JP2000119077A - 軽量気泡コンクリートの製造方法 - Google Patents

軽量気泡コンクリートの製造方法

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JP2000119077A
JP2000119077A JP29042998A JP29042998A JP2000119077A JP 2000119077 A JP2000119077 A JP 2000119077A JP 29042998 A JP29042998 A JP 29042998A JP 29042998 A JP29042998 A JP 29042998A JP 2000119077 A JP2000119077 A JP 2000119077A
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fired
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Yoshimichi Aono
義道 青野
Hiroyuki Watanabe
宏幸 渡辺
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Sumitomo Metal Mining Co Ltd
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Sumitomo Metal Mining Co Ltd
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  • Porous Artificial Stone Or Porous Ceramic Products (AREA)
  • Curing Cements, Concrete, And Artificial Stone (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 産業廃棄物となっていた工業副産物を利用し
て、主原料を大幅に削減して省資源化に寄与すると共
に、製造工程に不都合を来すことなく実施できる軽量気
泡コンクリートの製造方法を提供する。 【解決手段】 珪酸質原料、石灰質原料及び石膏を主原
料とする軽量気泡コンクリートの製造方法において、珪
酸質原料、石灰質原料及び石膏の一部又は全部に代え
て、流動床式ボイラー等で発生する石炭に石灰石を添加
して燃焼させた石炭燃焼灰を使用する。従来と殆ど変わ
らないスラリーの硬化時間で、従来と同等又はそれ以上
の圧縮強度の軽量気泡コンクリートが得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建築物の壁や屋
根、床などに使用される軽量気泡コンクリートの製造方
法に関し、特に環境汚染の抑制に配慮した軽量気泡コン
クリートの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】軽量気泡コンクリート(ALC)は、内
部に気泡を含む軽量なコンクリートであり、耐火性、断
熱性、施工性などに優れているため、建築物の壁面や床
面のパネルやブロックなどとして広く使用されている。
【0003】かかる軽量気泡コンクリートは、珪石や珪
砂などの珪酸質原料と、生石灰やセメントなどの石灰質
原料及び石膏を主原料として製造されている。即ち、上
記主原料に、必要に応じて繰り返し原料や界面活性剤な
どの添加物を添加し、更に適量の水とアルミニウム粉末
などの発泡剤とを加え、混練したスラリーを水蒸気養生
して製造する。
【0004】通常は、上記スラリーを、必要に応じて補
強用鉄筋をセットした型枠内に注入して、アルミニウム
粉末などの発泡と共に、水和反応により次第に硬化さ
せ、細かい気泡を内蔵した半可塑性体を得る。所望時間
経過した後、適度な硬さに硬化した半可塑性体を型枠か
ら取り出し、ピアノ線などを用いて所望寸法に切断した
後、この半可塑性体をオートクレーブ中にて高温高圧で
水蒸気養生することにより、軽量気泡コンクリートが得
られる。
【0005】一方、近年における省資源化の要望と、産
業廃棄物による環境汚染の進行を背景に、通常のコンク
リートや軽量気泡コンクリートの原料についても天然原
料や工業製品である原料を使用するだけでなく、従来は
産業廃棄物となっていた工業副産物を有効利用すること
が重要となってきた。
【0006】このような事情から、金属製錬の際に高炉
などから発生するスラグや、微粉炭燃焼ボイラーの集塵
機で捕集されるフライアッシュなどが、既にセメントの
混和剤として利用され、特に低発熱化を目的としてダム
用コンクリートなどの原料の一部として使用されてい
