JP2000119801A - 被削性に優れた黒鉛鋼 - Google Patents

被削性に優れた黒鉛鋼

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JP2000119801A
JP2000119801A JP19426099A JP19426099A JP2000119801A JP 2000119801 A JP2000119801 A JP 2000119801A JP 19426099 A JP19426099 A JP 19426099A JP 19426099 A JP19426099 A JP 19426099A JP 2000119801 A JP2000119801 A JP 2000119801A
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Goro Anami
吾郎 阿南
Masato Shikaiso
正人 鹿礒
Toyofumi Hasegawa
豊文 長谷川
Yoshitake Matsushima
義武 松島
Yasuhiro Oki
保博 隠岐
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 Pb快削鋼を代替できる程度に良好な被削性
を発揮する黒鉛鋼を提供する。 【解決手段】 C:0.2〜2%を含む黒鉛鋼であっ
て、直径:5μm以上の黒鉛が200個/mm2以上存
在するものである。またこの黒鉛鋼においては、直径:
5μm以上の黒鉛を200個/mm2以上とする観点か
らして、Ca:0.0003〜0.015%およびZ
r:0.01〜0.2%を夫々含有させることが好まし
い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、産業機械や自動
車、電化製品等の部品の様に、切削加工を施すことによ
って製造される部品の素材として用いられる黒鉛鋼に関
し、殊に環境に悪影響を及ぼすPbを添加せずとも良好
な被削性を発揮する黒鉛綱に関するものである。
【0002】
【従来の技術】Pbは、靭性等の機械的性質を損なうこ
となく被削性を改善する元素であることから、被削性を
必要とする鋼材(快削鋼)には古くから添加されてきた
元素(快削性付与元素)である。しかしながら、Pbは
上記した利点がある反面それ自体人体に有害な物質であ
るので、使用を規制する動きが広まりつつある。
【0003】一方、Pbに代替可能な快削性付与元素と
してBiが知られているが、安全性も確認されておら
ず、しかもBiを添加した鋼材は製造時に割れが発生し
易く、Biの歩留りも悪い等の問題がある。また快削性
付与元素として一般的に知られているSは、Pbに代替
できる程度に多量に添加すると、製造時に熱間割れが発
生するという問題がある。
【0004】こうした状況の下で、黒鉛鋼を快削鋼とし
て用いる試みがなされており、こうした技術として特開
平7−316732号、同7−188848号、同7−
188847号等、様々なものが提案されている。そし
てこれらの技術では、通常の鋼ではセメンタイト相とし
て存在する炭素を、潤滑性を有する黒鉛相とすることに
よって、被削性を改善しようとするものである。しかし
ながら、これまで提案されている黒鉛鋼では、Pb快削
鋼を代替できる程度に良好な被削性が得られていないの
が実情である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこうした状況
の下になされたものであって、その目的は、Pb快削鋼
を代替できる程度に良好な被削性を発揮する黒鉛鋼を提
供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成し得た
本発明とは、C:0.2〜2%を含む黒鉛鋼であって、
直径:5μm以上の黒鉛が200個/mm2以上存在す
るものである点に要旨を有する黒鉛鋼である。またこの
黒鉛鋼において、直径:5μm以上の黒鉛を200個/
mm2以上とする観点からして、Ca:0.0003〜
0.015%およびZr:0.01〜0.2%の夫々を
含有させることが好ましい。
【0007】また上記本発明の黒鉛鋼における具体的な
