JP2000040222A - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JP2000040222A
JP2000040222A JP20389998A JP20389998A JP2000040222A JP 2000040222 A JP2000040222 A JP 2000040222A JP 20389998 A JP20389998 A JP 20389998A JP 20389998 A JP20389998 A JP 20389998A JP 2000040222 A JP2000040222 A JP 2000040222A
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Japan
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recording medium
magnetic recording
magnetic
perfluoropolyether
lubricant
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JP20389998A
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Yukari Yamada
ゆかり 山田
Takao Mori
敬郎 森
Hiroshi Yatagai
洋 谷田貝
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 使用条件に係わらず密着性や潤滑性が保た
れ、長期に亘り潤滑効果が持続する潤滑剤を用いて、優
れた走行性及び耐久性が得られて磁気記録媒体を提供す
る。 【解決手段】 非磁性支持体2上に磁性層3を形成し、
最外層となる保護膜4に、末端にカルボキシル基を有す
るパーフルオロポリエーテルとアミンとの化合物、或い
は、末端にカルボキシル基を有するパーフルオロポリエ
ーテルとジアミンとの化合物のうちの何れかの化合物
と、部分フッ化カルボン酸アルキルエステルとを含有す
る潤滑剤を保持させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非磁性支持体上に
少なくとも磁性層が形成されてなる磁気記録媒体に関
し、特に、磁性層が強磁性金属薄膜からなる磁気記録媒
体に関する。詳しくは、最外層に保持される潤滑剤が特
定されて、優れた走行性及び耐久性が確保される磁気記
録媒体に係わるものである。
【0002】
【従来の技術】従来、磁気記録媒体としては、酸化物磁
性粉末や合金磁性粉末等の強磁性粉末と塩化ビニル−酢
酸ビニル系共重合体、ポリエステル樹脂、ウレタン樹
脂、ポリウレタン樹脂等の結合剤、有機溶剤よりなる磁
性塗料を非磁性支持体上に塗布することで磁性層が形成
される、いわゆる塗布型の磁気記録媒体が広く使用され
ている。
【0003】これに対し、高密度記録、長時間記録への
要求の高まりとともに、Co、Co−Ni合金、Co−
Cr合金、Co−O等の強磁性金属磁性材料をめっきや
真空薄膜形成技術(真空蒸着法、スパッタリング法、イ
オンプレーティング法等)によってポリエステルフィル
ムやポリイミドフィルム等の非磁性支持体上に直接被着
させることで磁性層が形成される、いわゆる強磁性金属
薄膜型の磁気記録媒体が使用されてきている。そして、
このような強磁性金属薄膜型の磁気記録媒体は、民生用
コンスーマービデオフォーマット(8ミリHi−8方
式、DV方式)或いは業務用ビデオフォーマット(DV
CAM)等において幅広く実用化されている。
【0004】この強磁性金属薄膜型の磁気記録媒体は、
塗布型の磁気記録媒体に比べて抗磁力、角形比等の磁気
特性に優れ、短波長領域での電磁変換特性に優れるばか
りでなく、磁性層の厚みを極めて薄くすることが可能で
あるため、記録減磁や再生時の厚み損失が著しく小さい
こと、磁性層中に非磁性材料である結合剤等を混入する
必要がないことから、磁性材料の充填密度を高めること
が可能である等数々の利点を有している。
【0005】一般に、磁気記録媒体は、磁気信号の記録
・再生の過程で磁気ヘッドとの高速相対運動のもとにお
かれ、その際走行が円滑に、かつ安定な状態で行われな
ければならない。また、磁気ヘッドとの接触による磨耗
や損傷はなるべく少ないほうがよい。
【0006】しかしながら、上述の強磁性金属薄膜型の
磁気記録媒体では、磁性層表面の平滑性が極めて良好で
あるために、実質的な磁気ヘッドとの接触面積が大きく
なることから、凝着現象、いわゆるハツリキが起こり易
くなったり、摩擦係数が大きくなり、耐久性や走行性等
に欠点が多く、その改善が大きな課題となっている。
【0007】そこで、例えば、上記磁気記録媒体の磁性
層すなわち強磁性金属薄膜表面に潤滑剤を塗布して、耐
久性や走行性を改善することが試みられている。このよ
うな用途に使用される潤滑剤としては、例えば、有機フ
ッ素化合物が有効であることが知られている。特に、特
開平05−93059号公報には、末端にカルボキシル
基を有するパーフルオロポリエーテルとアミンとの化合
物を潤滑剤に用いることにより、如何なる使用条件下で
も良好な潤滑効果を発揮する磁気記録媒体が開示されて
いる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記強磁性
金属薄膜型の磁気記録媒体においては、より優れた耐久
性を確保する為に、強磁性金属薄膜上にカーボン保護膜
を形成する技術が確立されている。そして、前述のコン
スーマービデオフォーマットであるDV用テープ、或い
は業務用ビデオフォーマットであるDVCAM用テー
プ、更にはテープストリーマ用途であるAIT用テープ
等に用いられる強磁性金属薄膜型磁気記録媒体として
は、強磁性金属薄膜の上にカーボン保護膜が形成された
磁気記録媒体が実用化されている。このようなカーボン
保護膜の実用化により、耐久性の確保は充分となり、今
後の強磁性金属薄膜型の磁気記録媒体においては、この
カーボン保護膜の存在が不可欠になると思われる。
【0009】しかしながら、上述したように、耐久性や
走行性を改善するべく、潤滑剤を使用しようとすると、
上記カーボン保護膜表面のエネルギーは強磁性金属薄膜
と比較して小さいため、潤滑剤とカーボン保護膜との吸
着性が弱く、安定且つ良好な潤滑効果が発揮されない。
そのため、カーボン保護膜の存在を考慮した潤滑剤の設
計が必要となる。特に、前述の末端に水酸基を有するパ
ーフルオロポリエーテルと長鎖カルボン酸とのエステル
化合物は、分子量が大きく、この潤滑剤単独でカーボン
保護膜上に均一に潤滑剤を存在させるのは困難である。
【0010】そこで、本発明は、このような実情に鑑み
て提案されたものであり、特にカーボン保護膜が形成さ
れた強磁性金属薄膜型の磁気記録媒体に好適で、如何な
る使用条件下においても密着性や潤滑性が保たれ、且つ
長期に亘り潤滑効果が持続する潤滑剤を用いて、優れた
走行性及び耐久性が得られた磁気記録媒体を提供するこ
とを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記の目
的を達成するために鋭意検討した結果、比較的分子量の
大きな両末端にカルボキシル基を有するパーフルオロポ
リエーテルとアミンとの化合物と、比較的分子量の小さ
い部分フッ化カルボン酸アルキルエステルとの混合物
が、カーボン保護膜を有する強磁性金属薄膜型の磁気記
録媒体に好適な潤滑剤であることを見出し、本発明を完
成するに至った。
【0012】また、本発明者等は、鋭意検討した結果、
比較的分子量の大きな片方の末端にカルボキシル基を有
するパーフルオロポリエーテルとアミンとの化合物と、
比較的分子量の小さい部分フッ化カルボン酸アルキルエ
ステルとの混合物が、カーボン保護膜を有する強磁性金
属薄膜型の磁気記録媒体に好適な潤滑剤であることを見
出した。
【0013】さらに、本発明者等は、鋭意検討した結
果、比較的分子量の大きな末端にカルボキシル基を有す
るパーフルオロポリエーテルとジアミンとの化合物と、
比較的分子量の小さい部分フッ化カルボン酸アルキルエ
ステルとの混合物が、カーボン保護膜を有する強磁性金
属薄膜型の磁気記録媒体に好適な潤滑剤であることを見
出した。
【0014】すなわち、本発明の磁気記録媒体は、非磁
性支持体上に少なくとも磁性層が形成されてなり、その
最外層に、下記化7で示される末端にカルボキシル基を
有するパーフルオロポリエーテルとアミンとの化合物
と、下記化8にて示される部分フッ化カルボン酸アルキ
ルエステルとを含有する潤滑剤が保持されてなることを
特徴とするものである。
【0015】
【化7】
【0016】
【化8】
【0017】なお、上記本発明の磁気記録媒体として
は、上記磁性層上に最外層として保護膜が形成されてい
るものに適用すると好適である。そして、この保護膜が
カーボンよりなることが好ましい。また、ここで、上記
磁性層としては、強磁性金属薄膜が好ましい。
