JP2000125293A - ウェーブレット復号化装置及び方法 - Google Patents

ウェーブレット復号化装置及び方法

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JP2000125293A JP29401198A JP29401198A JP2000125293A JP 2000125293 A JP2000125293 A JP 2000125293A JP 29401198 A JP29401198 A JP 29401198A JP 29401198 A JP29401198 A JP 29401198A JP 2000125293 A JP2000125293 A JP 2000125293A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 変換方式にウェーブレット変換を用いて圧縮
符号化がなされた画像信号を、任意有理数の解像度でデ
コード(復号化)可能とする。 【解決手段】 符号化ビットストリーム100をエント
ロピー復号化して量子化係数を送出するエントロピー復
号化部1と、量子化係数101を逆量子化して変換係数
102を送出する逆量子化部2と、変換係数102を所
定の方法でスキャニングして変換係数を並び換える変換
係数逆スキャニング部3と、変換係数103を逆変換し
て復号画像を供するウェーブレット逆変換部4とを備
え、ウェーブレット逆変換部4は、解像度変換倍率に応
じて変換係数の帯域制限手段を有し、所定の解像度変換
倍率に応じてアップサンプラ、ダウンサンプラ、合成フ
ィルタの何れか又は複数を適応的に構成してなる備えて
なる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、画像の効率的伝送
もしくは蓄積を行うシステムに供することのできるもの
であり、特に、ウェーブレット変換符号化を用いて符号
化されたビットストリームを入力して、任意の有理数倍
の解像度変換を伴う復号化を実現するウェーブレット復
号化装置及び方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の代表的な画像圧縮方式としては、
ISO(Internatioal Organizationfor Standardizati
on)によって標準化されたJPEG(Joint Photograph
ic Coding Experts Group)方式がある。これはDCT
(discrete cosine transform)を用いて主に静止画像
信号を圧縮符号化する方式であり、比較的高いビットが
割り当てられる場合には良好な符号化・復号画像を供す
ることが知られている。しかし、当該DCTの場合、あ
る程度符号化ビット数を少なくすると、DCT特有のブ
ロック歪みが顕著になり、主観的に劣化が目立つように
なる。
【0003】これとは別に、最近は、フィルタバンクと
呼ばれるハイパスフィルタとローパスフィルタを組み合
わせたフィルタを用いて画像信号を複数の帯域に分割
し、それらの各帯域毎に符号化を行う方式の研究が盛ん
になっている。その中でも、ウェーブレット符号化は、
DCTにて問題になる高圧縮でブロック歪みが顕著にな
る、という欠点が無いことから、DCTに代わる新たな
技術として有力視されている。
【0004】現在の電子スチルカメラやビデオムービ等
の製品では、画像圧縮方式にJPEGやMPEG(Movi
ng Picture image coding Experts Group)を使用し、
変換方式にDCTを用いているが、今後は、上記ウェー
ブレット変換をベースにした変換方式を採用した製品が
市場に出現するものと推測される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、符号化方式
の効率向上のための検討は各研究機関で盛んに行われて
いるが、ウェーブレット変換の特徴を生かした具体的な
製品化を目指した発明は未だ少ない。
【0006】また、従来の解像度変換を伴ったウェーブ
レット復号化では、その性質上、2のべき乗分の1でし
か解像度を縮小することができない。これは、通常のウ
ェーブレット変換が2分割フィルタバンクを用いている
ことに起因している。従って、復号化過程における合成
フィルタバンクでは、2のべき乗分の1でしか低域成分
を合成できないことになり、このため、復号画像の縮小
率は2のべき乗分の1に制限されている。
【0007】一方で、原画像の解像度が大きくなると、
2のべき乗分の1以外の解像度でデコードする要求も増
えて来ると考えられる。すなわち、2のべき乗分の1だ
けでなくそれ以外も含む任意有理数の解像度でデコード
(復号化)することができるようになれば、端末側の制
約条件に左右されることが無くなるため、非常に用途が
広まると考えられる。
【0008】そこで、本発明はこのような状況に鑑みて
なされたものであり、変換方式にウェーブレット変換を
用いて圧縮符号化がなされた画像信号を、端末側の制約
条件に左右されること無く、任意有理数の解像度でデコ
ード(復号化)可能とし、その結果として、例えば電子
スチルカメラやプリンタ等で多用されるいわゆるサムネ
イル画像や原画像を解像度変換した画像(縮小した画
像)の記憶・表示を効率的に行えるようにし、各種の製
品への使用用途を大幅に広げることを可能とする、ウェ
ーブレット復号化装置及び方法を提供することを目的と
する。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明のウェーブレット
復号化装置及び方法は、符号化ビットストリームをエン
トロピー復号化して量子化係数を送出し、量子化係数を
逆量子化して変換係数を送出し、変換係数を所定の方法
でスキャニングして変換係数を並び換え、並び換えられ
た変換係数を逆変換して復号画像を生成し、ウェーブレ
ット逆変換の際には、解像度変換倍率に応じて変換係数
の帯域制限を行うと共に、所定の解像度変換倍率に応じ
てアップサンプリング、ダウンサンプリング、合成フィ
ルタリングを適応的に行うことにより、上述した課題を
解決する。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の好ましい実施の形態につ
