JP2000122411A - 画像形成方法及び画像形成装置 - Google Patents

画像形成方法及び画像形成装置

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JP2000122411A
JP2000122411A JP10289888A JP28988898A JP2000122411A JP 2000122411 A JP2000122411 A JP 2000122411A JP 10289888 A JP10289888 A JP 10289888A JP 28988898 A JP28988898 A JP 28988898A JP 2000122411 A JP2000122411 A JP 2000122411A
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Japan
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toner
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carrier
voltage
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JP10289888A
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English (en)
Inventor
Toshio Sakai
捷夫 酒井
Koji Hirakura
浩治 平倉
Masafumi Kadonaga
雅史 門永
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 地汚れの発生をより確実に回避することがで
きる非接触方式の画像形成方法を提供する。 【解決手段】 感光体ドラムの潜像部と現像ローラとの
間におけるトナー飛翔を回避すべく、トナーの帯電極性
と同極性側のAC電圧ピーク値と、該潜像部の表面電位
との電位差を最低飛翔電位差Eminよりも小さく維持
させ、且つ、該AC電圧ピーク値と感光体ドラムの非潜
像部との電位差を該最低飛翔電位差以上に維持させるよ
うにした。また、AC電圧の周波数fを10[kHz]
未満とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ファクシミリ、プ
リンタ、複写機、などの画像形成装置及びこれに用いら
れる画像形成方法に係り、詳しくは、静電潜像担持体と
画像形成粒子を担持する粒子担持体とを接触させずに画
像を形成する非接触方式の画像形成方法及びこれに用い
られる画像形成方法に関するものである。
【0002】従来、この種の画像形成方法としては、特
開昭58−32375号で提案されているジャンピング
方式のものや、実開昭54−26821号で提案されて
いるプロジェクション方式のものなどがある。
【0003】以下、これらの方式の画像形成方法の作像
原理を、「電子写真技術の基礎と応用」(コロナ社、電
子写真学会編、p165〜p170)の記載に基づいて
説明する。
【0004】図1は上記ジャンピング方式の画像形成方
法を用いる画像形成装置の現像部の一例を示す断面図で
ある。図1において、静電潜像担持体としての感光体ド
ラム1は、例えば、半径が40[mm]で、金属製ドラム
の表面に感光層1aが被覆され、図中矢印Aの方向に1
00[mm/sec]の周速で回転駆動される。この回
転駆動に伴い、感光層1aの潜像形成対称部は露光装置
(図示せず)との対向位置で露光され、例えば+500
[V]に帯電して潜像部となる。なお、感光層1aの非
潜像部の電位は、例えば0[V]である。一方、現像器
の現像ケーシング4の開口部から一部を露出させ、0.
2[mm]の間隙Gを介して感光体ドラム1と対向する
粒子担持体としての現像ローラ2は、例えば、半径が1
5[mm]で、図中矢印Bの方向に100[mm/se
c]の周速で回転駆動される。現像器に内包される画像
形成粒子としてのトナー3は、現像ローラ2表面に供給
され、現像ローラ2の回転に伴い、現像ローラ2とブレ
ード5との間に挟まれて層厚を規制されるとともに摩擦
によりマイナスに帯電する。帯電したトナー3は現像ロ
ーラ2の回転に伴い、感光体ドラム1との対向位置であ
る現像位置に搬送される。
【0005】感光体ドラム1aと現像ローラ2との間に
は、電圧印加手段6により、例えば、振幅=400
[V](Vp−p=800V)、周波数f=200
[V]、の交流電圧の正弦波に+200[V]の直流電
圧が重畳された変動電圧が印加される。図2(c)に示
すように、この変動電圧は、最高電圧=+600
[V]、最低電圧=−200[V]、Vp−p=800
[V]、周波数f=200[Hz]、周期T=5[ms
ec]、の電圧である。このような変動電圧の印加によ
り、上記現像位置まで搬送されたトナー3は感光層1a
表面と現像ローラ2表面との間を往復するように飛翔す
る。なお、図2(c)において、VD、VLはそれぞれ
感光層1aの潜像部電位、非潜像部電位を示すものであ
る。
【0006】図2(a)は感光層1aの潜像部と現像ロ
ーラ2との間におけるトナーの飛翔状態を、(b)は感
光層1aの非潜像部と現像ローラ2との間におけるトナ
ーの飛翔状態を、それぞれ説明する模式図である。これ
らの図において、R1、R2、R3はそれぞれ、感光層
1aと現像ローラ2との再接近により上記変動電圧の電
界の影響が最も強くなる領域、両者の距離が少し離れて
該影響が少し弱まる領域、両者の距離が更に離れて該影
響が殆どなくなる領域、を示すものである。また、図中
の矢印はそれぞれトナー3の飛翔方向及び飛翔強さを、
+記号は上記潜像部の正電荷を、それぞれ示すものであ
る。
【0007】領域R1においては、感光層1aが潜像を
担持しているか否かにかかわらず、感光層1aと現像ロ
ーラ2との間におけるトナー3の往復飛翔により、現像
ローラ2表面から感光層1a表面への転移と、感光層1
a表面から現像ローラ2表面への逆転移とが繰り返され
る((a)及び(b)のR1)。但し、トナー転移量は
上記非潜像部((b)の感光層1a)よりも上記潜像部
((a)の感光層1a)の方が多くなる。このようにト
ナー転移量に差が生ずる原因は、潜像部電位VDと非潜
部電位VLとの差にある。マイナス帯電したトナー3の
感光層1aへの転移は、感光層1aの表面電位が現像ロ
ーラ2の表面電位よりも大きくなった状態のときに生ず
る。図2(c)に示したように、領域R1において、
「潜像部電位VD>現像ローラ2の電位」となる転移時
間t4は、「潜像部電位VD<現像ローラの電位」とな
る逆転移時間t3よりも長くなる。また、転移時間t4
における上記潜像部と現像ローラ2との最大電位差は、
700[V](500V+200V)となる。一方、
「非潜像部電位VL>現像ローラ2の電位」となる転移
時間t1は、「非潜像部電位VL<現像ローラの電位」
となる逆転移時間t2よりも短くなる。また、転移時間
t1における上記非潜像部と現像ローラ2との最大電位
差は、200[V](0V+200V)となる。従っ
て、上記潜像部は上記非潜像部よりも、転移時間が長く
なり且つ該転移時間における最大電位差が大きくなるの
で、トナー転移量が多くなる。なお、次の数1及び数2
に示すように、転移時間t4における上記潜像部と現像
ローラ2との間の最大電界強度E1aは3.5[V/μ
m]であり、転移時間t1における該間の最大電界強度
E2aは1.0[V/μm]である。
【数1】E1a=700/200=3.5[V/μm]
【数2】E2a=200/200=1.0[V/μm]
【0008】領域R2においては、上記潜像部と現像ロ
ーラ2との間でトナー転移が生ずるのに対し(図2
(a)のR2参照)、上記非潜像部と現像ローラ2との
間ではトナー逆転移が生ずる(図2(b)のR2参
照)。領域Rにおいて、感光層1aと現像ローラ2との
電位差は領域R1における該電位差と同様であるが、感
光層1aと現像ローラ2との間のギャップGが領域R1
よりも大きくなるので、該間における電界強度が領域R
1よりも小さくなる。例えば、ギャップGが400[μ
m](領域R1の約2倍)になると、次の数3及び数4
