JP2000120585A - 圧縮機用ガス冷却器のシール装置 - Google Patents

圧縮機用ガス冷却器のシール装置

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JP2000120585A
JP2000120585A JP10296907A JP29690798A JP2000120585A JP 2000120585 A JP2000120585 A JP 2000120585A JP 10296907 A JP10296907 A JP 10296907A JP 29690798 A JP29690798 A JP 29690798A JP 2000120585 A JP2000120585 A JP 2000120585A
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広信 平
Yoshinobu Sato
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 シール性能および信頼性が高く、かつメンテ
ナンス性に優れた圧縮機用ガス冷却器のシール装置を提
供する。 【解決手段】 それぞれ一端部に凹部45を有する一対
のレール46を備えた圧力容器に、一端部にそれぞれレ
ール46上を走行して凹部45に嵌まり込む一対のロー
ラ47と、外面から延設された弾性変形可能な薄板から
なるシール部材40とを備えた冷却ユニット38を挿入
してガス冷却器を構成する。ローラ47が凹部45に嵌
まり込んだときのみシール部材40が圧力容器の内壁面
(レール46)へ弾性的に圧接して高温ガス側と低温ガ
ス側とを仕切る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガス圧縮機の圧縮
ガスを冷却するガス冷却器における高温ガス側と低温ガ
ス側とに仕切るシール部構造に関し、特に、冷却ユニッ
トの挿入、引き出しが容易で、シール性能および信頼性
の高い圧縮機用ガス冷却器のシール装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】一般に、ガス圧縮機は、低温のガスを吸
い込んで圧縮すると、断熱的に圧縮されて圧力の上昇と
ともに温度が上昇する。この高温のガスを冷却して使用
する場合と、冷却した圧縮ガスを再度吸い込んで圧縮を
繰り返し、ガスの圧力を高めて、高圧の動力源として工
場等で使用される場合がある。このように、圧縮機には
高温の圧縮ガスを冷却するガス冷却器が設けられてい
る。
【0003】図10は、第1の従来例として、ターボ型
2段圧縮機を示したものである。図10において、1お
よび2は第1段および第2段の遠心圧縮機、3は図示し
ない電動機により増速機4を介して駆動される高圧羽根
車、5および6はインタークーラーおよびアフタークー
ラーで、いずれも圧力容器7に冷却ユニット(熱交換
器)8が挿入されている。9は、冷却ユニット8の外面
から延設され、その先端部が圧力容器の内壁に圧接し
て、高温ガス側と低温ガス側とを仕切るシール部材であ
る。
【0004】このような構成において、矢印Aのように
吸い込まれた空気(以下、空気の流れを白抜き矢印で表
す)は、第1段遠心圧縮機1において、電動機により駆
動される高圧羽根車3の高速回転で圧縮され、インター
クーラー5に吐き出される。インタークーラー5では、
シール部材9により仕切られた高温ガス室に流入した高
温度の圧縮空気は、冷却ユニット8の側面よりプレート
フィン間を通過し、矢印Bのように導入されてチューブ
内を流れる冷却水(以下、冷却水の流れを黒塗り矢印で
表す)と熱交換されて冷却される。冷却された圧縮空気
は第2段遠心圧縮機2に流入し、同様に高圧羽根車3の
高速回転で増圧され、アフタークーラー6に吐き出され
る。アフタークーラー6では、インタークーラー5と同
様に、圧縮空気は冷却ユニット8を通して冷却され、空
気吐出口から取り出される。
【0005】この第1の従来例では、冷却ユニット8の
上面と側面から突出させたシール部材9を長手方向に配
置しており、この冷却ユニット8を圧力容器7に出し入
れするときは、圧力容器7の一端から、シール部材9の
先端部を圧力容器7の内壁面に摺動させながら出し入れ
する。
