JP2000119082A - 肥料及び土壌改質材用無機組成物 - Google Patents
肥料及び土壌改質材用無機組成物Info
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Abstract
ケイ酸分が必要とされる作物に用いられるケイ酸質肥料
並びに土壌改良材を提供する。 【解決手段】非晶質ケイ酸水和物からなる肥料用又は土
壌改質材用の無機組成物であり、ケイ酸塩水和物がカル
シウム及び/又はマグネシウムを含有する、又、カリウ
ムを含有することを特徴とする前記の無機組成物であ
り、ケイ酸塩水和物中の全SiO2について、4重量%
クエン酸緩衝液(pHの初期値が5.5)への溶出率が
極めて高いという特徴を有する。
Description
のケイ酸分を必要とする作物に有用な肥料並びに土づく
り資材として用いることのできる無機組成物に関する。
からケイカル、並びにケイ酸カリ肥料が用いられてい
る。ケイカルはスラグを原料として製造され、Si
O2、CaO、Al2O3を主成分とする、主としてアル
カリ分とケイ酸を補給するための土壌改質剤である。し
かしケイカルは塩酸可溶性ケイ酸分が30重量%を越え
るものの、実際の土壌のpHに近い5〜7程度の領域で
は溶出量が極端に減少し、ケイ酸分の供給源としては非
常に効率の悪い資材である。従って、実際に使用する場
合には、田10a当たり200kgと大量に施肥しなく
てはならず、それに要する労力が農業従事者の大きな負
担になっている。
ない資材であるため、他の肥料と混合して使用するのが
一般的であり、特にようりん40kgをケイカル200
kgと混合して散布するのが広く用いられている処方で
ある。ようりんは、それに含まれるケイ酸分の中性に近
いpH域での溶出性が高い事が知られており、燐酸質肥
料であると同時にケイ酸質の供給源となっていることが
認められている。
ケイカルに比べると高いと言われているが、ようりんに
比べるとpH5〜7では劣っており十分とは言えない。
ケイ酸カリ肥料も、ケイカルの場合と同様に、ようりん
と混合して施肥されることが多く、ここでもようりんが
ケイ酸質の供給源としての役割を果たしている。
いことを改善するために各種の試みがなされ、中でもケ
イ酸カリ肥料の溶出性が比較的高いことに着目して、カ
リ成分を加える方法に基づいた、例えばケイ燐酸カリを
主成分とする新規肥料組成物(特公平1−24759号
公報)や緩効性熔成ケイ酸カリ苦土肥料の製造法(特公
平2−23514号公報)が開示されている。
しやすくし、ケイ酸質の溶出性を改善するが、その反
面、カリ原料が高価であるため得られる製品も高価にな
る、十分に高いケイ酸溶出性を確保するにはカリ含有量
を高くしなければならず不経済である、カリウムが強ア
ルカリであるため製造設備の炉材を浸食する、カリを加
えると溶融物の粘度が上昇するため操業しにくく、それ
を下げようとして温度を上げるとカリが揮散する等の欠
点を有している。
性が高く、植物吸収性が高い事が知られている。市販さ
れているようりんに含まれるSiO2は20〜25重量
%程度であるが、ケイ酸含有量を増やすとその溶出率が
低下する事が知られている。即ち、ようりん(溶成燐
肥)の一般的な原料配合にケイ石を加えて加熱溶融・急
冷して、2%クエン酸溶液へのケイ酸の溶出性を測定し
た試験例(工業化学雑誌第60巻1109頁1957
年)によれば、2%クエン酸溶液(初期pHが約2)へ
