JP2000117987A - 画像形成方法および画像形成装置 - Google Patents

画像形成方法および画像形成装置

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JP2000117987A
JP2000117987A JP10294286A JP29428698A JP2000117987A JP 2000117987 A JP2000117987 A JP 2000117987A JP 10294286 A JP10294286 A JP 10294286A JP 29428698 A JP29428698 A JP 29428698A JP 2000117987 A JP2000117987 A JP 2000117987A
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liquid
colored particles
thin film
image
electric field
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JP10294286A
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English (en)
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Yoshinori Machida
義則 町田
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Fuji Xerox Co Ltd
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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)
  • Accessory Devices And Overall Control Thereof (AREA)
  • Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 記録媒体として普通紙を使用した場合も、画
像に滲みや裏抜け等がなく、充分な画像濃度を有すると
ともに、耐水性および耐光性にも優れている画像を安定
的に形成し得る画像形成方法、および画像形成装置を提
供することである。 【解決手段】 液体2の表面に着色粒子を供給する着色
粒子供給手段6と、供給された着色粒子を液体の表面に
展開し、液体の表面に着色粒子からなる薄膜を形成する
薄膜形成手段7と、画像情報に応じて液体に電界を作用
させ、表面に着色粒子からなる薄膜が形成されている液
体から、表面に着色粒子を付帯した液滴を静電的引力に
より飛翔させ、記録媒体に付着させる電界発生手段9
と、記録媒体を液体の表面と対向する位置に搬送する搬
送手段とを備えている画像形成装置である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、微小な着色粒子を
用いて画像を形成する方法、およびこの方法を利用した
画像記録装置に関するものであり、複写機、プリンタ、
FAX、印刷機等の画像形成装置全般に利用され得る画
像形成方法、および画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真方式をはじめとする種々
のノンインパクト記録方式の画像形成装置が開発されて
いる。中でも、低価格化、低ランニングコスト化、装置
の小型化が可能であり、静音性に優れるオンデマンド型
のインクジェット記録方式が近年、特に注目されてきて
おり、種々のインクジェット記録装置が開発、商品化さ
れている。一般的には、インクジェット記録方式の画像
形成装置は、画像信号に基づいて微小なインク滴を吐出
し、所望の記録媒体にインクを付着させて画像を形成す
るものである。従って、インクの特性がインク滴の飛翔
および画像の特性に大きな影響を与える。
【0003】インクジェット記録方式の画像形成装置に
使用されるインクは、色材に着目すると大きく2つに分
けられ、一つは水溶性染料を水に溶解したものであり、
もう一方は、顔料あるいはこれを含有する樹脂粒子を水