【0018】さらに、上記本発明の磁気記録媒体におい
ては、上記末端にカルボキシル基を有するパーフルオロ
ポリエーテルとアミンとのエステル化合物と、上記部分
フッ化カルボン酸アルキルエステルとの混合比が、重量
比で10:90〜90:10であることが好ましい。
【0019】また、本発明の磁気記録媒体は、非磁性支
持体上に少なくとも磁性層が形成されてなり、その最外
層に、下記化9で示される末端にカルボキシル基を有す
るパーフルオロポリエーテルとアミンとの化合物と、下
記化10にて示される部分フッ化カルボン酸アルキルエ
ステルとを含有する潤滑剤が最外層に保持されてなるこ
とを特徴とするものである。
【0020】
【化9】
【0021】
【化10】
【0022】なお、上記本発明の磁気記録媒体として
は、上記磁性層上に最外層として保護膜が形成されてい
るものに適用すると好適である。そして、この保護膜が
カーボンよりなることが好ましい。また、ここで、上記
磁性層としては、強磁性金属薄膜が好ましい。
【0023】また、上記本発明の磁気記録媒体において
は、上記末端にカルボキシル基を有するパーフルオロポ
リエーテルとアミンとの化合物と、上記部分フッ化カル
ボン酸アルキルエステルとの混合比が、重量比で10:
90〜90:10であることが好ましい。
【0024】さらに、本発明の磁気記録媒体は、非磁性
支持体上に少なくとも磁性層が形成されてなり、その最
外層に、下記化11で示される末端にカルボキシル基を
有するパーフルオロポリエーテルとジアミンとの化合物
と、下記化12にて示される部分フッ化カルボン酸アル
キルエステルとを含有する潤滑剤が最外層に保持されて
なることを特徴とするものである。
【0025】
【化11】
【0026】
【化12】
【0027】なお、上記本発明の磁気記録媒体として
は、上記磁性層上に最外層として保護膜が形成されてい
るものに適用すると好適である。そして、この保護膜が
カーボンよりなることが好ましい。また、ここで、上記
磁性層としては、強磁性金属薄膜が好ましい。
【0028】また、上記本発明の磁気記録媒体において
は、上記末端にカルボキシル基を有するパーフルオロポ
リエーテルとアミンとの化合物と、上記部分フッ化カル
ボン酸アルキルエステルとの混合比が、重量比で10:
90〜90:10であることが好ましい。
【0029】このように、本発明に係る磁気記録媒体で
は、最外層に潤滑剤が保持されるものであり、この潤滑
剤として、如何なる使用条件下においても密着性や潤滑
性が好適に保たれ且つ長期に至り潤滑効果を持続する特
性を有する上述の化合物が特定されて使用されているの
で、密着性や潤滑性に優れた潤滑剤を最外層に用いるた
め、良好な走行性及び耐久性が確保されたものとなる。
【0030】なお、本発明に係る磁気記録媒体において
用いられる上記の潤滑剤は、カーボン保護膜との密着性
に優れている。そのため、本発明に係る磁気記録媒体を
磁性層上にカーボン保護膜を用いたものに適用すること
により、より効果的に耐久性が向上される。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照しながら詳細に説明する。図1に、本発
明を適用した磁気記録媒体の一例の断面図を示す。
【0032】本発明を適用した磁気記録媒体1は、図1
に示すように、非磁性支持体2上に磁性層3として強磁
性金属薄膜が形成され、この磁性層3上に最外層として
保護膜4が形成されてなる。
【0033】非磁性支持体2としては、例えば、ポリエ
チレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等の
ポリエステル類、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポ
リオレフィン類、セルローストリアセテート、セルロー
スダイアセテート等のセルロース誘導体、ポリ塩化ビニ
ル、ポリ塩化ビニリデン等のビニル系樹脂、ポリカーボ
ネート、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド等
のプラスチック、アルミニウム合金、チタン合金等の軽
金属、ガラス等のセラミックス等が挙げられる。さら
に、この非磁性支持体2の形態としては、フィルム、シ
ート、ディスク、カード、ドラム等の何れの形態でもよ
い。
【0034】また、非磁性支持体2は、その表面に山状
突起やしわ状突起、粒状突起等の突起が1種以上形成さ
れ、表面粗さがコントロールされたものでも良い。
【0035】具体的には、上記山状突起は、例えば、高
分子フィルム製膜時に粒径50nm〜300nm程度の
無機微粒子を内添させることにより形成され、高分子フ
ィルム表面からの高さが10nm〜100nm、密度が
約1×104 個/mm2〜1×105 個/mm2とする。
この山状突起を形成するための無機微粒子としては、例
えば、炭酸カルシウム、シリカ、アルミナ等が好適であ
る。
【0036】上記しわ状突起は、例えば、特定の混合溶
媒を用いた樹脂の希薄溶液を塗布乾燥させることにより
形成される突起であって、その高さが0.01μm〜1
0μm、好ましくは0.03μm〜0.5μm、突起間
の最短間隔が0.1μm〜20μmとする。
【0037】このしわ状突起を形成するための樹脂とし
ては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチ
レンナフタレート等のポリエステル、ポリアミド、ポリ
スチロール、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポ
リスルホン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポ
リビニルブチラール、ポリフェニレンオキサイド、フェ
ノキシ樹脂等の単体、混合体または共重合体であり、可
溶性溶剤を有するものが適している。そして、これらの
樹脂をその良溶媒に溶解させた樹脂濃度1ppm〜10
00ppmの溶液に、その樹脂の貧溶媒であって前記良
溶媒より高い沸点を有する溶媒を樹脂に対して10倍量
〜100倍量添加した溶液を、高分子フィルムの表面に
塗布・乾燥させることにより、非常に微細なしわ状突起
を有する薄膜を形成することができる。
【0038】上記粒状突起は、アクリル樹脂等の有機超
微粒子またはシリカ、金属粉等の無機微粒子を球状ある
いは半球状に付着させることにより形成される。この粒
状突起の高さは、5nm〜50nm、密度は1×106
個/mm2〜5×107 個/mm2 程度とする。
【0039】これらの突起の少なくとも1種以上を形成
することにより、磁性層3である強磁性金属薄膜の表面
性を制御することが可能であるが、2種以上を組み合わ
せることにより効果が増し、特に、山状突起を設けた非
磁性支持体2上にしわ状突起と粒状突起を形成すると、
耐久性や走行性が著しく改善される。この場合、突起全
体としての高さは、10nm〜200nmの範囲内であ
ることが好ましく、その密度は1×105 個/mm2
1×107 個/mm2であることが好ましい。
【0040】また、上記磁性層3となる強磁性金属薄膜
としては、例えば、Fe、Co、Ni等の金属の他に、
Co−Ni合金、Co−Pt合金、Co−Ni−Pt合
金、Fe−Co合金、Fe−Ni合金、Fe−Co−N
i合金、Fe−Co−B合金、Co−Ni−Fe−B合
金、Co−Cr合金或いはこれらにCr、Al等の金属
が含有された強磁性金属材料よりなるものが挙げられ
る。特に、Co−Cr合金を使用した場合には、垂直磁
化膜が形成される。
【0041】なお、上記磁性層3である強磁性金属薄膜
は、真空蒸着法やイオンプレーティング法、スパッタリ
ング法等の真空薄膜形成技術により連続膜として形成さ
れる。
【0042】上記真空蒸着法は、1×10-2Pa〜1×
10-6Paの真空下で強磁性金属材料を抵抗加熱、高周
波加熱、電子ビーム加熱等により蒸発させ、非磁性支持
体2上に蒸発金属(強磁性金属材料)を沈着させるもの
であり、一般に高い抗磁力を得るために非磁性支持体2
に対して上記強磁性金属材料を斜めに蒸着する斜方蒸着
が用いられる。さらに、より高い抗磁力を得るために酸
素雰囲気中で上記蒸着を行うものも含まれる。
【0043】上記イオンプレーティング法も真空蒸着法
の1種であり、1×10-2Pa〜1×10-1Paの不活
性ガス雰囲気中でDCグロー放電、RFグロー放電を起
こして、放電中で上記磁性金属材料を蒸発させるという
ものである。
【0044】上記スパッタリング法は、1×10-1Pa
〜1×10Paのアルゴンガスを主成分とする雰囲気中
でグロー放電を起こし、生じたアルゴンガスイオンでタ
ーゲット表面の原子をたたき出すというものであり、グ
ロー放電の方法により直流2極、3極スパッタ法や、高
周波スパッタ法、またはマグネトロン放電を利用したマ
グネトロンスパッタ法等がある。このスパッタリング法
による場合には、CrやW、V等の下地膜を形成してお
いてもよい。
【0045】なお、上記いずれの方法においても、非磁