のケイ酸溶出量は30重量%程度で頭打ちになると記載
されている。
Hが4の酢酸ソーダ緩衝液を用いた可溶性ケイ酸の評価
法が植物吸収性との相関性が高いと記載されているが、
実際の土壌のpHはもっと中性に近く、たまたま試験に
使用した組成物のこの方法による溶出性が植物吸収性と
一致したと解釈するべきと思われる。ケイ酸質の溶出性
試験に関しては未だ公定法がなく、様々な方法が提案さ
れている。
容易に合成できる、稲等の土壌中にケイ酸分が必要とさ
れる作物に用いられるケイ酸質肥料並びに土壌改良材を
提供することを目的とするもので、特に、少量の施肥で
有効な、実際の土壌のpH=5〜7付近で溶出性の高い
SiO2を25重量%以上含む無機組成物を提供するこ
とを目的とする。また、本発明は、各種の単肥と所望の
組成に配合して使用することのできる、ケイ酸を主体と
して、アルカリ分を含む資材を提供することを目的とす
る。
塩水和物からなる肥料用又は土壌改質材用の無機組成物
であり、非晶質ケイ酸塩水和物がカルシウム及び/又は
マグネシウムを含有することを特徴とする前記の無機組
成物であり、また、カリウムを含有することを特徴とす
る前記の無機組成物である。
和物中の成分について、モル換算したときの(CaO+
MgO)/SiO2の比が、1.0〜2.5の前記の無
機組成物であり、又、カリウムを含有する非晶質ケイ酸
塩水和物中の成分について、モル換算したときの(K2
O+CaO+MgO)/SiO2の比が、1.0〜2.
5の前記の無機組成物である。
iO2について、4重量%クエン酸緩衝液(pHの初期
値が5.5)への溶出率が50%以上であることを特徴
とする前記の無機組成物である。
以上の高いpH域で高い溶出性を持つSiO 2を含む組
成を探求した結果、同じ組成であってもその結晶性によ
って、溶出性が大きく変化すること、そして、特定組成
を有する非晶質の組成物が前記高pH域で高いケイ酸溶
出性を示すことを見出し、なされたものである。
肥料用又は土壌改良材用の無機組成物である。従来公知
の肥料、土壌改質材用組成物でケイ酸溶出性を有するも
のの多くは、例えばケイ酸カリ肥料の如くに、水和した
鉱物を有しないが、本願発明の無機組成物は水和物であ
る非晶質ケイ酸塩であり、非晶質でありしかも水和物で
あるが故に優れたケイ酸溶出性を示す。
者らの実験的検討結果によれば、NMR−29Siのケ
ミカルシフト値(以下、単にNMR−Siという)につ
いて、−110〜−100ppmの位置に明瞭なピーク
を有せず、非晶質シリカのようなSiO4の網目構造を
有しておらず、後述するとおりに−80ppm以上−7
2ppmの領域に非晶質特有の幅広いピークを有してい
る。また、本発明の非晶質ケイ酸塩水和物の非晶質に関
しては、前記幅広いピークについて、その半値幅が8p
pm以上の広がりを有する程度であれば十分である。
結果において、−80ppm以上−72ppm以下にケ
ミカルシフト値を有し、その半値幅が10ppm以上2
3ppm以下の範囲のものが、極めて優れたケイ酸溶出
性を有するので好ましい。
鉱物成分(酸化物として表す)としてSiO2以外にM
gO、CaO、必要に応じてK2Oを含み、更に、前記
鉱物成分に結合したH2Oで主に構成されている。前記
鉱物成分の合計は、非晶質ケイ酸塩水和物全体の75重
量%以上、好ましくは80重量%以上あれば良い。前記
H2O量については、3重量%以上25重量%であり、
好ましくは、5重量%以上20重量%以下であれば良