いて、図面を参照しながら説明する。
【0011】本発明実施の形態は、画像の効率的伝送も
しくは蓄積を行うシステムに好適なものであり、特にウ
ェーブレット変換符号化を用いて符号化されたビットス
トリームを入力して、任意の有理数倍の解像度変換を伴
う復号化を実現するウェーブレット復号化装置及び方法
を実現するものである。具体的な応用例としては、電子
カメラ、携帯・移動体画像送受信端末(PDA)、プリ
ンタ、衛星画像、医用画像等の圧縮・伸張器またはその
ソフトウェアモジュール、ゲーム、3次元CGで用いる
テクスチャの伸張器またはそのソフトウェアモジュール
等がある。
【0012】図1には、本発明のウェーブレット復号化
装置及び方法が適用される一実施の形態のウェーブレッ
ト復号化装置の全体構成を示す。
【0013】この図1に示す本発明実施の形態のウェー
ブレット復号化装置は、符号化ビットストリーム100
をエントロピー復号化するエントロピー復号化部1と、
量子化係数101を逆量子化して変換係数102を送出
する逆量子化部2と、変換係数102を所定の方法でス
キャニングして並び換えた変換係数103を送出する変
換係数逆スキャニング部3と、並び換えられた変換係数
103を逆変換して復号画像104を供するウェーブレ
ット逆変換部4とを備えてなるものである。
【0014】より具体的に説明すると、エントロピー復
号化部1は、ウェーブレット符号化装置または符号化モ
ジュールより送出された符号化ビットストリーム100
に対して所定のエントロピー復号化を行う。ここで、エ
ントロピー復号化としては、一般的に用いられているハ
フマン復号化や算術復号化を用いれば良い。但し当然で
あるが、ウェーブレット符号化装置等で行われたエント
ロピー符号化処理と対応する手法を行う必要がある。
【0015】逆量子化部2は、エントロピー復号化部1
により復号化されて出力された量子化係数101を逆量
子化して変換係数102を出力する。この逆量子化部2
も、ウェーブレット符号化装置で行われた量子化処理と
表裏一体の動作を行う必要がある。
【0016】変換係数逆スキャニング部3は、逆量子化
部2で得られた変換係数102を並び換えて、新たな変
換係数103を出力する。ここでの逆スキャニング方法
は、ウェーブレット符号化装置で行われたスキャニング
処理の逆処理を行うことになる。
【0017】ウェーブレット逆変換部4は、変換係数1
03を逆変換して最終的な復号画像信号104を供す
る。
【0018】ここで、本発明実施の形態のウェーブレッ
ト復号化装置では、上記ウェーブレット逆変換部4に、
所定の解像度変換倍率に応じて変換係数の帯域を適応的
に制限する帯域制限手段を設け、さらにアップサンプ
ラ、ダウンサンプラ及び合成フィルタの何れか又は複数
を適応的に配置することにより、任意の有理数倍率に解
像度変換を行う機能を実現している。
【0019】本実施の形態のウェーブレット復号化装置
における上記任意有理数倍率の解像度変換処理のための
構成及び動作の詳細な説明を行う前に、図2〜図6を用
いて通常のウェーブレット変換処理及びウェーブレット
逆変換処理のための構成及び動作について以下に説明す
る。
【0020】図2には、通常のウェーブレット符号化装
置の基本的構成を示す。
【0021】図2に示すウェーブレット符号化装置は、
ウェーブレット変換部5と、変換係数スキャニング部6
と、量子化部7と、エントロピー符号化部8を、その基
本構成要素として有する。
【0022】ウェーブレット変換部5は、入力された画
像信号105をウェーブレット変換してその変換係数1
06を出力する。変換係数スキャニング部6は、ウェー
ブレット変換部5からの変換係数106を並び換えて、
新たな変換係数107を出力する。なお、前記図1の変
換係数逆スキャニング部3でのスキャニングは、当該変
換係数スキャニング部6でのスキャニングの反対の並び
換え処理である。
【0023】量子化部7は、変換係数スキャニング部6
から供給された変換係数107を量子化し、その量子化
係数108を出力する。なお、前記図1の逆量子化部2
での処理は、当該量子化部7での処理と対を成すもので
ある。
【0024】エントロピー符号化部8は、量子化部7か
ら供給された量子化係数108に所定のエントロピー符
号化を施し、その符号化ビットストリーム100を出力
する。なおここでのエントロピー符号化としては、一般
的に用いられているハフマン符号化や算術符号化を用い
れば良く、前記図1のエントロピー復号化部1での処理
は、当該エントロピー符号化部8での処理と対応してい
る。
【0025】図3には、通常のウェーブレット変換処理
を行う構成を示す。この図3の構成は、幾つかある手法
の中で最もポピュラーなウェーブレット変換処理である
オクターブ分割を複数レベルに渡って行う場合の構成例
である。なお、図3の場合はレベル数が3(レベル1〜
レベル3)であり、画像信号を低域と高域に分割し、且
つ低域成分のみを階層的に分割する構成を取っている。
また、図3では、便宜上、1次元の信号(例えば画像の
水平成分)についてのウェーブレット変換処理を例に挙
げているが、これを2次元に拡張することで2次元画像
信号に対応することができる。
【0026】図3において、入力画像信号105は、先
ず分析用ローパスフィルタ81と分析用ハイパスフィル
タ82とによって帯域分割され、得られた低域側の信号
113と高域側の信号119は、それぞれ対応するダウ
ンサンプラ83,84によって解像度が2分の1倍に間
引かれる(レベル1)。
【0027】上記ダウンサンプラ83,84からの出力
のうち、低域側の信号114は分析用ローパスフィルタ
85と分析用ハイパスフィルタ86によってさらに帯域
分割される。これら帯域分割により得られた信号11
6,115はさらにダウンサンプラ87,88によって
解像度がそれぞれ2分の1倍に間引かれる(レベル
2)。
【0028】上記ダウンサンプラ87,88からの出力
のうち、低域側の信号117は分析用ローパスフィルタ
89と分析用ハイパスフィルタ90によってさらに帯域
分割される。これら帯域分割により得られた信号11
9,118はさらにダウンサンプラ91,92によって
解像度がそれぞれ2分の1倍に間引かれる(レベル
3)。
【0029】このような処理を所定のレベルまで行うこ
