JP2000124701A - 誘電体共振器、発振器、誘電体フィルタ、誘電体デュプレクサ、通信機装置、誘電体共振器の製造方法 - Google Patents

誘電体共振器、発振器、誘電体フィルタ、誘電体デュプレクサ、通信機装置、誘電体共振器の製造方法

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JP2000124701A
JP2000124701A JP29890198A JP29890198A JP2000124701A JP 2000124701 A JP2000124701 A JP 2000124701A JP 29890198 A JP29890198 A JP 29890198A JP 29890198 A JP29890198 A JP 29890198A JP 2000124701 A JP2000124701 A JP 2000124701A
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JP
Japan
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dielectric
dielectric substrate
dielectric resonator
resonator
main surfaces
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Kenichi Iio
憲一 飯尾
Takatoshi Kato
貴敏 加藤
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Murata Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Murata Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】誘電体基板で発生する不要モードが誘電体基板
外に放射することを防ぎつつ、誘電体基板に回路基板を
搭載した場合にその搭載位置が製品ごとにばらつかない
誘電体共振器を提供する。 【解決手段】互いに対向する二主面に電極22が形成され
た誘電体基板21と、前記二主面の電極22に形成された開
口部23と、前記誘電体基板21における前記二主面以外の
四側面に形成された側面電極24と、金属筐体11および上
カバー15とを含んでなる誘電体共振器10であって、前記
側面電極24は、前記誘電体基板21の側面と二主面との境
界部を除く側周面全面に形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マイクロ波やミリ
波帯で使用される誘電体共振器およびそれを用いた発振
器などに関し、さらには誘電体共振器の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来よりミリ波帯などの高周波帯域にお
いても低損失で、また電極のパターニングにより精度良
く共振器を形成できるということから、誘電体基板の対
向する二主面に開口部を有する電極を形成し、所定の間
隔を隔てて上下に導体を配置した誘電体共振器が提案さ
れている。そして、このような誘電体共振器を利用して
発振器や誘電体フィルタを形成する場合には、開口部を
有する電極が形成された誘電体基板上にマイクロストリ
ップラインが形成された基板を搭載することにより多層
基板とし、マイクロストリップラインと誘電体共振器と
を結合させる方法が挙げられる。
【0003】ここで、そのような従来の誘電体共振器を
図10、11に基づいて説明する。なお、図10は従来の誘電
体共振器の分解斜視図であり、図11は図10におけるW−W
線断面図である。図10、11に示すように従来の誘電体共
振器110は、誘電体基板121の互いに対向する二主面に電
極122が形成された矩形状の誘電体共振器本体120と、誘
電体共振器本体120が収納される金属筐体111と、金属か
らなる上カバー115とから構成されている。誘電体共振
器本体120の二主面に形成された電極122には、ほぼ中央
部の互いに対向する位置に略円形の開口部123が形成さ
れており、また誘電体基板121の四側面全面にも側面電
極124が形成されている。誘電体共振器本体120が収納さ