【0006】図11は、第2の従来例として、圧縮機の
フレームと圧力容器を一体の鋳物で構成した、コンパク
ト,低コスト化のターボ型2段圧縮機を示したものであ
る(特開平8−105386号公報参照)。図11にお
いて、11はフレームと圧力容器を一体化した鋳物のケ
ーシング、12,13は第1および第2のクーラシェル
で、仕切壁19により仕切られている。14,15は、
第1および第2のクーラシェル12,13に、所定の隙
間をもって収容された第1および第2のガスクーラ、1
6および17は第1段圧縮機および第2段圧縮機であ
る。
【0007】上記構成において、矢印Aのように、吸気
管から吸入された空気は第1段圧縮機16で圧縮され、
通路を通って第1のクーラシェル12に送られて、第1
のガスクーラ14により最初の冷却がなされる。冷却さ
れた圧縮空気は第2段圧縮機17に入り、2段圧縮され
て所定の高圧とされた後、通路を通って第2のクーラシ
ェル13に送られ、そこで第2のガスクーラ15により
最終の冷却がなされた後、吐出管18の吐出口から外部
に供給される。
【0008】ここで、第1および第2のクーラシェル1
2,13内では、互いに反対方向となる内側から外側に
向かって空気が流れるようになっており、ガスクーラ1
4,15の上流側は高温側H、下流側は低温側Lとされ
て、これら高温側Hと低温側Lとを仕切るように、以下
に説明するシール部が形成されている。
【0009】図12に示したように、ケーシング11
の、仕切壁19により仕切られたクーラシェル12,1
3には、それぞれ底面,背面および図示しない天面にか
けて、一対の凸部により連続的に形成された溝21が設
けられており、背面の溝21にはゴム製リアシール22
が配置されている。また、底面(天面も同様)の溝21
に対向して、図13に示したように、ガスクーラ14,
15の面に、シール取付板23が設けられ、それにビス
・ナット24によりシール板25,補強板26,27が
取り付けられている。
【0010】シール板25はステンレス製であり、高温
側(H)に曲げられた状態で、溝21の底面に弾性的に
圧接し、補強板26,27はシール板25を弾性的に押
さえるようにしている。ガスクーラ14,15をクーラ
シェル12,13に挿入する場合は、予めアール状に湾
曲されたシール板25を溝21の底面に摺動させながら
挿入する。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記第
1の従来例においては、次のような問題がある。
【0012】(1)圧力容器7が大径の鋼管製であるた
め、内壁面に凹凸があり、冷却ユニット8の挿入、引き
出しを繰り返すとシール部材9が塑性変形を起こし、空
気漏れの原因となって冷却能力不足を生じる。このた
め、メンテナンスの都度、ステンレス製の薄板を交換す
る必要がある。
【0013】(2)圧力容器7として大口径の鋼管を使
用する場合が多いので、心円度に数mmの許容差があ
り、そのため、冷却ユニット8と圧力容器7の内壁との
間隙が均一でなく、したがって、極度に狭いと薄板から
なるシール部材が締付部より小さいアール曲げを受けて
塑性変形を生じる。
【0014】また、第2の従来例においては、次のよう
な問題がある。
【0015】(イ)溝21を構成する凸部全体がガスク
ーラ14,15に接触して支えるため、ガスクーラの挿
入、引き出し時に、その重量に比例した大きな摩擦抵抗
が発生し、メンテナンス性が悪い。
【0016】(ロ)溝21を構成する凸部がシール部を
構成するガスクーラの下部バッフルに摺接するので、塗
装が剥がれ、時間が経つと錆つく。
【0017】(ハ)リアシール22はゴム製であるの
で、200℃以上の耐熱性、耐薬品性に制約が生じる。
(特に、多軸NC加工機を用いた製作技術の進歩と、無
接触軸受の開発で、3次元羽根車の超高速回転が実現
し、空気圧縮でも1段で200℃を超える高性能と小型
化が実現したため)。
【0018】(ニ)シール板25の接触面が受皿型の溝
21の底面であるため、冷却時に生ずる凝縮液(ドレー
ン)が溜り易く、鋳肌の鉄とステンレス薄板の接触部で
隙間腐食、錆が発生し易い。
【0019】本発明は、上記従来技術の問題点を解決す
るもので、シール性能および信頼性が高く、かつメンテ
ナンス性に優れた圧縮機用ガス冷却器のシール装置を提