とで、低域側の信号を階層的に帯域分割した各帯域の信
号が順次生成されていくことになる。図3の例では、レ
ベル3まで帯域分割した結果、LLL信号109、LL
H信号110、LH信号111、H信号112が生成さ
れていることを示している。なお、上記LLL信号10
9やLLH信号110のLは低域成分であることを表
し、Hは高域成分であることを表している。
【0030】図4には、レベル2まで2次元画像を帯域
分割した結果得られる帯域成分を図示する。ただし、こ
の図4でのL及びHの表記法は1次元信号を扱った図3
とは異なる。なお、図4中のLLは水平・垂直成分が共
にL(低域)であること、LHは水平成分がH(高域)
で垂直成分がL(低域)であることを意味している。ま
た、図中のX_SIZEは垂直方向(X方向)の解像度
を、Y_SIZEは水平方向(Y方向)の解像度を意味
している。
【0031】すなわちこの図4において、2次元の原画
像は、先ずレベル1の帯域分割(水平・垂直方向)によ
り4つの成分LL、LH、HL、HHに分けられ、次い
で、LL成分は、レベル2の帯域分割(水平・垂直方
向)により更に4つの成分LLLL、LLHL、LLL
H、LLHHに分けられる。
【0032】図5には、図4の帯域分割を実際の画像に
応用した場合の画像例を示しており、この図5から、画
像は低域の成分にその大部分の情報が含まれていること
がわかる。
【0033】次に、図6には、解像度変換の動作を行わ
ない通常のウェーブレット逆変換処理を行う構成を示
す。
【0034】図3で説明したウェーブレット変換部の出
力である各帯域成分(LLL信号109、LLH信号1
10、LH信号111、H信号112)のうち、LLL
信号109及びLLH信号110は、それぞれアップサ
ンプラ9,11によって2倍の解像度にアップサンプル
される。
【0035】上記アップサンプラ9にてLLL信号10
9をアップサンプルして生成された信号は合成用ローパ
スフィルタ10により、また、アップサンプラ11にて
LLH信号110をアップサンプルして生成された信号
は合成用ハイパスフィルタ12によって、それぞれフィ
ルタリングされて加算器13に送られる。
【0036】加算器13では、両者の信号を帯域合成す
る。ここまでの処理により、上記レベル3の逆変換が完
了する。
【0037】以下同様に、上述の処理をレベル1まで繰
り返すことで、最終的な逆変換後の復号画像104が出
力されることになる。
【0038】すなわち、加算器13の出力信号は、更に
アップサンプラ14にて2倍の解像度にアップサンプル
された後、合成用ローパスフィルタ15にてフィルタリ
ングされて加算器18に送られる。
【0039】また、LH信号111は、アップサンプラ
16によって2倍の解像度にアップサンプルされた後、
合成用ハイパスフィルタ17にてフィルタリングされて
加算器18に送られる。
【0040】加算器18では、合成用ローパスフィルタ
15と合成用ハイパスフィルタ17からの両者の信号を
帯域合成する。ここまでの処理により、上記レベル2の
逆変換が完了する。
【0041】この加算器18の出力信号は、更にアップ
サンプラ19にて2倍の解像度にアップサンプルされた
後、合成用ローパスフィルタ20にてフィルタリングさ
れて加算器23に送られる。
【0042】また、H信号112は、アップサンプラ2
1によって2倍の解像度にアップサンプルされた後、合
成用ハイパスフィルタ22にてフィルタリングされて加
算器23に送られる。
【0043】加算器23では、合成用ローパスフィルタ
20と合成用ハイパスフィルタ22からの両者の信号を
帯域合成する。ここまでの処理により、上記レベル1の
逆変換が完了する。
【0044】以上が、通常のウェーブレット変換処理及
びウェーブレット逆変換処理の基本構成及び基本動作で
ある。
【0045】ところで、上記図6において、LLL信号
109そのものは、原画像の8分の1の縮小画像に相当
する。また、アップサンプラ9で2倍にアップサンプル
され、さらに合成用ローパスフィルタ10を通過したレ
ベル3の低域側の信号120と、同じくアップサンプラ
11で2倍にアップサンプルされ、さらに合成用ハイパ
スフィルタ12を通過したレベル3の高域側の信号12
1とを、加算器13で帯域合成した信号122は、原画
像の4分の1の縮小画像に相当する。同様に、レベル2
の加算器18の出力信号123は、原画像の2分の1の
縮小画像に相当する。
【0046】したがって、それらLLL信号109や信
号122,123を取り出せば、2のべき乗分の1の縮
小画像を生成できることになる。なお、他のレベル数で
あっても同様な方法で2のべき乗分の1の縮小画像を生
成できる。
【0047】図7は、上記図6の各入力信号(LLL信
号109、LLH信号110、LH信号111、H信号
112)の帯域分割特性を示したものである。ここで本
発明は、ディジタル信号を対象としているので、図7に
おいて、横軸は0、2πに近づくほど低域成分を、πに
近づくほど高域成分を示していることになる。また、図
6における各信号109,122,123に対応する各
縮小画像、及び原解像度の復号画像信号104は、それ
ぞれ図7に示したような帯域幅を有しており、このこと
から復号画像の縮小率と各画像における帯域幅の占有率
(帯域占有率)とは一致していることがわかる。
【0048】したがって、例えば任意有理数倍の縮小変
換を行うためには、その縮小率に見合った帯域幅を抽出
する必要がある。しかし、図7の帯域分割特性からもわ
かるように、ウェーブレット変換・逆変換ではその性質
上、2のべき乗分の1の帯域占有率でしか帯域幅を合成
できない。
【0049】このようなことから、図1に示したウェー
ブレット復号化装置のウェーブレット逆変換部4では、
その縮小率を規範として制限すべき帯域を決定し、その
決定の際には、当該縮小率で与えられる有効帯域幅とウ
ェーブレット逆変換の際に用いる帯域幅との差が最小と
なるようにすることで、上述したような縮小率に見合っ
た帯域幅の抽出と、任意有理数倍の縮小変換を実現して
いる。
【0050】本発明実施の形態の第1の具体例では、任
意有理数倍の解像度変換の一例として、3分の1の縮小
変換を伴うウェーブレット逆変換について説明する。
【0051】先に述べたように、縮小率が3分の1であ
