JP2001014642A - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JP2001014642A
JP2001014642A JP18256899A JP18256899A JP2001014642A JP 2001014642 A JP2001014642 A JP 2001014642A JP 18256899 A JP18256899 A JP 18256899A JP 18256899 A JP18256899 A JP 18256899A JP 2001014642 A JP2001014642 A JP 2001014642A
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protective film
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carboxylic acid
magnetic
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Hiroshi Yatagai
洋 谷田貝
Hiroyuki Osaki
博之 大崎
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 長期に亘り潤滑効果が持続する潤滑剤を用い
るとともに、保護膜と潤滑剤との密着安定性性を高める
ことにより、優れた走行性及び耐久性を実現する。 【解決手段】 非磁性支持体2と、非磁性支持体2上に
形成された磁性層3と、磁性層3上に形成され、表面が
芳香族アミンによってトップコートされてなる保護膜4
とを備え、末端に水酸基を有するパーフルオロポリエー
テルと長鎖カルボン酸とのエステル化合物及び分岐カル
ボン酸パーフルオロアルキルモノエステルを含有する潤
滑剤が最外層に保持されてなることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非磁性支持体上
に、真空薄膜形成技術により強磁性金属薄膜が磁性層と
して形成されてなる磁気記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、磁気記録媒体としては、酸化物磁
性粉末や合金磁性粉末等の強磁性粉末と結合剤と、有機
溶剤等よりなる磁性塗料を非磁性支持体上に塗布するこ
とで磁性層が形成される、いわゆる塗布型の磁気記録媒
体が広く使用されている。
【0003】これに対し、高密度記録、長時間記録への
要求の高まりとともに、Co、Co−Ni合金、Co−
Cr合金、Co−O等の強磁性金属磁性材料をめっきや
真空薄膜形成技術(真空蒸着法、スパッタリング法、イ
オンプレーティング法等)によってポリエステルフィル
ムやポリイミドフィルム等の非磁性支持体上に直接被着
させることで磁性層が形成される、いわゆる強磁性金属
薄膜型の磁気記録媒体が使用されてきている。そして、
このような強磁性金属薄膜型の磁気記録媒体は、民生用
コンスーマービデオフォーマット(8ミリHi−8方
式、DV方式)或いは業務用ビデオフォーマット(DV
CAM)等において幅広く実用化されている。
【0004】この強磁性金属薄膜型の磁気記録媒体は、
塗布型の磁気記録媒体に比べて抗磁力、角形比等の磁気
特性に優れ、短波長領域での電磁変換特性に優れるばか
りでなく、磁性層の厚みを極めて薄くすることが可能で
あるため、記録減磁や再生時の厚み損失が著しく小さい
こと、磁性層中に非磁性材料である結合剤等を混入する
必要がないことから、磁性材料の充填密度を高めること
が可能である等、数々の利点を有している。
【0005】一般に、磁気記録媒体は、磁気信号の記録
・再生の過程で磁気ヘッドとの高速相対運動のもとにお
かれ、その際走行が円滑に、かつ安定な状態で行われな
ければならない。また、磁気ヘッドとの接触による磨耗
や損傷はなるべく少ないほうがよい。
【0006】しかしながら、上述の強磁性金属薄膜型の
磁気記録媒体では、磁性層表面の平滑性が極めて良好で
あるために、実質的な磁気ヘッドとの接触面積が大きく
なることから、凝着現象、いわゆるハリツキが起こり易
くなったり、摩擦係数が大きくなり、耐久性や走行性等
に欠点が多く、それらの改善が大きな課題となってい
る。
【0007】そこで、例えば、上記磁気記録媒体の磁性
層、すなわち強磁性金属薄膜表面に潤滑剤を塗布して、
耐久性や走行性を改善することが試みられている。この
ような用途に使用される潤滑剤としては、例えば、有機
フッ素化合物が有効であることが知られている。
【0008】特に、特開平05−194970号公報等
には、末端に水酸基或いはカルボキシル基を有するパー
フルオロポリエーテルのエステル化合物等を潤滑剤に用
いることにより、如何なる使用条件下でも良好な潤滑効
果を発揮する磁気記録媒体が開示されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記強磁性
金属薄膜型の磁気記録媒体においては、より優れた耐久
性を確保する為に、強磁性金属薄膜上にカーボン保護膜
を形成する技術が確立されている。そして、前述のコン
スーマービデオフォーマットであるDVC用テープ、或
いは業務用ビデオフォーマットであるDVCAM用テー
プ、更にはテープストリーマ用途であるAIT用テープ
等に用いられる強磁性金属薄膜型の磁気記録媒体として
は、強磁性金属薄膜の上にカーボン保護膜が形成された
磁気記録媒体が実用化されている。このようなカーボン
保護膜の実用化により、耐久性の確保は充分となり、今
後の強磁性金属薄膜型の磁気記録媒体においては、この
カーボン保護膜の存在が不可欠になると思われる。
【0010】上記カーボン保護膜はDLC(diamond li
ke carbon)膜とも呼ばれ、マグネトロンスパッタ法、
イオンビームスパッタ法等のPVD(Physical Vapor D
eposition)法や、CVD(Chemical Vapor Depositio
n)法等によって形成される。
【0011】ここで、CVD法によりカーボン保護膜を
形成する場合、PVD法によりカーボン保護膜を形成す
る場合に比較して、高速成膜が可能であること、被覆率
が高いこと、及び省電力、省エネルギーであるといった
利点を有している。すなわち、CVD法によりカーボン
保護膜を形成することにより、高速成膜が可能となり生
産性が向上する。また、カーボン保護膜の高い被覆率に
より、磁性薄膜層の耐食性や耐錆性が改善される。さら
に、省電力、省エネルギーにより地球環境に与える影響
を少なくすることができる。
【0012】しかしながら、CVD法によるカーボン保
護膜は、PVD法によるカーボン保護膜と比較して、表
面のエネルギーが小さい。そのため、上述したように、
磁気記録媒体の耐久性や走行性を改善するべく、潤滑剤
を使用しようとすると、潤滑剤とカーボン保護膜との吸
着性が弱く、安定且つ良好な潤滑効果が発揮されない。
そのため、カーボン保護膜の存在を考慮した潤滑剤の設
計が必要となる。
【0013】そこで、本発明は、このような実情に鑑み
て提案されたものであり、長期に亘り潤滑効果が持続す