供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の圧縮機用ガス冷却器のシール装置は、ガス
導入口とガス排出口を有する圧力容器に、隙間を介して
冷却ユニットを挿入し、前記冷却ユニットと圧力容器の
内壁間にシール部材を設けて前記隙間をガス導入口側と
ガス排出口側とに仕切り、前記ガス導入口から温度上昇
した圧縮ガスを導入し、前記冷却ユニットに通して冷却
した低温のガスを前記ガス排出口から排出する圧縮機用
ガス冷却器において、前記圧力容器は、それぞれ一端部
に凹部を有する一対のレールを有し、前記冷却ユニット
は、一端部にそれぞれ前記レール上を走行して前記凹部
に嵌まり込む一対のローラと、前記冷却ユニットの外面
から延設された弾性変形可能な薄板からなるシール部材
とを有し、前記ローラが前記凹部に嵌まり込んだときの
み前記シール部材が前記圧力容器の内壁面へ弾性的に圧
接して高温ガス側と低温ガス側とを仕切ることを特徴と
するものである。
【0021】上記構成によれば、圧力容器への冷却ユニ
ットの挿入、引き出し時はレール上をローラが走行する
ので、摩擦抵抗が小さく、したがって、大型の冷却ユニ
ットにも適用可能であり、メンテナンス性が良い。そし
て、走行中は、シール部材は圧力容器には接触せず、ロ
ーラが凹部に嵌まり込んだときのみ、シール部材が圧力
容器の内壁面に弾性的に接するため、極薄のシール部材
が使用可能となり、シール性能および信頼性の向上が得
られる。
【0022】小型の冷却ユニットの場合は、一対のロー
ラの代わりに、レールに対して摩擦抵抗の小さい突出部
を用いてもよい。
【0023】また、一対のローラまたは一対の突出部
は、冷却ユニットの底部のほかに、側面に配設すること
もできる。この場合、シール部材は冷却ユニットの側面
および背面から延設する。
【0024】シール部材として、厚みが0.05〜0.
1mmの極薄板と、厚みが0.1mm以上の薄板を重ね
て構成すると、圧力容器の内壁面に設けたシール面への
極薄板の馴染性が向上する。
【0025】シール部材の材質としては、耐熱性,耐食
性のステンレスや銅合金を使用する。これにより、錆の
発生はなく、寿命を延ばすことができる。耐熱銅合金の
場合は、冷却ユニットの伝熱フィン側板と一体で構成
し、冷却器のろう付け時に同時にろう付けすれば製作コ
ストを大幅に低減することができる。
【0026】水質ケースまたは冷却器の管板面と圧力容
器のシール壁とが自重でシール面を構成するので、背面
にゴムシールの使用は不要である。このため、圧力容器
の背部もフランジ構造を採用することができ、メンテナ
ンス時も冷却ユニットの引き出しが不要になる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照しながら詳細に説明する。 (実施の形態1)図1は、本発明の実施の形態1における
ガス冷却器のシール装置を装備するターボ型2段圧縮機
を示したもので、圧縮機のフレームと圧力容器とを一体
の鋳物で構成した、コンパクト,低コスト型である。3
1および32は第1段および第2段の遠心圧縮機、33
は電動機39により増速機34を介して駆動される高圧
羽根車、35および36はインタークーラーおよびアフ
タークーラーで、いずれも圧力容器37に冷却ユニット
(熱交換器)38が挿入されている。冷却ユニット38
の底面の左右には、高圧容器内のガス導入側とガス排出
側とを仕切るシール部材40が設けられている。なお、
41は矢印Aのように空気を取り入れてろ過するフィル
タ、42,43は前部の液室で、矢印Bのように冷却水
を液室42に導入し、冷却ユニット38に通して圧縮ガ
スを冷却した後、液室43から吐出する。
【0028】このような構成のターボ型2段圧縮機で
は、図2にその圧縮空気の流れを矢印で示したように、
矢印Aのように取り入れられた空気は、フィルタ41を
通して第1段遠心圧縮機31に送り、高圧羽根車33の
高速回転で空気を吸い込みながら圧縮してインタークー
ラー35に吐き出す。インタークーラー35では、高温
度の圧縮空気が冷却ユニット38の上面より下面へ向か
ってコルゲートフィン間を通過し、その間矢印Bのよう
に導入されチューブ内を流れる冷却水と熱交換されて冷
却される。冷却ユニット38の下面から取り出された圧
縮空気は、第2段遠心圧縮機32に流入し、同様に高圧