る場合には、帯域占有率も3分の1にしなければならな
い。つまり、図8に示すように、帯域128の帯域幅を
抽出する必要がある。この場合、先ずLH信号111に
対して帯域制限処理を行って、図8における帯域124
(斜線部)を取り出し、これと帯域122を合成すれ
ば、上記3分の1の帯域128の抽出が可能となる。
【0052】図9には、当該第1の具体例として、前記
の処理を実現する3分の1の縮小変換を伴うウェーブレ
ット逆変換部4の概略構成を示す。なお、この図9の構
成において、前記図6と同じ構成要素には図6と同一の
指示符号を付している。また、図9中の点線にて示す高
域側の経路は、図6に示した通常のウェーブレット復号
化装置には設けられている経路であるが、本実施の形態
のウェーブレット復号化装置では省略された経路を表し
ている。
【0053】すなわち図9に示す第1の具体例のウェー
ブレット逆変換部4において、LLL信号109及びL
LH信号110は、それぞれアップサンプラ9,11に
よって2倍の解像度にアップサンプルされ、さらにそれ
ぞれ対応する合成用ローパスフィルタ10と合成用ハイ
パスフィルタ12によりフィルタリングされた後、加算
器13にて両者の信号が帯域合成される。当該加算器1
3での帯域合成により得られた信号122(図8の帯域
122の信号)は、原画像の4分の1の縮小画像に相当
し、ここまでの処理により、レベル3の逆変換が完了す
る。
【0054】当該加算器13の出力信号122は、更に
アップサンプラ14にて2倍の解像度にアップサンプル
された後、合成用ローパスフィルタ15にてフィルタリ
ングされて加算器18に送られる。
【0055】また、LH信号111は、帯域制限部30
にて後述するように帯域幅が制限される。この帯域制限
部30にて帯域制限された信号124(図8の帯域12
4の信号)は、アップサンプラ16によって2倍の解像
度にアップサンプルされる。このアップサンプル後の信
号127は、さらに合成用ハイパスフィルタ17にてフ
ィルタリングされ、信号125として加算器18に送ら
れる。
【0056】加算器18では、合成用ローパスフィルタ
15と合成用ハイパスフィルタ17からの信号126及
び125を帯域合成する。当該加算器18での帯域合成
により得られた信号128(図8の帯域128の信号)
は、更にアップサンプラ19にて2倍の解像度にアップ
サンプルされた後、合成用ローパスフィルタ20にてフ
ィルタリングされる。当該合成用ローパスフィルタ20
からの出力信号129は原画像と同じ解像度の画像に相
当する。
【0057】この第1の具体例では、最終的に3分の1
の解像度に復号化された画像を生成するため、上記ロー
パスフィルタ20からの信号129はさらにダウンサン
プラ31にて3分の1の解像度にダウンサンプル(間引
き処理)される。これにより、3分の1の縮小画像に相
当する復号画像信号130が得られることになる。ま
た、この第1の具体例のように、3分の1の帯域信号し
か必要ない場合には、H信号112は不要となる。した
がって、図6のようにH信号112を入力とする2倍の
アップサンプラ及び合成用ハイパスフィルタの処理は不
要になるので、計算量の削減ができる。
【0058】ここで、当該第1の具体例の場合の帯域制
限部30は、アップサンプラ16及び合成フィルタ17
の前段部に置かれ、LH信号111(高域成分)の変換
係数のフィルタリング処理を行うが、当該LH信号11
1はウェーブレット符号化装置にてダウンサンプルされ
たものであるため、その解像度での帯域に対応したフィ
ルタとして設計する必要がある。
【0059】図10には、図3に示したウェーブレット
変換部において、LH信号111を生成する際の各生成
過程での周波数帯域の状態を示す。なお、図中のカッコ
内の数字は、前述した各図に示した信号に対応してお
り、図中の斜線部は抽出すべき前記帯域124を示して
いる。また、図の横軸のωは正規化角周波数を意味す
る。
【0060】この図10において、前記入力画像信号1
05に含まれる帯域は、状態131で示される。当該入
力画像信号105を前記分析用ローパスフィルタ81に
て処理した信号113の帯域は、高域がカットされてい
るため状態132となり、更に前記信号114の帯域は
ダウンサンプラ83にて2分の1倍にダウンサンプルさ
れているため状態133のような帯域になっている。ま
た、前記信号115の帯域は、前記分析用ハイパスフィ
ルタ86での処理によって低域側がカットされているた
め状態134のような帯域となり、さらにダウンサンプ
ラ88によって2分の1倍のダウンサンプルが行われて
LH信号111が生成されている。このLH信号111
もダウンサンプルの影響のため、状態135のような帯
域となる。当該状態135では、帯域が2π側にずれて
低域側への折り返し成分が発生することになるため、図
11に示すように、状態136として見なすことができ
る。従って、LH信号111の解像度においては、前記
図8の帯域124が図11の帯域137に相当してい
る。このため、LH信号111に対して図9のように帯
域制限部30を配置した場合、図12に示すようなフィ
ルタ特性(振幅)をもつハイパスフィルタを当該帯域制
限部30として使用することになる。
【0061】以上が、第1の具体例として縮小率が3分
の1のときのウェーブレット逆変換部4の構成及び動作
である。この第1の具体例のウェーブレット逆変換部4
によれば、前記処理によってウェーブレット変換領域に
おける帯域幅が3分の1になるため、エリアシングとい
ったノイズや高域成分の欠落によるボケの発生を防ぐこ
とができる。つまり、該縮小率から与えられる有効帯域
の高精度な抽出方法により、復号画像の品質向上の効果
を生み出している。
【0062】次に、本発明実施の形態の第2の具体例と
して、5分の1の縮小変換を行うウェーブレット復号化
装置について説明する。
【0063】前記第1の具体例と同様に、縮小率が5分
の1である場合には、帯域占有率も5分の1にしなけれ
ばならない。このためには、図13に示すように、帯域
140の帯域幅を抽出する必要がある。この場合、LL
H信号110に対して帯域制限処理を行って帯域138
(斜線部)を取り出し、これとLLL信号109が持つ
帯域を合成することで、図13における帯域140の抽
出が可能となる。
