JPH06242657A - 多色画像形成装置 - Google Patents

多色画像形成装置

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JPH06242657A
JPH06242657A JP5129928A JP12992893A JPH06242657A JP H06242657 A JPH06242657 A JP H06242657A JP 5129928 A JP5129928 A JP 5129928A JP 12992893 A JP12992893 A JP 12992893A JP H06242657 A JPH06242657 A JP H06242657A
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Hiroharu Suzuki
弘治 鈴木
Naotaka Iwata
尚貴 岩田
Akira Sawada
彰 沢田
Kazuhiro Nishido
和宏 西土
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 1色目のトナー像を乱すことなく、良好な2
色目の画像が得られ、かつ、2色目での混色がないカラ
ー複写機を提供する。 【構成】 2色目の現像時に、一周期の期間TA(100μ
sec以内)のパルス電圧VPULS、及び期間TBの直流電圧
VDCからなる現像バイアス電圧を繰り返し周波数5kHz以
下で印加する。VPULSは非画像部電位VDより大きく現
像ポテンシャルが高くなるように、VDCは1色目のトナ
ー層電位VT及びVDより小さく、かつ画像部電位VLよ
り大きく十分な現像ポテンシャルが得られるように設定
する。VDCとVTとの電位差は500V以下に設定する。現
像ギャップは100〜300μmに設定する。VPULSの立下り
部にオーバシュート部を含んでもよく、VPULSの代わり
に三角波電圧を印加してもよい。また、既現像の1色目
トナーの吸着力が2色目の現像電界の影響を受けにくく
する。また、現像ギャップで所定の移動特性を示す2色
目のトナーを選択する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、複写機、ファクシミ
リ、プリンター等の画像形成装置に係り、詳しくは、像
担持体上に多色の顕像を形成した後、該顕像を転写材上
に一括転写する多色画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、像担持体上に異なった色の現像剤
による多色の顕像を形成する多色画像形成装置において
は、2色目の現像手段に用いる現像剤として、特に装置
の小型化及び低コスト化の面で有利な一成分系現像剤で
あってカラー化が容易である非磁性トナーを用い、現像
剤担持体上のトナー層と像担持体とを非接触に対向させ
て現像を行うことにより、既に形成されている第1色目
のトナー像を乱さず現像する方法が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の多色画像形
成装置としては、例えば、複数個の現像手段を像担持体
の周囲に設けて多色画像を得る多色画像形成装置であっ
て、下流側の2色目用の現像手段に用いる一成分現像剤
の黒トナーの極性が、上流側の1色目用の現像手段に用
いる2成分現像剤の有彩色トナーの極性と逆極性であ
り、また、下流側の2色目用の現像剤担持体上の層厚3
0〜500μm のトナー層が像担持体と非接触の状態
で、現像時にはこのトナーが現像されるような交流電界
を形成する交流の現像バイアス電圧、一方非現像時には
上流側の有彩色トナーが現像されるような電界が形成さ
れる現像バイアス電圧を、下流側の2色目の現像剤担持
体に印加するものが知られている(特開昭63−604
71号公報参照)。ところが、この装置では2色目の現
像時に、現像バイアス電圧として交流電圧を印加してい
るので、像担持体の潜像面と現像剤担持体面の間で2色
目のトナーが該潜像面に衝突しながら往復運動し、1色
目のトナー像が乱れてしまったり、2色目のトナーとと
もに1色目のトナーが現像剤担持体面に衝突しながら往
復運動し、2色目の現像手段内に1色目のトナーが混入
してしまって次第に第2色目のトナーが濁ってしまった
りする恐れがある。
【0004】そこで、この不具合を解決するために、第
2色目の現像時に直流の現像バイアス電圧を印加して非
磁性トナーを像担持体側に向けて飛翔させトナーの混色
を防ぐ多色画像形成装置が提案されている。例えば、感
光層の厚みが35〜90μm で静電容量が20〜170
pF/cm2のセレン又はセレン化砒素感光体によって構成
される像担持体の周辺に、複数の現像手段を配設し、帯
電、露光、現像を複数回繰り返して同一像担持体上にカ
ラー像を得る画像形成方法であって、第2色目の現像手
段において像担持体との間隙が250μm 以下の現像剤
担持体に直流バイアス電圧を印加し、薄層化トナーの非
接触現像を行ない、現像に寄与していない現像剤担持体
の駆動を停止し、その表面トナーを画像領域外で付着さ
せて混色を防ぐものが知られている(特開昭63−63
061号公報参照)。なお、本公知例では、像担持体と
して感光体層の厚みが15〜50μm のOPC、及び帯
電手段としてスコロトロン帯電器を用い、反転現像方式
を採用し、電位コントラストを400V以上、及び感光
体上のトナー層厚を5〜30μmに設定した実施例も示
されている。
【0005】また、例えば、複数の現像手段を非接触状
態で記録媒体に配して多色画像を得るものであって、上
流側の第1現像手段を、直流偏奇された交流バイアスを
印加した現像剤担持体の周速を同方向回転で記録媒体よ
り速くした黒現像とし、一方、下流の第2現像手段以降
を、直流バイアス電圧のみを印加した等速現像のカラー
現像としたものが知られている(特開昭63−8557
8号公報参照)。
【0006】しかし、直流の現像バイアス電圧によって
発生させた電界下でトナーを飛翔させた場合、低コント
ラスト部では凝集したトナーが局所的に抜けていき粒状
性の強い画像となる不具合が生じ、また、ライン潜像部
では図7(b)に示すように、潜像のエッジ電界が像担
持体側へ回り込んでしまい、細線が再現されないという
不具合いを生じる。
【0007】本発明は以上の問題点に鑑みなされたもの
であり、その目的とするところは、像担持体上に多色の
顕像を形成した後、該顕像を転写剤に一括転写する多色
画像形成装置において、該像担持体上の既現像の顕像を
乱すことなく、良好な2色目以降の多色の顕像を形成
し、かつ、2色目以降の現像手段での混色を防止するこ
とである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1の発明は、像担持体上に多色の顕像を形
成した後、該顕像を転写材上に一括転写する多色画像形
成装置において、2色目以降の現像手段として、表面に
一成分現像剤を担持する現像剤担持体と、1周期が第1
の期間と第2の期間からなる周期的に変化する現像バイ
アス電圧を該現像剤担持体に印加する現像バイアス電圧
印加手段とを有する現像手段を備え、該第1の期間にお
いて、該像担持体の画像部及び非画像部に向けて該現像
剤を飛翔させる電界が該像担持体と該現像剤担持体との
間の間隙に発生するような第1の電圧を該現像剤担持体
に印加し、該第2の期間において、該現像剤を該画像部
に向けて飛翔させ、該第1の期間に該非画像部に向かっ
ていた該現像剤を該現像剤担持体側に引き戻し、かつ、
既現像の現像剤が該像担持体上から離脱しない電界が該
間隙に発生するような第2の電圧を該現像剤担持体に印
加し、該第1の期間を、該現像剤が該非画像部に到達し
ないように、かつ、該像担持体上の既現像の現像剤が該
現像剤担持体に飛翔して到達しないように設定すること
を特徴とするものである。
【0009】また、請求項2の発明は、請求項1の多色
画像形成装置において、上記第1の電圧としてパルス状
電圧、上記第2の電圧として直流電圧をそれぞれ用い、
該第2の電圧を上記像担持体上の既現像の現像剤層の電
位との電位差が絶対値で500V以下になるように設定
し、上記第1の期間を100μsec以下に設定し、上記
現像バイアス電圧の1周期の繰り返し周波数を5kHz以
下に設定し、上記現像剤担持体と該像担持体との間の最
短間隙を100〜300μmの範囲内に設定したことを
特徴とするものである。
【0010】また、請求項3の発明は、請求項1の多色
画像形成装置において、上記第1の電圧としてパルス状
電圧、上記第2の電圧として直流電圧をそれぞれ用い、
該パルス状電圧の立ち下がり部がオーバシュート部を有
し、該オーバシュート部のピーク電圧と該直流電圧との
電圧差を50V以上に設定したことを特徴とするもので
ある。
【0011】また、請求項4の発明は、請求項1の多色
画像形成装置において、上記第1の電圧として三角波電
圧、上記第2の電圧として直流電圧をそれぞれ用い、該
三角波電圧の立ち上がり部及び立ち下がり部における電
圧変化率を5V/μsec以下に設定したことを特徴とす
るものである。
【0012】また、請求項5の発明は、請求項1の多色
画像形成装置において、上記第1の電圧としてパルス状
電圧、上記第2の電圧として直流電圧をそれぞれ用い、
該第1の電圧を上記像担持体上の非画像部の電位との電
位差が絶対値で100〜700Vになるように設定し、
該第2の電圧を上記像担持体上の非画像部の電位との電
位差が絶対値で50〜500Vになるように設定し、上
記第1の期間を100μsec以下に設定し、上記第2の
期間を200μsec以上に設定し、上記現像剤担持体と
該像担持体との間の最短間隙を100〜300μmの範
囲内に設定したことを特徴とするものである。
【0013】また、請求項6の発明は、請求項1の多色
画像形成装置において、2色目以降の現像における上記
現像剤担持体上の現像剤層の平均層厚が30μm以下で
あることを特徴とするものである。ここで、該現像剤層
の平均層厚は、レーザ光を用いて測定された現像剤層の
層厚の平均値であり、例えば、レーザ光学式非接触表面
形状測定システム(UBM社製)で10μm間隔で測定
した現像剤層の層厚の平均値である。
【0014】また、請求項7の発明は、請求項1の多色
画像形成装置において、2色目以降の現像における上記
現像剤担持体上の現像剤層の単位面積当たりの質量が
0.5〜2.0mg/cm2であることを特徴とするものであ
る。
【0015】また、請求項8の発明は、請求項1の多色
画像形成装置において、2色目以降の現像に用いる現像
剤の体積平均粒径が3〜15μmであり、該現像剤にお
ける粒径3μm以下の粒子の割合が20個数%以下であ
ることを特徴とするものである。
【0016】また、請求項9の発明は、請求項1の多色
画像形成装置において、2色目以降の現像に用いる現像
手段の現像剤担持体上の現像剤の体積平均粒径が3〜1
5μmであり、該現像剤における粒径20μm以上の粒子
の割合が10体積%以下であることを特徴とするもので
ある。
【0017】また、請求項10の発明は、請求項1の多
色画像形成装置において、2色目以降の現像に用いる現
像剤の凝集度が20%以下であることを特徴とするもの
である。ここで、該現像剤の凝集度は、パウダーテスタ
ー(ホソカワミクロン社製,粉体特性総合測定装置,T
YPE PT−E:商標)で測定されたものである。
【0018】また、請求項11の発明は、請求項1の多
色画像形成装置において、2色目以降の現像に用いる現
像剤に、疎水性シリカを0.3〜2.0重量%の範囲内
で外添したことを特徴とするものである。
【0019】また、請求項12の発明は、請求項1の多
色画像形成装置において、上記現像剤担持体の表面部が
誘電率の異なる複数の部分から構成されたことを特徴と
するものである。
【0020】また、請求項13の発明は、像担持体上に
多色の顕像を形成した後、該顕像を転写材上に一括転写
する多色画像形成装置において、2色目以降の現像手段
として、表面に一成分現像剤を担持する現像剤担持体
と、1周期が第1の期間と第2の期間からなる周期的に
変化する現像バイアス電圧を該現像剤担持体に印加する
現像バイアス電圧印加手段とを有する現像手段を備え、
該第1の期間において、該像担持体の画像部及び非画像
部に向けて該現像剤を飛翔させる電界が該像担持体と該
現像剤担持体との間の間隙に発生するような第1の電圧
を該現像剤担持体に印加し、該第2の期間において、該
現像剤を該画像部に向けて飛翔させ、該第1の期間に該
非画像部に向かっていた該現像剤を該現像剤担持体側に
引き戻す電界が該間隙に発生するような第2の電圧を該
現像剤担持体に印加し、該第1の期間を、該現像剤が該
非画像部に到達しないように設定し、2色目以降の現像
において、既現像の現像剤の該像担持体への付着力が該
現像バイアス電圧の印加で該間隙に発生する電界によっ