羽根車33の高速回転で増圧し、アフタークーラー36
に吐き出される。アフタークーラー36では、インター
クーラー35と同様に、高温度の圧縮空気が冷却ユニッ
ト38を上から下へ通過して冷却され、空気吐出口から
取り出される。
【0029】インタークーラー35およびアフタークー
ラー36では、遠心圧縮機31,32から高温度の圧縮
空気が吹き込まれる高温側と、冷却ユニット38で冷却
された圧縮空気が取り出される低温側とが、シール部材
40により仕切られており、以下、そのシール部の構造
を詳述する。
【0030】図3は、圧縮機のフレームと一体の鋳物で
構成した圧力容器を示したもので、インタークーラー3
5側、アフタークーラー36側とも、圧力容器37内に
それぞれ一端部に凹部45を有する一対のレール46を
有する。
【0031】図4は、その圧力容器37に挿入する冷却
ユニット38を示したもので、一端部にそれぞれレール
46上を走行して凹部45に嵌まり込む一対のローラ4
7と、冷却ユニット38の底面両側から延設された弾性
変形可能な薄板からなるシール部材40を有する。ガス
冷却部は、耐熱銅合金製プレート間にインナーフィンと
コルゲートフィンを一体的にろう付けした、コンパクト
な高性能熱交換器からなり、圧縮空気は銅製コルゲート
フィン間を上部から下部へ通り、銅プレートを通って前
部の液室42から後部の液室44、前部の液室43へと
流れる冷却水により冷却される。なお、48はインター
クーラー35およびアフタークーラー36の冷却ユニッ
ト38を共通に取り付けた前部フランジ、49は後部フ
ランジである。
【0032】図5,図6は、圧力容器37の一対のレー
ル46の一端部に設けた凹部45近傍と、冷却ユニット
38の一端部に設け、レール46上を走行し、凹部45
に嵌まり込む一対のローラ47の部分を拡大して示した
ものであり、図5は平面図、図6は図5のX−X断面図
である。また、図7は、ローラ47がレール46上にあ
る状態で、後部の液室を取り除いて見た図、さらに、図
8は図6のY−Y断面図である。
【0033】図7,図8から分かるように、シール部材
40は、冷却ユニット38の伝熱フィンの側板51にね
じ等により固定され、その先端部が外側に曲げられてい
る。図7は、ローラ47がレール46上に載っている状
態を示しており、このときはシール部材40の先端部は
圧力容器37のいずれにも接していない。冷却ユニット
38が圧力容器37内に挿入され、ローラ47がレール
46上を走行して所定の位置にくると、図5,図6に示
したように、ローラ47が凹部45に嵌まり込み、冷却
ユニット38の位置が、レールと凹部の段差分だけ下が
る。このため、図8に示したように、シール部材40の
先端部がレール46(圧力容器37の内壁の一部を構成
している)上に、弾性的に圧接することになる。
【0034】シール部材40がレール46と接するの
は、図3のハッチングを施した部分であり、凹部45に
近い部分は、水質ケースまたは冷却ユニットの管板面が
圧力容器37のシール面と密着するようになる。
【0035】冷却ユニット38を圧力容器37から引き
出すときは、ローラ47がレール46上に載るので、シ
ール部材40は冷却ユニット38とともに持ち上げら
れ、したがって、シール部材40の先端部はレール46
上から離れる。
【0036】このように、本実施の形態1によれば、圧
力容器37への冷却ユニット38の挿入、引き出し時は
ローラ47がレール46上を走行するので、摩擦抵抗が
小さく、したがって、メンテナンスが非常に容易であ
る。また、大型の冷却ユニットにも適用可能である。走
行中は、ローラ47がレール46上に載っているので、
シール部材40は圧力容器のいずれにも接触せず、ロー
ラ47が凹部45に嵌まり込んだときのみ、シール部材
40が圧力容器37の内壁面に弾性的に接するので、シ
ール部材40が極薄の金属板であっても損傷を与えるこ
とはない。
【0037】シール部材40として、ここでは厚みが
0.1mm程度のステンレス板が使用されている。そし
て、図8に示したように、高温(H)側に曲げられたシ
ール部材40がレール46上に弾性的に圧接するととも
に、さらに高温の圧縮ガスの圧力がかかるので薄いシー
ル部材程レール46に密着することになる。
【0038】シール部材として、厚みが0.05〜0.