る潤滑剤を用いるとともに、保護膜と潤滑剤との密着安
定性性を高めることにより、優れた走行性及び耐久性を
実現した磁気記録媒体を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明に係る磁気記録媒
体は、非磁性支持体と、上記非磁性支持体上に形成され
た磁性層と、上記磁性層上に形成され、表面が芳香族ア
ミンによってトップコートされてなる保護膜とを備え、
下記化5で示される末端に水酸基を有するパーフルオロ
ポリエーテルと長鎖カルボン酸とのエステル化合物及び
下記化6で示される分岐カルボン酸パーフルオロアルキ
ルモノエステルを含有する潤滑剤が最外層に保持されて
なることを特徴とする。
【0015】
【化5】
【0016】
【化6】
【0017】上述したような本発明に係る磁気記録媒体
では、上記保護膜の表面が芳香族アミンによってトップ
コートされてなる保護膜を備えているので、保護膜と潤
滑剤との密着性が向上する。さらに、本発明に係る磁気
記録媒体では、上記化5で示される化合物と上記化6で
示される化合物とを含有する潤滑剤が最外層に保持され
ているので、如何なる使用条件下においても密着性や潤
滑性が好適に保たれ、長期に至って良好な走行性及び耐
久性が確保される。
【0018】また、本発明に係る磁気記録媒体は、非磁
性支持体と、上記非磁性支持体上に形成された磁性層
と、上記磁性層上に形成され、表面が芳香族アミンによ
ってトップコートされてなる保護膜とを備え、下記化7
で示される末端にカルボキシル基を有するパーフルオロ
ポリエーテルと長鎖アルコールとのエステル化合物及び
下記化8で示される分岐カルボン酸パーフルオロアルキ
ルモノエステルを含有する潤滑剤が最外層に保持されて
なることを特徴とする。
【0019】
【化7】
【0020】
【化8】
【0021】上述したような本発明に係る磁気記録媒体
では、表面が芳香族アミンによってトップコートされて
なる保護膜を備えているので、保護膜と潤滑剤との密着
性が向上する。さらに、本発明に係る磁気記録媒体で
は、上記化7で示される化合物と上記化8で示される化
合物とを含有する潤滑剤が最外層に保持されているの
で、如何なる使用条件下においても密着性や潤滑性が好
適に保たれ、長期に至って良好な走行性及び耐久性が確
保される。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る磁気記録媒体
の実施の形態について詳細に説明する。
【0023】〈第1の実施の形態〉図1に、本実施の形
態に係る磁気記録媒体の一例の断面図を示す。
【0024】この磁気記録媒体1は、図1に示すよう
に、非磁性支持体2上に磁性層3として強磁性金属薄膜
が形成され、この磁性層3上に最外層として保護膜4が
形成されてなる。
【0025】非磁性支持体2としては、例えば、ポリエ
チレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等の
ポリエステル類、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポ
リオレフィン類、セルローストリアセテート、セルロー
スダイアセテート等のセルロース誘導体、ポリ塩化ビニ
ル、ポリ塩化ビニリデン等のビニル系樹脂、ポリカーボ
ネート、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド等
のプラスチック、アルミニウム合金、チタン合金等の軽
金属、ガラス等のセラミックス等が挙げられる。さら
に、この非磁性支持体2の形態としては、フィルム、シ
ート、ディスク、カード、ドラム等の何れの形態でもよ
い。
【0026】また、非磁性支持体2は、その表面に山状
突起やしわ状突起、粒状突起等の突起が1種以上形成さ
れ、表面粗さがコントロールされたものでも良い。
【0027】具体的には、上記山状突起は、例えば、高
分子フィルム製膜時に粒径50nm〜300nm程度の
無機微粒子を内添させることにより形成され、高分子フ
ィルム表面からの高さが10nm〜100nm、密度が
約1×104個/mm2〜1×105 個/mm2とする。
この山状突起を形成するための無機微粒子としては、例
えば、炭酸カルシウム、シリカ、アルミナ等が好適であ
る。
【0028】上記しわ状突起は、例えば、特定の混合溶
媒を用いた樹脂の希薄溶液を塗布乾燥させることにより
形成される突起であって、その高さが0.01μm〜1
0μm、好ましくは0.03μm〜0.5μm、突起間
の最短間隔が0.1μm〜20μmとする。
【0029】このしわ状突起を形成するための樹脂とし
ては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチ
レンナフタレート等のポリエステル、ポリアミド、ポリ
スチロール、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポ
リスルホン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポ
リビニルブチラール、ポリフェニレンオキサイド、フェ
ノキシ樹脂等の単体、混合体または共重合体であり、可
溶性溶剤を有するものが適している。そして、これらの
樹脂をその良溶媒に樹脂濃度1ppm〜1000ppm
で溶解させた溶液に、その樹脂の貧溶媒であって前記良
溶媒より高い沸点を有する溶媒を樹脂に対して10倍量
〜100倍量添加した溶液を、高分子フィルムの表面に
塗布・乾燥させることにより、非常に微細なしわ状突起
を有する薄膜を形成することができる。
【0030】上記粒状突起は、アクリル樹脂等の有機超
微粒子またはシリカ、金属粉等の無機微粒子を球状ある
いは半球状に付着させることにより形成される。この粒
状突起の高さは、5nm〜50nm、密度は1×106
個/mm2〜5×107個/mm2程度とする。
【0031】これらの突起の少なくとも1種以上を形成
することにより、磁性層3である強磁性金属薄膜の表面
性を制御することが可能であるが、2種以上を組み合わ
せることにより効果が増し、特に、山状突起を設けた非
磁性支持体2上にしわ状突起と粒状突起を形成すると、
耐久性や走行性が著しく改善される。この場合、突起全
体としての高さは、10nm〜200nmの範囲内であ
ることが好ましく、その密度は1×105個/mm2〜1
×107個/mm2であることが好ましい。
【0032】また、上記磁性層3となる強磁性金属薄膜
としては、例えば、Fe、Co、Ni等の金属の他に、
Co−Ni合金、Co−Pt合金、Co−Ni−Pt合
金、Fe−Co合金、Fe−Ni合金、Fe−Co−N
i合金、Fe−Co−B合金、Co−Ni−Fe−B合
金、Co−Cr合金或いはこれらにCr、Al等の金属
が含有された強磁性金属材料よりなるものが挙げられ
る。特に、Co−Cr合金を使用した場合には、垂直磁
化膜が形成される。
【0033】そして、上記磁性層3である強磁性金属薄
膜は、真空蒸着法やイオンプレーティング法、スパッタ
リング法等の真空薄膜形成技術により連続膜として形成
される。
【0034】上記真空蒸着法は、1×10-2Pa〜1×