い。
の鉱物成分量については、鉱物成分の全量中に、K2O
が0〜20重量%であればよい。K2Oが含まれない場
合には、MgOが3〜20重量%で、しかもSiO2を
25〜50重量%であることが好ましい。前記範囲を満
足しない場合には、ケイ酸溶出量が充分でなく、肥料或
いは土壌改質材としての商品価値が下がってしまうこと
がある。
20重量%であることが好ましい。K2O量が20重量
%を超える場合、条件によっては施肥した土壌のpHが
上昇して作物に害を与える場合があり、またカリウム量
が多くなると原材料コストが上がるので好ましくない。
25重量%以上である。25重量%未満では、十分なケ
イ酸溶出量が確保できないことがあり、ケイ酸質資材或
いは肥料としての価値が減少することがある。50重量
%を越えると大幅にケイ酸溶出性が下がり、中性に近い
領域での溶出性が悪くなることがある。32〜45重量
%が好ましい範囲である。
機組成物を得るために必要な機械的エネルギーを減少さ
せる効果があるし、得られた無機組成物のケイ酸溶出率
を増大させる効果があり、また肥料成分としても有効な
ので、適当量含有させるのが好ましい。3重量%以下で
はこれらの効果が十分ではなく、20重量%をこえると
施用した植物の肥効成分の吸収性に拮抗作用を生じ、不
都合を生じることがある。上記バランスから7〜18重
量%が好ましい範囲である。
換算した(CaO+MgO)/SiO2比が1.0〜
2.5であることが好ましい。前記比が1.0より小さ
くなるとケイ酸溶出量が減少する一方、2.5を超える
とSiO2含有量が低下し商品価値が低下することがあ
る。1.3〜2.0が好ましい範囲である。
場合には、モル換算した(K2O+CaO+MgO)/
SiO2比が1.0〜2.5であることが好ましい。前
記比が1.0より小さくなるとケイ酸溶出量が減少する
一方、2.5を超えるとSiO 2含有量が低下し商品価
値が低下することがある。1.3〜2.0が好ましい範
囲である。
分を構成する前記成分の他に、微量要素として有効な硼
素やマンガンを含有させることもできる。硼素やマンガ
ンの存在は得られる無機組成物の非晶質化を促し、ケイ
酸の溶出性を助長する効果がある。不可避的に混入する
鉄酸化物やアルミニウムの酸化物などが含まれてもよ
い。しかし、アルミニウムについては、肥料効果が無
く、有効成分の含有量を低下させ、また、量が多くなる
とケイ酸分の溶出性に悪影響を及ぼすので、Al2O3の
量は鉱物成分中の2重量%以下に抑制することが好まし
い。
緩衝液(pHの初期値が5.5)へのケイ酸分の溶出率
は50%以上、好ましい組成範囲の無機組成物では65
%以上であるという特徴を有し、また、NMRによるS
iの結合状態の測定結果によれば、−80ppm以上−
72ppm以下にケミカルシフト値が見られ、またその
半値幅は10ppm以上23ppm以下を示す。ここ
で、本発明の溶出率とは前記クエン酸緩衝液中に溶出し
たケイ酸の量を、無機組成物中の全SiO2量に対して
百分率で表したものである。
イ酸分の溶出性を調べる方法としては、前述したとおり
に、2%クエン酸水溶液(pHが約2)を用いる方法、
pH初期値が4の酢酸ソーダ緩衝液を用いる方法が知ら
れているが、いずれも溶出時のpHが低く、土壌のpH
に近いpH=5〜7付近でのケイ酸の溶出性の評価方法
としては不適切である。本発明者らは、いろいろ検討し
た結果、4重量%クエン酸緩衝液(pHの初期値が5.