に示すように、転移時間t4における上記潜像部と現像
ローラ2との間の最大電界強度E1bは3.5[V/μ
m]から1.75[V/μm]に低下し、転移時間t1
における該間の最大電界強度E2bは0.5[V/μ
m]に低下する。
【数3】 E1b=700/400=1.75[V/μm]
【数4】E2b=200/400=0.5[V/μm]
【0009】現像ローラ2に担持されるトナー3を現像
ローラ2から離脱・飛翔させるためには、トナー3に対
して、トナー3と現像ローラ2との間に作用している付
着力(ファンデルワールス力や液架橋力などの総和)や
鏡像力などよりも大きな力を付与する必要がある。この
ような大きな力を付与するために必要となる最小限の電
界強度が、例えば0.8[V/μm]であると仮定する
と、領域R2における転移時間t4内ではトナー転移が
生じ、逆転移時間t3内ではトナー逆転移が生じなくな
る。このため、領域R2における上記潜像部と現像ロー
ラ2との間では、現像ローラ2から該潜像部にトナー3
が転移する。一方、転移時間t1ではトナー転移が生じ
なくなり、逆転移時間t2内ではトナー逆転移が生ず
る。このため、領域R2における上記非潜像部と現像ロ
ーラ2との間では、該非潜像部から現像ローラ2にトナ
ー3が逆転移する。
【0010】回転駆動により感光層1aが領域R3に到
達して上記ギャップが例えば1000[μm]まで大き
くなると、次の数5に示すように、転移時間t4内にお
ける最大電界強度E1cが0.7[V/μm]まで低下
してトナー転移が生じなくなる。また、次の数6に示す
ように、逆転移時間t2内における最大電界強度E2c
が0.6[V/μm]まで低下してトナー逆転移が生じ
なくなる。これらの結果、領域R3においては、現像ロ
ーラ2から上記潜像部へのトナー転移と、上記非潜像部
から現像ローラ2へのトナー逆転移とが終了する。
【0011】ジャンピング方式では、以上のようにし
て、感光層1a上の潜像部にトナー3が付着して静電潜
像が現像される。なお、原稿画像を忠実に再現するため
には、潜像部電位VD、非潜像部電位VL、上記変動電
圧の振幅及び周波数、などを適正に設定する必要があ
る。また、現像ローラ2に上記変動電圧を印加せずに直
流電圧のみを印加して静電潜像を現像する態様も考えら
れるが、この場合には、上記潜像部の電位が低いと濃淡
差のある画像を現像することが困難になる。
【0012】図3は、現像画像の画像濃度IDと潜像部
電位VDとの関係を示すグラフである。図3において、
上記交流電圧を印加しないときや、高周波数(1[kH
z]、2[kHz])の該交流電圧を印加するときに比
べて、50[Hz]や800[Hz]の低周波数の該交
流電圧を印加したときには、0[V]から+350
[V]までの潜像を滑らかに現像し得ることがわかる。
写真原稿などの濃淡差を忠実に再現するためには、この
ように低電位の潜像を現像し得るようにすることが必須
である。このため、従来、直流のパルス電圧を印加した
り、形成画像の特性、現像剤の特性、湿度等の環境変
化、等に応じて印加電圧の振幅や周波数を変更したりし
て、形成画像の高品質化するジャンピング方式の画像形
成方法が種々提案されている。
【0013】しかしながら、これらの画像形成方法にお
いては、最終的な形成画像の非画像部にトナーを付着さ
せるいわゆる地汚れを発生させ易いという不具合があ
る。この不具合は、領域1で上記非潜像部にもトナー転
移が起こることにより発生するものである。上述したよ
うに、理論上、領域R1において上記非潜像部に転移し
た全てのトナー3は、領域R2において現像ローラ2に
逆転移するので、該非潜像部には残留しないことにな
る。しかし、実際には、僅かではあるが、逆転移せずに
上記非潜像部に残留して地汚れを発生させるトナー3が
出現する。この出現の理由は、種々考えられている。例
えば、粉砕法により製造された形状精度の低いトナー3
を用いると、感光層1aとの接触姿勢により個々のトナ
ー3における感光層1aとの接触面積を大きく異ならせ
る。このため、接触面積が大きくなったトナー3に対し
て、感光層1aとの付着力を大きくして逆転移を困難に
する場合がある。この場合には、感光体ドラム1の表面
平滑性を向上させたり、より球形に近いトナーを用いた
りすることにより、上記付着力の増大による逆転移の阻
害を軽減することができるが、完全に解消することは不
可能である。
【0014】一方、上記プロジェクション方式の画像形
成方法においては、領域R1で静電潜像担持体の非潜像
部にトナーを転移させないので、該転移による地汚れを
回避することができる。図4はプロジェクション方式の
画像形成方法を用いる画像形成装置の現像部の一例を示
す断面図である。図4において、感光体ドラム1と現像
ローラ2との間のギャップGは、0.1524から0.
1778[mm]に設定されている。感光体ドラム1の
感光層1aは、帯電装置(図示せず)との対向位置で−
100[V]に一様帯電させられた後、露光装置(図示
せず)との対向位置で潜像部が露光される。この露光に
より感光層1aの潜像部電位VDが+200[V]にな
る。現像ローラ2には、図5のチャート図に示すよう
な、高さVhが約−750[V]で、且つ電圧印加周波
数fが10〜3000[kHz]である変動電圧として
の直流パルス電圧が電圧印加手段6により印加される。
これにより、感光層1aの潜像部と現像ローラ2との間
では、現像ローラ2に−750[V]の電圧が印加され
ている印加時間Tb内において、マイナス帯電したトナ
ー3が現像ローラ2から該潜像部に向けて飛翔する。ま
た、非印加時間Taに現像ローラ2の電位が0[V]に
変化しても、印加時間Tb内に飛翔を開始したトナー3
は、上記潜像部の正電荷に引かれて該飛翔を継続し、該
潜像部に付着・転移する。一方、非印加時間Taにおい
て、感光層1aの非潜像部と現像ローラ2との間では、
先に飛翔を開始したトナー3は正電荷を有さない非潜像
部に引かれずに現像ローラ3に向けて引き返す。
【0015】図6は、トナー3の引き返しの状態を示す
模式図である。図示のように、プロジェクション方式で
は、上記潜像部と現像ローラ2との間において現像ロー
ラ2表面のトナー3を該潜像部に向けて飛翔・転移さ
せ、上記非潜像部と現像ローラ2との間において現像ロ
ーラ2表面のトナー3を該潜像部に向けて一旦飛翔させ
た後、現像ローラ2に向けて引き戻す。変動電圧として
交流電圧を印加すると、上記非潜像部と現像ローラ2と
の間に存在するトナー3に対して、現像ローラ2への引
き戻しの力をより強く作用させることができる。
【0016】図7は、プロジェクション方式の画像形成
方法において、変動電圧として1800[V](Vp−
p=3600V)の交流電圧を印加した場合におけるト
ナー3の飛翔位置と飛翔時間との関係を示すグラフであ
る。なお、図7(a)は上記潜像部と現像ローラ2との
間においてこの関係を示したものであり、図7(b)は
上記非潜像部と現像ローラ2との間において該関係を示
したものである。それぞれの図に示すように、上記非潜
像部と現像ローラ2との間において、現像ローラ2から
飛翔したトナー3は、現像ローラ2から150[μm]
離れた位置まで一旦到達した後、現像ローラ2に向けて
引き返して該潜像部に付着・転移することはない。一
方、上記潜像部と現像ローラ2との間において、現像ロ
ーラ2から飛翔したトナー3は、現像ローラ2に向けて
引き返すことなく該潜像部に付着する。
【0017】このようにプロジェクション方式の画像形
成方法においては、現像ローラ2から上記非潜像部にト
ナーを転移させないので、該転移による地汚れを回避す
ることができる。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】ところで、プロジェク
ション方式の画像形成方法においては、現像ローラ2か
ら上記潜像部までのトナー3の飛翔時間を長くしてしま
うという問題があった。図7(a)において、一部のト
ナーは上記交流電圧の印加開始から7[msec]後に
上記潜像部に到達するが、残りのトナーは現像ローラか
ら150[μm]程度離れた位置に一旦留まった後、該
印加開始から12[msec]後に該潜像部に到達して
いる。このように、プロジェクション方式の画像形成方