性支持体2上に予めBi,Sb,Pb,Sn,Ga,I
n,Cd,Ge,Si,Tl等の下地金属層を被着形成
しておき、その非磁性支持体2の表面に対して垂直方向
から成膜することにより、磁気異方性の配向がなく、面
内等方性に優れた磁性層3を形成することができ、例え
ば、磁気ディスクとする場合には好適である。また、こ
のような手法により形成される強磁性金属薄膜の膜厚
は、0.01μm〜1μmであるのが好ましい。
【0046】さらに、上記磁性層3となる強磁性金属薄
膜上に形成される保護膜4としては、カーボンよりなる
もの、特に比較的硬度の高いダイヤモンドライクカーボ
ンよりなるものが好ましく例示される。また、保護膜4
としては、この他に、例えば、SiO2 、シリコンナイ
トライド、窒化カーボン、ZrO2 、TiC、Al23
等よりなるものも挙げられる。
【0047】そして、特に、本発明を適用した磁気記録
媒体1においては、最外層となる保護膜4に下記化13
で示される末端にカルボキシル基を有するパーフルオロ
ポリエーテルとアミンとの化合物及び下記化14にて示
される部分フッ化カルボン酸アルキルエステルを含有す
る潤滑剤が保持されている。
【0048】
【化13】
【0049】
【化14】
【0050】このような化13に示される化合物及び化
14に示される化合物を有する潤滑剤は、如何なる使用
条件下においても密着性や潤滑性が好適に保たれ、且つ
長期に至り潤滑効果を持続する特性を有するものであ
る。
【0051】上記化13に示す末端にカルボキシル基を
有するパーフルオロポリエーテルとアミンとからなる化
合物は、例えば、両末端にカルボキシル基を有するパー
フルオロポリエーテルとアミンとを混合し、用いたアミ
ンの融点以上の温度で加熱することによって得られる。
例えば、アミンとしてステアリルアミンを用いた場合
は、約60℃で加熱混合すれば良い。
【0052】また、上記化13に示すパーフルオロポリ
エーテルとアミンとの化合物は、有機溶媒にパーフルオ
ロポリエーテルとアミンの両者を溶解した後、溶媒を除
去することによっても得られる。
【0053】さらに、上記化13に示すパーフルオロポ
リエーテルとアミンとの化合物は、アミンが第4級アン
モニウム化合物の場合には、パーフルオロポリエーテル
のナトリウム塩等の金属塩と第4級アンモニウム塩(塩
化物、ヨウ化物、硫酸塩等)とを混合し、有機溶媒で抽
出することにより得られる。
【0054】ここで、上記末端にカルボキシル基を有す
るパーフルオロポリエーテルとしては、カルボキシル基
を両末端に有するものが好ましく、例えば、HOOC−
CF2 (OC24p(OCF2qOCF2 CH2
−COOH等が挙げられる。上記の末端にカルボキシル
基を有するパーフルオロポリエーテルは、勿論、これら
に限定されるわけではない。なお、上記パーフルオロポ
リエーテル化学式中のp,qは何れも1以上の整数を表
す。
【0055】また、この末端に水酸基を有するパーフル
オロポリエーテルの分子量は、特に制約されるものでは
ないが、実用的には600〜5000程度が好ましく、
1000〜4000のものがより好ましい。分子量が大
きすぎると、末端基の吸着基としての効果が薄れると同
時に、パーフルオロポリエーテル鎖が大きくなる分、既
存の炭化水素系溶媒に溶解しにくくなる。逆に、分子量
が小さすぎると、パーフルオロポリエーテル鎖による潤
滑効果が失われてしまう。
【0056】なお、この末端にカルボキシル基を有する
パーフルオロポリエーテルにおいては、パーフルオロポ
リエーテル鎖が部分水素化されてもよい。すなわち、パ
ーフルオロポリエーテル鎖のフッ素原子の一部(50%
以下)を水素原子で置換してもよい。この場合には、パ
ーフルオロポリエーテルとして部分水素化したパーフル
オロポリエーテルを使用すればよい。
【0057】一方、上記アミンとしては、市販品、或い
は合成品何れも使用可能である。このように、末端にカ
ルボキシル基を有するパーフルオロポリエーテルとアミ
ンとが反応することにより、上記化13に示す式の化合
物が合成される。
【0058】ここで、上記アミンとしては、第1アミ
ン、第2アミン、第3アミンの何れも使用可能であり、
第4級アンモニウム化合物も使用可能である。使用する
アミンの構造等も任意であり、分岐構造、異性体構造、
脂環構造、不飽和結合の有無によらず選択することがで
きる。但し、上記アミンは、アルキル基を有することが
好ましく、特に炭素数10以上のアルキル基を有する場
合にその効果が大きい。
【0059】また、上述したように、本発明に用いられ
る上記潤滑剤には、上記化13に示す化合物の他に、上
記化14に示される部分フッ化カルボン酸アルキルエス
テルが含有される。
【0060】この化14に示す部分フッ化カルボン酸ア
ルキルエステル中におけるRの炭素数は7〜21である
ことが好ましい。この炭素数が6以下であると潤滑効果
が乏しく、また炭素数が21を超えると有機溶剤への溶
解性が低下する。上記化10中のm,nに関してはm+
n≧8を満たせば、特に制限はない。
【0061】また、この化14に示される部分フッ化カ
ルボン酸アルキルエステルは、部分フッ化カルボン酸と
飽和脂肪族アルコールとをほぼ等モル量で反応させるこ
とによって容易に合成することができる。
【0062】具体的には、上記部分フッ化カルボン酸ア
ルキルエステルの合成の具体的な反応式は、以下に示す
ようなものである。
【0063】先ず、部分フッ化カルボン酸が次のように
して合成される。始めに、不飽和カルボン酸を出発原料
として、化15、化16、化17及び化18に示す一連
の反応を経ることにより、部分フッ化カルボン酸が合成
される。詳しくは、化15に示すように、不飽和カルボ
ン酸がアルコールとエステル化反応して不飽和エステル
となる。その後、化16に示すように、この不飽和エス
テルがフッ化炭素のヨウ化物と付加反応してフッ素及び
ヨウ素が付加される。そして、化17に示すように、
( )により還元することによって部分フッ化エス
テルが生じる。その後、化18に示すように、この部分
フッ化エステルを加水分解することによって、最終的に
部分フッ化カルボン酸が得られる。
【0064】
【化15】
【0065】
【化16】
【0066】
【化17】
【0067】
【化18】
【0068】次に、このようにして得られた部分フッ化
カルボン酸を、化19に示すように、飽和脂肪族アルコ
ールとほぼ等モル量反応させることによって、最終的
に、部分フッ化カルボン酸アルキルエステルが得られ
る。
【0069】
【化19】
【0070】なお、ここで重要なのは、上記部分フッ化
カルボン酸アルキルエステルのアルコール部位のアルキ
ル鎖が不飽和結合を含まないアルキル基から選ばれるこ
とである。このような不飽和結合を含まないエステルを
用いることにより、長期間保存後においても、初期の潤
滑特性を維持することができる。
【0071】さらに、磁気記録媒体1に使用される潤滑
剤においては、化13に示される末端にカルボキシル基
を有するパーフルオロポリエーテルとアミンとの化合物
と、化14に示される部分フッ化カルボン酸アルキルエ
ステルとの混合比は、重量比で10:90〜90:10
であるのが好ましい。上記範囲を超えると、本発明によ
る効果を得ることが難しい。
【0072】また、磁気記録媒体1において潤滑剤を最
外層に保持させる方法としては、磁性層3の表面や保護
膜4の表面に潤滑剤層をトップコートする方法が挙げら
れる。ここで、その塗布量は、0.05mg/m2 〜1
00mg/m2であるのが好ましく、0.1mg/m2
50mg/m2であるのがより好ましい。この塗布量が
あまり少なすぎると、摩擦係数の低下、耐磨耗性及び耐
久性の向上という効果が表れず、またこの塗布量があま
り多すぎると、摺動部材と磁気記録媒体1の摺動箇所と
の間でハリツキ現象が起こり、却って走行性が悪くな
る。
【0073】以上のように、本発明の磁気記録媒体1
は、最外層に潤滑剤が保持されるものであり、この潤滑
剤として、如何なる使用条件下においても密着性や潤滑
性が好適に保たれ且つ長期に至り潤滑効果を持続する特
性を有する上述の化合物を使用するものである。即ち、
本発明の磁気記録媒体1では、化13及び化14に示す
ような密着性や潤滑性の点で非常に優れた特性の潤滑剤
の組み合わせを特定して用いるものである。
【0074】よって、本発明の磁気記録媒体1によれ
ば、密着性や潤滑性に優れた潤滑剤を最外層に用いるた
め、良好な走行性及び耐久性が確保されたものとなる。
【0075】また、本発明の磁気記録媒体1において
は、磁性層3を強磁性金属薄膜としていることから、高
密度記録、長時間記録にも十分対応可能であり、最外層
となる保護膜4としてカーボンよりなるものを形成すれ
ば、用いられる潤滑剤が、カーボン保護膜4との密着性
に優れているので、耐久性の更なる向上を実現すること
ができる。
【0076】なお、本発明の磁気記録媒体1において
は、必要に応じて、防錆剤を併用してもよい。防錆剤と
しては、通常この種の磁気記録媒体の防錆剤として使用