に分散させたものである。現在主流であるのは、インク
の物理的特性が経時変化せず安定で、ノズルの目詰まり
の発生が少ない染料系のインクである。しかしながら、
染料系のインクを使用した場合、出力画像に関して、幾
つかの大きな問題点がある。一つは、インクが記録媒体
に浸透することによって発生する問題で、滲み(フェザ
リング)、画像濃度の低下、および裏面から画像が見え
てしまう、いわゆる裏抜けの現象であり、特に、普通紙
に印字した際に、このような問題は顕著となる。これら
の問題は、染料が水と一緒に紙の表面上を移動して、紙
表面の繊維に沿って広がったり(フェザリング)、紙の
内部に浸透してしまう(濃度の低下や裏抜け)ために発
生する。
【0004】もう一方の問題点としては、水溶性染料の
材料特性に起因する問題であり、出力画像の耐水性およ
び耐光性に関する問題点である。水溶性染料によって形
成さている画像は、印字後に乾燥、定着を行っても、紙
面上に水分が供給されると染料が溶解してしまい、滲み
が発生してしまうことがあり、画像の耐水性が低いとい
う問題がある。また、水溶性染料自体の耐光性が低いた
め、出力画像を長時間日光に曝すと画像の退色が著し
く、画像の耐光性が低いとうい欠点があり、このような
目的の記録物の出力には適さない。
【0005】これに対し顔料系のインクは、顔料粒子や
顔料を含有する粒子を、溶媒である水に分散した状態で
あるので、粒子の大きさ等をコントロールすれば、顔料
粒子が水とともに記録媒体に浸透していくのを防止する
ことができる。その結果、顔料粒子を、記録紙の表面あ
るいは表面近傍にトラップさせることができるので、前
記フェザリングや裏抜け現象、および画像濃度の低下の
問題を解決できる可能性がある。さらに、顔料は、染料
に比べて耐光性に優れ、さらに記録媒体に定着してしま
えば、耐水性も優れるという特徴がある。このようなこ
とから、例えば、特開平7−278481号公報、特開
平7−310038号公報、および特開平9−1655
38号公報等で提案されているように、近年、顔料系イ
ンク、およびこれを使用したインクジェット記録装置の
研究・開発が盛んに行われている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、着色粒子を水
に分散した顔料系インクをインクジェット記録装置に使
用すると、以下に示すような問題が生じる。まず、着色
粒子の分散安定性が低く、顔料系インクを長時間放置し
ておくと、着色粒子が水中で凝集、沈殿してしまうとい
う問題がある。着色粒子が大きい程この現象は顕著であ
り、粒子を非常に小さく、例えば100nm以下にすれ
ば、分散安定性をある程度高くすることができる。しか
し、このように着色粒子がこの程度まで小さいと、イン
クが記録紙に浸透する際に、着色粒子は記録紙の繊維等
にトラップされず、染料系のインク同様、分散媒である
水とともに記録紙表面を移動したり、あるいは記録紙中
に浸透してしまい、滲みや裏抜け、発色濃度の低下が発
生してしまう場合がある。
【0007】また、画像濃度を高くするために、インク
中の着色粒子の濃度を高くすると、粒子間の作用力が大
きくなってインクの粘度が高くなってしまい、インク滴
が安定してノズルから吐出できなくなることがある。ま
た、水の蒸発により、経時的にインクの粘度が上昇する
と、ノズルやスリットを使用した従来のインクジェット
方式の場合、インクの吐出不良や、さらには凝集粒子に
よるノズルの目詰まりが非常に発生しやすくなる。この
ように、着色粒子を水に分散したタイプの顔料系インク
を用いる画像形成方法においては、高い印字安定性を長
期的に維持することが困難であった。
【0008】本発明は、前記問題点に鑑みなされたもの
であって、記録媒体として普通紙を使用した場合も、画
像に滲みや裏抜け等がなく、充分な画像濃度を有すると
ともに、耐水性および耐光性にも優れている画像を安定
的に形成し得る画像形成方法、および画像形成装置を提
供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、(A)液体の
表面に着色粒子からなる薄膜を形成する工程と、(B)
画像情報に応じて液体に電界を作用させ、表面に着色粒
子からなる薄膜が形成されている液体から、表面に着色
