JP2000119622A - 接着剤組成物 - Google Patents

接着剤組成物

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JP2000119622A
JP2000119622A JP10298608A JP29860898A JP2000119622A JP 2000119622 A JP2000119622 A JP 2000119622A JP 10298608 A JP10298608 A JP 10298608A JP 29860898 A JP29860898 A JP 29860898A JP 2000119622 A JP2000119622 A JP 2000119622A
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Japan
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synthetic resin
emulsion
adhesive composition
resin emulsion
powder
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JP10298608A
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English (en)
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Mamoru Sugaya
護 菅谷
Yoichiro Nishibashi
洋一郎 西橋
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Nichigo Mowinyl Co Ltd
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Nichigo Mowinyl Co Ltd
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  • Veneer Processing And Manufacture Of Plywood (AREA)
  • Dry Formation Of Fiberboard And The Like (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 いわゆる突板化粧加工等の木質加工用接着剤
として好適に使用でき、その際に表面に滲み出すことが
無く、十分な初期接着力を示し、作業性に優れ、製造が
容易である接着剤組成物の提供。 【解決手段】 アミノ系樹脂と、合成樹脂水性エマルジ
ョン及び/又は合成ゴム水性ラテックスと、合成樹脂水
性エマルジョンを乾燥させた合成樹脂エマルジョン粉末
とを含有してなることを特徴とする接着剤組成物であ
る。合成樹脂エマルジョン粉末が、水溶性高分子化合物
を保護コロイドとして乳化重合して得た合成樹脂エマル
ジョンを噴霧乾燥したものである態様、合成樹脂エマル
ジョン粉末のガラス転移点温度が30℃以下である態
様、などが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、合板やパーティク
ルボードやファイヤーボードなどの木質加工合板(以
下、単に「合板」という)に、単板などの薄い突板等を
貼り合せ、木材質特有の美観表面を持たせる、いわゆる
突板化粧加工等の木質加工用接着剤として好適に使用で
き、その際に表面に滲み出すことが無く、十分な初期接
着力を示し、作業性に優れ、製造が容易である接着剤組
成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、前記突板化粧加工等の木質加
工用接着剤として、アミノ樹脂と小麦粉との混合物、ア
ミノ樹脂と酢酸ビニル系樹脂エマルジョンと小麦粉との
混合物、アミノ樹脂とエチレン/酢酸ビニル共重合樹脂
エマルジョンと小麦粉との混合物、などが一般的に使用
されている。
【0003】ところが、従来の木質加工用接着剤の場
合、突板の表面に滲み出しが生じ、加工品の美観を損な
ったり、工程時にブロッキングが発生して製品化が不能
になったり、再処理を余儀なくされる、等の作業性に劣
るという問題がある。
【0004】前記滲み出しに起因する問題を解決するた
めの接着剤組成物として、変性合成ゴムラテックスとア
ミノ樹脂とからなるものや、N−メチロールアクリルア
ミドを共重合した変性酢酸ビニル樹脂エマルジョンとア
