JP2000121821A - 回折光学素子を有したリヤ−フォーカス式のズームレンズ - Google Patents

回折光学素子を有したリヤ−フォーカス式のズームレンズ

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JP2000121821A
JP2000121821A JP10316922A JP31692298A JP2000121821A JP 2000121821 A JP2000121821 A JP 2000121821A JP 10316922 A JP10316922 A JP 10316922A JP 31692298 A JP31692298 A JP 31692298A JP 2000121821 A JP2000121821 A JP 2000121821A
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group
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diffractive optical
refractive power
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Hiroki Yoshida
博樹 吉田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 回折光学素子を利用し、全変倍範囲に渡り高
い光学性能を有した変倍比30程度の5つのレンズ群よ
り成るリヤーフォーカス式のズームレンズを得ること。 【解決手段】 物体側より順に正の屈折力の第1群、負
の屈折力の第2群、正の屈折力の第3群、負の屈折力の
第4群、そして正の屈折力の第5群の5つのレンズ群を
有し、該第2群と第4群を移動させて変倍を行い、該第
4群を光軸上移動させてフォーカスを行うリヤーフォー
カス式のズームレンズにおいて、該第1群は物体側に凸
面を向けたメニスカス状の負の第11レンズ、正の第1
2レンズ、そして正の第13レンズの3つのレンズと、
光軸に対して回転対象な回折光学素子を有していること
を特徴とする回折光学素子を有したリヤーフォーカス式
のズームレンズ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は回折光学素子を有し
たリヤーフォーカス式のズームレンズに関し、特にレン
ズ系の一部に回折光学素子を用いることによって諸収
差、特に色収差を良好に補正した写真用カメラやビデオ
カメラ、そして放送用カメラ等に用いられる変倍比30
程度,広角端のFナンバー1.7程度の大口径比で高変
倍比のレンズ系全体の小型化を図ったものである。
【0002】
【従来の技術】最近、ホームビデオカメラ等の小型軽量
化に伴い、撮像用のズームレンズの小型化にも目覚まし
い進歩が見られ、特にレンズ全長の短縮化や前玉径の小
型化、構成の簡略化に力が注がれている。
【0003】これらの目的を達成する一つの手段とし
て、物体側の第1群以外のレンズ群を移動させてフォー
カスを行う、所謂リヤーフォーカス式のズームレンズが
知られている。
【0004】一般にリヤーフォーカス式のズームレンズ
は第1群を移動させてフォーカスを行うズームレンズに
比べて第1群の有効径が小さくなり、レンズ系全体の小
型化が容易になり、又近接撮影、特に極近接撮影が容易
となり、更に比較的小型軽量のレンズ群を移動させて行
っているので、レンズ群の駆動力が小さくてすみ迅速な
焦点合わせができる等の特長がある。
【0005】このようなリヤーフォーカス式のズームレ
ンズとして、例えば特開昭62−215225号公報
や、特開昭62−206516号公報,特開昭62−2
4213号公報,特開昭63−247316号公報、そ
して特開平4−43311号公報では、物体側より順に
正の屈折力の第1群、負の屈折力の第2群、正の屈折力
の第3群、そして正の屈折力の第4群の4つのレンズ群
を有し、第2群を移動させて変倍を行い、第4群を移動
させて変倍に伴う像面変動とフォーカスを行った4群タ
イプのリヤーフォーカス式のズームレンズが提案されて
いる。