されるものであれば何れも使用でき、例えばフェノール
類、ナフトール類、キノン類、窒素原子を含む複素環化
合物、酸素原子を含む複素環化合物、硫黄原子を含む複
素環化合物等が挙げられる。
【0077】また、本発明の磁気記録媒体1において
は、非磁性支持体2上の上記磁性層3が形成される面と
は反対側の面に、いわゆるバックコート層を形成しても
良い。このバックコート層は、結合剤樹脂と粉末成分と
を有機溶媒に混合分散させたバックコート用塗料を非磁
性支持体2に塗布することにより形成される。
【0078】ここで、バックコート用塗料に使用される
結合剤樹脂としては、例えば、塩化ビニル−酢酸ビニル
系共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩
化ビニル−アクリロニトリル共重合体、アクリル酸エス
テル−アクリロニトリル共重合体、熱可塑性ポリウレタ
ンエラストマー、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共
重合体、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、ポリ
アミド樹脂、ポリビニルブチラール、セルロース誘導
体、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹
脂、ポリウレタン硬化型樹脂、メラミン樹脂、アルキッ
ド樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ−ポリアミド樹脂、
ニトロセルロース−メラミン樹脂、高分子量ポリエステ
ル樹脂とイソシアネートプレポリマーの混合物、メタク
リル酸塩共重合体とジイソシアネートプレポリマーの混
合物、ポリエステルポリオールとポリイソシアネートと
の混合物、尿素ホルムアルデヒド樹脂、低分子量グリコ
ール/高分子量ジオール/トリフェニルメタントリイソ
シアネートとの混合物、ポリアミン樹脂及びこれらの混
合物等が挙げられる。
【0079】あるいは、粉末成分の分散性の改善を図る
ために、親水性極性基を有する結合剤樹脂を使用しても
よい。
【0080】一方、上記粉末成分としては、導電性を付
与するためのカーボン系微粉末や表面粗度のコントロー
ル及び耐久性向上のために添加される無機顔料が挙げら
れる。上記カーボン系微粒子としては、例えば、ファー
ネスカーボン、チャネルカーボン、アセチレンカーボ
ン、サーマルカーボン、ランプカーボン等が例示され、
上記無機顔料としては、α−FeOOH、α−Fe2
3 、Cr23 、TiO 2 、ZnO、SiO、SiO2
、SiO2・2H2O、Al23 、CaCO3、Mg
CO3、Sb23 等が挙げられる。
【0081】さらに、上記バックコート用塗料の有機溶
剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、
メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン
系溶剤、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エ
チル、酢酸グリコールモノエチルエーテル等のエステル
系溶剤、グリコールジメチルエーテル、グリコールモノ
エチルエーテル、ジオキサン等のグリコールエーテル系
溶剤、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水
素系溶剤、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素溶
媒、メチレンクロライド、エチレンクロライド、四塩化
炭素、クロロホルム、エチレンクロロヒドリン、ジクロ
ルベンゼン等の塩素化炭化水素系溶媒等、汎用の溶剤を
用いることができる。
【0082】さらに、上記のバックコート層には潤滑剤
を併用してもよい。この場合、上記バックコート層中に
潤滑剤を内添する方法、あるいはバックコート層上に潤
滑剤を被着する方法がある。いずれにしても、上記潤滑
剤としては、脂肪酸、脂肪酸エステル、脂肪酸アミド、
金属石鹸、脂肪族アルコール、シリコーン系潤滑剤等、
従来周知の潤滑剤が使用できる。
【0083】また、本発明を適用した磁気記録媒体とし
ては、図1に示すように、非磁性支持体上に磁性層とし
て強磁性金属薄膜、最外層として保護膜が順次形成され
てなり、特に、最外層となる保護膜に、下記化20で示
される末端にカルボキシル基を有するパーフルオロポリ
エーテルとアミンとの化合物及び下記化21にて示され
る部分フッ化カルボン酸アルキルエステルを含有する潤
滑剤が保持されているものでも好ましい。
【0084】
【化20】
【0085】
【化21】
【0086】このような化20に示される化合物及び化
21に示される化合物を有する潤滑剤は、如何なる使用
条件下においても密着性や潤滑性が好適に保たれ、且つ
長期に至り潤滑効果を持続する特性を有するものであ
る。
【0087】なお、この上記化20及び化21に示され
る潤滑剤が用いられた磁気記録媒体は、図1に示した磁
気記録媒体1と略同様の構成を有するものであり、最外
層に保持される潤滑剤のみが異なる例であり、その他の
磁性層や保護層等は同じ構成である。そこで、以下で
は、潤滑剤についてのみ説明する。
【0088】上記化20に示す末端にカルボキシル基を
有するパーフルオロポリエーテルとアミンとの化合物
は、例えば、片方の末端にカルボキシル基を有するパー
フルオロポリエーテルとアミンとを混合し、用いたアミ
ンの融点以上の温度で加熱することによって得られる。
例えば、アミンとしてステアリルアミンを用いた場合
は、約60℃で加熱混合すれば良い。
【0089】また、上記化20に示すパーフルオロポリ
エーテルとアミンとの化合物は、有機溶媒にパーフルオ
ロポリエーテルとアミンの両者を溶解した後、溶媒を除
去することによっても得られる。
【0090】さらに、上記化20に示すパーフルオロポ
リエーテルとアミンとの化合物は、アミンが第4級アン
モニウム化合物の場合には、パーフルオロポリエーテル
のナトリウム塩等の金属塩と第4級アンモニウム塩(塩
化物、ヨウ化物、硫酸塩等)とを混合し、有機溶媒で抽
出することにより得られる。
【0091】ここで、上記末端にカルボキシル基を有す
るパーフルオロポリエーテルとしては、カルボキシル基
を片方の末端に有するものが好ましく、例えば、F(C
2CF2CF2O )nCF2CF2−COOHや、CF
3[OCF(CF3)CF2j(OCF2k−COOH等
が挙げられる。上記の末端にカルボキシル基を有するパ
ーフルオロポリエーテルは、勿論、これらに限定される
わけではない。なお、上記パーフルオロポリエーテル化
学式中のn,j,kは何れも1以上の整数を表す。
【0092】また、この末端にカルボキシル基を有する
パーフルオロポリエーテルの分子量は、特に制約される
ものではないが、実用的には600〜5000程度が好
ましく、1000〜4000のものがより好ましい。分
子量が大きすぎると、末端基の吸着基としての効果が薄
れると同時に、パーフルオロポリエーテル鎖が大きくな
る分、既存の炭化水素系溶媒に溶解しにくくなる。逆
に、分子量が小さすぎると、パーフルオロポリエーテル
鎖による潤滑効果が失われてしまう。
【0093】なお、この末端にカルボキシル基を有する
パーフルオロポリエーテルにおいては、パーフルオロポ
リエーテル鎖が部分水素化されてもよい。すなわち、パ
ーフルオロポリエーテル鎖のフッ素原子の一部(50%
以下)を水素原子で置換してもよい。この場合には、パ
ーフルオロポリエーテルとして部分水素化したパーフル
オロポリエーテルを使用すればよい。
【0094】一方、上記アミンとしては、市販品、或い
は合成品何れも使用可能である。このように、末端にカ
ルボキシル基を有するパーフルオロポリエーテルとアミ
ンとを反応させることにより、上記化20に示す式の化
合物を合成することができる。
【0095】ここで、上記アミンとしては、第1アミ
ン、第2アミン、第3アミンの何れも使用可能であり、
第4級アンモニウム化合物も使用可能である。使用する
アミンの構造等も任意であり、分岐構造、異性体構造、
脂環構造、不飽和結合の有無によらず選択することがで
きる。但し、上記アミンは、アルキル基を有することが
好ましく、特に炭素数10以上のアルキル基を有する場
合にその効果が大きい。
【0096】また、上記潤滑剤に含有される化21に示
される部分フッ化カルボン酸アルキルエステルは、上述
したものと同様であるので、ここでは説明を省略する。
【0097】さらに、この磁気記録媒体に使用される潤
滑剤においては、化20に示される末端にカルボキシル
基を有するパーフルオロポリエーテルとアミンとの化合
物と、化21に示される部分フッ化カルボン酸アルキル
エステルとの混合比は、重量比で10:90〜90:1
0であるのが好ましい。上記範囲を超えると、本発明に
よる効果を得ることが難しい。
【0098】また、これら潤滑剤を最外層に保持させる