ミノ樹脂とからなるもの、などが提案されている。
【0005】しかしながら、原木市況の影響から突板の
厚みが薄くなる傾向にある近時の木質加工品に対して
は、これらの接着剤組成物でも、前記滲み出しに起因す
る問題を十分に解決することができない状況になってき
ている。このため、現状では、製造工程において、接着
剤組成物を塗布した後にオープンタイムを設け、半乾燥
状態で熱圧接着工程を行っているが、この場合、オープ
ンタイムの設定が気温や湿度や材料自体に影響を受けて
しまうのでそのコントロールが難しく、接着不良が生じ
得るという問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来に
おける諸問題を解決し、前記合板に、単板などの薄い突
板等を貼り合せ、木材質特有の美観表面を持たせる、い
わゆる突板化粧加工等の木質加工用接着剤として好適に
使用でき、その際に表面に滲み出すことが無く、十分な
初期接着力を示し、作業性に優れ、製造が容易である接
着剤組成物を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の手段は以下の通りである。即ち、 <1> アミノ系樹脂と、合成樹脂水性エマルジョン及
び/又は合成ゴム水性ラテックスと、合成樹脂水性エマ
ルジョンを乾燥させた合成樹脂エマルジョン粉末とを含
有してなることを特徴とする接着剤組成物である。 <2> 合成樹脂エマルジョン粉末が、水溶性高分子化
合物を保護コロイドとして乳化重合して得た合成樹脂エ
マルジョンを噴霧乾燥したものである前記<1>に記載
の接着剤組成物である。 <3> 合成樹脂エマルジョン粉末のガラス転移点が3
0℃以下である前記<1>又は<2>に記載の接着剤組
成物である。
【0008】前記<1>に記載の接着剤組成物は、アミ
ノ系樹脂と、合成樹脂水性エマルジョン及び/又は合成
ゴム水性ラテックスと、合成樹脂水性エマルジョンを乾
燥させた合成樹脂エマルジョン粉末とを含有してなるの
で、突板の表面に滲み出すことが無く、十分な初期接着
力を示し、作業性に優れる。前記<2>に記載の接着剤
組成物は、合成樹脂エマルジョン粉末が、水溶性高分子
化合物を保護コロイドとして乳化重合して得た合成樹脂
エマルジョンを噴霧乾燥したものであるので、合成樹脂
エマルジョン及び/又は合成ゴム水性ラテックスと混和
した時に、その中の水により再乳化しやすく、元の水分
散状態になりやすい。アミノ樹脂の混和性も良く、安定
な系の接着剤組成物となり得る。かつ、この保護コロイ
ドがウエットタックを向上させ初期接着力を向上させる
ことになる。前記<3>に記載の接着剤組成物は、合成
樹脂エマルジョン粉末のガラス転移点温度が20℃以下
であるので、室温下でも充分造膜して、接着力増強に寄
与する。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の接着剤組成物は、アミノ
系樹脂と、合成樹脂水性エマルジョン及び/又は合成ゴ
ム水性ラテックスと、合成樹脂水性エマルジョンを乾燥
させた合成樹脂エマルジョン粉末とを含有してなる。
【0010】(アミノ系樹脂)前記アミノ系樹脂として
は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することが
できるが、例えば、尿素、メラミン、グアナミン類等の
アミノ系化合物の1種又は2種以上とホルムアルデヒド
との縮合樹脂、該縮合樹脂をフェノール類、ポリビニル
アルコール類、フリフリルアルコール類等で一部変成し
た変性樹脂、などが好適に挙げられる。これらは、1種
単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、尿素メラミン樹脂が好ましい。
【0011】前記アミノ系樹脂において、前記アミノ化
合物と前記ホルムアルデヒドとのモル比としては、ホル
ムアルデヒド/アミノ系化合物=1.0〜3.0であ
り、かつ不揮発分が35〜100重量%であるのが好ま
しい。
【0012】前記接着剤組成物中における前記アミノ系
樹脂の含有量としては、10〜50重量%であり、15
〜35重量%が好ましい。前記アミノ系樹脂の含有量
が、10重量%未満であると、耐熱接着力や耐水接着力
などの接着強度が劣ることがあり、50重量%を超える
と、アミノ樹脂が滲み出しやすくなり、加工製品がブロ
ッキングしたり美観を損なったりすることがある。
【0013】(合成樹脂水性エマルジョン)前記合成樹
脂水性エマルジョンとしては、特に制限はなく、目的に
応じて適宜選択することができ、例えば、酢酸ビニル樹
脂エマルジョン、アクリル系樹脂エマルジョン、スチレ