5)を用いる方法が好適であることを見出したものであ
る。この方法により、肥料、土壌改質剤の土壌へのケイ
酸分の溶出性について、その評価が可能となる。
は、4重量%クエン酸緩衝液(pHの初期値が5.5)
を用いることを特徴とし、次に例示するように行えばよ
い。即ち、多量の肥料或いは土壌改質材の場合につい
て、前記の肥料或いは土壌改質材より約100gのサン
プルを従来公知の方法で採取し、前記サンプルを振動ミ
ルで粉砕し、目開き150ミクロンの篩下とし、可溶性
ケイ酸の評価試料とする。前記評価試料を1gはかりと
り、クエン酸水溶液に2N水酸化ナトリウム水溶液を加
えてpHを5.5に調整した4重量%クエン酸緩衝液1
50mlを加え、30℃水浴中で1時間揺動する。前記
溶液をろ紙でろ過して得られるろ液を純水で希釈した
後、ろ液中に含まれるSiO2量をICP(誘導結合プ
ラズマ発光分光法)で測定する。
成物を振動ミルで粉砕して、目開き150ミクロンの篩
下とし、例えば、日本電子製GX270を用いて、マジ
ックアングルスピニング下にハイパワーデカップリング
を組み合わせたモードで10秒間隔に約8000回の積
算を行い、ケミカルシフトの調整としてポリジメチルシ
ランを−33.8ppmとして、測定すればよい。尚、
アダマンタンを用いて 13Cの高磁場側共鳴ピークの半値
幅が0.147〜0.072ppmとなる様に調整す
る。この条件下で調整したときに、単結晶シリコンの半
値幅は0.7ppmであった。本発明の無機組成物は、
前記条件で測定したときに得られるNMR−29Siが
−80ppm以上−72ppm以下にケミカルシフト値
を示し、その半値幅は10〜23ppmの間で様々な値
を示す。
て、その形状は略組成によって決まるが、製造方法によ
っても影響される。特に後述する本発明の製造方法によ
れば、同じ組成物であってもよりピークの半値幅の大き
いものが得られる。
の溶出率とNMR−Siのケミカルシフト値が相関する
事を見いだしたものであり、具体的には、−80ppm
以上−72ppm以下にケミカルシフト値を有し、かつ
ピークの半値幅が10ppm以上23ppm以下である
無機組成物は、ケイ酸分のpH=5.5(初期値)のク
エン酸緩衝液溶出率が65%以上である。
定を行うことのみで、前記溶出率を容易に推定すること
ができ、手間のかかる可溶性ケイ酸の評価を省略する事
もできる。クエン酸溶液を用いるケイ酸の溶出性の測定
においては、溶液中の共存イオンの影響や、溶出後の溶
液のpHの変化、溶出したケイ酸の再重合等、分析状の
いろいろな問題が生じるが、NMR−Siの測定におい
ては前記煩わしさがない。
方法に関しては、従来公知の方法に比較して、正確性に
おいても優れているという効果を有している。すなわ
ち、NMR−Siのケミカルシフト値はSiO4の4面
体構造のつながりの状態を反映し、半値幅は原子配置の
ランダムさを表していると考えられる。原子配置のラン
ダムさ、すなわち非晶質状態を判別する方法として、一
般にX線回折装置を用いて回折パターンを見る方法があ
る。しかし、同じ組成の試料でX線回折で同じ様なブロ
ードなパターンが得られた試料であっても、ケイ酸質の
溶出性が異なっている場合があった。また、他のガラス
化状態の判別法として、光学顕微鏡を用いブロモホルム
を滴下し透過光下で試料粒子一個一個の状態を調べて、
その個数からガラス化状態を定量的に把握する方法が知
られている(工業化学雑誌63巻477頁1960年)
が、この方法は非常に手間がかかり、かつ熟練のいる方
法であった。
示する。原料として、消石灰、生石灰、蛇紋岩、珪石、
非晶質シリカ粉、石灰石、フェロニッケル鉱滓、フェロ