粒子を付帯した液滴を静電的引力により飛翔させ、記録
媒体または中間転写媒体に付着させる工程とを含む画像
形成方法である。
【0010】また、本発明は、液体の表面に着色粒子を
供給する着色粒子供給手段と、供給された着色粒子を液
体の表面に展開し、液体の表面に着色粒子からなる薄膜
を形成する薄膜形成手段と、画像信号に応じて液体に電
界を作用させ、表面に着色粒子からなる薄膜が形成され
ている液体から、表面に着色粒子を付帯した液滴を静電
的引力により飛翔させ、記録媒体に付着させる電界発生
手段と、記録媒体を液体の表面と対向する位置に搬送す
る搬送手段とを備えている画像形成装置である。
【0011】本発明の画像形成方法および画像形成装置
においては、着色粒子は、液体中に分散しているのでは
なく、液体の表面に薄膜を形成しているので、従来の顔
料系インクにおいて問題となっていたインクの分散安定
性の低下等の問題は解決されている。また、本発明によ
れば、画像を形成する直前に、着色粒子を表面に供給す
ることが可能となり、着色粒子と液体とを別々に保持す
ることができる。また、従来のインクジェット方式の記
録装置に用いられていたノズルやスリットは使用しない
ので、ノズルの目詰まり等による吐出安定性の低下の問
題は解決されている。
【0012】前記(B)工程において、画像情報に応じ
て液体に超音波振動を作用させて液体の表面を隆起さ
せ、表面が隆起している液体に電界を作用させると、液
滴の吐出がより安定的に行えるので好ましい。また、該
隆起部の高さを画像情報に応じて変えると、消費エネル
ギーの低減および外乱に対する安定性をより高くできる
ので好ましい。
【0013】液体の表面を隆起させる態様としては、前
記電界発生手段が、画像信号に応じて液体に電界を作用
させるとともに、画像信号に応じて液体に圧力を作用さ
せることによって、液体の表面を少なくとも瞬間的に隆
起させる態様や、超音波振動供与手段を付加して超音波
振動によって生じる放射圧を利用する態様が好ましい。
【0014】液体の表面に着色粒子からなる薄膜を形成
する薄膜形成手段が、液体に振動を作用させることによ
って着色粒子を液体の表面に展開し、液体の表面に着色
粒子からなる薄膜を形成する手段であると、安定的に薄
膜を形成できるので好ましい。さらに、薄膜形成手段
が、液体に超音波振動を作用させることによって、液体
の表面を隆起させ、着色粒子を液体の表面に展開して、
液体の表面に着色粒子からなる薄膜を形成する手段であ
ると、薄膜の再生をより迅速に行うことができるので好
ましい。また、前記超音波振動供与手段を省略できるの
で、装置をより小型化できるので好ましい。
【0015】前記着色粒子供給手段によって供給される
着色粒子があらかじめ帯電されていて、前記電界発生手
段が、画像信号に応じて液体に電界を作用させるととも
に着色粒子にも電界を作用させると、非画像部への着色
粒子の付着を効果的に防止できるので好ましい。
【0016】画像形成装置が中間転写媒体から記録媒体
に画像を転写する転写手段を備えていると、画像形成に
要するエネルギーを低減できるとともに、画像の位置ず
れを防止できるので好ましい。また、さらに定着手段を
備えていると、得られる画像の画像強度を高くすること
ができるので好ましい。
【0017】
【発明の実施の形態】1.画像形成方法 本発明の画像形成方法を図2を用いて簡単に説明する。
図2は本発明の画像形成方法の過程を模式的に示した図
である。まず、着色粒子1の薄膜を透明液体2の表面に
形成する(図2(a))。次に、図2(b)に示すよう
に、画像情報に応じて、液体2に電界を作用させると、
液体の表面の一部が、着色粒子1を表面に付帯したまま
記録媒体3の方へ静電的引力により引き付けられる。液
体2は着色粒子1を表面に付帯したまま、記録媒体3
(または転写中間媒体)の所定の位置に付着し、画像の
一部を構成しているドットとなる(図2(c))。
【0018】図3(a)および(b)に、電界の作用に
よって、液体2が記録媒体の方向へ引き付けられる様子
を示す。(a)は、液体2の電界を作用された部分が、
表面に着色粒子を付帯した液滴4aとなって吐出し、記
録媒体3の方向に引き付けられる様子を示す。一方
(b)は、液体2の電界を作用された部分が、表面に着