て影響を受けないことを特徴とするものである。
【0021】また、請求項14の発明は、請求項13の
多色画像形成装置において、上記既現像の現像剤の帯電
量が20μc/g以上であることを特徴とするものであ
る。
【0022】また、請求項15の発明は、請求項13の
多色画像形成装置において、上記既現像の現像剤の粒径
が10μm以下であることを特徴とするものである。
【0023】また、請求項16の発明は、請求項13の
多色画像形成装置において、上記既現像の現像剤の現像
前の凝集度が15〜50%であることを特徴とするもの
である。ここで、該現像剤の凝集度は、パウダーテスタ
ー(ホソカワミクロン社製,粉体特性総合測定装置,T
YPE PT−E:商標)で測定されたものである。
【0024】また、請求項17の発明は、請求項13の
多色画像形成装置において、1色目の現像手段が、2成
分系現像剤を用いる現像手段であることを特徴とするも
のである。
【0025】また、請求項18の発明は、請求項13の
多色画像形成装置において、上記第1の電圧としてパル
ス状電圧、上記第2の電圧として直流電圧をそれぞれ用
い、該パルス状電圧と該直流電圧との電圧差の絶対値
が、300〜600Vであることを特徴とするものであ
る。
【0026】また、請求項19の発明は、請求項13の
多色画像形成装置において、上記既現像の現像剤に作用
するファンデルワールス力が、上記現像バイアス電圧に
よって上記間隙に発生した電界から該既現像の現像剤が
受ける静電気力より大きいことを特徴とするものであ
る。
【0027】
【作用】請求項1の発明においては、2色目以降の上記
現像バイアス電圧の上記第1の期間において上記第1の
電圧が上記現像剤担持体に印加され、該現像剤担持体と
上記像担持体との間の間隙に所定の電界、例えば図7
(a)に示すような該像担持体へ向かう強電界が発生す
るので、該像担持体上での細線部の潜像の太さが劣化せ
ず、そして、該現像剤担持体上で浮上した現像剤は、該
像担持体上の画像部及び非画像部に向かって、該強電界
の方向に忠実に沿いながら飛翔する。また、該第1の期
間は、該現像剤が該非画像部に達しないように設定さ
れ、該第1の期間に続く上記第2の期間において上記第
2の電圧が該現像剤担持体に印加され、該間隙に所定の
電界が発生し、該現像剤担持体上の現像剤は該画像部に
向かって飛翔し、該第1の期間に該非画像部に向かって
いた現像剤は該現像剤担持体に戻るように飛翔し始めて
該現像剤担持体に到達する。これにより、現像剤が該現
像剤担持体の表面と該像担持体の表面との間で各表面に
衝突しながら往復動することがなくなる。また、該現像
剤は該現像剤担持体上で振動するので、凝集しないよう
にほぐされる。また、該第2の期間において該現像剤担
持体に印加される該第2の電圧は、既現像の現像剤が該
像担持体上から離脱しない電界が該間隙に発生するよう
に設定され、また、該第1の期間は、該像担持体上の既
現像の現像剤が該現像剤担持体に飛翔して到達しないよ
うに設定されているので、該現像剤担持体上から該既現
像の現像剤が離脱して2色目以降の現像手段内へ混入す
ることがなくなる。
【0028】請求項2の発明においては、上記第1の電
圧としてパルス状電圧、上記第2の電圧として直流電圧
をそれぞれ用いている。そして、上記第1の期間を10
0μsec以下に設定しているので、非画像部に向かって
飛翔している現像剤が該非現像部に到達することがな
い。また、該第2の電圧を上記像担持体上の既現像の現
像剤層の電位との電位差が絶対値で500V以下になる
ように設定しているので、該像担持体上の既現像の現像
剤が該像担持体の表面から離脱して2色目以降の現像剤
担持体に向かって逆飛翔しない。また、上記現像バイア
ス電圧の1周期の繰り返し周波数を5kHz以下に設定し
ているので、現像剤担持体面から一旦浮上して像担持体
に向かって飛翔した現像剤が再び該現像剤担持体に引き
戻される際に、十分に該現像剤担持体へ到達し、現像剤
がクラウド化しない。また、該現像剤担持体と該像担持
体との間の最短間隙を100μm以上に設定しているの
で、さらに現像剤が該像担持体の非画像部に到達するこ
とがなくなり、該最短間隙を300μm以下に設定して
いるので、現像電界の形成が容易になる。
【0029】請求項3の発明においては、上記現像バイ
アス電圧の上記第1の電圧をパルス状電圧、及び上記第
2の電圧を直流電圧で構成し、該パルス状電圧の立ち下
がり部がオーバシュート部を有している。このオーバシ
ュート部のピーク電圧と該直流電圧との電圧差は50V
以上に設定されており、このオーバシュート部により急
激に逆電界を形成し、上記現像剤担持体から浮上した現
像剤を速やかに該現像剤担持体に引き戻し、現像剤のク
ラウド化が防止され、また、振動電界の振幅が大きくな
って該現像剤担持体上で現像剤がより大きく振動し、凝
集しないようにほぐされる。なお、該オーバシュート部
の時間幅は50μsec以内、好ましくは10〜20μsec
程度の短時間に設定されるので、このオーバシュート部
の電圧が上記像担持体上の既現像の顕像に影響を及ぼす
こともない。
【0030】請求項4の発明においては、上記現像バイ
アス電圧の上記第1の電圧を三角波電圧で構成している
ので、矩形波のパルス状電圧と比較して、ピーク電圧が
同一の場合に上記第1の期間内の実効電圧が低くなり、
現像剤が上記現像剤担持体から浮上して上記像担持体の
非画像部に向かって移動する移動距離が短くなる。ま
た、該三角電圧は矩形波のパルス状電圧と比較して立ち
上がり部及び立ち下がり部の電圧変化をなだらかに設定
できる。また、該三角波電圧の立ち上がり部及び立ち下
がり部における電圧変化率を5V/μsec以下に設定し
ているので、上記現像剤担持体から浮上して上記像担持
体の非画像部に向かって飛翔する現像剤を該現像剤担持
体側に引き戻す電界が速やかに形成され、該現像剤が該
像担持体に到達するのを防止できる。
【0031】請求項5の発明においては、上記第1の電
圧としてパルス状電圧、及び上記第2の電圧として直流
電圧を用いている。そして、上記第1の期間を100μ
sec以下に設定しているので、非画像部に向かって飛翔
している現像剤が該非現像部に到達することがない。ま
た、上記第2の期間を200μsec以上に設定している
ので、現像剤担持体面から一旦浮上して像担持体に向か
って飛翔した現像剤が再び該現像剤担持体に引き戻され
る際に、十分に該現像剤担持体へ到達し、現像ギャップ
内で現像剤がクラウド化しない。また、該第1の電圧を
上記像担持体上の非画像部の電位との電位差が絶対値で
100〜700Vになるように設定しているので、該第
1の期間が50μsecの場合に、上述したように、該現
像剤が該現像剤担持体上で浮上し、該像担持体上の画像
部及び非画像部に向かって、該強電界の方向に忠実に沿
いながら飛翔するとともに、該非画像部に向かって飛翔
している現像剤が該非画像部に付着することがない。ま
た、該第2の電圧を該像担持体上の非画像部の電位との
電位差が絶対値で50V以上に設定しているので、該第
1の期間が50μsecの場合に、現像剤担持体面から一
旦浮上して像担持体に向かって飛翔した現像剤が再び該
現像剤担持体に引き戻される際に、十分に該現像剤担持
体へ到達し、現像剤がクラウド化しない。また、500
V以下に設定しているので、該像担持体上の既現像の現
像剤が該現像剤担持体に飛翔して到達しない。また、該
現像剤担持体と該像担持体との間の最短間隙を100μ
m以上に設定しているので、さらに現像剤が該像担持体
の非画像部に到達することがなくなり、該最短間隙を3
00μm以下に設定しているので、現像電界の形成が容
易になる。
【0032】請求項6の発明においては、2色目以降の
現像における上記現像剤担持体上の現像剤層の平均層厚
を30μm以下にすることにより、該現像剤層の表層と
上記像担持体表面との距離が接近して該像担持体上の非
画像部に到達する現像剤の量が増えてしまうこともな
く、また、画像部に対する現像量も過多にならない。
【0033】請求項7の発明においては、2色目以降の
現像における上記現像剤担持体上の現像剤層の単位面積
当たりの質量を0.5mg/cm2以上にすることにより、現
像剤と該現像剤担持体との接触確率が低くなって摩擦帯
電による吸着力が弱くなり、現像剤が該現像剤担持体表
面から離れる電界(以下、スレッシュホールド電界とい
う)が低くなるので、上記第1の電圧及び第2の電圧の
印加による現像剤の振動の効果が小さくならない。ま
た、該現像剤層の単位面積当たりの質量を2.0mg/cm2
以下にすることにより、現像剤層中に帯電の不十分な現
像剤が混じることもなく、該第1の電圧の印加による現
像剤の振動で現像剤が飛散しない。
【0034】上記現像剤における粒径3μm以下の微粒
子は、ファンデルワールス力、液架橋力といった力が静
電気力より相対的に強くなるため、上記第1の電圧の印
加による上記像担持体側への飛翔が起き難く、上記現像
剤担持体上に蓄積される傾向にある。そこで、請求項8
の発明においては、2色目以降の現像に用いる現像剤の
体積平均粒径が3〜15μmであり、該現像剤における
粒径3μm以下の微粒子の割合を20個数%以下にする
ことにより、該微粒子が該現像剤担持体表面を覆うこと
もなく、現像領域に形成される現像電界が弱くならない
ので、該第1の電圧の印加によって現像剤が該像担持体
側に飛翔し、現像剤の所定の振動が発生する。
【0035】また、上記現像剤における粒径20μm以
上の粗大粒子は慣性が大きく、一旦飛翔しはじめると引
き戻されにくい。そこで、請求項9の発明においては、
2色目以降の現像に用いる現像手段の現像剤担持体上の
現像剤の体積平均粒径が3〜15μmであり、該現像剤
における粒径20μm以上の粗大粒子の割合を10体積
%以下にすることにより、該像担持体側へ飛翔した現像
剤は、短い時間で該現像剤担持体側に引き戻され、クラ
ウド化しない。
【0036】請求項10の発明においては、2色目以降
の現像に用いる現像剤の凝集度を20%以下にすること
により、上記第1の電圧及び第2の電圧の印加で現像剤
同士の凝集をほぐすことが容易になる。
【0037】請求項11の発明においては、2色目以降
の現像に用いる現像剤に、疎水性シリカを外添してい
る。この疎水性シリカの外添量が所定量より少なくなる
と現像剤の上記現像剤担持体表面への付着力が強くな
り、また所定量より多くなると、現像剤の表面から離脱
するシリカが多くなり、現像剤収容器内を浮遊する浮遊
シリカが増加する。そこで、該疎水性シリカの外添量を
0.3重量%以上にすることにより、現像剤が上記現像
剤担持体に強く付着しない。また、該疎水性シリカの外
添量を2.0重量%以下にすることにより、該浮遊シリ
カが該現像剤担持体表面を覆うこともなく、現像領域に
形成される現像電界が弱くならない。
【0038】請求項12の発明においては、上記現像剤
担持体の表面部を誘電率の異なる複数の部分で構成して
いる。例えば、該表面部を、接地された導電体部に微小
な誘電体部を分散させて露出させたもので構成すること
により、該導電体部では、上記第1の電圧の印加時に、
強電界が形成され、該誘電体部に比べて現像剤の移動量
が多くなるので、該導電体部に付着している現像剤は画
像の低コントラスト部へも飛翔しやすくなる。また、誘
電体部に付着している現像剤は画像の高コントラスト部
のみにしか飛翔しない。
【0039】請求項13の発明においては、2色目以降
の上記現像バイアス電圧の上記第1の期間において上記
第1の電圧が上記現像剤担持体に印加され、該現像剤担
持体と上記像担持体との間の間隙に所定の電界、例えば
図7(a)に示すような該像担持体へ向かう強電界が発
生するので、該像担持体上での細線部の潜像の太さが劣
化せず、そして、該現像剤担持体上で浮上した現像剤
は、該像担持体上の画像部及び非画像部に向かって、該
強電界の方向に忠実に沿いながら飛翔する。また、該第
1の期間は、該現像剤が該非画像部に達しないように設
定され、該第1の期間に続く上記第2の期間において上
記第2の電圧が該現像剤担持体に印加され、該間隙に所
定の電界が発生し、該現像剤担持体上の現像剤は該画像
部に向かって飛翔し、該第1の期間に該非画像部に向か
っていた現像剤は該現像剤担持体に戻るように飛翔し始
めて該現像剤担持体に到達する。これにより、現像剤が
該現像剤担持体の表面と該像担持体の表面との間で各表
面に衝突しながら往復動することがなくなる。また、該
現像剤は該現像剤担持体上で振動するので、凝集しない
ようにほぐされる。また、2色目以降の現像において、
既現像の現像剤の該像担持体への吸着力が該現像バイア
ス電圧の印加で該間隙に発生する電界によって影響を受
けないようにしているので、該現像剤担持体上から該既
現像の現像剤が離脱して2色目以降の現像手段内へ混入
することがなくなる。
【0040】請求項14の発明においては、上記既現像