化学成分組成としては、Si:0.5〜2.5%、M
n:0.05〜1.5%、P:0.2%以下(0%を含
まない)、S: 0.03〜0.4%、B:0.0003
〜0.015%およびN:0.0015〜0.02%を
夫々含有するものが挙げられる。
【0008】更に、本発明の黒鉛鋼においては、必要に
よって、(1)Cu:0.1〜2%およびNi:0.0
7〜2%、(2)Al:0.5%以下(0%を含まな
い)、(3)In:0.05%以下(0%を含まない)
および/またはAg:0.05%以下(0%を含まな
い)等を含有させることも有効であり、これによって黒
鉛鋼の快削鋼としての特性を更に向上させることができ
る。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明者らは、上記目的を達成す
る為に様々な観点から検討した。そしてまず、黒鉛鋼に
十分な被削性を付与するには、比較的大きな黒鉛粒を分
散させてやることが必要であることを見出した。
【0010】図1は、直径5μm以上の大型黒鉛粒の個
数と被削性の指標の一つである切屑処理指数の関係を示
したグラフである。尚図1のデータは、後記実施例の表
1に基づくものである。また上記切屑処理指数とは、切
削形態を4つのタイプに分類し、各々に評価点を与えて
12条件(切り込み3条件と送り速度4条件の全組み合
わせ)の総合点で示したものである。そして満点は10
0点であり、大きい値ほど被削性が良好であることを示
している。
【0011】黒鉛粒径は、大きさ6cm×4cmの40
0倍の光学顕微鏡写真を用いて、写真上の直径2mm以
上の黒鉛粒数から求めた。このときの単位は、個/mm
2である。また黒鉛粒の大きさは、黒鉛粒が楕円状のと
きには、長い方の径を測定した。
【0012】図1から明らかな様に、直径が5μm以上
の黒鉛粒個が200個以上になると、被削性が0.2%
Pb快削鋼と同等以上になっていることがわかる。そし
てこの黒鉛鋼は、従来の黒鉛鋼に対して所定量のCaと
Zrを複合添加して黒鉛粒を大きくしたものである。
【0013】上記の様に、黒鉛鋼にCaとZrを複合添
加することによって、微細な黒鉛粒に混じって大粒径黒
鉛粒が安定して生じるのである。この様にCaとZrを
複合添加することによって、大きな黒鉛粒が生じる理由
についてはその全てを解明し得たわけではないが、おそ
らく次の様に考えることができた。即ち、黒鉛鋼には、
黒鉛化を迅速化するという観点からBが添加されている
のであるが、CaやZrの硫化物は黒鉛の核となるBN
の核となること、およびZrは窒素と親和性が高く、B
Nの生成に影響を及ぼすこと、等が黒鉛核の生成挙動を
変化させているものと推察できる。
【0014】これに対して、単にBを添加しただけの従
来の黒鉛鋼では、微細な黒鉛粒が多く析出し、直径5μ
mを超えるような大粒径黒鉛粒が安定して生じることが
ないので、十分な被削性が得られないのである。ちなみ
に本発明者らが、従来の黒鉛鋼の大粒径黒鉛粒(直径:
5μm以上の黒鉛粒)の個数を上記方法で測定したとこ
ろ、20個/mm2程度であった。尚Bを添加しなけれ
ば、黒鉛化の為に50時間もの焼鈍をする必要があり、
採算が取れないという問題が生じる。
【0015】ところでCaとZrを複合添加した黒鉛鋼
としては、本出願人も特願平8−296298号の様な
技術を既に出願している。但し、この技術は焼入れ性を
改善すると言う観点からなされたものであり、被削性に
ついては黒鉛が潤滑性に優れる為に良好であるという以
外は何ら開示していない。またこの技術では、被削性を
改善するSが0.03%以下としており、十分な快削性
を付与できていない。更に、この技術では、CaやZr
を黒鉛微細化の為に使おうとするものであり、本発明と
は全く違う観点からなされたものである。即ち、Caや
Zrを複合添加しただけでは、黒鉛化前の組織をベイナ
イトにするなどして強引に黒鉛を微細化し、大粒径黒鉛
粒を少なくすれば、本発明の黒鉛鋼の様にPb代替可能
な良好な被削性を付与できない。
【0016】まず発明の黒鉛鋼は、基本的にCを0.2
〜2%含むものであり、また直径:5μm以上の黒鉛を
200個/mm2以上とする観点からして、Ca:0.