れる金属筐体111には二段の凹部112、113が形成されて
おり、二段目の凹部113によって誘電体共振器本体120の
下面側の開口部123周辺に空間が形成されるように、誘
電体共振器本体120は金属筐体111における誘電体共振器
本体120よりも一回り大きい一段目の凹部112に配置され
ている。こうして、誘電体共振器本体120と金属筐体111
および上カバー115とによって誘電体共振器が構成され
ている。また、誘電体共振器本体120にはマイクロスト
リップライン117が形成された回路基板116が搭載され、
このマイクロストリップライン117が誘電体共振器本体1
20の開口部123上に配置されることにより、マイクロス
トリップライン117と誘電体共振器とが結合している。
【0004】次に、誘電体基板に側面電極を形成する意
義について説明する。これまでに説明したような誘電体
共振器110において、その共振周波数は誘電体基板121の
誘電率および厚みや開口部123の大きさによって決ま
る。例えば、誘電体共振器110の誘電率を24、厚みを0.7
6mm、開口部123の径を3.0mmとして設計しTE010モードで
共振させた場合、その共振周波数は30GHzとなる。この
種の誘電体共振器110においては、その電磁界分布が開
口部123周辺部分に集中するため、無負荷Qが高くなる
という特徴がある。
【0005】上記のような誘電体共振器110においては
主モードであるTE010モードの他に誘電体基板121の二主
面に形成された電極122間に不要モードが発生する。す
なわち、平行な二つの電極間に電位差が存在するために
発生するモードであり、その不要モードは平行平板間を
伝搬するものである。そして、不要モードの周波数と主
モードの周波数とが近い場合には誘電体共振器110の特
性に悪影響を与える。この不要モードの周波数は誘電体
基板121に側面電極124が形成されている場合には、誘電
体基板121の大きさによって決まり、誘電体基板121の大
きさを適当な大きさに設計することにより、不要モード
の周波数を誘電体共振器110の主モードの周波数から離
すことも可能である。しかしながら、誘電体基板121に
側面電極124が形成されていない場合には、誘電体共振
器本体120に発生した不要モードは誘電体基板121の側面
から放射し、誘電体基板121が収納される金属筐体111に
おける一段目の凹部112の空間(図11におけるAの領域)
に発生する平行平板モードとも結合する。この平行平板
モードは金属筐体111内で多重反射するため、その共振
周波数を設計により制御することは困難である。
【0006】このような理由により誘電体基板121には
側面電極124が形成されており、これにより誘電体基板1
21の二主面に形成された電極122間に発生する不要モー
ドの共振周波数を制御することができる。また、誘電体
基板121に側面電極124を形成しない状態から側面電極12
4を形成する状態にすることによって、誘電体共振器本
体120端部での境界条件が開放から短絡へと変化するた
め不要モードの共振周波数は高い周波数へと移動する。
これによっても不要モードの共振周波数を主モードの共
振周波数から遠ざけることが可能となる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の誘電
体共振器においては誘電体基板の互いに対向する二主面
に形成される電極は、例えばスパッタリングなどの薄膜
形成法により形成される。これは、開口部の形状が誘電
体共振器の周波数特性などに非常に大きな影響を与える
ためであって、細かな精度が要求されるからである。一
方、誘電体共振器に形成される側面電極は細かな精度も
要求されないため、形成が容易な厚膜形成法により形成
される。
【0008】しかしながら、側面電極が厚膜により形成
されると、図11の断面図に示すように側面電極が誘電体
基板の上下に盛り上がった形状となり、さらにその形状
は誘電体共振器本体ごとに異なったものとなる。側面電
極が誘電体基板の上下に盛り上がり、その形状が一定で
ないと、誘電体共振器本体に搭載される回路基板の位置
は誘電体共振器ごとに異なるものとなる。回路基板の位
置が異なると回路基板に形成されたマイクロストリップ
ラインと誘電体共振器との位置関係も異なり、その結合