の現像剤の帯電量を20μc/g以上にすることにより、
該現像剤と上記像担持体との間に生じる鏡像力が大きく
なり、該現像剤の該像担持体への付着力が、2色目以降
の現像において印加される現像バイアス電圧で上記間隙
に発生する電界による影響を受けにくくなる。
【0041】請求項15の発明においては、上記既現像
の現像剤の粒径を10μm以下にすることにより、該現
像剤と上記像担持体との間に生じる鏡像力が大きくな
り、該現像剤の該像担持体への付着力が、2色目以降の
現像において印加される現像バイアス電圧で上記間隙に
発生する電界による影響を受けにくくなる。
【0042】請求項16の発明においては、上記既現像
の現像剤の現像前の凝集度を15〜50%にすることに
より、該現像剤の上記像担持体への吸着力が大きくな
り、該吸着力が、2色目以降の現像において印加される
現像バイアス電圧で上記間隙に発生する電界による影響
を受けにくくなる。
【0043】請求項17の発明においては、1色目の現
像手段を2成分系現像剤を用いる現像手段で構成するこ
とにより、該現像剤と上記像担持体との間の吸引力が大
きくなり、該吸引力が、2色目以降の現像において印加
される現像バイアス電圧で上記間隙に発生する電界によ
る影響を受けにくくなる。
【0044】請求項18の発明においては、上記現像バ
イアス電圧の上記第1の電圧をパルス状電圧、及び上記
第2の電圧を直流電圧で構成し、該パルス状電圧と該直
流電圧との電圧差の絶対値を300V以上にすることに
より、該パルス電圧又は該直流電圧によって上記間隙に
発生する現像電界の大きさが所定値以上になり、現像に
寄与する現像剤の所定の振動が発生する。また、該パル
ス状電圧と該直流電圧との電圧差の絶対値を600V以
上にすることにより、該現像電界の大きさが所定値以下
になり、上記像担持体上に形成されている既現像の現像
剤層に対する該現像電界の影響が小さくなる。
【0045】請求項19の発明においては、上記既現像
の現像剤に作用するファンデルワールス力を、上記現像
バイアス電圧によって上記間隙に発生した電界から該既
現像の現像剤が受ける静電気力より大きくすることによ
り、該ファンデルワールス力による該現像剤と該像担持
体との間の吸引力が、2色目以降の現像において印加さ
れる現像バイアス電圧で上記間隙に発生する電界による
影響を受けにくくなる。
【0046】
【実施例】以下、本発明を多色画像形成装置であるカラ
ー電子写真複写機(以下、複写機という)に適用した実
施例について説明する。図2は、本実施例に係る複写機
の概略構成を示す正面図である。本複写機は、表面に像
担持体としての感光体1aを備えた感光体ドラム1上に
2色のトナー像を形成した後、該トナー像を転写材とし
ての転写紙8上に一括転写するものである。本実施例で
は、1色目及び2色目の現像剤のトナーがともに感光体
1aの帯電極性と同極性であり、1色目及び2色目とも
にネガ−ポジ現像方法を採用した各現像手段としての現
像ユニット4,7を備えている。感光体ドラム1の周囲
には、露光装置(不図示)、1色目用の第1の帯電装置
2及び第1の現像ユニット4、第2色目用の第2の帯電
装置5及び第2の現像ユニット7、転写装置9、クリー
ニング装置11等が配設されている。
【0047】ここで、本複写機の概略動作を、各工程の
潜像電位の様子を表した図3に基づいて説明する。ま
ず、図3(a)に示すように、第1の帯電装置2によっ
て感光体1aが帯電電位VDに帯電される。次に、図3
(b)に示すように、露光装置によって1色目の画像に
対応した光像3が露光されて、第1の静電潜像が感光体
1a上に形成される。このとき、第1の静電潜像の画像
部の明部電位はVLとなっている。次に、図3(c)に
示すように、第1の現像ユニット4によって上記第1の
静電潜像が現像され、感光体1a上に1色目のトナー像
が形成される。次に、図3(d)に示すように、第2の
帯電装置5によって1色目のトナー像の上から感光体1
aが再帯電され、上記光像3が露光された部分は周囲と
ほぼ同等の電位状態にされる。このときの1色目のトナ
ー像の表面電位は、帯電電位VDより若干低めの電位VT
となっている。次に、図3(e)に示すように、露光装
置によって2色目の画像に対応した光像6が露光され
て、第2の静電潜像が感光体1a上に形成される。次
に、図3(f)に示すように、第2の現像ユニット7に
よって第2の静電潜像が現像され、感光体1a上に上記
1色目のトナー像とともに2色目のトナー像が形成され
る。
【0048】以上の工程によって、感光体1a上に2色
トナー像を形成し、転写装置9によって転写紙搬送路上
の転写紙8に一括転写する。この転写紙8上の多色トナ
ー像は定着装置10によって定着され、多色画像が完成
する。感光体1a上の未転写トナーは、クリーニング装
置11で掃き落とされ、感光体1aは次の画像形成のた
めの使用可能状態となる。
【0049】上記2色目用の現像ユニット7は、非磁性
の一成分現像剤であるトナー71を用いており、図4に
示すように、アジテータ72を備えたホッパー部73、
トナー供給部材74、現像剤担持体としての現像ローラ
75、トナー層形成部材76、現像バイアス電圧印加手
段としての現像バイアス電源77等から構成されてい
る。この現像ユニット7では、1色目とは異なった色の
トナー71がホッパー73に補給され、アジテーター7
2で攪拌される。ホッパー部73からトナー供給部材7
4にわたされたトナー71は、現像ローラ75との間で
摩擦帯電され、現像ローラ75に付着する。現像ローラ
75上に付着したトナー71は、トナー層形成部材76
によって均一なトナー層にされ、感光体1aとの対向部
の現像域に搬送される。トナー層が形成された現像ロー
ラ75と感光体1aとは非接触で対向し、両表面は矢印
方向にほぼ等速度で移動している。この現像ローラ75
と感光体1aの間隙としては、0.1〜0.3mmの範囲
が適当である。また、現像時には、現像バイアス電源7
7よって、所定の現像バイアス電圧VBが現像ローラ7
5及びトナー供給部材74に印加される。
【0050】図5(a)は本実施例で用いた現像ユニッ
ト7の現像ローラ75の斜視図であり、図5(b)は、
現像ローラ75をその回転軸を含む面で切断した断面図
である。図5(b)に示すように、現像ローラ75の軸
体75a上の表面層は、導電性の樹脂75b中に誘電体
粒子75cが埋め込まれて露出するような構成になって
おり、誘電体粒子75cの表面に摩擦帯電電荷を保持さ
せることにより、現像ローラ75の表面上に多数の微小
閉電界を形成し、該微小閉電界により非磁性トナー71
を保持して上記現像域に搬送するものである。
【0051】また、図6(a)乃至(c)に示すような
樹脂分散型現像ローラ75を用いることもできる。図6
(a)は樹脂分散型現像ローラ75の表面の一部を示す
平面図であり、図6(b)は同現像ローラ75の断面図
であり、図6(c)は同現像ローラ75上に発生した微
小閉電界Eの説明図である。この樹脂分散型現像ローラ
75は、金属ローラ75a上の導電性樹脂75bに誘電
粒子75cを分散させた構成になっている。この誘電粒
子75cを摩擦帯電すれば、図6(c)に示すような充
分な微小閉電界Eが得られる。この微小閉電界Eにより
非磁性トナー71を保持して上記現像域に搬送するもの
である。このときの現像ローラ75上のトナー量は例え
ば約1.5mg/cm2であり、トナー帯電量は例えば約10
μC/gである。
【0052】ところで、感光体1a上に1色目のトナー
像を形成した後、2色目の現像時に現像ローラ75に現
像バイアス電圧VBとして交流電圧を印加すると、感光
体1aの表面と現像ローラ75の表面の間で2色目のト
ナーが感光体1aの表面に衝突しながら往復運動し、1
色目のトナー像が乱れてしまったり、2色目のトナー7
1とともに1色目のトナーが現像ローラ75に衝突しな
がら往復運動し、2色目の現像ユニット7内に1色目の
トナーが混入してしまって次第に第2色目のトナー71
が濁ってしまったりする恐れがある。また、このような
恐れをなくすために、上記現像ローラ75に現像バイア
ス電圧VBとして直流電圧を印加すると、低コントラス
ト部で凝集したトナーが局所的に抜けていき粒状性の強
い画像となったり、また、ライン部で図7(b)に示す
ように、潜像のエッジ電界が感光体1a側へ回り込んで
しまい、細線が再現されなかったりする恐れがある。
【0053】そこで、本実施例では、2色目の現像ユニ
ット7におけるトナー71による現像時に、図1に示す
ような現像バイアス電圧VB、すなわち、1周期の第1
期間としての期間TAに印加される第1の電圧としての
パルス電圧VPULS、及び第2の期間としての期間TBに
印加される第2の電圧としての直流電圧VDCからなる周
期的に電圧が変化する現像バイアス電圧VBを、現像ロ
ーラ75に印加している。なお、図1の横軸方向は、経
過時間を示している。
【0054】上記パルス電圧VPULSの電圧値は、感光体
1a上の非画像部の電位VDよりも絶対値として大き
く、現像ポテンシャルが高くなるように設定され、一
方、上記直流電圧VDCの電圧値は、感光体1a上の1色
目のトナー層部分の電位VT及び非画像部の電位VDより
も絶対値として小さく、かつ画像部の明部電位VLより
も絶対値として大きく十分な現像ポテンシャルが得られ
るように設定されている。
【0055】図1に示す現像バイアス電圧VBを2色目
の現像時に印加することにより、パルス電圧VPULS印加
時において、現像ローラ75上のトナー71は画像部、
非画像部に関わりなく感光体1aの表面に向かって飛翔
を開始する。このときの現像ギャップにおける電界分布
は図7(a)のようになり、強電界が形成され、感光体
1a上のライン潜像の太さが劣化せず、また現像ローラ
75上から浮上したトナー71はこの電界に沿って忠実
に飛翔するため細線も良好に再現される。
【0056】一方、直流電圧VDC印加時においては、図
8に示すように、感光体1a上の非画像部に向かって飛
翔したトナーは感光体1aの表面に到達せずに、現像ロ
ーラ75に引き戻され、感光体1a上の画像部へ向かっ
たトナーは感光体1aの表面に到達し画像を形成する。
なお、図8のトナー71は現像ローラ75上の2色目の
トナー層を構成するトナーであり、トナー41は感光体
1a上の1色目のトナー像を構成する既現像のトナーで
ある。
【0057】また、現像ローラ75上でトナー71が振
動し、トナー71の凝集がほぐされ、これにより、低コ
ントラスト部でも滑らかさを持った画像が得られる。ま
た、2色目の現像時に、トナー71が現像ギャップにお
いて感光体1aの表面に衝突しながら往復運動すること
がなくなるので、感光体1a上の1色目のトナー像は乱
されず、また感光体1a面から離脱した1色目のトナー
41が2色目用の現像ユニット71内に逆飛翔して、2
色目のトナー71の混色もほとんど起きない。
【0058】また、図5又は図6の接地された導電体部
75bに微小な誘電体部75cを分散させて露出するよ
うに構成した現像ローラ75に、上記直流電圧VDCにパ
ルス電圧VPULSを重畳させた現像バイアス電圧VBを印
加すると、図9に示すように、導電体部75bではパル
ス電圧VPULSのピーク時に強電界が形成されて、誘電体
部75cに比べてトナーの移動量が大きくなる。よっ
て、導電体部75bに付着しているトナーは画像の低コ
ントラスト部へも飛翔しやすく、誘電体部に付着してい
るトナーは画像の高コントラスト部のみしか飛翔しない
ために、階調性に優れた画像が得られる。
【0059】ここで、直流電圧VDCにパルス電圧VPULS
を重畳させた現像バイアス電圧VBを現像ローラ75に
印加した際の、感光体1aに向かうトナー71の飛翔に
ついて更に詳細に説明する。現像ローラ75と感光体1
aとの間の間隙(以下、現像ギャップという)における
トナー71の移動は、次の数1に示す運動方程式により
解析的に算出できる。
【数1】
【0060】上記運動方程式において、mはトナー質
量、xはトナー移動距離、tは時間、qはトナーの電荷
量、Eは現像電界、μは空気の粘性係数、rはトナーの
半径である。
【0061】図10は、現像バイアス電圧のパルス電圧
の印加時間を変化させた場合の、上記数1の運動方程式
により算出した感光体1aの非画像部に向かって飛翔す
るトナーの飛翔距離の計算結果である。横軸が経過時間
であり、縦軸が現像ローラの表面からの距離である。こ
の計算には、使用するトナーの体積平均粒径が10μ
m、真密度が1g/cm3 の球体と仮定し、トナー1個当り
の帯電量として10μC/g、現像ギャップとして18
0μm、パルス電圧VPULSとして1200V、直流電圧
VDCとして700V、感光体1aの非画像部の電位VD
として850Vを用いた。また、図10の曲線Aはパル
ス電圧VPULSのパルス時間が20μsec、曲線Bは30
μsec、曲線Cは50μsec、曲線Dは70μsec、曲線