【0064】図14には、当該第2の具体例として、図
1のウェーブレット復号化装置において解像度を5分の
1に縮小して復号化する場合の、ウェーブレット逆変換
部4の概略構成を示す。なお、この図14の構成におい
て、前記各図と同じ構成要素には各図と同一の指示符号
を付している。また、図14中の点線にて示す各高域側
の経路は、図6に示した通常のウェーブレット復号化装
置には設けられている経路であるが、本実施の形態のウ
ェーブレット復号化装置では省略された経路を表してい
る。
【0065】すなわち図14に示す第2の具体例のウェ
ーブレット逆変換部4において、LLL信号109はア
ップサンプラ9によって2倍の解像度にアップサンプル
され、さらに合成用ローパスフィルタ10によりフィル
タリングされた後、加算器13に送られる。
【0066】一方、レベル3の高域成分であるLLH信
号110は、帯域制限部32にて後述するように帯域幅
が制限される。当該帯域制限された信号138(図13
の帯域138の信号)は、アップサンプラ10にて2倍
の解像度にアップサンプルされ、さらに合成用ローパス
フィルタ10によりフィルタリングされる。このフィル
タリング後の信号139が加算器13に送られる。
【0067】当該加算器13の出力信号140(図13
の帯域140の信号)は、更にアップサンプラ14にて
2倍の解像度にアップサンプルされた後、合成用ローパ
スフィルタ15にてフィルタリングされる。
【0068】このフィルタリング後の信号141は、更
にアップサンプラ19にて2倍の解像度にアップサンプ
ルされた後、合成用ローパスフィルタ20にてフィルタ
リングされる。当該合成用ローパスフィルタ20からの
出力信号129は原画像と同じ解像度の画像となる。
【0069】この第2の具体例では、最終的に5分の1
の解像度に復号化された画像を生成するため、上記出力
信号129はさらにダウンサンプラ33にて5分の1の
解像度にダウンサンプル(間引き処理)される。これに
より、5分の1の縮小画像の復号画像信号142が得ら
れることになる。このように、5分の1の帯域成分しか
必要ない場合には、LH信号111とH信号112は不
要となる。したがって、図6のようにLH信号111と
H信号112をそれぞれ入力とする2倍のアップサンプ
ラ及び合成用ハイパスフィルタの処理は不要になるの
で、計算量の削減ができる。
【0070】ここで、当該第2の具体例の場合の帯域制
限部32は、アップサンプラ10及び合成フィルタ12
の前段部に置かれ、LLH信号110(高域成分)の変
換係数のフィルタリング処理を行うが、当該LLH信号
110はウェーブレット符号化装置にてダウンサンプル
されたものであるため、その解像度での帯域に対応した
フィルタとして設計する必要がある。
【0071】図15には、図3のウェーブレット変換部
において、LLH信号110を生成する際の各生成過程
での周波数帯域の状態を示す。なお、図中のカッコ内の
数字は、前述した各図に示した信号に対応しており、図
中の斜線部は抽出すべき前記帯域138を示している。
また、図の横軸のωは正規化角周波数を意味する。さら
に、状態143の帯域は、前記信号114の帯域に対応
しており、この信号114を生成するまでの周波数帯域
は、図10における状態131から状態133(但し、
斜線部を除く)で既に示されている。
【0072】この図15において、前記信号114の出
力以降の処理では、前記分析用ローパスフィルタ85に
より高域がカットされた信号116が生成され、この信
号116の帯域成分は状態144になる。さらに、前記
ダウンサンプラ87での2分の1のダウンサンプルによ
り信号117が生成され、この信号117の帯域は状態
145で表わされる。次に、レベル3での処理に移り、
信号117に対して前記分析用ハイパスフィルタ82に
よる帯域制限が行われ、信号118が生成される。この
信号118は、低域がカットされているため、その帯域
は図15中の状態146になる。最後に、ダウンサンプ
ラ92による2分の1のダウンサンプルが行われ、LL
H信号110が生成される。LLH信号110の帯域
は、状態147で表わされる。当該状態147では、帯
域が2π側にずれて低域側への折り返し成分が発生する
ことになるため、図16に示すような状態148として
見なすことができる。従って、LLH信号110の解像
度においては、図13の帯域138は、図16の帯域1
49に相当している。このため、LLH信号110に対
して図14のように帯域制限部32を配置した場合、図
17に示したフィルタ特性(振幅)をもつハイパスフィ
ルタを帯域制限部32として使用することになる。
【0073】以上が、第2の具体例として縮小率が5分
の1のときのウェーブレット逆変換部4の構成及び動作
である。この第2の具体例のウェーブレット逆変換部4
によれば、前記処理によってウェーブレット変換領域に
おける帯域幅が5分の1になるため、エリアシングとい
ったノイズや高域成分の欠落によるボケの発生を防ぐこ
とができる。つまり、該縮小率から与えられる有効帯域
の高精度な抽出方法により、復号画像の品質向上の効果
を生み出している。
【0074】次に、本発明実施の形態の第3の具体例と
して、3分の2の縮小変換を行うウェーブレット復号化
装置について説明する。
【0075】前記第1,2の具体例と同様に、縮小率が
3分の2である場合には、帯域占有率も3分の2にしな
ければならない。このためには、図18に示すように、
帯域153の帯域幅を抽出する必要がある。この場合、
H信号112に対して帯域制限処理を行って帯域150
(斜線部)を取り出し、これと信号123が持つ帯域を
合成することで、図18における3分の2の帯域153
の抽出が可能となる。
【0076】図19には、当該第3の具体例として、図
1のウェーブレット復号化装置において解像度を3分の
2に縮小して復号化する場合の、ウェーブレット逆変換
部4の概略構成を示す。なお、この図19の構成におい
て、前記各図と同じ構成要素には各図と同一の指示符号
を付している。また、図19中の点線にて示す各高域側
の経路は、図6に示した通常のウェーブレット復号化装
置には設けられることになる経路であるが、本実施の形
態のウェーブレット復号化装置には設けられない経路を
表している。
【0077】すなわち図19に示す第3の具体例のウェ