方法としては、磁性層の表面や保護膜4の表面に潤滑剤
層をトップコートする方法が挙げられる。ここで、その
塗布量は、0.05mg/m2 〜100mg/m2であ
るのが好ましく、0.1mg/m2〜50mg/m2であ
るのがより好ましい。この塗布量があまり少なすぎる
と、摩擦係数の低下、耐磨耗性及び耐久性の向上という
効果が表れず、またこの塗布量があまり多すぎると、摺
動部材と磁気記録媒体の摺動箇所との間でハリツキ現象
が起こり、却って走行性が悪くなる。
【0099】以上のように、本発明の磁気記録媒体は、
最外層に潤滑剤が保持されるものであり、この潤滑剤と
して、如何なる使用条件下においても密着性や潤滑性が
好適に保たれ且つ長期に至り潤滑効果を持続する特性を
有する上述の化合物を特定して使用するものである。即
ち、本発明の磁気記録媒体では、化20及び化21に示
すような密着性や潤滑性の点で非常に優れた特性の潤滑
剤の組み合わせを特定して用いるものである。
【0100】よって、本発明の磁気記録媒体によれば、
密着性や潤滑性に優れた潤滑剤を最外層に用いるため、
良好な走行性及び耐久性が確保されたものとなる。
【0101】また、本発明の磁気記録媒体においては、
磁性層を強磁性金属薄膜としていることから、高密度記
録、長時間記録にも十分対応可能であり、最外層となる
保護膜としてカーボンよりなるものを形成すれば、用い
られる潤滑剤が、カーボン保護膜との密着性に優れてい
るので、耐久性の向上を実現することができる。
【0102】さらに、本発明を適用した磁気記録媒体と
しては、図1に示すように、非磁性支持体上に磁性層と
して強磁性金属薄膜、最外層として保護膜が順次形成さ
れてなり、特に、最外層となる保護膜に、下記化22で
示される末端にカルボキシル基を有するパーフルオロポ
リエーテルとジアミンとの化合物及び下記化23にて示
される部分フッ化カルボン酸アルキルエステルを含有す
る潤滑剤が保持されているものでも好ましい。
【0103】
【化22】
【0104】
【化23】
【0105】このような化22に示される化合物及び化
23に示される化合物を有する潤滑剤は、如何なる使用
条件下においても密着性や潤滑性が好適に保たれ、且つ
長期に至り潤滑効果を持続する特性を有するものであ
る。
【0106】なお、この上記化22及び化23に示され
る潤滑剤が用いられた磁気記録媒体は、図1に示した磁
気記録媒体1と略同様の構成を有するものであり、最外
層に保持される潤滑剤のみが異なる例であり、その他の
磁性層や保護層等は同じ構成である。そこで、以下で
は、潤滑剤についてのみ説明する。
【0107】上記化22に示す末端にカルボキシル基を
有するパーフルオロポリエーテルとジアミンとの化合物
は、例えば、単官能パーフルオロポリエーテルとジアミ
ンとを混合し、用いたジアミンの融点以上の温度で加熱
することによって得られる。
【0108】ここで、上記末端にカルボキシル基を有す
るパーフルオロポリエーテルとしては、市販のものが使
用可能であり、例えば、F(CF2CF2CF2O)mCF
2CF2COOHや、CF3[OCF(CF3)CF2
j(OCF2kCOOH等が挙げられる。なお、上記の
末端にカルボキシル基を有するパーフルオロポリエーテ
ルは、勿論、これらに限定されるわけではない。また、
上記パーフルオロポリエーテル化学式中のm,j,kは
何れも1以上の整数を表す。
【0109】また、この末端にカルボキシル基を有する
パーフルオロポリエーテルの分子量は、特に制約される
ものではないが、実用的には600〜5000程度が好
ましく、1000〜4000のものがより好ましい。分
子量が大きすぎると、末端基の吸着基としての効果が薄
れると同時に、パーフルオロポリエーテル鎖が大きくな
る分、既存の炭化水素系溶媒に溶解しにくくなる。逆
に、分子量が小さすぎると、パーフルオロポリエーテル
鎖による潤滑効果が失われてしまう。
【0110】なお、この末端にカルボキシル基を有する
パーフルオロポリエーテルにおいては、パーフルオロポ
リエーテル鎖が部分水素化されていてもよい。すなわ
ち、パーフルオロポリエーテル鎖のフッ素原子の一部
(50%以下)を水素原子で置換してもよい。この場合
には、パーフルオロポリエーテルとして部分水素化した
パーフルオロポリエーテルを使用すればよい。
【0111】一方、上記ジアミンとしては、構造等も任
意であり、分岐構造、異性体構造、脂環構造、分子量、
不飽和結合の有無によらず任意に選択することができ
る。このように、末端にカルボキシル基を有するパーフ
ルオロポリエーテルとジアミンとを反応させることによ
り、上記化22に示す式の化合物を合成することができ
る。
【0112】また、上記潤滑剤に含有される化23に示
される部分フッ化カルボン酸アルキルエステルは、上述
したものと同様であるので、ここでは説明を省略する。
【0113】さらに、この磁気記録媒体に使用される潤
滑剤においては、化22に示される末端にカルボキシル
基を有するパーフルオロポリエーテルとジアミンとの化
合物と、化23に示される部分フッ化カルボン酸アルキ
ルエステルとの混合比は、重量比で10:90〜90:
10であるのが好ましい。上記範囲を超えると、本発明
による効果を得ることが難しい。
【0114】また、これら潤滑剤を最外層に保持させる
方法としては、磁性層の表面や保護膜4の表面に潤滑剤
層をトップコートする方法が挙げられる。ここで、その
塗布量は、0.05mg/m2 〜100mg/m2であ
るのが好ましく、0.1mg/m2〜50mg/m2であ
るのがより好ましい。この塗布量があまり少なすぎる
と、摩擦係数の低下、耐磨耗性及び耐久性の向上という
効果が表れず、またこの塗布量があまり多すぎると、摺
動部材と磁気記録媒体の摺動箇所との間でハリツキ現象
が起こり、却って走行性が悪くなる。
【0115】以上のように、本発明の磁気記録媒体は、
最外層に潤滑剤が保持されるものであり、この潤滑剤と
して、如何なる使用条件下においても密着性や潤滑性が
好適に保たれ且つ長期に至り潤滑効果を持続する特性を
有する上述の化合物を特定して使用するものである。即
ち、本発明の磁気記録媒体では、化22及び化23に示
すような密着性や潤滑性の点で非常に優れた特性の潤滑
剤の組み合わせを特定して用いるものである。
【0116】よって、本発明の磁気記録媒体によれば、
密着性や潤滑性に優れた潤滑剤を最外層に用いるため、
良好な走行性及び耐久性が確保されたものとなる。
【0117】また、本発明の磁気記録媒体においては、
磁性層を強磁性金属薄膜としていることから、高密度記
録、長時間記録にも十分対応可能であり、最外層となる
保護膜としてカーボンよりなるものを形成すれば、用い
られる潤滑剤が、カーボン保護膜との密着性に優れてい
るので、耐久性の向上を実現することができる。
【0118】以上のような構成からなる本発明を適用し
た磁気記録媒体は、以下のようにして作成される。
【0119】先ず、非磁性支持体2上に、例えば、真空
蒸着法により磁性層3となる強磁性金属薄膜を形成す
る。その後、この磁性層3上に、例えば、マグネトロン
スパッタ法により保護膜4を形成する。そして、この保
護膜4上に、上述の潤滑剤をトップコートして保護膜に
潤滑剤を保持させて、最終的に、本発明の磁気記録媒体
1が得られる。なお、必要に応じてバックコート層等を
形成しても勿論構わない。
【0120】詳しくは、上記磁性層を形成する真空蒸着
装置としては、図2に示すような連続巻き取り式の真空
蒸着装置が挙げられる。
【0121】この真空蒸着装置は、いわゆる斜方蒸着用
として構成され、内部が例えば1×10-3Pa程度の真
空にされた真空室11内に、例えば−20℃程度に冷却
され、図中矢印Aで示すように反時計回り方向に回転す
る冷却キャン12と、これに対向するように強磁性金属
薄膜用の蒸着源13が配置されてなるものである。
【0122】また、この真空蒸着装置においては、真空
室11内に、図中の反時計回り方向に回転する供給ロー
ル14と図中の反時計回り方向に回転する巻き取りロー
ル15も配設されており、非磁性支持体16は供給ロー
ル14から図中矢印Bで示す方向に繰り出され、冷却キ
ャン12の周面に沿って走行した後、巻き取りロール1
5に巻き取られる。
【0123】なお、供給ロール14と冷却キャン12と
の間、及び冷却キャン12と巻き取りロール15との間
にはそれぞれガイドローラー17、18が配置され、供
給ロール14から冷却キャン12、及びこの冷却キャン
12から巻き取りロール15に従って走行する非磁性支
持体16に所定のテンションをかけ、非磁性支持体16
が円滑に走行するようになされている。
【0124】上記蒸着源13は坩堝等の容器にCo等の
強磁性金属材料が収容されたものであり、この真空蒸着
装置においては、この蒸着源13の強磁性金属材料を加
熱、蒸発させるための電子ビーム発生源19も配設され
ている。すなわち、上記電子ビーム発生源19から電子
ビーム20を蒸着源13の強磁性金属材料に加速照射し
てこれを図中矢印Cで示すように加熱、蒸発させる。す