ン/アクリル共重合樹脂エマルジョン、エチレン、バー
サティック酸ビニルエステル(例えばシェルジャパン
製、ベオバ)、エチレン性不飽和カルボン酸、塩化ビニ
ル、(メタ)アクリル酸アルキルエステル等と酢酸ビニ
ルとを共重合した酢酸ビニル共重合樹脂エマルジョン、
などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよ
いし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、酢
酸ビニル/エチレン共重合樹脂エマルジョン、酢酸ビニ
ル/バーサティック酸ビニルエステル共重合樹脂エマル
ジョンが好ましい。
【0014】(合成ゴム水性ラテックス)前記水性ラッ
テクスとしては、特に制限無く、目的に応じて適宜選択
することができ、例えば、ブタジエンラッテクス、黒炉
プレンラテックス、イソプレンラテックス、ブタジエン
やイソプレン等とスチレンやアクリロニトリル等とを共
重合した共重合樹脂ラッテクス、などが挙げられる。こ
れらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用
してもよい。これらの中でも、スチレン/ブタジエン系
ラッテクスが好ましい。
【0015】本発明においては、前記合成樹脂水性エマ
ルジョン及び前記合成ゴム水性ラテックスは、両方併用
してもよいし、いずれか一方のみを使用してもよく、目
的に応じて適宜選択すればよい。前記接着剤組成物中に
おける前記合成樹脂水性エマルジョン及び/又は前記合
成ゴム水性ラテックスの含有量としては、30〜70重
量%であり、45〜60重量%が好ましい。前記合成樹
脂水性エマルジョン及び/又は前記合成ゴム水性ラテッ
クスの含有量が、30重量%未満であると塗工適性が不
良となることがあり、70重量%を超えると、耐水接着
力や耐温水接着力などの接着強度が低下することがあ
る。
【0016】前記合成樹脂水性エマルジョン及び前記合
成ゴム水性ラテックスに含まれる不揮発分としては、3
0〜65重量%が好ましい。前記不揮発分が、30重量
%未満であると、接着剤組成物の乾燥が遅くなり、合板
の生産性が低下することがあり、65重量%を超える
と、該合成樹脂水性エマルジョンや合成ゴム水性ラテッ
クスの合成面で問題が生じ得る。
【0017】本発明において、前記合成樹脂水性エマル
ジョン及び前記合成ゴム水性ラテックスには、前記アミ
ノ系樹脂と架橋し得る反応基の少なくとも1種を側鎖に
有する反応性モノマーで変性した合成樹脂水性エマルジ
ョンや合成ゴム水性ラテックスも含まれる。前記反応性
コモノマーとしては、例えば、N−メチロール基を有す
るものとして、N−メチロールアクリルアミド、N−メ
チロールメタクリルアミド、これらのエーテル類等が挙
げられ、グリシジル基を有するものとして、グリシジル
アクリレート、グリシジルメタクリレート、アクリルグ
リシジルエーテル等が挙げられ、ヒドロキシル基を有す
るものとして、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2
−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、多価アル
コールのモノアリルエーテル等が挙げられ、アミノ基を
有するものとして、N,N−ジメチルアミノエチルアク
リレート、ビニルピリジン、tert−ブチルアミノエ
チルメタアクリレート等が挙げられ、アミド基を有する
ものとして、アクリルアミド、メタクリルアミド、マレ
インアミド等が挙げられる。
【0018】更に本発明においては、カルボニル基含有
モノマーであるダイアセトンアクリルアミドやアセトア
セトキシエチルメタクリレートなどを共重合した合成樹
脂水性エマルジョンと、架橋剤としてのヒドラジン誘導
体とを併用してもよい。
【0019】(合成樹脂エマルジョン粉末)前記合成樹
脂エマルジョン粉末は、合成樹脂水性エマルジョンを乾
燥させたものであれば特に制限はなく、目的に応じて適
宜選択することができ、ベースとなる合成樹脂水性エマ
ルジョンの種類も限定されず、乳化重合により得られた
合成樹脂水性エマルジョンであってもよいし、既に重合
済みの重合体を強制的に乳化したいわゆる後乳化の合成
樹脂水性エマルジョンであってもよい。
【0020】前記乳化重合により得られた合成樹脂水性
エマルジョンとしては、例えば、酢酸ビニル樹脂エマル
ジョン、アクリル系樹脂エマルジョン、スチレン/アク
リル共重合樹脂エマルジョン、エチレン、バーサティッ
ク酸ビニルエステル、エチレン性不飽和カルボン酸、塩