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記のスラグやフライ
アッシュは、軽量気泡コンクリートの副次的な原料とし
ても一部で利用されている。しかし、これらはあくまで
も副次的な原料であるため、軽量気泡コンクリートの主
原料の大幅な削減には結び付かず、省資源化の要望に十
分応えるものではなかった。また、スラグやフライアッ
シュを軽量気泡コンクリートの原料に混合すると、型枠
中でのスラリーの硬化時間が長くなるという不都合もあ
った。
【0008】本発明は、このような従来の事情に鑑み、
産業廃棄物となっていた工業副産物を利用することによ
り、主原料を大幅に削減して省資源化に寄与すると共
に、製造工程に不都合を来すことなく実施できる軽量気
泡コンクリートの製造方法を提供することを目的とす
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明が提供する軽量気泡コンクリートの製造方法
は、珪酸質原料、石灰質原料及び石膏を主原料とする軽
量気泡コンクリートの製造方法において、珪酸質原料、
石灰質原料及び石膏の一部又は全部に代えて、石炭に石
灰石を添加して燃焼させた石炭燃焼灰を使用することを
特徴とするものである。
【0010】
【発明の実施の形態】ボイラーなどで石炭を燃焼させる
際には、脱硫を目的として石灰石を添加し、石炭中の硫
黄を石膏として固定する場合がある。このとき、完全に
脱硫させるために石灰石が過剰に添加されるが、余剰の
石灰石は燃焼の過程で脱炭酸して生石灰となる。つま
り、かかる石炭燃焼灰中には、生石灰及び石膏(無水
物)が含まていれる。また、石炭には珪酸質やアルミナ
が含まれており、これらも石炭燃焼灰中に残存する。こ
のように石炭に石灰石を添加して燃焼させるボイラーと
しては流動床式石炭燃焼ボイラーなどがあり、それには
蒸気タービン用の蒸気を発生させるための常圧式のもの
と、蒸気タービンに加えて燃焼ガスをガスタービンに利
用する加圧式のものとがある。
【0011】上記のように、脱硫のため石炭に石灰石を
添加して燃焼させた石炭燃焼灰は、SiO2などの珪酸
質と共に、生石灰(CaO)や石膏(CaSO4)が含
まれているので、水と接触すると水和発熱反応を起こ
し、スラリーの硬化反応に寄与する。更に、CaOは燃
焼灰中に含まれるSiO2と反応し、軽量気泡コンクリ
ートの主要構成鉱物であるトバモライトを生成する。ま
た、石炭燃焼灰に含まれるアルミナ(Al23)は、ト
バモライトの結晶化を促進し、且つ安定化させる特性を
持っている。
【0012】本発明では、かかる石炭燃焼灰を、主原料
である珪酸質原料、石灰質原料及び石膏の全部又は一部
に代えて使用する。石炭燃焼灰の主原料としての配合
は、他の珪酸質原料や石灰質原料と組み合わせても良い
し、主原料の全てを適切な量で含む場合には石炭燃焼灰
のみを用いることも可能である。ただし、石灰燃焼灰の
組成は原料石炭の品質及び石灰石の添加量などによって
変動する可能性があるため、分析などにより予め石炭燃
焼灰の組成を調べ、その組成に基づいて配合設計を行う
ことが望ましい。かかる石灰燃焼灰の組成は、CaO:
15〜45重量%、SiO2:20〜40重量%、Al2
3:5〜20重量%、CaSO4:5〜10重量%、F
23:5〜15重量%の範囲が一般的である。
【0013】尚、石炭燃焼灰を主原料の全部又は一部と
して用いる本発明方法においても、通常の製造方法の場
合と同様に、Ca/Siの比を0.3〜0.9の範囲内、
好ましくは0.45〜0.60の範囲内となるように設定
する。即ち、使用する石炭燃焼灰のCa/Si比が上記
範囲内にない場合には、その石炭燃焼灰に対して珪石又
は珪砂、若しくは生石灰又はセメントなどを添加して、
Ca/Si比を上記範囲内に調整すればよい。また、水
比についても、通常の場合と同様に、 〜程度の範
囲内に設定する。
【0014】一般に、軽量気泡コンクリートの原料とし
てスラグやフライアッシュを添加した場合、それら自身
は反応性を有していないため、型枠への注入発泡から切
断可能な強度が発現するまでに要する硬化時間が長くな
り、工程を遅延させるため好ましくない。ところが、本
発明による石炭燃焼灰を使用する場合、生石灰及び石膏
が含有されているため石炭燃焼灰自体が水和して発熱
し、硬化する性能を有しているため、工程の遅延を招く
ことがない。
【0015】更に、石炭燃焼灰は一般に微粒であるた
め、オートクレーブ中での水和反応も加速され、早期に
強度発現する結果、得られる軽量気泡コンクリートの強
度の向上も認められる。
【0016】
【実施例】主原料の全部又は一部として流動床式石炭燃
焼ボイラーから得られた石炭燃焼灰を使用して、下記の