マンガン鉱滓、各種高炉滓、各種製鋼滓、製リンスラ
グ、フライアッシュ、水酸化カリウム等のCaO、Mg
O、SiO2、K2Oを含有する通常の原料類を利用する
ことができる。上記原料の中にはアルミナ分(Al
2O3)を含むものもあるが、アルミナ分はケイ酸溶出率
を悪化させ、またAl2O3含有量が増加すると他の成分
の含有量が実質的に減るので、Al2O3含有量の増大は
好ましくない。Al2O3が含まれていない原料を使用す
るか、またはAl2O3が含まれている原料は少量に限定
して使用し、得られる無機組成物中の鉱物成分中のAl
2O3量が2重量%以下とすることが好ましい。
ライト、タルク等の天然ケイ酸塩鉱物や非晶質の合成シ
リカを用いる方が、ケイ石を用いるより反応が早く進
み、短時間に非晶質ケイ酸塩水和物を得ることができる
ので好ましい。また、カリウム、マグネシウム、カルシ
ウム源として水酸化物を用いると、製品中の不要なイオ
ンが少なくできること、反応が早く進行することから好
ましい。更に、前記非晶質シリカ、水酸化カルシウム、
水酸化マグネシウムについては、高比表面積の微粉末を
用いることが一層好ましい。非晶質合成シリカと、カリ
ウム、マグネシウム、カルシウムのいずれか1種以上の
水酸化物とを組み合わせて使用する場合が、最も短時間
に非晶質のケイ酸塩水和物を得ることができるので、好
ましい。
水分が若干含まれるので、ボールミル、振動ミル、アト
ライターミル等の粉砕機を初めとする機械的エネルギー
を加えて反応させることで、本発明の無機組成物を得る
ことができる。原料中に水が含まれない場合、或いは少
ない場合には、原料全量に対して3〜25重量%、好ま
しくは5〜10重量%の水を加えて粉砕すればよい。前
記水の存在下で粉砕することで、反応が進みやすくな
り、短時間で目的とする非晶質のケイ酸塩水和物を得る
ことができる。前記機械的エネルギーを加える装置につ
いては、前述のボールミル、振動ミル、アトライターミ
ル等の粉砕機以外に、爆発衝撃反応器等の爆発的な衝撃
を加える装置なども用いることができる。これらの装置
のうち、連続的に原料を供給しながら非晶質化したケイ
酸塩水和物を取り出すことのできる振動ミルが好適に選
択される。
常は平均粒子径が4μm以下の粉末状であり、そのまま
でも肥料または土壌改質材として利用できる。しかし、
このままでは微粉末であるため施肥の際に飛散するとい
う欠点があるので、サッカロース、メチルセルロース、
ポバール等をバインダーとして造粒することもできる。
特に、サッカロース等の糖類を使用して造粒する場合に
は、施肥後に糖類が分解して生じる炭酸ガスが溶出した
アルカリ分を中和して、ケイ酸溶出性を高めるという効
果をも有するので、好ましい。又、必要に応じて、窒
素、リン、カリなどを含む他の肥料を混合して、所望の
組成の複合肥料とすることもできる。
を更に詳細に説明する。
製)、非晶質シリカ(日本シリカ工業、NIPSIL−
VN3)を、それぞれ5.7g、3.2gはかりとって
混合し、振動ミル(ヘイコー製作所製、内容積50c
c)で4時間処理した。振動ミルから取り出した組成物
は、SiO2、CaOをそれぞれ34.2重量%、4
7.2重量%含んでいた。従って、モル比CaO/Si
O2は1.48となる。得られた粉末のX線回折結果か
ら、水酸化カルシウム由来のピークがほとんど痕跡をと
どめないまで非晶質化していた。
H5.5)への溶出ケイ酸量(以下C−SiO2と呼
ぶ)は25.9重量%、溶出率(以下ク溶率と呼ぶ)は
76%だった。NMR−Siの測定を行ったところ、ピ
ーク位置は−75.1ppm、半値幅は12.0ppm
であった。
ケイ石、水を、それぞれ3.35g、2.81g、2.