色粒子を付帯した液柱となって、記録媒体3の方向に引
き付けられる様子を示す。(a)および(b)の状態
は、液体2に作用させる電界の強度や印加時間、液体2
の表面から記録媒体3までの距離、液体2の粘度および
表面張力等の条件によっていずれの状態にもなり得るも
のであり、本発明の画像形成方法においては、いずれの
状態を経て液滴4が記録媒体等に付着してもよい。ま
た、(a)および(b)の状態は、明確に区別できるも
のではなく、(b)の状態を経た後、(a)の状態とな
って、記録媒体等に付着する場合もある。尚、説明を簡
単にするために本明細書では、(a)および(b)の状
態のいずれの状態を経過しているかにかかわらず、「液
滴」と表現するが、(a)の状態を経る場合に限定する
ものではない。
【0019】着色粒子からなる薄膜を液体の表面に形成
させるには、液体の表面に着色粒子を供給し、液体の表
面に着色粒子を浮揚させた後、液体に振動を作用させる
ことにより行うことができる。図4に、液体に振動を作
用させることによって、液体の表面に着色粒子からなる
薄膜(以下、「粒子薄膜」という場合がある。)が形成
される様子を模式的に示す。着色粒子1は、凝集状態で
液体2の表面に浮揚している(図4(a))。液体に接
触している着色粒子1aには、液体2との付着力F1
と、着色粒子1bとの付着力F2が作用している。液体
2に直接接触していない着色粒子1bおよび着色粒子1
cには、着色粒子間の付着力F2が作用している。両物
体間の付着力は、物体が接触している面積が大きいほど
大きくなる傾向があるので、通常、F2<F1が成立し
ている(図4(b))。
【0020】着色粒子1aに対する振動による作用力F
3が、F2<F3<F1となるように、振動子等に高周
波電圧を印加し、液体に振動を作用させる。粒子1aは
液体表面から振動による作用力F3を受けるが、F1が
F3より大きいので、粒子1aは液体表面に保持され
る。一方、粒子1bは、粒子1aを介して振動による作
用力F3’を受けるが、F3’はF2より大きいので、
粒子1aとの付着力F2による拘束がなくなり、粒子1
aとの接触・非接触を繰り返すようになる。粒子1bの
上層に位置する粒子1cは、着色粒子間空隙が多く、ま
た、着色粒子の自由度が大きいので、着色粒子1cに対
する振動による作用力F3’’はさらに減衰していて、
F2はF3’’より大きくなっている。その結果、図4
(c)に示すように、着色粒子1bおよび着色粒子1c
は、凝集状態を保持したまま、着色粒子1aの上を移動
する。その後、着色粒子1b等の凝集着色粒子は、着色
粒子1aが存在していない液体2の表面に順次到達し、
液体2との付着力F1により液体2の表面に保持され、
薄膜の一部を構成するようになる。
【0021】図4(d)に示すように、液体2の表面に
接触している着色粒子1aは、液体2の表面上で2次元
移動(図4中、上下方向の移動を含まず、左右方向の移
動を示す。)が可能であるので、着色粒子1a間の粒子
間引力と液架橋力(固体と液体の濡れによる毛管力)と
の合成力である凝集力F4によって、液体2の表面にお
いて、2次元的に凝集される。従って、液体2の表面に
凝集状態で浮揚していた着色粒子1は、液体2の表面に
展開されるとともに、高密度配置をとるようになる。そ
の結果、液体表面2には、高密度であり、かつ 均一な
密度を有する着色粒子1からなる薄膜が形成される。振
動による作用力F3が凝集力F4よりも大きくなる場合
は、粒子薄膜の密度が低下することがある。従って、F
3の大きさはF3<F4となるように決定する。振動の
作用力F3は、振動の振幅を調節することにより所望の
大きさに設定することができ、具体的には、振動を作用
させる振動子に印加する電圧を調節することによって好
ましい範囲に設定することができる。尚、着色粒子を表
面に付帯した液滴が吐出されると、粒子薄膜は一時的に
破壊されるが、液滴による液面の変形を回復しようとす
る液体表面の流れと、着色粒子間の液体の表面における
凝集力F4によって粒子薄膜は復元される。
【0022】液体に作用させる振動の周波数は、用いる
液体や粒子の物性によって、適宜決定すればよい。液体
に作用させる振動は高周波振動であると、粒子薄膜の形
成が安定的に行えるので好ましく、100Hz〜100
kHz程度であるのが好ましい。