0003〜0.015%およびZr:0.01〜0.2
%の夫々を含有させることが好ましいが、これらの元素
の範囲限定理由は下記の通りである。
【0017】C:0.2〜2% Cは被削性を改善する黒鉛を生成させる為に必要な元素
であり、その為には少なくとも0.2%以上含有させる
必要がある。しかしながら、Cの含有量が過剰になる
と、残存するセメンタイトの為に鋼が硬くなり、却って
工具寿命が悪くなる。尚C含有量の好ましい下限は、
0.30%であり、好ましい上限は1.00%である。
【0018】Ca:0.0003〜0.015%および
Zr:0.01〜0.2% CaおよびZrは、複合添加することによって、被削性
を改善することができる。こうした理由は、上記の様に
これらを複合添加することによって、直径:5μm以上
の大粒径黒鉛が生じ易いためである。しかしながら、C
aを過剰に含有させると介在物が増加するので、0.1
5%を上限とする。またZrが過剰になると、Nが減少
してBNによる黒鉛化促進効果がなくなるので、0.2
%を上限とする。尚Caの好ましい下限は、0.000
5%であり、好ましい上限は0.005%である。また
Zrの好ましい下限は、0.015%であり、好ましい
上限は0.05%である。
【0019】また本発明の黒鉛鋼における具体的な化学
成分組成としては、Si:0.5〜2.5%、Mn:
0.05〜1.5%、P:0.2%以下(0%を含まな
い)、S: 0.03〜0.4%、B:0.0003〜
0.015%およびN:0.0015〜0.02%を夫
々含有するものが挙げられるが、これらの元素の範囲限
定理由は下記の通りである。
【0020】Si:0.5〜2.5% Siは黒鉛化の促進の為に有効な元素であり、その為に
は0.5%以上含有させる必要がある。しかしながら、
含有量が過剰になると、鋼が硬くなり被削性が悪くなる
ので、その上限は2.5%とする必要がある。尚Si含
有量の好ましい下限は、0.8%であり、好ましい上限
は1.5%である。
【0021】Mn:0.05〜1.5% Mnは、FeSの析出を抑える為に添加される。この効
果を発揮させる為には、少なくとも0.05%以上含有
させる必要があるが、過剰に含有させると却って黒鉛化
を阻害するので、1.5%以下とする必要がある。尚M
n含有量の好ましい下限は、0.10%であり、好まし
い上限は0.6%である。
【0022】P:0.2%以下(0%を含まない) Pは切削面粗さを低減する為に必要な元素であり、この
効果はその含有量が増加するにつれて増大するが、0.
2%を超えて過剰に含有させると、却って黒鉛化を阻害
することになる。尚Pは、その効果を発揮させる為に
は、0.02%以上含有させることが好ましい。
【0023】S: 0.03〜0.4% Sは、MnSを形成して被削性を改善するのに有効な元
素であり、こうした効果を発揮させる為には0.03%
以上含有させる必要がある。しかしながら、0.4%を
超えて過剰に含有させても熱間割れが発生する。尚Sの
好ましい下限は、0.05%であり、好ましい上限は
0.20%である。
【0024】B:0.0003〜0.015% Bは黒鉛化を促進するのに有効な元素であり、こうした
効果を発揮させるためには、0.0003%以上含有さ
せる必要がある。しかしながら、0.015%を超えて
過剰に含有させても熱間割れが発生する。尚B含有量の
好ましい下限は、0.0005%であり、好ましい上限
は0.005%である。
【0025】N:0.0015〜0.02% NはBNを生成して黒鉛化を促進する為に添加される。
こうした効果を発揮させる為には、0.0015%以上
含有させる必要があるが、過剰に含有させると硬質化し
て被削性が劣化するのでその上限は0.02%とする必
要がある。尚Nの好ましい下限は、0.0020%であ
り、好ましい上限は0.010%である。
【0026】本発明の黒鉛鋼における基本的な化学成分
組成は上記の通りであり、残部はFeおよび不可避不純
物からなるものであるが、本発明の黒鉛鋼においては必
要によって、(1)Cu:0.1〜2%およびNi:
0.07〜2%、(2)Al:0.5%以下(0%を含
まない)、(3)In:0.05%以下(0%を含まな
い)および/またはAg:0.05%以下(0%を含ま
ない)等を含有させることも有効であり、これによって