31g、0.3g混合し、振動ミルに仕込み、40時間
振動した。得られた粉末は、SiO2、MgO、CaO
をそれぞれ39.2重量%、13.3重量%、28.9
重量%含んでいた。従って、モル比(CaO+MgO)
/SiO2は1.30となる。
%、ク溶率は70%であった。NMR−Siの測定を行
ったところ、ピーク位置は−77.1ppm、半値幅は
9.3ppmであった。
を、それぞれ5.41g、3.38g混合し、振動ミル
に仕込み、32時間振動した。この粉末は、SiO2、
CaOをそれぞれ37.4重量%、45.4重量%含ん
でいた。従って、モル比(CaO+MgO)/SiO2
は1.30となる。
%、ク溶率は67%であった。NMR−Siの測定を行
ったところ、ピーク位置は−76.8ppm、半値幅は
10.2ppmであった。
製)、水酸化カルシウム、非晶質シリカ粉(日本シリカ
工業、NIPSIL−NR3)をそれぞれ1.6g、
3.9g、3.4g混合し、振動ミルにいれ、4時間振
動した。振動ミルから取り出した粉末は、SiO2、K2
O、CaOをそれぞれ36.3重量%、14.5重量
%、32.2重量%含んでいた。従って、モル比(Ca
O+K2O)/SiO2は1.2となる。得られた粉末の
X線回折結果から、水酸化カリウムおよび水酸化カルシ
ウム由来のピークがほとんど痕跡をとどめないまで非晶
質化していた。
%、ク溶率は80%であった。NMR−Siの測定を行
ったところ、ピーク位置は−74.2 ppm、半値幅
は10.6ppmであった。
シウム、蛇紋岩、ケイ石、水を、それぞれ1.2g、
2.7g、2.2g、2.6g、0.2g混合し、振動
ミルに仕込み、40時間振動した。得られた粉末は、S
iO2、K2O、CaO、MgOをそれぞれ38.8重量
%、11.0重量%、22.8重量%、10.2重量%
含んでいた。従って、モル比(K2O+CaO+Mg
O)/SiO2は1.2となる。
%、ク溶率は68%であった。NMR−Siの測定を行
ったところ、ピーク位置は−74.6ppm、半値幅は
10.4ppmであった。
紋岩、ケイ石、水を、それぞれ1.0g、3.4g、
2.2g、2.0g、0.2g混合し、振動ミルで40
時間処理した。この粉末は、SiO2、K2O、CaO、
MgOをそれぞれ32.5重量%、重量%、9.2重量
%、28.9重量%、10.3重量%含んでいた。従っ
て、モル比(CaO+MgO)/SiO2は1.6とな
る。
%、ク溶率は81%であった。NMR−Siの測定を行
ったところ、ピーク位置は−73.9ppm、半値幅は
10.1ppmであった。
質シリカ(日本シリカ工業、NIPSIL−VN3)
を、それぞれ4.6g、4.2gはかりとって混合し、
振動ミルで4時間処理した。この組成物は、SiO2、
CaOをそれぞれ45.4重量%、38.4重量%含ん
でいた。従って、モル比CaO/SiO2は0.9とな
る。
%、ク溶率は26%であった。NMR−Siの測定を行
ったところ、ピーク位置は−81.0ppm、半値幅は
13.6ppmであった。
製)、水酸化カルシウム(和光純薬製)、非晶質シリカ
(日本シリカ工業、NIPSIL−NR3)を、それぞ
れ2.5g、2.4g、3.7g混合し、振動ミルで4
時間処理した。この組成物は、SiO2、K2O、CaO
をそれぞれ40.9重量%、23.4重量%、20.5
重量%含んでいた。従って、モル比(K2O+CaO)
/SiO2は0.9となる。この粉末のC−SiO2は1
5.5重量%、ク溶率は38%であった。
(5CaO・6SiO2・5H2O)である軽量気泡コン
クリート(ALC)を粉砕して試料とした。この組成物
は、SiO2、CaOをそれぞれ52重量%、37重量
%含んでいた。従って、モル比CaO/SiO2は0.