法においては、上記潜像部と現像ローラ2との間でトナ
ー3を一旦停止させたり、スイッチバックさせたりしな
がら該潜像部に転移させる。このため、現像ローラ2か
ら上記潜像部までのトナー3の飛翔時間を長くしてい
る。このように飛翔時間を長くしてしまうと、プリンタ
等のデジタル画像で600[dpi]以上の微小トッド
を形成する場合には、個々のドットや形成画像のエッジ
部分が不鮮明になり画像品質を低下させるという致命的
な問題が生ずる。
【0019】プロジェクション方式の画像形成方法にお
いては、周波数fの高い変動電圧を印加するほど、トナ
ー飛翔時間が長くなる。また、感光層1aの非潜像部と
現像ローラ2との間で感光層1aに向けて飛翔させたト
ナー3を現像ローラ2に確実に再付着させるべく、変動
電圧の周波数fを高く設定する必要がある。具体的に
は、上記実開昭54−26821号や「電子写真技術の
基礎と応用」(コロナ社:電子写真学会編、p165〜
p170)によれば、10[kHZ]以上に設定する必
要がある旨が記載されている。従って、10[kHz]
の周波数fの変動電圧を印加したときにトナー飛翔時間
を最も短縮し得るが、本発明者らの鋭意研究によれば、
350[μsec]程度までの短縮が限度であった。
【0020】また、従来、上述のように、現像ローラ2
から上記非潜像部へのトナー転移による地汚れの発生を
回避し得ると考えられてきた。しかしながら、本発明者
らの鋭意研究により、プロジェクション方式の画像形成
方法においても、トナー3を上記非潜像部に転移させて
地汚れを発生させるおそれがあることを見出した。具体
的には、現像ローラ2から飛翔させたトナー3を現像ロ
ーラ2に引き戻した際に、トナー3と現像ローラ2との
衝突によりトナー3を現像ローラ2上で跳ね返らせ、こ
の跳ね返りの力と電界の力との相乗作用によってトナー
3を上記非潜像部に転移させるおそれがある。
【0021】本発明は以上の背景に鑑みなされたもので
あり、その第1の目的とするところは、地汚れの発生を
より確実に回避することができる非接触方式の画像形成
方法を提供することである。
【0022】また、その第2の目的とするところは、上
記第1の目的に加えて、ドット等の単位画像や形成画像
のエッジ部分をより鮮明にすることができる非接触方式
の画像形成方法を提供することである。
【0023】また、その第3の目的とするところは、地
汚れの発生をより確実に回避することができ、且つ、ド
ット等の単位画像や形成画像のエッジ部分をより鮮明に
することができる非接触方式の画像形成装置を提供する
ことである。
【0024】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
るために、請求項1の発明は、静電潜像を担持する静電
潜像担持体と、帯電した画像形成粒子を担持する粒子担
持体とを、所定の間隙を介して対向させ、経時に伴って
値が変動する変動電圧を少なくとも該粒子担持体に印加
して、該粒子担持体上の画像形成粒子を該静電潜像担持
体に向けて飛翔させ、飛翔させた画像形成粒子を該静電
潜像に付着させて可視画像を形成する画像形成方法にお
いて、該粒子担持体の潜像非対応部から該静電潜像担持
体の非潜像部に向けて画像形成粒子を飛翔させず、且
つ、該粒子担持体の潜像対応部から該静電潜像担持体の
潜像部に向けて画像形成粒子を飛翔させるように制御す
ることを特徴とするものである。
【0025】請求項2の発明は、請求項1の画像形成方
法において、上記変動電圧の値をピーク値に到達させた
ときに、上記静電潜像担持体の非潜像部と上記粒子担持
体の潜像非対応部との電位差では該潜像非対応部の画像
形成粒子を飛翔させず、該静電潜像担持体の潜像部と該
粒子担持体の潜像対応部との電位差で該潜像対応部の画
像形成粒子を飛翔させるように、該潜像部と該非潜像部
との電位差、及び、該ピーク値、を設定することを特徴
とするものである。
【0026】請求項1又は2の画像形成方法において
は、粒子担持体の潜像非対応部に担持される画像形成粒
子を、静電潜像担持体の潜像部に向けて飛翔させない。
これにより、粒子担持体の潜像非対応部に担持される画
像形成粒子に対して、該粒子担持体との衝突による跳ね
返りを回避させる。そして、静電潜像担持体の非潜像部
と粒子担持体の潜像非対応部との間に形成される電界の
力と、この跳ね返りの力との相乗作用による画像形成粒
子の非潜像部への転移を回避することができる。潜像非
対応部に担持される画像形成粒子の潜像部への飛翔回避
は、例えば、静電潜像担持体の潜像部の電位、及び、変
動電圧のピーク値、の調整により実現される。具体的に
は、変動電圧がピーク値に到達させても、静電潜像担持
体の非潜像部と粒子担持体の潜像非対応部との電位差
(以下、非潜像領域電位差という)では、該潜像非対応
部の画像形成粒子を飛翔させないように、静電潜像担持
体の潜像部の電位、及び、変動電圧のピーク値を調整す
ることにより実現し得る。
【0027】請求項3の発明は、請求項2の画像形成方
法であって、上記変動電圧の変動周波数が10[kH
z]未満であることを特徴とするものである。
【0028】この画像形成方法においては、10[kH
z]未満の変動周波数の変動電圧を印加することによ
り、画像形成粒子を粒子担持体の潜像対応部から静電潜
像担持体の潜像部に到達させるまでに要する粒子飛翔時
間をより短縮化し得る。
【0029】上記第2の目的を達成するために、請求項
4の発明は、静電潜像を担持する静電潜像担持体と、所
定の間隙を介して該静電潜像担持体に対向し、帯電した
画像形成粒子を担持する粒子担持体と、経時に伴って値
が変動する変動電圧を印加する電圧印加手段とを備え、
該変動電圧を少なくとも該粒子担持体に印加して、該粒
子担持体上の画像形成粒子を該静電潜像担持体に向けて
飛翔させ、飛翔させた画像形成粒子を該静電潜像に付着
させて可視画像を形成する画像形成装置において、請求
項3の画像形成方法を用いるように構成したことを特徴
とするものである。
【0030】この画像形成装置においては、請求項3の
画像形成方法を用いることにより、非潜像部と潜像非対
応部との間に形成される電界の力と、該粒子担持体上で
の跳ね返りの力との相乗作用による画像形成粒子の該非
潜像部への転移を回避することができる。また、画像形
成粒子を粒子担持体の潜像対応部から静電潜像担持体の
潜像部に到達させるまでに要する粒子飛翔時間をより短
縮化し得る。
【0031】請求項5の発明は、請求項4の画像形成装
置において、湿度を検知する湿度検知手段を設け、画像
形成粒子を上記粒子担持体から飛翔させるために最低限
必要となる上記静電潜像担持体と該粒子担持体との電位
差である最低飛翔電位差よりも、該静電潜像担持体の潜
像部と該粒子担持体の潜像非対応部との電位差を小さく
維持させるように、湿度変化に応じて上記ピーク値を変
化させるように構成したことを特徴とするものである。
【0032】この画像形成装置においては、潜像非対応
部から潜像部への画像形成粒子の飛翔をより確実に回避
する。例えば、画像形成粒子を上記粒子担持体から飛翔
させるために最低限必要となる静電潜像担持体と粒子担
持体との電位差である最低飛翔電位差の値は、湿度変化
により変化してしまう。このため、湿度変化に伴って最
低飛翔電位差の値が変化すると、上記非潜像領域電位差
の値が該最低飛翔電位差と同等になるか、あるいは上回
って、粒子担持体の潜像非対応部の画像形成粒子を飛翔
させてしまうおそれがある。そこで、この画像形成装置
においては、上記非潜像領域電位差の値を最低飛翔電圧
の値よりも小さく維持するように、湿度変化に応じて上
記ピーク値を変化させることで、湿度変化に伴う潜像非
対応部からの画像形成粒子の飛翔を回避する。
【0033】請求項6の発明は、請求項4の画像形成装
置において、画像形成粒子を上記粒子担持体から飛翔さ
せるために最低限必要となる上記静電潜像担持体と該粒
子担持体との電位差である最低飛翔電位差を環境の変化
に伴って変化させても、上記静電潜像担持体の非潜像部
と該粒子担持体の潜像非対応部との電位差を該最低飛翔
電位差より小さく維持させ、且つ該静電潜像担持体の潜
像部と該粒子担持体の潜像対応部との電位差を該最低飛
翔電位差と同等以上に維持させ得る程度に、該潜像部と