10-6Paの真空下で強磁性金属材料を抵抗加熱、高周
波加熱、電子ビーム加熱等により蒸発させ、非磁性支持
体2上に蒸発金属(強磁性金属材料)を沈着させるもの
であり、一般に高い抗磁力を得るために非磁性支持体2
に対して上記強磁性金属材料を斜めに蒸着する斜方蒸着
が用いられる。さらに、より高い抗磁力を得るために酸
素雰囲気中で上記蒸着を行うものも含まれる。
【0035】上記イオンプレーティング法も真空蒸着法
の1種であり、1×10-2Pa〜1×10-1Paの不活
性ガス雰囲気中でDCグロー放電、RFグロー放電を起
こして、放電中で上記磁性金属材料を蒸発させるという
ものである。
【0036】上記スパッタリング法は、1×10-1Pa
〜1×10Paのアルゴンガスを主成分とする雰囲気中
でグロー放電を起こし、生じたアルゴンガスイオンでタ
ーゲット表面の原子をたたき出すというものであり、グ
ロー放電の方法により直流2極、3極スパッタ法や、高
周波スパッタ法、またはマグネトロン放電を利用したマ
グネトロンスパッタ法等がある。このスパッタリング法
による場合には、CrやW、V等の下地膜を形成してお
いてもよい。
【0037】なお、上記いずれの方法においても、非磁
性支持体2上に予めBi,Sb,Pb,Sn,Ga,I
n,Cd,Ge,Si,Tl等の下地金属層を被着形成
しておき、その非磁性支持体2の表面に対して垂直方向
から成膜することにより、磁気異方性の配向がなく、面
内等方性に優れた磁性層3を形成することができ、磁気
記録媒体1を、例えば磁気ディスクとする場合には好適
である。また、このような手法により形成される強磁性
金属薄膜の膜厚は、0.01μm〜1μmであるのが好
ましい。
【0038】保護膜4は、カーボンからなり、磁性層3
となる強磁性金属薄膜上に形成される。特に、保護膜4
として、比較的硬度の高いダイヤモンドライクカーボン
よりなるものが好ましく例示される。
【0039】この保護膜4は、CVD法等により形成さ
れる。CVD法によって保護膜4を形成する場合には、
例えば、真空容器中に炭化水素ガス、あるいは炭化水素
と不活性ガスとの混合ガスを導入し、10Pa〜100
Pa程度の圧力に保持した状態で、真空容器内に放電さ
せて、炭化水素ガスのプラズマを発生させ、強磁性金属
薄膜上に保護膜4を形成する。
【0040】放電形式としては、外部電極方式、内部電
極方式のいずれでもよく、放電周波数については、実験
的に決めることができる。また、強磁性金属薄膜が形成
された非磁性支持体2側に配された電極に0〜−3kV
の電圧を印加することにより、保護膜4の硬度の増大及
び密着性を向上させることができる。
【0041】保護膜4の材料となる上記炭化水素として
は、例えば、メタン、エタン、プロパン、ブタン、ペン
タン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、エチレン、アセ
チレン、プロペン、ブテン、ペンテン、ベンゼンなどを
用いることができる。
【0042】この保護膜4は、スペーシングロスを少な
くかつ、強磁性金属薄膜の磨耗防止の効果を得られるよ
う、その厚さが3nm〜15nm程度、特に5nm〜1
0nm程度であることが好ましい。
【0043】また、この保護膜4の表面には、芳香族ア
ミンがトップコートされている。具体的に、芳香族アミ
ンとしては、アニリン、N,N−ジメチルアニリン、o
−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、チミ
ルアミン、ペンタクロロアニリン、ペンタメチルアニリ
ン、1−ナフチルアミン、2−ナフチルアミン、1,2
−ナフタレンジアミン、1,3−ナフタレンジアミン、
1,4−ナフタレンジアミン、1,5−ナフタレンジア
ミン、1,7−ナフタレンジアミン、2,3−ナフタレ
ンジアミン、1,2,3,4−テトラヒドロ−1−ナフ
チルアミン、5,6,7,8−テトラヒドロ−1−ナフ
チルアミン、5,6,7,8−テトラヒドロ−2−ナフ
チルアミン等を挙げることができる。
【0044】このような芳香族アミンの塗布量として
は、保護膜4の表面における酸化度合いに依存して決定
されることが好ましい。具体的な塗布量としては、0.
05mg/m2〜100mg/m2であることが好まし
く、更に、0.1mg/m2〜50mg/m2であること
がより好ましい。
【0045】そして、特に、磁気記録媒体1において
は、最外層となる保護膜4上に芳香族アミンからなるト
ップコートを介して下記化9で示される末端に水酸基を
有するパーフルオロポリエーテルと長鎖カルボン酸との
エステル化合物と、下記化10にて示される分岐カルボ
ン酸パーフルオロアルキルモノエステルを含有する潤滑
剤が保持されている。
【0046】
【化9】
【0047】
【化10】
【0048】このような化9に示される化合物及び化1
0に示される化合物を有する潤滑剤は、如何なる使用条
件下においても密着性や潤滑性が好適に保たれ、且つ長
期に至り潤滑効果を持続する特性を有するものである。
【0049】上記化9に示す末端に水酸基を有するパー
フルオロポリエーテルと長鎖カルボン酸とのエステル化
合物は、例えば、末端に水酸基を有するパーフルオロポ
リエーテルと長鎖カルボン酸クロリドとを、トルエン中
で塩基を触媒として反応させることによって得られる。
【0050】ここで、上記末端に水酸基を有するパーフ
ルオロポリエーテルとしては、水酸基を両末端に有する
ものが好ましく、例えば、HO−CH2CF2(OC
24p(OCF2qOCF2CH2−OH(但し、化学
式中のp,qはいずれも1以上の整数を表す。)等が挙
げられる。上記の末端に水酸基を有するパーフルオロポ
リエーテルは、勿論、これらに限定されるわけではな
い。
【0051】また、上記末端に水酸基を有するパーフル
オロポリエーテルの分子量は、特に制約されるものでは
ないが、実用的には600〜5000程度が好ましい。
分子量が大きすぎると、末端基の吸着基としての効果が
薄れると同時に、パーフルオロポリエーテル鎖が大きく
なる分、既存の炭化水素系溶媒に溶解しにくくなる。逆
に、分子量が小さすぎると、パーフルオロポリエーテル
鎖による潤滑効果が失われてしまう。
【0052】なお、この末端に水酸基を有するパーフル
オロポリエーテルにおいては、パーフルオロポリエーテ
ル鎖が部分水素化されてもよい。すなわち、パーフルオ
ロポリエーテル鎖のフッ素原子の一部(50%以下)を
水素原子で置換してもよい。この場合には、パーフルオ
ロポリエーテルとして部分水素化したパーフルオロポリ
エーテルを使用すればよい。
【0053】一方、上記長鎖カルボン酸クロリドとして
は、市販品、或いは合成品何れも使用可能である。この
ように、末端に水酸基を有するパーフルオロポリエーテ
ルと長鎖カルボン酸クロリドとを反応させて合成され
る、末端に水酸基を有するパーフルオロポリエーテルと
長鎖カルボン酸とのエステル化合物が、上記化9に示す
化合物である。
【0054】ここで、上記長鎖カルボン酸、つまり合成
材料の長鎖カルボン酸クロリドのカルボン酸部分は、カ
ルボン酸基を有する任意の構造で良く、例えば、分岐構
造、異性体構造、脂環構造、不飽和結合の有無によらず