ると、強磁性金属材料は蒸着源13と対向する冷却キャ
ン12の周面に沿って走行する非磁性支持体16上に被
着し、非磁性支持体16上に強磁性金属薄膜が形成され
ることとなる。
【0125】なお、上記真空蒸着装置においては、蒸着
源13と冷却キャン12との間に防着板21を設け、こ
の防着板21にシャッタ22を位置調整可能に設けて、
非磁性支持体16に対して所定の角度で入射する蒸着粒
子のみを通過させる。こうして斜め蒸着法によって強磁
性金属薄膜が形成されるようになされている。
【0126】さらに、このような強磁性金属薄膜の蒸着
に際し、図示しない酸素ガス導入口を介して非磁性支持
体16の表面近傍に酸素ガスを供給し、これによって強
磁性金属薄膜の磁性特性、耐久性及び耐候性の向上が図
られるようにすることが好ましい。また、蒸着源を加熱
するためには、上述のような電子ビームによる加熱手段
の他、例えば抵抗加熱手段、高周波加熱手段、レーザ加
熱手段等の公知の手段を使用できる。
【0127】ここでは、斜め蒸着法によりCoからなる
強磁性金属薄膜を形成する例について説明したが、強磁
性金属薄膜を形成する方法としては、この方法の他に、
垂直蒸着法やスパッタリング法等の従来公知の薄膜形成
法が適用可能であり、また、この強磁性金属薄膜の材料
としては、Coの他にNi、Fe等やこれらの合金が使
用可能である。また、このときの強磁性金属薄膜の厚さ
は、0.01μm〜0.4μm程度、好ましくは0.1
μm〜0.2μm程度が良い。
【0128】一方、上記保護膜を形成するマグネトロン
スパッタ装置としては、図3に示すような構造の装置が
挙げられる。このマグネトロンスパッタ装置は、チャン
バ31内に、図中矢印Dで示すように反時計回り方向に
回転する冷却キャン32と、この冷却キャン32と対向
配置されるターゲット33とがそれぞれ設けられてな
る。
【0129】上記チャンバ31には、チャンバ31内を
減圧するための真空ポンプ34がバルブ35を介して接
続されるとともに、チャンバ31内にガスを導入するた
めのガス導入管36がガス供給部37と共に配設されて
いる。
【0130】従って、チャンバ31は、例えば真空ポン
プ34にて約10-4Paまで減圧された後、真空ポンプ
34側へ排気するバルブ35の角度を全開状態から10
度まで絞ることにより排気速度を落とし、ガス導入管3
6からArガスを導入することで、真空度が約0.8P
aとされる。また、上記冷却キャン32は、例えば−4
0℃程度に冷却される。
【0131】上記ターゲット33は、カーボン保護膜の
材料となるものであり、カソード電極を構成するバッキ
ングプレート38に支持されている。そしてバッキング
プレート38の裏側には、磁場を形成するマグネット3
9が配置されている。
【0132】また、上記チャンバ31内には、図中の反
時計回り方向に回転する供給ロール40と図中の反時計
回り方向に回転する巻き取りロール41も配設されてお
り、非磁性支持体30は供給ロール40から図中矢印E
で示す方向に繰り出され、冷却キャン32の周面に沿っ
て走行した後、巻き取りロール41に巻き取られる。
【0133】このマグネトロンスパッタ装置によりカー
ボン保護膜を形成する際は、ガス導入管36からArガ
スを導入するとともに、冷却キャン32をアノード、バ
ッキングプレート38をカソードとして3000Vの電
圧を印加し、1.4Aの電流が流れる状態を保つように
する。
【0134】この電圧の印加により、Arガスがプラズ
マ化し、電離されたイオンがターゲット33に衝突する
ことにより、ターゲット33の原子がはじき出される。
このとき、バッキングプレート38の裏側にはマグネッ
ト39が配設されており、ターゲット33の近傍に磁場
が形成されるので、電離されたイオンはターゲット33
の近傍に集中されることになる。
【0135】ターゲット33からはじき出された原子
は、上記ターゲット33と対向して配される冷却キャン
32の周面に沿って走行する強磁性金属薄膜が形成され
た非磁性支持体30上に付着し、例えばカーボンよりな
る保護膜が形成されることとなる。
【0136】この保護膜は、スペーシングロスを少なく
かつ、強磁性金属薄膜の磨耗防止の効果を得られるよ
う、その厚さを3nm〜15nm程度、特に5nm〜1
0nm程度とすることが好ましい。
【0137】ここでは、マグネトロンスパッタ法により
保護膜を形成する例について説明したが、保護膜を形成
する方法としては、この方法の他にイオンビームスパッ
タ法やイオンビームプレーティング法、CVD法等の従
来公知の薄膜形成方法を用いることができる。
【0138】
【実施例】以下、本発明の実施例について具体的な実験
結果に基づいて説明する。
【0139】次に、本発明の効果を確認するべく、実際
に磁気記録媒体を製造し、その特性の評価を行った。
【0140】実験例1 本実施例では、末端にカルボキシル基を有するパーフル
オロポリエーテルとアミンとの化合物及び部分フッ化カ
ルボン酸アルキルエステルを含有する潤滑剤を使用した
場合の効果を以下のようにして確認した。
【0141】(サンプルの作製) 1.末端にカルボキシル基を有するパーフルオロポリエ
ーテルとアミンとの化合物の合成 先ず、両末端にカルボキシル基を有するパーフルオロポ
リエーテルとしてHOOC−CF2 (OC24
p (OCF2 q OCF2−COOH(分子量:400
0、但し、化学式中p、qはそれぞれ1以上の整数を表
す。)20gを丸底フラスコに量り取り、ステアリルア
ミン3.6gを加えた。次いで、60℃で加熱溶解し、
十分に攪拌して均一にした後、冷却して、末端にカルボ
キシル基を有するパーフルオロポリエーテルとアミンと
の化合物(パーフルオロポリエーテルアミン塩)を得
た。なお、ここで、このパーフルオロポリエーテルアミ
ン塩を化合物1と称する。
【0142】次に、上記化合物1と同様な合成方法によ
って、表1に示すような末端にカルボキシル基を有する
パーフルオロポリエーテルとアミンとの化合物である4
種類の化合物2〜5を合成した。なお、表1中p、q、
nは、1以上の整数をそれぞれ表す。
【0143】
【表1】
【0144】2.サンプルテープの作製 次に、磁気テープを以下のようにして作製した。先ず、
非磁性支持体である7.0μm厚のポリエチレンテレフ
タレートフィルムに、上述の真空蒸着装置を使用して斜
め蒸着法によりCoを被着させ、膜厚180nmの磁性
層となる強磁性金属薄膜を形成した。次に、前述のマグ
ネトロンスパッタ装置を用いて上記強磁性金属薄膜上
に、膜厚約8nmのカーボン保護膜を形成した。
【0145】次いで、ポリエチレンテレフタレートフィ
ルムの強磁性金属薄膜が形成された面とは反対側の面に
カーボン及びポリウタレン樹脂よりなる膜厚0.5μm
のバックコート層を形成した。
【0146】次に、上記のようにして、一主面側に強磁
性金属薄膜とカーボン保護膜、他方の主面側にバックコ
ート層が形成された非磁性支持体のカーボン保護膜表面
上に、下記表2に示されるような潤滑剤をヘキサン溶媒
に溶解したものを、塗布量が5mg/m2となるように
それぞれ塗布して13種類の磁気記録媒体を得た。そし
て、これら13種類の磁気記録媒体をそれぞれ6.35
mm幅に裁断し、実施例1〜実施例8及び比較例1〜比
較例5の13種類のサンプルテープとした。
【0147】なお、比較例3〜比較例5は、潤滑剤のう
ちの部分フッ化カルボン酸アルキルエステルが不飽和結
合を有するものである。即ち、本実施例の部分フッ化カ
ルボン酸アルキルエステルは、二重結合等の不飽和結合
を有さないものであるが、一方、比較例3〜比較例5の
潤滑剤として用いられている部分フッ化カルボン酸アル
キルエステルは、表2に示す化学式から明らかなよう
に、二重結合を有している。
【0148】
【表2】
【0149】3.特性の評価 次に、上記実施例1〜実施例8と比較例1〜5の13種
類のサンプルテープの特性を評価した。ここでは、耐久
性と走行性を評価することとし、具体的には摩擦係数と
スチル耐久性、シャトル耐久性を評価した。これらを評
価する際の環境条件としては、本発明者等が検討した上
で、最も厳しい条件と思われる条件を採用した。
【0150】(1)摩擦係数の測定方法 摩擦係数の測定は、恒温槽中の環境条件を温度40℃、
湿度80%RHに制御して、この恒温槽中で各サンプル
テープを100パス走行させて測定した。なお、摩擦走
行100パス目の数値を摩擦係数とした。
【0151】(2)スチル耐久性の測定方法 スチル耐久性の評価は、−5℃の恒温槽中で行い、市販
のデジタルビデオカムコーダー(ソニー社製、機種名:
DVC−VX1000)を用いて、各サンプルテープの
再生出力が3dB落ちるまでの時間を測定して行った。
【0152】(3)シャトル耐久性の測定方法 シャトル耐久性は、恒温槽中の環境条件を温度40℃、
湿度20%RHに制御して、この恒温槽中で市販のデジ
タルビデオカムコーダー(ソニー社製、機種名:DVC
−VX1000)を用い、各サンプルテープを100パ
スシャトル走行させ、100パス走行後にその再生出力