黒鉛鋼の快削鋼としての特性を更に向上させることがで
きる。これらの元素の範囲限定理由は下記の通りであ
る。
【0027】Cu:0.1〜2%およびNi:0.07
〜2% Cuは、時効効果によって切屑処理性を改善する効果が
ある。こうした効果を発揮させる為には、Cuを0.1
%以上含有させる必要があるが、過剰に含有させても鋼
が硬くなる過ぎて被削性が劣化するので2%以下とする
必要がある。但し、Cuを含有させると熱間脆性を引き
起こすので、Niを同時にCu含有量の70%以上同量
程度まで(0.07〜2%)含有させる必要がある。
【0028】Al:0.5%以下(0%を含まない) Alは黒鉛化を促進するのに有効な元素であり、必要に
よって添加される。こうした効果は、その含有量が増加
するにつれて増大するが、0.5%を超えて過剰に含有
させると製造時に割れが発生し易くなる。
【0029】In:0.05%以下(0%を含まない)
および/またはAg:0.05%以下(0%を含まな
い) InおよびAgはいずれも単独相として存在し、切り屑
処理性を向上させるのに有効な元素である。こうした効
果は、その含有量を増加するにつれて増大するが、いず
れも0.05%を超えて過剰に含有させても目立った効
果増大は見られず、却ってコスト高になる。
【0030】本発明の黒鉛鋼では、上記成分の以外にも
下記の様な各種成分を含有することもでき、更には本発
明の黒鉛鋼の特性に影響を与えない程度の微量成分も含
み得るものであり、こうした黒鉛鋼も本発明の黒鉛鋼に
含まれるものである。
【0031】Co:0.5%以下(0%を含まない)、
V:0.1%以下(0%を含まない)、Ti:0.05
%以下(0%を含まない)Nb:0.04%以下(0%
を含まない)、Mo:0.5%以下(0%を含まな
い)、Cr:0.1%(0%を含まない)およびW:
0.1%以下(0%を含まない)よりなる群から選択さ
れる1種以上の元素 これらの元素は、部品成形後、調質処理を行なう際に、
焼入れ性を改善する目的で必要に応じて添加される。し
かしながら、これらの元素は黒鉛化抑制する効果がある
ので、各元素の上限は黒鉛化を阻害しない範囲として規
定した。
【0032】以下、本発明を実施例によって更に詳細に
説明するが、下記実施例は本発明を限定する性質のもの
ではなく、前・後記の趣旨に徴して設計変更することは
本発明の技術的範囲に含まれるものである。
【0033】
【実施例】下記表1,2に示す各種化学成分組成の供試
鋼を溶製し、これを1200℃に加熱後、900℃の温
度で圧延し、空冷して室温まで冷却し、その組織をフェ
ライト+パーライトとした。但し、A2鋼については、
急冷することにとってベイナイト組織とした。
【0034】
【表1】
【0035】
【表2】
【0036】次に、675℃×15時間の黒鉛化処理を
施し、得られた黒鉛鋼について切削試験を行なった。こ
のときの切削試験は、以下の通りである。
【0037】[切削試験条件] 工具:P10 切削速度:250m/min 送り:0.05、0.10、0.20、0.30(mm
/rev) 切り込み:0.5、1.0、2.0(mm) 切削試験結果を、黒鉛化前の組織、および5μm以上の
大粒径黒鉛粒数と共に、下記表3,4に示すが、この結
果から次の様に考察できる。
【0038】まず従来鋼のPb快削鋼(略号X)の切屑
処理性指数は90であり、この切屑処理性指数が90以
上で良好な被削性を有することが判明した。
【0039】A1〜A5のものは、黒鉛化前の組織の影
響やCaとZrの複合添加の効果について見たものであ
る。この結果から明らか様に、CaとZrを複合添加す
ると、黒鉛化まえの組織がフェエライト+パーライトの
場合には、黒鉛粒径5μm以上の大粒黒鉛粒数が200
個/mm2以上となり、良好な被削性を示していること
がわかる。また黒鉛化前の組織がベイナイト組織の場合
には、CaとZrを十分な量だけ複合添加しても、黒鉛
粒径が小さくなってしまうことによって、大粒黒鉛粒数
が200個/mm2未満となって十分な被削性が得られ
ない。
【0040】C含有量について、0.2〜2%の範囲で
良好な被削性が得られていることが、B1〜B6の結果
から明らかである。B7は切屑処理性については良好で
あるが、Cが上限よりも多く含有されているので工具寿
命が劣化した。またSi含有量については0.5〜2.