1mmの極薄板と、厚みが0.1mm以上の薄板とを重
ねて構成してもよい。このようにすると、圧力容器内壁
面の細かい凹凸に対する極薄板の追従性と0.1mm以
上の薄板による弾性圧とが相まって、内壁面に対する気
密性が高くなる。
【0039】シール部材の材質として、耐熱性の銅合金
を使用してもよい。この場合、冷却ユニットの伝熱フィ
ン側板と一体で構成し、冷却器のろう付け時に同時にろ
う付けすれば製作コストを大幅に低減することができ
る。
【0040】(実施の形態2)図9は、本発明の実施の形
態2におけるガス冷却器の縦断面図(ただし冷却ユニッ
ト38の内部構造は省略)であり、(実施の形態1では
一対のローラを冷却ユニットの底部に設けたのに対し)
ここでは、一対のローラ47を冷却ユニット38の側面
に配設したものである。なお、実施の形態1と同一構成
要素には同一符号を付してある。
【0041】冷却ユニット38の側面に、長手方向に沿
ってアングル55を設け、その上面に薄板からなるシー
ル部材40を水平方向に延設している(なお、ここでは
図示していないが、冷却ユニットの背面にも、シール部
材40を水平方向に延設している)。ローラ47は、ア
ングル55の一端部の下面に取り付けている。
【0042】一方、この冷却ユニット38を挿入する圧
力容器37は、ローラ47が走行するレール46(図9
では図示されていない)が設けられ、そのレール46の
一端部に凹部45が形成されている。さらに、ローラ4
7がレール46上に載っているとき、水平方向に延設さ
れたシール部材40の先端が圧力容器37に接触しない
ように圧力容器37の側壁に溝56が形成されている。
【0043】そこで、圧力容器37に対して冷却ユニッ
ト38を挿入し、あるいは引き出すときは、ローラ47
がレール46上を走行し、その時、シール部材40の先
端部は溝56内を通るため圧力容器37のいずれにも接
触しない。ローラ47がレールの一端部に設けた凹部4
5に嵌まり込むと、レール46と凹部45の段差分だけ
冷却ユニット38が下がるため、シール部材40の先端
部が圧力容器37の内壁に弾性的に圧接する。図9は、
その状態を示している。
【0044】このように構成された本実施の形態2にお
いても、圧力容器37への冷却ユニット38の挿入、引
き出し時はローラ47がレール46上を走行するので、
摩擦抵抗が小さく、したがって、大型の冷却ユニットに
も適用可能であって、メンテナンスが非常に容易であ
る。また、走行中は、ローラ47がレール46上に載っ
ているので、シール部材40は圧力容器のいずれにも接
触せず、ローラ47が凹部45に嵌まり込んだときの
み、シール部材40が圧力容器37の内壁面に弾性的に
接するので、シール部材40が極薄の金属板であっても
損傷を与えることはない。
【0045】なお、実施の形態1および実施の形態2で
は、圧力容器のレール上を走行するロールを冷却ユニッ
トに設けたが、冷却ユニットが小型で、軽量の場合は、
挿入、引き出しに大きい力を必要としないので、ロール
の代わりに、レールに対して摩擦抵抗の小さい突出部を
設けてもよい。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
圧縮機用ガス冷却器において、圧力容器への冷却ユニッ
トの出し入れが容易になり、しかもシール部材として極
薄の金属板を用いても損傷することがなく、したがっ
て、シール性能および信頼性を高めることができる。さ
らに、圧縮機のフレームと圧力容器を一体の鋳物で構成
して、コンパクトかつ低コストの圧縮機用ガス冷却器を
得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1におけるガス冷却器のシ
ール装置を装備するターボ型2段圧縮機の斜視図
【図2】本発明の実施の形態1におけるインタークーラ
ー,アフタークーラーの空気の流れを示す斜視図
【図3】本発明の実施の形態1における圧力容器の構成
【図4】本発明の実施の形態1における冷却ユニットの
構成図