該非潜像部との電位差を大きく設定したことを特徴とす
るものである。
【0034】この画像形成装置においては、湿度等の環
境の変化に伴って最低飛翔電位差を変化させても、上記
非潜像領域電位差を該最低飛翔電位差よりも小さく維持
させ得る程度に、静電潜像担持体の潜像部と非潜像部と
の電位差を大きく設定してある。これにより、湿度変化
等の環境変化に伴う潜像非対応部からの画像形成粒子の
飛翔を回避する。このため、潜像非対応部からの画像形
成粒子の飛翔をより確実に回避することができる。
【0035】
【発明の実施の形態】本発明は非磁性一成分トナーを用
いた非接触方式の現像方法における変動電圧の基礎的研
究により創作された。そこで、まず、この基礎的研究に
ついて説明する。
【0036】本発明者らは、まず、図8に示すような実
験装置を用いて、非磁性一性分トナー3(以下、単にト
ナー3という)の最低飛翔電位差を測定した。図8にお
いて、トナー3は、平均粒径が6[μm]で、帯電量が
−15[μC/g]の黒色重合トナーであり、粒径及び
帯電量Qの分布幅の小さいものが用いられている。粒子
担持体としての基板電極2は、厚さ5[mm]のアルミ
板2cに、直径=10[mm]、深さ=0.1[m
m]、の窪みからなるトナーホッパー2dが形成された
ものである、トナーホッパー2dには、トナー3が充填
されている。トナー3のトナーポッパへの充填は、薬さ
じなどでトナーホッパー2d上に盛られたトナー3が、
ゴムブレードなどのスキージによってスキージングされ
ることにより行われた。基板電極2の上方には、0.5
[mm]の間隙を介して、厚さ5[mm]のアルミ板か
らなる静電潜像担持体としての対向電極1が配設されて
いる。対向電極1は、基板電極2上に搭載された厚さ
0.5[mm]のスペーサ(図示せず)により、基板電
極2との間隙が維持されている。対向電極1にはDC電
圧印加手段6からの導線が連結されている。図面の奥側
にはコールドライト(図示せず)が、図面の手前側には
Kodak社製の高速度カメラ(図示せず)が、それぞ
れ配設されており、基板電極2と対向電極2との間を飛
翔するトナー3が撮影される。
【0037】以上のような構成の実験装置において、対
向電極1に種々の値のDC電圧を印加し、それぞれの該
値におけるトナー3の飛翔状態を撮影してモニター画面
で観察した。このモニター画面に表示されるトナー3の
倍率を約200倍に設定してあるので、6[μm]の粒
径のトナー3を約1.2[mm]の大きさに表示させ、
個々のトナー粒子の飛翔状態を十分に認識することがで
きる。また、撮影速度を1/9000〜1/40500
[sec/コマ]に設定してあるので、トナー3の微小
な動きまで観察することができる。
【0038】対向電極1に印加するDC電圧の値を、0
[V]から50[V]ピッチで上昇させていった。する
と、DC電圧値=+1050[V]までの条件でトナー
3の飛翔が認められなかったが、DC電圧値=+110
0[V]の条件では、モニター画面が真っ暗になるほど
多量のトナー3が一斉に飛翔した。但し、DC電圧値を
更に上昇させても、トナー3の飛翔量は漸増するだけで
特に多くはならなかった。
【0039】以上の結果より、この実験装置におけるト
ナー3の最低飛翔電位差は、+1100[V]であり、
最低飛翔電界強度は2.2×10[V/m]程度であ
ることがわかった。但し、これらは、常温常湿(25
℃、60%RH)の状態で測定・演算されたものであ
り、最低飛翔電位差は実験室の湿度が50[%RH]に
低下すると1000[V]に低下し、湿度が70[%R
H]に上昇すると1200[V]に上昇した。これによ
り、最低飛翔電位差は湿度変化に伴って変化することが
わかる。
【0040】次いで、変動電圧であるACバイアスによ
るトナー飛翔を調査すべく、対向電極1を接地し、基板
電極2に種々の値のAC電圧を印加して同様に撮影を行
った。具体的には、AC電圧のVp−pを1[kV]に
設定し、周波数fを1.0[kHz]から1.0[kH
z]ピッチで高めた。すると、対向電極1を接地してい
るにもかかわらず、1.0[kHz]又は2.0[kH
z]の周波数fのAC電圧を印加したときに、多量のト
ナー3が飛翔して対向電極1に付着することが確認され
た。このときの対向電極1は、上記ジャンピング方式の
画像形成方法における感光層1aの非潜像部に相当す
る。周波数fを3.0[kHz]に設定した場合にも少
量のトナー飛翔を確認したが、4.0[kHz]以上に
設定した場合には、トナー飛翔が認められなかった。ま
た、各周波数fにおいて、Uターンして基盤電極2に再
付着するトナー3は、全く認められなかった。
【0041】そこで、周波数fのみならず、AC電圧の
Vp−p値をも変化させて同様に撮影を行ったが、基板
電極2に向けてUターンするトナー3は認められず、基
板電極2から飛翔を開始したトナー3は全て対向電極1
に到達し、飛翔しないトナー3はそのまま動かなかっ
た。このような撮影結果より、トナー3をUターンさ
せ、且つ基板電極2に再付着させるために要求されるA
C電圧のVp−p値と周波数fとの組み合わせを見出す
ことが非常に困難であることがわかった。
【0042】そこで、トナーの飛翔状態を簡易に予測す
ることができるシミュレーションシステムを用いて、種
々の特性のAC電圧を印加した場合におけるトナーの飛
翔状態を予測した。このシミュレーションシステムは、
トナー飛翔シミュレーションプログラムにより演算され
たトナーの予測飛翔状態をモニタ画面に表示するもので
あり、実際のトナー飛翔状態に酷似する該予測飛翔状態
を表示することが多くの実験結果から証明されている。
なお、シミュレーションにおいては、基板電極2と対向
電極1とのギャップを0.1[mm]に設定し、直径=
6[μm]、帯電量=−15[μC/g]のトナー3を
基板電極2上に1個担持させた場合を想定した。また、
実験とは逆に、基板電極2を上側に、対向電極1を下側
に配設した場合を想定した。周知のように、粒径6[μ
m]のトナーに対する重力の作用は無視できる程度であ
るので、このように対向電極1を下側に配設した場合を
想定しても特に問題はない。
【0043】上記シミュレーションプログラムでは、ト
ナー3に作用する力として、対向電極1と基板電極2と
の電位差により形成される電界の静電力、鏡像力、トナ
ー3同士のクーロン力(本シミュレーションにおいては
関係ない)、トナー3と基盤電極2との付着力(ファン
デルワールス力及び液架橋力)、空気抵抗力、重力、及
び、トナー3と物体との衝突による反撥力、が演算され
る。これらの力のうち、トナー3と基盤電極2との付着
力の他は周知の力であり正確に求めることができる。付
着力の設定は困難であるが、本シミュレーションにおい
ては、液架橋力の計算式より3.0[nN]とし、作用
領域(作用可能距離)を0.1[μm]とした。
【0044】以上のような条件を想定し、まず、最低飛
翔電圧を求めるべく、基板電極2に印加するDC電圧V
dcの値を種々変更してシミュレーションした。する
と、Vdcの値を+210[V]と想定したシミュレー
ションではトナー3の仮想飛翔は認められなかったが、
Vdcの値を+220[V]と想定したシミュレーショ
ンではトナー3の仮想飛翔が認められた。
【0045】図9(a)から(o)はVdcの値を+2
10[V]と想定したシミュレーションにおけるトナー
3の仮想飛翔の状態を示す模式図であり、図10(a)
から(l)はVdcの値を+220[V]と想定したシ
ミュレーションにおける該仮想飛翔の状態を示す模式図
である。それぞれの図に示すように、Vdc=+210
[V]の条件では基板電極2からのトナー3の仮想飛翔
は認められないが、Vdc=+220[V]の条件では
基板電極2からのトナー3の仮想飛翔が認められる。こ
れにより、本シミュレーションで仮想した装置における
最低飛翔電位差は220[V]であることがわかった。
なお、図9及び図10の各図は、10[μsec]経過
毎のトナーの仮想飛翔状態を示している。
【0046】次いで、対向電極1を接地状態にし、Vp
−p値=1.0[kV]のAC電圧を種々の周波数fで
印加した場合を想定してトナー3の仮想飛翔の状態を観
察した。具体的には、周波数fを、1.0、2.0、
3.0、4.0、5.0、7.0、10.0、15.