【0023】前記方法により着色粒子の薄膜を形成すれ
ば、着色粒子1は画像を形成する直前に液体表面に供給
すればよく、画像形成装置において、着色粒子1と液体
2を別々に保持しておくことが可能となる。従って、従
来の顔料分散系のインクで問題となっていた、着色粒子
の凝集や沈殿、および着色粒子が経時的に濃度変化する
ことに伴うインク粘度の変化等を防止することができ
る。
【0024】着色粒子からなる薄膜を液体の表面に形成
させる他の方法として、液体の表面に着色粒子を浮揚さ
せた後、液体に超音波振動を作用させ、これによって発
生する放射圧を利用する方法が挙げられる。図5に、液
体に超音波振動を作用させることによって、液体の表面
に着色粒子からなる薄膜が形成される様子を模式的に示
す。液体2の内部から液体2の表面に向かって超音波振
動を作用させると、液体2中に放射圧が発生し、図5
(a)に示すように、液体2の表面に隆起部5(円錐
形)が形成される。隆起部5には、図5(b)に示すよ
うな渦状の流れが発生し、液体表面に浮揚している粒子
1は、複数の粒子が集まった凝集体として、この流れと
ともに移動している。
【0025】隆起部5の流れに従って移動している粒子
1には、前記と同様のF1〜F4の作用力が加えられて
いるとともに、さらに、図5(c)に示すように、隆起
部5に発生している流れの作用力F5と、自重の作用力
F6が作用している。粒子1は、凝集体として隆起部5
の頂点方向に移動している間に、粒子1bおよび粒子1
cは凝集状態を維持したまま隆起部5の傾斜面を滑り落
ち、粒子1aのみが液体2の表面に保持され、隆起部5
の頂点まで移動することができる(図5(c))。粒子
1b等は、隆起部5を滑り落ちた後、粒子1aが存在し
ていない液体2の表面に到達し、液体2との付着力F1
により液体2の表面に保持され、粒子薄膜の一部を構成
するようになる。その後、前記凝集力F4によって、粒
子1は液体2の表面で、2次元的に凝集され、高密度で
あり、かつ 均一な密度の粒子薄膜が液体2の表面に形
成される。尚、放射圧による隆起部5を形成する超音波
振動の周波数は、数100kHz〜数100MHzの範
囲であり、中でも1MHz〜100MHzの範囲である
と効率的に粒子薄膜を形成することができる。
【0026】この方法によって、粒子薄膜を形成する場
合も、着色粒子1は画像を形成する直前に液体表面に供
給すればよく、画像形成装置において、着色粒子1と液
体2を別々に保持しておくことが可能となる。また、液
体に超音波振動を作用させて粒子薄膜を形成すると、隆
起部5には、常に、図5(b)に示すような、隆起部5
の頂上に向かう流れが生じている。従って、液滴3を、
超音波振動の放射圧によって生じた隆起部5から吐出さ
せるようにすれば、液滴3が吐出し着色粒子1が失われ
ている場所に、直ちに、着色粒子1が移動し供給される
ため、薄膜の再生をより迅速に行うことができる。
【0027】液滴3の吐出のために、画像情報に応じて
液体に供与する電界の大きさは、液体の表面張力、粘
度、および導電率等に応じて適宜決定すればよい。
【0028】記録媒体への液滴の付着が終了しても、液
体の表面は、静電的引力の影響で波立っている。この波
立ちによる液面の変位が大きいと、液滴の印字安定性は
低下することになる。本発明では、液体の表面に粒子薄
膜が形成されているので、この波立ち対して、着色粒子
の粒子間力が摩擦抵抗として働き、液面が変位するのを
抑制している。従って、本発明の画像形成方法では、残
留振動やクロストークの影響が大幅に低減されていて、
ノズルやスリットを使用しなくても、安定的に印字する
ことができる。
【0029】着色粒子1を予め帯電し、液体2に電界を
作用させる際に、着色粒子1にも電界を作用させてもよ
い。あらかじめ着色粒子1を帯電しておき、画像部にお
いては着色粒子1に静電的引力が作用するように電界を
供与し、非画像部においては着色粒子1に静電的反発力
が作用するように電界を供与することによって、非画像
部におけるノイズの発生をより防止できる。
【0030】本発明の画像形成方法に用いられる着色粒
子の材質、大きさ等については、特に制限はなく、使用
する液体に対して化学的に安定で、濡れにくく、かつ、
液体の表面に浮揚するように選択すればよい。また、元