状態にばらつきが生じる。つまり、従来の誘電体共振器
においては誘電体基板の側面全面に側面電極を形成しよ
うとしていたため、誘電体基板の上下に電極が盛り上が
った状態となり、それが誘電体共振器における特性のば
らつきの原因となるという問題があった。
【0009】本発明の誘電体共振器、発振器、誘電体フ
ィルタ、誘電体デュプレクサ、通信機装置、誘電体共振
器の製造方法は、上述の問題を鑑みてなされたものであ
り、これらの問題を解決し、製品ごとに特性のばらつき
が生じない誘電体共振器、発振器、誘電体フィルタ、誘
電体デュプレクサ、通信機装置、誘電体共振器の製造方
法を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明の誘電体共振器は、互いに対向する二主面に電極
が形成された誘電体基板と、前記二主面の電極に形成さ
れた開口部と、前記誘電体基板における前記二主面以外
の側面に形成された側面電極と、前記誘電体基板と所定
の間隔を隔てて配置された導体とを含んでなる誘電体共
振器であって、前記側面電極は、前記誘電体基板の側面
と二主面との境界部を除く側周面において部分的に形成
されている。これにより、誘電体基板の互いに対向する
二主面に形成された電極間で発生する不要モードの共振
周波数を制御するという効果を保ったまま、側面電極が
誘電体基板の上下に盛り上がった形状となることが無く
なるので、例えば回路基板を搭載した場合にもその搭載
位置は一定となって、誘電体共振器の特性がばらつくこ
とがなくなる。
【0011】また、請求項2にかかる誘電体共振器は、
前記側面電極が、前記誘電体基板の側面と二主面との境
界部を除く側周面全面に形成されている。これにより、
さらに誘電体基板の互いに対向する二主面に形成された
電極間で発生する不要モードの共振周波数を制御すると
いう効果が高まる。
【0012】さらに、本発明の発振器は、請求項1また
は2記載の誘電体共振器と、該誘電体共振器を収納する
筐体と、回路基板とを含んでなる。
【0013】さらにまた、本発明の通信機装置は、送信
用回路、受信用回路およびアンテナとを含んでなる通信
機装置であって、前記送信用回路または受信用回路は発
振器を含んでなり、該発振器が前記請求項3記載の発振
器である。
【0014】さらにまた、本発明の誘電体フィルタは、
前記請求項1または2記載の誘電体共振器と、入出力接続
用手段とを含んでなる。
【0015】さらにまた、本発明の誘電体デュプレクサ
は、少なくとも二つの誘電体フィルタと、該誘電体フィ
ルタのそれぞれに接続される入出力接続用手段と、前記
誘電体フィルタに共通的に接続されるアンテナ接続用手
段とを含んでなる誘電体デュプレクサであって、前記誘
電体フィルタの少なくとも一つが前記請求項5記載の誘
電体フィルタである。
【0016】さらにまた、本発明の通信機装置は、前記
請求項6記載の誘電体デュプレクサと、該誘電体デュプ
レクサの少なくとも一つの入出力接続用手段に接続され
る送信用回路と、該送信用回路に接続される前記入出力
接続用手段と異なる少なくとも一つの入出力接続用手段
に接続される受信用回路と、前記誘電体デュプレクサの
アンテナ接続用手段に接続されるアンテナとを含んでな
る。これらにより、製品ごとに特性のばらつきが生じな
い発振器、誘電体フィルタ、誘電体デュプレクサ、通信
機装置が得られる。
【0017】さらにまた、本発明の誘電体共振器の製造
方法は、誘電体基板を用意する工程と、薄膜形成法によ
り前記誘電体基板の互いに対向する二主面に開口部を残
して電極を形成する工程と、前記誘電体基板における前
記二主面以外の側面上で、前記二主面と側面との境界部
を除く部分に厚膜形成法により側面電極を形成する工程
と、前記誘電体基板と所定の間隔を隔てて導体を配置す
る工程とを含んでなる。この製造方法を用いることによ
り、製品ごとに特性のばらつきが生じない誘電体共振器
を製造することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の第一の実施例であ
る誘電体共振器を、図1、2に基づいて説明する。なお、
図1は本実施例の誘電体共振器の分解斜視図であり、図2
は図1におけるX−X線断面図である。図1、2に示すよう
に本実施例の誘電体共振器10は、誘電体基板21の互いに
対向する二主面に電極22が形成された矩形状の誘電体共