0、20.0、30.0[kHz]にそれぞれ変更して
シミュレーションした。すると、これら列記した全ての
周波数fにおいて、トナー3は対向電極1に向けて仮想
飛翔し、トナー3の基板電極2への再付着は認められな
かった。但し、周波数fが高周波である場合、途中で速
度が一旦遅くなったり、途中で基板電極2側に若干後戻
り(スイッチバック)したりするトナー3が認められ
た。
【0047】図11(a)から(o)は、それぞれAC
電圧の周波数fを1.0[kHz](周期T=1mse
c)と想定したシミュレーションにおけるトナー3の仮
想飛翔の状態を示す模式図である。図11の各図は、1
1[μsec]経過毎のトナーの仮想飛翔状態を示して
いる。図示のように、AC電圧の値が−220[V]に
なった時点(j)でトナー3が対向電極1に向けて仮想
飛翔を開始している。なお、図示を省略しているが、仮
想飛翔したトナー3はAC電圧の値がマイナス側のピー
ク値である−500[V]に達する前に対向電極1に到
達した。
【0048】図12(a)から(i)は、それぞれそれ
ぞれAC電圧の周波数fを7.0[kHz](周期T=
143μsec)と想定したシミュレーションにおける
トナー3の仮想飛翔の状態を示す模式図である。図12
の各図も、11[μsec]経過毎のトナーの仮想飛翔
状態を示している。図示のように、このシミュレーショ
ンにおいても、トナー3は、AC電圧の値が−220
[V]になった時点(c)で対向電極1に向けて仮想飛
翔を開始し、AC電圧の値がマイナス側ピーク値の−5
00[V]に達する前に対向電極1に到達した。トナー
3の仮想飛翔時間は約60[μsec]であった。
【0049】図13(a)から(o)は、それぞれ周波
数fを10.0[kHz](周期T=100μsec)
と想定したシミュレーションにおけるトナー3の仮想飛
翔の状態を示す模式図である。図13の各図において
も、11[μsec]経過毎のトナーの仮想飛翔状態を
示している。また、図中の矢印はトナー3の飛翔方向を
示している(以下、仮想飛翔の模式図において同様であ
る)。図示のように、このシミュレーションにおいて
も、トナー3は、AC電圧の値が−220[V]になっ
た時点(c)で対向電極1に向けて仮想飛翔を開始す
る。しかしながら、AC電圧の値がマイナス側ピーク値
の−500[V]に達する前に対向電極1に到達するこ
とができず、対向電極1の直前で若干スイッチバックす
る。このスイッチバックはAC電圧がプラス側に反転し
てトナー3に対して逆方向の静電力が作用することによ
り生ずるものである。スイッチバックしたトナー3は、
AC電圧が再びマイナス側に反転したとき(l)に対向
電極1に向けて再加速され、プラス側に再反転する前に
対向電極1に到達する。なお、飛翔したトナー3が一旦
停止した後、対向電極1に向けて再加速される現象は高
速度カメラによる観察においても観察された。但し、ト
ナー3のスイッチバックは確認できなかった。
【0050】10.0[kHz]以上のAC電圧の印加
を想定したシミュレーションにおいては、前述のシミュ
レーションと同様に、AC電圧が−220[V]に達し
た時点でトナー3の仮想飛翔が開始され、トナー3はA
C電圧がプラス側に反転すると減速されたり、一旦停止
したり、スイッチバックしたりした。そして、周波数f
が高くなるほど、1周期内に仮想飛翔する距離が短くな
り、対向電極1に到達するまでのトナー3の仮想飛翔時
間が延長された。
【0051】以上のシミュレーションにおいて、何れの
周波数fの場合にも基板電極2に再付着するトナー3は
認められなかったので、次に、AC電圧のVp−p値を
1000[V]から600[V]に下げ、先に列記した
周波数fと同様の周波数に設定した場合を想定して個々
にシミュレーションした。しかし、これら何れのシミュ
レーションにおいても、基板電極2に再付着するトナー
3は認められなかった。
【0052】図14(a)から(o)は、それぞれVp
−p値を600[V]と想定し、且つ周波数fを10.
0[kHz](周期T=100μsec)と想定したシ
ミュレーションにおけるトナー3の仮想飛翔の状態を示
す模式図である。図14の各図においては、12[μs
ec]経過毎のトナーの仮想飛翔状態を示している。図
示のように、AC電圧の1周期が終わった時点(j)
で、トナー3はギャップGの中間よりやや基板電極2側
に位置し、基盤電極2表面には戻っていないので、以
降、対向電極1に徐々に近づき、基板電極2に再付着す
ることはない。
【0053】次いで、AC電圧のVp−p値を更に50
0[V]に下げ、先に列記した周波数fと同様の周波数
に設定した場合を想定して個々にシミュレーションした
が、これら何れのシミュレーションにおいても、トナー
3の基板電極2への再付着は認められなかった。
【0054】図15(a)から(o)は、それぞれVp
−p値を500[V]と想定し、且つ周波数fを10.
0[kHz](周期T=100μsec)と想定したシ
ミュレーションにおけるトナー3の仮想飛翔の状態を示
す模式図である。図15の各図においては、10[μs
ec]経過毎のトナーの仮想飛翔状態を示している。図
示のように、このシミュレーションにおいても、図14
におけるシミュレーションと同様に、トナー3が基板電
極2に再付着することはない。
【0055】そこで、AC電圧のVp−p値を更に44
0[V]まで下げ、先に列記した周波数fと同様の周波
数に設定した場合を想定して個々にシミュレーションし
た。これらのシミュレーションにおいては、AC電圧の
マイナス側ピーク値は、−220[V]であり、最低飛
翔電位差に等しい。このため、基板電極2上のトナー3
は、AC電圧がマイナス側ピーク値に達した時点でよう
やく飛翔を開始することになる。
【0056】図16(a)から(o)は、それぞれVp
−p値を440[V]と想定し、且つ周波数fを3.0
[kHz](周期T=333μsec)と想定したシミ
ュレーションにおけるトナー3の仮想飛翔の状態を示す
模式図である。図16の各図においては、20[μse
c]経過毎のトナーの仮想飛翔状態を示している。図示
のように、基板電極2から飛翔したトナー3は、対向電
極1と基板電極2との間に形成される電界の極性がプラ
ス側に反転すると(j)、減速されたしてから(k)基
板電極2に向けて逆飛翔を開始し(l)、AC電圧の印
加開始から280[μsec]経過した時点((o)、
仮想飛翔時間=約180μsec)で基板電極2に再付
着する。基板電極2にトナー3を再付着させ得るAC電
圧の特性をようやく見出すことができた。上述の実験結
果でトナー3の基板電極2への再付着を確認することが
できなかったのは、AC電圧のピーク値を最低飛翔電位
差と同等の値まで低下させなかったためである。但し、
AC電圧のピーク値と最低飛翔電圧とが一致したのは偶
然であり、トナー3に対して、マイナス電界による加速
時間を短縮し、プラス電界による減速時間や逆方向加速
時間を延長することが基板電極2に再付着させるための
必須条件と考えられる。このような必須条件が存在する
ことは、常識的には予想できなかったことである。
【0057】ところで、本シミュレーションにより、プ
ロジェクション方式の画像形成方法においても、トナー
3を上記非潜像部に転移させて地汚れを発生させるおそ
れがあることを見出した。図17(a)から(o)は、
それぞれVp−p値を440[V]と想定し、且つ周波
数fを5.0[kHz](周期T=200μsec)と
想定したシミュレーションにおけるトナー3の仮想飛翔
の状態を示す模式図である。図17の各図においても、
図16と同様に20[μsec]経過毎のトナーの仮想
飛翔状態を示している。なお、図17において対向電極
1は、プロジェクション方式の画像形成装置における感
光層1aの非潜像部に相当する。図示のように、基板電
極2から飛翔したトナー3は、Uターンにより基盤電極