Eは80μsec、曲線Fは90μsec、曲線Gは100μ
secの場合の計算結果である。
【0062】図10の計算結果から、パルス時間TAが
30μsec以下ではトナーが飛翔しにくく、パルス時間
TAが100μsecを超えるとトナーが感光体1a上の非
画像部に到達することがわかる。上記計算と同じ条件で
実験を行なったところ、パルス時間が100μsecを超
える条件において、感光体1a上の非画像部である地肌
部に付着するトナーが多くなっていき、計算結果とよい
一致をみることができた。このため、上記パルス電圧V
PULSのパルス時間TAは100μsec以下が好ましい。
【0063】また、上記現像バイアス電圧の直流電圧V
DCの印加時間TBを200μsecより短く設定すると、現
像ローラ75面から一旦浮上したトナー71が現像ロー
ラ75側に引き戻されるとき、トナー71が再び感光体
1aへ向かうような電界形成され、現像ギャップ内でト
ナー71がクラウド化し、画像のシャープネスが損なわ
れる。このため、上記直流電圧VDCの印加時間TBは2
00μsec以上が好ましい。
【0064】また、上記現像バイアス電圧VBの繰り返
し周波数を5kHz以上に、つまり1周期の時間を200
μsecより短く設定すると、現像ローラ75面から一旦
浮上したトナー71が現像ローラ75側に引き戻される
とき、トナー71が再び感光体1aへ向かうような電界
形成され、現像ギャップ内でトナー71がクラウド化
し、画像のシャープネスが損なわれる。このため、上記
繰り返し周波数は5kHz以下が好ましい。
【0065】また、上記現像ギャップを100μm以下
に設定すると、ほとんどの2色目のトナー71が感光体
1aの非画像部に到達するため、地肌汚れが多くなって
しまい、現像ギャップを300μm以上に設定すると、
現像電界の形成が困難になって画像が不明瞭になる。こ
のため、現像ギャップは100〜300μmの範囲内が
好ましい。
【0066】また、上記現像バイアス電圧の直流電圧V
DCと感光体1a上の1色目のトナー層41の電位との電
位差を500Vより大きい値に設定すると、1色目のト
ナー41が感光体1a面から離脱して、2色目の現像ロ
ーラ75側に逆飛翔してしまう。このため、上記直流電
圧VDCと1色目のトナー層41の電位との電位差は50
0V以下が好ましい。
【0067】また、図11は、図10の計算と同じ条件
でパルス電圧VPULSのパルス時間TAを50μsecに固定
し、パルス電圧VPULSと非画像部の電位VDとの電位差
を変化させた場合の、上記数1により算出した感光体1
aの非画像部に向かって飛翔するトナーの飛翔距離の計
算結果である。図11の計算結果から、上記電位差|V
PULS−VD|が700V以上になると、トナーが非画像
部に付着することがわかる。実験においても、電位差|
VPULS−VD|が700Vより大きくなっていくと、上
記トナー付着による地汚れが増えていった。一方、電位
差|VPULS−VD|が100V以下では、パルス電圧VP
ULSの印加の効果が見られない。このため、パルス電圧
VPULSと非画像部の電位VDとの電位差は、100〜7
00Vの範囲が好ましい。
【0068】また、図12は、図10の計算と同じ条件
でパルス電圧VPULSのパルス時間TAを50μsecに固定
し、直流電圧VDCと非画像部の電位VDとの電位差を変
化させた場合の、上記数1により算出した感光体1aの
非画像部に向かって飛翔するトナーの飛翔距離の計算結
果である。図12の計算結果から、上記電位差|VDC−
VD|が50V以下になると、トナーが現像ギャップ内
に長く滞在しクラウド化してしまう。実験においても、
電位差|VDC−VD|が50Vより小さくくなっていく
と、上記トナーのクラウド化により、画像のシャープネ
スが損なわれていった。一方、電位差|VDC−VD|が
500V以上では、1色目のトナー41が感光体1a面
から離脱して、2色目の現像ローラ75側に逆飛翔して
しまう。このため、直流電圧VDCと非画像部の電位VD
との電位差は、50〜500Vの範囲が好ましい。
【0069】また、上記パルス電圧VPULSと直流電圧V
DCとの電位差|VPULS−VDC|が600Vより大きい
と、感光体1a上の1色目のトナー41に対するパルス
電圧VPULSの電界の影響が大きくなって、1色目のトナ
ー41が感光体1a面から離脱して、2色目の現像ロー
ラ75側に逆飛翔してしまう。一方、上記電位差|VPU
LS−VDC|が300Vより小さいと、画像部へのトナー
飛翔効率及び非画像部トナー逆飛翔効率が悪くなる。こ
のため、パルス電圧VPULSと直流電圧VDCとの電位差|
VPULS−VDC|は、300〜600Vの範囲が好まし
い。
【0070】また、2色目の現像に用いる一成分トナー
層の平均層厚を30μmより厚く設定した現像ローラ7
5に上記現像バイアス電圧を印加すると、該トナー層の
表層トナーと感光体1aとの距離が近くなり、非画像部
に到達するトナーが増加し、地汚れが多くなってしま
う。また、画像部に対しても現像量が過多となり、ライ
ン部の周辺でのトナーのチリが目だってしまう。このた
め、2色目の現像時の現像ローラ75上のトナー層の平
均層厚は30μm以下が好ましい。ここで、上記トナー
層の平均層厚は、レーザ光を用いて測定されたトナー層
の層厚の平均値であり、例えば、レーザ光学式非接触表
面形状測定システム(UBM社製)で10μm間隔で測
定した測定値の平均値である。
【0071】また、2色目の現像時の現像ローラ75上
のトナー層の単位面積当たりの質量(M/A)が2.0
mg/cm2以上になると、トナー層中に帯電の不十分なトナ
ーも混じり、上記現像バイアス電圧の印加による振動で
飛散して装置内部を汚染してしまうという問題がでる。
また、上記M/Aが0.5mg/cm2以下になると、トナー
と現像ローラ75との間の接触確率が高く、摩擦帯電に
よる吸着力が強いために、トナーが現像ローラ75の表
面から離れる電界(スレッシュホールド電界)の強度が
高くなってしまい、該現像バイアス電圧の印加による振
動の効果が小さくなり、細線の再現性等の効果も小さく
なる。このため、上記M/Aは0.5〜2.0mg/cm2
範囲が好ましい。
【0072】また、粒径が3μm以下の微粉トナーに対
しては、ファンデルワールス力、液架橋力といった力が
静電気力より相対的に強くなるので、該微粉トナーは、
上記パルス電圧VPUSLEによる飛翔が起き難く現像ロー
ラ上に蓄積される傾向にある。そして、この微粉トナー
を多く含むトナーを2色目の現像に用いると、該微粉ト
ナーによって現像ローラ75の表面が覆われ、現像領域
で形成される現像電界が弱まり、パルス電圧VPUSLEに
よる通常のトナーの振動が起き難くなり、細線の再現性
などの効果も小さくなる。このため、2色目の現像に用
いるトナーの体積平均粒径は3〜15μmの範囲が好ま
しく、かつ、3μm以下の微粉トナーの割合は20個数
%以下が好ましい。
【0073】また、粒径が20μm以上の粗大トナーに
上記現像バイアス電圧による現像電界が作用すると、図
13に示すように慣性力が強いため一旦飛翔した後に現
像ローラ75側に引き戻される時間が長く必要なため、
現像ギャップ内でクラウド化を起こして装置内部を汚染
しやすいという問題がでる。このため、2色目の現像に
用いるトナーの体積平均粒径は3〜15μmの範囲が好
ましく、かつ、20μm以上の粗大トナーの割合は10
個数%以下が好ましい。
【0074】また、2色目の現像に用いるトナーの凝集
度が20%以上であると、上記現像バイアス電圧の印加
によって、トナー同士の凝集をほぐすのが困難になり、
画像の滑らかさが損なわれるという問題がでる。このた
め、2色目の現像に用いるトナーの凝集度は20%以下
が好ましい。
【0075】ここで、トナーの凝集度は、例えば次のよ
うに測定できる。測定装置としては、パウダーテスター
(ホソカワミクロン社製,粉体特性総合測定装置TYP
EPT−E:商標)を使用する。まず、付属部品をバ
イブロシュート、パッキン、スペースリング、フ
ルイ(3種類:上段、中段、下段)、オサエバーの順
序でセットする。次に、ノブナットで固定し、下記の条
件で振動台を作動させる。 (1)フルイ目開き(上段):75μm (2)フルイ目開き(中段):45μm (3)フルイ目開き(下段):22μm (4)振巾目盛: 1mm (5)試料採取量: 10g (6)振動時間: 30秒 上記振動台の作動後、各フルイに残った粉体重量を測定
し、次の計算式から凝集度を求める。 凝集度(%)は、上記3つの計算値(a)、(b)及び
(c)を合計して求める。
【0076】また、2色目の現像に用いるトナーに外添
する疎水性シリカの外添量が0.3重量%以下である
と、トナーの現像ローラ75の表面への吸着力が強く、
上記現像バイアス電圧の印加によってトナーが飛翔し難
くなる。また、疎水性シリカの外添量が2重量%以上で
あると、トナーの表面から離脱するシリカが多くなり、
トナーホッパー中を浮遊するようになり、この浮遊シリ
カは現像ローラ75表面に付着すると、静電気力、ファ
ンデルワールス力等がトナーより強く現像ローラ75表
面を覆うため、上記現像バイアス電圧の印加による現像
電界の形成が妨げられてしまう。このため、2色目の現
像に用いるトナーに外添する疎水性シリカの外添量は、
0.3〜2重量%の範囲が好ましい。
【0077】また、既現像の1色目のトナー41の帯電
量が少ないと、感光体1aとの鏡像力が小さくなり、2
色目における上記現像バイアス電圧VBによる現像電界
の影響を受けやすくなる。そして、既現像の1色目のト
ナー41が感光体1a上から離脱し、現像ローラ75側
に飛翔しやすくなるため、1色目の像の乱れや2色目の
トナーの混色が生じてしまう。このため、感光体1a上
の既現像の1色目のトナー41の帯電量は20μc/g以
上が好ましい。なお、このトナー帯電量の上限値は、現
状における現像できる範囲で50μc/g程度である。
【0078】また、既現像の1色目のトナー41の粒径
が大きいと、感光体1aとの鏡像力が小さくなり、2色
目における上記現像バイアス電圧VBによる現像電界の
影響を受けやすくなる。そして、既現像の1色目のトナ
ー41が感光体1a上から離脱し、現像ローラ75側に
飛翔しやすくなるため、1色目の像の乱れや2色目のト
ナーの混色が生じてしまう。このため、感光体1a上の
既現像の1色目のトナー41の粒径は10μm以下が好
ましい。なお、このトナー41の粒径の下限値は、現状
における現像できる範囲で4μm程度である。
【0079】また、現像前の1色目のトナー41の凝集
度が所定の範囲から外れると、1色目の現像時での感光
体1aとの吸着力(トナー間接着力、液架橋力等による
ファンデルワールス力)が小さくなり、2色目における
上記現像バイアス電圧VBによる現像電界の影響を受け
やすくなる。そして、既現像の1色目のトナー41が感
光体1a上から離脱し、現像ローラ75側に飛翔しやす
くなるため、1色目の像の乱れや2色目のトナーの混色
が生じてしまう。また、現状における現像できる範囲か
ら外れてしまう。このため、現像前の1色目のトナー4
1の凝集度は15〜50%の範囲が好ましい。ここで、
上記トナー41の凝集度は、前述したように、上記パウ
ダーテスターによるフルイがけ法によって測定したもの
である。
【0080】また、1色目の現像に用いるトナー41に
外添する外添剤の粒径を小さくしたり、又は添加剤を少
なくして、感光体1a上の1色目のトナー41に作用す
るファンデルワールス力を、2色目の上記現像電界によ
る静電気力より大きくすることによっても、1色目の像
の乱れや2色目のトナーの混色を防止することができ
る。
【0081】以上、1色目の現像に用いるトナー41の
特性としては、トナー41と感光体1aとの吸着力(鏡
像力+ファンデルワールス力)が2色目の上記現像バイ
アス電圧による現像電界に影響されないトナー特性が好
ましい。これらのトナー特性を考慮すると、1色目の現
像方式は、本実施例のように2成分系現像剤(トナー4
1+キャリア)を用いる現像方式の方が有利である。
【0082】なお、上記実施例において、2色目の現像
バイアス電圧VBは、そのパルス電圧VPULSEの立ち下が
り部に、図14に示すようなオーバシュート部(期間T
C)を含むように構成してもよい。このオーバシュート
部の期間は、感光体1a上の1色目のトナー像に影響を
及ぼさないように、50μsec以内、好ましくは10〜
20μsec程度の短時間に設定する。また、オーバシュ
ート部のピーク電圧と直流電圧VDCとの電位差VRは5
0V以上に設定する。
【0083】このようなオーバシュート部を有する現像
バイアス電圧VBを現像ローラ75に印加すれば、パル
ス電圧VPULSEによって現像ローラ75面から浮上した
トナー71に、上記オーバシュート部において急激に発
生した逆電界によって減速させ、速やかに現像ローラ7
5面に引き戻し、トナー71のクラウド化を防止でき