【0006】又特開平4−301612号公報では物体
側より順に正の屈折力の第1群、負の屈折力の第2群、
正の屈折力の第3群、正の屈折力の第4群、そして負の
屈折力の第5群の5つのレンズ群を有し、第2群を移動
させて変倍を行い、第4群を移動させて変倍に伴う像面
変動の補正とフォーカスを行い、レンズ系全体をテレフ
ォトタイプに近づけてレンズ全長の短縮化を図った5群
タイプのズームレンズが提案されている。
【0007】又、諸収差のうち色収差については分散の
異なる硝材を組み合わせて補正する方法の他にレンズ面
又は光学系の一部に回折作用を有する回折光学素子を設
けて補正した光学系が、例えば特開平4−213421
号公報や特開平6−324262号公報、米国特許第
5,268,790号等で提案されている。このうち、
米国特許第5,268,790号では正、負、正、そし
て正の屈折力のレンズ群の4つのレンズ群より成る4群
ズームレンズにおいて変倍用の第2群又は変倍に伴う像
面変動を補正する為の第3群に回折光学素子を用いたズ
ームレンズを提案している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】一般にズームレンズに
おいてリヤーフォーカス方式を採用するとレンズ系全体
が小型化され又迅速なるフォーカスが可能となり、更に
近接撮影が容易となる等の特長が得られる。
【0009】しかしながら反面、フォーカスの際の収差
変動が大きくなり、無限遠物体から近距離物体に至る物
体距離全般にわたり高い光学性能を得るのが大変難しく
なってくるという問題点が生じてくる。
【0010】例えば、大口径比で高変倍のズームレンズ
では変倍による色収差の変動が大きくなってきて全変倍
範囲にわたり、又物体距離全般にわたり高い光学性能を
得るのが大変難しくなってくるという問題点が生じてく
る。
【0011】特にズーム比が30倍程度の高変倍比のズ
ームレンズでは各レンズ群内で発生する色収差を補正す
るため、張り合わせレンズを用いることが多い。そして
レンズ群に対し、非球面を用いることによりレンズ群の
レンズ枚数を削減し、レンズ全長を短くする方法がとら
れている。
【0012】しかしながら、レンズ枚数を減らすと色収
差の補正をする要素が不十分になってきて、変倍に伴う
色収差の変動を良好に補正することが困難になってく
る。
【0013】一般に正レンズに低分散ガラス(例えば商
品名「FK01」)を用いれば、色収差を軽減すること
もできる。しかしながら一般に低分散のガラスは屈折率
が低く加工が難しいレンズ形状になりやすい。この為、
例えば5群のリヤーフォーカス式のズームレンズにおい
て第1群の屈折力を弱くすると、これに応じて他のレン
ズ群の屈折力も弱くしなければならず、この結果、第1
群の径が大きくなり第1群の各レンズのレンズ肉厚を増
す必要が生じてレンズ全長が長大化してくる。
【0014】本発明は、5群タイプの回折光学素子を有
したリヤーフォーカス式のズームレンズにおいて、各レ
ンズ群のレンズ構成を適切に設定することにより、広角
端から望遠端に至る全変倍範囲にわたり、又無限遠物体
から超至近物体に至る物体距離全般にわたり、良好なる
光学性能を有した大口径比で高変倍比の回折光学素子を
有したリヤーフォーカス式のズームレンズの提供を目的
とする。
【0015】特に、リヤーフォーカス式のズームレンズ
を5群タイプで構成し、1群に回折光学素子を導入し、
回折光学的な作用と屈折系の作用とを合成することによ
り第1群で発生する色収差を低減させ、レンズ枚数を少
なくしてレンズ全長の短縮化を図りつつ、広角端から望
遠端に至る全変倍範囲にわたり良好なる光学性能を有す
るリヤーフォーカス式のズームレンズの提供を目的とす
る。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明の回折光学素子を
有したリヤーフォーカス式のズームレンズは、(1-1) 物
体側より順に正の屈折力の第1群、負の屈折力の第2
群、正の屈折力の第3群、負の屈折力の第4群、そして
正の屈折力の第5群の5つのレンズ群を有し、該第2群
と第4群を移動させて変倍を行い、該第4群を光軸上移
動させてフォーカスを行うリヤーフォーカス式のズーム