2に向けて逆飛翔((h)から(j))するが、基板電
極2との接触により再付着せずに、基板電極2上で跳ね
返る(k)。そして、この跳ね返りの力と、該跳ね返り
の直後にマイナス側に再反転する電界の力との相乗作用
により、対向電極1に向けて加速される力が増加して対
向電極1に到達してしまう(仮想飛翔時間=約230μ
sec)。このようにトナー3が対向電極1に到達する
と、上述のように、地汚れを生じ易くなるという不具合
がある。このような不具合を軽減すべく、AC電圧の特
性を変化させてUターントナーを基板電極2にソフトラ
ンディングさせる方法が考えられるが、この方法の実現
は甚だ困難である。なお、上記シミュレーションシステ
ムではトナーの反撥係数を0.7として演算する。一般
的にトナーの母体樹脂は比較的硬いので、この反撥係数
の値は妥当である。また、反撥係数を0.5や0.3に
変更してシミュレーションしても、結果に変化はなかっ
た。
【0058】[実施例]次に、本発明に係る画像形成方
法の実施例について説明する。本発明においては、感光
体ドラム1の感光層1aの潜像部と現像ローラ2との間
におけるトナー3の飛翔を回避すべく、トナー3の帯電
極性と同極性側のAC電圧ピーク値と、該潜像部の表面
電位との電位差を最低飛翔電位差よりも小さく維持さ
せ、且つ、該AC電圧ピーク値と感光層1aの非潜像部
との電位差を該最低飛翔電位差以上に維持させる。ま
た、プロジェクション方式の画像形成方法とは異なり、
10[kHz]未満のAC電圧を印加する。具体的に
は、例えば上記各シミュレーションで想定した装置と同
様の構成の装置を用いる場合には、常温常湿において、
周波数f=2[kHz]で、Vp−p=400[V]の
AC電圧を印加し、且つ、潜像部の電位を+20[V]
に、非潜像部の電位を0[V]に設定する。このような
設定により、常温常湿の条件下でAC電圧をピーク値の
−200[V]に到達させたときに、潜像部と現像ロー
ラ2との電位差を220[V](最低飛翔電位差と同等
の値)にし、且つ、非潜像部と現像ローラ2との電位差
である非潜像領域電位差を+200[V](最低飛翔電
圧よりも小さい値)にする。これにより、潜像部と現像
ローラ2との間でトナー3を飛翔させ、且つ、非潜像部
と現像ローラ2との間でトナー3を飛翔させないように
することができる。また、上述のように、湿度変化に伴
って最低飛翔電位差を変化させるので、該湿度変化に応
じてAC電圧のVp−pを変更するように構成する。
【0059】図18は、ジャンピング方式の画像形成方
法と、プロジェクション方式の画像形成方法と、本発明
に係る画像形成方法との関係を示すグラフである。図1
8において、縦軸はAC電圧などの変動電圧の周波数f
を示し、横軸は感光層1aの非潜像部と現像ローラ2と
の最大電位差Exを示すものである。図示のように、ジ
ャンピング方式の画像形成方法では、全てのトナーを感
光体ドラム1に向けて飛翔させるので、最大電位差Ex
の値は最低飛翔電位差Eminよりも大きくなる。これ
に対し、本発明に係る画像形成方法では、現像ローラ2
から非潜像部へのトナー飛翔が回避される結果、最大電
位差Exの値は最低飛翔電位差Eminよりも小さくな
る。また、プロジェクション方式の画像形成方法では、
感光層1aと現像ローラ2との間のトナー3を現像ロー
ラ2に向けて逆飛翔させて確実に再転移させるべく、1
0[kHz]以上の変動電圧が印加される。これに対
し、本発明に係る画像形成方法では、10[kHz]未
満の変動電圧が印加される。
【0060】本発明に係る画像形成方法において、変動
電圧を印加する最大の目的は、感光層1aの潜像部と非
潜像部との電位差を低く抑えて、低電位の潜像部の現像
を可能にすることである。これにより、現像効率を上げ
ることができとともに、形成画像に微妙な濃淡差をつけ
ることができる。
【0061】図19(a)から(o)は静電潜像担持体
である対向電極1の表面電位を非潜像部と同等の0
[V]に、AC電圧のVp−p値を400[V]に、該
AC電圧の周波数fを2.0[kHz](周期T=50
0μsec]に、設定した場合を想定したシミュレーシ
ョンにおけるトナー3の仮想飛翔の状態を示す模式図で
ある。図19の各図においては、17[μsec]経過
毎のトナーの仮想飛翔状態を示している。また、対向電
極1は感光体ドラムの非潜像部に相当する。図示のよう
に、AC電圧をマイナス側ピーク値の−200[V]に
到達させても(i)、現像ローラ2の潜像非対応部に相
当する基板電極2上のトナー3を飛翔させないことがわ
かる。
【0062】図20(a)から(o)は対向電極1の表
面電位を潜像部と同等の+20[V]に設定し、他の条
件を先のシミュレーションと同様に設定した場合を想定
したシミュレーションにおけるトナー3の仮想飛翔の状
態を示す模式図である。図20の各図においても、図1
9と同様に17[μsec]経過毎のトナーの仮想飛翔
状態を示している。また、対向電極1は感光体ドラム上
の潜像部に相当する。図示のように、基板電極2上のト
ナー3は、AC電圧がマイナス側ピーク値に到達したと
き(i)から飛翔を開始し、AC電圧がプラスから再度
マイナスに切り替わるとき(o)に対向電極1に到達し
ている(仮想飛翔時間=約125μsec)。
【0063】これらのシミュレーションの結果に基づい
て、ほぼ同一の条件により実機を用いて潜像を現像した
ところ、地汚れの発生が認められた。このように地汚れ
を発生させた原因は、個々のトナー粒子の帯電量にバラ
ツキがあったことであると考えられる。具体的には、個
々のトナー粒子の平均帯電量は−15[μC/g]であ
ったが、中には高電位に帯電している高帯電トナー粒子
も含まれ、この高帯電トナー粒子が感光体の非潜像部に
付着したと考えられる。そこで、地汚れの発生を軽減す
べく、AC電圧のVp−p値を400[V]から200
[V]に下げたところ、地汚れの発生を回避することが
できたが、低電位の潜像部を現像することができなくな
ってしまった。従って、本発明に係る画像形成方法にお
いて、地汚れの発生を回避し、且つ、低電位の潜像の現
像を可能にするためには、帯電量分布幅の狭いトナーを
用いるか、あるいはトナー帯電量分布幅を狭め得るトナ
ー帯電法を用いることが必要である。今後、トナーとト
ナー帯電技術の開発がより進展し、トナー帯電量分布幅
の狭小化が実現されることで、本発明はより一層の効果
を発揮し得る。
【0064】トナー帯電量分布幅をより狭小化した条件
であれば、変動電圧ではなく定電位DC電圧を印加して
も低電位の潜像を現像し得るが、地汚れを生ずる確率が
大きくなる。変動電圧を印加する場合には、AC電圧値
をトナーの帯電極性と同極性側のピーク値に到達させた
とき付近でしかトナーを飛翔させ得ないのに対し、定電
位DC電圧を印加する場合には、印加している限りにお
いてトナーを飛翔させ得るからである。また、変動電圧
を印加する場合には、現像ローラの潜像非対応部から飛
翔させてしまったトナーを逆極性の電界で現像ローラに
再転移させ得るのに対し、定電位DC電圧を印加する場
合には、再転移させ得ないからである。
【0065】なお、上述のように、最低飛翔電位差は湿
度等の環境変化により変動する。このため、上記非潜像
領域電位差を最低飛翔電位差よりも小さく維持すること
が望ましい。具体的には、湿度変化に応じてAC電圧の
Vp−p値を変化させたり、感光体ドラムの潜像部と非
潜像部との電位差を十分に大きく設定することが望まし
い。
【0066】[比較例1]次に、本発明に係る画像形成
方法が適用されない比較例1の画像形成方法について説
明する。本比較例1の画像形成方法においては、10
[kHz]の周波数fのAC電圧を印加する。これ以外
の条件を上記実施例の画像形成方法と同様に設定したこ
とを想定してシミュレーションした。
【0067】図21(a)から(o)は対向電極1の表
面電位を潜像部と同等の+20[V]に、AC電圧のV