ーブレット逆変換部4において、LLL信号109とL
LH信号110は、アップサンプラ9,11によってそ
れぞれ2倍の解像度にアップサンプルされ、さらに合成
用ローパスフィルタ10,12によりそれぞれフィルタ
リングされた後、加算器13にて両者の帯域合成がなさ
れる。当該加算器13で帯域合成した信号122は、原
画像の4分の1の縮小画像に相当し、ここまでの処理に
より、レベル3の逆変換が完了する。
【0078】当該加算器13の出力信号122は、更に
アップサンプラ14にて2倍の解像度にアップサンプル
された後、合成用ローパスフィルタ15にてフィルタリ
ングされて加算器18に送られる。
【0079】また、LH信号111は、アップサンプラ
16によって2倍の解像度にアップサンプルされた後、
合成用ハイパスフィルタ17にてフィルタリングされ、
加算器18に送られる。
【0080】加算器18では、合成用ローパスフィルタ
15と合成用ハイパスフィルタ17からの信号の帯域合
成を行うする。ここまでの処理により、上記レベル2の
逆変換が完了する。 当該加算器18による帯域合成後
の信号123は、更にアップサンプラ19にて2倍の解
像度にアップサンプルされた後、合成用ローパスフィル
タ20にてフィルタリングされて加算器23に送られ
る。
【0081】また、H信号112は、帯域制限部34に
て後述するように帯域幅が制限される。当該帯域制限さ
れた信号150(図18の帯域150の信号)は、アッ
プサンプラ21にて2倍の解像度にアップサンプルさ
れ、さらに合成用ハイパスフィルタ22によりフィルタ
リングされる。このフィルタリング後の信号151が加
算器23に送られる。
【0082】加算器23では、合成用ローパスフィルタ
20と合成用ハイパスフィルタ22からの信号の帯域合
成を行う。ここまでの処理により、上記レベル1の逆変
換が完了する。
【0083】この第3の具体例では、最終的に3分の2
の解像度に復号化された画像を生成するため、上記信号
153はアップサンプラ24にて2倍の解像度(原画像
の2倍の解像度)にアップサンプルされた後、合成用ロ
ーパスフィルタ25によりフィルタリングされ、さらに
この信号154はダウンサンプラ31にて3分の1の解
像度にダウンサンプル(間引き処理)される。これによ
り、3分の2の縮小画像の復号画像信号142が得られ
ることになる。このようにレベル0までの逆変換を行っ
たとしても、第3の具体例では、レベル0の高域側に2
倍のアップサンプラ及び合成用ハイパスフィルタがは不
要である。
【0084】ここで、当該第3の具体例の場合の帯域制
限部34は、アップサンプラ21及び合成フィルタ22
の前段部に置かれ、レベル1のH信号112(高域成
分)の変換係数のフィルタリング処理を行うが、当該H
信号112はウェーブレット符号化装置にてダウンサン
プルされたものであるため、その解像度での帯域に対応
したフィルタとして設計する必要がある。
【0085】図20には、図3のウェーブレット変換部
において、H信号112を生成する際の各生成過程での
周波数帯域の状態を示す。なお、図中のカッコ内の数字
は、前述した各図に示した信号成分に対応しており、図
中の斜線部は抽出すべき帯域150を示している。ま
た、図の横軸のωは正規化角周波数を意味する。
【0086】この図20において、入力画像信号105
に含まれる帯域は、状態156で示される。次に、この
状態105に対して分析用ハイパスフィルタ82処理を
施した信号119の帯域は、低域がカットされるために
状態157となり、更にダウンサンプラ84にて2分の
1倍のダウンサンプルが行われた信号112の帯域は状
態158のような帯域になる。状態158では、帯域が
2π側にずれて低域側への折り返し成分が発生すること
になるため、帯域分布を状態159として見なすことが
できる。従って、図18の帯域150は、H信号112
の解像度においては、図20の帯域160に相当してい
る。このため、H信号112に対して図19のように帯
域制限部34を配置した場合、前記図12に示したフィ
ルタ特性(振幅)を有するハイパスフィルタを帯域制限
部34として使用することになる。
【0087】以上が、第3の具体例として縮小率が3分
の2のときのウェーブレット逆変換部4の構成及び動作
である。この第3の具体例のウェーブレット逆変換部4
によれば、前記処理によってウェーブレット変換領域に
おける帯域幅が3分の2になるため、エリアシングとい
ったノイズや高域成分の欠落によるボケの発生を防ぐこ
とができる。つまり、該縮小率から与えられる有効帯域
の高精度な抽出方法により、復号画像の品質向上の効果
を生み出している。
【0088】次に、本発明実施の形態の第4の具体例と
して、第1の具体例のように3分の1の縮小変換を行う
ウェーブレット復号化装置について説明する。
【0089】図21には、当該第4の具体例として、図
1のウェーブレット復号化装置において解像度を3分の
1に縮小して復号化する場合の、ウェーブレット逆変換
部4の概略構成を示す。なお、この図21の構成におい
て、前記各図と同じ構成要素には各図と同一の指示符号
を付している。また、解像度を3分の1にする場合、前
記第1の具体例と同様に、帯域占有率も3分の1にす
る。ここで、この図21に示す第4の具体例の構成は、
前記第1の具体例における図9の帯域制限部と、アップ
サンプラ16及び合成用ハイパスフィルタ17の配置を
入れ替えた以外は、前記図9と同じ構成になる。
【0090】すなわちこの図21において、LH信号1
111は、アップサンプラ16によって2倍の解像度に
アップサンプルされる。アップサンプルされた信号16
1は合成用ハイパスフィルタ17にてフィルタリングさ
れ、信号162として帯域性弁部36に送られる。
【0091】当該第4の具体例の場合、帯域制限の対象
となる信号162は、アップサンプラ16での2倍のア
ップサンプルと合成用ハイパスフィルタ17の処理によ
り、解像度がLH信号111の2倍になっている。従っ
て、帯域制限部36は、この解像度での帯域に基づいて
フィルタを設計する必要がある。
【0092】図22には、LH信号111から2倍のア
ップサンプル及びハイパスフィルタ(合成)の処理によ
って信号162を生成する各過程での周波数帯域の状態
を示す。なお、図中のカッコ内の数字は、前述した各図