振器本体20と、誘電体共振器本体20が収納される金属筐
体11と、金属からなる上カバー15とから構成されてい
る。誘電体共振器本体20の二主面に形成された電極22に
は、ほぼ中央部の互いに対向する位置に略円形の開口部
23が形成されており、また誘電体基板21の四側面にも側
面電極24が形成されている。誘電体共振器本体20が収納
される金属筐体11には二段の凹部12、13が形成されてお
り、二段目の凹部13によって誘電体共振器本体20の下面
側の開口部23周辺に空間が形成されるように、誘電体共
振器本体20は金属筐体11における誘電体共振器本体20よ
りも一回り大きい一段目の凹部12に配置されている。こ
うして、誘電体共振器本体20と金属筐体11および上カバ
ー15とによって誘電体共振器が構成されている。また、
誘電体共振器本体20にはマイクロストリップライン17が
形成された回路基板16が搭載され、このマイクロストリ
ップライン17が誘電体共振器本体20の開口部23上に配置
されることにより、マイクロストリップライン17と誘電
体共振器とが結合している。
【0019】本実施例の誘電体共振器10を製造する際に
は、まず矩形状の誘電体基板21における互いに対向する
二主面にスパッタリングなどの薄膜形成法により電極22
を形成する。このとき、薄膜形成法により形成される電
極22は、誘電体基板21のほぼ中央部に略円形の開口部23
が形成されるようにパターニングされる。次に、誘電体
基板21の側面と二主面との上下の境界部付近を除く誘電
体基板21の側面全面に、厚膜形成法により側面電極24を
形成する。さらに、このようにして形成された誘電体共
振器本体20上にマイクロストリップライン17が形成され
た回路基板16を搭載し、導電性接着剤などにより固定す
る。このとき、回路基板16に形成されたマイクロストリ
ップライン17が誘電体共振器本体20の開口部23上に配置
されるように回路基板16を搭載する。そして、回路基板
16が搭載された誘電体共振器本体20を、金属筐体11の一
段目の凹部12に収納して導電性接着剤などにより固定
し、上カバー15を被せることで誘電体共振器が得られ
る。
【0020】なお、実際に誘電体基板21に開口部23を有
する電極22を形成する際には、大きな誘電体基板に複数
個分の電極を一度に形成し、切断することによって電極
22が形成された個別の誘電体基板21を得る。しかしなが
ら、切断する際に電極22が形成された箇所を切断する
と、切断された部分の誘電体基板21と電極22との密着力
が弱くなり電極22が剥がれやすくなる。したがって、電
極22を形成する際には、あらかじめ切断される部分には
電極22を形成せず、その部分を切断すると誘電体基板21
から電極22が剥がれない。このようにして形成され、さ
らに側面電極24が形成された誘電体共振器本体20の断面
図を図3に示す。
【0021】こうして製造された誘電体共振器において
は、側面電極24が誘電体基板21の側面と二主面との上下
の境界部付近を除く誘電体基板21の側面全面に形成され
ている。側面電極24は誘電体基板21の側面全面に形成さ
れているわけではないが、単に側面と二主面との上下の
境界部付近だけが側面電極が形成されていない部分であ
るため、誘電体基板21の二主面に形成された電極22間に
発生する不要モードを金属筐体11の一段目の凹部12の空
間に放射させないための機能は十分有している。また、
誘電体共振器本体20端部での境界条件を開放から短絡へ
と変化させることに関する一定以上の機能を有するた
め、要求される誘電体共振器の特性を得るのに必要な分
だけ不要モードの共振周波数を主モードの共振周波数か
ら遠ざけることが可能となる。
【0022】さらに、本発明においては側面電極24が誘
電体基板21の上下に盛り上がった形状とならないため、
誘電体共振器本体20に搭載される回路基板16の配置位置
にもばらつきが生じず、例えば回路基板16に形成された
マイクロストリップライン17と誘電体共振器との結合も
一定となるなど誘電体共振器の特性が安定する。
【0023】次に、本発明の第二の実施例である発振器
を図4、5に基づいて説明する。なお、図4は本実施例の
発振器の分解斜視図であり、図5は図4におけるY−Y線断
面図である。図4、5に示すように本実施例の発振器30
は、パッケージ31と、筐体25と、誘電体共振器本体20
と、回路基板40とから構成されている。パッケージ31
は、キャップ32とステム33とから構成されている。キャ
ップ32、筐体25、ステム33は、誘電体共振器本体20の線
膨張係数とほぼ同一となるように鉄により形成されてお
り、キャップ32とステム33とはハーメチックシールによ
り接着される。また、ステム33の三つの隅部には端子ピ
ン34が取り付けられている。
【0024】誘電体共振器本体20は、矩形状の誘電体基
板21の対向する二面に電極22が形成され、その電極22の
ほぼ中央部の互いに対向する位置には略円形状の開口部
23が形成されている。また、誘電体基板21の四側面にも
側面電極24が形成されている。このような構造を有する
誘電体共振器本体20とパッケージ31とで略円形状の開口
部23付近に電磁界が集中する誘電体共振器を構成してい
る。
【0025】筐体25のほぼ中央部には誘電体共振器本体
20よりも大きな一段目の凹部26が設けられており、誘電
体共振器本体20の下面の開口部23の周辺に空間を設ける
ためにさらに二段目の凹部27が設けられている。そし
て、この一段目の凹部26に誘電体共振器本体20が配置さ
れている。
【0026】回路基板40は、BTレジンからなる絶縁基板
上にマイクロストリップラインによりパターンを形成
し、FET41やチップコンデンサ42、チップ抵抗43a、43
b、43c、さらに膜状の終端抵抗44やバラクタダイオード
45を配置して形成されている。マイクロストリップライ
ンにより形成された主線路の一端はワイヤボンディング
によってFET41のゲートに接続され、他端は膜状の終端
抵抗44に接続されている。また、FET41のソースに接続
されているマイクロストリップラインは、チップ抵抗43
aを介してアース電極46aに接続されている。さらに、FE
T41のドレインに接続されているマイクロストリップラ
インの一方は、チップ抵抗43bを介して入力端子電極47
に接続されている。そして、入力端子電極47はチップコ
ンデンサ42を介してアース電極46bに接続されている。F
ET41のドレインは、もう一方においてマイクロストリッ
プラインにギャップを設けることによるコンデンサ成分
を介して出力端子電極48に接続されている。
【0027】マイクロストリップラインにより形成され
た副線路の所定の位置においては、バラクタダイオード
45を介してアース電極46aと接続されている。また、別
の位置より引き出されたマイクロストリップラインは、
チップ抵抗43cを介してバイアス端子電極49と接続され
ている。バラクタダイオード45に電圧が付与されると、
バラクタダイオード45の容量が変化し、それにより発振
器30の発振周波数を変化させることができる。
【0028】こうして、ステム33上に筐体25が設置さ
れ、筐体25の凹部26に誘電体共振器本体20が収納された
後、その上に回路基板40が搭載される。ステム33、筐体
25の三つの隅部に取り付けられた端子ピン34は、回路基
板40の入力端子電極47、出力端子電極48、バイアス端子
電極49部分に設けられた孔に挿入されて、それぞれの端
子電極47、48、49と接続される。回路基板40に設けられ
た孔は、端子ピン34と常に接続されているように端子ピ
ン34と同形状を有している。
【0029】本実施例における誘電体基板21の側面に形
成される側面電極24もまた誘電体基板21の側面と二主面
との上下の境界部付近を除く誘電体基板21の側面全面に
形成されている。これにより、誘電体基板21の上下に側
面電極24が盛り上がることが無いので、筐体25の凹部26
に誘電体共振器本体20を収納する際にも上下に配置位置
がばらつくことがなく、発振器30の特性にばらつきが生
じない。
【0030】さらに、本発明の第三の実施例である通信
機装置を、図6に基づいて説明する。なお、図6は本発明
の通信機装置の概略図である。図6に示すように本発明
の通信機装置50は、送信用フィルタおよび受信用フィル
タからなるデュプレクサ51と、デュプレクサ51のアンテ
ナ接続用端子に接続されるアンテナ52と、デュプレクサ
51の送信用フィルタ側の入出力端子に接続される送信用
回路53と、デュプレクサ51の受信用フィルタ側の入出力
端子に接続される受信用回路54とから構成されている。
【0031】送信用回路53にはパワーアンプ(PA)があ
り、送信信号はパワーアンプにより増幅され、送信用フ
ィルタを通してアンテナ52から発信される。また、受信
信号はアンテナ52から受信用フィルタを通して受信用回
路54に与えられ、受信用回路54におけるローノイズアン
プ(LNA)やフィルタ(RX)などを通過した後、ミキサ
(MIX)へ入力される。一方、フェーズロックループ(P
LL)による局部発振器は、発振器30(VCO)とディバイ
ダ(DV)とからなり、ローカル信号をミキサへ出力す
る。そして、ミキサから中間周波数が出力される。
【0032】本実施例における発振器30に使用される誘
電体基板の側面に形成される側面電極もまた誘電体基板
の側面と二主面との上下の境界部付近を除く誘電体基板
の側面全面に形成されている。これにより、通信機装置
の特性にばらつきが生じることがなくなる。
【0033】以下、本発明の第四の実施例である誘電体
フィルタを、図7に基づいて説明する。なお、図7は本実
施例の誘電体フィルタの分解斜視図である。図7に示す
ように本実施例の誘電体フィルタ60は、誘電体基板21a
の対向する二面に電極22aが形成された誘電体共振器本
体20aと、誘電体共振器本体20aに搭載される回路基板16
aと下ケース61および上ケース66とから構成されてい
る。誘電体基板21aに形成された電極22aの中央部には二
つの円形の開口部23aが形成され、裏面電極の中央部に
おける開口部23aに対向する位置にも同形状の開口部が
形成されている。この開口部23aによって規定される部
分および上下ケース61、66で誘電体共振器を構成し、そ
の開口部23aの形状や誘電体基板21aの厚みなどによっ
て、その共振周波数が決まる。また、誘電体基板21aの
側面には側面電極24aが形成されている。
【0034】下ケース61は基板62と基板62上に搭載され
た金属枠63とからなり、金属枠63には誘電体共振器本体
20aが搭載されるため、内部に二段からなる凹部64、65
が形成されている。また、回路基板16aには入出力接続
用手段としてのマイクロストリップライン17a、17bが、
それぞれ入力用・出力用に形成されており、これらのマ
イクロストリップライン17a、17bが誘電体共振器本体20
aの開口部23a上に配置されるように回路基板16aは誘電
体共振器本体20aに搭載される。
【0035】このような構成を有する誘電体フィルタ60
では、下ケース61の一段目の凹部64に誘電体共振器本体
20aが搭載され、導電性接着剤などにより固定されてい
る。また、下ケース61の金属枠63の上に上ケース66が搭
載されて固定されている。そして、マイクロストリップ
ライン17aに入力信号が入力されると、マイクロストリ
ップライン17aと誘電体共振器とが結合し、誘電体共振
器は共振する。さらに、隣り合う誘電体共振器同士が結
合した後、出力側のマイクロストリップライン17bから
信号が出力されることにより、誘電体フィルタ60が帯域
通過フィルタとして機能している。
【0036】さらにまた、本発明の第五の実施例である
誘電体デュプレクサを、図8に基づいて説明する。な
お、図8は本実施例の誘電体デュプレクサの分解斜視図
であり、第四の実施例と同一部には同符号を付し、詳細
な説明は省略する。図8に示すように本実施例の誘電体
デュプレクサ70は、二主面に電極22bが、側面に側面電
極24bが形成された誘電体基板21b上の五つの開口部23c
〜23gで構成される五つの誘電体共振器からなる第一誘
電体フィルタ部71と、別の五つの開口部23h〜23lで構成
される五つの誘電体共振器からなる第二誘電体フィルタ
部72とからなる。第一誘電体フィルタ部71を構成する五
つの誘電体共振器は、それぞれ磁界結合し送信用帯域通
過フィルタとなる。第二誘電体フィルタ部72を構成す
る、第一誘電体フィルタ部71の誘電体共振器とは異なる
共振周波数を有する五つの誘電体共振器もまた、磁界結
合し受信用帯域通過フィルタとなる。
【0037】誘電体基板21b上に搭載されている回路基
板16cには、入出力接続用手段としてのマイクロストリ
ップライン17c〜17fとアンテナ接続用手段としてのマイ
クロストリップライン17gとが形成されている。第一誘
電体フィルタ部71の入力段の誘電体共振器に結合するマ
イクロストリップライン17cは、外部の送信用回路に接
続されている。また、第二誘電体フィルタ部72の出力段
の誘電体共振器に結合するマイクロストリップライン17
fは、外部の受信用回路に接続されている。さらに、第
一誘電体フィルタ部71の出力段の誘電体共振器に結合す
るマイクロストリップライン17dと、第二誘電体フィル
タ部72の入力段の誘電体共振器に結合するマイクロスト
リップライン17eとは、アンテナ接続用手段としてのマ
イクロストリップライン17gに共通に接続され、外部の
アンテナに接続されている。
【0038】このような構成の誘電体デュプレクサ70
は、第一誘電体フィルタ部71で所定の周波数を通過さ
せ、第二誘電体フィルタ部72で先の周波数とは異なる周
波数を通過させる帯域通過誘電体デュプレクサとして機
能する。なお、第一誘電体フィルタ部71と第二誘電体フ
ィルタ部72とのアイソレーションをとるため、上ケース
66と下ケース61の第一誘電体フィルタ部71と第二誘電体
フィルタ部72との間には仕切りを入れている。
【0039】さらにまた、先の第三の実施例とは異なる
本発明の第六の実施例である通信機装置を、図9に基づ
いて説明する。なお、図9は本実施例の通信機装置の概
略図である。図9に示すように本実施例の通信機装置80
は、誘電体デュプレクサ70と、送信用回路81と、受信用
回路82と、アンテナ83から構成される。ここで誘電体デ
ュプレクサ70は第五の実施例で示したものであり、図8
における第一誘電体フィルタ部71と接続される入出力接
続用手段が、送信用回路81に接続されており、第二誘電
体フィルタ部72と接続される入出力接続用手段が、受信
用回路82に接続されている。また、アンテナ接続用手段
はアンテナ83に接続されている。
【0040】以上、第四〜第六の実施例において説明し
たような誘電体フィルタ、誘電体デュプレクサ、通信機
装置における誘電体基板の側面に形成されるの側面電極
もまた誘電体基板の側面と二主面との上下の境界部付近
を除く誘電体基板の側面全面に形成されている。これに
より、誘電体フィルタ、誘電体デュプレクサ、通信機装
置の特性にばらつきが生じることがなくなる。
【0041】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、誘電体基
板の側面に形成される側面電極を誘電体基板の側面と二
主面との上下の境界部付近を除く部分に形成した。これ
により、側面電極が誘電体基板の上下に盛り上がること
が無くなり、例えば回路基板を搭載した場合その搭載位
置がばらつかない。したがって、回路基板に形成された
回路パターンと誘電体基板との位置関係が一定となり、
特性的に安定した誘電体共振器、発振器、誘電体フィル
タ、誘電体デュプレクサ、通信機装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の誘電体共振器の分解斜視図である。
【図2】図1におけるX−X線断面図である。
【図3】本発明の発振器の分解斜視図である。
【図4】本発明の発振器の分解斜視図である。
【図5】図3におけるY−Y線断面図である。
【図6】本発明の通信機装置の概略図である。
【図7】本発明の誘電体フィルタの分解斜視図である。
【図8】本発明の誘電体デュプレクサの分解斜視図であ
る。
【図9】本発明の他の実施例における通信機装置の概略
図である。
【図10】従来の誘電体共振器の分解射視図である。
【図11】図9におけるW−W線断面図である。
【符号の説明】
10 誘電体共振器 11 金属筐体 12,13,26,27,64,65 凹部 15 上カバー 16,16a,16b,16c,40 回路基板 17,17a〜17g マイクロストリップライン 20,20,20a 誘電体共振器本体 21,21a,21b 誘電体基板 22,22a,22b 電極 23,23a,23c〜23l 開口部 24,24a,24b 側面電極 25 筐体 30 発振器 31 パッケージ 32 キャップ 33 ステム 34 端子ピン 50,80 通信機装置 52,83 アンテナ 53,81 送信用回路 54,82 受信用回路 60 誘電体フィルタ 61 下ケース 66 上ケース 70 誘電体デュプレクサ 71 第一誘電体フィルタ部 72 第二誘電体フィルタ部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5J006 HC03 HC12 JA01 KA03 LA12 LA13 LA26 LA28 NA08 ND03 PA01 PA06 5J081 AA11 BB01 CC30 CC46 EE10 JJ04 JJ06 JJ16 LL01 MM08 MM09

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】互いに対向する二主面に電極が形成された
    誘電体基板と、前記二主面の電極に形成された開口部
    と、前記誘電体基板における前記二主面以外の側面に形
    成された側面電極と、前記誘電体基板と所定の間隔を隔
    てて配置された導体とを含んでなる誘電体共振器であっ
    て、 前記側面電極は、前記誘電体基板の側面と二主面との境
    界部を除く側周面において部分的に形成されていること
    を特徴とする誘電体共振器。
  2. 【請求項2】前記側面電極が、前記誘電体基板の側面と
    二主面との境界部を除く側周面全面に形成されているこ
    とを特徴とする誘電体共振器。
  3. 【請求項3】請求項1または2記載の誘電体共振器と、該
    誘電体共振器を収納する筐体と、回路基板とを含んでな
    ることを特徴とする発振器。
  4. 【請求項4】送信用回路、受信用回路およびアンテナと
    を含んでなる通信機装置であって、 前記送信用回路または受信用回路は発振器を含んでな
    り、該発振器が前記請求項3記載の発振器であることを
    特徴とする通信機装置。
  5. 【請求項5】前記請求項1または2記載の誘電体共振器
    と、入出力接続用手段とを含んでなることを特徴とする
    誘電体フィルタ。
  6. 【請求項6】少なくとも二つの誘電体フィルタと、該誘
    電体フィルタのそれぞれに接続される入出力接続用手段
    と、前記誘電体フィルタに共通的に接続されるアンテナ
    接続用手段とを含んでなる誘電体デュプレクサであっ
    て、 前記誘電体フィルタの少なくとも一つが前記請求項5記
    載の誘電体フィルタであることを特徴とする誘電体デュ
    プレクサ。
  7. 【請求項7】前記請求項6記載の誘電体デュプレクサ
    と、該誘電体デュプレクサの少なくとも一つの入出力接
    続用手段に接続される送信用回路と、該送信用回路に接
    続される前記入出力接続用手段と異なる少なくとも一つ
    の入出力接続用手段に接続される受信用回路と、前記誘
    電体デュプレクサのアンテナ接続用手段に接続されるア
    ンテナとを含んでなることを特徴とする通信機装置。
  8. 【請求項8】誘電体基板を用意する工程と、薄膜形成法
    により前記誘電体基板の互いに対向する二主面に開口部
    を残して電極を形成する工程と、前記誘電体基板におけ
    る前記二主面以外の側面上で、前記二主面と側面との境
    界部を除く部分に厚膜形成法により側面電極を形成する
    工程と、前記誘電体基板と所定の間隔を隔てて導体を配
    置する工程とを含んでなることを特徴とする誘電体共振
    器の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2002058185A1 (fr) * 2001-01-19 2002-07-25 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Element de circuit haute frequence et module de circuit haute frequence

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WO2002058185A1 (fr) * 2001-01-19 2002-07-25 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Element de circuit haute frequence et module de circuit haute frequence
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