p−p値を400[V]に、該AC電圧の周波数fを1
0.0[kHz](周期T=100μsec]に、設定
した場合を想定したシミュレーションにおけるトナー3
の仮想飛翔の状態を示す模式図である。図21の各図に
おいては、16[μsec]経過毎のトナーの仮想飛翔
状態を示している。また、対向電極1は感光体ドラムの
潜像部に相当する。図示のように、トナー3は、AC電
圧がマイナス側のピーク値になった時点((c)、印加
開始から25μsec後)で飛翔を開始するが、AC電
圧の値がプラス側に逆転すると(e)、基板電極2の方
にスイッチバックした後((f)から(h))、再びA
C電圧の値がマイナス側に逆転すると(i)、再び対向
電極1に向けて飛翔する((j)、(k))。このよう
な飛翔とスイッチバックとを数回繰り返した後、AC電
圧の印加開始から470[μsec]後に対向電極に到
達しており(図示せず)、上記実施例の画像形成装置よ
りも仮想飛翔時間が約3倍に延長された(仮想飛翔時間
=445μsec)。
【0068】ドットの大きい通常のアナログ潜像を現像
する場合には、445[μsec]程度のトナー飛翔時
間であっても問題ないが、微小ドットのデジタル画像を
現像する場合には、このトナー飛翔時間は問題となって
くる。例えば、1200[dpi]の1ドットの潜像の
大きさは約30[μm]である。ここで、感光体ドラム
の線速を100[mm/sec]、現像ローラの線速を
200[mm/sec]、に設定すると両者の相対線速
は100[mm/sec]である。この相対線速におい
て、30[μm]の移動に要する時間は300[μse
c]である。一方、トナーは現像ローラの回転方向と同
方向に初速度100[mm/sec]の慣性力が付与さ
れて飛翔するので、感光体ドラムの潜像部に到達するこ
とができなくなり、非潜像部に付着して地汚れを生じた
り、潜像部周囲に付着してドットや形成画像のエッジ部
分のシャープ性を低下させたりする問題を生ずることに
なる。なお、トナーは、粒径が小さいので、空気抵抗に
より現像ローラ回転方向への初速度が減速されるように
なる。しかし、現像ローラの回転によりギャップGに気
流が生ずるので、条件によっては適正に減速されないお
それがある。また、感光体ドラムと現像ローラの線速を
同等に設定することで、上記問題を解消することができ
るが、画像濃度を低下させるという副作用が生ずる。
【0069】[比較例2]次に、上記比較例1の画像形
成方法と異なる比較例2の画像形成方法について説明す
る。プロジェクション方式の画像形成方法では、現像ロ
ーラの潜像非対応部から飛翔させたトナーを確実に該潜
像非対応部に再転移させるべく、10[kHz]以上の
変動電圧を印加する。潜像非対応部からトナーを飛翔さ
せるためには、感光体ドラムの非潜像部と潜像非対応部
との電位差を最低飛翔電位差よりも大きく設定する必要
がある。そこで、本比較例2の画像形成方法では、Vp
−p=440[V]で、10.0[kHz]のAC電圧
を印加し、感光体ドラムの潜像部の電位を+20[V]
に、非潜像部の電位を0[V]にそれぞれ設定し、且
つ、他の条件を上記実施例の画像形成方法と同様に設定
して画像を形成する。
【0070】図22(a)から(o)は対向電極1の表
面電位を非潜像部と同等の0[V]に、AC電圧のVp
−p値を440[V]に、該AC電圧の周波数fを1
0.0[kHz](周期T=100μsec]に、設定
した場合を想定したシミュレーションにおけるトナー3
の仮想飛翔の状態を示す模式図である。図22の各図に
おいては、12[μsec]経過毎のトナーの仮想飛翔
状態を示している。また、対向電極1は感光体ドラム上
の非潜像部に相当する。図示のように、このシミュレー
ションにおいては、Uターンしたトナー3が基板電極2
上で跳ね返る(j)。そして、この跳ね返りの力と、極
性をプラス側に反転させたAC電圧により形成される電
界の力との相乗作用により、対向電極1に向けて大きく
加速されて対向電極1に到達してしまう(図示せず)。
従って、地汚れを生ずることになる。
【0071】図23(a)から(o)は対向電極1の表
面電位を潜像部と同等の+20[V]に、AC電圧のV
p−p値を440[V]に、該AC電圧の周波数fを1
0.0[kHz](周期T=100μsec]に、設定
した場合を想定したシミュレーションにおけるトナー3
の仮想飛翔の状態を示す模式図である。図22の各図に
おいても、図22と同様に12[μsec]経過毎のト
ナーの仮想飛翔状態を示している。また、対向電極1は
感光体ドラム上の潜像部に相当する。図示のように、こ
のシミュレーションにおいては、図21で示した比較例
1のシミュレーションと同様に、飛翔したトナーが飛翔
とスイッチバックとを繰り返すことがわかる。なお、図
示を省略しているが、AC電圧の印加を開始してからト
ナー3を対向電極1に到達させるまでに要した時間は約
350[μsec]であり、仮想飛翔時間は325[μ
sec]であった。従って、比較例1の画像形成方法と
同様に、地汚れを生じたり、ドットや形成画像のエッジ
部分のシャープ性を低下させたりするおそれがある。
【0072】以上、感光層を露光する方式の画像形成方
法について説明したが、静電潜像担持体上の誘電層に静
電潜像を形成する方式の画像形成方法にも本発明の適用
が可能である。
【0073】また、粒子担持体としての現像ローラの表
面は、導電層である場合に限られず、誘電層であっても
よい。
【0074】また、静電潜像担持体がドラム状であり、
且つ、粒子担持体がローラ状である画像形成方法につい
て説明したが、これらは例えば無端ベルト状であっても
よい。
【0075】また、変動電圧としてAC電圧を印加する
実施例について説明したが、例えば、変動電圧としてD
Cパルス電圧を印加するようにしてもよい。
【0076】また、基板電極2(現像ローラ2)にAC
電圧を印加する実施例について説明したが、基板電極2
と対向電極1とに(現像ローラ2と感光体ドラム1と
に)AC電圧を印加するようにしてもよい。
【0077】
【発明の効果】請求項1又は2の発明によれば、静電潜
像担持体の非潜像部と粒子担持体の潜像非対応部との間
に形成される電界の力と、該粒子担持体上での跳ね返り
の力との相乗作用による画像形成粒子の該非潜像部への
転移を回避することができるので、地汚れの発生をより
確実に回避することができるという優れた効果がある。
【0078】請求項3の発明によれば、粒子飛翔時間を
より短縮化し得るので、ドット等の単位画像や形成画像
のエッジ部分をより鮮明にすることができるという優れ
た効果がある。
【0079】請求項4の発明によれば、非潜像部と潜像
非対応部との間に形成される電界の力と、該粒子担持体
上での跳ね返りの力との相乗作用による画像形成粒子の
該非潜像部への転移を回避することができるという優れ
た効果がある。また、粒子飛翔時間を短縮化し得るの
で、ドット等の単位画像や形成画像のエッジ部分をより
鮮明にすることができるという優れた効果がある。
【0080】請求項5又は6の発明によれば、粒子担持
体の潜像非対応部からの画像形成粒子の飛翔をより確実
に回避するので、地汚れの発生を更に確実に回避するこ
とができるという優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のジャンピング方式の画像形成方法を用い
る画像形成装置の現像部の一例を示す断面図。
【図2】(a)は同画像形成装置の感光層1aの潜像部
と現像ローラ2との間におけるトナーの飛翔状態を示す
模式図。(b)は同感光層1aの非潜像部と現像ローラ
2との間におけるトナーの飛翔状態を示す模式図。
(c)は同画像形成装置における変動電圧印加のタイミ
ングチャート。
【図3】同画像形成装置における現像画像の画像濃度I
Dと潜像部電位VDとの関係を示すグラフ。
【図4】従来のプロジェクション方式の画像形成方法を