選択することができる。また、この長鎖カルボン酸は、
分子量に関しても任意であるが、分子量が小さくなるに
伴って通常の炭化水素系の有機溶媒に溶解し難くなるこ
とから、少なくともアルキル基の炭素数が10以上であ
ることが好ましい。
【0055】また、上述したように、本発明に用いられ
る潤滑剤には、上記化9に示すエステル化合物の他に、
上記化10に示される分岐カルボン酸パーフルオロアル
キルモノエステルが含有される。
【0056】上記化10に示される分岐カルボン酸パー
フルオロアルキルモノエステル中におけるRI,RII
炭素数の合計数は6〜30であることが好ましい。
I,RIIの炭素数の合計数は6未満であると潤滑効果
が乏しく、スチル耐久性に効果がなく、RI,RIIの炭
素数の合計数が30を越えると、有機溶媒への溶解性が
小さくなり、均一な潤滑剤塗布層を形成するのが難し
い。さらに、m,nは、m≧2,n≧4且つm+n≦3
0を満足する整数であることが好ましい。m<2では化
合物が合成不可能であり、n<4では潤滑効果が乏し
い。また、m+n>30となると有機溶媒への溶解性が
小さくなる。
【0057】また、上記化10に示す分岐カルボン酸パ
ーフルオロアルキルモノエステルは、化10中のRI
IIに示される基が不飽和結合を有さない。RI,RII
に示される基が不飽和結合を有すると、耐久性が劣化す
るためである。よって、化10中のRI,RIIは、不飽
和結合を有さない炭化水素、つまりアルキル基である必
要がある。
【0058】上記分岐カルボン酸パーフルオロアルキル
モノエステルは、部分フッ化アルコールと分岐カルボン
酸とをほぼ等モル量で反応させることによって合成する
ことができる。反応式は以下のようになる。
【0059】先ず、化11に示す付加反応及び化12に
示す還元反応を経て、部分フッ化アルコールが合成され
る。
【0060】
【化11】
【0061】
【化12】
【0062】次に、このように合成された部分フッ化ア
ルコールと分岐カルボン酸とが化13に示す反応を経
て、分岐カルボン酸がエステル化されて、最終的に、分
岐カルボン酸パーフルオロアルキルモノエステルが合成
される。
【0063】
【化13】
【0064】なお、ここで重要なのは、カルボン酸パー
フルオロアルキルエステルが分岐構造を有することであ
る。この分岐構造により炭素数が同一のカルボン酸エス
テルにおいて、エステルの融点を下げることが可能であ
り、滑剤析出、滑剤塗りムラ等の問題を改善することが
できる。さらに、上記分岐カルボン酸パーフルオロアル
キルモノエステルが全て不飽和結合を含まないアルキル
基からなることにより、長期間の保存においても初期の
潤滑特性を維持することができる。
【0065】ここで、磁気記録媒体1に使用される潤滑
剤においては、化9に示す末端に水酸基を有するパーフ
ルオロポリエーテルと長鎖カルボン酸とのエステル化合
物と、化10に示す分岐カルボン酸パーフルオロアルキ
ルモノエステルとの混合比は、重量比で10:90〜9
0:10であるのが好ましい。上記範囲を超えると、本
発明による効果を得ることが難しい。
【0066】また、磁気記録媒体1において潤滑剤を最
外層に保持させる方法としては、保護膜4の表面に潤滑
剤をトップコートする方法が挙げられる。ここで、その
塗布量は、0.05mg/m2〜100mg/m2である
のが好ましく、0.1mg/m2〜50mg/m2である
のがより好ましい。この塗布量があまり少なすぎると、
摩擦係数の低下、耐磨耗性及び耐久性の向上という効果
が表れず、また、この塗布量があまり多すぎると、摺動
部材と強磁性金属薄膜との間でハリツキ現象が起こり、
却って走行性が悪くなる。
【0067】以上のように、本実施の形態に係る磁気記
録媒体1は、上述したような、密着性や潤滑性の点で非
常に優れた特性の潤滑剤の組み合わせを特定して用いて
いるので、良好な走行性及び耐久性が確保されたものと
なる。
【0068】また、この磁気記録媒体1においては、最
外層として、カーボンよりなる保護膜4が形成されてい
るとともに、その表面に芳香族アミンがトップコートさ
れているので、用いられる潤滑剤と、保護膜4との密着
性が向上し、更に良好な耐久性を実現することができ
る。
【0069】また、この磁気記録媒体1においては、磁
性層3を強磁性金属薄膜としていることから、高密度記
録、長時間記録にも十分対応可能である。
【0070】さらに、本発明の磁気記録媒体1において
は、非磁性支持体2上の上記磁性層3が形成される面と
は反対側の面に、いわゆるバックコート層を形成しても
良い。このバックコート層は、結合剤樹脂と粉末成分と
を有機溶媒に混合分散させたバックコート用塗料を非磁
性支持体2に塗布することにより形成される。
【0071】ここで、バックコート用塗料に使用される
結合剤樹脂としては、例えば、塩化ビニル−酢酸ビニル
系共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩
化ビニル−アクリロニトリル共重合体、アクリル酸エス
テル−アクリロニトリル共重合体、熱可塑性ポリウレタ
ンエラストマー、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共
重合体、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、ポリ
アミド樹脂、ポリビニルブチラール、セルロース誘導
体、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹
脂、ポリウレタン硬化型樹脂、メラミン樹脂、アルキッ
ド樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ−ポリアミド樹脂、
ニトロセルロース−メラミン樹脂、高分子量ポリエステ
ル樹脂とイソシアネートプレポリマーの混合物、メタク
リル酸塩共重合体とジイソシアネートプレポリマーの混
合物、ポリエステルポリオールとポリイソシアネートと
の混合物、尿素ホルムアルデヒド樹脂、低分子量グリコ
ール/高分子量ジオール/トリフェニルメタントリイソ
シアネートとの混合物、ポリアミン樹脂及びこれらの混
合物等が挙げられる。
【0072】あるいは、粉末成分の分散性の改善を図る
ために、親水性極性基を有する結合剤樹脂を使用しても
よい。
【0073】一方、上記粉末成分としては、導電性を付
与するためのカーボン系微粉末や表面粗度のコントロー
ル及び耐久性向上のために添加される無機顔料が挙げら
れる。上記カーボン系微粒子としては、例えば、ファー
ネスカーボン、チャネルカーボン、アセチレンカーボ
ン、サーマルカーボン、ランプカーボン等が例示され、
上記無機顔料としては、α−FeOOH、α−Fe
23、Cr23、TiO2、ZnO、SiO、SiO2
SiO2・2H2O、Al23、CaCO3、MgCO3
Sb23等が挙げられる。
【0074】さらに、上記バックコート用塗料の有機溶
剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、
メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン
系溶剤、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エ
チル、酢酸グリコールモノエチルエーテル等のエステル
系溶剤、グリコールジメチルエーテル、グリコールモノ
エチルエーテル、ジオキサン等のグリコールエーテル系
溶剤、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水
素系溶剤、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素溶
媒、メチレンクロライド、エチレンクロライド、四塩化
炭素、クロロホルム、エチレンクロロヒドリン、ジクロ
ルベンゼン等の塩素化炭化水素系溶媒等、汎用の溶剤を
用いることができる。
【0075】さらに、上記のバックコート層には潤滑剤
を併用してもよい。この場合、上記バックコート層中に
潤滑剤を内添する方法、あるいはバックコート層上に潤
滑剤を被着する方法がある。いずれにしても、上記潤滑
剤としては、脂肪酸、脂肪酸エステル、脂肪酸アミド、
金属石鹸、脂肪族アルコール、シリコーン系潤滑剤等、
従来周知の潤滑剤が使用できる。
【0076】以上のような本実施の形態に係る磁気記録
媒体1は、つぎのようにして作製される。
【0077】先ず、非磁性支持体2上に、例えば真空蒸
着法により磁性層3となる強磁性金属薄膜を形成する。
その後、この磁性層3上に、例えばプラズマCVD法に
より保護膜4を形成する。さらに、この保護膜4の表面
に対して芳香族アミンによるトップコートを行う。そし
て、この保護膜4上に、上述の潤滑剤を塗布して保護膜
に潤滑剤を保持させて、磁気記録媒体1が得られる。な
お、必要に応じてバックコート層等を形成しても勿論構
わない。
【0078】詳しくは、上記磁性層を形成する真空蒸着
装置としては、図2に示すような連続巻き取り式の真空
蒸着装置が挙げられる。
【0079】この真空蒸着装置は、いわゆる斜方蒸着用
として構成され、内部が例えば1×10-3Pa程度の真
空にされた真空室11内に、例えば−20℃程度に冷却
され、図中矢印Aで示すように反時計回り方向に回転す
る冷却キャン12と、これに対向するように強磁性金属
薄膜用の蒸着源13が配置されてなるものである。
【0080】また、この真空蒸着装置においては、真空
室11内に、図中の反時計回り方向に回転する供給ロー
ル14と図中の反時計回り方向に回転する巻き取りロー
ル15も配設されており、非磁性支持体16は供給ロー
ル14から図中矢印Bで示す方向に繰り出され、冷却キ
ャン12の周面に沿って走行した後、巻き取りロール1
5に巻き取られる。
【0081】なお、供給ロール14と冷却キャン12と
の間、及び冷却キャン12と巻き取りロール15との間
にはそれぞれガイドローラー17、18が配置され、供
給ロール14から冷却キャン12、及びこの冷却キャン
12から巻き取りロール15に従って走行する非磁性支
持体16に所定のテンションをかけ、非磁性支持体16
が円滑に走行するようになされている。
【0082】上記蒸着源13は坩堝等の容器にCo等の
強磁性金属材料が収容されたものであり、この真空蒸着
装置においては、この蒸着源13の強磁性金属材料を加
熱、蒸発させるための電子ビーム発生源19も配設され
ている。すなわち、上記電子ビーム発生源19から電子
ビーム20を蒸着源13の強磁性金属材料に加速照射し
てこれを図中矢印Cで示すように加熱、蒸発させる。す
ると、強磁性金属材料は蒸着源13と対向する冷却キャ
ン12の周面に沿って走行する非磁性支持体16上に被
着し、非磁性支持体16上に強磁性金属薄膜が形成され
ることとなる。
【0083】なお、上記真空蒸着装置においては、蒸着
源13と冷却キャン12との間に防着板21を設け、こ
の防着板21にシャッタ22を位置調整可能に設けて、
非磁性支持体16に対して所定の角度で入射する蒸着粒
子のみを通過させる。こうして斜め蒸着法によって強磁
性金属薄膜が形成されるようになされている。
【0084】さらに、このような強磁性金属薄膜の蒸着
に際し、図示しない酸素ガス導入口を介して非磁性支持
体16の表面近傍に酸素ガスを供給し、これによって強
磁性金属薄膜の磁性特性、耐久性及び耐候性の向上が図
られるようにすることが好ましい。また、蒸着源を加熱
するためには、上述のような電子ビームによる加熱手段
の他、例えば抵抗加熱手段、高周波加熱手段、レーザ加
熱手段等の公知の手段を使用できる。
【0085】ここでは、斜め蒸着法によりCoからなる
強磁性金属薄膜を形成する例について説明したが、強磁
性金属薄膜を形成する方法としては、この方法の他に、
垂直蒸着法やスパッタリング法等の従来公知の薄膜形成
法が適用可能であり、また、この強磁性金属薄膜の材料
としては、Coの他にNi、Fe等やこれらの合金が使
用可能である。また、このときの強磁性金属薄膜の厚さ
は、0.01μm〜1μm程度が良い。
【0086】つぎに、保護膜4の形成方法について説明
する。保護膜4は、CVD法等により形成される。
【0087】CVD法によって保護膜4を形成する場合
には、まず、真空容器中に炭化水素ガス、あるいは炭化
水素と不活性ガスとの混合ガスを導入し、10Pa〜1
00Pa程度の圧力に保持した状態で、真空容器内に放
電させて、炭化水素ガスのプラズマを発生させ、強磁性
金属薄膜上に保護膜4を形成する。放電形式としては、
外部電極方式、内部電極方式のいずれでもよく、放電周
波数については、実験的に決めることができる。また、
強磁性金属薄膜が形成された非磁性支持体2側に配され
た電極に0〜−3kVの電圧を印加することにより、保
護膜4の硬度の増大及び密着性を向上させることができ
る。
【0088】保護膜4の材料となる上記炭化水素として
は、例えば、メタン、エタン、プロパン、ブタン、ペン
タン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、エチレン、アセ
チレン、プロペン、ブテン、ペンテン、ベンゼンなどを
用いることができる。
【0089】この保護膜4は、スペーシングロスを少な
く、かつ、強磁性金属薄膜の磨耗防止の効果を得られる
よう、その厚さを3nm〜15nm程度、特に5nm〜
10nm程度とすることが好ましい。
【0090】ここでは、CVD法により保護膜を形成す
る例について説明したが、保護膜4を形成する方法とし
ては、この方法の他に、マグネトロンスパッタ法、イオ
ンビームスパッタ法、イオンビームプレーティング法等
の従来公知の薄膜形成方法を用いることができる。
【0091】そして、この保護膜4の表面に、芳香族ア
ミンによりトップコートする。保護膜4の表面を芳香族
アミンによりトップコートすることにより、保護膜4
と、保護膜4上に塗布される潤滑剤との間の密着性を向
上することができる。
【0092】〈第2の実施の形態〉つぎに、本発明の第
2の実施の形態について説明する。本実施の形態に係る
磁気記録媒体は、図1に示された第1の実施の形態の磁
気記録媒体1と同様に、非磁性支持体上に磁性層として
強磁性金属薄膜、最外層として保護膜が順次形成されて
なる。そして、本実施の形態に係る磁気記録媒体は、特
