相
俟って、約0.70〜0.75の範囲になる。すなわ
ち、前述のように、本実施形態では、原料の中に糖類を
約20重量%以上含有させるようにしており、この糖類
により前記中間生成品の水分活性が低下するように調整
させられるので、前記乾燥工程で中間生成品の水分含量
を約22〜23%まで低下させるだけで、前記中間生成
品は、密閉包装した状態で常温下で1年以上の保存を可
能にするための条件である「水分活性が約0.75以
下」という条件をクリアできるようになる。なお、本実
施形態において、塩類などを使用しないで糖類により水
分活性を低下させるようにしたのは、ペットに多量の塩
分を摂取させ続けるとペットに脳血栓などによるボケ症
状などを生じさせる可能性があるからである。また、本
実施形態において、前述のように、中間生成品の水分含
量を約22〜23%(場合により、約19〜28%)ま
で低下させるに止めて、それ以上低下させないようにし
たのは、水分含量を例えば約20重量%よりも低下させ
ると、ジャーキーに水分が不足して「ペットにとって食
べにくく美味しくないもの」になってしまうからであ
る。なお、前記の中間生成品の水分含量が約19〜28
%で且つ水分活性が約0.70〜0.75という性質
は、前記中間生成品がそのまま密閉包装されて製品とな
るので、そのまま完成した製品にも引き継がれる。
【0010】次に、図1において、前記ステップ5の乾
燥工程により水分活性が約0.70〜0.75となった
中間生成品は、その後、一晩自然冷却され(ステップ
6)、製品検査を受ける(ステップ7)。この製品検査
では、色、形状、異物混入の有無などが検査される。次
に、この製品検査をパスしたものについて、コンピュー
タ・スケールによる計量後、指定の内容量で密封包装さ
れる(ステップ8)。
【0011】次に、これらの包装された製品を、重量検
査やエージレス検査などを行った後、例えば、約95℃
の熱湯釜の中で約20〜30分間だけ1次加熱殺菌する
(ステップ9)。これにより、カビや一般細菌の多くを
死滅させることができる。なお、一般に加熱殺菌におい
ては、加熱温度を高温にした方がより確実に細菌を死滅
させることができる。しかしながら、本発明者の実験に
よると、本実施形態のジャーキーの中間生成品は、前述
のように、ステップ5の乾燥工程によりその水分含量を
約19〜28%まで低下させているので、約95℃より
も高温で加熱すると内容物の変質や品質劣化が発生して
しまうことが判明した。そこで、前記の1次加熱殺菌の
温度は、約95℃以下に止めるようにした。
【0012】次に、このステップ9で1次加熱殺菌した
ものを、例えば1〜5℃の冷水に約20〜30分間浸け
る。この1〜5℃の冷水に浸ける過程で、前記1次加熱
殺菌された中間生成品は、急速に冷却される。つまり、
前記中間生成品は、例えば1分間以内に約95℃から約
5℃前後或いはそれ以下まで温度が低下するように急速
に冷却される。そして、この急速に冷却した中間生成品
は、そのまま20〜30分間、冷水に浸けておき、その
後、引き揚げて、そのまま、例えば丸一日間、放置する
(ステップ10)。その後、再度、例えば、約95℃の
熱湯釜の中で約20〜30分間だけ2次加熱殺菌する
(ステップ11)。これにより、前記の1次加熱殺菌に
よっても死滅しないまま生き残った細菌等は、ほぼ確実
に死滅させられる。
【0013】なお、前記ステップ10において、前記の
1次加熱殺菌した中間生成品を1〜5℃の冷水に20〜
30分間浸けることにより、例えば前記中間生成品が1
分間以内に約95℃から約5℃以下まで温度が低下する
ように「急速に冷却」するようにしたのは、次の理由に
よる。すなわち、1次加熱殺菌によっても死滅しなかっ
た細菌の中のかなりの部分について、この急冷工程によ
る急激な温度低下(急激な温度差に晒すこと)によっ
て、死滅させるか又は衰弱させることができると期待で
きるからである(人の場合でも、急激な温度低下に晒さ
れると心臓麻痺などを患うことがあるがそれと同じであ
る)。そして、前記の急冷工程だけでは前記細菌のかな
りの部分が死滅には至らず衰弱するに止まる場合でも、
ここで衰弱させておけば、次の2次加熱殺菌の工程でよ
り確実に死滅させることも期待できる。
【0014】また、前記ステップ10において、冷却後
に丸一日程度「放置」するようにしたのは、次の理由に
よる。すなわち、前記1次加熱殺菌の過程で、耐熱性の
芽胞菌などが殻の中に居て死滅しないで生き残った場合
に、その芽胞菌を殻の中から出さないと、つまり発芽さ
せないと、2次加熱殺菌しても死滅させることはできな
いが、前述のように例えば丸一日放置することで、その
間に芽胞菌が殻から出てくる(発芽する)ことが期待で
きるからである。前記2次加熱殺菌は、この発芽して耐
熱性が低下した細菌胞子や初発菌(機械器具などから移
動して原料に付着した菌)を死滅させることを主な目的
としている。前記ステップ11の2次加熱殺菌の後、こ