用いる画像形成装置の現像部の一例を示す断面図。
【図5】同画像形成装置における変動電圧印加のタイミ
ングチャート。
【図6】同画像形成装置におけるトナー3の引き返しの
状態を示す模式図。
【図7】(a)及び(b)は、それぞれ同画像形成装置
におけるトナー3の飛翔位置と飛翔時間との関係を示す
グラフ。
【図8】本発明者らが用いた実験装置の概略構成を示す
断面図。
【図9】(a)から(o)は、それぞれVdcの値を+
210[V]と想定したシミュレーションにおけるトナ
ー3の仮想飛翔の状態を示す模式図。
【図10】(a)から(l)は、それぞれVdcの値を
+220[V]と想定したシミュレーションにおける該
仮想飛翔の状態を示す模式図。
【図11】(a)から(o)は、それぞれVp−pが4
40[V]で周波数fが1.0[kHz]であるAC電
圧の印加を想定したシミュレーションにおけるトナー3
の仮想飛翔の状態を示す模式図。
【図12】(a)から(i)は、それぞれ同シミュレー
ションにおいて周波数fを7.0[kHz]に変更した
場合を想定したシミュレーションにおけるトナー3の仮
想飛翔の状態を示す模式図。
【図13】(a)から(o)は、それぞれ同シミュレー
ションにおいて周波数fを10.0[kHz]に変更し
た場合を想定したシミュレーションにおけるトナー3の
仮想飛翔の状態を示す模式図。
【図14】(a)から(o)は、それぞれ同シミュレー
ションにおいてVp−p値を600[V]に変更した場
合を想定したシミュレーションにおけるトナー3の仮想
飛翔の状態を示す模式図。
【図15】(a)から(o)は、それぞれ同シミュレー
ションにおいてVp−p値を500[V]に変更した場
合を想定したシミュレーションにおけるトナー3の仮想
飛翔の状態を示す模式図。
【図16】(a)から(o)は、それぞれ同シミュレー
ションにおいてVp−p値を440[V]に変更した場
合を想定したシミュレーションにおけるトナー3の仮想
飛翔の状態を示す模式図。
【図17】(a)から(o)は、それぞれ同シミュレー
ションにおいて周波数fを5.0[kHz]に変更した
場合を想定したシミュレーションにおけるトナー3の仮
想飛翔の状態を示す模式図。
【図18】従来のジャンピング方式の画像形成方法と、
従来のプロジェクション方式の画像形成方法と、本発明
に係る画像形成方法との関係を示すグラフ。
【図19】(a)から(o)は、それぞれ同シミュレー
ションにおいて、周波数fを2.0[kHz]、Vp−
p値を400[V]に変更した場合を想定したシミュレ
ーションにおけるトナー3の仮想飛翔の状態を示す模式
図。
【図20】(a)から(o)は、それぞれ同シミュレー
ションにおいて、対向電極1の表面電位を+20[V]
に変更した場合を想定したシミュレーションにおけるト
ナー3の仮想飛翔の状態を示す模式図。
【図21】(a)から(o)は、それぞれ同シミュレー
ションにおいて、周波数fを10.0[kHz]に変更
した場合を想定したシミュレーションにおけるトナー3
の仮想飛翔の状態を示す模式図。
【図22】(a)から(o)は、それぞれ同シミュレー
ションにおいて、Vp−p値を440[V]に、周波数
fを10.0[kHz]に、対向電極1の表面電位を0
[V]に変更した場合を想定したシミュレーションにお
けるトナー3の仮想飛翔の状態を示す模式図。
【図23】(a)から(o)は、それぞれ同シミュレー
ションにおいて、対向電極1の表面電位を+20[V]
に変更した場合を想定したシミュレーションにおけるト
ナー3の仮想飛翔の状態を示す模式図。
【符号の説明】
1 感光体ドラム(又は対向電極) 1a 感光層 2 現像ローラ(又は基板電極) 2c アルミ板 2d トナーホッパー 3 トナー 4 現像ケーシング 5 ブレード 6 電圧印加手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 門永 雅史 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 Fターム(参考) 2H073 BA04 BA09 BA13 BA33 CA02 CA14 2H077 AD13 AD16 AD36 AE03 AE04 BA07 DA18 DB08 DB12 DB14 EA14 EA16

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】静電潜像を担持する静電潜像担持体と、帯
    電した画像形成粒子を担持する粒子担持体とを、所定の
    間隙を介して対向させ、経時に伴って値が変動する変動
    電圧を少なくとも該粒子担持体に印加して、該粒子担持
    体上の画像形成粒子を該静電潜像担持体に向けて飛翔さ
    せ、飛翔させた画像形成粒子を該静電潜像に付着させて
    可視画像を形成する画像形成方法において、該粒子担持
    体の潜像非対応部から該静電潜像担持体の非潜像部に向
    けて画像形成粒子を飛翔させず、且つ、該粒子担持体の
    潜像対応部から該静電潜像担持体の潜像部に向けて画像
    形成粒子を飛翔させるように制御することを特徴とする
    画像形成方法。
  2. 【請求項2】請求項1の画像形成方法において、上記変
    動電圧の値をピーク値に到達させたときに、上記静電潜
    像担持体の非潜像部と上記粒子担持体の潜像非対応部と
    の電位差では該潜像非対応部の画像形成粒子を飛翔させ
    ず、該静電潜像担持体の潜像部と該粒子担持体の潜像対
    応部との電位差で該潜像対応部の画像形成粒子を飛翔さ
    せるように、該潜像部と該非潜像部との電位差、及び、
    該ピーク値、を設定することを特徴とする画像形成方
    法。
  3. 【請求項3】請求項2の画像形成方法であって、上記変
    動電圧の変動周波数が10[kHz]未満であることを
    特徴とする画像形成方法。
  4. 【請求項4】静電潜像を担持する静電潜像担持体と、所
    定の間隙を介して該静電潜像担持体に対向し、帯電した
    画像形成粒子を担持する粒子担持体と、経時に伴って値
    が変動する変動電圧を印加する電圧印加手段とを備え、
    該変動電圧を少なくとも該粒子担持体に印加して、該粒
    子担持体上の画像形成粒子を該静電潜像担持体に向けて
    飛翔させ、飛翔させた画像形成粒子を該静電潜像に付着
    させて可視画像を形成する画像形成装置において、請求
    項3の画像形成方法を用いるように構成したことを特徴
    とする画像形成装置。
  5. 【請求項5】請求項4の画像形成装置において、湿度を
    検知する湿度検知手段を設け、画像形成粒子を上記粒子
    担持体から飛翔させるために最低限必要となる上記静電
    潜像担持体と該粒子担持体との電位差である最低飛翔電
    位差よりも、該静電潜像担持体の潜像部と該粒子担持体
    の潜像非対応部との電位差を小さく維持させるように、
    湿度変化に応じて上記ピーク値を変化させるように構成
    したことを特徴とする画像形成装置。
  6. 【請求項6】請求項4の画像形成装置において、画像形
    成粒子を上記粒子担持体から飛翔させるために最低限必
    要となる上記静電潜像担持体と該粒子担持体との電位差
    である最低飛翔電位差を環境の変化に伴って変化させて
    も、上記静電潜像担持体の非潜像部と該粒子担持体の潜
    像非対応部との電位差を該最低飛翔電位差より小さく維
    持させ、且つ該静電潜像担持体の潜像部と該粒子担持体
    の潜像対応部との電位差を該最低飛翔電位差と同等以上
    に維持させ得る程度に、該潜像部と該非潜像部との電位
    差を大きく設定したことを特徴とする画像形成装置。
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