る。また、現像ギャップにおける振動電界の振幅が大き
くなり、トナー71を現像ローラ75上でより一層振動
させることができ、トナー71の凝集をほぐすことがで
きる。
【0084】また、上記実施例において、2色目の現像
バイアス電圧VBは、図15に示すように、第1の期間
である期間TAにおいてピーク電圧VPの三角波電圧を印
加し、第2の期間である期間TBにおいて直流電圧VDC
を印加するように構成することもできる。
【0085】このような三角波電圧を含む現像バイアス
電圧VBを現像ローラ75に印加すれば、三角波電圧が
印加される期間TAにおいて、2色目のトナー71が画
像部と非画像部に関わりなく感光体1aに向かって飛翔
を開始し、直流電圧VDCが印加される期間TBにおいて
は、感光体1a上の画像部に向かったトナー71は感光
体1aに到達し、非画像部に向かったトナー71は現像
ローラ75に引き戻される。この期間TAにおいて三角
波電圧を印加した場合には、ピーク電圧VPが同じパル
ス電圧に比較して実効電圧が低くなり、トナー71が現
像ローラ75面から浮上して感光体1a上の非画像部に
向かって移動する移動距離が小さくなるため、さらに地
肌汚れが起きにくくなる。また、パルス電圧の場合と同
様に振動がトナー71に与えられ、滑らかさを持った画
像が得られる。また、三角波電圧はパルス電圧と比較し
て立ち上がり部及び立ち下がり部がなだらかでよいた
め、現像バイアス電源77の構成が簡便になる。
【0086】また、三角波電圧の立ち上がり部または立
ち下がり部が5V/μsecよりなだらかであると、浮上
したトナー71に対して現像ローラ75へ引き戻す電界
がかかるのが遅れ、トナー71が感光体1aの表面に到
達して地肌汚れの原因となってしまう。このため、三角
波電圧の立ち上がり部及び立ち下がり部は5V/μsec
より急峻であるとが望ましい。
【0087】以下、本実施例の具体的な態様を具体例と
して記載する。 〔具体例1〕本例では、感光体1aとしてマイナス帯電
性の有機感光体を用い、1色目のトナー41と2色目の
トナー71が共にマイナス極性であり、ネガ−ポジ現像
を行なった。2色目の現像ユニット7の現像ギャップは
0.18mm、感光体1aの線速度は120mm/sec、現
像ローラ75の線速度は感光体1aの1.2倍速にそれ
ぞれ設定した。1色目のトナー像部の電位(VT)は−
800〜−900Vであり、2色目の潜像電位(VL)
は−100V程度、地肌部電位(VD)は−910V程
度である。現像バイアス電圧VBとしては、1周期がピ
ーク電圧−1200V、パルス時間50μsecのパルス
電圧(VPULSE)と、−700Vの直流電圧(VDC)か
ら構成される電圧を繰り返し周波数2kHzで印加した。
本例によれば、感光体1a上の1色目のトナー像を乱す
ことなく、2色目の画像としてライン部が明瞭でかつハ
ーフトーン部で滑らかさを持った良好な画像が得られ、
また1色目のトナー41の2色目の現像ユニット7内へ
の混色はほとんど見られなかった。
【0088】〔具体例2〕本例では、感光体1aとして
マイナス帯電性の有機感光体を用い、1色目のトナー4
1と2色目のトナー71が共にマイナス極性であり、ネ
ガ−ポジ現像を行なった。2色目の現像ユニット7の現
像ギャップは0.18mm、感光体1aの線速度は200
mm/sec、現像ローラ75の線速度は感光体1aの1.
2倍速にそれぞれ設定した。1色目のトナー像部の電位
(VT)は−800〜−900Vであり、2色目の潜像
電位(VL)は−100V程度、地肌部電位(VD)は−
900V程度である。現像バイアス電圧VBとしては、
1周期がピーク電圧−1200V、パルス時間50μse
cのパルス電圧(VPULSE)と、−700Vの直流電圧
(VDC)から構成される電圧を繰り返し周波数2kHzで
印加した。本例によれば、感光体1a上の1色目のトナ
ー像を乱すことなく、2色目の画像としてライン部が明
瞭でかつハーフトーン部で滑らかさを持った良好な画像
が得られ、また1色目のトナー41の2色目の現像ユニ
ット7内への混色はほとんど見られなかった。
【0089】〔具体例3〕本例では、感光体1aとして
マイナス帯電性の有機感光体を用い、1色目のトナー4
1と2色目のトナー71が共にマイナス極性であり、ネ
ガ−ポジ現像を行なった。2色目の現像ローラ75上の
トナー層厚は20μmであった。2色目の現像ユニット
7の現像ギャップは0.12mm、感光体1aの線速度は
200mm/sec、現像ローラ75の線速度は感光体1a
の1.1倍速にそれぞれ設定した。1色目のトナー像部
の電位(VT)は−800〜−900Vであり、2色目
の潜像電位(VL)は−100V程度、地肌部電位(V
D)は−910V程度である。現像バイアス電圧VBとし
ては、1周期がピーク電圧−1200V、パルス時間8
0μsecのパルス電圧(VPULSE)と、−700Vの直流
電圧(VDC)から構成される電圧を繰り返し周波数2k
Hzで印加した。本例によれば、感光体1a上の1色目
のトナー像を乱すことなく、2色目の画像としてライン
部のシャープネスに優れた良好な画像が得られ、また1
色目のトナー41の2色目の現像ユニット7内への混色
はほとんど見られなかった。なお、上記例と同一条件で
トナー層厚を厚くして現像を行なうと、地肌部へトナー
付着が見られるようになった。その時のトナー層厚は3
2μmであった。
【0090】〔具体例4〕本例では、感光体1aとして
マイナス帯電性の有機感光体を用い、1色目のトナー4
1と2色目のトナー71が共にマイナス極性であり、ネ
ガ−ポジ現像を行なった。2色目の現像ローラ75上の
単位面積当たりのトナー質量(M/A)は1.2mg/cm
2であった。2色目の現像ユニット7の現像ギャップは
0.15mm、感光体1aの線速度は200mm/sec、現
像ローラ75の線速度は感光体1aの1.1倍速にそれ
ぞれ設定した。1色目のトナー像部の電位(VT)は−
800〜−900Vであり、2色目の潜像電位(VL)
は−100V程度、地肌部電位(VD)は−910V程
度である。現像バイアス電圧VBとしては、1周期がピ
ーク電圧−1300V、パルス時間50μsec のパルス
電圧(VPULSE)と、−700Vの直流電圧(VDC)か
ら構成される電圧を繰り返し周波数2kHzで印加した。
本例によれば、感光体1a上の1色目のトナー像を乱す
ことなく、2色目の画像としてライン部のシャープネス
に優れた良好な画像が得られ、また1色目のトナー41
の2色目の現像ユニット7内への混色はほとんど見られ
なかった。なお、上記例と同一条件でM/Aを下げて現
像を行なうと、画像部へのトナーの飛翔量が不十分で画
像濃度の低下が見られるようになった。また、上記例と
同一条件でM/Aを上げていくと、ライン画像が太くな
り解像度の劣化が見られるようになった。その時のM/
Aは2.15mg/cm2であった。
【0091】〔具体例5〕本例では、感光体1aとして
マイナス帯電性の有機感光体を用い、1色目のトナー4
1と2色目のトナー71が共にマイナス極性であり、ネ
ガ−ポジ現像を行なった。2色目に用いる非磁性一成分
トナーの体積平均粒径が10μmであり、3μm以下の微
粉トナーの割合は8個数%であった。2色目の現像ユニ
ット7の現像ギャップは0.15mm、感光体1aの線速
度は200mm/sec、現像ローラ75の線速度は感光体
1aの1.1倍速にそれぞれ設定した。1色目のトナー
像部の電位(VT)は−800〜−900Vであり、2
色目の潜像電位(VL)は−100V程度、地肌部電位
(VD)は−910V程度である。現像バイアス電圧VB
としては、1周期がピーク電圧−1200V、パルス時
間50μsecのパルス電圧(VPULSE)と、−700Vの
直流電圧(VDC)から構成される電圧を繰り返し周波数
2kHzで印加した。本例によれば、感光体1a上の1色
目のトナー像を乱すことなく、2色目の画像として地汚
れのない再現性に優れた良好な画像が得られ、また1色
目のトナー41の2色目の現像ユニット7内への混色は
ほとんど見られなかった。なお、上記例と同一条件でト
ナーの分級を粗くして3μm以下の微粉トナーを増やし
たところ、画像部へのトナーの飛翔量が不十分で細線が
再現されなくなった。その時の3μm以下の微粉トナー
の割合は22個数%であった。
【0092】〔具体例6〕本例では、感光体1aとして
マイナス帯電性の有機感光体を用い、1色目のトナー4
1と2色目のトナー71が共にマイナス極性であり、ネ
ガ−ポジ現像を行なった。2色目に用いる非磁性一成分
トナーの体積平均粒径が10μm であり、20μm以上
の粗大トナーの割合は1個数%であった。2色目の現像
ユニット7の現像ギャップは0.15mm、感光体1aの
線速度は200mm/sec、現像ローラ75の線速度は感
光体1aの1.1倍速にそれぞれ設定した。1色目のト
ナー像部の電位(VT)は−800〜−900Vであ
り、2色目の潜像電位(VL)は−100V程度、地肌
部電位(VD)は−910V程度である。現像バイアス
電圧VBとしては、1周期がピーク電圧−1200V、
パルス時間50μsecのパルス電圧(VPULSE)と、−7
00Vの直流電圧(VDC)から構成される電圧を繰り返
し周波数2kHzで印加した。本例によれば、感光体1a
上の1色目のトナー像を乱すことなく、2色目の画像と
して細線も良好に再現された画像が得られ、また1色目
のトナー41の2色目の現像ユニット7内への混色はほ
とんど見られなかった。なお、上記例と同一条件でトナ
ーの分級を粗くして20μm以上の粗大トナーを増やし
たところ、画像の地肌部へのトナーの付着が目立つよう
になった。その時の20μm以上の粗大トナーの割合は
11個数%であった。
【0093】〔具体例7〕本例では、感光体1aとして
マイナス帯電性の有機感光体を用い、1色目のトナー4
1と2色目のトナー71が共にマイナス極性であり、ネ
ガ−ポジ現像を行なった。2色目に用いる非磁性一成分
トナーの篩いがけ測定による凝集度は12%であった。
2色目の現像ユニット7の現像ギャップは0.15mm、
感光体1aの線速度は200mm/sec、現像ローラ75
の線速度は感光体1aの1.1倍速にそれぞれ設定し
た。1色目のトナー像部の電位(VT)は−800〜−
900Vであり、2色目の潜像電位(VL)は−100
V程度、地肌部電位(VD)は−910V程度である。
現像バイアス電圧VBとしては、1周期がピーク電圧−
1200V、パルス時間50μsecのパルス電圧(VPUL
SE)と、−700Vの直流電圧(VDC)から構成される
電圧を繰り返し周波数2kHzで印加した。本例によれ
ば、感光体1a上の1色目のトナー像を乱すことなく、
2色目の画像としてハーフトーン部の滑らかな良好な画
像が得られ、また1色目のトナー41の2色目の現像ユ
ニット7内への混色はほとんど見られなかった。なお、
上記例と同一条件で凝集の起きやすいトナーを用いたと
ころ、画像のハーフトーン部で粒状性が目立つようにな
った。その時のトナーの上記凝集度は21%であった。
【0094】〔具体例8〕本例では、感光体1aとして
マイナス帯電性の有機感光体を用い、1色目のトナー4
1と2色目のトナー71が共にマイナス極性であり、ネ
ガ−ポジ現像を行なった。2色目に用いる非磁性一成分
トナーの疎水性シリカの外添量は0.7%であった。2
色目の現像ユニット7の現像ギャップは0.15mm、感
光体1aの線速度は200mm/sec、現像ローラ75の
線速度は感光体1aの1.1倍速にそれぞれ設定した。
1色目のトナー像部の電位(VT)は−800〜−90
0Vであり、2色目の潜像電位(VL)は−100V程
度、地肌部電位(VD)は−910V程度である。現像
バイアス電圧VBとしては、1周期がピーク電圧−12
00V、パルス時間50μsecのパルス電圧(VPULSE)
と、−700Vの直流電圧(VDC)から構成される電圧
を繰り返し周波数2kHzで印加した。本例によれば、感
光体1a上の1色目のトナー像を乱すことなく、2色目
の画像として画像濃度が充分な良好な画像が得られ、ま
た1色目のトナー41の2色目の現像ユニット7内への
混色はほとんど見られなかった。なお、上記例と同一条
件で該疎水性シリカの外添量が0.2%のトナーを用い
たところ、トナーの画像部への飛翔が不十分になり、画
像濃度が不足するようになった。また、該疎水性シリカ
の外添量が2.2%のトナーを用いたところ、該シリカ
が消費されずに現像ローラ75上に蓄積し、トナーの飛
翔を妨げるようになってやはり画像濃度が不足した。
【0095】〔具体例9〕本例では、感光体1aとして
マイナス帯電性の有機感光体を用い、1色目のトナー4
1と2色目のトナー71が共にマイナス極性であり、ネ
ガ−ポジ現像を行なった。2色目の現像ユニット7の現
像ギャップは0.18mm、感光体1aの線速度は120
mm/sec、現像ローラ75の線速度は感光体1aの1.