の2次加熱殺菌した製品を冷却し(ステップ12)、包
装袋の外表面に付着した水を除去・乾燥し(ステップ1
3)、最後に箱詰めして(ステップ14)、製品出荷が
行われる。
【0015】次に、本発明者が本実施形態の製造工程で
行ったジャーキーの試作例を説明する。本発明者は、ま
ず、次のような材料を用意した。 ビーフ 21.338重量% チキン 20.476重量% 植物性蛋白 18.070重量% 澱粉質 12.788重量% カルシウム 4.679重量% 天然調味料 1.497重量% 糖類 21.152重量%
【0016】そして、前記のビーフ、及びチキンなどの
材料をフローズンミートチョッパーなどの機械により粉
砕し、挽肉状にした。そして、この挽肉状にしたものと
前記の植物性蛋白、澱粉質、カルシウム、天然調味料、
及び糖類(砂糖など)などとを、合わせてバキュームカ
ッターなどの機械に入れて、それらの全体が均一になる
ように混合した。そして、この混合した中間生成品を整
形機に入れて、ノズルから棒状に押し出し整形し、所定
の長さに切断した。その後、この切断した中間生成品を
減圧乾燥機に入れて、水分含量が約19〜28%(望ま
しくは約22〜23%)になるまで乾燥させた。この乾
燥により、前記中間生成品の水分活性は0.70〜0.
75になった。次に、この中間生成品を冷却して一晩放
置した後、製品検査をパスしたもののみを密閉包装し
た。この包装した中間生成品は、内容量の重量検査を行
い、またエージレス探知器によるエージレス投入漏れチ
ェックを行った後、間けつ殺菌を行った。
【0017】この間けつ殺菌の工程では、まず、包装し
た中間生成品を約95℃下で加熱(1次加熱)し、その
後、急速に冷却して、常温で丸一日間放置し(その間に
細菌胞子を発芽させる)、その後、約95℃下で再加熱
(2次加熱)した。この再加熱(2次加熱)は、1次加
熱では死滅させられなかった耐熱性の芽胞菌や初発菌
(機械器具などから移動して原料に付着した菌)をほぼ
完全に死滅させることを目的としている。つまり、本実
施形態では、前記1次加熱で死滅させられなかった細菌
胞子を、冷水に浸けるなどして急速に冷却した後、丸一
日間放置することにより発芽させ、その発芽して耐熱性
が低下した胞子を、前記2次加熱でほぼ完全に死滅させ
るようにしている。この間けつ殺菌された中間生成品
は、冷却し、包装袋の表面を除水・乾燥した後、完成さ
れた製品として箱詰め出荷される。なお、前記の1次加
熱後の冷却については、本発明者の実験によれば、ゆっ
くり冷却する場合よりも急冷した場合の方が、前記2次
加熱により細菌を死滅させる効果はより大きかった(そ
の理由については前述したので省略する)。
【0018】なお、ここで、前述のような間けつ殺菌を
行った場合と行わなかった場合の残存細菌の数について
検査を行ったので、その検査結果を次に示す。
【0019】
【表1】
【0020】
【表2】
【0021】
【表3】
【0022】上記の表1〜3の中で、表1は、それぞれ
10分間、20分間、及び30分間、約90℃での加熱
を1回だけ行った製品と、未加熱のままの製品との計4
つの製品(つまり、いずれも間けつ殺菌は行っていない
製品)について、それらに残存する細菌の数を検査した
結果を示すものである。この表1において、1回だけ加
熱したのみで間けつ殺菌を行っていない3つの製品につ
いて「一般細菌数」の項目を見ると、いずれも、グラム
当たり約800個、同約1,100個、同約6,800
個というように、数百から数千個の細菌数が検出されて
いる。また、未加熱の製品について「一般細菌数」の項
目を見ると、同様に、グラム当たり約8,100個の細
菌数が検出されている。
【0023】他方、表2及び表3は、いずれも、約90
℃で約20分間の加熱をした後に急速冷却し更に約90
℃で約20分間の加熱をするという間けつ殺菌を行った
製品について、それらに残存している細菌数を検査した
結果を示すものである。この表2及び表3を見ると、い
ずれも、その「一般細菌数(生菌数)」は、グラム当た
り300個以下となっており、ほとんどゼロという結果
になっている。上記の表2及び表3の検査対象となった
「約90℃で約20分間の加熱をした後に急速冷却し更
に約90℃で約20分間の加熱をするという間けつ殺菌
を行った製品」は、残存する細菌数がゼロかほぼゼロで
あるため、密閉包装した状態のままならば、常温で1年
以上の長期保存が可能となる。
【0024】なお、以上の実施形態では、ジャーキー
(棒状ペットフード)の製造方法について説明している
が、本発明はこれに限られるものではなく、棒状の形状
以外の様々な形状を有するペットフードにも適用できる
ことは勿論である。
【0025】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明による無
添加ペットフードの製造方法によれば、製品の水分含量
が約19〜28%(より望ましくは約22〜23%)に