に示した信号に対応しており、また、図の横軸のωは正
規化角周波数を意味する。
【0093】この図22において、状態163は、前記
図11における状態136と同じ信号111の帯域を示
しており、図中の斜線部が抽出すべき信号125の帯域
になる。信号111を2倍にアップサンプルした信号1
61は、状態164で示されたような帯域分布になる。
なお、図中点線で示された帯域は、イメージング成分
(アップサンプリングにより新たに生じるスペクトル成
分)を示している。更に、信号161に対してハイパス
フィルタ処理した信号162の信号はイメージング成分
がカットされ、その帯域は状態165で示されるような
分布になる。
【0094】以上から、当該第4の具体例の場合は、図
21における信号125の帯域を抽出するには、図23
に示すようなフィルタ特性(振幅)をもつバンドパスフ
ィルタを帯域制限部34として使用する。
【0095】上述したように、本発明実施の形態におい
ては、任意有理数倍率の解像度変換を伴うウェーブレッ
ト復号化を実現することができる。すなわち例えば縮小
の場合、帯域制限の対象となるレベル以下の高域成分に
ついては、それを復号化のプロセスから省略することに
より、計算量を削減する効果がある。従って、ハードウ
ェア化した際のコスト減につながる。更に、縮小率から
与えられる有効帯域の高精度な抽出方法により、エリア
シングといったノイズや高域成分の欠落によるボケの発
生を防ぎ、復号画像の品質向上の効果を生み出してい
る。
【0096】また、本実施の形態によれば、ウェーブレ
ット符号化装置側には一切制約条件が無い。従って、通
常の最も一般的なウェーブレット変換及びウェーブレッ
ト符号化装置で生成された符号化ビットストリームを入
力して、任意有理数の解像度変換を伴うウェーブレット
復号化画像を得ることができるという効果もある。
【0097】
【発明の効果】本発明のウェーブレット復号化装置及び
方法においては、ウェーブレット逆変換の際に、解像度
変換倍率に応じて変換係数の帯域制限を行うと共に、所
定の解像度変換倍率に応じてアップサンプリング、ダウ
ンサンプリング、合成フィルタリングを適応的に行うこ
とにより、変換方式にウェーブレット変換を用いて圧縮
符号化がなされた画像信号を、端末側の制約条件に左右
されること無く、任意有理数の解像度でデコード(復号
化)可能となり、その結果として、例えば電子スチルカ
メラやプリンタ等で多用されるいわゆるサムネイル画像
や原画像を解像度変換した画像(縮小又は拡大した画
像)の記憶・表示を効率的に行え、各種の製品への使用
用途を大幅に広げることが可能となる。
【0098】すなわち本発明によれば、必要に応じて画
像メモリ内に記憶された帯域画像をサムネイル画像また
は縮小画像として画面表示できるので、帯域分割画像を
生成する過程と符号化を行う過程とを共通化すること
で、処理の効率化が実現できるという効果がある。従っ
て、特別に、サムネイル画像等を生成する回路が必要無
いので、ハードウェア規模の削減という効果もある。さ
らに、例えば外部記憶媒体を本発明装置に付加して、こ
れに符号化ビットストリームを記憶・保持させることに
より、多くの画像の符号化ビットストリームを該外部記
憶媒体に記憶・保持させることができる。また、常にサ
ムネイル画像または縮小画像を画像メモリに記憶・保持
させておく必要がないので、見たいサムネイル画像また
は縮小画像の符号化ビットストリームを、外部記憶媒体
から随時読み出して、復号化して画面表示すれば良いの
で、使用効率が向上する効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施の形態のウェーブレット復号化装置
の全体構成を示すブロック回路図である。
【図2】本発明実施の形態のウェーブレット復号化装置
に対応するウェーブレット符号化装置の全体構成を示す
ブロック回路図である。
【図3】通常のウェーブレット変換部の基本構成(レベ
ル3まで)を示すブロック回路図である。
【図4】2次元画像の帯域分割(分割レベル=2)を示
す図である。
【図5】実際の画像に対して帯域分割(分割レベル=
2)した場合の各帯域画像を示す図である。
【図6】通常のウェーブレット逆変換部の基本構成(レ
ベル3まで)を示すブロック回路図である。
【図7】帯域分割特性(オクターブ分割)を示す図であ
る。
【図8】3分の1倍の解像度変換時に処理対象となる帯
域分割特性を示す図である。
【図9】第1の具体例として、3分の1倍の縮小解像度
変換を伴うを伴うウェーブレット逆変換部の構成を示す
ブロック回路図である。
【図10】ウェーブレット変換部によるLH信号の生成
過程での周波数帯域を示す図である。
【図11】LH信号の解像度における周波数帯域を示す
図である。
【図12】第1の具体例の帯域制限部に用いるハイパス
フィルタの振幅特性を示す図である。
【図13】5分の1倍の解像度変換時に処理対象となる
帯域分割特性を示す図である。
【図14】第2の具体例として、5分の1倍の縮小解像
度変換を伴うを伴うウェーブレット逆変換部の構成を示
すブロック回路図である。
【図15】ウェーブレット変換部によるLLH信号の生
成過程での周波数帯域を示す図である。
【図16】LLH信号の解像度における周波数帯域を示
す図である。
【図17】第2の具体例の帯域制限部に用いるハイパス
フィルタの振幅特性を示す図である。
【図18】3分の2倍の解像度変換時に処理対象となる
帯域分割特性を示す図である。
【図19】第3の具体例として、3分の2倍の縮小解像
度変換を伴うを伴うウェーブレット逆変換部の構成を示
すブロック回路図である。
【図20】ウェーブレット変換部によるH信号の生成過
程での周波数帯域を示す図である。
【図21】第4の具体例として、3分の1倍の縮小解像
度変換を伴うを伴うウェーブレット逆変換部の構成を示
すブロック回路図である。
【図22】LH信号に対しアップサンプル、ハイパスフ
ィルタ処理を行う過程での周波数帯域を示す図である。
【図23】第3の具体例の帯域制限部に用いるバンドパ
スフィルタの振幅特性を示す図である。
【符号の説明】
1 エントロピー復号化部、 2 逆量子化部、 3
変換係数逆スキャニング部、 4 ウェーブレット逆変
換部、 5 ウェーブレット変換部、 6 変換係数ス