に、最外層となる保護膜に、下記化14で示される末端
にカルボキシル基を有するパーフルオロポリエーテルと
長鎖アルコールとのエステル化合物と、下記化15にて
示される分岐カルボン酸パーフルオロアルキルモノエス
テルとを含有する潤滑剤が保持されている。
【0093】
【化14】
【0094】
【化15】
【0095】このような化14に示される化合物及び化
15に示される化合物を有する潤滑剤は、如何なる使用
条件下においても密着性や潤滑性が好適に保たれ、且つ
長期に至り潤滑効果を持続する特性を有するものであ
る。
【0096】なお、上記化14及び化15に示される潤
滑剤が用いられた磁気記録媒体は、図1に示した磁気記
録媒体1と略同様の構成を有するものであり、最外層に
保持される潤滑剤のみが異なる例であり、その他の磁性
層や保護膜等は同じ構成である。そこで、以下の説明で
は、潤滑剤についてのみ説明する。
【0097】上記化14に示す末端にカルボキシル基を
有するパーフルオロポリエーテルと長鎖アルコールとの
エステル化合物は、例えば、末端にカルボキシル基を有
するパーフルオロポリエーテルと長鎖アルコールとを、
無水トルエン中でp−トルエンスルホン酸や濃硫酸等を
触媒として反応させることによって得られるものであ
る。
【0098】ここで、上記末端にカルボキシル基を有す
るパーフルオロポリエーテルとしては、カルボキシル基
を両末端に有するものが好ましく、具体的には、HOO
C−CF2(OC24m(OCF2jOCF2−COO
H(但し、上記化学式中のm,jはいずれも1以上の整
数を表す。)等が挙げられる。上記の末端にカルボキシ
ル基を有するパーフルオロポリエーテルは、勿論、これ
らに限定されるわけではない。
【0099】また、上記末端にカルボキシル基を有する
パーフルオロポリエーテルの分子量は、特に制約される
ものではないが、実用的には600〜5000程度が好
ましい。分子量が大きすぎると、末端基の吸着基として
の効果が薄れるとともに、パーフルオロポリエーテル鎖
が大きくなる分、既存の炭化水素系溶媒に溶解しにくく
なる。一方、分子量が小さすぎると、パーフルオロポリ
エーテル鎖による潤滑効果が失われてしまう。
【0100】なお、上記末端にカルボキシル基を有する
パーフルオロポリエーテルにおいては、パーフルオロポ
リエーテル鎖が部分水素化されてもよい。すなわち、パ
ーフルオロポリエーテル鎖のフッ素原子の一部(50%
以下)を水素原子で置換しても良い。この場合には、パ
ーフルオロポリエーテルとして部分水素化したパーフル
オロポリエーテルを使用すればよい。
【0101】一方、上記長鎖アルコールとしては、市販
品、或いは合成品何れも使用可能である。また、その分
子量が小さくなるに従って通常の有機溶媒に溶解し難く
なることから、少なくともその1個のアルキル基の炭素
数が6以上であることが好ましい。
【0102】また、上述したように、本実施の形態で用
いられる上記潤滑剤には、上記化14に示す化合物の他
に、上記化15に示される分岐カルボン酸パーフルオロ
アルキルモノエステルが含有される。この化15に示さ
れる分岐カルボン酸パーフルオロアルキルモノエステル
は、第1の実施の形態において上述した分岐カルボン酸
パーフルオロアルキルモノエステルと同様なものを使用
することができる。
【0103】ここで、本発明の磁気記録媒体に使用され
る潤滑剤においては、化14に示す末端にカルボキシル
基を有するパーフルオロポリエーテルと長鎖アルコール
とのエステル化合物と、化15に示す分岐カルボン酸パ
ーフルオロアルキルモノエステルとの混合比は、重量比
で10:90〜90:10であるのが好ましい。上記範
囲を超えると本発明による効果を得ることが難しい。
【0104】なお、潤滑剤を最外層に保持させる方法と
しても、上述した磁気記録媒体1における潤滑剤の場合
と同様であり、保護膜の表面に潤滑剤をトップコートす
る方法が挙げられる。ここで、その塗布量は、0.05
mg/m2〜100mg/m2であるのが好ましく、0.
1mg/m2〜50mg/m2であるのがより好ましい。
この塗布量があまり少ないなすぎると、摩擦係数の低
下、耐磨耗性・耐久性の向上という効果が表れず、ま
た、塗布量があまり多すぎると、摺動部材と強磁性金属
薄膜との間でハリツキ現象が起こり、却って走行性が悪
くなる。
【0105】以上のように、本実施の形態に係る磁気記
録媒体は、上述したような、密着性や潤滑性の点で非常
に優れた特性の潤滑剤の組み合わせを特定して用いてい
るので、良好な走行性及び耐久性が確保されたものとな
る。
【0106】また、この磁気記録媒体においては、最外
層として形成され、カーボンよりなる保護膜の表面が芳
香族アミンによりトップコートされているので、用いら
れる潤滑剤と、保護膜との密着性が向上し、更に良好な
耐久性を実現することができる。
【0107】また、この磁気記録媒体においては、磁性
層を強磁性金属薄膜としていることから、高密度記録、
長時間記録にも十分対応可能である。
【0108】
【実施例】以下、本発明の実施例について具体的な実験
結果に基づいて説明する。本実施例では、実際に磁気記
録媒体を製造し、その特性の評価を行った。
【0109】実験例1 本実験例では、末端に水酸基を有するパーフルオロポリ
エーテルと長鎖カルボン酸とのエステル化合物と、分岐
カルボン酸パーフルオロアルキルモノエステルを含有す
る潤滑剤を使用した場合の効果を以下のようにして確認
した。
【0110】(サンプルの作製) 1.末端に水酸基を有するパーフルオロポリエーテルと
長鎖カルボン酸とのエステル化合物の合成 先ず、末端に水酸基を有するパーフルオロポリエーテル
として、分子量2000のHOCH2 CF2 (OC2
4p (OCF2 q OCF2 CH2 OH(但し、化学
式中p、qはそれぞれ1以上の整数を表す。)を用い、
このパーフルオロポリエーテルとモル比で2倍等量とな
るトリエチルアミンを有機溶媒中に溶解させ、この溶液
中に更にモル比で2倍等量のステアリン酸クロリドを3
0分かけて滴下した。
【0111】滴下終了後、1時間撹拌し、続いて30分
間加熱還流を行った。そして、冷却した後、蒸留水、希
塩酸水溶液の順で洗浄し、再度蒸留水により洗浄液が中
性になるまで洗浄した。続いて、有機溶媒を除去し、得
られた化合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーを
用いて精製してエステル化合物を得た。ここで、このエ
ステル化合物を化合物1とする。
【0112】次に、上記化合物1と同様な合成方法によ
って、表1に示すような末端に水酸基を有するパーフル
オロポリエーテルと長鎖カルボン酸とのエステル化合物
である4種類の化合物2〜5を合成した。なお、表1中
p、q、nは、1以上の整数をそれぞれ表す。
【0113】
【表1】
【0114】2.サンプルテープの作製 次に、磁気テープを以下のようにして作製した。先ず、
非磁性支持体である7.0μm厚のポリエチレンテレフ
タレートフィルムに、上述の真空蒸着装置を使用して斜
め蒸着法によりCoを被着させ、磁性層となる強磁性金
属薄膜を180nmの厚さに形成した。
【0115】次に、上記強磁性金属薄膜上に、エチレン