々、表面エネルギーが大きく、用いる液体に対して濡れ
やすい粒子であっても、粒子の表面に疎水化処理等の化
学的処理を施せば、好適に用いることができる。例え
ば、液体として水を用いる場合は、ポリスチレン系樹脂
や、ポリエステル系樹脂を結着樹脂として用い、これに
イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック等の顔料を含有
させた着色粒子等を好適に用いることができる。
【0031】着色粒子の大きさについても特に制限はな
いが、粒径が0.5μm〜20μmの範囲であるのが好
ましく、1μm〜3μmであるのがより好ましい。粒子
径が大きい着色粒子を使用すれば、紙等に液滴3が付着
した後、着色粒子は、紙の表面近傍の繊維にトラップさ
れるので、水とともに紙中に浸透したり、紙の表面上を
水とともに移動しない。その結果、得られる画像に滲み
や裏抜け等がない、高画質な画像を形成することができ
る。一方、着色粒子の粒径が大きすぎると、画像に光沢
ムラが生じる場合がある。
【0032】用いる液体についても特に制限はなく、粒
子との組み合わせで、種々の液体を用いることができ
る。表面張力が高く、粘度が低い液体が好ましいが、中
でも、安全性の観点から、水を用いるのが好ましい。ま
た、液体は、滲みや混色等による画質の低下を防止する
ため、透明であるのが好ましい。
【0033】2.画像形成装置 図1に、本発明の画像形成装置の一例の概略断面図を示
す。図1(a)は概略断面図を、(b)はI方向から見
た概略正面図を示す。液体2は保持容器15に保持され
ている。液体2は、供給手段(不図示)により、適宜保
持容器15に供給されるようになっている(図中、液体
2の供給される方向をmで示した。)。保持容器15の
外部には、着色粒子を供与する着色粒子供与手段6が配
置されていて、液体2の表面に着色粒子1を適宜供給し
ている(図中、着色粒子の供給される方向をnで示し
た。)。保持容器15の底面の一部は振動板8で形成さ
れていて、この振動板8に接触するようにセラミックス
製またはプラスチック製等の振動子7が配置されてい
る。振動子7は、高周波電源(不図示)からの電圧の供
与により振動し、この振動が振動板8を介して液体2に
伝わるようになっている。振動が液体2に伝わると、振
動の作用により液体2の表面に、凝集し浮揚していた着
色粒子1が展開し、薄膜が形成される。尚、着色粒子供
給手段6は、着色粒子1を搬送して、液体2に供給する
機構を備えているものであればよく、例えば、ロールや
ベルトを構成部材とする手段や、振動板を構成部材とす
る粉体搬送機構を有する手段等が挙げられる。また、内
部にブレード等、着色粒子1をあらかじめ摩擦帯電する
機構を備えていてもよい。
【0034】一方、保持容器15の内部には電界発生手
段として、所望の解像度となる数の電極11が配列され
ている電極アレイ9が設置されている。電極アレイ9
は、電源に接続されていて、画像情報に応じて所定の電
極11に電圧が印加されるようになっている。電極アレ
イ9の位置は、液体の表面から100μm〜500μ
m、対向電極10から300μm〜1000μmの範囲
となるよう設置されているのが好ましい。所定の電極1
1に画像情報に応じて電圧が印加されると、対向電極1
0との間で電界が形成され、電界が形成された部分の液
体2は、表面に着色粒子1を付帯したまま静電力により
対向電極10へ引き付けられる。液体2は、表面に着色
粒子1を付帯した液滴となって、搬送手段(不図示)に
よって液面と微小間隔を隔てて対向する位置に配置され
ている記録媒体(不図示)等の所定の位置に付着する。
【0035】電界発生手段は、画像情報に応じて所望の
位置にある液体2に、電界を作用させ、液滴を飛翔させ
得るものであればいずれの構成であってもよい。例え
ば、図1において、対向電極10を接地し、電極アレイ
9に電圧を印加してもいいし、対向電極10にバイアス
電圧を印加しておいてもよい。さらに、対向電極10を
電極アレイとして、これに画像情報に応じて電圧を印加
してもよいし、対向電極10と、液体2に配置する電極
11の双方を電極アレイとして、双方に画像情報に応じ
て電圧を印加してもよい。
【0036】図1の振動子7は、液体保持容器15の底
面に配置されている必要はなく、液体2に振動が作用さ