なるようにし且つ製品の水分活性が0.70〜0.75
になるようにすると共に、中間生成品の密閉包装後に、
1次加熱殺菌を行い、その後、冷却(望ましくは急速冷
却)・放置した後更に2次加熱殺菌を行って、残存する
細菌数をほぼゼロに近い数まで減らすようにしているの
で、防腐剤や酸化防止剤などの添加物を添加しないまま
でも、密閉包装されたままなら常温で1年間以上長期保
存できる、ペットの健康に良い無添加のペットフードを
製造することが可能になる。
【0026】また、本発明においては、前記粉砕・混合
工程において、原料の中に約20重量%以上の糖類を含
めるようにすることにより、中間生成品の水分含量を2
2〜23%にしたままそれ以上低下させないでも、前記
の20重量%以上含まれる糖類が水分活性調整の役割を
果たすため、前記中間生成品を、その水分活性が0.7
0〜0.75とすること(ペットフードの常温での一年
間保存の条件である「水分活性0.75以下」とするこ
と)が、可能になる。また、前述のように、本発明で
は、糖類を原料全体の20重量%以上含めることにより
水分活性を調整するようにしているので、例えば塩分を
原料の中に多量に含めて水分活性を調整する場合と比べ
て、「ペットが塩分を摂取し過ぎて、脳血栓などの病気
を発生させてしまう」などの不都合を生じる心配がな
い。
【0027】さらに、本発明においては、前記の1次加
熱殺菌工程後の冷却・放置工程において、約80〜95
℃に加熱された中間生成品を約1〜2分間以内に約5℃
以下の温度まで急速に冷却する急冷工程を含むようにす
ることにより、前記1次加熱殺菌によっても死滅しなか
った細菌の中のかなりの部分について、この急冷工程に
よる急激な温度低下(急激な温度差に晒すこと)によっ
て、死滅させるか又は衰弱させることができるようにな
る(人の場合でも、急激な温度低下に晒されると心臓麻
痺などを患うことがあるがそれと同じである)。また、
仮に、前記の急冷工程だけでは前記細菌のかなりの部分
が死滅には至らず衰弱するに止まる場合でも、この急冷
工程で衰弱させておくことにより、次の2次加熱殺菌の
工程においてより確実に死滅させることが、期待できる
ようになる。
【0028】なお、本発明に関連する先行技術として、
例えば、特公昭60−17501号公報(「保存性の良
い食品の製造法」)や特公昭63−32424号公報
(「保存性を有する早もどり生パスタ類の製造方法」)
が存在している。前者は、水分活性を0.82〜0.9
0に保つこと、pHを4.5〜5.0に調整すること、
及び容器密封状態で温度60〜65℃で加熱殺菌するこ
となどにより「人の食する流動食品」の保存性を高める
ことを内容としている。また、後者は、水分含量が26
±4%になるまで乾燥すること、及び密封袋を70〜7
5℃に加熱することなどにより「人の食する生パスタ
類」の保存性と食味を高めることを内容としている。し
かしながら、これらの2つの公報はいずれも「人が食す
る食品」に関するものであるから、本発明が対象する
「ペット用の飼料」とは基本的性格が異なっておりその
まま適用することはできないし実際にも行われていな
い。人とペットでは、体質も嗜好も異なるし、企業活動
上も「食品」は厚生省の厳格な基準の下で製造される必
要があるのに対して「飼料」にはそのような厳格な基準
は無いからである。また、上記の2つの公報には、本発
明のような間けつ殺菌により細菌を死滅させて常温での
長期保存を可能にすることは、全く開示されていない。
さらに、上記の2つの公報に開示されている水分活性の
値や加熱温度などは、本発明と大きく異なっているが、
これは、これらの2つの公報に開示された技術の対象が
「人が食する流動食品や生パスタ類」であることからく
るものである。「ペットフード」は、「人が食する流動
食品や生パスタ類」などとは基本的に異なる性質を有し
ており、本発明における水分含量の値、水分活性の値、
加熱殺菌の温度値、加熱殺菌の時間などの条件や間けつ
殺菌の具体的方法は、本発明者が様々な実験を繰り返し
た上で、最適なものとして見出されたものである。以上
より、上記の2つの公報が本発明の進歩性を否定するも
のにはなり得ないことは、明らかである。
【0029】また、前記の2つの公報には、本発明の
「原料の中に約20重量%以上の糖類を含めるようにす
ることにより、中間生成品の水分含量を22〜23%に
したままそれ以上低下させない(ペットフードの水分含
量が22%よりも少なくなるとペットフードの水気が少
なくなりパサパサして食べにくくなるので、前記水分含
量は22%以上とするのがベターである)場合でも、前
記の20重量%以上含まれる糖類が水分活性調整の役割
を果たすため、前記中間生成品を、その水分活性が0.
70〜0.75とする(ペットフードの常温での一年間
保存の条件である「水分活性0.75以下」とするこ
と)ことができるようになる」という技術思想は、全く
開示されておらず、その示唆も無い。よって、この点で