0倍速にそれぞれ設定した。1色目の地肌部電位(V
D)は−900V程度で、潜像電位(VL)は−100V
程度である。また、1色目のトナー像部の電位(VT)
は−900V程度であり、2色目の潜像電位(VL)は
−100V程度、地肌部電位(VD)は−900V程度
である。現像バイアス電圧VBとしては、1周期がピー
ク電圧−1200V、パルス時間50μsecのパルス電
圧(VPULSE)と、−700Vの直流電圧(VDC)から
構成される電圧を繰り返し周波数2kHzで印加した。ま
た、1色目のトナー41としては、前述のトナー帯電
量、粒径、凝集度等の特性を有するトナーを用いた。本
例によれば、感光体1a上の1色目のトナー像を乱すこ
となく、2色目の画像としてライン部が明瞭でかつハー
フトーン部で滑らかさを持った良好な画像が得られ、ま
た1色目のトナー41の2色目の現像ユニット7内への
混色はほとんど見られなかった。
【0096】〔具体例10〕本例では、感光体1aとし
てマイナス帯電性の有機感光体を用い、1色目のトナー
と2色目のトナーが共にマイナス極性であり、ネガ−ポ
ジ現像を行なった。2色目の現像ユニット7の現像ギャ
ップは0.18mm、感光体1aの線速度は200mm/se
c、現像ローラ75の線速度は感光体1aの1.1倍速
にそれぞれ設定した。1色目のトナー像部の電位(V
T)は−800〜−900Vであり、2色目の潜像電位
(VL)は−100V程度、地肌部電位(VD)は−91
0V程度である。現像バイアス電圧VBとしては、1周
期がピーク電圧−1300V、パルス時間60μsecで
あって、立ち下がり時にオーバシュート・ピーク電圧−
600V、オーバシュート継続時間10μsecのオーバ
シュート部を有するパルス電圧(VPULSE)と、−70
0Vの直流電圧(VDC)から構成される電圧を繰り返し
周波数2.5kHzで印加した。本例によれば、感光体1
a上の1色目のトナー像を乱すことなく、2色目の画像
としてライン部が明瞭でかつハーフトーン部で滑らかさ
を持った良好な画像が得られ、また1色目のトナー41
の2色目の現像ユニット7内への混色はほとんど見られ
なかった。
【0097】〔具体例11〕本例では、感光体1aとし
てプラス帯電性のセレン感光体を用い、1色目のトナー
と2色目のトナーが共にプラス極性であり、ネガ−ポジ
現像を行なった。2色目の現像ギャップは0.18mm、
感光体1aの線速度は120mm/sec、現像ローラ75
の線速度は感光体1aの1.2倍速にそれぞれ設定し
た。1色目のトナー像部分の電位(VT)は+800〜
+900Vであり、2色目の潜像電位(VL)は+10
0V程度、地肌部電位(VD)は+910V程度であ
る。現像バイアス電圧VBとしては、1周期がピーク電
圧+1300V、立ち上がり及び立ち下がり時間100
μsecの三角波電圧と、+700Vの直流電圧(VDC)
から構成される電圧を繰り返し周波数2kHzで印加し
た。本例によれば、感光体1a上の1色目のトナー像を
乱すことなく、2色目の画像としてライン部が明瞭でか
つハーフトーン部で滑らかさを持った良好な画像が得ら
れ、また1色目のトナー41の2色目の現像ユニット7
内への混色はほとんど見られなかった。
【0098】次に、本発明を他の複写機に適用した実施
例について説明する。図16は本実施例に係る複写機の
概略構成を示す正面図である。本実施例の複写機は、1
色目の現像と2色目の現像で極性の異なるトナー41,
71を用いており、1色目の現像では、感光体1の帯電
極性と同極性のトナー41を用いたネガ−ポジ現像を行
ない、2色目の現像では、感光体1の帯電極性と異極性
のトナー71を用いたポジ−ポジ現像を行なっている。
なお、図16において、図2と同様な部分には同一の符
号を付して示している。
【0099】ここで、本複写機の概略動作を、各工程の
潜像電位の様子を表した図17に基づいて説明する。ま
ず、図17(a)に示すように、第1の帯電装置2によ
って感光体ドラムの表面の感光体1が帯電電位VDに帯
電される。次に、図17(b)に示すように、第1の露
光装置3によって第1の静電潜像を感光体1上に形成す
る。このとき、第1の静電潜像の画像部の電位はVLと
なっている。次に、図17(c)に示すように、第1の
現像ユニット4によって上記第1の静電潜像が現像さ
れ、感光体1上に1色目のトナー像が形成される。次
に、図17(d)に示すように、第2帯電を行なうこと
なく、第2の露光装置6によって感光体1上に第2のポ
ジ−ポジ現像用の静電潜像を形成する。次に、図17
(e)に示すように、第2の静電潜像を第2の現像ユニ
ット7によって現像する。
【0100】本実施例では、2色目の現像ユニット7に
おけるトナー71による現像時に、図18に示すような
現像バイアス電圧(VB)、すなわち、1周期の第1期
間としての期間TAに印加される第1の電圧としてのパ
ルス電圧(VPULS)、及び第2の期間としての期間TB
に印加される第2の電圧としての直流電圧(VDC)から
なる周期的に電圧が変化する現像バイアス電圧(VB)
を印加している。なお、図18の横軸方向は、経過時間
を示している。
【0101】上記パルス電圧VPULSの電圧値は、感光体
1上の非画像部の電位(VL)及び画像部の電位(VD)
の極性と異極性で、それぞれにおいて現像ポテンシャル
が十分高くなるように設定され、一方、上記直流電圧V
DCの電圧値は、感光体1上の1色目のトナー層部分の電
位(VT)及び非画像部の電位(VL)よりも絶対値とし
て大きく、かつ画像部の電位(VD)よりも絶対値とし
て小さく十分な現像ポテンシャルが得られるように設定
されている。
【0102】また、本実施例では、上記パルス電圧(V
PULS)のパルス時間が100μsec以内になるように設
定した。また、上記現像バイアス電圧(VB)の1周期
を200μsec以上に、すなわち1周期の繰り返し周波
数を5kHz以下に設定した。また、上記現像ギャップは
100〜300μmの範囲に設定した。
【0103】以上、本実施例によれば、2色目の現像の
上記パルス電圧(VPULS)印加時においては、現像ロー
ラ75上のトナー71は画像部、非画像部に関わりなく
感光体1の表面に向かって飛翔を開始する。このときの
現像ギャップにおける電界分布は図7(a)(電界の向
きは逆方向)と同様になり、強電界が形成され、感光体
1上のライン潜像の太さが劣化せず、また現像ローラ7
5上から浮上したトナー71はこの電界に沿って忠実に
飛翔するため細線も良好に再現される。
【0104】一方、直流電圧(VDC)印加時において
は、図19に示すように、感光体1上の非画像部に向か
って飛翔したトナー71は感光体1の表面に到達せず
に、現像ローラ75に引き戻され、感光体1上の画像部
へ向かったトナー71は感光体1の表面に到達し画像を
形成する。なお、図19のトナー71は現像ローラ75
上の2色目のトナー層であり、トナー41は感光体1上
の1色目のトナー像を示している。
【0105】また、本実施例によれば、現像ローラ75
上でトナー71が振動し、トナー71の凝集がほぐさ
れ、これにより、低コントラスト部でも滑らかさを持っ
た画像が得られる。
【0106】また、本実施例によれば、2色目の現像時
に、トナー71が現像ギャップにおいて感光体1の表面
に衝突しながら往復運動することがなくなるので、感光
体1上の1色目のトナー像は乱されず、また感光体1面
から離脱した1色目のトナー41が2色目用の現像ユニ
ット71内に逆飛翔して、2色目のトナー71の混色も
ほとんど起きない。
【0107】また、本実施例によれば、上記現像バイア
ス電圧の繰り返し周波数を5kHz以下に設定しているの
で、現像ローラ75面から一旦浮上したトナー71が現
像ローラ75側に引き戻されるとき、トナー71が再び
感光体1へ向かうような電界形成され現像ギャップ内で
トナー71がクラウド化することがなくなり、したがっ
て、画像のシャープネスが損なわれることがない。
【0108】また、本実施例によれば、上記現像ギャッ
プを100μm以上に設定しているので、2色目のトナ
ー71が感光体1の非画像部にますます到達しなくな
り、地肌汚れを確実に防止できる。また、上記現像ギャ
ップを300μm以下に設定しているので、現像電界の
形成が困難になって画像が不明瞭になることもない。
【0109】また、本実施例によれば、上記期間TAに
おいて、感光体1上の1色目の異極性トナー41に対し
て、2色目の現像ローラ75へ逆飛翔させるような電界
が作用するが、やはり2色目の現像ローラ75に到達す
ることなく、感光体1上に引き戻される条件設定になっ
ている。
【0110】なお、本実施例においても、1色目のトナ
ー41及び2色目のトナー71としては、前記実施例
(1色目及び2色目ともにネガ−ポジ現像)で説明した
ような特性を有するトナーを用いることが好ましい。
【0111】また、本実施例においても、2色目の現像
バイアス電圧(VB)は、そのパルス電圧(VPULS)の
立ち下がり部に、オーバシュート部(期間TC)を含む
ように構成してもよく、また、第1の期間である期間T
Aにおいてピーク電圧VPの三角波電圧を印加し、第2の
期間である期間TBにおいて直流電圧(VDC)を印加す
るように構成してもよい。
【0112】以下、本実施例の具体的な態様を具体例と
して記載する。 〔具体例12〕本例では、感光体1aとしてマイナス帯
電性の有機感光体を用い、1色目の現像はマイナス極性
のトナー41でネガ−ポジ現像を行ない、2色目の現像
はプラス極性のトナー71でポジ−ポジ現像を行なっ
た。2色目の現像ユニット7の現像ギャップは0.16
mm、感光体1aの線速度は120mm/sec、現像ローラ
75の線速度は感光体1aの1.1倍速にそれぞれ設定
した。1色目のトナー像部分の電位(VT)は−110
〜−160Vであり、2色目の潜像電位(VD)は−8
50V程度、地肌部電位(VL)は−100V程度であ
る。現像バイアス電圧VBとしては、1周期がピーク電
圧+250V、パルス時間50μsecのパルス電圧(VP
ULSE)と、−250Vの直流電圧(VDC)から構成され
る電圧を繰り返し周波数2kHzで印加した。本例によれ
ば、感光体1a上の1色目のトナー像を乱すことなく、
2色目の画像としてライン部が明瞭でかつハーフトーン
部で滑らかさを持った良好な画像が得られ、また1色目
のトナー41の2色目の現像ユニット7内への混色はほ
とんど見られなかった。
【0113】〔具体例13〕感光体1aとしてマイナス
帯電性の有機感光体を用い、1色目の現像はマイナス極
性のトナー41でネガ−ポジ現像を行ない、2色目の現
像はプラス極性のトナー71でポジ−ポジ現像を行なっ
た。2色目の現像ユニット7の現像ギャップは0.16
mm、感光体1aの線速度は120mm/sec、現像ローラ
75の線速度は感光体1aの1.1倍速にそれぞれ設定
した。1色目のトナー像部分の電位(VT)は−110
〜−160Vであり、2色目の潜像電位(VD)は−8
50V程度、地肌部電位(VL)は−100V程度であ
る。現像バイアス電圧VBとしては、1周期がピーク電
圧+250V、パルス時間50μsecであって、立ち下
がり時にオーバシュート・ピーク電圧−400V、オー
バシュート継続時間20μsecのオーバシュート部を有
するパルス電圧(VPULSE)と、−250Vの直流電圧
(VDC)から構成される電圧を繰り返し周波数2kHzで
印加した。本例によれば、感光体1a上の1色目のトナ
ー像を乱すことなく、2色目の画像としてライン部が明
瞭でかつハーフトーン部で滑らかさを持った良好な画像
が得られ、また1色目のトナー41の2色目の現像ユニ
ット7内への混色はほとんど見られなかった。
【0114】〔具体例14〕本例では、感光体1aとし
てプラス帯電性のセレン感光体を用い、1色目の現像は
プラス極性のトナー41でネガ−ポジ現像を行ない、2
色目の現像はマイナス極性のトナー71でポジ−ポジ現
像を行なった。2色目の現像ギャップは0.16mm、感
光体1aの線速度は120mm/sec、現像ローラ75の
線速度は感光体1aの1.1倍速にそれぞれ設定した。
1色目のトナー像部分の電位(VT)は+110〜+1