化ビニル、(メタ)アクリル酸アルキルエステル等と酢
酸ビニルとを共重合した酢酸ビニル共重合樹脂エマルジ
ョン、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用し
てもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0021】これらの中でも、酢酸ビニル樹脂エマルジ
ョン、酢酸ビニル共重合樹脂エマルジョンが好ましく、
酢酸ビニル/エチレン共重合樹脂エマルジョン、酢酸ビ
ニル/バーサティック酸ビニルエステル共重合樹脂エマ
ルジョンがより好ましい。
【0022】本発明においては、前記乳化重合により得
られた合成樹脂水性エマルジョンの中でも、水溶性高分
子化合物を保護コロイドとして乳化重合して得たものが
好ましい。前記水溶性高分子化合物としては、例えば、
ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロースな
どが好ましい。これらを保護コロイドとして乳化重合し
て得られた合成樹脂水性エマルジョンを乾燥して得た合
成樹脂エマルジョン粉末を使用すると、該保護コロイド
がウェットタックを向上させ、接着剤組成物の初期接着
力を向上させることができる点で好ましい。
【0023】前記後乳化の合成樹脂水性エマルジョンと
しては、例えば、エポキシ樹脂エマルジョン、ウレタン
樹脂エマルジョン、シリコーン樹脂エマルジョン、など
が挙げられる。
【0024】前記後乳化の合成樹脂水性エマルジョン
は、乾燥時の熱により不活性な樹脂粒子となり、接着剤
組成物中であまり接着性に寄与しないので、本発明にお
いては、該後乳化の合成樹脂水性エマルジョンを乾燥さ
せた合成樹脂水性エマルジョンよりも、前記乳化重合に
より得られた合成樹脂水性エマルジョンを乾燥させた合
成樹脂エマルジョン粉末の方が好ましい。
【0025】なお、前記合成樹脂エマルジョン粉末とし
て、前記乳化重合により得られた合成樹脂水性エマルジ
ョンを乾燥させたものを用いる場合、該乳化重合により
得られた合成樹脂水性エマルジョンのポリマーのガラス
転移点温度としては、30℃以下が好ましく、−10〜
30℃がより好ましい。前記ガラス転移点温度が、30
℃より高いと、接着性への寄与する効果が低くなること
があり、−10℃より低いと、合成樹脂エマルジョン粉
末の製造が困難になることがある。
【0026】また、本発明においては、前記合成樹脂水
性エマルジョン中に、造膜助剤や可塑剤などの高沸点溶
剤を配合してもよく、この場合、得られる合成樹脂エマ
ルジョン粉末が可塑化され、接着性の向上に寄与する点
で好ましい。
【0027】前記合成樹脂水性エマルジョンの乾燥は、
特に制限はなく、公知の方法に従って行うことができる
が、例えば、噴霧乾燥、フリーズドライ、凝集沈殿後の
熱風乾燥、などが挙げられる。これらの中でも噴霧乾燥
が好ましい。本発明においては、前記乾燥の際に、更に
膠着防止剤として、炭酸カルシウム、タルク、クレーな
どの無機不活性物質を添加してもよい。
【0028】前記接着剤組成物中における前記合成樹脂
エマルジョン粉末の含有量としては、2〜20重量%で
あり、4〜12重量%が好ましい。前記合成樹脂エマル
ジョン粉末の含有量が、2重量%未満であると、滲み出
しを抑制する効果が充分でなくなることがあり、20重
量%を超えると、粘度が上昇し、塗工性が不良となるこ
とがある。
【0029】本発明の接着剤組成物は、目的に応じて、
従来より木質加工用接着剤に使用されている公知の添加
剤を含有していてもよい。前記添加剤としては、例え
ば、充填剤、増量剤、顔料などが挙げられ、より具体的
には、小麦粉、澱粉類、脱脂大豆粉、血粉、クルミ殻等
の有機系物質、クレー、カオリン、ゼオライト、亜鉛
華、酸化チタン、ベンガラ等の無機系物質などが挙げら
れる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以
上を併用してもよい。
【0030】これらの使用量としては、本発明の目的を
害しない範囲内であればよいが、通常、接着剤組成物の
粘度が50〜500(Pa・S/25℃)になる程度の
量が適当である。
【0031】また、本発明の接着剤組成物は、水溶性高
分子増粘剤を含有していてもよく、該水溶性高分子増粘
剤としては、例えば、ポリビニルアルコール、メチルセ
ルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメ
チルセルロース等のセルロース誘導体、ポリエチレンオ
キシド、アルギン酸類、などが挙げられる。
【0032】更に、本発明の接着剤組成物は、前記アミ