も、上記の2つの公報は本発明の進歩性を否定するもの
ではない。
【0030】さらに、前記の2つの公報には、本発明の
「1次加熱殺菌工程後の冷却・放置工程において、約8
0〜95℃に加熱された中間生成品を約1分間以内(又
は2分間以内)に約5℃以下の温度まで急速に冷却する
急冷工程を含むようにすることにより、前記1次加熱殺
菌によっても死滅しなかった細菌について、前記急冷工
程による急激な温度低下(急激な温度差)に晒すことに
でそのかなりの部分を死滅させるか又は衰弱させること
ができるようにし、その後の2次加熱殺菌工程でより確
実にほぼ全ての細菌を死滅させることができるようにす
る」という技術思想は、全く開示されておらず、その示
唆も無い。よって、この点からも、上記の2つの公報は
本発明の進歩性を否定するものではないことは明らかで
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による無添加ペットフードの製造工程
の流れを示すフローチャートである。
【手続補正書】
【提出日】平成11年9月30日(1999.9.3
0)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正内容】
【0005】
【課題を解決するための手段】以上の課題を解決するた
めの本発明による無添加ペットフードの製造方法は、肉
類などの原料を、保存料、酸化防止剤、及び防腐剤を添
加しないまま、粉砕、混合する粉砕・混合工程と、混合
した原料を加熱処理して中間生成物を生成する加熱処理
工程と、前記加熱処理により得られた中間生成物を、そ
の水分含量が約19〜28%になるように(より望まし
くは、約22〜23%になるように)、且つ、その水分
活性が約0.70〜0.75になるように、乾燥させる
乾燥工程と、前記乾燥させた中間生成物を冷却する冷却
工程と、前記冷却した中間生成物を密封包装する包装工
程と、前記密封包装した中間生成物を約80〜95℃
(より望ましくは約95℃前後)で約20〜30分間加
熱ボイルすることにより加熱殺菌する1次加熱殺菌工程
と、前記加熱殺菌した中間生成物を冷却して所定時間放
置する冷却・放置工程と、前記冷却、放置された中間生
成物を、再度、約80〜95℃で約20〜30分間加熱
ボイルすることにより加熱殺菌する2次加熱殺菌工程
と、前記2次加熱殺菌した中間生成物を冷却する冷却工
程とから成り、これにより、保存料、酸化防止剤、及び
防腐剤を添加しないまま常温で1年以上長期保存できる
無添加ペットフードを製造することを可能にした、こと
を特徴とするものである。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0025
【補正方法】変更
【補正内容】
【0025】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明による無
添加ペットフードの製造方法によれば、製品の水分含量
が約19〜28%(より望ましくは約22〜23%)に
なるようにし且つ製品の水分活性が0.70〜0.75
になるようにすると共に、中間生成品の密閉包装後に、
1次加熱殺菌を行い、その後、冷却(望ましくは急速冷
却)・放置した後更に2次加熱殺菌を行って、残存する
細菌数をほぼゼロに近い数まで減らすようにしているの
で、保存料、酸化防止剤、及び防腐剤を添加しないまま
でも、密閉包装されたままなら常温で1年間以上長期保
存できる、ペットの健康に良い無添加のペットフードを
製造することが可能になる。
フロントページの続き Fターム(参考) 2B005 AA02 2B150 AA06 AE01 AE06 AE28 AE29 BA01 BA04 BA05 BD01 BD06 BE01 BE02 BE04 CD02 DC14

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 肉類などの原料を、保存料、酸化防止
    剤、防腐剤などの添加物を添加しないまま、粉砕、混合
    する粉砕・混合工程と、 混合した原料を加熱処理して中間生成物を生成する加熱
    処理工程と、 前記加熱処理により得られた中間生成物を、その水分含
    量が約19〜28%になるように、且つ、その水分活性
    が約0.70〜0.75になるように、乾燥させる乾燥
    工程と、 前記乾燥させた中間生成物を冷却する冷却工程と、 前記冷却した中間生成物を密封包装する包装工程と、 前記密封包装した中間生成物を約80〜95℃で約20
    〜30分間加熱ボイルすることにより加熱殺菌する1次
    加熱殺菌工程と、 前記加熱殺菌した中間生成物を冷却して所定時間放置す
    る冷却・放置工程と、 前記冷却、放置された中間生成物を、再度、約80〜9
    5℃で約20〜30分間加熱ボイルすることにより加熱
    殺菌する2次加熱殺菌工程と、 前記2次加熱殺菌した中間生成物を冷却する冷却工程