が初期出力から何dB落ちるかを測定して評価した。
【0153】なお、以上の評価は、潤滑剤を塗布した直
後と、各サンプルテープを温度45℃、湿度80%RH
の環境下で1ヶ月間保存した後の両方の時期に行った。
潤滑剤を塗布した直後の初期の耐久性及び走行性の測定
結果を表3、1ヶ月間保存した後の保存後の耐久性及び
走行性の測定結果を表4に示す。
【0154】
【表3】
【0155】
【表4】
【0156】表3及び表4の結果から、末端にカルボキ
シル基を有するパーフルオロポリエーテルとアミンとの
化合物と部分フッ化カルボン酸アルキルエステルとを組
み合わせた潤滑剤を使用した実施例1〜実施例8におい
ては、何れも高温多湿、高温低湿或いは低温等の様々な
使用条件下において摩擦係数やスチル耐久性、シャトル
耐久性の劣化が極めて少なく、非常に良好な結果が得ら
れていることがわかた。
【0157】一方、末端にカルボキシル基を有するパー
フルオロポリエーテルとアミンとの化合物のみを含有す
る潤滑剤、或いは、末端にカルボキシル基を有するパー
フルオロポリエーテルとアミンとのエステル化合物と不
飽和結合を含む部分フッ化カルボン酸アルキルエステル
とを組み合わせた比較例1〜比較例5は、何れも高温多
湿、高温低湿或いは低温等の様々な使用条件下において
摩擦係数やスチル耐久性、シャトル耐久性の劣化が大き
く、良好な結果が得られないことがわかった。
【0158】以上の結果から、末端にカルボキシル基を
有するパーフルオロポリエーテルとアミンとの化合物
と、部分フッ化カルボン酸アルキルエステルとを組み合
わせた潤滑剤を用いることにより、潤滑剤が如何なる使
用条件下においても密着性や潤滑性が保たれ、且つ長期
に亘り潤滑効果が持続するため、磁気記録媒体の良好な
走行性及び耐久性が得られることが確認された。
【0159】また、実施例1〜実施例8及び比較例3〜
比較例5の比較結果から、特に、不飽和結合を有しない
部分フッ化カルボン酸アルキルエステルを用いることに
より、長期保存後も初期の特性を維持させることができ
るとわかった。
【0160】実験例2 本実験例においては、末端にカルボキシル基を有するパ
ーフルオロポリエーテルとアミンとの化合物及び部分フ
ッ化カルボン酸アルキルエステルを含有する潤滑剤を使
用した場合の効果を以下のようにして確認した。
【0161】(サンプルの作製) 1.末端にカルボキシル基を有するパーフルオロポリエ
ーテルとアミンとの化合物の合成 先ず、片方の末端にカルボキシル基を有するパーフルオ
ロポリエーテルF(CF2 CF2CF2O )nCF2CF2
−COOH(分子量:1700、但し、化学式中nは1
以上の整数を表す。)20gを丸底フラスコに量り取
り、ステアリルアミン3.2gを加えた。次で、60℃
で加熱溶解し、十分に攪拌して均一にした後、冷却し
て、末端にカルボキシル基を有するパーフルオロポリエ
ーテルとアミンとの化合物(パーフルオロポリエーテル
アミン塩)を得た。なお、ここで、このパーフルオロポ
リエーテルアミン塩を化合物6と称する。
【0162】次に、上記化合物6と同様な合成方法によ
って、下記表5に示すような片方の末端にカルボキシル
基を有するパーフルオロポリエーテルとアミンとの化合
物である4種類の化合物7〜化合物10を合成した。な
お、表5中p、q、nは、1以上の整数をそれぞれ表
す。
【0163】
【表5】
【0164】2.サンプルテープの作製 次に、前述の実験例1と同様にして、非磁性支持体上に
磁性層となる強磁性金属薄膜、保護膜となるカーボン保
護膜を形成し、バックコート層も形成した。
【0165】次に、前述の実験例1と同様にして、カー
ボン保護膜表面に、下記表6に示されるような潤滑剤を
ヘキサン溶媒に溶解したものを、塗布量が5mg/m2
となるようにそれぞれ塗布して13種類の磁気記録媒体
を得た。そして、これら13種類の磁気記録媒体をそれ
ぞれ6.35mm幅に裁断し、実施例9〜実施例16及
び比較例6〜比較例10の13種類のサンプルテープを
作製した。
【0166】なお、比較例8〜比較例10は、潤滑剤の
うちの部分フッ化カルボン酸アルキルエステルが不飽和
結合を有するものである。即ち、本実施例の部分フッ化
カルボン酸アルキルエステルは、二重結合等の不飽和結
合を有さないものであるが、一方、比較例8〜比較例1
0の潤滑剤として用いられている部分フッ化カルボン酸
アルキルエステルは、表6に示す化学式から明らかなよ
うに、二重結合を有している。
【0167】
【表6】
【0168】3.特性の評価 次に、上記実施例9〜実施例16と比較例6〜比較例1
0の13種類のサンプルテープの特性を評価した。ここ
では、耐久性と走行性を評価することとし、具体的には
摩擦係数とスチル耐久性、シャトル耐久性を前述の実験
例1と同様にして評価した。
【0169】なお、これらの評価は、前述の実験例1と
同様に潤滑剤を塗布した直後と、各サンプルテープを温
度45℃、湿度80%RHの環境下で1ヶ月間保存した
後に行った。潤滑剤を塗布した直後の初期の耐久性及び
走行性の結果を表7、1ヶ月間保存した後の保存後の耐
久性及び走行性の結果を表8に示す。
【0170】
【表7】
【0171】
【表8】
【0172】表7及び表8の結果から、末端にカルボキ
シル基を有するパーフルオロポリエーテルとアミンとの
化合物と部分フッ化カルボン酸アルキルエステルとを組
み合わせた潤滑剤を使用した実施例9〜実施例16にお
いては、何れも高温多湿、高温低湿或いは低温等の様々
な使用条件下において摩擦係数やスチル耐久性、シャト
ル耐久性の劣化が極めて少なく、非常に良好な結果が得
られていることがわかた。
【0173】一方、末端にカルボキシル基を有するパー
フルオロポリエーテルとアミンとの化合物のみを含有す
る潤滑剤、或いは、末端にカルボキシル基を有するパー
フルオロポリエーテルとアミンとのエステル化合物と不
飽和結合を含む部分フッ化カルボン酸アルキルエステル
とを組み合わせた比較例6〜比較例10は、何れも高温
多湿、高温低湿或いは低温等の様々な使用条件下におい
て摩擦係数やスチル耐久性、シャトル耐久性の劣化が大
きく、良好な結果が得られないことがわかった。
【0174】以上の結果から、末端にカルボキシル基を
有するパーフルオロポリエーテルとアミンとの化合物
と、部分フッ化カルボン酸アルキルエステルとを組み合
わせた潤滑剤を用いることにより、潤滑剤が如何なる使
用条件下においても密着性や潤滑性が保たれ、且つ長期
に亘り潤滑効果が持続するため、磁気記録媒体の良好な
走行性及び耐久性が得られることが確認された。
【0175】また、実施例9〜実施例16及び比較例8
〜比較例10の比較結果から、特に、不飽和結合を有し
ない部分フッ化カルボン酸アルキルエステルを用いるこ
とにより、長期保存後も初期の特性を維持させることが
できるとわかった。
【0176】実験例3 本実験例においては、末端にカルボキシル基を有するパ
ーフルオロポリエーテルとジアミンとの化合物及び部分
フッ化カルボン酸アルキルエステルを含有する潤滑剤を
使用した場合の効果を以下のようにして確認した。
【0177】(サンプルの作製) 1.末端にカルボキシル基を有するパーフルオロポリエ
ーテルとジアミンとの化合物の合成 先ず、末端にカルボキシル基を有するパーフルオロポリ
エーテルF(CF2 CF2CF2O )nCF2CF2−CO
OH(分子量:1700、但し、化学式中nは1以上の
整数を表す。)20gを丸底フラスコに量り取り、1,
4−ジアミノブタン0.52gを加えた。次いで、50
℃に加熱溶解し、十分に攪拌して均一にした後、冷却し
て、末端にカルボキシル基を有するパーフルオロポリエ
ーテルとジアミンとの化合物(パーフルオロポリエーテ
ルジアミン塩)を得た。なお、ここで、このパーフルオ
ロポリエーテルジアミン塩を化合物11と称する。
【0178】次に、上記化合物11と同様な合成方法に
よって、下記表9に示すような末端にカルボキシル基を
有するパーフルオロポリエーテルとジアミンとの化合物
である4種類の化合物12〜化合物15を合成した。な
お、表9中p、q、nは、1以上の整数をそれぞれ表
す。
【0179】
【表9】
【0180】2.サンプルテープの作製 次に、前述の実験例1と同様にして、非磁性支持体上に
磁性層となる強磁性金属薄膜、保護膜となるカーボン保
護膜を形成し、バックコート層も形成した。
【0181】次に、前述の実験例1と同様にして、カー
ボン保護膜表面に、下記表10に示されるような潤滑剤
をヘキサン溶媒に溶解したものを、塗布量が5mg/m
2となるようにそれぞれ塗布して13種類の磁気記録媒
体を得た。そして、これら13種類の磁気記録媒体をそ
れぞれ6.35mm幅に裁断し、実施例17〜実施例2
4及び比較例11〜比較例15の13種類のサンプルテ
ープを作製した。
【0182】なお、比較例13〜比較例15は、潤滑剤
のうちの部分フッ化カルボン酸アルキルエステルが不飽
和結合を有するものである。即ち、本実施例の部分フッ
化カルボン酸アルキルエステルは、二重結合等の不飽和
結合を有さないものであるが、一方、比較例13〜比較