レンズにおいて、該第1群は物体側に凸面を向けたメニ
スカス状の負の第11レンズ、正の第12レンズ、そし
て正の第13レンズの3つのレンズと、光軸に対して回
転対象な回折光学素子を有していることを特徴としてい
る。
【0017】
【発明の実施の形態】図1,図5は本発明の回折光学素
子を有したリヤーフォーカス式のズームレンズの後述す
る数値実施例1,2のレンズ断面図、図2〜図4は数値
実施例1の収差図,図6〜図8は数値実施例2の諸収差
図である。収差図において図2,図6は広角端、図3,
図7は中間、図4,図8は望遠端を示す。
【0018】図1,図5の数値実施例1,2のレンズ構
成の特徴について説明する。図1,図5において、L1
は正の屈折力の第1群、L2は負の屈折力の第2群、L
3は正の屈折力の第3群、L4は負の屈折力の第4群、
L5は正の屈折力の第5群である。SPは開口絞りであ
り、第3群L3の前方に配置している。Gは色分解光学
系やフェースプレート、そしてフィルター等のガラスブ
ロックである。IPは像面である。
【0019】本実施形態では広角端から望遠端への変倍
に際して矢印のように第2群を像面側へ移動させると共
に、変倍に伴う像面変動を第4群を像面側に凸状の軌跡
を有しつつ移動させて補正している。
【0020】又、第4群を光軸上移動させてフォーカス
を行うリヤーフォーカス式を採用している。同図に示す
第4群の実線の曲線4aと点線の曲線4bは各々無限遠
物体と近距離物体にフォーカスしているときの広角端か
ら望遠端への変倍に伴う際の像面変動を補正する為の移
動軌跡を示している。尚、第1群と第3群は変倍及びフ
ォーカスの際固定である。尚、第2群の変倍分担を少な
くする為に第1群を変倍の際に移動させても良い。
【0021】本実施形態においては第4群を移動させて
変倍に伴う像面変動の補正を行うと共に第4群を移動さ
せてフォーカスを行うようにしている。特に同図の曲線
4a,4bに示すように広角端から望遠端への変倍に際
して像面側へ凸状の軌跡を有するように移動させてい
る。
【0022】本実施形態において、例えば望遠端におい
て無限遠物体から近距離物体へフォーカスを行う場合は
同図の直線4cに示すように第4群を前方へ繰り出すこ
とにより行っている。
【0023】本実施形態では第1群を物体側に凸面を向
けたメニスカス状の負の第11レンズ、正の第12レン
ズ、そして正の第13レンズの光軸に対し回転対称な回
折光学素子を有するように構成している。そして回折光
学素子の位相を適切に設定してレンズ全長の短縮化を図
りつつ、第1群で発生する色収差を良好に補正してい
る。
【0024】第1群を回折光学素子なしで屈折面のみで
色収差を軽減しようとすると、レンズの枚数を増やす
か、さもなくば異常分散ガラスを用いる必要がある。し
かしながら異常分散ガラスは例えばFK01のような加
工しずらいレンズが多い。又、第1群は他のレンズ群と
比較し、レンズの径が大きくなることが多いため、レン
ズの枚数を増やすとレンズ全体の重量が増え、使い勝手
が悪くなってくる。
【0025】そこで本実施形態では、第1群を物体側か
ら順にメニスカス状の負の第11レンズ、正の第12レ
ンズ、そして正の第13レンズの3枚のレンズで構成し
ている。
【0026】仮に第1群の1枚目のレンズを正レンズよ
り構成すると、広角端における画角が狭くなり易く、使
い勝手の悪いレンズ系になってしまう。又、負レンズを
両凹レンズにすると広角端において像面湾曲が発生し易
くなり、望ましくない。
【0027】本実施形態では、2,3枚目のレンズに正
の屈折力を持たせて屈折力を分散させている。これによ
って2枚目のレンズの物体側のレンズが極端に膨らみ、
レンズの厚みが増してレンズの全長がのびてレンズ全体
の重量が増えるのを防止している。
【0028】又、第1群の回折光学面は正の屈折力を有
するようにしている。これによって第1群が正の屈折力
を有し、屈折によって発生する色収差を回折光学面で打
ち消している。仮に、回折光学面の屈折力を負にすると
通常の屈折光学系と発生する色収差が同じになってしま
い回折光学面による色消し効果が出ず、光学系全域で十
分な色収差の補正が行えなくなる。
【0029】本実施形態における回折光学素子は、ホロ