5%の範囲で良好な被削性が得られていることが、C2
〜C3の結果から明らかである。Siが0.5%未満に
なると、黒鉛化が進みにくくなり、C1に示す様に十分
な被削性が得られない。
【0041】Mnは黒鉛化を阻害するが、D1の結果か
ら明らかな様に1.5%までは良好な被削性を示してい
る。しかしながら、D2に示す様にMnが過剰になる
と、黒鉛化が遅くなり十分な被削性が得られない。
【0042】Pは切削面粗さを小さくする効果があるの
で、こうした点を重視すればできるだけ多くを含有させ
たい元素であるが、黒鉛化を阻害するのでE1〜E4の
結果より、0.2%までが添加上限である。またSはM
nSを生成して被削性を改善するが、F1に示す様に
0.02%の添加では良好な被削性は得られない。F1
〜F4の結果から、S含有量が0.03〜0.015%
の範囲で良好な被削性が得られていることが分かる。
【0043】Bについては、0.0003〜0.015
%含有させることによって、良好な被削性が得られてい
ることが、G2〜G4の結果から明らかである。またG
1の結果から明らかな様に、B含有量が0.0003%
未満では黒鉛化が遅くなるので、良好な被削性が得られ
ない。
【0044】Caについては、0.0003〜0.01
5%の含有量で良好な被削性が得られていることがH2
〜H3の結果から明らかである。またH1の結果から、
0.0003%未満では十分な被削性が得られていない
ことが分かる。
【0045】Zrについては、0.01〜0.2%の範
囲で含有させることによって、十分な被削性が得られて
いることがI2〜I3の結果から明らかである。またI
1の結果から、0.01%未満では良好な被削性が得ら
れていないことが分かる。
【0046】Nについては、0.0015〜0.02%
の範囲で含有させることによって、十分な被削性が得ら
れていることがJ2〜J4の結果から明らかである。ま
たJ1の結果から、0.0015%未満では、黒鉛化が
遅くなるので、良好な被削性が得られていないことが分
かる。更に、必要によって添加される他の元素について
も、前記規定した範囲内で添加可能であることが分か
る。
【0047】
【表3】
【0048】
【表4】
【0049】
【発明の効果】本発明は以上の様に構成されており、P
b快削鋼を代替できる程度に良好な被削性を発揮する黒
鉛鋼が実現できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】直径:5μm以上の大粒径黒鉛粒の個数と切屑
処理指数の関係を示したグラフである。
フロントページの続き (72)発明者 長谷川 豊文 神戸市灘区灘浜東町2番地 株式会社神戸 製鋼所神戸製鉄所内 (72)発明者 松島 義武 神戸市灘区灘浜東町2番地 株式会社神戸 製鋼所神戸製鉄所内 (72)発明者 隠岐 保博 神戸市灘区灘浜東町2番地 株式会社神戸 製鋼所神戸製鉄所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 C:0.2〜2%(質量%の意味、以下
    同じ)を含む黒鉛鋼であって、直径:5μm以上の黒鉛
    が200個/mm2以上存在するものであることを特徴
    とする被削性に優れた黒鉛鋼。
  2. 【請求項2】 Ca:0.0003〜0.015%およ
    びZr:0.01〜0.2%を夫々含有するものである
    請求項1に記載の黒鉛鋼。
  3. 【請求項3】 Si:0.5〜2.5%、Mn:0.0
    5〜1.5%、P:0.2%以下(0%を含まない)、
    S: 0.03〜0.4%、B:0.0003〜0.01
    5%およびN:0.0015〜0.02%を夫々含有す
    るものである請求項1または2に記載の黒鉛鋼。
  4. 【請求項4】 Cu:0.1〜2%およびNi:0.0
    7〜2%を夫々含むものである請求項1〜3のいずれか
    に記載の黒鉛鋼。
  5. 【請求項5】 Al:0.5%以下(0%を含まない)
    を含有するものである請求項1〜4のいずれかに記載の
    黒鉛鋼。
  6. 【請求項6】 In:0.05%以下(0%を含まな
    い)および/またはAg:0.05%以下(0%を含ま
    ない)を含有するものである請求項1〜5のいずれかに
    記載の黒鉛鋼。
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