    と、から成り、これにより、添加物を添加しないまま常
    温で1年以上長期保存できるペットフードを製造するこ
    とを可能にした、ことを特徴とする無添加ペットフード
    の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 前記粉砕・混合工程は、前記原料の中に20重量%以上
    の糖類を含むものであり、 前記乾燥工程は、前記中間生成物を、その水分含量が約
    22〜23%になるように乾燥させることにより、水分
    活性を約0.70〜0.75にするものである、ことを
    特徴とする無添加ペットフードの製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2において、 前記の1次加熱殺菌工程後の冷却・放置工程は、約80
    〜95℃に加熱された中間生成品を約1分間以内又は2
    分間以内に約5℃以下の温度まで急速に冷却する急冷工
    程を含むものである、ことを特徴とする無添加ペットフ
    ードの製造方法。
JP10297914A 1998-10-20 1998-10-20 無添加ペットフードの製造方法 Expired - Fee Related JP3016764B1 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10297914A JP3016764B1 (ja) 1998-10-20 1998-10-20 無添加ペットフードの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10297914A JP3016764B1 (ja) 1998-10-20 1998-10-20 無添加ペットフードの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP3016764B1 JP3016764B1 (ja) 2000-03-06
JP2000125780A true JP2000125780A (ja) 2000-05-09

Family

ID=17852736

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10297914A Expired - Fee Related JP3016764B1 (ja) 1998-10-20 1998-10-20 無添加ペットフードの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3016764B1 (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005224108A (ja) * 2004-02-10 2005-08-25 Yamahisa:Kk ペット用スナックフード
WO2006001061A1 (ja) * 2004-06-25 2006-01-05 Norichika Kouno ペットフード製造方法
JP2008546375A (ja) * 2005-06-14 2008-12-25 ディーダブリューシー ハーメティカ ピーティーワイ リミテッド 冷蔵食物の貯蔵期間を改善する方法
CN101971996A (zh) * 2010-09-29 2011-02-16 成都希望食品有限公司 肉制品加工方法
JP4911397B1 (ja) * 2011-02-08 2012-04-04 国立大学法人鳥取大学 ペットフードの製造装置及びペットフードの製造方法
JP2012161312A (ja) * 2012-01-04 2012-08-30 Tottori Univ ペットフードの製造装置及びペットフードの製造方法
KR101620734B1 (ko) 2014-11-12 2016-05-23 조향선 스피루리나 (Spirulina)를 이용한 사료용 파우더 및 그 제조방법
JP2018110577A (ja) * 2017-01-06 2018-07-19 有限会社アリギス 間欠滅菌による食品滅菌装置、間欠滅菌方法及び食品

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005224108A (ja) * 2004-02-10 2005-08-25 Yamahisa:Kk ペット用スナックフード
WO2006001061A1 (ja) * 2004-06-25 2006-01-05 Norichika Kouno ペットフード製造方法
JPWO2006001061A1 (ja) * 2004-06-25 2007-08-02 勲史 河野 ペットフード製造方法
JP2008546375A (ja) * 2005-06-14 2008-12-25 ディーダブリューシー ハーメティカ ピーティーワイ リミテッド 冷蔵食物の貯蔵期間を改善する方法