8となる。この粉末のC−SiO2は4.2重量%、ク
溶率は8%であった。
晶質シリカ(日本シリカ工業、NIPSIL−VN3)
を、試料とした。この粉末のC−SiO2は1重量%、
ク溶率は1%であった。NMR−Siの測定を行ったと
ころ、ピーク位置は−110.4ppm、半値幅は7.
6ppmであった。
それぞれ34.0重量%、5.3重量%、41.8重量
%含むケイカルを、試料とした。ケイカルは高炉スラグ
を原料としており、結晶水は含まない。モル比(CaO
+MgO)/SiO2は1.6である。この粉末のC−
SiO2は13.3重量%、ク溶率は39%であった。
NMR−Siの測定を行ったところ、ケミカルシフトは
−74.0ppm、半値幅は14.8ppmであった。
4重量%クエン酸緩衝液(pHの初期値が5.5)への
溶出率が高く、好適な組成範囲のものでは50%以上、
更に65%以上もの溶出率を有するので、土壌中への可
溶性ケイ酸を多く含むという特徴を有し、土壌中のケイ
酸分が有用な働きをする作物、特に稲作用の土づくり資
材あるいは肥料として有用である。しかも、本発明の無
機組成物は、従来公知のケイカルのように高温で溶融す
ることなく、室温近くで製造出来るという大きな特徴を
有し、産業上有用である。
土壌改質材はいずれも、土壌中への可溶性ケイ酸を多く
含むという特徴を有するので、少ない施肥量で充分であ
り農家での省力化が可能となる特徴がある。また、燐酸
分を含まない、もしくは少量であることから、各種単肥
との混合散布により個々の土地に適した施肥が可能であ
ること、ケイ酸質の作物吸収性が良いので病虫害発生が
抑制されること、各種の肥料成分の吸収を助長し、収量
を増加させることができること、緩効性であり肥あたり
を起こさないこと、水には難溶であるので雨水に流亡せ
ず肥料散布の回数を減らすことができること等の利点を
有する。
Claims (6)
- 【請求項1】非晶質ケイ酸塩水和物からなることを特徴
とする肥料用又は土壌改質材用の無機組成物。 - 【請求項2】非晶質ケイ酸塩水和物がカルシウム及び/
又はマグネシウムを含有することを特徴とする請求項1
記載の無機組成物。 - 【請求項3】非晶質ケイ酸塩水和物中の成分について、
モル換算したときの(CaO+MgO)/SiO2の比
が、1.0〜2.5であることを特徴とする請求項2記
載の無機組成物。 - 【請求項4】非晶質ケイ酸塩水和物がカリウムを含有す
ることを特徴とする請求項1又は2記載の無機組成物。 - 【請求項5】非晶質ケイ酸塩水和物中の成分について、
モル換算したときの(K2O+CaO+MgO)/Si
O2の比が、1.0〜2.5であることを特徴とする請
求項4記載の無機組成物。 - 【請求項6】非晶質ケイ酸塩水和物中の全SiO2につ
いて、4重量%クエン酸緩衝液(pHの初期値が5.
5)への溶出率が50%以上であることを特徴とする請
求項1、請求項2、請求項3、請求項4又は請求項5記
載の無機組成物。
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Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2001058831A1 (en) * | 2000-02-08 | 2001-08-16 | Peter Warren English | A soil supplement containing plant available silicon |
JP2009242125A (ja) * | 2008-03-28 | 2009-10-22 | Nozawa Corp | 肥料用無機物 |
JP2013252996A (ja) * | 2012-06-07 | 2013-12-19 | Taiheiyo Cement Corp | ケイ酸肥料及びその製造方法 |
CN105646036A (zh) * | 2015-12-31 | 2016-06-08 | 王丰登 | 一种生产多元素水溶肥的方法 |
CN116948654A (zh) * | 2023-07-28 | 2023-10-27 | 中国农业大学 | 一种基于钙镁补充的酸性土壤调理剂及其应用 |
-
1998
- 1998-10-14 JP JP29186498A patent/JP4036546B2/ja not_active Expired - Lifetime
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