とアルゴンの混合ガスの高周波プラズマにより、電極
と、磁気記録媒体原反自身を対向電極として、原反に−
1.5kVの直流電圧を印加し、放電を行い、上記強磁
性金属薄膜上に約8nmの厚さのカーボン保護膜を形成
した。
【0116】次に、ポリエチレンテレフタレートフィル
ムの強磁性金属薄膜が形成された面とは反対側の面に、
カーボン及びポリウレタン樹脂よりなる膜厚0.5μm
のバックコート層を形成した。
【0117】次に、下記表2に示される芳香族アミンを
イソプロピルアルコールに溶解したものを、カーボン保
護膜上に塗布量が2mg/m2となるように塗布した。
【0118】次に、下記表2に示される化合物をそれぞ
れヘキサン溶媒に溶解したものを、上記カーボン保護膜
上に塗布量が5mg/m2となるように塗布して、18
種類の磁気記録媒体を得た。
【0119】そして、これら18種類の磁気記録媒体を
それぞれ6.35mm幅に裁断して、実施例1〜実施例
8及び比較例1〜比較例10の18種類のサンプルテー
プとした。
【0120】ただし、比較例3〜比較例10のサンプル
テープについては、保護膜の表面に芳香族アミンを塗布
しなかった。さらに、比較例8〜比較例10のサンプル
テープについては、保護膜を、上述したようなプラズマ
CVD法によらず、マグネトロンスパッタ法により形成
した。
【0121】
【表2】
【0122】3.特性の評価 次に、上記実施例1〜実施例8と比較例1〜比較例10
の18種類のサンプルテープの特性を評価した。ここで
は、耐久性と走行性を評価することとし、具体的には摩
擦係数、スチル耐久性及びシャトル耐久性を評価した。
これらを評価する際の環境条件としては、本発明者等が
検討した上で、最も厳しい条件と思われる条件を採用し
た。
【0123】(1)摩擦係数の測定方法 摩擦係数の測定は、恒温槽中の環境条件を温度40℃、
湿度80%RHに制御して、この恒温槽中で各サンプル
テープを100パス走行させて測定した。なお、摩擦走
行100パス目の数値を摩擦係数とした。
【0124】(2)スチル耐久性の測定方法 スチル耐久性の評価は、−5℃の恒温槽中で行い、市販
のデジタルビデオカムコーダー(ソニー社製、機種名:
DCR−VX1000)を用いて、各サンプルテープの
再生出力が3dB落ちるまでの時間を測定して行った。
【0125】(3)シャトル耐久性の測定方法 シャトル耐久性は、恒温槽中の環境条件を温度40℃、
湿度20%RHに制御して、この恒温槽中で市販のデジ
タルビデオカムコーダー(ソニー社製、機種名:DCR
−VX1000)を用い、各サンプルテープを100パ
スシャトル走行させ、100パス走行後にその再生出力
が初期出力から何dB落ちるかを測定して評価した。
【0126】なお、これらの評価は、潤滑剤を塗布した
直後と、各サンプルテープを温度45℃、湿度80%R
Hの環境下で30日間保存した後に行った。潤滑剤を塗
布した直後の初期の耐久性及び走行性の測定結果を表
3、30日間保存した後の保存後の耐久性及び走行性の
測定結果を表4に示す。
【0127】
【表3】
【0128】
【表4】
【0129】表3及び表4の結果から、CVD法により
形成された保護膜表面を芳香族アミンでトップコート
し、さらに潤滑剤として、末端に水酸基を有するパーフ
ルオロポリエーテルと長鎖カルボン酸とのエステル化合
物と分岐カルボン酸パーフルオロアルキルモノエステル
とを組み合わせた潤滑剤を使用した実施例1〜実施例8
においては、何れも高温多湿、高温低湿或いは低温等の
様々な使用条件下において摩擦係数、スチル耐久性及び
シャトル耐久性の劣化が極めて少なく、非常に良好な結
果が得られていることがわかった。
【0130】一方、末端に水酸基を有するパーフルオロ
ポリエーテルと長鎖カルボン酸とのエステル化合物のみ
を含有する潤滑剤を用いた比較例1及び比較例2では、
様々な使用条件下において摩擦係数やスチル耐久性、シ
ャトル耐久性の劣化が非常に大きかった。また、保護膜
の表面に芳香族アミンを塗布しなかった比較例3〜比較
例10では、様々な使用条件下において摩擦係数やスチ
ル耐久性、シャトル耐久性の劣化が大きく、良好な結果
が得られなかった。さらに、保護膜をCVD法ではな
く、PVD法であるマグネトロンスパッタ法により形成
した場合にも、十分な耐久性は得られなかった。
【0131】以上の結果より、保護膜表面を芳香族アミ
ンで処理し、さらに潤滑剤として、末端に水酸基を有す
るパーフルオロポリエーテルと長鎖カルボン酸とのエス
テル化合物と、分岐カルボン酸パーフルオロアルキルモ
ノエステルとを組み合わせることにより、潤滑剤が如何
なる使用条件下においても密着性や潤滑性が保たれ、且
つ長期に亘り潤滑効果が持続するため、磁気記録媒体の
良好な走行性及び耐久性が得られることがわかった。
【0132】実験例2 本実験例においては、末端にカルボキシル基を有するパ
ーフルオロポリエーテルと長鎖アルコールとのエステル
化合物と、分岐カルボン酸パーフルオロアルキルモノエ
ステルを含有する潤滑剤を使用した場合の効果を以下の
ようにして確認した。
【0133】(サンプルの作製) 1.末端にカルボキシル基を有するパーフルオロポリエ
ーテルと長鎖アルコールとのエステル化合物の合成 先ず、末端にカルボキシル基を有するパーフルオロポリ
エーテルとして、分子量2000のHOOCCF2(O
24p(OCF2qOCF2COOH(但し、化
学式中p、qはそれぞれ1以上の整数を表す。)を用
い、このパーフルオロポリエーテルとモル比で2倍等量
となるステアリルアルコールを無水トルエン中で少量の
p−トルエンスルホン酸と濃硫酸を触媒として加熱還流
させた。このとき、生成される水分を除去しながら行っ
た。
【0134】反応終了後、トルエンを除去した後、得ら
れた化合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーを用
いて精製して、その後溶媒を除去し、エステル化合物を
得た。なお、ここで、このエステル化合物を化合物6と
する。
【0135】次に、上記化合物6と同様な合成方法によ
って、表5に示すような末端にカルボキシル基を有する
パーフルオロポリエーテルと長鎖アルコールとのエステ
ル化合物である4種類の化合物7〜10を合成した。な
お、表5中p、q、nは、1以上の整数をそれぞれ表
す。
【0136】
【表5】
【0137】2.サンプルテープの作製 まず、前述の実験例1と同様にして、非磁性支持体上に
磁性層となる強磁性金属薄膜、カーボンからなる保護膜
をプラズマCVD法により形成し、バックコート層も形
成した。さらに、上記保護膜の表面を、下記表6に示さ
れるような芳香族アミンをイソプロピルアルコールに溶
解したものを、カーボン保護膜上に塗布量が2mg/m
2となるように塗布した。
【0138】次に、前述の実験例1と同様にして、保護
膜表面に、下記表6に示されるような潤滑剤をヘキサン
溶媒に溶解したものを、塗布量が5mg/m2となるよ
うにそれぞれ塗布して18種類の磁気記録媒体を得た。
【0139】そして、これら18種類の磁気記録媒体を
それぞれ6.35mm幅に裁断し、実施例9〜実施例1
6及び比較例11〜比較例20の18種類のサンプルテ