CN101971996A (zh) * 2010-09-29 2011-02-16 成都希望食品有限公司 肉制品加工方法
JP4911397B1 (ja) * 2011-02-08 2012-04-04 国立大学法人鳥取大学 ペットフードの製造装置及びペットフードの製造方法
US9095170B2 (en) 2011-02-08 2015-08-04 National University Corporation Tottori University Apparatus and method for manufacturing pet food
JP2012161312A (ja) * 2012-01-04 2012-08-30 Tottori Univ ペットフードの製造装置及びペットフードの製造方法
KR101620734B1 (ko) 2014-11-12 2016-05-23 조향선 스피루리나 (Spirulina)를 이용한 사료용 파우더 및 그 제조방법
JP2018110577A (ja) * 2017-01-06 2018-07-19 有限会社アリギス 間欠滅菌による食品滅菌装置、間欠滅菌方法及び食品

Also Published As

Publication number Publication date
JP3016764B1 (ja) 2000-03-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CA2036201C (en) Method of preparing shelf stable, filled dough food products
US4158706A (en) Food preservation
DE69628307T2 (de) Verfahren zur herstellung von in der schale pasteurisierten hühnereiern
CA1334264C (en) Method for preparing and preserving fresh pasta
US4898744A (en) Method for preparing and preserving filled pasta products
JP3016764B1 (ja) 無添加ペットフードの製造方法
Stephen et al. Avocado (Persea americana Mill.) fruit: Nutritional value, handling and processing techniques, and health benefits
US3903313A (en) Method for preparing meat and vegetable sticks
CN101352204B (zh) 一种宠物用软肉食品及其加工方法
US2760868A (en) Method of preparing a precooked pork sausage
US20220061344A1 (en) Vegetable conservation process
KR101875177B1 (ko) 식감이 개선된 재구성 건조육 및 그의 제조방법
KR100292828B1 (ko) 위생적, 영양적으로 안전한 분쇄육 제품
KR101130515B1 (ko) 상온에서 유통 가능한 연제품의 최적 살균방법 및 이를 이용한 레토르트 연제품의 제조방법
JPS63167752A (ja) パスタ製品の製造方法
CN111629596B (zh) 包装烤鱼肉片及其制造方法
US3411922A (en) Method of producing boneless cooked chicken breasts in cans
JP7190525B2 (ja) 米飯様食品およびその製造方法
JP2944987B1 (ja) 鶏卵加工食品の製造方法
Tepmuangkhun et al. Using polypropylene bags for long-term storage of smoked dried freshwater garfish Xenentodon cancila (Hamilton, 1822).
KR100370620B1 (ko) 닭고기를 이용한 소시지 제조방법
NL2019087B1 (en) Meat snack and method of making said meat snack
KR20070023296A (ko) 치즈순대의 제조방법
CA1054434A (en) Food preservation with dihydroxy acetone and an antimycotic agent
KR101799677B1 (ko) 증숙고구마의 제조방법

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees