JP2000123358A - 磁気記録媒体 - Google Patents
磁気記録媒体Info
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- JP2000123358A JP2000123358A JP10299897A JP29989798A JP2000123358A JP 2000123358 A JP2000123358 A JP 2000123358A JP 10299897 A JP10299897 A JP 10299897A JP 29989798 A JP29989798 A JP 29989798A JP 2000123358 A JP2000123358 A JP 2000123358A
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- Japan
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- protective film
- magnetic
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 長期に亘り潤滑効果が持続する潤滑剤を用い
るとともに、保護膜と潤滑剤との密着安定性性を高める
ことにより、優れた走行性及び耐久性を実現した磁気記
録媒体を提供する。 【解決手段】 この磁気記録媒体は、非磁性支持体と、
上記非磁性支持体上に形成された磁性層と、上記磁性層
上に形成され、表面がアミノ基を有する有機化合物でア
ミン処理されてなる保護膜とを備え、末端に水酸基を有
するパーフルオロポリエーテルと長鎖カルボン酸とのエ
ステル化合物及び長鎖飽和脂肪酸エステルを含有する潤
滑剤が最外層に保持されてなる。
るとともに、保護膜と潤滑剤との密着安定性性を高める
ことにより、優れた走行性及び耐久性を実現した磁気記
録媒体を提供する。 【解決手段】 この磁気記録媒体は、非磁性支持体と、
上記非磁性支持体上に形成された磁性層と、上記磁性層
上に形成され、表面がアミノ基を有する有機化合物でア
ミン処理されてなる保護膜とを備え、末端に水酸基を有
するパーフルオロポリエーテルと長鎖カルボン酸とのエ
ステル化合物及び長鎖飽和脂肪酸エステルを含有する潤
滑剤が最外層に保持されてなる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非磁性支持体上
に、真空薄膜形成技術により強磁性金属薄膜が磁性層と
して形成されてなる磁気記録媒体に関する。
に、真空薄膜形成技術により強磁性金属薄膜が磁性層と
して形成されてなる磁気記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、磁気記録媒体としては、酸化物磁
性粉末や合金磁性粉末等の強磁性粉末と結合剤と、有機
溶剤等よりなる磁性塗料を非磁性支持体上に塗布するこ
とで磁性層が形成される、いわゆる塗布型の磁気記録媒
体が広く使用されている。
性粉末や合金磁性粉末等の強磁性粉末と結合剤と、有機
溶剤等よりなる磁性塗料を非磁性支持体上に塗布するこ
とで磁性層が形成される、いわゆる塗布型の磁気記録媒
体が広く使用されている。
【0003】これに対し、高密度記録、長時間記録への
要求の高まりとともに、Co、Co−Ni合金、Co−
Cr合金、Co−O等の強磁性金属磁性材料をめっきや
真空薄膜形成技術(真空蒸着法、スパッタリング法、イ
オンプレーティング法等)によってポリエステルフィル
ムやポリイミドフィルム等の非磁性支持体上に直接被着
させることで磁性層が形成される、いわゆる強磁性金属
薄膜型の磁気記録媒体が使用されてきている。そして、
このような強磁性金属薄膜型の磁気記録媒体は、民生用
コンスーマービデオフォーマット(8ミリHi−8方
式、DV方式)或いは業務用ビデオフォーマット(DV
CAM)等において幅広く実用化されている。
要求の高まりとともに、Co、Co−Ni合金、Co−
Cr合金、Co−O等の強磁性金属磁性材料をめっきや
真空薄膜形成技術(真空蒸着法、スパッタリング法、イ
オンプレーティング法等)によってポリエステルフィル
ムやポリイミドフィルム等の非磁性支持体上に直接被着
させることで磁性層が形成される、いわゆる強磁性金属
薄膜型の磁気記録媒体が使用されてきている。そして、
このような強磁性金属薄膜型の磁気記録媒体は、民生用
コンスーマービデオフォーマット(8ミリHi−8方
式、DV方式)或いは業務用ビデオフォーマット(DV
CAM)等において幅広く実用化されている。
【0004】この強磁性金属薄膜型の磁気記録媒体は、
塗布型の磁気記録媒体に比べて抗磁力、角形比等の磁気
特性に優れ、短波長領域での電磁変換特性に優れるばか
りでなく、磁性層の厚みを極めて薄くすることが可能で
あるため、記録減磁や再生時の厚み損失が著しく小さい
こと、磁性層中に非磁性材料である結合剤等を混入する
必要がないことから、磁性材料の充填密度を高めること
が可能である等、数々の利点を有している。
塗布型の磁気記録媒体に比べて抗磁力、角形比等の磁気
特性に優れ、短波長領域での電磁変換特性に優れるばか
りでなく、磁性層の厚みを極めて薄くすることが可能で
あるため、記録減磁や再生時の厚み損失が著しく小さい
こと、磁性層中に非磁性材料である結合剤等を混入する
必要がないことから、磁性材料の充填密度を高めること
が可能である等、数々の利点を有している。
【0005】一般に、磁気記録媒体は、磁気信号の記録
・再生の過程で磁気ヘッドとの高速相対運動のもとにお
かれ、その際走行が円滑に、かつ安定な状態で行われな
ければならない。また、磁気ヘッドとの接触による磨耗
や損傷はなるべく少ないほうがよい。
・再生の過程で磁気ヘッドとの高速相対運動のもとにお
かれ、その際走行が円滑に、かつ安定な状態で行われな
ければならない。また、磁気ヘッドとの接触による磨耗
や損傷はなるべく少ないほうがよい。
【0006】しかしながら、上述の強磁性金属薄膜型の
磁気記録媒体では、磁性層表面の平滑性が極めて良好で
あるために、実質的な磁気ヘッドとの接触面積が大きく
なることから、凝着現象、いわゆるハリツキが起こり易
くなったり、摩擦係数が大きくなり、耐久性や走行性等
に欠点が多く、それらの改善が大きな課題となってい
る。
磁気記録媒体では、磁性層表面の平滑性が極めて良好で
あるために、実質的な磁気ヘッドとの接触面積が大きく
なることから、凝着現象、いわゆるハリツキが起こり易
くなったり、摩擦係数が大きくなり、耐久性や走行性等
に欠点が多く、それらの改善が大きな課題となってい
る。
【0007】そこで、例えば、上記磁気記録媒体の磁性
層、すなわち強磁性金属薄膜表面に潤滑剤を塗布して、
耐久性や走行性を改善することが試みられている。この
ような用途に使用される潤滑剤としては、例えば、有機
フッ素化合物が有効であることが知られている。
層、すなわち強磁性金属薄膜表面に潤滑剤を塗布して、
耐久性や走行性を改善することが試みられている。この
ような用途に使用される潤滑剤としては、例えば、有機
フッ素化合物が有効であることが知られている。
【0008】特に、特開平05−93059号公報等に
は、末端にカルボキシル基を有するエステル化合物等を
潤滑剤に用いることにより、如何なる使用条件下でも良
好な潤滑効果を発揮する磁気記録媒体が開示されてい
る。また、特開平05−194970号公報等には、末
端に水酸基を有するエステル化合物等を潤滑剤に用いる
ことにより、如何なる使用条件下でも良好な潤滑効果を
発揮する磁気記録媒体が開示されている。
は、末端にカルボキシル基を有するエステル化合物等を
潤滑剤に用いることにより、如何なる使用条件下でも良
好な潤滑効果を発揮する磁気記録媒体が開示されてい
る。また、特開平05−194970号公報等には、末
端に水酸基を有するエステル化合物等を潤滑剤に用いる
ことにより、如何なる使用条件下でも良好な潤滑効果を
発揮する磁気記録媒体が開示されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記強磁性
金属薄膜型の磁気記録媒体においては、より優れた耐久
性を確保する為に、強磁性金属薄膜上にカーボン保護膜
を形成する技術が確立されている。そして、前述のコン
スーマービデオフォーマットであるDVC用テープ、或
いは業務用ビデオフォーマットであるDVCAM用テー
プ、更にはテープストリーマ用途であるAIT用テープ
等に用いられる強磁性金属薄膜型の磁気記録媒体として
は、強磁性金属薄膜の上にカーボン保護膜が形成された
磁気記録媒体が実用化されている。このようなカーボン
保護膜の実用化により、耐久性の確保は充分となり、今
後の強磁性金属薄膜型の磁気記録媒体においては、この
カーボン保護膜の存在が不可欠になると思われる。
金属薄膜型の磁気記録媒体においては、より優れた耐久
性を確保する為に、強磁性金属薄膜上にカーボン保護膜
を形成する技術が確立されている。そして、前述のコン
スーマービデオフォーマットであるDVC用テープ、或
いは業務用ビデオフォーマットであるDVCAM用テー
プ、更にはテープストリーマ用途であるAIT用テープ
等に用いられる強磁性金属薄膜型の磁気記録媒体として
は、強磁性金属薄膜の上にカーボン保護膜が形成された
磁気記録媒体が実用化されている。このようなカーボン
保護膜の実用化により、耐久性の確保は充分となり、今
後の強磁性金属薄膜型の磁気記録媒体においては、この
カーボン保護膜の存在が不可欠になると思われる。
【0010】上記カーボン保護膜はDLC(diamond li
ke carbon)膜とも呼ばれ、マグネトロンスパッタ法、
イオンビームスパッタ法等のPVD(Physical Vapor D
eposition)法や、CVD(Chemical Vapor Depositio
n)法等によって形成される。
ke carbon)膜とも呼ばれ、マグネトロンスパッタ法、
イオンビームスパッタ法等のPVD(Physical Vapor D
eposition)法や、CVD(Chemical Vapor Depositio
n)法等によって形成される。
【0011】ここで、CVD法によりカーボン保護膜を
形成する場合、PVD法によりカーボン保護膜を形成す
る場合に比較して、高速成膜が可能であること、被覆率
が高いこと、及び省電力、省エネルギーであるといった
利点を有している。すなわち、CVD法によりカーボン
保護膜を形成することにより、高速成膜が可能となり生
産性が向上する。また、カーボン保護膜の高い被覆率に
より、磁性薄膜層の耐食性や耐錆性が改善される。さら
に、省電力、省エネルギーにより地球環境に与える影響
を少なくすることができる。
形成する場合、PVD法によりカーボン保護膜を形成す
る場合に比較して、高速成膜が可能であること、被覆率
が高いこと、及び省電力、省エネルギーであるといった
利点を有している。すなわち、CVD法によりカーボン
保護膜を形成することにより、高速成膜が可能となり生
産性が向上する。また、カーボン保護膜の高い被覆率に
より、磁性薄膜層の耐食性や耐錆性が改善される。さら
に、省電力、省エネルギーにより地球環境に与える影響
を少なくすることができる。
【0012】しかしながら、CVD法によるカーボン保
護膜は、PVD法によるカーボン保護膜と比較して、表
面のエネルギーが小さい。そのため、上述したように、
磁気記録媒体の耐久性や走行性を改善するべく、潤滑剤
を使用しようとすると、潤滑剤とカーボン保護膜との吸
着性が弱く、安定且つ良好な潤滑効果が発揮されない。
そのため、カーボン保護膜の存在を考慮した潤滑剤の設
計が必要となる。
護膜は、PVD法によるカーボン保護膜と比較して、表
面のエネルギーが小さい。そのため、上述したように、
磁気記録媒体の耐久性や走行性を改善するべく、潤滑剤
を使用しようとすると、潤滑剤とカーボン保護膜との吸
着性が弱く、安定且つ良好な潤滑効果が発揮されない。
そのため、カーボン保護膜の存在を考慮した潤滑剤の設
計が必要となる。
【0013】そこで、本発明は、このような実情に鑑み
て提案されたものであり、長期に亘り潤滑効果が持続す
る潤滑剤を用いるとともに、保護膜と潤滑剤との密着安
定性性を高めることにより、優れた走行性及び耐久性を
実現した磁気記録媒体を提供することを目的とする。
て提案されたものであり、長期に亘り潤滑効果が持続す
る潤滑剤を用いるとともに、保護膜と潤滑剤との密着安
定性性を高めることにより、優れた走行性及び耐久性を
実現した磁気記録媒体を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明に係る磁気記録媒
体は、非磁性支持体と、上記非磁性支持体上に形成され
た磁性層と、上記磁性層上に形成され、表面がアミノ基
を有する有機化合物によってアミン処理されてなる保護
膜とを備え、下記化11で示される末端に水酸基を有す
るパーフルオロポリエーテルと長鎖カルボン酸とのエス
テル化合物及び下記化12で示される長鎖飽和脂肪酸エ
ステルを含有する潤滑剤が最外層に保持されてなること
を特徴とする。
体は、非磁性支持体と、上記非磁性支持体上に形成され
た磁性層と、上記磁性層上に形成され、表面がアミノ基
を有する有機化合物によってアミン処理されてなる保護
膜とを備え、下記化11で示される末端に水酸基を有す
るパーフルオロポリエーテルと長鎖カルボン酸とのエス
テル化合物及び下記化12で示される長鎖飽和脂肪酸エ
ステルを含有する潤滑剤が最外層に保持されてなること
を特徴とする。
【0015】
【化11】
【0016】
【化12】
【0017】上述したような本発明に係る磁気記録媒体
では、上記保護膜の表面がアミノ基を有する有機化合物
によってアミン処理されているので、保護膜と潤滑剤と
の密着性が向上する。さらに、本発明に係る磁気記録媒
体では、上記化11で示される化合物と上記化12で示
される化合物とを含有する潤滑剤が最外層に保持されて
いるので、如何なる使用条件下においても密着性や潤滑
性が好適に保たれ、長期に至って良好な走行性及び耐久
性が確保される。
では、上記保護膜の表面がアミノ基を有する有機化合物
によってアミン処理されているので、保護膜と潤滑剤と
の密着性が向上する。さらに、本発明に係る磁気記録媒
体では、上記化11で示される化合物と上記化12で示
される化合物とを含有する潤滑剤が最外層に保持されて
いるので、如何なる使用条件下においても密着性や潤滑
性が好適に保たれ、長期に至って良好な走行性及び耐久
性が確保される。
【0018】本発明に係る磁気記録媒体は、非磁性支持
体と、上記非磁性支持体上に形成された磁性層と、上記
磁性層上に形成され、表面がアミノ基を有する有機化合
物によってアミン処理されてなる保護膜とを備え、下記
化13で示される末端にカルボキシル基を有するパーフ
ルオロポリエーテルと長鎖アルコールとのエステル化合
物及び下記化14で示される長鎖飽和脂肪酸エステルを
含有する潤滑剤が最外層に保持されてなることを特徴と
する。
体と、上記非磁性支持体上に形成された磁性層と、上記
磁性層上に形成され、表面がアミノ基を有する有機化合
物によってアミン処理されてなる保護膜とを備え、下記
化13で示される末端にカルボキシル基を有するパーフ
ルオロポリエーテルと長鎖アルコールとのエステル化合
物及び下記化14で示される長鎖飽和脂肪酸エステルを
含有する潤滑剤が最外層に保持されてなることを特徴と
する。
【0019】
【化13】
【0020】
【化14】
【0021】上述したような本発明に係る磁気記録媒体
では、上記保護膜の表面がアミノ基を有する有機化合物
によってアミン処理されているので、保護膜と潤滑剤と
の密着性が向上する。さらに、本発明に係る磁気記録媒
体では、上記化13で示される化合物と上記化14で示
される化合物とを含有する潤滑剤が最外層に保持されて
いるので、如何なる使用条件下においても密着性や潤滑
性が好適に保たれ、長期に至って良好な走行性及び耐久
性が確保される。
では、上記保護膜の表面がアミノ基を有する有機化合物
によってアミン処理されているので、保護膜と潤滑剤と
の密着性が向上する。さらに、本発明に係る磁気記録媒
体では、上記化13で示される化合物と上記化14で示
される化合物とを含有する潤滑剤が最外層に保持されて
いるので、如何なる使用条件下においても密着性や潤滑
性が好適に保たれ、長期に至って良好な走行性及び耐久
性が確保される。
【0022】本発明に係る磁気記録媒体は、非磁性支持
体と、上記非磁性支持体上に形成された磁性層と、上記
磁性層上に形成され、表面がアミノ基を有する有機化合
物によってアミン処理されてなる保護膜とを備え、下記
化15で示される末端にカルボキシル基を有する二官能
パーフルオロポリエーテルとアミンとの化合物及び下記
化16で示される長鎖飽和脂肪酸エステルを含有する潤
滑剤が最外層に保持されてなることを特徴とする。
体と、上記非磁性支持体上に形成された磁性層と、上記
磁性層上に形成され、表面がアミノ基を有する有機化合
物によってアミン処理されてなる保護膜とを備え、下記
化15で示される末端にカルボキシル基を有する二官能
パーフルオロポリエーテルとアミンとの化合物及び下記
化16で示される長鎖飽和脂肪酸エステルを含有する潤
滑剤が最外層に保持されてなることを特徴とする。
【0023】
【化15】
【0024】
【化16】
【0025】上述したような本発明に係る磁気記録媒体
では、上記保護膜の表面がアミノ基を有する有機化合物
によってアミン処理されているので、保護膜と潤滑剤と
の密着性が向上する。さらに、本発明に係る磁気記録媒
体では、上記化15で示される化合物と上記化16で示
される化合物とを含有する潤滑剤が最外層に保持されて
いるので、如何なる使用条件下においても密着性や潤滑
性が好適に保たれ、長期に至って良好な走行性及び耐久
性が確保される。
では、上記保護膜の表面がアミノ基を有する有機化合物
によってアミン処理されているので、保護膜と潤滑剤と
の密着性が向上する。さらに、本発明に係る磁気記録媒
体では、上記化15で示される化合物と上記化16で示
される化合物とを含有する潤滑剤が最外層に保持されて
いるので、如何なる使用条件下においても密着性や潤滑
性が好適に保たれ、長期に至って良好な走行性及び耐久
性が確保される。
【0026】本発明に係る磁気記録媒体は、非磁性支持
体と、上記非磁性支持体上に形成された磁性層と、上記
磁性層上に形成され、表面がアミノ基を有する有機化合
物によってアミン処理されてなる保護膜とを備え、下記
化17で示される末端にカルボキシル基を有するパーフ
ルオロポリエーテルとアミンとの化合物及び下記化18
で示される長鎖飽和脂肪酸エステルを含有する潤滑剤が
最外層に保持されてなることを特徴とする。
体と、上記非磁性支持体上に形成された磁性層と、上記
磁性層上に形成され、表面がアミノ基を有する有機化合
物によってアミン処理されてなる保護膜とを備え、下記
化17で示される末端にカルボキシル基を有するパーフ
ルオロポリエーテルとアミンとの化合物及び下記化18
で示される長鎖飽和脂肪酸エステルを含有する潤滑剤が
最外層に保持されてなることを特徴とする。
【0027】
【化17】
【0028】
【化18】
【0029】上述したような本発明に係る磁気記録媒体
では、上記保護膜の表面がアミノ基を有する有機化合物
によってアミン処理されているので、保護膜と潤滑剤と
の密着性が向上する。さらに、本発明に係る磁気記録媒
体では、上記化17で示される化合物と上記化18で示
される化合物とを含有する潤滑剤が最外層に保持されて
いるので、如何なる使用条件下においても密着性や潤滑
性が好適に保たれ、長期に至って良好な走行性及び耐久
性が確保される。
では、上記保護膜の表面がアミノ基を有する有機化合物
によってアミン処理されているので、保護膜と潤滑剤と
の密着性が向上する。さらに、本発明に係る磁気記録媒
体では、上記化17で示される化合物と上記化18で示
される化合物とを含有する潤滑剤が最外層に保持されて
いるので、如何なる使用条件下においても密着性や潤滑
性が好適に保たれ、長期に至って良好な走行性及び耐久
性が確保される。
【0030】本発明に係る磁気記録媒体は、非磁性支持
体と、上記非磁性支持体上に形成された磁性層と、上記
磁性層上に形成され、表面がアミノ基を有する有機化合
物によってアミン処理されてなる保護膜とを備え、下記
化19で示される末端にカルボキシル基を有するパーフ
ルオロポリエーテルとジアミンとの化合物及び下記化2
0で示される長鎖飽和脂肪酸エステルを含有する潤滑剤
が最外層に保持されてなることを特徴とする。
体と、上記非磁性支持体上に形成された磁性層と、上記
磁性層上に形成され、表面がアミノ基を有する有機化合
物によってアミン処理されてなる保護膜とを備え、下記
化19で示される末端にカルボキシル基を有するパーフ
ルオロポリエーテルとジアミンとの化合物及び下記化2
0で示される長鎖飽和脂肪酸エステルを含有する潤滑剤
が最外層に保持されてなることを特徴とする。
【0031】
【化19】
【0032】
【化20】
【0033】上述したような本発明に係る磁気記録媒体
では、上記保護膜の表面がアミノ基を有する有機化合物
によってアミン処理されているので、保護膜と潤滑剤と
の密着性が向上する。さらに、本発明に係る磁気記録媒
体では、上記化19で示される化合物と上記化20で示
される化合物とを含有する潤滑剤が最外層に保持されて
いるので、如何なる使用条件下においても密着性や潤滑
性が好適に保たれ、長期に至って良好な走行性及び耐久
性が確保される。
では、上記保護膜の表面がアミノ基を有する有機化合物
によってアミン処理されているので、保護膜と潤滑剤と
の密着性が向上する。さらに、本発明に係る磁気記録媒
体では、上記化19で示される化合物と上記化20で示
される化合物とを含有する潤滑剤が最外層に保持されて
いるので、如何なる使用条件下においても密着性や潤滑
性が好適に保たれ、長期に至って良好な走行性及び耐久
性が確保される。
【0034】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て詳細に説明する。
て詳細に説明する。
【0035】〈第1の実施の形態〉図1に、本実施の形
態に係る磁気記録媒体の一例の断面図を示す。
態に係る磁気記録媒体の一例の断面図を示す。
【0036】この磁気記録媒体1は、図1に示すよう
に、非磁性支持体2上に磁性層3として強磁性金属薄膜
が形成され、この磁性層3上に最外層として保護膜4が
形成されてなる。
に、非磁性支持体2上に磁性層3として強磁性金属薄膜
が形成され、この磁性層3上に最外層として保護膜4が
形成されてなる。
【0037】非磁性支持体2としては、例えば、ポリエ
チレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等の
ポリエステル類、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポ
リオレフィン類、セルローストリアセテート、セルロー
スダイアセテート等のセルロース誘導体、ポリ塩化ビニ
ル、ポリ塩化ビニリデン等のビニル系樹脂、ポリカーボ
ネート、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド等
のプラスチック、アルミニウム合金、チタン合金等の軽
金属、ガラス等のセラミックス等が挙げられる。さら
に、この非磁性支持体2の形態としては、フィルム、シ
ート、ディスク、カード、ドラム等の何れの形態でもよ
い。
チレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等の
ポリエステル類、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポ
リオレフィン類、セルローストリアセテート、セルロー
スダイアセテート等のセルロース誘導体、ポリ塩化ビニ
ル、ポリ塩化ビニリデン等のビニル系樹脂、ポリカーボ
ネート、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド等
のプラスチック、アルミニウム合金、チタン合金等の軽
金属、ガラス等のセラミックス等が挙げられる。さら
に、この非磁性支持体2の形態としては、フィルム、シ
ート、ディスク、カード、ドラム等の何れの形態でもよ
い。
【0038】また、非磁性支持体2は、その表面に山状
突起やしわ状突起、粒状突起等の突起が1種以上形成さ
れ、表面粗さがコントロールされたものでも良い。
突起やしわ状突起、粒状突起等の突起が1種以上形成さ
れ、表面粗さがコントロールされたものでも良い。
【0039】具体的には、上記山状突起は、例えば、高
分子フィルム製膜時に粒径50nm〜300nm程度の
無機微粒子を内添させることにより形成され、高分子フ
ィルム表面からの高さが10nm〜100nm、密度が
約1×104個/mm2〜1×105個/mm2とする。こ
の山状突起を形成するための無機微粒子としては、例え
ば、炭酸カルシウム、シリカ、アルミナ等が好適であ
る。
分子フィルム製膜時に粒径50nm〜300nm程度の
無機微粒子を内添させることにより形成され、高分子フ
ィルム表面からの高さが10nm〜100nm、密度が
約1×104個/mm2〜1×105個/mm2とする。こ
の山状突起を形成するための無機微粒子としては、例え
ば、炭酸カルシウム、シリカ、アルミナ等が好適であ
る。
【0040】上記しわ状突起は、例えば、特定の混合溶
媒を用いた樹脂の希薄溶液を塗布乾燥させることにより
形成される突起であって、その高さが0.01μm〜1
0μm、好ましくは0.03μm〜0.5μm、突起間
の最短間隔が0.1μm〜20μmとする。
媒を用いた樹脂の希薄溶液を塗布乾燥させることにより
形成される突起であって、その高さが0.01μm〜1
0μm、好ましくは0.03μm〜0.5μm、突起間
の最短間隔が0.1μm〜20μmとする。
【0041】このしわ状突起を形成するための樹脂とし
ては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチ
レンナフタレート等のポリエステル、ポリアミド、ポリ
スチロール、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポ
リスルホン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポ
リビニルブチラール、ポリフェニレンオキサイド、フェ
ノキシ樹脂等の単体、混合体または共重合体であり、可
溶性溶剤を有するものが適している。そして、これらの
樹脂をその良溶媒に樹脂濃度1ppm〜1000ppm
で溶解させた溶液に、その樹脂の貧溶媒であって前記良
溶媒より高い沸点を有する溶媒を樹脂に対して10倍量
〜100倍量添加した溶液を、高分子フィルムの表面に
塗布・乾燥させることにより、非常に微細なしわ状突起
を有する薄膜を形成することができる。
ては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチ
レンナフタレート等のポリエステル、ポリアミド、ポリ
スチロール、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポ
リスルホン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポ
リビニルブチラール、ポリフェニレンオキサイド、フェ
ノキシ樹脂等の単体、混合体または共重合体であり、可
溶性溶剤を有するものが適している。そして、これらの
樹脂をその良溶媒に樹脂濃度1ppm〜1000ppm
で溶解させた溶液に、その樹脂の貧溶媒であって前記良
溶媒より高い沸点を有する溶媒を樹脂に対して10倍量
〜100倍量添加した溶液を、高分子フィルムの表面に
塗布・乾燥させることにより、非常に微細なしわ状突起
を有する薄膜を形成することができる。
【0042】上記粒状突起は、アクリル樹脂等の有機超
微粒子またはシリカ、金属粉等の無機微粒子を球状ある
いは半球状に付着させることにより形成される。この粒
状突起の高さは、5nm〜50nm、密度は1×106
個/mm2〜5×107個/mm2程度とする。
微粒子またはシリカ、金属粉等の無機微粒子を球状ある
いは半球状に付着させることにより形成される。この粒
状突起の高さは、5nm〜50nm、密度は1×106
個/mm2〜5×107個/mm2程度とする。
【0043】これらの突起の少なくとも1種以上を形成
することにより、磁性層3である強磁性金属薄膜の表面
性を制御することが可能であるが、2種以上を組み合わ
せることにより効果が増し、特に、山状突起を設けた非
磁性支持体2上にしわ状突起と粒状突起を形成すると、
耐久性や走行性が著しく改善される。この場合、突起全
体としての高さは、10nm〜200nmの範囲内であ
ることが好ましく、その密度は1×105個/mm2〜1
×107個/mm2であることが好ましい。
することにより、磁性層3である強磁性金属薄膜の表面
性を制御することが可能であるが、2種以上を組み合わ
せることにより効果が増し、特に、山状突起を設けた非
磁性支持体2上にしわ状突起と粒状突起を形成すると、
耐久性や走行性が著しく改善される。この場合、突起全
体としての高さは、10nm〜200nmの範囲内であ
ることが好ましく、その密度は1×105個/mm2〜1
×107個/mm2であることが好ましい。
【0044】また、上記磁性層3となる強磁性金属薄膜
としては、例えば、Fe、Co、Ni等の金属の他に、
Co−Ni合金、Co−Pt合金、Co−Ni−Pt合
金、Fe−Co合金、Fe−Ni合金、Fe−Co−N
i合金、Fe−Co−B合金、Co−Ni−Fe−B合
金、Co−Cr合金或いはこれらにCr、Al等の金属
が含有された強磁性金属材料よりなるものが挙げられ
る。特に、Co−Cr合金を使用した場合には、垂直磁
化膜が形成される。
としては、例えば、Fe、Co、Ni等の金属の他に、
Co−Ni合金、Co−Pt合金、Co−Ni−Pt合
金、Fe−Co合金、Fe−Ni合金、Fe−Co−N
i合金、Fe−Co−B合金、Co−Ni−Fe−B合
金、Co−Cr合金或いはこれらにCr、Al等の金属
が含有された強磁性金属材料よりなるものが挙げられ
る。特に、Co−Cr合金を使用した場合には、垂直磁
化膜が形成される。
【0045】そして、上記磁性層3である強磁性金属薄
膜は、真空蒸着法やイオンプレーティング法、スパッタ
リング法等の真空薄膜形成技術により連続膜として形成
される。
膜は、真空蒸着法やイオンプレーティング法、スパッタ
リング法等の真空薄膜形成技術により連続膜として形成
される。
【0046】上記真空蒸着法は、1×10-2Pa〜1×
10-6Paの真空下で強磁性金属材料を抵抗加熱、高周
波加熱、電子ビーム加熱等により蒸発させ、非磁性支持
体2上に蒸発金属(強磁性金属材料)を沈着させるもの
であり、一般に高い抗磁力を得るために非磁性支持体2
に対して上記強磁性金属材料を斜めに蒸着する斜方蒸着
が用いられる。さらに、より高い抗磁力を得るために酸
素雰囲気中で上記蒸着を行うものも含まれる。
10-6Paの真空下で強磁性金属材料を抵抗加熱、高周
波加熱、電子ビーム加熱等により蒸発させ、非磁性支持
体2上に蒸発金属(強磁性金属材料)を沈着させるもの
であり、一般に高い抗磁力を得るために非磁性支持体2
に対して上記強磁性金属材料を斜めに蒸着する斜方蒸着
が用いられる。さらに、より高い抗磁力を得るために酸
素雰囲気中で上記蒸着を行うものも含まれる。
【0047】上記イオンプレーティング法も真空蒸着法
の1種であり、1×10-2Pa〜1×10-1Paの不活
性ガス雰囲気中でDCグロー放電、RFグロー放電を起
こして、放電中で上記磁性金属材料を蒸発させるという
ものである。
の1種であり、1×10-2Pa〜1×10-1Paの不活
性ガス雰囲気中でDCグロー放電、RFグロー放電を起
こして、放電中で上記磁性金属材料を蒸発させるという
ものである。
【0048】上記スパッタリング法は、1×10-1Pa
〜1×10Paのアルゴンガスを主成分とする雰囲気中
でグロー放電を起こし、生じたアルゴンガスイオンでタ
ーゲット表面の原子をたたき出すというものであり、グ
ロー放電の方法により直流2極、3極スパッタ法や、高
周波スパッタ法、またはマグネトロン放電を利用したマ
グネトロンスパッタ法等がある。このスパッタリング法
による場合には、CrやW、V等の下地膜を形成してお
いてもよい。
〜1×10Paのアルゴンガスを主成分とする雰囲気中
でグロー放電を起こし、生じたアルゴンガスイオンでタ
ーゲット表面の原子をたたき出すというものであり、グ
ロー放電の方法により直流2極、3極スパッタ法や、高
周波スパッタ法、またはマグネトロン放電を利用したマ
グネトロンスパッタ法等がある。このスパッタリング法
による場合には、CrやW、V等の下地膜を形成してお
いてもよい。
【0049】なお、上記いずれの方法においても、非磁
性支持体2上に予めBi,Sb,Pb,Sn,Ga,I
n,Cd,Ge,Si,Tl等の下地金属層を被着形成
しておき、その非磁性支持体2の表面に対して垂直方向
から成膜することにより、磁気異方性の配向がなく、面
内等方性に優れた磁性層3を形成することができ、磁気
記録媒体1を、例えば磁気ディスクとする場合には好適
である。また、このような手法により形成される強磁性
金属薄膜の膜厚は、0.01μm〜1μmであるのが好
ましい。
性支持体2上に予めBi,Sb,Pb,Sn,Ga,I
n,Cd,Ge,Si,Tl等の下地金属層を被着形成
しておき、その非磁性支持体2の表面に対して垂直方向
から成膜することにより、磁気異方性の配向がなく、面
内等方性に優れた磁性層3を形成することができ、磁気
記録媒体1を、例えば磁気ディスクとする場合には好適
である。また、このような手法により形成される強磁性
金属薄膜の膜厚は、0.01μm〜1μmであるのが好
ましい。
【0050】保護膜4は、カーボンからなり、磁性層3
となる強磁性金属薄膜上に形成される。特に、保護膜4
として、比較的硬度の高いダイヤモンドライクカーボン
よりなるものが好ましく例示される。
となる強磁性金属薄膜上に形成される。特に、保護膜4
として、比較的硬度の高いダイヤモンドライクカーボン
よりなるものが好ましく例示される。
【0051】この保護膜4は、CVD法等により形成さ
れる。CVD法によって保護膜4を形成する場合には、
例えば、真空容器中に炭化水素ガス、あるいは炭化水素
と不活性ガスとの混合ガスを導入し、10Pa〜100
Pa程度の圧力に保持した状態で、真空容器内に放電さ
せて、炭化水素ガスのプラズマを発生させ、強磁性金属
薄膜上に保護膜4を形成する。
れる。CVD法によって保護膜4を形成する場合には、
例えば、真空容器中に炭化水素ガス、あるいは炭化水素
と不活性ガスとの混合ガスを導入し、10Pa〜100
Pa程度の圧力に保持した状態で、真空容器内に放電さ
せて、炭化水素ガスのプラズマを発生させ、強磁性金属
薄膜上に保護膜4を形成する。
【0052】放電形式としては、外部電極方式、内部電
極方式のいずれでもよく、放電周波数については、実験
的に決めることができる。また、強磁性金属薄膜が形成
された非磁性支持体2側に配された電極に0〜−3kV
の電圧を印加することにより、保護膜4の硬度の増大及
び密着性を向上させることができる。
極方式のいずれでもよく、放電周波数については、実験
的に決めることができる。また、強磁性金属薄膜が形成
された非磁性支持体2側に配された電極に0〜−3kV
の電圧を印加することにより、保護膜4の硬度の増大及
び密着性を向上させることができる。
【0053】保護膜4の材料となる上記炭化水素として
は、例えば、メタン、エタン、プロパン、ブタン、ペン
タン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、エチレン、アセ
チレン、プロペン、ブテン、ペンテン、ベンゼンなどを
用いることができる。
は、例えば、メタン、エタン、プロパン、ブタン、ペン
タン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、エチレン、アセ
チレン、プロペン、ブテン、ペンテン、ベンゼンなどを
用いることができる。
【0054】この保護膜4は、スペーシングロスを少な
くかつ、強磁性金属薄膜の磨耗防止の効果を得られるよ
う、その厚さが3nm〜15nm程度、特に5nm〜1
0nm程度であることが好ましい。
くかつ、強磁性金属薄膜の磨耗防止の効果を得られるよ
う、その厚さが3nm〜15nm程度、特に5nm〜1
0nm程度であることが好ましい。
【0055】そして、この保護膜4は、その表面がアミ
ン処理されている。保護膜4の表面をアミン処理するこ
とにより、保護膜4と、保護膜4上に保持される潤滑剤
との間の密着性が向上し、潤滑剤の潤滑効果を長期間に
亘って持続させることができる。
ン処理されている。保護膜4の表面をアミン処理するこ
とにより、保護膜4と、保護膜4上に保持される潤滑剤
との間の密着性が向上し、潤滑剤の潤滑効果を長期間に
亘って持続させることができる。
【0056】保護膜4の表面をアミン処理するには、ア
ミノ基を有する有機化合物を保護膜4上に塗布すればよ
い。
ミノ基を有する有機化合物を保護膜4上に塗布すればよ
い。
【0057】アミノ基を有する有機化合物としては、エ
チレンジアミン、プロパンジアミン、テトラメチレンジ
アミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジア
ミン等のアルキルジアミンの他、ジエチレントリアミ
ン、トリエチレンテトラミン等のポリアミンが挙げられ
る。
チレンジアミン、プロパンジアミン、テトラメチレンジ
アミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジア
ミン等のアルキルジアミンの他、ジエチレントリアミ
ン、トリエチレンテトラミン等のポリアミンが挙げられ
る。
【0058】ここで、上述したようなアミノ基を有する
有機化合物を保護膜4上に塗布する際に、アルコール、
ケトン、エステル、水などの極性溶媒を用いることが好
ましい。極性溶媒を用いることで、トルエンなどの無極
性溶媒を用いた場合に比較して、安定した効果が得られ
る。
有機化合物を保護膜4上に塗布する際に、アルコール、
ケトン、エステル、水などの極性溶媒を用いることが好
ましい。極性溶媒を用いることで、トルエンなどの無極
性溶媒を用いた場合に比較して、安定した効果が得られ
る。
【0059】さらに、アミン化合物の塗布量は、保護膜
4の表面酸化の度合いに依存し、塗布量が多すぎても、
少なすぎても十分な効果を示さない。そして、アミン化
合物の塗布量の最適値は、実験的に決定することがで
き、例えば、2mg/m2とする。
4の表面酸化の度合いに依存し、塗布量が多すぎても、
少なすぎても十分な効果を示さない。そして、アミン化
合物の塗布量の最適値は、実験的に決定することがで
き、例えば、2mg/m2とする。
【0060】そして、特に、本発明を適用した磁気記録
媒体1においては、最外層となる保護膜4に下記化21
で示される末端に水酸基を有するパーフルオロポリエー
テルと長鎖カルボン酸とのエステル化合物と、下記化2
2にて示される長鎖飽和脂肪酸エステルを含有する潤滑
剤が保持されている。
媒体1においては、最外層となる保護膜4に下記化21
で示される末端に水酸基を有するパーフルオロポリエー
テルと長鎖カルボン酸とのエステル化合物と、下記化2
2にて示される長鎖飽和脂肪酸エステルを含有する潤滑
剤が保持されている。
【0061】
【化21】
【0062】
【化22】
【0063】このような化21に示される化合物及び化
22に示される化合物を有する潤滑剤は、如何なる使用
条件下においても密着性や潤滑性が好適に保たれ、且つ
長期に至り潤滑効果を持続する特性を有するものであ
る。
22に示される化合物を有する潤滑剤は、如何なる使用
条件下においても密着性や潤滑性が好適に保たれ、且つ
長期に至り潤滑効果を持続する特性を有するものであ
る。
【0064】上記化21に示す末端に水酸基を有するパ
ーフルオロポリエーテルと長鎖カルボン酸とのエステル
化合物は、例えば、末端に水酸基を有するパーフルオロ
ポリエーテルと長鎖カルボン酸クロリドとを、トルエン
中で塩基を触媒として反応させることによって得られ
る。
ーフルオロポリエーテルと長鎖カルボン酸とのエステル
化合物は、例えば、末端に水酸基を有するパーフルオロ
ポリエーテルと長鎖カルボン酸クロリドとを、トルエン
中で塩基を触媒として反応させることによって得られ
る。
【0065】ここで、上記末端に水酸基を有するパーフ
ルオロポリエーテルとしては、水酸基を両末端に有する
ものが好ましく、例えば、HO−CH2CF2(OC
2F4)p(OCF2)qOCF2CH2−OH(但し、化学
式中のp,qはいずれも1以上の整数を表す。)等が挙
げられる。上記の末端に水酸基を有するパーフルオロポ
リエーテルは、勿論、これらに限定されるわけではな
い。
ルオロポリエーテルとしては、水酸基を両末端に有する
ものが好ましく、例えば、HO−CH2CF2(OC
2F4)p(OCF2)qOCF2CH2−OH(但し、化学
式中のp,qはいずれも1以上の整数を表す。)等が挙
げられる。上記の末端に水酸基を有するパーフルオロポ
リエーテルは、勿論、これらに限定されるわけではな
い。
【0066】また、上記末端に水酸基を有するパーフル
オロポリエーテルの分子量は、特に制約されるものでは
ないが、実用的には600〜5000程度が好ましい。
分子量が大きすぎると、末端基の吸着基としての効果が
薄れると同時に、パーフルオロポリエーテル鎖が大きく
なる分、既存の炭化水素系溶媒に溶解しにくくなる。逆
に、分子量が小さすぎると、パーフルオロポリエーテル
鎖による潤滑効果が失われてしまう。
オロポリエーテルの分子量は、特に制約されるものでは
ないが、実用的には600〜5000程度が好ましい。
分子量が大きすぎると、末端基の吸着基としての効果が
薄れると同時に、パーフルオロポリエーテル鎖が大きく
なる分、既存の炭化水素系溶媒に溶解しにくくなる。逆
に、分子量が小さすぎると、パーフルオロポリエーテル
鎖による潤滑効果が失われてしまう。
【0067】なお、この末端に水酸基を有するパーフル
オロポリエーテルにおいては、パーフルオロポリエーテ
ル鎖が部分水素化されてもよい。すなわち、パーフルオ
ロポリエーテル鎖のフッ素原子の一部(50%以下)を
水素原子で置換してもよい。この場合には、パーフルオ
ロポリエーテルとして部分水素化したパーフルオロポリ
エーテルを使用すればよい。
オロポリエーテルにおいては、パーフルオロポリエーテ
ル鎖が部分水素化されてもよい。すなわち、パーフルオ
ロポリエーテル鎖のフッ素原子の一部(50%以下)を
水素原子で置換してもよい。この場合には、パーフルオ
ロポリエーテルとして部分水素化したパーフルオロポリ
エーテルを使用すればよい。
【0068】一方、上記長鎖カルボン酸クロリドとして
は、市販品、或いは合成品何れも使用可能である。この
ように、末端に水酸基を有するパーフルオロポリエーテ
ルと長鎖カルボン酸クロリドとを反応させて合成され
る、末端に水酸基を有するパーフルオロポリエーテルと
長鎖カルボン酸とのエステル化合物が、上記化21に示
す化合物である。
は、市販品、或いは合成品何れも使用可能である。この
ように、末端に水酸基を有するパーフルオロポリエーテ
ルと長鎖カルボン酸クロリドとを反応させて合成され
る、末端に水酸基を有するパーフルオロポリエーテルと
長鎖カルボン酸とのエステル化合物が、上記化21に示
す化合物である。
【0069】ここで、上記長鎖カルボン酸、つまり合成
材料の長鎖カルボン酸クロリドのカルボン酸部分は、カ
ルボン酸基を有する任意の構造で良く、例えば、分岐構
造、異性体構造、脂環構造、不飽和結合の有無によらず
選択することができる。また、この長鎖カルボン酸は、
分子量に関しても任意であるが、分子量が小さくなるに
伴って通常の炭化水素系の有機溶媒に溶解し難くなるこ
とから、少なくともアルキル基の炭素数が10以上であ
ることが好ましい。
材料の長鎖カルボン酸クロリドのカルボン酸部分は、カ
ルボン酸基を有する任意の構造で良く、例えば、分岐構
造、異性体構造、脂環構造、不飽和結合の有無によらず
選択することができる。また、この長鎖カルボン酸は、
分子量に関しても任意であるが、分子量が小さくなるに
伴って通常の炭化水素系の有機溶媒に溶解し難くなるこ
とから、少なくともアルキル基の炭素数が10以上であ
ることが好ましい。
【0070】また、上述したように、本発明に用いられ
る潤滑剤には、上記化21に示すエステル化合物の他
に、上記化22に示される長鎖飽和脂肪酸エステルが含
有される。
る潤滑剤には、上記化21に示すエステル化合物の他
に、上記化22に示される長鎖飽和脂肪酸エステルが含
有される。
【0071】この長鎖飽和脂肪酸エステルとしては2つ
のアルキル基の炭素数の和が15〜35であるものが好
ましい。具体的には、ラウリン酸ヘキシル(C11H23C
OOC6H13)、ラウリン酸ヘプチル(C11H23COO
C7H15)ラウリン酸オクチル(C11H23COOC
8H17)、ラウリン酸デシル(C11H23COOC
10H21)、ミリスチン酸ヘプチル(C13H27COOC7
H15)、ミリスチン酸オクチル(C1 3H27COOC8H
17)、ミリスチン酸デシル(C13H27COOC
10H21)、パルミチン酸ブチル(C15H31COOC
4H9)、パルミチン酸ヘプチル(C15H31COOC7H
15)、パルミチン酸デシル(C15H31COOC
10H21)、ステアリン酸ブチル(C17H35COOC
4H9)、ステアリン酸ペンチル(C17H31COOC5H
11)、ステアリン酸ヘプチル(C17H35COOC
7H15)、ステアリン酸オクチル(C17H35COOC8H
17)、ステアリン酸デシル(C17H35COOC10H2 1)
等が挙げられる。
のアルキル基の炭素数の和が15〜35であるものが好
ましい。具体的には、ラウリン酸ヘキシル(C11H23C
OOC6H13)、ラウリン酸ヘプチル(C11H23COO
C7H15)ラウリン酸オクチル(C11H23COOC
8H17)、ラウリン酸デシル(C11H23COOC
10H21)、ミリスチン酸ヘプチル(C13H27COOC7
H15)、ミリスチン酸オクチル(C1 3H27COOC8H
17)、ミリスチン酸デシル(C13H27COOC
10H21)、パルミチン酸ブチル(C15H31COOC
4H9)、パルミチン酸ヘプチル(C15H31COOC7H
15)、パルミチン酸デシル(C15H31COOC
10H21)、ステアリン酸ブチル(C17H35COOC
4H9)、ステアリン酸ペンチル(C17H31COOC5H
11)、ステアリン酸ヘプチル(C17H35COOC
7H15)、ステアリン酸オクチル(C17H35COOC8H
17)、ステアリン酸デシル(C17H35COOC10H2 1)
等が挙げられる。
【0072】上記化22に示す長鎖飽和脂肪酸エステル
中におけるR2,R3の炭素数の合計数は15〜35であ
ることが好ましい。R2,R3の炭素数の合計数が15未
満である場合、潤滑効果が乏しくスチル耐久性に効果が
なく、R2,R3の炭素数の合計数が35を越える場合、
有機溶媒への溶解性が小さくなり均一な潤滑剤塗布層を
形成するのが難しい。
中におけるR2,R3の炭素数の合計数は15〜35であ
ることが好ましい。R2,R3の炭素数の合計数が15未
満である場合、潤滑効果が乏しくスチル耐久性に効果が
なく、R2,R3の炭素数の合計数が35を越える場合、
有機溶媒への溶解性が小さくなり均一な潤滑剤塗布層を
形成するのが難しい。
【0073】また、上記脂肪酸エステルが飽和脂肪酸エ
ステルから選ばれることが重要である。飽和脂肪酸エス
テルにより長期間の保存においても、初期の潤滑特性を
維持することができる。
ステルから選ばれることが重要である。飽和脂肪酸エス
テルにより長期間の保存においても、初期の潤滑特性を
維持することができる。
【0074】ここで、磁気記録媒体1に使用される潤滑
剤においては、化21に示す末端に水酸基を有するパー
フルオロポリエーテルと長鎖カルボン酸とのエステル化
合物と、化22に示す長鎖飽和脂肪酸エステルとの混合
比は、重量比で10:90〜90:10であるのが好ま
しい。上記範囲を超えると、本発明による効果を得るこ
とが難しい。
剤においては、化21に示す末端に水酸基を有するパー
フルオロポリエーテルと長鎖カルボン酸とのエステル化
合物と、化22に示す長鎖飽和脂肪酸エステルとの混合
比は、重量比で10:90〜90:10であるのが好ま
しい。上記範囲を超えると、本発明による効果を得るこ
とが難しい。
【0075】また、磁気記録媒体1において潤滑剤を最
外層に保持させる方法としては、保護膜4の表面に潤滑
剤をトップコートする方法が挙げられる。ここで、その
塗布量は、0.05mg/m2〜100mg/m2である
のが好ましく、0.1mg/m2〜50mg/m2である
のがより好ましい。この塗布量があまり少なすぎると、
摩擦係数の低下、耐磨耗性及び耐久性の向上という効果
が表れず、また、この塗布量があまり多すぎると、摺動
部材と強磁性金属薄膜との間でハリツキ現象が起こり、
却って走行性が悪くなる。
外層に保持させる方法としては、保護膜4の表面に潤滑
剤をトップコートする方法が挙げられる。ここで、その
塗布量は、0.05mg/m2〜100mg/m2である
のが好ましく、0.1mg/m2〜50mg/m2である
のがより好ましい。この塗布量があまり少なすぎると、
摩擦係数の低下、耐磨耗性及び耐久性の向上という効果
が表れず、また、この塗布量があまり多すぎると、摺動
部材と強磁性金属薄膜との間でハリツキ現象が起こり、
却って走行性が悪くなる。
【0076】以上のように、本実施の形態に係る磁気記
録媒体1は、上述したような、密着性や潤滑性の点で非
常に優れた特性の潤滑剤の組み合わせを特定して用いて
いるので、良好な走行性及び耐久性が確保されたものと
なる。
録媒体1は、上述したような、密着性や潤滑性の点で非
常に優れた特性の潤滑剤の組み合わせを特定して用いて
いるので、良好な走行性及び耐久性が確保されたものと
なる。
【0077】また、この磁気記録媒体1においては、最
外層として、カーボンよりなる保護膜4が形成されてい
るとともに、その表面がアミン処理されているので、用
いられる潤滑剤と、保護膜4との密着性が向上し、更に
良好な耐久性を実現することができる。
外層として、カーボンよりなる保護膜4が形成されてい
るとともに、その表面がアミン処理されているので、用
いられる潤滑剤と、保護膜4との密着性が向上し、更に
良好な耐久性を実現することができる。
【0078】また、この磁気記録媒体1においては、磁
性層3を強磁性金属薄膜としていることから、高密度記
録、長時間記録にも十分対応可能である。
性層3を強磁性金属薄膜としていることから、高密度記
録、長時間記録にも十分対応可能である。
【0079】なお、本実施の形態に係る磁気記録媒体1
においては、必要に応じて、防錆剤を併用してもよい。
防錆剤としては、通常この種の磁気記録媒体の防錆剤と
して使用されるものであれば何れも使用でき、例えばフ
ェノール類、ナフトール類、キノン類、窒素原子を含む
複素環化合物、酸素原子を含む複素環化合物、硫黄原子
を含む複素環化合物等が挙げられる。
においては、必要に応じて、防錆剤を併用してもよい。
防錆剤としては、通常この種の磁気記録媒体の防錆剤と
して使用されるものであれば何れも使用でき、例えばフ
ェノール類、ナフトール類、キノン類、窒素原子を含む
複素環化合物、酸素原子を含む複素環化合物、硫黄原子
を含む複素環化合物等が挙げられる。
【0080】また、本発明の磁気記録媒体1において
は、非磁性支持体2上の上記磁性層3が形成される面と
は反対側の面に、いわゆるバックコート層を形成しても
良い。このバックコート層は、結合剤樹脂と粉末成分と
を有機溶媒に混合分散させたバックコート用塗料を非磁
性支持体2に塗布することにより形成される。
は、非磁性支持体2上の上記磁性層3が形成される面と
は反対側の面に、いわゆるバックコート層を形成しても
良い。このバックコート層は、結合剤樹脂と粉末成分と
を有機溶媒に混合分散させたバックコート用塗料を非磁
性支持体2に塗布することにより形成される。
【0081】ここで、バックコート用塗料に使用される
結合剤樹脂としては、例えば、塩化ビニル−酢酸ビニル
系共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩
化ビニル−アクリロニトリル共重合体、アクリル酸エス
テル−アクリロニトリル共重合体、熱可塑性ポリウレタ
ンエラストマー、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共
重合体、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、ポリ
アミド樹脂、ポリビニルブチラール、セルロース誘導
体、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹
脂、ポリウレタン硬化型樹脂、メラミン樹脂、アルキッ
ド樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ−ポリアミド樹脂、
ニトロセルロース−メラミン樹脂、高分子量ポリエステ
ル樹脂とイソシアネートプレポリマーの混合物、メタク
リル酸塩共重合体とジイソシアネートプレポリマーの混
合物、ポリエステルポリオールとポリイソシアネートと
の混合物、尿素ホルムアルデヒド樹脂、低分子量グリコ
ール/高分子量ジオール/トリフェニルメタントリイソ
シアネートとの混合物、ポリアミン樹脂及びこれらの混
合物等が挙げられる。
結合剤樹脂としては、例えば、塩化ビニル−酢酸ビニル
系共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩
化ビニル−アクリロニトリル共重合体、アクリル酸エス
テル−アクリロニトリル共重合体、熱可塑性ポリウレタ
ンエラストマー、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共
重合体、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、ポリ
アミド樹脂、ポリビニルブチラール、セルロース誘導
体、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹
脂、ポリウレタン硬化型樹脂、メラミン樹脂、アルキッ
ド樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ−ポリアミド樹脂、
ニトロセルロース−メラミン樹脂、高分子量ポリエステ
ル樹脂とイソシアネートプレポリマーの混合物、メタク
リル酸塩共重合体とジイソシアネートプレポリマーの混
合物、ポリエステルポリオールとポリイソシアネートと
の混合物、尿素ホルムアルデヒド樹脂、低分子量グリコ
ール/高分子量ジオール/トリフェニルメタントリイソ
シアネートとの混合物、ポリアミン樹脂及びこれらの混
合物等が挙げられる。
【0082】あるいは、粉末成分の分散性の改善を図る
ために、親水性極性基を有する結合剤樹脂を使用しても
よい。
ために、親水性極性基を有する結合剤樹脂を使用しても
よい。
【0083】一方、上記粉末成分としては、導電性を付
与するためのカーボン系微粉末や表面粗度のコントロー
ル及び耐久性向上のために添加される無機顔料が挙げら
れる。上記カーボン系微粒子としては、例えば、ファー
ネスカーボン、チャネルカーボン、アセチレンカーボ
ン、サーマルカーボン、ランプカーボン等が例示され、
上記無機顔料としては、α−FeOOH、α−Fe
2O3、Cr2O3、TiO2、ZnO、SiO、SiO2、
SiO2・2H2O、Al2O3、CaCO3、MgCO3、
Sb2O3等が挙げられる。
与するためのカーボン系微粉末や表面粗度のコントロー
ル及び耐久性向上のために添加される無機顔料が挙げら
れる。上記カーボン系微粒子としては、例えば、ファー
ネスカーボン、チャネルカーボン、アセチレンカーボ
ン、サーマルカーボン、ランプカーボン等が例示され、
上記無機顔料としては、α−FeOOH、α−Fe
2O3、Cr2O3、TiO2、ZnO、SiO、SiO2、
SiO2・2H2O、Al2O3、CaCO3、MgCO3、
Sb2O3等が挙げられる。
【0084】さらに、上記バックコート用塗料の有機溶
剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、
メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン
系溶剤、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エ
チル、酢酸グリコールモノエチルエーテル等のエステル
系溶剤、グリコールジメチルエーテル、グリコールモノ
エチルエーテル、ジオキサン等のグリコールエーテル系
溶剤、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水
素系溶剤、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素溶
媒、メチレンクロライド、エチレンクロライド、四塩化
炭素、クロロホルム、エチレンクロロヒドリン、ジクロ
ルベンゼン等の塩素化炭化水素系溶媒等、汎用の溶剤を
用いることができる。
剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、
メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン
系溶剤、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エ
チル、酢酸グリコールモノエチルエーテル等のエステル
系溶剤、グリコールジメチルエーテル、グリコールモノ
エチルエーテル、ジオキサン等のグリコールエーテル系
溶剤、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水
素系溶剤、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素溶
媒、メチレンクロライド、エチレンクロライド、四塩化
炭素、クロロホルム、エチレンクロロヒドリン、ジクロ
ルベンゼン等の塩素化炭化水素系溶媒等、汎用の溶剤を
用いることができる。
【0085】さらに、上記のバックコート層には潤滑剤
を併用してもよい。この場合、上記バックコート層中に
潤滑剤を内添する方法、あるいはバックコート層上に潤
滑剤を被着する方法がある。いずれにしても、上記潤滑
剤としては、脂肪酸、脂肪酸エステル、脂肪酸アミド、
金属石鹸、脂肪族アルコール、シリコーン系潤滑剤等、
従来周知の潤滑剤が使用できる。
を併用してもよい。この場合、上記バックコート層中に
潤滑剤を内添する方法、あるいはバックコート層上に潤
滑剤を被着する方法がある。いずれにしても、上記潤滑
剤としては、脂肪酸、脂肪酸エステル、脂肪酸アミド、
金属石鹸、脂肪族アルコール、シリコーン系潤滑剤等、
従来周知の潤滑剤が使用できる。
【0086】以上のような本実施の形態に係る磁気記録
媒体1は、つぎのようにして作製される。
媒体1は、つぎのようにして作製される。
【0087】先ず、非磁性支持体2上に、例えば真空蒸
着法により磁性層3となる強磁性金属薄膜を形成する。
その後、この磁性層3上に、例えばプラズマCVD法に
より保護膜4を形成する。さらに、この保護膜4の表面
に対してアミン処理を行う。そして、この保護膜4上
に、上述の潤滑剤をトップコートして保護膜に潤滑剤を
保持させて、磁気記録媒体1が得られる。なお、必要に
応じてバックコート層等を形成しても勿論構わない。
着法により磁性層3となる強磁性金属薄膜を形成する。
その後、この磁性層3上に、例えばプラズマCVD法に
より保護膜4を形成する。さらに、この保護膜4の表面
に対してアミン処理を行う。そして、この保護膜4上
に、上述の潤滑剤をトップコートして保護膜に潤滑剤を
保持させて、磁気記録媒体1が得られる。なお、必要に
応じてバックコート層等を形成しても勿論構わない。
【0088】詳しくは、上記磁性層を形成する真空蒸着
装置としては、図2に示すような連続巻き取り式の真空
蒸着装置が挙げられる。
装置としては、図2に示すような連続巻き取り式の真空
蒸着装置が挙げられる。
【0089】この真空蒸着装置は、いわゆる斜方蒸着用
として構成され、内部が例えば1×10-3Pa程度の真
空にされた真空室11内に、例えば−20℃程度に冷却
され、図中矢印Aで示すように反時計回り方向に回転す
る冷却キャン12と、これに対向するように強磁性金属
薄膜用の蒸着源13が配置されてなるものである。
として構成され、内部が例えば1×10-3Pa程度の真
空にされた真空室11内に、例えば−20℃程度に冷却
され、図中矢印Aで示すように反時計回り方向に回転す
る冷却キャン12と、これに対向するように強磁性金属
薄膜用の蒸着源13が配置されてなるものである。
【0090】また、この真空蒸着装置においては、真空
室11内に、図中の反時計回り方向に回転する供給ロー
ル14と図中の反時計回り方向に回転する巻き取りロー
ル15も配設されており、非磁性支持体16は供給ロー
ル14から図中矢印Bで示す方向に繰り出され、冷却キ
ャン12の周面に沿って走行した後、巻き取りロール1
5に巻き取られる。
室11内に、図中の反時計回り方向に回転する供給ロー
ル14と図中の反時計回り方向に回転する巻き取りロー
ル15も配設されており、非磁性支持体16は供給ロー
ル14から図中矢印Bで示す方向に繰り出され、冷却キ
ャン12の周面に沿って走行した後、巻き取りロール1
5に巻き取られる。
【0091】なお、供給ロール14と冷却キャン12と
の間、及び冷却キャン12と巻き取りロール15との間
にはそれぞれガイドローラー17、18が配置され、供
給ロール14から冷却キャン12、及びこの冷却キャン
12から巻き取りロール15に従って走行する非磁性支
持体16に所定のテンションをかけ、非磁性支持体16
が円滑に走行するようになされている。
の間、及び冷却キャン12と巻き取りロール15との間
にはそれぞれガイドローラー17、18が配置され、供
給ロール14から冷却キャン12、及びこの冷却キャン
12から巻き取りロール15に従って走行する非磁性支
持体16に所定のテンションをかけ、非磁性支持体16
が円滑に走行するようになされている。
【0092】上記蒸着源13は坩堝等の容器にCo等の
強磁性金属材料が収容されたものであり、この真空蒸着
装置においては、この蒸着源13の強磁性金属材料を加
熱、蒸発させるための電子ビーム発生源19も配設され
ている。すなわち、上記電子ビーム発生源19から電子
ビーム20を蒸着源13の強磁性金属材料に加速照射し
てこれを図中矢印Cで示すように加熱、蒸発させる。す
ると、強磁性金属材料は蒸着源13と対向する冷却キャ
ン12の周面に沿って走行する非磁性支持体16上に被
着し、非磁性支持体16上に強磁性金属薄膜が形成され
ることとなる。
強磁性金属材料が収容されたものであり、この真空蒸着
装置においては、この蒸着源13の強磁性金属材料を加
熱、蒸発させるための電子ビーム発生源19も配設され
ている。すなわち、上記電子ビーム発生源19から電子
ビーム20を蒸着源13の強磁性金属材料に加速照射し
てこれを図中矢印Cで示すように加熱、蒸発させる。す
ると、強磁性金属材料は蒸着源13と対向する冷却キャ
ン12の周面に沿って走行する非磁性支持体16上に被
着し、非磁性支持体16上に強磁性金属薄膜が形成され
ることとなる。
【0093】なお、上記真空蒸着装置においては、蒸着
源13と冷却キャン12との間に防着板21を設け、こ
の防着板21にシャッタ22を位置調整可能に設けて、
非磁性支持体16に対して所定の角度で入射する蒸着粒
子のみを通過させる。こうして斜め蒸着法によって強磁
性金属薄膜が形成されるようになされている。
源13と冷却キャン12との間に防着板21を設け、こ
の防着板21にシャッタ22を位置調整可能に設けて、
非磁性支持体16に対して所定の角度で入射する蒸着粒
子のみを通過させる。こうして斜め蒸着法によって強磁
性金属薄膜が形成されるようになされている。
【0094】さらに、このような強磁性金属薄膜の蒸着
に際し、図示しない酸素ガス導入口を介して非磁性支持
体16の表面近傍に酸素ガスを供給し、これによって強
磁性金属薄膜の磁性特性、耐久性及び耐候性の向上が図
られるようにすることが好ましい。また、蒸着源を加熱
するためには、上述のような電子ビームによる加熱手段
の他、例えば抵抗加熱手段、高周波加熱手段、レーザ加
熱手段等の公知の手段を使用できる。
に際し、図示しない酸素ガス導入口を介して非磁性支持
体16の表面近傍に酸素ガスを供給し、これによって強
磁性金属薄膜の磁性特性、耐久性及び耐候性の向上が図
られるようにすることが好ましい。また、蒸着源を加熱
するためには、上述のような電子ビームによる加熱手段
の他、例えば抵抗加熱手段、高周波加熱手段、レーザ加
熱手段等の公知の手段を使用できる。
【0095】ここでは、斜め蒸着法によりCoからなる
強磁性金属薄膜を形成する例について説明したが、強磁
性金属薄膜を形成する方法としては、この方法の他に、
垂直蒸着法やスパッタリング法等の従来公知の薄膜形成
法が適用可能であり、また、この強磁性金属薄膜の材料
としては、Coの他にNi、Fe等やこれらの合金が使
用可能である。また、このときの強磁性金属薄膜の厚さ
は、0.01μm〜1μm程度が良い。
強磁性金属薄膜を形成する例について説明したが、強磁
性金属薄膜を形成する方法としては、この方法の他に、
垂直蒸着法やスパッタリング法等の従来公知の薄膜形成
法が適用可能であり、また、この強磁性金属薄膜の材料
としては、Coの他にNi、Fe等やこれらの合金が使
用可能である。また、このときの強磁性金属薄膜の厚さ
は、0.01μm〜1μm程度が良い。
【0096】つぎに、保護膜4の形成方法について説明
する。保護膜4は、CVD法等により形成される。
する。保護膜4は、CVD法等により形成される。
【0097】CVD法によって保護膜4を形成する場合
には、まず、真空容器中に炭化水素ガス、あるいは炭化
水素と不活性ガスとの混合ガスを導入し、10Pa〜1
00Pa程度の圧力に保持した状態で、真空容器内に放
電させて、炭化水素ガスのプラズマを発生させ、強磁性
金属薄膜上に保護膜4を形成する。放電形式としては、
外部電極方式、内部電極方式のいずれでもよく、放電周
波数については、実験的に決めることができる。また、
強磁性金属薄膜が形成された非磁性支持体2側に配され
た電極に0〜−3kVの電圧を印加することにより、保
護膜4の硬度の増大及び密着性を向上させることができ
る。
には、まず、真空容器中に炭化水素ガス、あるいは炭化
水素と不活性ガスとの混合ガスを導入し、10Pa〜1
00Pa程度の圧力に保持した状態で、真空容器内に放
電させて、炭化水素ガスのプラズマを発生させ、強磁性
金属薄膜上に保護膜4を形成する。放電形式としては、
外部電極方式、内部電極方式のいずれでもよく、放電周
波数については、実験的に決めることができる。また、
強磁性金属薄膜が形成された非磁性支持体2側に配され
た電極に0〜−3kVの電圧を印加することにより、保
護膜4の硬度の増大及び密着性を向上させることができ
る。
【0098】保護膜4の材料となる上記炭化水素として
は、例えば、メタン、エタン、プロパン、ブタン、ペン
タン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、エチレン、アセ
チレン、プロペン、ブテン、ペンテン、ベンゼンなどを
用いることができる。
は、例えば、メタン、エタン、プロパン、ブタン、ペン
タン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、エチレン、アセ
チレン、プロペン、ブテン、ペンテン、ベンゼンなどを
用いることができる。
【0099】この保護膜4は、スペーシングロスを少な
く、かつ、強磁性金属薄膜の磨耗防止の効果を得られる
よう、その厚さを3nm〜15nm程度、特に5nm〜
10nm程度とすることが好ましい。
く、かつ、強磁性金属薄膜の磨耗防止の効果を得られる
よう、その厚さを3nm〜15nm程度、特に5nm〜
10nm程度とすることが好ましい。
【0100】ここでは、CVD法により保護膜を形成す
る例について説明したが、保護膜4を形成する方法とし
ては、この方法の他に、マグネトロンスパッタ法、イオ
ンビームスパッタ法、イオンビームプレーティング法等
の従来公知の薄膜形成方法を用いることができる。
る例について説明したが、保護膜4を形成する方法とし
ては、この方法の他に、マグネトロンスパッタ法、イオ
ンビームスパッタ法、イオンビームプレーティング法等
の従来公知の薄膜形成方法を用いることができる。
【0101】そして、この保護膜4の表面に、アミノ基
を有する有機化合物を塗布することによるアミン処理を
行う。保護膜4の表面をアミン処理することにより、保
護膜4と、保護膜4上に塗布される潤滑剤との間の密着
性を向上することができる。
を有する有機化合物を塗布することによるアミン処理を
行う。保護膜4の表面をアミン処理することにより、保
護膜4と、保護膜4上に塗布される潤滑剤との間の密着
性を向上することができる。
【0102】〈第2の実施の形態〉つぎに、本発明の第
2の実施の形態について説明する。本実施の形態に係る
磁気記録媒体は、図1に示された第1の実施の形態の磁
気記録媒体1と同様に、非磁性支持体上に磁性層として
強磁性金属薄膜、最外層として保護膜が順次形成されて
なる。そして、本実施の形態に係る磁気記録媒体は、特
に、最外層となる保護膜に、下記化23で示される末端
にカルボキシル基を有するパーフルオロポリエーテルと
長鎖アルコールとのエステル化合物と、下記化24にて
示される長鎖飽和脂肪酸エステルとを含有する潤滑剤が
保持されている。
2の実施の形態について説明する。本実施の形態に係る
磁気記録媒体は、図1に示された第1の実施の形態の磁
気記録媒体1と同様に、非磁性支持体上に磁性層として
強磁性金属薄膜、最外層として保護膜が順次形成されて
なる。そして、本実施の形態に係る磁気記録媒体は、特
に、最外層となる保護膜に、下記化23で示される末端
にカルボキシル基を有するパーフルオロポリエーテルと
長鎖アルコールとのエステル化合物と、下記化24にて
示される長鎖飽和脂肪酸エステルとを含有する潤滑剤が
保持されている。
【0103】
【化23】
【0104】
【化24】
【0105】このような化23に示される化合物及び化
24に示される化合物を有する潤滑剤は、如何なる使用
条件下においても密着性や潤滑性が好適に保たれ、且つ
長期に至り潤滑効果を持続する特性を有するものであ
る。
24に示される化合物を有する潤滑剤は、如何なる使用
条件下においても密着性や潤滑性が好適に保たれ、且つ
長期に至り潤滑効果を持続する特性を有するものであ
る。
【0106】なお、上記化23及び化24に示される潤
滑剤が用いられた磁気記録媒体は、図1に示した磁気記
録媒体1と略同様の構成を有するものであり、最外層に
保持される潤滑剤のみが異なる例であり、その他の磁性
層や保護膜等は同じ構成である。そこで、以下の説明で
は、潤滑剤についてのみ説明する。
滑剤が用いられた磁気記録媒体は、図1に示した磁気記
録媒体1と略同様の構成を有するものであり、最外層に
保持される潤滑剤のみが異なる例であり、その他の磁性
層や保護膜等は同じ構成である。そこで、以下の説明で
は、潤滑剤についてのみ説明する。
【0107】上記化23に示す末端にカルボキシル基を
有するパーフルオロポリエーテルと長鎖アルコールとの
エステル化合物は、例えば、末端にカルボキシル基を有
するパーフルオロポリエーテルと長鎖アルコールとを、
無水トルエン中でp−トルエンスルホン酸や濃硫酸等を
触媒として反応させることによって得られるものであ
る。
有するパーフルオロポリエーテルと長鎖アルコールとの
エステル化合物は、例えば、末端にカルボキシル基を有
するパーフルオロポリエーテルと長鎖アルコールとを、
無水トルエン中でp−トルエンスルホン酸や濃硫酸等を
触媒として反応させることによって得られるものであ
る。
【0108】ここで、上記末端にカルボキシル基を有す
るパーフルオロポリエーテルとしては、カルボキシル基
を両末端に有するものが好ましく、具体的には、HOO
C−CF2(OC2F4)m(OCF2)jOCF2−COO
H(但し、上記化学式中のm,jはいずれも1以上の整
数を表す。)等が挙げられる。上記の末端にカルボキシ
ル基を有するパーフルオロポリエーテルは、勿論、これ
らに限定されるわけではない。
るパーフルオロポリエーテルとしては、カルボキシル基
を両末端に有するものが好ましく、具体的には、HOO
C−CF2(OC2F4)m(OCF2)jOCF2−COO
H(但し、上記化学式中のm,jはいずれも1以上の整
数を表す。)等が挙げられる。上記の末端にカルボキシ
ル基を有するパーフルオロポリエーテルは、勿論、これ
らに限定されるわけではない。
【0109】また、上記末端にカルボキシル基を有する
パーフルオロポリエーテルの分子量は、特に制約される
ものではないが、実用的には600〜5000程度が好
ましい。分子量が大きすぎると、末端基の吸着基として
の効果が薄れるとともに、パーフルオロポリエーテル鎖
が大きくなる分、既存の炭化水素系溶媒に溶解しにくく
なる。一方、分子量が小さすぎると、パーフルオロポリ
エーテル鎖による潤滑効果が失われてしまう。
パーフルオロポリエーテルの分子量は、特に制約される
ものではないが、実用的には600〜5000程度が好
ましい。分子量が大きすぎると、末端基の吸着基として
の効果が薄れるとともに、パーフルオロポリエーテル鎖
が大きくなる分、既存の炭化水素系溶媒に溶解しにくく
なる。一方、分子量が小さすぎると、パーフルオロポリ
エーテル鎖による潤滑効果が失われてしまう。
【0110】なお、上記末端にカルボキシル基を有する
パーフルオロポリエーテルにおいては、パーフルオロポ
リエーテル鎖が部分水素化されてもよい。すなわち、パ
ーフルオロポリエーテル鎖のフッ素原子の一部(50%
以下)を水素原子で置換しても良い。この場合には、パ
ーフルオロポリエーテルとして部分水素化したパーフル
オロポリエーテルを使用すればよい。
パーフルオロポリエーテルにおいては、パーフルオロポ
リエーテル鎖が部分水素化されてもよい。すなわち、パ
ーフルオロポリエーテル鎖のフッ素原子の一部(50%
以下)を水素原子で置換しても良い。この場合には、パ
ーフルオロポリエーテルとして部分水素化したパーフル
オロポリエーテルを使用すればよい。
【0111】一方、上記長鎖アルコールとしては、市販
品、或いは合成品何れも使用可能である。また、その分
子量が小さくなるに従って通常の有機溶媒に溶解し難く
なることから、少なくともその1個のアルキル基の炭素
数が6以上であることが好ましい。
品、或いは合成品何れも使用可能である。また、その分
子量が小さくなるに従って通常の有機溶媒に溶解し難く
なることから、少なくともその1個のアルキル基の炭素
数が6以上であることが好ましい。
【0112】また、上述したように、本実施の形態で用
いられる上記潤滑剤には、上記化23に示す化合物の他
に、上記化24に示される長鎖飽和脂肪酸エステルが含
有される。この化24に示される長鎖飽和脂肪酸エステ
ルは、第1の実施の形態において上述した長鎖飽和脂肪
酸エステルと同様なものを使用することができる。
いられる上記潤滑剤には、上記化23に示す化合物の他
に、上記化24に示される長鎖飽和脂肪酸エステルが含
有される。この化24に示される長鎖飽和脂肪酸エステ
ルは、第1の実施の形態において上述した長鎖飽和脂肪
酸エステルと同様なものを使用することができる。
【0113】ここで、本発明の磁気記録媒体に使用され
る潤滑剤においては、化23に示す末端にカルボキシル
基を有するパーフルオロポリエーテルと長鎖アルコール
とのエステル化合物と、化24に示す長鎖飽和脂肪酸エ
ステルとの混合比は、重量比で10:90〜90:10
であるのが好ましい。上記範囲を超えると本発明による
効果を得ることが難しい。
る潤滑剤においては、化23に示す末端にカルボキシル
基を有するパーフルオロポリエーテルと長鎖アルコール
とのエステル化合物と、化24に示す長鎖飽和脂肪酸エ
ステルとの混合比は、重量比で10:90〜90:10
であるのが好ましい。上記範囲を超えると本発明による
効果を得ることが難しい。
【0114】なお、潤滑剤を最外層に保持させる方法と
しても、上述した磁気記録媒体1における潤滑剤の場合
と同様であり、保護膜の表面に潤滑剤をトップコートす
る方法が挙げられる。ここで、その塗布量は、0.05
mg/m2〜100mg/m2であるのが好ましく、0.
1mg/m2〜50mg/m2であるのがより好ましい。
この塗布量があまり少ないなすぎると、摩擦係数の低
下、耐磨耗性・耐久性の向上という効果が表れず、ま
た、塗布量があまり多すぎると、摺動部材と強磁性金属
薄膜との間でハリツキ現象が起こり、却って走行性が悪
くなる。
しても、上述した磁気記録媒体1における潤滑剤の場合
と同様であり、保護膜の表面に潤滑剤をトップコートす
る方法が挙げられる。ここで、その塗布量は、0.05
mg/m2〜100mg/m2であるのが好ましく、0.
1mg/m2〜50mg/m2であるのがより好ましい。
この塗布量があまり少ないなすぎると、摩擦係数の低
下、耐磨耗性・耐久性の向上という効果が表れず、ま
た、塗布量があまり多すぎると、摺動部材と強磁性金属
薄膜との間でハリツキ現象が起こり、却って走行性が悪
くなる。
【0115】以上のように、本実施の形態に係る磁気記
録媒体は、上述したような、密着性や潤滑性の点で非常
に優れた特性の潤滑剤の組み合わせを特定して用いてい
るので、良好な走行性及び耐久性が確保されたものとな
る。
録媒体は、上述したような、密着性や潤滑性の点で非常
に優れた特性の潤滑剤の組み合わせを特定して用いてい
るので、良好な走行性及び耐久性が確保されたものとな
る。
【0116】また、この磁気記録媒体においては、最外
層として形成され、カーボンよりなる保護膜の表面がア
ミン処理されているので、用いられる潤滑剤と、保護膜
との密着性が向上し、更に良好な耐久性を実現すること
ができる。
層として形成され、カーボンよりなる保護膜の表面がア
ミン処理されているので、用いられる潤滑剤と、保護膜
との密着性が向上し、更に良好な耐久性を実現すること
ができる。
【0117】また、この磁気記録媒体においては、磁性
層を強磁性金属薄膜としていることから、高密度記録、
長時間記録にも十分対応可能である。
層を強磁性金属薄膜としていることから、高密度記録、
長時間記録にも十分対応可能である。
【0118】〈第3の実施の形態〉つぎに、本発明の第
3の実施の形態について説明する。本実施の形態に係る
磁気記録媒体は、図1に示された第1の実施の形態の磁
気記録媒体1と同様に、非磁性支持体上に磁性層として
強磁性金属薄膜、最外層として保護膜が順次形成されて
なる。そして、本実施の形態に係る磁気記録媒体は、特
に、最外層となる保護膜4に下記化25で示される末端
にカルボキシル基を有する二官能パーフルオロポリエー
テルとアミンとの化合物と、下記化26にて示される長
鎖飽和脂肪酸エステルを含有する潤滑剤が保持されてい
る。
3の実施の形態について説明する。本実施の形態に係る
磁気記録媒体は、図1に示された第1の実施の形態の磁
気記録媒体1と同様に、非磁性支持体上に磁性層として
強磁性金属薄膜、最外層として保護膜が順次形成されて
なる。そして、本実施の形態に係る磁気記録媒体は、特
に、最外層となる保護膜4に下記化25で示される末端
にカルボキシル基を有する二官能パーフルオロポリエー
テルとアミンとの化合物と、下記化26にて示される長
鎖飽和脂肪酸エステルを含有する潤滑剤が保持されてい
る。
【0119】
【化25】
【0120】
【化26】
【0121】このような化25に示される化合物及び化
26に示される化合物を有する潤滑剤は、如何なる使用
条件下においても密着性や潤滑性が好適に保たれ、且つ
長期に至り潤滑効果を持続する特性を有するものであ
る。
26に示される化合物を有する潤滑剤は、如何なる使用
条件下においても密着性や潤滑性が好適に保たれ、且つ
長期に至り潤滑効果を持続する特性を有するものであ
る。
【0122】上記化25に示す末端にカルボキシル基を
有する二官能パーフルオロポリエーテルとアミンとの化
合物は、例えば、末端にカルボキシル基を有する二官能
パーフルオロポリエーテルとアミンとを混合し、用いた
アミンの融点以上の温度で加熱することによって合成す
ることができる。例えば、アミンとしてステアリルアミ
ンを用いた場合には、60℃で加熱混合すれば良い。
有する二官能パーフルオロポリエーテルとアミンとの化
合物は、例えば、末端にカルボキシル基を有する二官能
パーフルオロポリエーテルとアミンとを混合し、用いた
アミンの融点以上の温度で加熱することによって合成す
ることができる。例えば、アミンとしてステアリルアミ
ンを用いた場合には、60℃で加熱混合すれば良い。
【0123】また、上記パーフルオロポリエーテルとア
ミンとを有機溶媒に溶解した後、溶媒を除去することに
よっても得ることができる。さらに、アミンが第4級ア
ンモニウム化合物の場合には、パーフルオロポリエーテ
ルの金属塩(ナトリウム塩等)と第4級アンモニウム塩
(塩化物、ヨウ化物、硫酸塩等)とを混合し、有機溶媒
で抽出することにより得ることもできる。
ミンとを有機溶媒に溶解した後、溶媒を除去することに
よっても得ることができる。さらに、アミンが第4級ア
ンモニウム化合物の場合には、パーフルオロポリエーテ
ルの金属塩(ナトリウム塩等)と第4級アンモニウム塩
(塩化物、ヨウ化物、硫酸塩等)とを混合し、有機溶媒
で抽出することにより得ることもできる。
【0124】ここで、上記末端にカルボキシル基を有す
る二官能パーフルオロポリエーテルとしては、市販のも
のが何れも使用可能である。例えば、HOOC−CF2
(OC2F4)p(OCF2)qOCF2−COOH(但し、
化学式中のp,qはいずれも1以上の整数を表す。)等
が挙げられる。なお、上記末端にカルボキシル基を有す
る二官能パーフルオロポリエーテルは、勿論、これに限
定されるわけではない。
る二官能パーフルオロポリエーテルとしては、市販のも
のが何れも使用可能である。例えば、HOOC−CF2
(OC2F4)p(OCF2)qOCF2−COOH(但し、
化学式中のp,qはいずれも1以上の整数を表す。)等
が挙げられる。なお、上記末端にカルボキシル基を有す
る二官能パーフルオロポリエーテルは、勿論、これに限
定されるわけではない。
【0125】この末端にカルボキシル基を有する二官能
パーフルオロポリエーテルの分子量は、特に制約される
ものではないが、実用的には600〜5000程度が好
ましく、1000〜4000のものがより好ましい。分
子量が大きすぎると、末端基の吸着基としての効果が薄
れると同時に、パーフルオロポリエーテル鎖が大きくな
る分、既存の炭化水素系溶媒に溶解しにくくなる。逆
に、分子量が小さすぎると、パーフルオロポリエーテル
鎖による潤滑効果が失われてしまう。
パーフルオロポリエーテルの分子量は、特に制約される
ものではないが、実用的には600〜5000程度が好
ましく、1000〜4000のものがより好ましい。分
子量が大きすぎると、末端基の吸着基としての効果が薄
れると同時に、パーフルオロポリエーテル鎖が大きくな
る分、既存の炭化水素系溶媒に溶解しにくくなる。逆
に、分子量が小さすぎると、パーフルオロポリエーテル
鎖による潤滑効果が失われてしまう。
【0126】なお、この末端にカルボキシル基を有する
二官能パーフルオロポリエーテルは、パーフルオロポリ
エーテル鎖が部分水素化されてもよい。すなわち、パー
フルオロポリエーテル鎖のフッ素原子の一部(50%以
下)を水素原子で置換してもよい。この場合には、パー
フルオロポリエーテルとして部分水素化したパーフルオ
ロポリエーテルを使用すればよい。
二官能パーフルオロポリエーテルは、パーフルオロポリ
エーテル鎖が部分水素化されてもよい。すなわち、パー
フルオロポリエーテル鎖のフッ素原子の一部(50%以
下)を水素原子で置換してもよい。この場合には、パー
フルオロポリエーテルとして部分水素化したパーフルオ
ロポリエーテルを使用すればよい。
【0127】一方、アミンとしては、第1アミン、第2
アミン、第3アミンの何れも使用可能であり、第4級ア
ンモニウム化合物も使用可能である。使用するアミンの
構造等も任意であり、分岐構造、異性体構造、脂環構
造、分子量、不飽和結合の有無等によらず任意に選択す
ることができる。但し、上記アミンはアルキル基を有す
ることが好ましく、特に炭素数10以上のアルキル基を
有する場合に効果が大きい。
アミン、第3アミンの何れも使用可能であり、第4級ア
ンモニウム化合物も使用可能である。使用するアミンの
構造等も任意であり、分岐構造、異性体構造、脂環構
造、分子量、不飽和結合の有無等によらず任意に選択す
ることができる。但し、上記アミンはアルキル基を有す
ることが好ましく、特に炭素数10以上のアルキル基を
有する場合に効果が大きい。
【0128】このような末端にカルボキシル基を有する
二官能パーフルオロアルキルエーテルとアミンとを反応
させて、上記化25に示される化合物が合成される。
二官能パーフルオロアルキルエーテルとアミンとを反応
させて、上記化25に示される化合物が合成される。
【0129】また、上述したように、本実施の形態で用
いられる上記潤滑剤には、上記化25に示す化合物の他
に、上記化26に示される長鎖飽和脂肪酸エステルが含
有される。この化26に示される長鎖飽和脂肪酸エステ
ルは、第1の実施の形態において上述した長鎖飽和脂肪
酸エステルと同様なものを使用することができる。
いられる上記潤滑剤には、上記化25に示す化合物の他
に、上記化26に示される長鎖飽和脂肪酸エステルが含
有される。この化26に示される長鎖飽和脂肪酸エステ
ルは、第1の実施の形態において上述した長鎖飽和脂肪
酸エステルと同様なものを使用することができる。
【0130】本発明の磁気記録媒体1に使用される潤滑
剤においては、上記化25に示す末端にカルボキシル基
を有する二官能パーフルオロポリエーテルとアミンとの
化合物と、上記化26に示す長鎖飽和脂肪酸エステルと
の混合比が、重量比で10:90〜90:10であるの
が好ましい。上記範囲外となると、本発明による効果を
得ることが難しい。
剤においては、上記化25に示す末端にカルボキシル基
を有する二官能パーフルオロポリエーテルとアミンとの
化合物と、上記化26に示す長鎖飽和脂肪酸エステルと
の混合比が、重量比で10:90〜90:10であるの
が好ましい。上記範囲外となると、本発明による効果を
得ることが難しい。
【0131】なお、本実施の形態に係る磁気記録媒体に
おいて潤滑剤を最外層に保持させる方法としては、保護
膜の表面に潤滑剤をトップコートする方法が挙げられ
る。ここで、塗布量は、0.05〜100mg/m2で
あるのが好ましく、0.1〜50mg/m2であるのが
より好ましい。塗布量があまり少なすぎると、摩擦係数
の低下、耐磨耗性及び耐久性の向上という効果が表れ
ず、塗布量があまり多すぎると、摺動部材と強磁性金属
薄膜との間でハリツキ現象が起こり、却って走行性が悪
くなる。
おいて潤滑剤を最外層に保持させる方法としては、保護
膜の表面に潤滑剤をトップコートする方法が挙げられ
る。ここで、塗布量は、0.05〜100mg/m2で
あるのが好ましく、0.1〜50mg/m2であるのが
より好ましい。塗布量があまり少なすぎると、摩擦係数
の低下、耐磨耗性及び耐久性の向上という効果が表れ
ず、塗布量があまり多すぎると、摺動部材と強磁性金属
薄膜との間でハリツキ現象が起こり、却って走行性が悪
くなる。
【0132】以上のように、本実施の形態に係る磁気記
録媒体は、上述したような、密着性や潤滑性の点で非常
に優れた特性の潤滑剤の組み合わせを特定して用いてい
るので、良好な走行性及び耐久性が確保されたものとな
る。
録媒体は、上述したような、密着性や潤滑性の点で非常
に優れた特性の潤滑剤の組み合わせを特定して用いてい
るので、良好な走行性及び耐久性が確保されたものとな
る。
【0133】また、この磁気記録媒体においては、最外
層として形成され、カーボンよりなる保護膜の表面がア
ミン処理されているので、用いられる潤滑剤と、保護膜
との密着性が向上し、更に良好な耐久性を実現すること
ができる。
層として形成され、カーボンよりなる保護膜の表面がア
ミン処理されているので、用いられる潤滑剤と、保護膜
との密着性が向上し、更に良好な耐久性を実現すること
ができる。
【0134】また、この磁気記録媒体においては、磁性
層を強磁性金属薄膜としていることから、高密度記録、
長時間記録にも十分対応可能である。
層を強磁性金属薄膜としていることから、高密度記録、
長時間記録にも十分対応可能である。
【0135】〈第4の実施の形態〉つぎに、本発明の第
4の実施の形態について説明する。本実施の形態に係る
磁気記録媒体は、図1に示された第1の実施の形態の磁
気記録媒体1と同様に、非磁性支持体上に磁性層として
強磁性金属薄膜、最外層として保護膜が順次形成されて
なる。そして、本実施の形態に係る磁気記録媒体は、特
に、最外層となる保護膜に、下記化27で示される末端
にカルボキシル基を有するパーフルオロポリエーテルと
アミンとの化合物と、下記化28にて示される長鎖飽和
脂肪酸エステルを含有する潤滑剤が保持されている。
4の実施の形態について説明する。本実施の形態に係る
磁気記録媒体は、図1に示された第1の実施の形態の磁
気記録媒体1と同様に、非磁性支持体上に磁性層として
強磁性金属薄膜、最外層として保護膜が順次形成されて
なる。そして、本実施の形態に係る磁気記録媒体は、特
に、最外層となる保護膜に、下記化27で示される末端
にカルボキシル基を有するパーフルオロポリエーテルと
アミンとの化合物と、下記化28にて示される長鎖飽和
脂肪酸エステルを含有する潤滑剤が保持されている。
【0136】
【化27】
【0137】
【化28】
【0138】このような化27に示される化合物及び化
28に示される化合物を有する潤滑剤は、如何なる使用
条件下においても密着性や潤滑性が好適に保たれ、且つ
長期に至り潤滑効果を持続する特性を有するものであ
る。
28に示される化合物を有する潤滑剤は、如何なる使用
条件下においても密着性や潤滑性が好適に保たれ、且つ
長期に至り潤滑効果を持続する特性を有するものであ
る。
【0139】なお、上記化27及び化28に示される潤
滑剤が用いられた磁気記録媒体は、図1に示した磁気記
録媒体1と略同様の構成を有するものであり、最外層に
保持される潤滑剤のみが異なる例であり、その他の磁性
層や保護膜等は同じ構成である。そこで、以下の説明で
は、潤滑剤についてのみ説明する。
滑剤が用いられた磁気記録媒体は、図1に示した磁気記
録媒体1と略同様の構成を有するものであり、最外層に
保持される潤滑剤のみが異なる例であり、その他の磁性
層や保護膜等は同じ構成である。そこで、以下の説明で
は、潤滑剤についてのみ説明する。
【0140】上記化27に示す末端にカルボキシル基を
有するパーフルオロポリエーテルとアミンとの化合物
は、例えば、末端にカルボキシル基を有する単官能パー
フルオロポリエーテルとアミンとを混合し、用いたアミ
ンの融点以上の温度で加熱することによって合成するこ
とができる。例えば、アミンとしてステアリルアミンを
用いた場合には、60℃で加熱混合すれば良い。
有するパーフルオロポリエーテルとアミンとの化合物
は、例えば、末端にカルボキシル基を有する単官能パー
フルオロポリエーテルとアミンとを混合し、用いたアミ
ンの融点以上の温度で加熱することによって合成するこ
とができる。例えば、アミンとしてステアリルアミンを
用いた場合には、60℃で加熱混合すれば良い。
【0141】また、上記単官能パーフルオロポリエーテ
ルとアミンとを有機溶媒に溶解した後、溶媒を除去する
ことによっても得ることができる。さらに、アミンが第
4級アンモニウム化合物の場合には、パーフルオロポリ
エーテルの金属塩(ナトリウム塩等)と第4級アンモニ
ウム塩(塩化物、ヨウ化物、硫酸塩等)とを混合し、有
機溶媒で抽出することにより得ることもできる。
ルとアミンとを有機溶媒に溶解した後、溶媒を除去する
ことによっても得ることができる。さらに、アミンが第
4級アンモニウム化合物の場合には、パーフルオロポリ
エーテルの金属塩(ナトリウム塩等)と第4級アンモニ
ウム塩(塩化物、ヨウ化物、硫酸塩等)とを混合し、有
機溶媒で抽出することにより得ることもできる。
【0142】ここで、上記末端にカルボキシル基を有す
る単官能パーフルオロポリエーテルとしては、市販のも
のは何れも使用可能である。例えば、F(CF2CF2C
F2O)mCF2CF2COOH(但し、化学式中mは1以
上の整数を表す。)や、CF3[OCF(CF3)C
F2]j(OCF2)kCOOH(但し、化学式中j,kは
1以上の整数を表す)等が挙げられる。なお、上記末端
にカルボキシル基を有するパーフルオロポリエーテルと
しては勿論上記のものに限られない。
る単官能パーフルオロポリエーテルとしては、市販のも
のは何れも使用可能である。例えば、F(CF2CF2C
F2O)mCF2CF2COOH(但し、化学式中mは1以
上の整数を表す。)や、CF3[OCF(CF3)C
F2]j(OCF2)kCOOH(但し、化学式中j,kは
1以上の整数を表す)等が挙げられる。なお、上記末端
にカルボキシル基を有するパーフルオロポリエーテルと
しては勿論上記のものに限られない。
【0143】また、上記末端にカルボキシル基を有する
単官能パーフルオロポリエーテルの分子量は、特に制約
されるものではないが、実用的には600〜5000程
度が好ましく、1000〜4000のものがより好まし
い。分子量が大きすぎると、末端基の吸着基としての効
果が薄れるとともに、パーフルオロポリエーテル鎖が大
きくなる分、既存の炭化水素系溶媒に溶解しにくくな
る。一方、分子量が小さすぎると、パーフルオロポリエ
ーテル鎖による潤滑効果が失われてしまう。
単官能パーフルオロポリエーテルの分子量は、特に制約
されるものではないが、実用的には600〜5000程
度が好ましく、1000〜4000のものがより好まし
い。分子量が大きすぎると、末端基の吸着基としての効
果が薄れるとともに、パーフルオロポリエーテル鎖が大
きくなる分、既存の炭化水素系溶媒に溶解しにくくな
る。一方、分子量が小さすぎると、パーフルオロポリエ
ーテル鎖による潤滑効果が失われてしまう。
【0144】なお、上記末端にカルボキシル基を有する
単官能パーフルオロポリエーテルは、パーフルオロポリ
エーテル鎖が部分水素化されてもよい。すなわち、パー
フルオロポリエーテル鎖のフッ素原子の一部(50%以
下)を水素原子で置換しても良い。この場合には、パー
フルオロポリエーテルとして部分水素化したパーフルオ
ロポリエーテルを使用すればよい。
単官能パーフルオロポリエーテルは、パーフルオロポリ
エーテル鎖が部分水素化されてもよい。すなわち、パー
フルオロポリエーテル鎖のフッ素原子の一部(50%以
下)を水素原子で置換しても良い。この場合には、パー
フルオロポリエーテルとして部分水素化したパーフルオ
ロポリエーテルを使用すればよい。
【0145】一方、アミンとしては、第1アミン、第2
アミン、第3アミンが何れも使用可能であり、第4級ア
ンモニウム化合物も使用可能である。使用するアミンの
構造等も任意であり、分岐構造、異性体構造、脂環構
造、分子量、不飽和結合の有無によらず任意に選択する
ことができる。但し、上記アミンは、アルキル基を有す
ることが好ましく、特に炭素数10以上のアルキル基を
有する場合に効果が大きい。
アミン、第3アミンが何れも使用可能であり、第4級ア
ンモニウム化合物も使用可能である。使用するアミンの
構造等も任意であり、分岐構造、異性体構造、脂環構
造、分子量、不飽和結合の有無によらず任意に選択する
ことができる。但し、上記アミンは、アルキル基を有す
ることが好ましく、特に炭素数10以上のアルキル基を
有する場合に効果が大きい。
【0146】このような末端にカルボキシル基を有する
パーフルオロアルキルエーテルとアミンとを反応させ
て、上記化27に示される化合物が合成される。
パーフルオロアルキルエーテルとアミンとを反応させ
て、上記化27に示される化合物が合成される。
【0147】また、上述したように、本実施の形態で用
いられる上記潤滑剤には、上記化27に示す化合物の他
に、上記化28に示される長鎖飽和脂肪酸エステルが含
有される。この化28に示される長鎖飽和脂肪酸エステ
ルは、第1の実施の形態において上述した長鎖飽和脂肪
酸エステルと同様なものを使用することができる。
いられる上記潤滑剤には、上記化27に示す化合物の他
に、上記化28に示される長鎖飽和脂肪酸エステルが含
有される。この化28に示される長鎖飽和脂肪酸エステ
ルは、第1の実施の形態において上述した長鎖飽和脂肪
酸エステルと同様なものを使用することができる。
【0148】そして、本実施の形態に係る磁気記録媒体
に使用される潤滑剤においては、末端にカルボキシル基
を有するパーフルオロポリエーテルとアミンとの化合物
と、長鎖飽和脂肪酸エステルとの混合比が、重量比で1
0:90〜90:10であるのが好ましい。上記範囲を
超えると本発明による効果を得ることが難しい。
に使用される潤滑剤においては、末端にカルボキシル基
を有するパーフルオロポリエーテルとアミンとの化合物
と、長鎖飽和脂肪酸エステルとの混合比が、重量比で1
0:90〜90:10であるのが好ましい。上記範囲を
超えると本発明による効果を得ることが難しい。
【0149】潤滑剤を最外層に保持させる方法について
も、上述した磁気記録媒体1における潤滑剤の場合と同
様であり、保護膜の表面に潤滑剤をトップコートする方
法が挙げられる。ここで、その塗布量は、0.05〜1
00mg/m2とするのが好ましく、0.1〜50mg
/m2とするのがより好ましい。塗布量があまり少なす
ぎると、摩擦係数の低下、耐磨耗性・耐久性の向上とい
う効果が表れず、また、塗布量があまり多すぎると、摺
動部材と強磁性金属薄膜との間でハリツキ現象が起こ
り、却って走行性が悪くなる。
も、上述した磁気記録媒体1における潤滑剤の場合と同
様であり、保護膜の表面に潤滑剤をトップコートする方
法が挙げられる。ここで、その塗布量は、0.05〜1
00mg/m2とするのが好ましく、0.1〜50mg
/m2とするのがより好ましい。塗布量があまり少なす
ぎると、摩擦係数の低下、耐磨耗性・耐久性の向上とい
う効果が表れず、また、塗布量があまり多すぎると、摺
動部材と強磁性金属薄膜との間でハリツキ現象が起こ
り、却って走行性が悪くなる。
【0150】以上のように、本実施の形態に係る磁気記
録媒体は、上述したような、密着性や潤滑性の点で非常
に優れた特性の潤滑剤の組み合わせを特定して用いてい
るので、良好な走行性及び耐久性が確保されたものとな
る。
録媒体は、上述したような、密着性や潤滑性の点で非常
に優れた特性の潤滑剤の組み合わせを特定して用いてい
るので、良好な走行性及び耐久性が確保されたものとな
る。
【0151】また、この磁気記録媒体においては、最外
層として形成され、カーボンよりなる保護膜の表面がア
ミン処理されているので、用いられる潤滑剤と、保護膜
との密着性が向上し、更に良好な耐久性を実現すること
ができる。
層として形成され、カーボンよりなる保護膜の表面がア
ミン処理されているので、用いられる潤滑剤と、保護膜
との密着性が向上し、更に良好な耐久性を実現すること
ができる。
【0152】また、この磁気記録媒体においては、磁性
層を強磁性金属薄膜としていることから、高密度記録、
長時間記録にも十分対応可能である。
層を強磁性金属薄膜としていることから、高密度記録、
長時間記録にも十分対応可能である。
【0153】〈第5の実施の形態〉つぎに、本発明の第
5の実施の形態について説明する。本実施の形態に係る
磁気記録媒体は、図1に示された第1の実施の形態の磁
気記録媒体1と同様に、非磁性支持体上に磁性層として
強磁性金属薄膜、最外層として保護膜が順次形成されて
なる。そして、本実施の形態に係る磁気記録媒体は、特
に、最外層となる保護膜に、下記化29で示される末端
にカルボキシル基を有するパーフルオロポリエーテルと
ジアミンとの化合物と、下記化30にて示される長鎖飽
和脂肪酸エステルを含有する潤滑剤が保持されているも
のでも好ましい。
5の実施の形態について説明する。本実施の形態に係る
磁気記録媒体は、図1に示された第1の実施の形態の磁
気記録媒体1と同様に、非磁性支持体上に磁性層として
強磁性金属薄膜、最外層として保護膜が順次形成されて
なる。そして、本実施の形態に係る磁気記録媒体は、特
に、最外層となる保護膜に、下記化29で示される末端
にカルボキシル基を有するパーフルオロポリエーテルと
ジアミンとの化合物と、下記化30にて示される長鎖飽
和脂肪酸エステルを含有する潤滑剤が保持されているも
のでも好ましい。
【0154】
【化29】
【0155】
【化30】
【0156】このような化29に示される化合物及び化
30に示される化合物を有する潤滑剤は、如何なる使用
条件下においても密着性や潤滑性が好適に保たれ、且つ
長期に至り潤滑効果を持続する特性を有するものであ
る。
30に示される化合物を有する潤滑剤は、如何なる使用
条件下においても密着性や潤滑性が好適に保たれ、且つ
長期に至り潤滑効果を持続する特性を有するものであ
る。
【0157】なお、上記化29及び化30に示される潤
滑剤が用いられた磁気記録媒体は、図1に示した磁気記
録媒体1と略同様の構成を有するものであり、最外層に
保持される潤滑剤のみが異なる例であり、その他の磁性
層や保護膜等は同じ構成である。そこで、以下の説明で
は、潤滑剤についてのみ説明する。
滑剤が用いられた磁気記録媒体は、図1に示した磁気記
録媒体1と略同様の構成を有するものであり、最外層に
保持される潤滑剤のみが異なる例であり、その他の磁性
層や保護膜等は同じ構成である。そこで、以下の説明で
は、潤滑剤についてのみ説明する。
【0158】上記化29に示す末端にカルボキシル基を
有するパーフルオロポリエーテルとジアミンとの化合物
は、例えば、末端にカルボキシル基を有する単官能パー
フルオロポリエーテルとジアミンとを混合し、用いたア
ミンの融点以上の温度で加熱することによって合成する
ことができる。
有するパーフルオロポリエーテルとジアミンとの化合物
は、例えば、末端にカルボキシル基を有する単官能パー
フルオロポリエーテルとジアミンとを混合し、用いたア
ミンの融点以上の温度で加熱することによって合成する
ことができる。
【0159】ここで、上記末端にカルボキシル基を有す
るパーフルオロポリエーテルとしては、市販のものは何
れも使用可能である。例えば、F(CF2CF2CF
2O)mCF2CF2COOH(但し、化学式中mは1以上
の整数を表す。)や、CF3[OCF(CF3)CF2]j
(OCF2)kCOOH(但し、上記化学式中のj,kは
何れも1以上の整数を表す)等が挙げられる。なお、上
記末端にカルボキシル基を有する単官能パーフルオロポ
リエーテルとしては勿論上記のものに限られない。
るパーフルオロポリエーテルとしては、市販のものは何
れも使用可能である。例えば、F(CF2CF2CF
2O)mCF2CF2COOH(但し、化学式中mは1以上
の整数を表す。)や、CF3[OCF(CF3)CF2]j
(OCF2)kCOOH(但し、上記化学式中のj,kは
何れも1以上の整数を表す)等が挙げられる。なお、上
記末端にカルボキシル基を有する単官能パーフルオロポ
リエーテルとしては勿論上記のものに限られない。
【0160】また、上記末端にカルボキシル基を有する
パーフルオロポリエーテルの分子量は、特に制約される
ものではないが、実用的には600〜5000程度が好
ましく、1000〜4000のものがより好ましい。分
子量が大きすぎると、末端基の吸着基としての効果が薄
れるとともに、パーフルオロポリエーテル鎖が大きくな
る分、既存の炭化水素系溶媒に溶解しにくくなる。一
方、分子量が小さすぎると、パーフルオロポリエーテル
鎖による潤滑効果が失われてしまう。
パーフルオロポリエーテルの分子量は、特に制約される
ものではないが、実用的には600〜5000程度が好
ましく、1000〜4000のものがより好ましい。分
子量が大きすぎると、末端基の吸着基としての効果が薄
れるとともに、パーフルオロポリエーテル鎖が大きくな
る分、既存の炭化水素系溶媒に溶解しにくくなる。一
方、分子量が小さすぎると、パーフルオロポリエーテル
鎖による潤滑効果が失われてしまう。
【0161】なお、上記末端にカルボキシル基を有する
パーフルオロポリエーテルは、パーフルオロポリエーテ
ル鎖が部分水素化されてもよい。すなわち、パーフルオ
ロポリエーテル鎖のフッ素原子の一部(50%以下)を
水素原子で置換しても良い。この場合には、パーフルオ
ロポリエーテルとして部分水素化したパーフルオロポリ
エーテルを使用すればよい。
パーフルオロポリエーテルは、パーフルオロポリエーテ
ル鎖が部分水素化されてもよい。すなわち、パーフルオ
ロポリエーテル鎖のフッ素原子の一部(50%以下)を
水素原子で置換しても良い。この場合には、パーフルオ
ロポリエーテルとして部分水素化したパーフルオロポリ
エーテルを使用すればよい。
【0162】一方、ジアミンとしては、構造等も任意で
あり、分岐構造、異性体構造、脂環構造、分子量、不飽
和結合の有無によらず任意に選択することができる。
あり、分岐構造、異性体構造、脂環構造、分子量、不飽
和結合の有無によらず任意に選択することができる。
【0163】このような末端にカルボキシル基を有する
パーフルオロアルキルエーテルとジアミンとを反応させ
て、上記化29に示される化合物が合成される。
パーフルオロアルキルエーテルとジアミンとを反応させ
て、上記化29に示される化合物が合成される。
【0164】また、上述したように、本実施の形態で用
いられる上記潤滑剤には、上記化29に示す化合物の他
に、上記化30に示される長鎖飽和脂肪酸エステルが含
有される。この化30に示される長鎖飽和脂肪酸エステ
ルは、第1の実施の形態において上述した長鎖飽和脂肪
酸エステルと同様なものを使用することができる。
いられる上記潤滑剤には、上記化29に示す化合物の他
に、上記化30に示される長鎖飽和脂肪酸エステルが含
有される。この化30に示される長鎖飽和脂肪酸エステ
ルは、第1の実施の形態において上述した長鎖飽和脂肪
酸エステルと同様なものを使用することができる。
【0165】そして、本実施の形態に係る磁気記録媒体
に使用される潤滑剤は、末端にカルボキシル基を有する
パーフルオロポリエーテルとジアミンとの化合物と、長
鎖飽和脂肪酸エステルとの混合比が、重量比で10:9
0〜90:10であるのが好ましい。上記範囲を超える
と本発明による効果を得ることが難しい。
に使用される潤滑剤は、末端にカルボキシル基を有する
パーフルオロポリエーテルとジアミンとの化合物と、長
鎖飽和脂肪酸エステルとの混合比が、重量比で10:9
0〜90:10であるのが好ましい。上記範囲を超える
と本発明による効果を得ることが難しい。
【0166】潤滑剤を最外層に保持させる方法として
も、上述した磁気記録媒体1における潤滑剤の場合と同
様であり、保護膜の表面に潤滑剤をトップコートする方
法が挙げられる。ここで、その塗布量は、0.05〜1
00mg/m2であるのが好ましく、0.1〜50mg
/m2であるのがより好ましい。塗布量があまり少なす
ぎると、摩擦係数の低下、耐磨耗性・耐久性の向上とい
う効果が表れず、また、塗布量があまり多すぎると、摺
動部材と強磁性金属薄膜との間でハリツキ現象が起こ
り、却って走行性が悪くなる。
も、上述した磁気記録媒体1における潤滑剤の場合と同
様であり、保護膜の表面に潤滑剤をトップコートする方
法が挙げられる。ここで、その塗布量は、0.05〜1
00mg/m2であるのが好ましく、0.1〜50mg
/m2であるのがより好ましい。塗布量があまり少なす
ぎると、摩擦係数の低下、耐磨耗性・耐久性の向上とい
う効果が表れず、また、塗布量があまり多すぎると、摺
動部材と強磁性金属薄膜との間でハリツキ現象が起こ
り、却って走行性が悪くなる。
【0167】以上のように、本実施の形態に係る磁気記
録媒体は、上述したような、密着性や潤滑性の点で非常
に優れた特性の潤滑剤の組み合わせを特定して用いてい
るので、良好な走行性及び耐久性が確保されたものとな
る。
録媒体は、上述したような、密着性や潤滑性の点で非常
に優れた特性の潤滑剤の組み合わせを特定して用いてい
るので、良好な走行性及び耐久性が確保されたものとな
る。
【0168】また、この磁気記録媒体においては、最外
層として形成され、カーボンよりなる保護膜の表面がア
ミン処理されているので、用いられる潤滑剤と、保護膜
との密着性が向上し、更に良好な耐久性を実現すること
ができる。
層として形成され、カーボンよりなる保護膜の表面がア
ミン処理されているので、用いられる潤滑剤と、保護膜
との密着性が向上し、更に良好な耐久性を実現すること
ができる。
【0169】また、この磁気記録媒体においては、磁性
層を強磁性金属薄膜としていることから、高密度記録、
長時間記録にも十分対応可能である。
層を強磁性金属薄膜としていることから、高密度記録、
長時間記録にも十分対応可能である。
【0170】
【実施例】以下、本発明の実施例について具体的な実験
結果に基づいて説明する。
結果に基づいて説明する。
【0171】次に、本発明の効果を確認するべく、実際
に磁気記録媒体を製造し、その特性の評価を行った。
に磁気記録媒体を製造し、その特性の評価を行った。
【0172】実験例1 本実験例では、末端に水酸基を有するパーフルオロポリ
エーテルと長鎖カルボン酸とのエステル化合物と、長鎖
飽和脂肪酸エステルを含有する潤滑剤を使用した場合の
効果を以下のようにして確認した。
エーテルと長鎖カルボン酸とのエステル化合物と、長鎖
飽和脂肪酸エステルを含有する潤滑剤を使用した場合の
効果を以下のようにして確認した。
【0173】(サンプルの作製) 1.末端に水酸基を有するパーフルオロポリエーテルと
長鎖カルボン酸とのエステル化合物の合成 先ず、末端に水酸基を有するパーフルオロポリエーテル
として、分子量2000のHOCH2CF2(OC2F4)
p(OCF2)qOCF2CH2OH(但し、化学式中p、
qはそれぞれ1以上の整数を表す。)を用い、このパー
フルオロポリエーテルとモル比で2倍等量となるトリエ
チルアミンを有機溶媒中に溶解させ、この溶液中に更に
モル比で2倍等量のステアリン酸クロリドを30分かけ
て滴下した。
長鎖カルボン酸とのエステル化合物の合成 先ず、末端に水酸基を有するパーフルオロポリエーテル
として、分子量2000のHOCH2CF2(OC2F4)
p(OCF2)qOCF2CH2OH(但し、化学式中p、
qはそれぞれ1以上の整数を表す。)を用い、このパー
フルオロポリエーテルとモル比で2倍等量となるトリエ
チルアミンを有機溶媒中に溶解させ、この溶液中に更に
モル比で2倍等量のステアリン酸クロリドを30分かけ
て滴下した。
【0174】滴下終了後、1時間撹拌し、続いて30分
間加熱還流を行った。そして、冷却した後、蒸留水、希
塩酸水溶液の順で洗浄し、再度蒸留水により洗浄液が中
性になるまで洗浄した。続いて、有機溶媒を除去し、得
られた化合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーを
用いて精製してエステル化合物を得た。ここで、このエ
ステル化合物を化合物1とする。
間加熱還流を行った。そして、冷却した後、蒸留水、希
塩酸水溶液の順で洗浄し、再度蒸留水により洗浄液が中
性になるまで洗浄した。続いて、有機溶媒を除去し、得
られた化合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーを
用いて精製してエステル化合物を得た。ここで、このエ
ステル化合物を化合物1とする。
【0175】次に、上記化合物1と同様な合成方法によ
って、表1に示すような末端に水酸基を有するパーフル
オロポリエーテルと長鎖カルボン酸とのエステル化合物
である4種類の化合物2〜5を合成した。なお、表1中
p、q、nは、1以上の整数をそれぞれ表す。
って、表1に示すような末端に水酸基を有するパーフル
オロポリエーテルと長鎖カルボン酸とのエステル化合物
である4種類の化合物2〜5を合成した。なお、表1中
p、q、nは、1以上の整数をそれぞれ表す。
【0176】
【表1】
【0177】2.サンプルテープの作製 次に、磁気テープを以下のようにして作製した。先ず、
非磁性支持体である7.0μm厚のポリエチレンテレフ
タレートフィルムに、上述の真空蒸着装置を使用して斜
め蒸着法によりCoを被着させ、磁性層となる強磁性金
属薄膜を180nmの厚さに形成した。
非磁性支持体である7.0μm厚のポリエチレンテレフ
タレートフィルムに、上述の真空蒸着装置を使用して斜
め蒸着法によりCoを被着させ、磁性層となる強磁性金
属薄膜を180nmの厚さに形成した。
【0178】次に、上記強磁性金属薄膜上に、エチレン
とアルゴンの混合ガスの高周波プラズマにより、電極
と、磁気記録媒体原反自身を対向電極として、原反に−
1.5kVの直流電圧を印加し、放電を行い、上記強磁
性金属薄膜上に約8nmの厚さのカーボン保護膜を形成
した。
とアルゴンの混合ガスの高周波プラズマにより、電極
と、磁気記録媒体原反自身を対向電極として、原反に−
1.5kVの直流電圧を印加し、放電を行い、上記強磁
性金属薄膜上に約8nmの厚さのカーボン保護膜を形成
した。
【0179】次に、ポリエチレンテレフタレートフィル
ムの強磁性金属薄膜が形成された面とは反対側の面に、
カーボン及びポリウレタン樹脂よりなる膜厚0.5μm
のバックコート層を形成した。
ムの強磁性金属薄膜が形成された面とは反対側の面に、
カーボン及びポリウレタン樹脂よりなる膜厚0.5μm
のバックコート層を形成した。
【0180】次に、下記表1に示されるアミン化合物を
イソプロピルアルコールに溶解したものを、カーボン保
護膜上に塗布量が2mg/m2となるように塗布した。
イソプロピルアルコールに溶解したものを、カーボン保
護膜上に塗布量が2mg/m2となるように塗布した。
【0181】次に、下記表2に示される化合物をそれぞ
れヘキサン溶媒に溶解したものを、上記カーボン保護膜
上に塗布量が5mg/m2となるように塗布して、19
種類の磁気記録媒体を得た。
れヘキサン溶媒に溶解したものを、上記カーボン保護膜
上に塗布量が5mg/m2となるように塗布して、19
種類の磁気記録媒体を得た。
【0182】そして、これら19種類の磁気記録媒体を
それぞれ6.35mm幅に裁断して、実施例1〜実施例
8及び比較例1〜比較例11の19種類のサンプルテー
プとした。
それぞれ6.35mm幅に裁断して、実施例1〜実施例
8及び比較例1〜比較例11の19種類のサンプルテー
プとした。
【0183】ただし、比較例3〜比較例10のサンプル
テープについては、保護膜の表面にアミノ化合物を塗布
しなかったった。さらに、比較例8〜比較例10のサン
プルテープについては、保護膜を、上述したようなプラ
ズマCVD法によらず、マグネトロンスパッタ法により
形成した。また、比較例11のオレイン酸オクチルは、
二重結合を有する長鎖脂肪酸エステル化合物である。
テープについては、保護膜の表面にアミノ化合物を塗布
しなかったった。さらに、比較例8〜比較例10のサン
プルテープについては、保護膜を、上述したようなプラ
ズマCVD法によらず、マグネトロンスパッタ法により
形成した。また、比較例11のオレイン酸オクチルは、
二重結合を有する長鎖脂肪酸エステル化合物である。
【0184】
【表2】
【0185】3.特性の評価 次に、上記実施例1〜実施例8と比較例1〜比較例11
の19種類のサンプルテープの特性を評価した。ここで
は、耐久性と走行性を評価することとし、具体的には摩
擦係数、スチル耐久性及びシャトル耐久性を評価した。
これらを評価する際の環境条件としては、本発明者等が
検討した上で、最も厳しい条件と思われる条件を採用し
た。
の19種類のサンプルテープの特性を評価した。ここで
は、耐久性と走行性を評価することとし、具体的には摩
擦係数、スチル耐久性及びシャトル耐久性を評価した。
これらを評価する際の環境条件としては、本発明者等が
検討した上で、最も厳しい条件と思われる条件を採用し
た。
【0186】(1)摩擦係数の測定方法 摩擦係数の測定は、恒温槽中の環境条件を温度40℃、
湿度80%RHに制御して、この恒温槽中で各サンプル
テープを100パス走行させて測定した。なお、摩擦走
行100パス目の数値を摩擦係数とした。
湿度80%RHに制御して、この恒温槽中で各サンプル
テープを100パス走行させて測定した。なお、摩擦走
行100パス目の数値を摩擦係数とした。
【0187】(2)スチル耐久性の測定方法 スチル耐久性の評価は、−5℃の恒温槽中で行い、市販
のデジタルビデオカムコーダー(ソニー社製、機種名:
DCR−VX1000)を用いて、各サンプルテープの
再生出力が3dB落ちるまでの時間を測定して行った。
のデジタルビデオカムコーダー(ソニー社製、機種名:
DCR−VX1000)を用いて、各サンプルテープの
再生出力が3dB落ちるまでの時間を測定して行った。
【0188】(3)シャトル耐久性の測定方法 シャトル耐久性は、恒温槽中の環境条件を温度40℃、
湿度20%RHに制御して、この恒温槽中で市販のデジ
タルビデオカムコーダー(ソニー社製、機種名:DCR
−VX1000)を用い、各サンプルテープを100パ
スシャトル走行させ、100パス走行後にその再生出力
が初期出力から何dB落ちるかを測定して評価した。
湿度20%RHに制御して、この恒温槽中で市販のデジ
タルビデオカムコーダー(ソニー社製、機種名:DCR
−VX1000)を用い、各サンプルテープを100パ
スシャトル走行させ、100パス走行後にその再生出力
が初期出力から何dB落ちるかを測定して評価した。
【0189】なお、これらの評価は、潤滑剤を塗布した
直後と、各サンプルテープを温度45℃、湿度80%R
Hの環境下で30日間保存した後に行った。潤滑剤を塗
布した直後の初期の耐久性及び走行性の測定結果を表
3、30日間保存した後の保存後の耐久性及び走行性の
測定結果を表4に示す。
直後と、各サンプルテープを温度45℃、湿度80%R
Hの環境下で30日間保存した後に行った。潤滑剤を塗
布した直後の初期の耐久性及び走行性の測定結果を表
3、30日間保存した後の保存後の耐久性及び走行性の
測定結果を表4に示す。
【0190】
【表3】
【0191】
【表4】
【0192】表3及び表4の結果から、CVD法により
形成された保護膜表面をアミノ化合物で処理し、さらに
潤滑剤として、末端に水酸基を有するパーフルオロポリ
エーテルと長鎖カルボン酸とのエステル化合物と長鎖飽
和脂肪酸エステルとを組み合わせた潤滑剤を使用した実
施例1〜実施例8においては、何れも高温多湿、高温低
湿或いは低温等の様々な使用条件下において摩擦係数、
スチル耐久性及びシャトル耐久性の劣化が極めて少な
く、非常に良好な結果が得られていることがわかった。
形成された保護膜表面をアミノ化合物で処理し、さらに
潤滑剤として、末端に水酸基を有するパーフルオロポリ
エーテルと長鎖カルボン酸とのエステル化合物と長鎖飽
和脂肪酸エステルとを組み合わせた潤滑剤を使用した実
施例1〜実施例8においては、何れも高温多湿、高温低
湿或いは低温等の様々な使用条件下において摩擦係数、
スチル耐久性及びシャトル耐久性の劣化が極めて少な
く、非常に良好な結果が得られていることがわかった。
【0193】一方、末端に水酸基を有するパーフルオロ
ポリエーテルと長鎖カルボン酸とのエステル化合物のみ
を含有する潤滑剤を用いた比較例1及び比較例2では、
様々な使用条件下において摩擦係数やスチル耐久性、シ
ャトル耐久性の劣化が非常に大きかった。また、保護膜
の表面にアミノ化合物を塗布しなかった比較例3〜比較
例10では、様々な使用条件下において摩擦係数やスチ
ル耐久性、シャトル耐久性の劣化が大きく、良好な結果
が得られなかった。さらに、保護膜をCVD法ではな
く、PVD法であるマグネトロンスパッタ法により形成
した場合にも、十分な耐久性は得られなかった。さら
に、実施例1と比較例11との比較結果から、不飽和結
合を有しない長鎖飽和脂肪酸エステルを用いることによ
り、長期保存後も初期の特性を維持させることができる
ことがわかった。
ポリエーテルと長鎖カルボン酸とのエステル化合物のみ
を含有する潤滑剤を用いた比較例1及び比較例2では、
様々な使用条件下において摩擦係数やスチル耐久性、シ
ャトル耐久性の劣化が非常に大きかった。また、保護膜
の表面にアミノ化合物を塗布しなかった比較例3〜比較
例10では、様々な使用条件下において摩擦係数やスチ
ル耐久性、シャトル耐久性の劣化が大きく、良好な結果
が得られなかった。さらに、保護膜をCVD法ではな
く、PVD法であるマグネトロンスパッタ法により形成
した場合にも、十分な耐久性は得られなかった。さら
に、実施例1と比較例11との比較結果から、不飽和結
合を有しない長鎖飽和脂肪酸エステルを用いることによ
り、長期保存後も初期の特性を維持させることができる
ことがわかった。
【0194】以上の結果より、CVD法により形成され
た保護膜表面をアミノ化合物で処理し、さらに潤滑剤と
して、末端に水酸基を有するパーフルオロポリエーテル
と長鎖カルボン酸とのエステル化合物と、長鎖飽和脂肪
酸エステルとを組み合わせることにより、潤滑剤が如何
なる使用条件下においても密着性や潤滑性が保たれ、且
つ長期に亘り潤滑効果が持続するため、磁気記録媒体の
良好な走行性及び耐久性が得られることがわかった。
た保護膜表面をアミノ化合物で処理し、さらに潤滑剤と
して、末端に水酸基を有するパーフルオロポリエーテル
と長鎖カルボン酸とのエステル化合物と、長鎖飽和脂肪
酸エステルとを組み合わせることにより、潤滑剤が如何
なる使用条件下においても密着性や潤滑性が保たれ、且
つ長期に亘り潤滑効果が持続するため、磁気記録媒体の
良好な走行性及び耐久性が得られることがわかった。
【0195】実験例2 本実験例においては、末端にカルボキシル基を有するパ
ーフルオロポリエーテルと長鎖アルコールとのエステル
化合物と、長鎖飽和脂肪酸エステルを含有する潤滑剤を
使用した場合の効果を以下のようにして確認した。
ーフルオロポリエーテルと長鎖アルコールとのエステル
化合物と、長鎖飽和脂肪酸エステルを含有する潤滑剤を
使用した場合の効果を以下のようにして確認した。
【0196】(サンプルの作製) 1.末端にカルボキシル基を有するパーフルオロポリエ
ーテルと長鎖アルコールとのエステル化合物の合成 先ず、末端にカルボキシル基を有するパーフルオロポリ
エーテルとして、分子量2000のHOOCCF2(O
C2F4)m(OCF2)jOCF2COOH(但し、化学式
中m、jはそれぞれ1以上の整数を表す。)を用い、こ
のパーフルオロポリエーテルとモル比で2倍等量となる
ステアリルアルコールを無水トルエン中で少量のp−ト
ルエンスルホン酸と濃硫酸を触媒として加熱還流させ
た。このとき、生成される水分を除去しながら行った。
ーテルと長鎖アルコールとのエステル化合物の合成 先ず、末端にカルボキシル基を有するパーフルオロポリ
エーテルとして、分子量2000のHOOCCF2(O
C2F4)m(OCF2)jOCF2COOH(但し、化学式
中m、jはそれぞれ1以上の整数を表す。)を用い、こ
のパーフルオロポリエーテルとモル比で2倍等量となる
ステアリルアルコールを無水トルエン中で少量のp−ト
ルエンスルホン酸と濃硫酸を触媒として加熱還流させ
た。このとき、生成される水分を除去しながら行った。
【0197】反応終了後、トルエンを除去した後、得ら
れた化合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーを用
いて精製して、その後溶媒を除去し、エステル化合物を
得た。なお、ここで、このエステル化合物を化合物6と
する。
れた化合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーを用
いて精製して、その後溶媒を除去し、エステル化合物を
得た。なお、ここで、このエステル化合物を化合物6と
する。
【0198】次に、上記化合物6と同様な合成方法によ
って、表5に示すような末端にカルボキシル基を有する
パーフルオロポリエーテルと長鎖アルコールとのエステ
ル化合物である4種類の化合物7〜10を合成した。な
お、表5中j、k、mは、1以上の整数をそれぞれ表
す。
って、表5に示すような末端にカルボキシル基を有する
パーフルオロポリエーテルと長鎖アルコールとのエステ
ル化合物である4種類の化合物7〜10を合成した。な
お、表5中j、k、mは、1以上の整数をそれぞれ表
す。
【0199】
【表5】
【0200】2.サンプルテープの作製 まず、前述の実験例1と同様にして、非磁性支持体上に
磁性層となる強磁性金属薄膜、カーボンからなる保護膜
をプラズマCVD法により形成し、バックコート層も形
成した。さらに、上記保護膜の表面を、アミノ化合物を
塗布することにより処理した。
磁性層となる強磁性金属薄膜、カーボンからなる保護膜
をプラズマCVD法により形成し、バックコート層も形
成した。さらに、上記保護膜の表面を、アミノ化合物を
塗布することにより処理した。
【0201】次に、前述の実験例1と同様にして、保護
膜表面に、下記表6に示されるような潤滑剤をヘキサン
溶媒に溶解したものを、塗布量が5mg/m2となるよ
うにそれぞれ塗布して19種類の磁気記録媒体を得た。
膜表面に、下記表6に示されるような潤滑剤をヘキサン
溶媒に溶解したものを、塗布量が5mg/m2となるよ
うにそれぞれ塗布して19種類の磁気記録媒体を得た。
【0202】そして、これら19種類の磁気記録媒体を
それぞれ6.35mm幅に裁断し、実施例9〜実施例1
6及び比較例12〜比較例22の19種類のサンプルテ
ープを作製した。
それぞれ6.35mm幅に裁断し、実施例9〜実施例1
6及び比較例12〜比較例22の19種類のサンプルテ
ープを作製した。
【0203】ただし、比較例14〜比較例21のサンプ
ルテープについては、保護膜の表面にアミノ化合物を塗
布しなかった。さらに、比較例19〜比較例21のサン
プルテープについては、保護膜を、上述したようなプラ
ズマCVD法によらず、マグネトロンスパッタ法により
形成した。また、比較例22のオレイン酸オクチルは、
二重結合を有する長鎖脂肪酸エステル化合物である。
ルテープについては、保護膜の表面にアミノ化合物を塗
布しなかった。さらに、比較例19〜比較例21のサン
プルテープについては、保護膜を、上述したようなプラ
ズマCVD法によらず、マグネトロンスパッタ法により
形成した。また、比較例22のオレイン酸オクチルは、
二重結合を有する長鎖脂肪酸エステル化合物である。
【0204】
【表6】
【0205】3.特性の評価 次に、上記実施例9〜実施例16と比較例12〜22の
19種類のサンプルテープの特性を評価した。ここで
は、耐久性と走行性を評価することとし、具体的には摩
擦係数、スチル耐久性及びシャトル耐久性を前述の実験
例1と同様にして評価した。
19種類のサンプルテープの特性を評価した。ここで
は、耐久性と走行性を評価することとし、具体的には摩
擦係数、スチル耐久性及びシャトル耐久性を前述の実験
例1と同様にして評価した。
【0206】なお、これらの評価は、前述の実験例1と
同様に潤滑剤を塗布した直後と、各サンプルテープを温
度45℃、湿度80%RHの環境下で30日間保存した
後に行った。潤滑剤を塗布した直後の初期の耐久性及び
走行性の結果を表7、30日間保存した後の保存後の耐
久性及び走行性の結果を表8に示す。
同様に潤滑剤を塗布した直後と、各サンプルテープを温
度45℃、湿度80%RHの環境下で30日間保存した
後に行った。潤滑剤を塗布した直後の初期の耐久性及び
走行性の結果を表7、30日間保存した後の保存後の耐
久性及び走行性の結果を表8に示す。
【0207】
【表7】
【0208】
【表8】
【0209】表7及び表8の結果から、CVD法により
形成された保護膜表面をアミノ化合物で処理し、さらに
潤滑剤として、末端にカルボキシル基を有するパーフル
オロポリエーテルと長鎖アルコールとのエステル化合物
と長鎖飽和脂肪酸エステルとを組み合わせた潤滑剤を使
用した実施例9〜実施例16においては、何れも高温多
湿、高温低湿或いは低温等の様々な使用条件下において
摩擦係数、スチル耐久性及びシャトル耐久性の劣化が極
めて少なく、非常に良好な結果が得られていることがわ
かった。
形成された保護膜表面をアミノ化合物で処理し、さらに
潤滑剤として、末端にカルボキシル基を有するパーフル
オロポリエーテルと長鎖アルコールとのエステル化合物
と長鎖飽和脂肪酸エステルとを組み合わせた潤滑剤を使
用した実施例9〜実施例16においては、何れも高温多
湿、高温低湿或いは低温等の様々な使用条件下において
摩擦係数、スチル耐久性及びシャトル耐久性の劣化が極
めて少なく、非常に良好な結果が得られていることがわ
かった。
【0210】一方、末端にカルボキシル基を有するパー
フルオロポリエーテルと長鎖アルコールとのエステル化
合物のみを含有する潤滑剤を用いた比較例12及び比較
例13では、様々な使用条件下において摩擦係数やスチ
ル耐久性、シャトル耐久性の劣化が非常に大きかった。
また、保護膜の表面にアミノ化合物を塗布しなかった比
較例14〜比較例21では、様々な使用条件下において
摩擦係数やスチル耐久性、シャトル耐久性の劣化が大き
く、良好な結果が得られなかった。さらに、保護膜をC
VD法ではなく、PVD法であるマグネトロンスパッタ
法により形成した場合にも、十分な耐久性は得られなか
った。さらに、実施例9と比較例22との比較結果か
ら、不飽和結合を有しない長鎖飽和脂肪酸エステルを用
いることにより、長期保存後も初期の特性を維持させる
ことができることがわかった。
フルオロポリエーテルと長鎖アルコールとのエステル化
合物のみを含有する潤滑剤を用いた比較例12及び比較
例13では、様々な使用条件下において摩擦係数やスチ
ル耐久性、シャトル耐久性の劣化が非常に大きかった。
また、保護膜の表面にアミノ化合物を塗布しなかった比
較例14〜比較例21では、様々な使用条件下において
摩擦係数やスチル耐久性、シャトル耐久性の劣化が大き
く、良好な結果が得られなかった。さらに、保護膜をC
VD法ではなく、PVD法であるマグネトロンスパッタ
法により形成した場合にも、十分な耐久性は得られなか
った。さらに、実施例9と比較例22との比較結果か
ら、不飽和結合を有しない長鎖飽和脂肪酸エステルを用
いることにより、長期保存後も初期の特性を維持させる
ことができることがわかった。
【0211】以上の結果より、CVD法により形成され
た保護膜表面をアミノ化合物で処理し、さらに潤滑剤と
して、末端にカルボキシル基を有するパーフルオロポリ
エーテルと長鎖アルコールとのエステル化合物と、長鎖
飽和脂肪酸エステルとを組み合わせることにより、潤滑
剤が如何なる使用条件下においても密着性や潤滑性が保
たれ、且つ長期に亘り潤滑効果が持続するため、磁気記
録媒体の良好な走行性及び耐久性が得られることがわか
った。
た保護膜表面をアミノ化合物で処理し、さらに潤滑剤と
して、末端にカルボキシル基を有するパーフルオロポリ
エーテルと長鎖アルコールとのエステル化合物と、長鎖
飽和脂肪酸エステルとを組み合わせることにより、潤滑
剤が如何なる使用条件下においても密着性や潤滑性が保
たれ、且つ長期に亘り潤滑効果が持続するため、磁気記
録媒体の良好な走行性及び耐久性が得られることがわか
った。
【0212】実験例3 本実施例では、末端にカルボキシル基を有する二官能パ
ーフルオロポリエーテルとアミンとの化合物と、長鎖飽
和脂肪酸エステルを含有する潤滑剤を使用した場合の効
果を以下のようにして確認した。
ーフルオロポリエーテルとアミンとの化合物と、長鎖飽
和脂肪酸エステルを含有する潤滑剤を使用した場合の効
果を以下のようにして確認した。
【0213】(サンプルの作製) 1.末端にカルボキシル基を有する二官能パーフルオロ
ポリエーテルとアミンとの化合物の合成 先ず、末端にカルボキシル基を有する二官能パーフルオ
ロポリエーテルとして、分子量4000のHOOCCF
2(OC2F4)p(OCF2)qOCF2COOH(但し、
化学式中p,qは何れも1以上の整数である。)20g
を丸底フラスコに取り、オクタデシルアミン3.6gを
加えた。次いで、これを50℃に加熱して溶解し十分に
攪拌して均一化した後、冷却してパーフルオロポリエー
テルアミン塩を得た。ここで、得られたパーフルオロポ
リエーテルアミン塩を化合物11とする。
ポリエーテルとアミンとの化合物の合成 先ず、末端にカルボキシル基を有する二官能パーフルオ
ロポリエーテルとして、分子量4000のHOOCCF
2(OC2F4)p(OCF2)qOCF2COOH(但し、
化学式中p,qは何れも1以上の整数である。)20g
を丸底フラスコに取り、オクタデシルアミン3.6gを
加えた。次いで、これを50℃に加熱して溶解し十分に
攪拌して均一化した後、冷却してパーフルオロポリエー
テルアミン塩を得た。ここで、得られたパーフルオロポ
リエーテルアミン塩を化合物11とする。
【0214】次に、上記化合物11と同様な合成方法に
よって、表9に示すような末端にカルボキシル基を有す
る二官能パーフルオロポリエーテルとアミンとの化合物
である4種類の化合物12〜化合物15を合成した。
よって、表9に示すような末端にカルボキシル基を有す
る二官能パーフルオロポリエーテルとアミンとの化合物
である4種類の化合物12〜化合物15を合成した。
【0215】
【表9】
【0216】2.サンプルテープの作製 まず、前述の実験例1と同様にして、非磁性支持体上に
磁性層となる強磁性金属薄膜、カーボンからなる保護膜
をプラズマCVD法により形成し、バックコート層も形
成した。さらに、上記保護膜の表面を、アミノ化合物を
塗布することにより処理した。
磁性層となる強磁性金属薄膜、カーボンからなる保護膜
をプラズマCVD法により形成し、バックコート層も形
成した。さらに、上記保護膜の表面を、アミノ化合物を
塗布することにより処理した。
【0217】次に、前述の実験例1と同様にして、カー
ボン保護膜表面に、下記表10に示されるような潤滑剤
をヘキサン溶媒に溶解したものを、塗布量が5mg/m
2となるようにそれぞれ塗布して19種類の磁気記録媒
体を得た。そして、これら19種類の磁気記録媒体をそ
れぞれ6.35mm幅に裁断して、実施例17〜実施例
24及び比較例23〜比較例33の19種類のサンプル
テープとした。
ボン保護膜表面に、下記表10に示されるような潤滑剤
をヘキサン溶媒に溶解したものを、塗布量が5mg/m
2となるようにそれぞれ塗布して19種類の磁気記録媒
体を得た。そして、これら19種類の磁気記録媒体をそ
れぞれ6.35mm幅に裁断して、実施例17〜実施例
24及び比較例23〜比較例33の19種類のサンプル
テープとした。
【0218】ただし、比較例25〜比較例32のサンプ
ルテープについては、保護膜の表2面にアミノ化合物を
塗布しななかった。さらに、比較例30〜比較例32の
サンプルテープについては、保護膜を、上述したような
プラズマCVD法によらず、マグネトロンスパッタ法に
より形成した。また、比較例33のオレイン酸オクチル
は、二重結合を有する長鎖脂肪酸エステル化合物であ
る。
ルテープについては、保護膜の表2面にアミノ化合物を
塗布しななかった。さらに、比較例30〜比較例32の
サンプルテープについては、保護膜を、上述したような
プラズマCVD法によらず、マグネトロンスパッタ法に
より形成した。また、比較例33のオレイン酸オクチル
は、二重結合を有する長鎖脂肪酸エステル化合物であ
る。
【0219】
【表10】
【0220】3.特性の評価 次に、上記実施例17〜実施例24と比較例23〜比較
例33の19種類のサンプルテープの特性を評価した。
例33の19種類のサンプルテープの特性を評価した。
【0221】ここでは、耐久性と走行性を評価すること
とし、具体的には摩擦係数、スチル耐久性及びシャトル
耐久性を前述の実験例1と同様にして評価した。
とし、具体的には摩擦係数、スチル耐久性及びシャトル
耐久性を前述の実験例1と同様にして評価した。
【0222】なお、これらの評価は、前述の実験例1と
同様に潤滑剤を塗布した直後と、各サンプルテープを温
度45℃、湿度80%RHの環境下で30日間保存した
後に行った。潤滑剤を塗布した直後の初期の耐久性及び
走行性の結果を表11、30日間保存した後の保存後の
耐久性及び走行性の結果を表12に示す。
同様に潤滑剤を塗布した直後と、各サンプルテープを温
度45℃、湿度80%RHの環境下で30日間保存した
後に行った。潤滑剤を塗布した直後の初期の耐久性及び
走行性の結果を表11、30日間保存した後の保存後の
耐久性及び走行性の結果を表12に示す。
【0223】
【表11】
【0224】
【表12】
【0225】表11及び表12の結果から、CVD法に
より形成された保護膜表面をアミノ化合物で処理し、さ
らに潤滑剤として、末端にカルボキシル基を有する二官
能パーフルオロポリエーテルとアミンとの化合物と長鎖
飽和脂肪酸エステルとを組み合わせた潤滑剤を使用した
実施例17〜実施例24においては、何れも高温多湿、
高温低湿或いは低温等の様々な使用条件下において摩擦
係数、スチル耐久性及びシャトル耐久性の劣化が極めて
少なく、非常に良好な結果が得られていることがわかっ
た。
より形成された保護膜表面をアミノ化合物で処理し、さ
らに潤滑剤として、末端にカルボキシル基を有する二官
能パーフルオロポリエーテルとアミンとの化合物と長鎖
飽和脂肪酸エステルとを組み合わせた潤滑剤を使用した
実施例17〜実施例24においては、何れも高温多湿、
高温低湿或いは低温等の様々な使用条件下において摩擦
係数、スチル耐久性及びシャトル耐久性の劣化が極めて
少なく、非常に良好な結果が得られていることがわかっ
た。
【0226】一方、末端にカルボキシル基を有する二官
能パーフルオロポリエーテルとアミンとの化合物のみを
含有する潤滑剤を用いた比較例23及び比較例24で
は、様々な使用条件下において摩擦係数やスチル耐久
性、シャトル耐久性の劣化が非常に大きかった。また、
保護膜の表面にアミノ化合物を塗布しなかった比較例2
5〜比較例32では、様々な使用条件下において摩擦係
数やスチル耐久性、シャトル耐久性の劣化が大きく、良
好な結果が得られなかった。さらに、保護膜をCVD法
ではなく、PVD法であるマグネトロンスパッタ法によ
り形成した場合にも、十分な耐久性は得られなかった。
さらに、実施例17と比較例33との比較結果から、不
飽和結合を有しない長鎖飽和脂肪酸エステルを用いるこ
とにより、長期保存後も初期の特性を維持させることが
できることがわかった。
能パーフルオロポリエーテルとアミンとの化合物のみを
含有する潤滑剤を用いた比較例23及び比較例24で
は、様々な使用条件下において摩擦係数やスチル耐久
性、シャトル耐久性の劣化が非常に大きかった。また、
保護膜の表面にアミノ化合物を塗布しなかった比較例2
5〜比較例32では、様々な使用条件下において摩擦係
数やスチル耐久性、シャトル耐久性の劣化が大きく、良
好な結果が得られなかった。さらに、保護膜をCVD法
ではなく、PVD法であるマグネトロンスパッタ法によ
り形成した場合にも、十分な耐久性は得られなかった。
さらに、実施例17と比較例33との比較結果から、不
飽和結合を有しない長鎖飽和脂肪酸エステルを用いるこ
とにより、長期保存後も初期の特性を維持させることが
できることがわかった。
【0227】以上の結果より、CVD法により形成され
た保護膜表面をアミノ化合物で処理し、さらに潤滑剤と
して、末端にカルボキシル基を有する二官能パーフルオ
ロポリエーテルとアミンとの化合物と、長鎖飽和脂肪酸
エステルとを組み合わせることにより、潤滑剤が如何な
る使用条件下においても密着性や潤滑性が保たれ、且つ
長期に亘り潤滑効果が持続するため、磁気記録媒体の良
好な走行性及び耐久性が得られることがわかった。
た保護膜表面をアミノ化合物で処理し、さらに潤滑剤と
して、末端にカルボキシル基を有する二官能パーフルオ
ロポリエーテルとアミンとの化合物と、長鎖飽和脂肪酸
エステルとを組み合わせることにより、潤滑剤が如何な
る使用条件下においても密着性や潤滑性が保たれ、且つ
長期に亘り潤滑効果が持続するため、磁気記録媒体の良
好な走行性及び耐久性が得られることがわかった。
【0228】実験例4 本実験例においては、末端にカルボキシル基を有するパ
ーフルオロポリエーテルとアミンとの化合物と、長鎖飽
和脂肪酸エステルを含有する潤滑剤を使用した場合の効
果を以下のようにして確認した。
ーフルオロポリエーテルとアミンとの化合物と、長鎖飽
和脂肪酸エステルを含有する潤滑剤を使用した場合の効
果を以下のようにして確認した。
【0229】(サンプルの作製) 1.末端にカルボキシル基を有するパーフルオロポリエ
ーテルとアミンとの化合物の合成 先ず、末端にカルボキシル基を有するパーフルオロポリ
エーテルとして、分子量1700のF(CF2CF2CF
2O)mCF2CF2COOH(但し、化学式中mは1以上
の整数を表す。)20gを丸底フラスコに取り、オクタ
デシルアミン3.2gを加えた。次いで、これを50℃
に加熱して溶解し、十分に攪拌して均一化した後、冷却
してパーフルオロポリエーテルアミン塩を得た。ここ
で、得られたパーフルオロポリエーテルアミン塩を化合
物16とする。
ーテルとアミンとの化合物の合成 先ず、末端にカルボキシル基を有するパーフルオロポリ
エーテルとして、分子量1700のF(CF2CF2CF
2O)mCF2CF2COOH(但し、化学式中mは1以上
の整数を表す。)20gを丸底フラスコに取り、オクタ
デシルアミン3.2gを加えた。次いで、これを50℃
に加熱して溶解し、十分に攪拌して均一化した後、冷却
してパーフルオロポリエーテルアミン塩を得た。ここ
で、得られたパーフルオロポリエーテルアミン塩を化合
物16とする。
【0230】次に、上記化合物16と同様な合成方法に
よって、下記表13に示すような末端にカルボキシル基
を有するパーフルオロポリエーテルとアミンとの化合物
である4種類の化合物17〜化合物20を合成した。
よって、下記表13に示すような末端にカルボキシル基
を有するパーフルオロポリエーテルとアミンとの化合物
である4種類の化合物17〜化合物20を合成した。
【0231】
【表13】
【0232】2.サンプルテープの作製 まず、前述の実験例1と同様にして、非磁性支持体上に
磁性層となる強磁性金属薄膜、カーボンからなる保護膜
をプラズマCVD法により形成し、バックコート層も形
成した。さらに、上記保護膜の表面を、アミノ化合物を
塗布することにより処理した。
磁性層となる強磁性金属薄膜、カーボンからなる保護膜
をプラズマCVD法により形成し、バックコート層も形
成した。さらに、上記保護膜の表面を、アミノ化合物を
塗布することにより処理した。
【0233】次に、前述の実験例1と同様にして、カー
ボン保護膜表面に、下記表14に示されるような潤滑剤
をヘキサン溶媒に溶解したものを、塗布量が5mg/m
2となるようにそれぞれ塗布して19種類の磁気記録媒
体を得た。そして、これら19種類の磁気記録媒体をそ
れぞれ6.35mm幅に裁断し、実施例25〜実施例3
2及び比較例34〜比較例44の19種類のサンプルテ
ープを作製した。
ボン保護膜表面に、下記表14に示されるような潤滑剤
をヘキサン溶媒に溶解したものを、塗布量が5mg/m
2となるようにそれぞれ塗布して19種類の磁気記録媒
体を得た。そして、これら19種類の磁気記録媒体をそ
れぞれ6.35mm幅に裁断し、実施例25〜実施例3
2及び比較例34〜比較例44の19種類のサンプルテ
ープを作製した。
【0234】ただし、比較例36〜比較例43のサンプ
ルテープについては、保護膜の表面にアミノ化合物を塗
布しなかった。さらに、比較例41〜比較例43のサン
プルテープについては、保護膜を、上述したようなプラ
ズマCVD法によらず、マグネトロンスパッタ法により
形成した。また、比較例44のオレイン酸オクチルは、
二重結合を有する長鎖脂肪酸エステル化合物である。
ルテープについては、保護膜の表面にアミノ化合物を塗
布しなかった。さらに、比較例41〜比較例43のサン
プルテープについては、保護膜を、上述したようなプラ
ズマCVD法によらず、マグネトロンスパッタ法により
形成した。また、比較例44のオレイン酸オクチルは、
二重結合を有する長鎖脂肪酸エステル化合物である。
【0235】
【表14】
【0236】3.特性の評価 次に、上記実施例25〜実施例32、比較例34〜比較
例44の19種類のサンプルテープの特性を評価した。
ここでは、耐久性と走行性を評価することとし、具体的
には摩擦係数、スチル耐久性及びシャトル耐久性を前述
の実験例1と同様にして評価した。
例44の19種類のサンプルテープの特性を評価した。
ここでは、耐久性と走行性を評価することとし、具体的
には摩擦係数、スチル耐久性及びシャトル耐久性を前述
の実験例1と同様にして評価した。
【0237】なお、これらの評価は、前述の実験例1と
同様に潤滑剤を塗布した直後と、各サンプルテープを温
度45℃、湿度80%RHの環境下で30日間保存した
後に行った。潤滑剤を塗布した直後の初期の耐久性及び
走行性の結果を表15、30日間保存した後の保存後の
耐久性及び走行性の結果を表16に示す。
同様に潤滑剤を塗布した直後と、各サンプルテープを温
度45℃、湿度80%RHの環境下で30日間保存した
後に行った。潤滑剤を塗布した直後の初期の耐久性及び
走行性の結果を表15、30日間保存した後の保存後の
耐久性及び走行性の結果を表16に示す。
【0238】
【表15】
【0239】
【表16】
【0240】表15及び表16の結果から、CVD法に
より形成された保護膜表面をアミノ化合物で処理し、さ
らに潤滑剤として、末端にカルボキシル基を有するパー
フルオロポリエーテルとアミンとの化合物と、長鎖飽和
脂肪酸エステルとを組み合わせた潤滑剤を使用した実施
例25〜32においては、何れも高温多湿、高温低湿或
いは低温等の様々な使用条件下において摩擦係数、スチ
ル耐久性及びシャトル耐久性の劣化が極めて少なく、非
常に良好な結果が得られていることがわかった。
より形成された保護膜表面をアミノ化合物で処理し、さ
らに潤滑剤として、末端にカルボキシル基を有するパー
フルオロポリエーテルとアミンとの化合物と、長鎖飽和
脂肪酸エステルとを組み合わせた潤滑剤を使用した実施
例25〜32においては、何れも高温多湿、高温低湿或
いは低温等の様々な使用条件下において摩擦係数、スチ
ル耐久性及びシャトル耐久性の劣化が極めて少なく、非
常に良好な結果が得られていることがわかった。
【0241】一方、末端にカルボキシル基を有するパー
フルオロポリエーテルとアミンとの化合物のみを含有す
る潤滑剤を用いた比較例34及び比較例35では、様々