グラフィック光学素子(HOE)の製作手法であるリソ
グラフィック手法で2値的に製作している。回折光学素
子はバイナリーオプティックス(BINARY OPT
ICS)で製作しても良い。この場合、更に回折効率を
上げるためにキノフォームと呼ばれる鋸状の形状にして
も良い。またこれらの方法で製作した方によって成型に
より製造しても良い。また本実施形態における回折光学
素子の形状は、基準波長(d線)をλ、光軸からの距離
をh、位相をφ(h)としたとき φ(h)=2π/λ(C2 ・h2 +C4 ・h4 +‥‥C
(2i) ・i・h2i) の式で表されるものである。
【0030】本実施例では以上のようなズーム方式及び
各レンズ群のレンズ構成を特定することにより、変倍に
伴う収差変動、特に色収差の変動を良好に補正し、全変
倍範囲に渡り高い光学性能を得ている。
【0031】尚、本実施例において、更に収差補正上好
ましくは、次の諸条件のうちの少なくとも1つを満足さ
せるのが良い。
【0032】(ア-1) 前記第i群の焦点距離をfi(i=
1,2…)としたとき 5.1<|f1/f2|<9.3・・・(1) なる条件を満足することである。
【0033】条件式(1)の上限を上回るほど第2群の
屈折力を強くするとペッツバール和が負の方向に大きく
発生し、像面湾曲、非点収差を発生させ光学性能を悪く
してしまうため適当ではない。
【0034】逆に、条件式(1)の下限を下回るほど第
1群の屈折力を強くすると屈折光学系によって発生する
色収差を回折光学面で十分打ち消すことができなくな
り、光学系全域で十分な色収差の補正が行えなくなる。
又、回折面の作成が困難になる。
【0035】(ア-2) 前記第1群の焦点距離をf1、全系
の広角端と望遠端の焦点距離を各々fW,fTとすると
き、
【0036】
【数2】 を満足することである。
【0037】条件式(2)の下限を下回るほど第1群の
屈折力を強くすると、屈折光学系によって発生する色収
差を回折光学面で十分打ち消すことができなくなり、光
学系全域で十分な色収差の補正が行えなくなる。又、回
折面の作成が困難になる。
【0038】逆に条件式(2)の上限を上回るほど第1
群の屈折力を弱くすると、回折光学素子を用いなくても
色収差の補正が容易になる。又、広角端におけるバック
フォーカスが短くなり、ローパスフィルターや色フィル
ター等を入れることが困難になる。
【0039】(ア-3) 前記第12レンズと第13レンズの
材質のアッベ数を各々ν12,ν13とするとき
【0040】
【数3】 を満足することである。
【0041】これを越えるような硝材はFK01に代表
されるように一般に加工が難しくなってくるので良くな
い。
【0042】(ア-4) 本発明において第1群で十分な色収
差補正が行われるためには第1群の第1iレンズ(i=
1,2…)の焦点距離及びアッベ数をそれぞれf1i,
ν1i(i=1,2…)、第1群の回折光学面の2次項
の係数をC21とするとき、 |0.5797・C21+Σ(1/(f1i・ν1i)|・f1 <9.8×10-3・・・(4) なる条件を満足するのが望ましい。
【0043】条件式(4)は第4群に関して屈折光学面
と回折光学面での色消し効果が合成されて十分に色収差
が補正するための条件である。
【0044】一般に屈折光学系のアッベ数(分散値)は
d,C,F線の各波長における屈折力をNd,NC,N
Fとしたとき、 νd=(Nd−1)/(NF−NC) で表される。
【0045】一方、回折光学面での分散値νdはd線,
C線,F線の各波長をλd,λC,λFとしたとき、 νd=λd/(λF−λC) で表され、νd=−3.45となる。
【0046】又、回折光学面の主波長における近軸的な
一次回折光の屈折力ψは回折光学面の位相を表す前式よ
り2次項の係数をC2としたとき、 ψ=−2・C2 と表される。
【0047】ある群で発生する色収差はψ/νに比例す
るのでこれに相当する量は回折光学面では、 −2・C2/(−3.45)=0.5797・C2 となる。又、屈折光学系では、この量は、 Σ/(f・ν) となる。
【0048】従って、この和が0に近いほどその群の色
収差補正が十分に行われていることが判る。条件式
(4)の範囲内を超えてしまうと第1群で発生する色収