60Vであり、2色目の潜像電位(VD)は+850V
程度、地肌部電位(VL)は+100V程度である。現
像バイアス電圧VBとしては、1周期がピーク電圧−3
00V、立ち上がり及び立ち下がり時間100μsecの
三角波電圧と、+250Vの直流電圧(VDC)から構成
される電圧を繰り返し周波数2kHzで印加した。本例に
よれば、感光体1a上の1色目のトナー像を乱すことな
く、2色目の画像としてライン部が明瞭でかつハーフト
ーン部で滑らかさを持った良好な画像が得られ、また1
色目のトナー41の2色目の現像ユニット7内への混色
はほとんど見られなかった。
【0115】なお、本実施例において示した条件は、ト
ナーの極性のプラス、マイナスに関わりなく、感光体1
の所定の帯電極性との組み合わせによって成り立つこと
言うまでもない。また、本発明は、上記実施例で示した
ように、1色目のトナー41と2色目のトナー71の極
性が同極性であり共にネガ−ポジ現像を採用する場合で
も、一色目のトナー41と2色目のトナー71の極性が
異極性でありそれぞれネガ−ポジ現像とポジ−ポジ現像
を採用する場合でも適用でき、同様な効果が得られるも
のである。
【0116】また、本実施例においては、付着トナーを
増大させるために表面が導電性樹脂75b中に誘電体粒
子75cが埋め込まれて露出している現像ローラ75を
用いて非接触現像を行なう現像ユニット7の例で説明し
たが、本発明は、導電性樹脂75b等の導電体部及び誘
電体粒子75c等の誘電体部を設けていない現像ローラ
等を用いて非接触現像を行なう現像装置を備えた多色画
像形成装置にも適用できる。
【0117】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、2色目以降の
現像バイアス電圧の第1の期間において上記第1の電圧
が現像剤担持体に印加され、現像剤担持体と像担持体と
の間の間隙に所定の電界、例えば図7(a)に示すよう
な像担持体へ向かう強電界が発生するので、像担持体上
での細線部の潜像の太さが劣化せず、そして、現像剤担
持体上で浮上した現像剤は、像担持体上の画像部及び非
画像部に向かって、該強電界の方向に忠実に沿いながら
飛翔するので、細線も良好に再現できるという効果があ
る。また、該第1の期間は、現像剤が非画像部に達しな
いように設定され、該第1の期間に続く第2の期間にお
いて上記第2の電圧が現像剤担持体に印加され、該間隙
に所定の電界が発生し、現像剤担持体上の現像剤は画像
部に向かって飛翔し、該第1の期間において非画像部に
向かっていた現像剤は現像剤担持体に戻るように飛翔し
始めて現像剤担持体に到達するので、地汚れのない画像
が得られるという効果がある。更に、現像剤が現像剤担
持体の表面と像担持体の表面との間で各表面に衝突しな
がら往復動しなくなるので、既現像の現像剤層が乱され
ないという効果がある。更に、現像剤は現像剤担持体上
で振動するので、凝集しないようにほぐされるので、低
コントラスト部でも滑らかな画像が得られるという効果
がある。また、該第2の期間において現像剤担持体に印
加される第2の電圧は、既現像の現像剤が像担持体上か
ら離脱しない電界が該間隙に発生するように設定され、
該第1の期間は、像担持体上の既現像の現像剤が現像剤
担持体に飛翔して到達しないように設定され、既現像の
現像剤が2色目以降の現像手段内へ混入することがなく
なので、2色目以降での混色の発生を防止できるという
効果がある。
【0118】請求項2の発明によれば、上記請求項1の
発明に係る効果に加えて、上記現像バイアス電圧の1周
期の繰り返し周波数を5kHz以下に設定しているので、
現像剤担持体面から一旦浮上して像担持体に向かって飛
翔した現像剤が再び現像剤担持体に引き戻される際に、
十分に現像剤担持体へ到達し、現像剤がクラウド化しな
いので、画像のシャープネスが損なわれないという効果
がある。
【0119】請求項3の発明によれば、上記請求項1の
発明に係る効果に加えて、上記オーバシュート部により
急激に逆電界を形成し、現像剤担持体から浮上した現像
剤を速やかに現像剤担持体に引き戻し、現像剤のクラウ
ド化が防止されるので、画像のシャープネスが損なわれ
ないという効果がある。更に、振動電界の振幅が大きく
なって現像剤担持体上で現像剤がより大きく振動し、凝
集しないようにほぐされるので、低コントラスト部でも
さらに滑らかな画像が得られるという効果がある。
【0120】請求項4の発明によれば、上記請求項1の
発明に係る効果に加えて、上記現像バイアス電圧の第1
の電圧を三角波電圧で構成することにより、矩形波のパ
ルス状電圧と比較して、ピーク電圧が同一の場合に上記
第1の期間内の実効電圧が低くなり、現像剤が現像剤担
持体から浮上して像担持体の非画像部に向かって移動す
る移動距離が短くなるので、地汚れをより一層防止でき
るという効果がある。また、該三角電圧は矩形波のパル
ス状電圧と比較して立ち上がり部及び立ち下がり部の電
圧変化をなだらかに設定できるので、現像バイアス電圧
印加手段の構成が簡便になるという効果がある。また、
該三角波電圧の立ち上がり部及び立ち下がり部における
電圧変化率を5V/μsec以下に設定しているので、現
像剤担持体から浮上して像担持体の非画像部に向かって
移動する現像剤を現像剤担持体側に引き戻す電界が速や
かに形成され、現像剤が像担持体に到達するのを確実に
防止できるという効果がある。
【0121】請求項5の発明によれば、上記請求項1の
発明に係る効果に加えて、上記第2の期間を200μse
c以上に設定し、上記第2の電圧を像担持体上の非画像
部の電位との電位差が絶対値で50V以上に設定するこ
とにより、現像剤担持体面から一旦浮上して像担持体に
向かって飛翔した現像剤が再び該現像剤担持体に引き戻
される際に、十分に該現像剤担持体へ到達し、現像ギャ
ップ内で現像剤がクラウド化しないので、画像のシャー
プネスが損なわれないという効果がある。
【0122】請求項6の発明によれば、上記請求項1の
発明に係る効果に加えて、2色目以降の現像における現
像剤担持体上の現像剤層の平均層厚を30μm以下にす
ることにより、該現像剤層の表層と像担持体表面との距
離が接近して像担持体上の非画像部に到達する現像剤の
量が増えないようになるので、地汚れ量の増加を抑える
ことができるという効果がある。更に、画像部に対する
現像量も過多にならないので、ライン部の周辺での現像
剤のチリが目立たなくなるという効果がある。
【0123】請求項7の発明によれば、上記請求項1の
発明に係る効果に加えて、2色目以降の現像における現
像剤担持体上の現像剤層の単位面積当たりの質量を0.
5mg/cm2以上にすることにより、現像剤と該現像剤担持
体との接触確率が低くなって摩擦帯電による吸着力が弱
くなり、現像剤が該現像剤担持体表面から離れる電界
(以下、スレッシュホールド電界という)が低くなり、
上記第1の電圧及び第2の電圧の印加による現像剤の振
動の効果が小さくならないので、細線が良好に再現でき
るという効果がある。また、該現像剤層の単位面積当た
りの質量を2.0mg/cm2以下にすることにより、現像剤
層中に帯電の不十分な現像剤が混じることもなく、該第
1の電圧の印加による現像剤の振動で現像剤が飛散しな
いので、装置内部の汚染を防止できるという効果があ
る。
【0124】請求項8の発明によれば、上記請求項1の
発明に係る効果に加えて、2色目以降の現像に用いる現
像剤の体積平均粒径が3〜15μmであり、該現像剤に
おける粒径3μm以下の微粒子の割合を20個数%以下
にすることにより、該微粒子が該現像剤担持体表面を覆
って現像領域に形成される現像電界が弱くなることもな
く、上記第1の電圧の印加によって現像剤が該像担持体
側に飛翔し、現像剤の所定の振動が発生するので、細線
を良好に再現できるという効果がある。
【0125】請求項9の発明によれば、上記請求項1の
発明に係る効果に加えて、2色目以降の現像に用いる現
像手段の現像剤担持体上の現像剤の体積平均粒径が3〜
15μmであり、該現像剤における粒径20μm以上の粗
大粒子の割合を10体積%以下にすることにより、像担
持体側へ飛翔した現像剤は、短い時間で現像剤担持体側
に引き戻され、クラウド化しないので、画像のシャープ
ネスが損なわれず、装置内部の汚染を防止できるという
効果がある。
【0126】請求項10の発明によれば、上記請求項1
の発明に係る効果に加えて、2色目以降の現像に用いる
現像剤の凝集度を20%以下にすることにより、上記第
1の電圧及び第2の電圧の印加で現像剤同士の凝集をほ
ぐすことが容易になるので、画像の滑らかさが損なわれ
ないという効果がある。
【0127】請求項11の発明によれば、上記請求項1
の発明に係る効果に加えて、2色目以降の現像に用いる
現像剤に外添している疎水性シリカの外添量を0.3重
量%以上にすることにより、現像剤が現像剤担持体に強
く付着しないようにしているので、上記第1の電圧の印
加により容易に像担持体側に飛翔し始めるという効果が
ある。また、該疎水性シリカの外添量を2.0重量%以
下にすることにより、浮遊した該シリカが現像剤担持体
表面を覆うこともなく、現像領域に形成される現像電界
が弱くならないので、該第1の電圧の印加によって現像
剤が像担持体側に飛翔し、現像剤の通常の振動が確実に
発生するという効果がある。
【0128】請求項12の発明によれば、上記請求項1
の発明に係る効果に加えて、上記現像剤担持体の表面部
を誘電率の異なる複数の部分、例えば、接地された導電
体部に微小な誘電体部を分散させて露出させたもので構
成することにより、該導電体部では、上記第1の電圧の
印加時に、強電界が形成され、該誘電体部に比べて現像
剤の移動量が多くなり、該導電体部に付着している現像
剤は画像の低コントラスト部へも飛翔しやすくなり、ま
た、誘電体部に付着している現像剤は画像の高コントラ
スト部のみにしか飛翔しないので、階調性に優れた画像
が得られるという効果がある。
【0129】請求項13乃至19の発明によれば、上記
請求項1の発明に係る効果に加えて、2色目以降の現像
において、既現像の現像剤の像担持体への吸着力が現像
バイアス電圧の印加で現像剤担持体と像担持体との間隙
に発生する電界によって影響を受けないようにしている
ので、該現像剤担持体上から該既現像の現像剤が離脱し
て2色目以降の現像手段内へ混入することがなくなるの
で、既現像の画像の乱れ、及び2色目以降での混色の発
生を更に防止できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例に係る現像バイアス電圧の波形の説明
図。
【図2】実施例に係る複写機の概略構成を示す正面図。
【図3】(a)は第1帯電後の同複写機の感光体の表面
電位の説明図。(b)は第1露光後の同表面電位の説明
図。(c)は第1現像後の同表面電位の説明図。(d)
は第2帯電後の同表面電位の説明図。(e)は第2露光
後の同表面電位の説明図。(f)は第2現像後の同表面
電位の説明図。
【図4】実施例に係る現像ユニットの概略構成を示す正
面図。
【図5】(a)は同現像ユニットに用いる現像ローラの
斜視図。(b)は同現像ローラの表面層の断面図。
【図6】(a)は変形例に係る現像ローラの平面図。
(b)は同現像ローラの表面層の断面図。(c)は同現
像ローラ上に発生した微小閉電界の説明図。
【図7】(a)は実施例に係る複写機の現像ギャップに
おける電界分布の説明図。(b)は従来の複写機の現像
ギャップにおける電界分布の説明図。
【図8】実施例に係る現像バイアス電圧の直流電圧印加
時の現像ギャップにおけるトナー飛翔の説明図。
【図9】現像ローラの導電性部及び誘電体部上の現像ギ
ャップにおけるトナー飛翔の説明図。
【図10】現像バイアス電圧のパルス時間TAを変化さ
せたときの現像ギャップにおけるトナー飛翔距離の計算
結果を示す特性図。
【図11】現像バイアス電圧のパルス電圧と非画像部の
電位との電位差|VPULSE−VD|を変化させたときの現
像ギャップにおけるトナー飛翔距離の計算結果を示す特
性図。
【図12】現像バイアス電圧の直流電圧と非画像部の電
位との電位差|VDC−VD|を変化させたときの現像ギ
ャップにおけるトナー飛翔距離の計算結果を示す特性