な使用条件下において摩擦係数やスチル耐久性、シャト
ル耐久性の劣化が非常に大きかった。また、保護膜の表
面にアミノ化合物を塗布しなかった比較例36〜比較例
43では、様々な使用条件下において摩擦係数やスチル
耐久性、シャトル耐久性の劣化が大きく、良好な結果が
得られなかった。さらに、保護膜をCVD法ではなく、
PVD法であるマグネトロンスパッタ法により形成した
場合にも、十分な耐久性は得られなかった。さらに、実
施例25と比較例44との比較結果から、不飽和結合を
有しない長鎖飽和脂肪酸エステルを用いることにより、
長期保存後も初期の特性を維持させることができること
がわかった。
フルオロポリエーテルとアミンとの化合物のみを含有す
る潤滑剤を用いた比較例34及び比較例35では、様々
な使用条件下において摩擦係数やスチル耐久性、シャト
ル耐久性の劣化が非常に大きかった。また、保護膜の表
面にアミノ化合物を塗布しなかった比較例36〜比較例
43では、様々な使用条件下において摩擦係数やスチル
耐久性、シャトル耐久性の劣化が大きく、良好な結果が
得られなかった。さらに、保護膜をCVD法ではなく、
PVD法であるマグネトロンスパッタ法により形成した
場合にも、十分な耐久性は得られなかった。さらに、実
施例25と比較例44との比較結果から、不飽和結合を
有しない長鎖飽和脂肪酸エステルを用いることにより、
長期保存後も初期の特性を維持させることができること
がわかった。
【0242】以上の結果より、CVD法により形成され
た保護膜表面をアミノ化合物で処理し、さらに潤滑剤と
して、末端にカルボキシル基を有するパーフルオロポリ
エーテルとアミンとの化合物と、長鎖飽和脂肪酸エステ
ルとを組み合わせることにより、潤滑剤が如何なる使用
条件下においても密着性や潤滑性が保たれ、且つ長期に
亘り潤滑効果が持続するため、磁気記録媒体の良好な走
行性及び耐久性が得られることがわかった。
た保護膜表面をアミノ化合物で処理し、さらに潤滑剤と
して、末端にカルボキシル基を有するパーフルオロポリ
エーテルとアミンとの化合物と、長鎖飽和脂肪酸エステ
ルとを組み合わせることにより、潤滑剤が如何なる使用
条件下においても密着性や潤滑性が保たれ、且つ長期に
亘り潤滑効果が持続するため、磁気記録媒体の良好な走
行性及び耐久性が得られることがわかった。
【0243】実験例5 本実験例においては、末端にカルボキシル基を有するパ
ーフルオロポリエーテルとジアミンとの化合物と、長鎖
飽和脂肪酸エステルを含有する潤滑剤を使用した場合の
効果を以下のようにして確認した。
ーフルオロポリエーテルとジアミンとの化合物と、長鎖
飽和脂肪酸エステルを含有する潤滑剤を使用した場合の
効果を以下のようにして確認した。
【0244】(サンプルの作製) 1.末端にカルボキシル基を有するパーフルオロポリエ
ーテルとジアミンとの化合物の合成 先ず、末端にカルボキシル基を有するパーフルオロポリ
エーテルとして、分子量1700のF(CF2CF2CF
2O)mCF2CF2COOH(但し、化学式中mは1以上
の整数を表す。)20gを丸底フラスコに取り、1,4
−ジアミノブタン0.52gを加えた。次いで、これを
50℃に加熱して溶解し十分に攪拌して均一化した後、
冷却してパーフルオロポリエーテルジアミン塩を得た。
ここで、得られたパーフルオロポリエーテルジアミン塩
を化合物21とする。
ーテルとジアミンとの化合物の合成 先ず、末端にカルボキシル基を有するパーフルオロポリ
エーテルとして、分子量1700のF(CF2CF2CF
2O)mCF2CF2COOH(但し、化学式中mは1以上
の整数を表す。)20gを丸底フラスコに取り、1,4
−ジアミノブタン0.52gを加えた。次いで、これを
50℃に加熱して溶解し十分に攪拌して均一化した後、
冷却してパーフルオロポリエーテルジアミン塩を得た。
ここで、得られたパーフルオロポリエーテルジアミン塩
を化合物21とする。
【0245】次に、上記化合物21と同様な合成方法に
よって、下記表17に示すような末端にカルボキシル基
を有するパーフルオロポリエーテルとジアミンとの化合
物である4種類の化合物22〜化合物25を合成した。
よって、下記表17に示すような末端にカルボキシル基
を有するパーフルオロポリエーテルとジアミンとの化合
物である4種類の化合物22〜化合物25を合成した。
【0246】
【表17】
【0247】2.サンプルテープの作製 まず、前述の実験例1と同様にして、非磁性支持体上に
磁性層となる強磁性金属薄膜、カーボンからなる保護膜
をプラズマCVD法により形成し、バックコート層も形
成した。さらに、上記保護膜の表面を、アミノ化合物を
塗布することにより処理した。
磁性層となる強磁性金属薄膜、カーボンからなる保護膜
をプラズマCVD法により形成し、バックコート層も形
成した。さらに、上記保護膜の表面を、アミノ化合物を
塗布することにより処理した。
【0248】次に、前述の実験例1と同様にして、カー
ボン保護膜表面に、下記表18に示されるような潤滑剤
をヘキサン溶媒に溶解したものを、塗布量が5mg/m
2となるようにそれぞれ塗布して19種類の磁気記録媒
体を得た。そして、これら19種類の磁気記録媒体をそ
れぞれ6.35mm幅に裁断し、実施例33〜実施例4
0及び比較例45〜比較例55の19種類のサンプルテ
ープを作製した。
ボン保護膜表面に、下記表18に示されるような潤滑剤
をヘキサン溶媒に溶解したものを、塗布量が5mg/m
2となるようにそれぞれ塗布して19種類の磁気記録媒
体を得た。そして、これら19種類の磁気記録媒体をそ
れぞれ6.35mm幅に裁断し、実施例33〜実施例4
0及び比較例45〜比較例55の19種類のサンプルテ
ープを作製した。
【0249】ただし、比較例47〜比較例54のサンプ
ルテープについては、保護膜の表面にアミノ化合物を塗
布しなかった。さらに、比較例52〜比較例54のサン
プルテープについては、保護膜を、上述したようなプラ
ズマCVD法によらず、マグネトロンスパッタ法により
形成した。また、比較例55のオレイン酸オクチルは、
二重結合を有する長鎖脂肪酸エステル化合物である。
ルテープについては、保護膜の表面にアミノ化合物を塗
布しなかった。さらに、比較例52〜比較例54のサン
プルテープについては、保護膜を、上述したようなプラ
ズマCVD法によらず、マグネトロンスパッタ法により
形成した。また、比較例55のオレイン酸オクチルは、
二重結合を有する長鎖脂肪酸エステル化合物である。
【0250】
【表18】
【0251】3.特性の評価 次に、上記実施例33〜実施例40と比較例45〜比較
例55の19種類のサンプルテープの特性を評価した。
ここでは、耐久性と走行性を評価することとし、具体的
には摩擦係数、スチル耐久性及びシャトル耐久性を前述
の実験例1と同様にして評価した。
例55の19種類のサンプルテープの特性を評価した。
ここでは、耐久性と走行性を評価することとし、具体的
には摩擦係数、スチル耐久性及びシャトル耐久性を前述
の実験例1と同様にして評価した。
【0252】なお、これらの評価は、前述の実験例1と
同様に潤滑剤を塗布した直後と、各サンプルテープを温
度45℃、湿度80%RHの環境下で30日間保存した
後に行った。潤滑剤を塗布した直後の初期の耐久性及び
走行性の結果を表19、30日間保存した後の保存後の
耐久性及び走行性の結果を表20に示す。
同様に潤滑剤を塗布した直後と、各サンプルテープを温
度45℃、湿度80%RHの環境下で30日間保存した
後に行った。潤滑剤を塗布した直後の初期の耐久性及び
走行性の結果を表19、30日間保存した後の保存後の
耐久性及び走行性の結果を表20に示す。
【0253】
【表19】
【0254】
【表20】
【0255】表19及び表20の結果から、CVD法に
より形成された保護膜表面をアミノ化合物で処理し、さ
らに潤滑剤として、末端にカルボキシル基を有するパー
フルオロポリエーテルとジアミンとの化合物と長鎖飽和
脂肪酸エステルとを組み合わせた潤滑剤を使用した実施
例33〜40においては、何れも高温多湿、高温低湿或
いは低温等の様々な使用条件下において摩擦係数、スチ
ル耐久性及びシャトル耐久性の劣化が極めて少なく、非
常に良好な結果が得られていることがわかった。
より形成された保護膜表面をアミノ化合物で処理し、さ
らに潤滑剤として、末端にカルボキシル基を有するパー
フルオロポリエーテルとジアミンとの化合物と長鎖飽和
脂肪酸エステルとを組み合わせた潤滑剤を使用した実施
例33〜40においては、何れも高温多湿、高温低湿或
いは低温等の様々な使用条件下において摩擦係数、スチ
ル耐久性及びシャトル耐久性の劣化が極めて少なく、非
常に良好な結果が得られていることがわかった。
【0256】一方、末端にカルボキシル基を有するパー
フルオロポリエーテルとジアミンとの化合物のみを含有
する潤滑剤を用いた比較例45及び比較例46では、様
々な使用条件下において摩擦係数やスチル耐久性、シャ
トル耐久性の劣化が大きかった。また、保護膜の表面に
アミノ化合物を塗布しなかった比較例47〜比較例54
では、様々な使用条件下において摩擦係数やスチル耐久
性、シャトル耐久性の劣化が大きく、良好な結果が得ら
れなかった。さらに、保護膜をCVD法ではなく、PV
D法であるマグネトロンスパッタ法により形成した場合
にも、十分な耐久性は得られなかった。さらに、実施例
33と比較例55との比較結果から、不飽和結合を有し
ない長鎖飽和脂肪酸エステルを用いることにより、長期
保存後も初期の特性を維持させることができることがわ
かった。
フルオロポリエーテルとジアミンとの化合物のみを含有
する潤滑剤を用いた比較例45及び比較例46では、様
々な使用条件下において摩擦係数やスチル耐久性、シャ
トル耐久性の劣化が大きかった。また、保護膜の表面に
アミノ化合物を塗布しなかった比較例47〜比較例54
では、様々な使用条件下において摩擦係数やスチル耐久
性、シャトル耐久性の劣化が大きく、良好な結果が得ら
れなかった。さらに、保護膜をCVD法ではなく、PV
D法であるマグネトロンスパッタ法により形成した場合
にも、十分な耐久性は得られなかった。さらに、実施例
33と比較例55との比較結果から、不飽和結合を有し
ない長鎖飽和脂肪酸エステルを用いることにより、長期
保存後も初期の特性を維持させることができることがわ
かった。
【0257】以上の結果より、CVD法により形成され
た保護膜表面をアミノ化合物で処理し、さらに潤滑剤と
して、末端にカルボキシル基を有するパーフルオロポリ
エーテルとジアミンとの化合物と、長鎖飽和脂肪酸エス
テルとを組み合わせることにより、潤滑剤が如何なる使
用条件下においても密着性や潤滑性が保たれ、且つ長期
に亘り潤滑効果が持続するため、磁気記録媒体の良好な
走行性及び耐久性が得られることがわかった。
た保護膜表面をアミノ化合物で処理し、さらに潤滑剤と
して、末端にカルボキシル基を有するパーフルオロポリ
エーテルとジアミンとの化合物と、長鎖飽和脂肪酸エス
テルとを組み合わせることにより、潤滑剤が如何なる使
用条件下においても密着性や潤滑性が保たれ、且つ長期
に亘り潤滑効果が持続するため、磁気記録媒体の良好な
走行性及び耐久性が得られることがわかった。
【0258】
【発明の効果】以上のように、本発明に係る磁気記録媒
体は、上述したような、密着性や潤滑性の点で非常に優
れた特性の潤滑剤の組み合わせを特定して用いているの
で、走行性及び耐久性を向上することができる。
体は、上述したような、密着性や潤滑性の点で非常に優
れた特性の潤滑剤の組み合わせを特定して用いているの
で、走行性及び耐久性を向上することができる。
【0259】また、本発明に係る磁気記録媒体は、最外
層として形成され、カーボンよりなる保護膜の表面がア
ミン化合物によって処理されているので、当該保護膜上
に保持される潤滑剤と、保護膜との密着性が向上し、更
に良好な耐久性を実現することができる。
層として形成され、カーボンよりなる保護膜の表面がア
ミン化合物によって処理されているので、当該保護膜上
に保持される潤滑剤と、保護膜との密着性が向上し、更
に良好な耐久性を実現することができる。
【0260】また、本発明に係る磁気記録媒体において
は、磁性層を強磁性金属薄膜としていることから、高密
度記録、長時間記録にも十分対応可能である。
は、磁性層を強磁性金属薄膜としていることから、高密
度記録、長時間記録にも十分対応可能である。
【図1】本発明に係る磁気記録媒体の一例を示す断面図
である。
である。
【図2】磁性層を形成する際に用いる真空蒸着装置の一
例を示す断面図である。
例を示す断面図である。
1 磁気記録媒体、 2 非磁性支持体、 3 磁性
層、 4 保護膜
層、 4 保護膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 谷田貝 洋 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 Fターム(参考) 5D112 AA05 AA07 AA11 AA22 BC01 BC02 BC05 FA09
Claims (30)
- 【請求項1】 非磁性支持体と、 上記非磁性支持体上に形成された磁性層と、 上記磁性層上に形成され、表面がアミノ基を有する有機
化合物によってアミン処理されてなる保護膜とを備え、 下記化1で示される末端に水酸基を有するパーフルオロ
ポリエーテルと長鎖カルボン酸とのエステル化合物及び
下記化2で示される長鎖飽和脂肪酸エステルを含有する
潤滑剤が最外層に保持されてなることを特徴とする磁気
記録媒体。 【化1】 【化2】 - 【請求項2】 上記末端に水酸基を有するパーフルオロ
ポリエーテルと長鎖カルボン酸とのエステル化合物と、
上記長鎖飽和脂肪酸エステルとの混合比が、重量比で1
0:90〜90:10であることを特徴とする請求項1
記載の磁気記録媒体。 - 【請求項3】 上記化2にて示される長鎖飽和脂肪酸エ
ステルの上記R2,R3の炭素数の合計数が15〜35で
あることを特徴とする請求項1記載の磁気記録媒体。 - 【請求項4】 上記磁性層が、強磁性金属薄膜よりなる
ことを特徴とする請求項1記載の磁気記録媒体。 - 【請求項5】 上記保護膜がカーボンよりなることを特
徴とする請求項1記載の磁気記録媒体。 - 【請求項6】 上記保護膜は、化学的気相成長法により
形成されることを特徴とする請求項1記載の磁気記録媒
体。 - 【請求項7】 非磁性支持体と、 上記非磁性支持体上に形成された磁性層と、 上記磁性層上に形成され、表面がアミノ基を有する有機
化合物によってアミン処理されてなる保護膜とを備え、 下記化3で示される末端にカルボキシル基を有するパー
フルオロポリエーテルと長鎖アルコールとのエステル化
合物及び下記化4で示される長鎖飽和脂肪酸エステルを
含有する潤滑剤が最外層に保持されてなることを特徴と
する磁気記録媒体。 【化3】 【化4】 - 【請求項8】 上記末端にカルボキシル基を有するパー
フルオロポリエーテルと長鎖アルコールとのエステル化
合物と、上記長鎖飽和脂肪酸エステルとの混合比が、重
量比で10:90〜90:10であることを特徴とする
請求項7記載の磁気記録媒体。 - 【請求項9】 上記化4にて示される長鎖飽和脂肪酸エ
ステルの上記R2,R3の炭素数の合計数が15〜35で
あることを特徴とする請求項7記載の磁気記録媒体。 - 【請求項10】 上記磁性層が、強磁性金属薄膜よりな
ることを特徴とする請求項7記載の磁気記録媒体。 - 【請求項11】 上記保護膜がカーボンよりなることを
特徴とする請求項7記載の磁気記録媒体。 - 【請求項12】 上記保護膜は、化学的気相成長法によ
り形成されることを特徴とする請求項7記載の磁気記録
媒体。 - 【請求項13】 非磁性支持体と、 上記非磁性支持体上に形成された磁性層と、 上記磁性層上に形成され、表面がアミノ基を有する有機
化合物によってアミン処理されてなる保護膜とを備え、 下記化5で示される末端にカルボキシル基を有する二官
能パーフルオロポリエーテルとアミンとの化合物及び下
記化6で示される長鎖飽和脂肪酸エステルを含有する潤
滑剤が最外層に保持されてなることを特徴とする磁気記
録媒体。 【化5】 【化6】 - 【請求項14】 上記末端にカルボキシル基を有する二
官能パーフルオロポリエーテルとアミンとの化合物と、
上記長鎖飽和脂肪酸エステルとの混合比が、重量比で1
0:90〜90:10であることを特徴とする請求項1
3記載の磁気記録媒体。 - 【請求項15】 上記化6にて示される長鎖飽和脂肪酸
エステルの上記R2,R3の炭素数の合計数が15〜35
であることを特徴とする請求項13記載の磁気記録媒
体。 - 【請求項16】 上記磁性層が、強磁性金属薄膜よりな
ることを特徴とする請求項13記載の磁気記録媒体。 - 【請求項17】 上記保護膜がカーボンよりなることを
特徴とする請求項13記載の磁気記録媒体。 - 【請求項18】 上記保護膜は、化学的気相成長法によ
り形成されることを特徴とする請求項13記載の磁気記
録媒体。 - 【請求項19】 非磁性支持体と、 上記非磁性支持体上に形成された磁性層と、 上記磁性層上に形成され、表面がアミノ基を有する有機
化合物によってアミン処理されてなる保護膜とを備え、 下記化7で示される末端にカルボキシル基を有するパー
フルオロポリエーテルとアミンとの化合物及び下記化8
で示される長鎖飽和脂肪酸エステルを含有する潤滑剤が
最外層に保持されてなることを特徴とする磁気記録媒
体。 【化7】 【化8】 - 【請求項20】 上記末端にカルボキシル基を有するパ
ーフルオロポリエーテルとアミンとの化合物と、上記長
鎖飽和脂肪酸エステルとの混合比が、重量比で10:9
0〜90:10であることを特徴とする請求項19記載
の磁気記録媒体。 - 【請求項21】 上記化8にて示される長鎖飽和脂肪酸
エステルの上記R2,R3の炭素数の合計数が15〜35
であることを特徴とする請求項19記載の磁気記録媒
体。 - 【請求項22】 上記磁性層が、強磁性金属薄膜よりな
ることを特徴とする請求項19記載の磁気記録媒体。 - 【請求項23】 上記保護膜がカーボンよりなることを
特徴とする請求項19記載の磁気記録媒体。 - 【請求項24】 上記保護膜は、化学的気相成長法によ
り形成されることを特徴とする請求項19記載の磁気記
録媒体。 - 【請求項25】 非磁性支持体と、 上記非磁性支持体上に形成された磁性層と、上記磁性層
上に形成され、表面がアミノ基を有する有機化合物によ
ってアミン処理されてなる保護膜とを備え、 下記化9で示される末端にカルボキシル基を有するパー
フルオロポリエーテルとジアミンとの化合物及び下記化
10で示される長鎖飽和脂肪酸エステルを含有する潤滑
剤が最外層に保持されてなることを特徴とする磁気記録
媒体。 【化9】 【化10】 - 【請求項26】 上記末端にカルボキシル基を有するパ
ーフルオロポリエーテルとジアミンとの化合物と、上記
長鎖飽和脂肪酸エステルとの混合比が、重量比で10:
90〜90:10であることを特徴とする請求項25記
載の磁気記録媒体。 - 【請求項27】 上記化10にて示される長鎖飽和脂肪
酸エステルの上記R2,R3の炭素数の合計数が15〜3
5であることを特徴とする請求項25記載の磁気記録媒
体。 - 【請求項28】 上記磁性層が、強磁性金属薄膜よりな
ることを特徴とする請求項25記載の磁気記録媒体。 - 【請求項29】 上記保護膜がカーボンよりなることを
特徴とする請求項25記載の磁気記録媒体。 - 【請求項30】 上記保護膜は、化学的気相成長法によ
り形成されることを特徴とする請求項25記載の磁気記
録媒体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10299897A JP2000123358A (ja) | 1998-10-21 | 1998-10-21 | 磁気記録媒体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10299897A JP2000123358A (ja) | 1998-10-21 | 1998-10-21 | 磁気記録媒体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000123358A true JP2000123358A (ja) | 2000-04-28 |
Family
ID=17878264
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10299897A Withdrawn JP2000123358A (ja) | 1998-10-21 | 1998-10-21 | 磁気記録媒体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000123358A (ja) |
-
1998
- 1998-10-21 JP JP10299897A patent/JP2000123358A/ja not_active Withdrawn
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20060110 |