ープを作製した。
【0140】ただし、比較例13〜比較例20のサンプ
ルテープについては、保護膜の表面に芳香族アミンを塗
布しなかった。さらに、比較例18〜比較例20のサン
プルテープについては、保護膜を、上述したようなプラ
ズマCVD法によらず、マグネトロンスパッタ法により
形成した。
【0141】
【表6】
【0142】3.特性の評価 次に、上記実施例9〜実施例16と比較例11〜20の
18種類のサンプルテープの特性を評価した。ここで
は、耐久性と走行性を評価することとし、具体的には摩
擦係数、スチル耐久性及びシャトル耐久性を前述の実験
例1と同様にして評価した。
【0143】なお、これらの評価は、前述の実験例1と
同様に潤滑剤を塗布した直後と、各サンプルテープを温
度45℃、湿度80%RHの環境下で30日間保存した
後に行った。潤滑剤を塗布した直後の初期の耐久性及び
走行性の結果を表7、30日間保存した後の保存後の耐
久性及び走行性の結果を表8に示す。
【0144】
【表7】
【0145】
【表8】
【0146】表7及び表8の結果から、CVD法により
形成された保護膜表面を芳香族アミンでトップコート
し、さらに潤滑剤として、末端にカルボキシル基を有す
るパーフルオロポリエーテルと長鎖アルコールとのエス
テル化合物と分岐カルボン酸パーフルオロアルキルモノ
エステルとを組み合わせた潤滑剤を使用した実施例9〜
実施例16においては、何れも高温多湿、高温低湿或い
は低温等の様々な使用条件下において摩擦係数、スチル
耐久性及びシャトル耐久性の劣化が極めて少なく、非常
に良好な結果が得られていることがわかった。
【0147】一方、末端にカルボキシル基を有するパー
フルオロポリエーテルと長鎖アルコールとのエステル化
合物のみを含有する潤滑剤を用いた比較例11及び比較
例12では、様々な使用条件下において摩擦係数やスチ
ル耐久性、シャトル耐久性の劣化が非常に大きかった。
また、保護膜の表面に芳香族アミンを塗布しなかった比
較例13〜比較例20では、様々な使用条件下において
摩擦係数やスチル耐久性、シャトル耐久性の劣化が大き
く、良好な結果が得られなかった。さらに、保護膜をC
VD法ではなく、PVD法であるマグネトロンスパッタ
法により形成した場合にも、十分な耐久性は得られなか
った。
【0148】以上の結果より、保護膜表面を芳香族アミ
ンでトップコートし、さらに潤滑剤として、末端にカル
ボキシル基を有するパーフルオロポリエーテルと長鎖ア
ルコールとのエステル化合物と、分岐カルボン酸パーフ
ルオロアルキルモノエステルとを組み合わせることによ
り、潤滑剤が如何なる使用条件下においても密着性や潤
滑性が保たれ、且つ長期に亘り潤滑効果が持続するた
め、磁気記録媒体の良好な走行性及び耐久性が得られる
ことがわかった。
【0149】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明に
係る磁気記録媒体は、密着性や潤滑性の点で非常に優れ
た特性の潤滑剤の組み合わせを特定して用いているの
で、走行性及び耐久性を向上することができる。また、
本発明に係る磁気記録媒体では、最外層として形成さ
れ、カーボンよりなる保護膜の表面が芳香族アミンによ
って処理されているので、当該保護膜上に保持される潤
滑剤と、保護膜との密着性が向上し、更に良好な耐久性
を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る磁気記録媒体の一例を示す断面図
である。
【図2】磁性層を形成する際に用いる真空蒸着装置の一
例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 磁気記録媒体、 2 非磁性支持体、 3 磁性
層、 4 保護膜

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性支持体と、 上記非磁性支持体上に形成された磁性層と、 上記磁性層上に形成され、表面が芳香族アミンによって
    トップコートされてなる保護膜とを備え、 下記化1で示される末端に水酸基を有するパーフルオロ
    ポリエーテルと長鎖カルボン酸とのエステル化合物及び
    下記化2で示される分岐カルボン酸パーフルオロアルキ
    ルモノエステルを含有する潤滑剤が最外層に保持されて
    なることを特徴とする磁気記録媒体。 【化1】 【化2】
  2. 【請求項2】 上記末端に水酸基を有するパーフルオロ
    ポリエーテルと長鎖カルボン酸とのエステル化合物と、
    上記分岐カルボン酸パーフルオロアルキルモノエステル
    との混合比が、重量比で10:90〜90:10である
    ことを特徴とする請求項1記載の磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】 上記化2にて示される分岐カルボン酸パ
    ーフルオロアルキルモノエステルの上記RI,RIIの炭
    素数の合計数が6〜30であることを特徴とする請求項
    1記載の磁気記録媒体。
  4. 【請求項4】 上記磁性層が、強磁性金属薄膜よりなる
    ことを特徴とする請求項1記載の磁気記録媒体。
  5. 【請求項5】 上記保護膜がカーボンよりなることを特
    徴とする請求項1記載の磁気記録媒体。
  6. 【請求項6】 上記保護膜は、化学的気相成長法により
    形成されることを特徴とする請求項1記載の磁気記録媒
    体。
  7. 【請求項7】 非磁性支持体と、 上記非磁性支持体上に形成された磁性層と、 上記磁性層上に形成され、表面が芳香族アミンによって
    トップコートされてなる保護膜とを備え、 下記化3で示される末端にカルボキシル基を有するパー
    フルオロポリエーテルと長鎖アルコールとのエステル化
    合物及び下記化4で示される分岐カルボン酸パーフルオ
    ロアルキルモノエステルを含有する潤滑剤が最外層に保
    持されてなることを特徴とする磁気記録媒体。 【化3】 【化4】
  8. 【請求項8】 上記末端にカルボキシル基を有するパー
    フルオロポリエーテルと長鎖アルコールとのエステル化
    合物と、上記分岐カルボン酸パーフルオロアルキルモノ
    エステルとの混合比が、重量比で10:90〜90:1
    0であることを特徴とする請求項7記載の磁気記録媒
    体。
  9. 【請求項9】 上記化4にて示される分岐カルボン酸パ
    ーフルオロアルキルモノエステルの上記RI,RIIの炭
    素数の合計数が6〜30であることを特徴とする請求項
    8記載の磁気記録媒体。
  10. 【請求項10】 上記磁性層が、強磁性金属薄膜よりな
    ることを特徴とする請求項7記載の磁気記録媒体。
  11. 【請求項11】 上記保護膜がカーボンよりなることを
    特徴とする請求項7記載の磁気記録媒体。
  12. 【請求項12】 上記保護膜は、化学的気相成長法によ
    り形成されることを特徴とする請求項7記載の磁気記録
    媒体。
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