キャニング部、 7 量子化部、 8 エントロピー符
号化部、 92倍のアップサンプラ、 10,15,2
0,25 合成用ローパスフィルタ、12,17,22
合成用ハイパスフィルタ、 12,18,12 加算
器、81,85,89 分析用ローパスフィルタ、 8
2,86,90 分析用ハイパスフィルタ、 83,8
4,87,88,91,92 2分の1倍のダウンサン
プラ、 31 3分の1倍のダウンサンプラ、 33
5分の1倍のダウンサンプラ、 30,32,34,3
6 帯域制限部
フロントページの続き Fターム(参考) 5C059 KK08 KK11 MA24 MC01 MC11 MC31 MD02 ME02 ME11 PP01 PP12 PP27 RC33 SS10 SS12 SS15 SS23 SS24 SS26 UA06 UA12 UA13 5C078 BA53 CA14 DA00 DA02 DB04 DB05 5J064 AA02 BA09 BA13 BA16 BC02 BC12 BC15 BC16 BC18 BD02 BD03

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 符号化ビットストリームをエントロピー
    復号化して量子化係数を送出するエントロピー復号化手
    段と、 上記量子化係数を逆量子化して変換係数を送出する逆量
    子化手段と、 上記変換係数を所定の方法でスキャニングして変換係数
    を並び換える変換係数逆スキャニング手段と、 上記並び換えられた変換係数を逆変換して復号画像を供
    するウェーブレット逆変換手段とを備え、 上記ウェーブレット逆変換手段は、解像度変換倍率に応
    じて変換係数の帯域制限を行う帯域制限手段を有し、所
    定の解像度変換倍率に応じてアップサンプラ、ダウンサ
    ンプラ、合成フィルタの何れか又は複数を適応的に構成
    してなることを特徴とするウェーブレット復号化装置。
  2. 【請求項2】 上記帯域制限手段は、高域成分の変換係
    数の持つ帯域幅を制限することを特徴とする請求項1記
    載のウェーブレット復号化装置。
  3. 【請求項3】 解像度変換が縮小であるとき、上記帯域
    制限手段は縮小率を規範として制限すべき帯域幅を決定
    し、当該決定の際には上記縮小率で与えられる有効帯域
    幅とウェーブレット逆変換の際に用いる帯域幅との差を
    最小とすることを特徴とする請求項1記載のウェーブレ
    ット復号化装置。
  4. 【請求項4】 上記帯域制限手段は上記高域成分の変換
    係数に対するアップサンプラ及び合成フィルタの前段部
    に配置してなることを特徴とする請求項2記載のウェー
    ブレット復号化装置。
  5. 【請求項5】 上記帯域制限手段は高域成分の変換係数
    のアップサンプラ及び合成フィルタの後段部に配置して
    なることを特徴とする請求項2記載のウェーブレット復
    号化装置。
  6. 【請求項6】 上記帯域制限手段としてハイパスフィル
    タを用い、復号化された高域成分の変換係数が持つ帯域
    で低域側のみを抽出することを特徴とする請求項4記載
    のウェーブレット復号化装置。
  7. 【請求項7】 上記帯域制限手段としてバンドパスフィ
    ルタを用い、復号化された高域成分の変換係数が持つ帯
    域で低域側のみを抽出することを特徴とする請求項5記
    載のウェーブレット復号化装置。
  8. 【請求項8】 上記ウェーブレット逆変換手段の最終段
    には、縮小率に応じたダウンサンプラを配置してなるこ
    とを特徴とする請求項1記載のウェーブレット復号化装
    置。
  9. 【請求項9】 符号化ビットストリームをエントロピー
    復号化して量子化係数を送出し、 上記量子化係数を逆量子化して変換係数を送出し、 上記変換係数を所定の方法でスキャニングして変換係数
    を並び換え、 上記並び換えられた変換係数を逆変換して復号画像を生
    成し、 上記ウェーブレット逆変換の際には、解像度変換倍率に
    応じて変換係数の帯域制限を行うと共に、所定の解像度
    変換倍率に応じてアップサンプリング、ダウンサンプリ
    ング、合成フィルタリングの何れか又は複数を適応的に
    行うことを特徴とするウェーブレット復号化方法。
  10. 【請求項10】 上記帯域制限の際には、高域成分の変
    換係数の持つ帯域幅を制限することを特徴とする請求項
    9記載のウェーブレット復号化方法。
  11. 【請求項11】 解像度変換が縮小であるとき、上記帯
    域制限の際には縮小率を規範として制限すべき帯域幅を
    決定し、当該決定の際には上記縮小率で与えられる有効
    帯域幅とウェーブレット逆変換の際に用いる帯域幅との
    差を最小とすることを特徴とする請求項9記載のウェー
    ブレット復号化方法。
  12. 【請求項12】 上記帯域制限は、上記高域成分の変換
    係数に対するアップサンプリング及び合成フィルタリン
    グの前段部にて行うことを特徴とする請求項10記載の
    ウェーブレット復号化方法。
  13. 【請求項13】 上記帯域制限は、上記高域成分の変換
    係数のアップサンプリング及び合成フィルタリングの後
    段部にて行うことを特徴とする請求項10記載のウェー
    ブレット復号化方法。
  14. 【請求項14】 上記帯域制限の際にはハイパスフィル
    タリングを行い、復号化された高域成分の変換係数が持
    つ帯域で低域側のみを抽出することを特徴とする請求項
    12記載のウェーブレット復号化方法。
  15. 【請求項15】 上記帯域制限の際にはバンドパスフィ
    ルタリングを行い、復号化された高域成分の変換係数が
    持つ帯域で低域側のみを抽出することを特徴とする請求
    項13記載のウェーブレット復号化方法。
  16. 【請求項16】 上記ウェーブレット逆変換の最終段に
    は、縮小率に応じたダウンサンプリングを行うことを特
    徴とする請求項9記載のウェーブレット復号化方法。
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