例15の潤滑剤として用いられている部分フッ化カルボ
ン酸アルキルエステルは、表10に示す化学式から明ら
かなように、二重結合を有している。
【0183】
【表10】
【0184】3.特性の評価 次に、上記実施例17〜実施例24と比較例11〜比較
例15の13種類のサンプルテープの特性を評価した。
ここでは、耐久性と走行性を評価することとし、具体的
には摩擦係数とスチル耐久性、シャトル耐久性を前述の
実験例1と同様にして評価した。
【0185】なお、これらの評価は、前述の実験例1と
同様に潤滑剤を塗布した直後と、各サンプルテープを温
度45℃、湿度80%RHの環境下で1ヶ月間保存した
後に行った。潤滑剤を塗布した直後の初期の耐久性及び
走行性の結果を表7、1ヶ月間保存した後の保存後の耐
久性及び走行性の結果を表8に示す。
【0186】
【表11】
【0187】
【表12】
【0188】表11及び表12の結果から、末端にカル
ボキシル基を有するパーフルオロポリエーテルとジアミ
ンとの化合物及び部分フッ化カルボン酸アルキルエステ
ルを組み合わせた潤滑剤を使用した実施例17〜実施例
24においては、何れも高温多湿、高温低湿或いは低温
等の様々な使用条件下において摩擦係数やスチル耐久
性、シャトル耐久性の劣化が極めて少なく、非常に良好
な結果が得られていることがわかた。
【0189】一方、末端にカルボキシル基を有するパー
フルオロポリエーテルとジアミンとの化合物のみを含有
する潤滑剤、或いは、末端にカルボキシル基を有するパ
ーフルオロポリエーテルとジアミンとの化合物と不飽和
結合を含む部分フッ化カルボン酸アルキルエステルとを
組み合わせた比較例11〜比較例15は、何れも高温多
湿、高温低湿或いは低温等の様々な使用条件下において
摩擦係数やスチル耐久性、シャトル耐久性の劣化が大き
く、良好な結果が得られないことがわかった。
【0190】以上の結果から、末端にカルボキシル基を
有するパーフルオロポリエーテルとジアミンとの化合物
と、部分フッ化カルボン酸アルキルエステルとを組み合
わせた潤滑剤を用いることにより、潤滑剤が如何なる使
用条件下においても密着性や潤滑性が保たれ、且つ長期
に亘り潤滑効果が持続するため、磁気記録媒体の良好な
走行性及び耐久性が得られることが確認された。
【0191】また、実施例17〜実施例24及び比較例
13〜比較例15の比較結果から、特に、不飽和結合を
有しない部分フッ化カルボン酸アルキルエステルを用い
ることにより、長期保存後も初期の特性を維持させるこ
とができるとわかった。
【0192】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明に係
る磁気記録媒体は、最外層に潤滑剤が保持されるもので
あり、この潤滑剤として、如何なる使用条件下において
も密着性や潤滑性が好適に保たれ且つ長期に至り潤滑効
果を持続する特性を有する化合物を特定して使用するも
のである。
【0193】よって、本発明に係る磁気記録媒体によれ
ば、密着性や潤滑性に優れた潤滑剤を最外層に用いるた
め、優れた走行性及び耐久性を兼ね備えたものとなる。
【0194】また、本発明に係る磁気記録媒体において
は、磁性層を強磁性金属薄膜としていることから、高密
度記録、長時間記録にも十分対応可能であり、最外層と
なる保護膜としてカーボンよりなるものを形成すること
により、用いられる潤滑剤がカーボン保護膜との密着性
に優れているので、耐久性の更なる向上を実現すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した磁気記録媒体の一例を示す断
面図である。
【図2】磁性層を形成する際に用いる真空蒸着装置の一
例を示す断面図である。
【図3】保護膜を形成する際に用いるマグネトロンスパ
ッタ装置の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 磁気記録媒体、 2 非磁性支持体、 3 磁性
層、 4 保護膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C10N 40:18 (72)発明者 谷田貝 洋 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 Fターム(参考) 4H104 BD07A BD07R BE01A BE01R LA03 PA16 5D006 AA01 AA02 AA06 BB01 FA02 FA05 FA06 FA07 5D112 AA05 AA07 AA11 AA22 BC02 BC05

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性支持体上に少なくとも磁性層が形
    成されてなる磁気記録媒体において、 下記化1で示される末端にカルボキシル基を有するパー
    フルオロポリエーテルとアミンとの化合物及び下記化2
    にて示される部分フッ化カルボン酸アルキルエステルを
    含有する潤滑剤が最外層に保持されてなることを特徴と
    する磁気記録媒体。 【化1】 【化2】
  2. 【請求項2】 上記末端にカルボキシル基を有するパー
    フルオロポリエーテルとアミンとの化合物と、上記部分
    フッ化カルボン酸アルキルエステルとの混合比が、重量
    比で10:90〜90:10であることを特徴とする請
    求項1記載の磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】 上記磁性層が、強磁性金属薄膜よりなる
    ことを特徴とする請求項1記載の磁気記録媒体。
  4. 【請求項4】 上記磁性層上に最外層として保護膜が形
    成されていることを特徴とする請求項1記載の磁気記録
    媒体。
  5. 【請求項5】 上記保護膜がカーボンよりなることを特
    徴とする請求項4記載の磁気記録媒体。
  6. 【請求項6】 非磁性支持体上に少なくとも磁性層が形
    成されてなる磁気記録媒体であって、 下記化3で示される末端にカルボキシル基を有するパー
    フルオロポリエーテルとアミンとの化合物及び下記化4
    にて示される部分フッ化カルボン酸アルキルエステルを
    含有する潤滑剤が最外層に保持されてなることを特徴と
    する磁気記録媒体。 【化3】 【化4】
  7. 【請求項7】 上記末端にカルボキシル基を有するパー
    フルオロポリエーテルとアミンとの化合物と、上記部分
    フッ化カルボン酸アルキルエステルとの混合比が、重量
    比で10:90〜90:10であることを特徴とする請
    求項6記載の磁気記録媒体。
  8. 【請求項8】 上記磁性層が、強磁性金属薄膜よりなる
    ことを特徴とする請求項6記載の磁気記録媒体。
  9. 【請求項9】 上記磁性層上に最外層として保護膜が形
    成されていることを特徴とする請求項6記載の磁気記録
    媒体。
  10. 【請求項10】 上記保護膜がカーボンよりなることを
    特徴とする請求項9記載の磁気記録媒体。
  11. 【請求項11】 非磁性支持体上に少なくとも磁性層が
    形成されてなる磁気記録媒体であって、 下記化5で示される末端にカルボキシル基を有するパー
    フルオロポリエーテルとジアミンとの化合物及び下記化
    6にて示される部分フッ化カルボン酸アルキルエステル
    を含有する潤滑剤が最外層に保持されてなることを特徴
    とする磁気記録媒体。 【化5】 【化6】
  12. 【請求項12】 上記末端にカルボキシル基を有するパ
    ーフルオロポリエーテルとジアミンとの化合物と、上記
    部分フッ化カルボン酸アルキルエステルとの混合比が、
    重量比で10:90〜90:10であることを特徴とす
    る請求項11記載の磁気記録媒体。
  13. 【請求項13】 上記磁性層が、強磁性金属薄膜よりな
    ることを特徴とする請求項11記載の磁気記録媒体。
  14. 【請求項14】 上記磁性層上に最外層として保護膜が
    形成されていることを特徴とする請求項11記載の磁気
    記録媒体。
  15. 【請求項15】 上記保護膜がカーボンよりなることを
    特徴とする請求項14記載の磁気記録媒体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20040023455A (ko) * 2002-09-11 2004-03-18 나노바이오주식회사 나노 입자 크기의 은이 함유된 합성수지 및 실리콘

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KR20040023455A (ko) * 2002-09-11 2004-03-18 나노바이오주식회사 나노 입자 크기의 은이 함유된 합성수지 및 실리콘

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