差の補正が不十分になってしまうので良くない。
【0049】本実施形態で用いている回折光学素子の構
成としては図9に示す1層のキノフォーム形状の1層構
成のものや、図12に示すような格子厚の異なる(又は
同一の)2つの層を積層した2層構成のもの等が適用可
能である。
【0050】図10は図9に示す回折光学素子101の
1次回折光の回折効率の波長依存特性である。実際の回
折光学素子101の構成は、基材102の表面に紫外線
硬化樹脂を塗布し、樹脂部に波長530nmで1次回折
光の回折効率が100%となるような格子厚dの層10
3を形成している。
【0051】図10で明らかなように設計次数の回折効
率は最適化した波長530nmから離れるに従って低下
し、一方設計次数近傍の次数の0次回折光と2次回折光
の回折効率が増大している。その設計次数以外の回折光
の増加はフレアとなり、光学系の解像度の低下につなが
る。
【0052】図11に図9の格子形状で数値実施例2を
作成した場合の望遠端での空間周波数に対するMTF特
性を示す。
【0053】図12に示す2つの層104,105を積
層した積層型の回折光学素子の1次回折光の回折効率の
波長依存特性を図13に示す。
【0054】図12では基材102上に紫外線硬化樹脂
(nd=1.499,νd=54)からなる第1層10
4を形成し、その上に別の紫外線硬化樹脂(nd=1.
598,νd=28)からなる第2層105を形成して
いる。この材質の組み合わせでは、第1層104の格子
厚d1はd1=13.8μm、第2の層105の格子厚
d2はd2=10.5μmとしている。
【0055】図13から分かるように積層構造の回折光
学素子にすることで、設計次数の回折効率は、使用波長
全域で95%以上の高い回折効率を有している。
【0056】図14に図12の格子形状で数値実施例2
を作成した場合の望遠端での空間周波数に対するMTF
特性を示す。積層構造の回折光学素子を用いると、低周
波数のMTFは改善され、所望のMTF特性が得られ
る。このように、本発明に係る回折光学素子として積層
構造を用いれば、光学性能を更に改善することができ
る。
【0057】なお、前述の積層構造の回折光学素子とし
て、材質を紫外線硬化樹脂に限定するものではなく、他
のプラスチック材等も使用できるし、基材によっては第
1の層104を直接基材に形成しても良い。また各格子
厚が必ずしも異なる必要はなく、材料の組み合わせによ
っては図15に示すように2つの層104と105の格
子厚を等しくしても良い。
【0058】この場合は、回折光学素子の表面に格子形
状が形成されないので、防塵性に優れ、回折光学素子の
組立作業性を向上させることができる。
【0059】次に本発明の数値実施例を示す。数値実施
例においてriは物体側より順に第i番目のレンズ面の
曲率半径、diは物体側より順に第i番目のレンズ厚及
び空気間隔、niとνiは各々物体側より順に第i番目
のレンズのガラスの屈折率とアッベ数である。又、前述
の各条件式と数値実施例の関係を表−1に示す。
【0060】非球面形状は光軸方向にX軸、光軸と垂直
方向にY軸、光の進行方向を正としRを近軸曲率半径、
K,B,C,D,E,Fを各々非球面係数としたとき、
【0061】
【数4】 なる式で表している。又「D−0X」は「10-X」を意
味している。
【0062】
【外1】
【0063】
【外2】
【0064】
【表1】
【0065】
【発明の効果】本発明によれば、5群タイプの回折光学
素子を有したリヤーフォーカス式のズームレンズにおい
て、各レンズ群のレンズ構成を適切に設定することによ
り、広角端から望遠端に至る全変倍範囲にわたり、又無
限遠物体から超至近物体に至る物体距離全般にわたり、
良好なる光学性能を有した大口径比で高変倍比の回折光
学素子を有したリヤーフォーカス式のズームレンズを達
成することができる。
【0066】又、本発明によれば、リヤーフォーカス式
のズームレンズを5群タイプで構成し、1群に回折光学
素子を導入し、回折光学的な作用と屈折系の作用とを合
成することにより第1群で発生する色収差を低減させ、
レンズ枚数を少なくしてレンズ全長の短縮化を図りつ
つ、広角端から望遠端に至る全変倍範囲にわたり良好な