れるように配置されていればよい。例えば、図6に示す
ように、保持容器15の側面部に設置されていてもよ
い。また、図7に示すように、保持容器15の底面全部
を、振動板8で形成することにより、効率的に振動を液
体2に作用させることもできる。さらに、振動子7とし
ては、液体2に高周波振動を作用させ、液体の表面に粒
子薄膜を形成できるものであれば特に限定されない。圧
電素子等を好適に用いることができる。また、圧電素子
以外にも、交番磁界を利用した振動子や、静電アクチュ
エータ等を使用することができる。
【0037】図1においては、電界発生手段として電極
11をアドレス指定可能なように配列した電極アレイ9
を利用しているが、これに限定されず、例えば、発熱素
子を同様に配列したアレイ状の発熱素子を利用すること
もできる。発熱素子に電圧が印加されると、発熱素子が
発熱し、近傍の液体を膜沸騰させる。これにより、電圧
が供与された発熱素子と液体との界面に気泡が発生し、
気泡の発生によって生じる体積変化によって液体2に液
面方向への圧力が生じ、液体の表面が一部隆起する。一
方、対向電極と発熱素子との間には電界が形成されてい
るので、この電界の作用により、液体表面の隆起部には
電界で誘起された電荷が集中する。従って、液体表面の
隆起部は、強い静電的引力により対向電極の方向に引き
付けられ、表面に着色粒子を付帯した液滴として飛翔す
る。このように、発熱素子等の圧力発生機構をも有する
電界発生手段を用いると、液体の表面に隆起部を形成
し、該隆起部から液滴を飛翔させることができるので、
より低いエネルギーの供与により、効率的かつ安定に画
像を形成できる。
【0038】図8に、圧力発生機構を有する電界発生手
段を備えている画像形成装置の他の例を示す。図1と共
通する部材については、同一の番号を付し、説明を省略
する。液体保持容器15の底面には、圧電素子7が設置
されていて、内部には、開口部13の外縁が電極11で
形成されているとともに、底部に圧電素子7aが設置さ
れている液室12が設けられている。圧電素子7aには
電源(不図示)から電圧が印加されるようになってい
る。圧電素子7aに電圧が印加されると、圧電素子7a
は変位し、液室12内部の体積が変化する。その結果、
開口部13から液体表面に向かう圧力が生じ、液体2の
表面が一部隆起する。一方、対向電極10と電極11と
の間には電圧の供与により、電界が形成されているの
で、この電界の作用により、液体表面の隆起部には電界
で誘起された電荷が集中する。従って、液体表面の隆起
部は、強い静電的引力により対向電極10の方向に引き
付けられ、表面に着色粒子を付帯した液滴として飛翔す
る。
【0039】図9に、超音波発生手段を備えている本発
明の画像形成装置の一例を示す。図1と共通する部材に
ついては、同一の番号を付し、説明を省略する。保持容
器15の底面には、超音波振動供与手段としてセラミッ
ク製またはプラスチック製の圧電素子7bが配置されて
いる。一方、液体保持容器15の内部には、複数の開口
部13が所定の間隔で配置されているプレート14(図
9(b))が設けられている。開口部13の外縁には電
極11が設けられていて、各々の電極は、電圧の供与に
より対向電極10との間で電界を形成するようになって
いる。
【0040】圧電素子7bに電源(不図示)から高周波
電圧が印加されると、圧電素子7bは超音波振動する。
この振動は、プレート上に設けられている各々の開口部
13から液体表面に伝達される。液体2の表面には超音
波振動によって生じる放射圧により、隆起部5が生じ
る。これによって、着色粒子1が液体2の表面に展開し
ていき、粒子薄膜が液体2の表面に形成される。一方、
画像情報に応じて、電極11に電圧が印加されると、対
向電極10と電極11との間には電界が形成され、この
電界が作用している液体表面の隆起部には、電界で誘起
された電荷が集中する。従って、電界の作用があった液
体表面の隆起部は、強い静電的引力により対向電極10
の方向に引き付けられ、表面に着色粒子を付帯した液滴
として飛翔する。
【0041】この態様の画像形成装置においては、液滴
は液体表面に形成された隆起部5から飛翔していくの
で、液滴が飛翔した後、前記したように、隆起部5の頂
点方向に向かう流れにより、迅速に粒子薄膜が再生さ