【図5】本発明の実施の形態1における要部の拡大平面
【図6】図5のX−X断面図
【図7】要部の後部液室を取り除いて見た図
【図8】図6のY−Y断面図
【図9】本発明の実施の形態2におけるガス冷却器のシ
ール装置の構成図
【図10】第1の従来例のターボ型2段圧縮機の斜視図
【図11】第2の従来例のターボ型2段圧縮機の概略斜
視図
【図12】第2の従来例のケーシングにおけるクーラシ
ェル部分の構成図
【図13】第2の従来例のシール部の構成図
【符号の説明】
31 第1段遠心圧縮機 32 第2段遠心圧縮機 33 高圧羽根車 34 増速機 35 インタークーラー 36 アフタークーラー 37 圧力容器 38 冷却ユニット 39 電動機 40 シール部材 42,43 前部の液室 44 後部の液室 45 凹部 46 レール 47 ローラ 48 前部フランジ 49 後部フランジ 51 伝熱フィンの側板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 平 広信 東京都中央区築地3丁目10番10号 株式会 社中村自工内 (72)発明者 佐藤 吉伸 東京都中央区築地3丁目10番10号 株式会 社中村自工内 Fターム(参考) 3H022 AA02 BA01 BA07 CA21 CA22 CA37 CA38 CA48 CA51 CA56 DA00 DA01 DA13 DA16

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガス導入口とガス排出口を有する圧力容
    器に、隙間を介して冷却ユニットを挿入し、前記冷却ユ
    ニットと圧力容器の内壁間にシール部材を設けて前記隙
    間をガス導入口側とガス排出口側とに仕切り、前記ガス
    導入口から温度上昇した圧縮ガスを導入し、前記冷却ユ
    ニットに通して冷却した低温のガスを前記ガス排出口か
    ら排出する圧縮機用ガス冷却器において、 前記圧力容器は、それぞれ一端部に凹部を有する一対の
    レールを有し、前記冷却ユニットは、一端部にそれぞれ
    前記レール上を走行して前記凹部に嵌まり込む一対のロ
    ーラと、前記冷却ユニットの外面から延設された弾性変
    形可能な薄板からなるシール部材とを有し、前記ローラ
    が前記凹部に嵌まり込んだときのみ前記シール部材が前
    記圧力容器の内壁面へ弾性的に圧接して高温ガス側と低
    温ガス側とを仕切ることを特徴とする圧縮機用ガス冷却
    器のシール装置。
  2. 【請求項2】 一対のローラの代わりに、一対のレール
    に対して摩擦抵抗の小さい突出部を有することを特徴と
    する請求項1記載の圧縮機用ガス冷却器のシール装置。
  3. 【請求項3】 一対のローラまたは一対の突出部は冷却
    ユニットの側面に配設されているとともに、シール部材
    は前記冷却ユニットの側面および背面から延設されてい
    ることを特徴とする請求項1または請求項2記載の圧縮
    機用ガス冷却器のシール装置。
  4. 【請求項4】 シール部材は、厚みが0.05〜0.1
    mmの極薄板と、厚みが0.1mm以上の薄板とを重ね
    て構成されていることを特徴とする請求項1ないし請求
    項3のいずれか1項に記載の圧縮機用ガス冷却器のシー
    ル装置。
  5. 【請求項5】 シール部材は、ステンレス板からなるこ
    とを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項
    に記載の圧縮機用ガス冷却器のシール装置。
  6. 【請求項6】 シール部材は、耐熱性の銅合金板からな
    り、冷却ユニットを構成する伝熱フィンの側板と一体的
    に構成されていることを特徴とする請求項1ないし請求
    項4のいずれか1項に記載の圧縮機用ガス冷却器のシー
    ル装置。
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