ごとく軽量気泡コンクリートを製造した。使用した石炭
燃焼灰の成分分析値を下記表1に示した。
【0017】
【表1】石炭燃焼灰の成分分析値(重量%) CaO SiO2 Al2O3 CaSO4 Fe2O3 CaCO3 その他 強熱減量 22 31 7 6 4 20 3 7
【0018】上記表1の組成を有する石炭燃焼灰を使用
し、下記表2に示すように、主原料の配合を行った。
尚、石炭燃焼灰に添加した石炭は二水石膏であり、フラ
イアッシュはJIS A 6201に規定されたものを、
及びスラグはJIS A 6206に規定された高炉スラ
グ微粉末を用いた。次に、オートクレーブでの水蒸気養
生後の絶乾比重が0.5となるように、アルミニウム粉
及び水の添加量を調整して各主原料に加え、混練してそ
れぞれスラリーとした。
【0019】
【表2】試料 燃焼灰 生石灰 石膏 珪石 セメント フライアッシュ スラク゛ Ca/Si比 1 100 − − − − − − 0.71 2 92 5 3 − − − − 0.87 3 72 5 3 20 − − − 0.50 4 50 3 2 30 15 − − 0.54 5* − 3 6 38 25 − − 0.50 6* − 3 2 30 − 50 − 0.67 7* − 3 2 30 − − 50 0.40 (注)表中の*を付した試料は比較例であり、試料5は通常の従来製法による試 料である。
【0020】各試料の混合スラリーは45℃に調節し、
内部に補強用鉄筋を配置した150×600×60cm
の大きさの鉄製型枠に注入して、発泡並びに硬化させ
た。得られた半可塑性体を型枠から取り出し、ピアノ線
により切断した後、180℃、10.5気圧の飽和水蒸
気圧下でオートクレーブ養生することにより、それぞれ
軽量気泡コンクリート(ALC)パネルを得た。
【0021】上記表2の各試料について、スラリーの型
枠注入時から切断可能となるまでの硬化時間(直径45
mmの鉄球を高さ50mmから落下させた時にできる窪
みの直径が25mmとなるまでの時間)、及びオートク
レーブ養生後のALCパネルのブロック部(鉄筋を含ま
ない部分)の圧縮強度を求め、それぞれ下記表3に示し
た。
【0022】
【表3】試料 硬化時間(hr) 圧縮強度(N/mm2) 1 4.7 4.3 2 4.5 4.6 3 4.5 4.8 4 4.0 4.8 5* 4.5 4.8 6* 12 3.3 7* 8 3.1 (注)表中の*を付した試料は比較例であり、試料5は
通常の従来製法による試料である。
【0023】以上の結果から分かるように、石炭燃焼灰
のみを主原料とした本発明の試料1でも、硬化時間は通
常良好とされる4.5〜5.0時間の範囲内になり、圧縮
強度も通常の従来製法による試料5に比べ僅かに劣る程
度であって、ALCパネルとして十分な性能を有してい
た。また、石炭燃焼灰に石膏、生石灰、珪石、セメント
などを混合した本発明の各試料2〜4では、硬化時間や
圧縮強度が従来製法による試料5と同等であるか又は更
に向上する傾向が認められた。
【0024】尚、比較例である試料6は、石炭燃焼灰の
代わりにフライアッシュを用いた場合であるが、硬化時
間が極めて長くなり、圧縮強度も低いため、全く実用に
供し得ないことが分かる。また、比較例の試料7は、石
炭燃焼灰の代わりにスラグを用いた場合であるが、硬化
時間は従来製法による試料5の約2倍となり、圧縮強度
も極めて低いため、やはり実用に供し得ない。
【0025】
【発明の効果】本発明によれば、産業廃棄物である石灰
燃焼灰を主原料として工程上の不都合なく有効に利用で
き、且つ珪酸質原料及び石灰質原料や石膏といった従来
からの主原料も節約できるため、環境汚染の防止に寄与
すると同時に、省資源化に極めて優れた軽量気泡コンク
リートの製造方法を提供することができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 珪酸質原料、石灰質原料及び石膏を主原
    料とする軽量気泡コンクリートの製造方法において、珪
    酸質原料、石灰質原料及び石膏の一部又は全部に代え
    て、石炭に石灰石を添加して燃焼させた石炭燃焼灰を使
    用することを特徴とする軽量気泡コンクリートの製造方
    法。
  2. 【請求項2】 上記石炭燃焼灰はCaOとCaSO4
    含んでいることを特徴とする、請求項1に記載の軽量気
    泡コンクリートの製造方法。
  3. 【請求項3】 上記石炭燃焼灰として、流動床式石炭燃
    焼ボイラーから発生する石炭燃焼灰を使用することを特
    徴とする、請求項1又は2に記載の軽量気泡コンクリー
    トの製造方法。
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