ノ系樹脂を硬化させる目的で、塩化アンモニウム、塩
酸、シュウ酸、パラトルエンスルホン酸、酒石酸、無水
フタル酸、塩化アルミニウム等の公知の硬化剤を含有し
ていてもよく、その他に、防腐剤、防カビ剤、ホルマリ
ンキャッチャー剤、香料、着色剤、凍結防止剤、などを
本発明の目的を害しない範囲内において含有していても
よい。
【0033】(接着剤組成物の製造)本発明の接着剤組
成物は、前記アミノ樹脂と、前記合成樹脂水性エマルジ
ョン及び/又は前記合成ゴム水性ラテックスと、前記合
成樹脂水性エマルジョンを乾燥させた合成樹脂エマルジ
ョン粉末とのそれぞれ所定量を(場合により、更に必要
に応じて選択したその他の成分をも)、公知の攪拌手段
を用いて均一に混合することにより、容易に製造するこ
とができる。
【0034】本発明の接着剤組成物は、前記合板に、単
板などの薄い突板等を貼り合せ、木材質特有の美観表面
を持たせる、いわゆる突板化粧加工等の木質加工用接着
剤として好適に使用でき、その際に表面に滲み出すこと
が無く、十分な初期接着力を示し、作業性に優れ、その
製造が容易である。
【0035】本発明の接着剤組成物が加工品の表面に滲
み出すことが無いことの、機構は明らかではないが、理
由は以下のように推察される。本発明の接着剤組成物
は、合成樹脂エマルジョン粉末を含有するが、該合成樹
脂エマルジョン粉末は、乾燥という工程を経ており、一
次粒子の形態ではなく、いくつかの一次粒子が擬凝集し
てなる多孔質粒子の形態で存在している。そして、この
多孔質粒子の形態は接着剤組成物中においても維持さ
れ、該多孔質粒子中に、浸透性に富み、滲み出し易い成
分が吸着保持されるためと考えられる。また、樹脂成分
である合成樹脂エマルジョン粉末を含有するため、接着
剤組成物中の不揮発分が増しており、塗布後から乾燥初
期の段階で、ちょうど半乾燥状態に近い状態となり、該
接着剤組成物の塗布層の粘度が高くなり、滲み出す成分
が流動できなるためと考えられる。
【0036】本発明の接着剤組成物が初期接着力に優れ
ることの、機構は明らかではないが、理由は以下のよう
に推察される。本発明の接着剤組成物は、合成樹脂エマ
ルジョン粉末を含有するため、系の不揮発分が増してお
り、短時間の内に半乾燥状態に近い状態となるためと考
えられる。更に、合成樹脂エマルジョン粉末が、水溶性
高分子化合物を保護コロイドとして乳化重合して得られ
た合成樹脂水性エマルジョンをベースとしている場合に
は、該保護コロイドがウェットタックを向上させるため
と考えられる。
【0037】本発明の接着剤組成物は、無機系成分を滲
み出し防止成分として配合した従来の接着剤組成物と比
べて接着力の低下が少ないが、その理由としては、無機
系物質は不活性な成分であり接着力には寄与しないが、
本発明の接着剤組成物の必須成分である前記合成樹脂エ
マルジョン粉末は、接着力の向上に寄与するため、耐熱
接着力、耐水接着力が向上するためと考えられる。ま
た、本発明の接着剤組成物は、無機系成分を滲み出し防
止成分として配合した従来の接着剤組成物と比べて製造
が容易であるのは、前記合成樹脂エマルジョン粉末は、
前記無機系物質よりも混和性が良好だからである。
【0038】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明するが、本発明
はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。 −合成樹脂エマルジョン粉末(1)の製造− ケン化度が86〜89であるポリビニルアルコール20
重量%水溶液30重量部と、水120重量部とを添加し
た反応器中に、酢酸ビニル120重量部と、バーサティ
ック酸ビニルエステル(シェルジャパン(株) 製、ベオ
バ10)30重量部とを滴下しながら、重合開始剤とし
て過硫酸カリウムを用い、内温を70℃とし、5時間か
けて乳化重合を行った。得られた合成樹脂水性エマルジ
ョンのガラス転移点温度(Tg)は、22℃であった。
次に、この合成樹脂水性エマルジョンを、不揮発分が3
0重量%になるようにした後、噴霧乾燥機に連続的に供
給し、同時に膠着防止剤としての炭酸カルシウム粉末を
供給して噴霧乾燥することにより、合成樹脂エマルジョ
ン粉末(1)を製造した。
【0039】−合成樹脂エマルジョン粉末(2)の製造
− 前記合成樹脂エマルジョン粉末(1)の製造において、
反応器を高圧反応器に代えた外は、前記合成樹脂エマル
ジョン粉末(1)の製造と同様にして行った。得られた
合成樹脂水性エマルジョンのガラス転移点温度(Tg)
は、15℃であった。次に、この合成樹脂水性エマルジ