る光学性能を有するリヤーフォーカス式のズームレンズ
を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の数値実施例1のレンズ断面図
【図2】本発明の数値実施例1の広角端の収差図
【図3】本発明の数値実施例1の中間の収差図
【図4】本発明の数値実施例1の望遠端の収差図
【図5】本発明の数値実施例2のレンズ断面図
【図6】本発明の数値実施例2の広角端の収差図
【図7】本発明の数値実施例2の中間の収差図
【図8】本発明の数値実施例2の望遠端の収差図
【図9】本発明に係る回折光学素子の説明図
【図10】本発明に係る回折光学素子の波長依存特性の
説明図
【図11】本発明に係る回折光学素子のMTF特性図
【図12】本発明に係る回折光学素子の説明図
【図13】本発明に係る回折光学素子の波長依存特性の
説明図
【図14】本発明に係る回折光学素子のMTF特性図
【図15】本発明に係る回折光学素子の説明図
【符号の説明】
L1 第1群 L2 第2群 L3 第3群 L4 第4群 L5 第5群 SP 絞り IP 像面 d d線 g g線 ΔM メリディオナル像面 ΔS サジタル像面
フロントページの続き Fターム(参考) 2H049 AA04 AA51 AA55 AA63 2H087 KA02 KA03 MA15 NA14 PA11 PA16 PB15 QA07 QA17 QA21 QA25 QA34 QA42 QA45 RA05 RA12 RA13 RA32 RA43 RA46 SA43 SA47 SA49 SA53 SA55 SA63 SA65 SA72 SA74 SA76 SB04 SB15 SB24 SB33 SB44 UA01 9A001 KK16 KK42

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 物体側より順に正の屈折力の第1群、負
    の屈折力の第2群、正の屈折力の第3群、負の屈折力の
    第4群、そして正の屈折力の第5群の5つのレンズ群を
    有し、該第2群と第4群を移動させて変倍を行い、該第
    4群を光軸上移動させてフォーカスを行うリヤーフォー
    カス式のズームレンズにおいて、該第1群は物体側に凸
    面を向けたメニスカス状の負の第11レンズ、正の第1
    2レンズ、そして正の第13レンズの3つのレンズと、
    光軸に対して回転対象な回折光学素子を有していること
    を特徴とする回折光学素子を有したリヤーフォーカス式
    のズームレンズ。
  2. 【請求項2】 前記回折光学素子は正の屈折力を有して
    いることを特徴とする請求項1の回折光学素子を有した
    リヤーフォーカス式のズームレンズ。
  3. 【請求項3】 前記第i群の焦点距離をfi(i=1,
    2…)としたとき 5.1<|f1/f2|<9.3 なる条件を満足することを特徴とする請求項1又は2の
    回折光学素子を有したリヤーフォーカス式のズームレン
    ズ。
  4. 【請求項4】 前記第1群の焦点距離をf1、全系の広
    角端と望遠端の焦点距離を各々fW,fTとするとき、 【数1】 を満足することを特徴とする請求項1,2又は3の回折
    光学素子を有したリヤーフォーカス式のズームレンズ。
  5. 【請求項5】 前記回折光学素子は積層構造の回折格子
    を有していることを特徴とする請求項1,2,3又は4
    の回折光学素子を有したリヤーフォーカス式のズームレ
    ンズ。
  6. 【請求項6】 前記第12レンズと第13レンズの材質
    のアッベ数を各々ν12,ν13とするとき ν12<65 ν13<65 を満足することを特徴とする請求項1から5のいずれか
    1項の回折光学素子を有したリヤーフォーカス式のズー
    ムレンズ。
  7. 【請求項7】 前記回折光学素子は1層構成又は互いに
    分散の異なる材質より成る2層構成より成っていること
    を特徴とする請求項1から6のいずれか1項の回折光学
    素子を有したリヤーフォーカス式のズームレンズ。
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