図。
【図13】2色目のトナーの粒径を変化させたときの現
像ギャップにおけるトナー飛翔距離の計算結果を示す特
性図。
【図14】変形例に係る現像バイアス電圧の波形の説明
図。
【図15】他の変形例に係る現像バイアス電圧の波形の
説明図。
【図16】他の実施例に係る複写機の概略構成を示す正
面図。
【図17】(a)は第1帯電後の同複写機の感光体の表
面電位の説明図。(b)は第1露光後の同表面電位の説
明図。(c)は第1現像後の同表面電位の説明図。
(d)は第2露光後の同表面電位の説明図。(e)は第
2現像後の同表面電位の説明図。
【図18】同複写機における現像バイアス電圧の波形の
説明図。
【図19】同現像バイアス電圧の直流電圧印加時の現像
ギャップにおけるトナー飛翔の説明図。
【符号の説明】
1 感光体ドラム 1a 感光体 4 1色目の現像ユニット 41 1色目のトナー 44 1色目のトナー 7 2色目の現像ユニット 71 2色目のトナー 75 2色目の現像ユニットの現像ローラ 75a 同現像ローラの軸体 75b 同現像ローラの導電体部 75c 同現像ローラの誘電体部 77 2色目の現像ユニットの現像バイアス電源
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年6月16日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項4
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正内容】
【0011】また、請求項4の発明は、請求項1の多色
画像形成装置において、上記第1の電圧として三角波電
圧、上記第2の電圧として直流電圧をそれぞれ用い、該
三角波電圧の立ち上がり部及び立ち下がり部における電
圧変化率を5V/μsec以上に設定したことを特徴とす
るものである。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0030
【補正方法】変更
【補正内容】
【0030】請求項4の発明においては、上記現像バイ
アス電圧の上記第1の電圧を三角波電圧で構成している
ので、矩形波のパルス状電圧と比較して、ピーク電圧が
同一の場合に上記第1の期間内の実効電圧が低くなり、
現像剤が上記現像剤担持体から浮上して上記像担持体の
非画像部に向かって移動する移動距離が短くなる。ま
た、該三角電圧は矩形波のパルス状電圧と比較して立ち
上がり部及び立ち下がり部の電圧変化をなだらかに設定
できる。また、該三角波電圧の立ち上がり部及び立ち下
がり部における電圧変化率を5V/μsec以上に設定し
ているので、上記現像剤担持体から浮上して上記像担持
体の非画像部に向かって飛翔する現像剤を該現像剤担持
体側に引き戻す電界が速やかに形成され、該現像剤が該
像担持体に到達するのを防止できる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0059
【補正方法】変更
【補正内容】
【0059】ここで、直流電圧VDCにパルス電圧VPULS
を重畳させた現像バイアス電圧VBを現像ローラ75に
印加した際の、感光体1aに向かうトナー71の飛翔に
ついて更に詳細に説明する。現像ローラ75と感光体1
aとの間の間隙(以下、現像ギャップという)における
トナー71の移動は、次の数1に示す運動方程式により
解析的に算出できる。
【数1】
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0120
【補正方法】変更
【補正内容】
【0120】請求項4の発明によれば、上記請求項1の
発明に係る効果に加えて、上記現像バイアス電圧の第1
の電圧を三角波電圧で構成することにより、矩形波のパ
ルス状電圧と比較して、ピーク電圧が同一の場合に上記
第1の期間内の実効電圧が低くなり、現像剤が現像剤担
持体から浮上して像担持体の非画像部に向かって移動す
る移動距離が短くなるので、地汚れをより一層防止でき
るという効果がある。また、該三角電圧は矩形波のパル
ス状電圧と比較して立ち上がり部及び立ち下がり部の電
圧変化をなだらかに設定できるので、現像バイアス電圧
印加手段の構成が簡便になるという効果がある。また、
該三角波電圧の立ち上がり部及び立ち下がり部における
電圧変化率を5V/μsec以上に設定しているので、現
像剤担持体から浮上して像担持体の非画像部に向かって
移動する現像剤を現像剤担持体側に引き戻す電界が速や
かに形成され、現像剤が像担持体に到達するのを確実に
防止できるという効果がある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西土 和宏 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】像担持体上に多色の顕像を形成した後、該
    顕像を転写材上に一括転写する多色画像形成装置におい
    て、 2色目以降の現像手段として、表面に一成分現像剤を担
    持する現像剤担持体と、1周期が第1の期間と第2の期
    間からなる周期的に変化する現像バイアス電圧を該現像
    剤担持体に印加する現像バイアス電圧印加手段とを有す
    る現像手段を備え、 該第1の期間において、該像担持体の画像部及び非画像
    部に向けて該現像剤を飛翔させる電界が該像担持体と該
    現像剤担持体との間の間隙に発生するような第1の電圧
    を該現像剤担持体に印加し、 該第2の期間において、該現像剤を該画像部に向けて飛
    翔させ、該第1の期間に該非画像部に向かっていた該現
    像剤を該現像剤担持体側に引き戻し、かつ、既現像の現
    像剤が該像担持体上から離脱しない電界が該間隙に発生
    するような第2の電圧を該現像剤担持体に印加し、 該第1の期間を、該現像剤が該非画像部に到達しないよ
    うに、かつ、該像担持体上の既現像の現像剤が該現像剤
    担持体に飛翔して到達しないように設定することを特徴
    とする多色画像形成装置。
  2. 【請求項2】上記第1の電圧としてパルス状電圧、上記
    第2の電圧として直流電圧をそれぞれ用い、 該第2の電圧を上記像担持体上の既現像の現像剤層の電
    位との電位差が絶対値で500V以下になるように設定
    し、 上記第1の期間を100μsec以下に設定し、 上記現像バイアス電圧の1周期の繰り返し周波数を5kH
    z以下に設定し、 上記現像剤担持体と該像担持体との間の最短間隙を10
    0〜300μmの範囲内に設定したことを特徴とする請
    求項1の多色画像形成装置。
  3. 【請求項3】上記第1の電圧としてパルス状電圧、上記
    第2の電圧として直流電圧をそれぞれ用い、 該パルス状電圧の立ち下がり部がオーバシュート部を有
    し、該オーバシュート部のピーク電圧と該直流電圧との
    電圧差を50V以上に設定したことを特徴とする請求項
    1の多色画像形成装置。
  4. 【請求項4】上記第1の電圧として三角波電圧、上記第
    2の電圧として直流電圧をそれぞれ用い、 該三角波電圧の立ち上がり部及び立ち下がり部における
    電圧変化率を5V/μsec以下に設定したことを特徴と
    する請求項1の多色画像形成装置。
  5. 【請求項5】上記第1の電圧としてパルス状電圧、上記
    第2の電圧として直流電圧をそれぞれ用い、 該第1の電圧を上記像担持体上の非画像部の電位との電
    位差が絶対値で100〜700Vになるように設定し、 該第2の電圧を上記像担持体上の非画像部の電位との電
    位差が絶対値で50〜500Vになるように設定し、 上記第1の期間を100μsec以下に設定し、 上記第2の期間を200μsec以上に設定し、 上記現像剤担持体と該像担持体との間の最短間隙を10
    0〜300μmの範囲内に設定したことを特徴とする請
    求項1の多色画像形成装置。
  6. 【請求項6】2色目以降の現像における上記現像剤担持
    体上の現像剤層の平均層厚が30μm以下であることを
    特徴とする請求項1の多色画像形成装置。
  7. 【請求項7】2色目以降の現像における上記現像剤担持
    体上の現像剤層の単位面積当たりの質量が0.5〜2.
    0mg/cm2であることを特徴とする請求項1の多色画像形
    成装置。
  8. 【請求項8】2色目以降の現像に用いる現像剤の体積平
    均粒径が3〜15μmであり、 該現像剤における粒径3μm以下の粒子の割合が20個
    数%以下であることを特徴とする請求項1の多色画像形
    成装置。
  9. 【請求項9】2色目以降の現像に用いる現像手段の現像
    剤担持体上の現像剤の体積平均粒径が3〜15μmであ
    り、 該現像剤における粒径20μm以上の粒子の割合が10
    体積%以下であることを特徴とする請求項1の多色画像
    形成装置。
  10. 【請求項10】2色目以降の現像に用いる現像剤の凝集
    度が20%以下であることを特徴とする請求項1の多色
    画像形成装置。
  11. 【請求項11】2色目以降の現像に用いる現像剤に、疎
    水性シリカを0.3〜2.0重量%の範囲内で外添した
    ことを特徴とする請求項1の多色画像形成装置。
  12. 【請求項12】上記現像剤担持体の表面部が誘電率の異
    なる複数の部分から構成されたことを特徴とする請求項
    1の多色画像形成装置。
  13. 【請求項13】像担持体上に多色の顕像を形成した後、
    該顕像を転写材上に一括転写する多色画像形成装置にお
    いて、 2色目以降の現像手段として、表面に一成分現像剤を担
    持する現像剤担持体と、1周期が第1の期間と第2の期
    間からなる周期的に変化する現像バイアス電圧を該現像
    剤担持体に印加する現像バイアス電圧印加手段とを有す
    る現像手段を備え、 該第1の期間において、該像担持体の画像部及び非画像
    部に向けて該現像剤を飛翔させる電界が該像担持体と該
    現像剤担持体との間の間隙に発生するような第1の電圧
    を該現像剤担持体に印加し、 該第2の期間において、該現像剤を該画像部に向けて飛
    翔させ、該第1の期間に該非画像部に向かっていた該現
    像剤を該現像剤担持体側に引き戻す電界が該間隙に発生
    するような第2の電圧を該現像剤担持体に印加し、 該第1の期間を、該現像剤が該非画像部に到達しないよ
    うに設定し、 2色目以降の現像において、既現像の現像剤の該像担持
    体への付着力が該現像バイアス電圧の印加で該間隙に発
    生する電界によって影響を受けないことを特徴とする多
    色画像形成装置。
  14. 【請求項14】上記既現像の現像剤の帯電量が20μc/
    g以上であることを特徴とする請求項13の多色画像形
    成装置。
  15. 【請求項15】上記既現像の現像剤の粒径が10μm以
    下であることを特徴とする請求項13の多色画像形成装
    置。
  16. 【請求項16】上記既現像の現像剤の現像前の凝集度が
    15〜50%であることを特徴とする請求項13の多色
    画像形成装置。
  17. 【請求項17】1色目の現像手段が、2成分系現像剤を
    用いる現像手段であることを特徴とする請求項13の多
    色画像形成装置。
  18. 【請求項18】上記第1の電圧としてパルス状電圧、上
    記第2の電圧として直流電圧をそれぞれ用い、該パルス
    状電圧と該直流電圧との電圧差の絶対値が、300〜6
    00Vであることを特徴とする請求項13の多色画像形
    成装置。
  19. 【請求項19】上記既現像の現像剤に作用するファンデ
    ルワールス力が、上記現像バイアス電圧によって上記間
    隙に発生した電界から該既現像の現像剤が受ける静電気
    力より大きいことを特徴とする請求項13の多色画像形
    成装置。
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