ョンを、不揮発分が30重量%になるようにした後、噴
霧乾燥機に連続的に供給し、同時に膠着防止剤としての
シリカ粉末を供給して噴霧乾燥することにより、合成樹
脂エマルジョン粉末(2)を製造した。
【0040】(実施例1)酢酸ビニル樹脂エマルジョン
(ヘキスト合成(株) 製、モビニールMA6、不揮発分
45重量%)58重量部と、尿素メラミン樹脂28重量
部と、小麦粉7重量部と、前記合成樹脂エマルジョン粉
末(1)5重量部とを混合して、粘度が120Pa・s
/25℃である接着剤組成物を製造した。
【0041】(実施例2)カルボキシル変性したスチレ
ン/ブタジエン合成ゴムラッテクス(不揮発分48重量
%)58重量部と、尿素メラミン樹脂28重量部と、小
麦粉7重量部と、前記合成樹脂エマルジョン粉末(1)
5重量部とを混合して、粘度が150Pa・s/25℃
である接着剤組成物を製造した。
【0042】(実施例3)実施例1において、前記合成
樹脂エマルジョン粉末(1)を前記合成樹脂エマルジョ
ン粉末(2)に変更した以外は実施例1と同様にして、
粘度が125Pa・s/25℃である接着剤組成物を製
造した。
【0043】(実施例4)実施例1において、前記合成
樹脂エマルジョン粉末(1)を前記合成樹脂エマルジョ
ン粉末(3)に変更した以外は実施例1と同様にして、
粘度が280Pa・s/25℃である接着剤組成物を製
造した。
【0044】(比較例1)実施例1において、前記合成
樹脂エマルジョン粉末(1)を用いなかった以外は実施
例1と同様にして、粘度が80Pa・s/25℃である
接着剤組成物を製造した。
【0045】(比較例2)実施例1において、前記合成
樹脂エマルジョン粉末(1)に代えて、炭酸カルシウム
粉末5重量部及びタルク粉末5重量部を用いた以外は実
施例1と同様にして、粘度が95Pa・s/25℃であ
る接着剤組成物を製造した。
【0046】<評価>各実施例及び比較例において得た
接着剤組成物について、以下の評価を行い、その結果を
表1に示した。
【0047】<滲み出し性>目視にて以下の基準に従っ
て評価した。 突板の表面に接着剤組成物の滲み出しが観られない状態
・・・・・・○ 突板の表面に接着剤組成物の滲み出しが観られる状態・
・・・・・・×
【0048】<初期接着力>目視にて以下の基準に従っ
て評価した。 突板に反り、皺、収縮、膨張等の発生が無く、突板と合
板とが良好に接着している状態・・・・・・・・・○ 突板に反り、皺、収縮、膨張等の発生が観られ、突板と
合板とが良好に接着していない状態・・・・・・・×
【0049】<作業性>目視にて以下の基準に従って評
価した。 ブロッキングの発生なし・・・・・・・○ ブロッキングの発生あり・・・・・・・×
【0050】
【表1】
【0051】
【表2】
【0052】
【発明の効果】本発明によると、前記従来における諸問
題を解決することができる。また、本発明によると、前
記合板に、単板などの薄い突板等を貼り合せ、木材質特
有の美観表面を持たせる、いわゆる突板化粧加工等の木
質加工用接着剤として好適に使用でき、その際に表面に
滲み出すことが無く、十分な初期接着力を示し、作業性
に優れ、製造が容易である接着剤組成物を提供すること
ができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09J 201/00 C09J 201/00 Fターム(参考) 2B200 BA01 CA11 HA03 HA05 HA13 2B260 BA01 CB01 DA01 DA02 DA03 DC01 EB19 4J040 CA052 CA072 CA082 CA102 CA112 DC052 DE032 JA03 JA07 LA02 LA06 MA08 NA13

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アミノ系樹脂と、合成樹脂水性エマルジ
    ョン及び/又は合成ゴム水性ラテックスと、合成樹脂水
    性エマルジョンを乾燥させた合成樹脂エマルジョン粉末
    とを含有してなることを特徴とする接着剤組成物。
  2. 【請求項2】 合成樹脂エマルジョン粉末が、水溶性高
    分子化合物を保護コロイドとして乳化重合して得た合成
    樹脂エマルジョンを噴霧乾燥したものである請求項1に
    記載の接着剤組成物。
  3. 【請求項3】 合成樹脂エマルジョン粉末のガラス転移
    点温度が30℃以下である請求項1又は2に記載の接着
    剤組成物。
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