れ、印字周波数を向上させることができる。また、前記
したように、隆起部5に電荷が集中するので、より低い
エネルギーの供与により、効率的に画像を形成でき。
尚、図9では、圧電素子7bが薄膜形成手段と超音波振
動供与手段として機能しているが、この構成に限定され
ず、例えば、薄膜形成手段として機能する素子と、超音
波振動供与手段として機能する素子を別個独立に設けて
もよい。
【0042】液体表面には、常に、超音波振動供与手段
によって隆起部が形成されている必要はなく、画像情報
に応じて印字領域(電界が形成されている領域)にのみ
隆起部が形成されるように、超音波振動の振幅の大きさ
を制御するのが好ましい。このように制御することによ
り、画像形成に消費されるエネルギーを低減でき、さら
に、電界を作用させていない隆起部から外乱によって不
要な液滴が飛翔し、画像ノイズとなるのを防止できる。
具体的には、画像信号処理の段階で、隆起部形成のため
の信号を形成し、この信号に応じて、圧電素子等に印加
される電圧を変化させればよい。隆起部形成のための信
号の入力は、電界発生手段へ入力される画像信号と同期
させてもよいが、例えば、図10に示すように、隆起部
形成のための信号(b)を、画像信号(a)が入力され
る1msec〜10msec前に入力し、画像信号の入
力が停止してから10msec〜100msec遅らせ
て停止する。このように、隆起部形成のための信号を画
像信号より早いタイミングで入力することにより、常に
隆起部から液滴を飛翔させることができるので、粒子薄
膜の再生を迅速に行うことができる。また、隆起部形成
のための信号の停止を画像信号の停止より遅らせ、徐々
に電圧を下げながら停止させることによって、液体表面
が変形することによる粒子薄膜の破壊等を防止すること
ができる。
【0043】図11に、本発明の画像形成装置の他の態
様を示す。この画像形成装置においては、圧電素子7c
が、薄膜形成手段および電界発生手段(および超音波供
与手段)として機能している。図1と共通する部材につ
いては、同一の番号を付し、説明を省略する。保持容器
15の底面には、アレイ状の圧電素子7cが配置されて
いる。いずれの圧電素子7cにも電源(不図示)から高
周波電圧が印加されていて、圧電素子7cは超音波振動
している。この超音波振動の作用によって液体2の表面
には、粒子薄膜が形成されている。
【0044】一方、圧電素子7cと対向電極10との間
に、画像情報に応じて電圧が供与され、電界が形成され
ると、隆起部5は、対向電極10の方向に静電的引力に
より引き付けられ、液滴として飛翔する。このように、
電界発生手段と、薄膜形成手段の双方の機能を同一の素
子7cに持たせれば、画像形成装置を小型化、低コスト
化することができる。この他にも、対向電極10と圧電
素子7cとの間にバイアス電圧を供与しておき、画像情
報に応じて圧電素子7cへ瞬間的に大きな高周波電圧を
印加し、選択的に隆起部の高さを高くし、液滴を吐出さ
せてもよい。尚、この態様の画像形成装置においては、
液体保持容器15の底面に設置されている圧電素子7c
と対向電極10との距離を、液滴の飛翔が可能なように
調節する必要があるので、液体保持容器15の深さは、
他の態様と比較して短くする必要がある。
【0045】図12は、本発明の多色用の画像形成装置
の一例の構造を概略的に示す断面図である。画像形成装
置は、マゼンタ(M)、シアン(C)、イエロー
(Y)、ブラック(Bk)の着色粒子が格納されている
4つの記録ヘッド17を搭載している。4つの記録ヘッ
ドは液体2を格納している貯蔵部18に接続していて、
適宜、液体2が供給されるようになっている。各々の記
録ヘッド17は、着色粒子供給手段、粒子薄膜形成手
段、および電界発生手段とを備えている。各々の記録ヘ
ッド17は、前記した方法で、各色の着色粒子を表面に
付帯した液滴を、画像信号に応じて、用紙トレイ20か
ら搬送手段16によって搬送されてくる紙等の記録媒体
3に向けて吐出させる。吐出された液滴は、記録媒体3
の所望の位置に付着し、多色の画像を記録媒体3上に形
成する。
【0046】記録媒体は、引き続き搬送手段16によっ
て搬送され、定着手段21に内臓されている押圧ロール
22と約150℃に加熱されている加熱ロール23のニ
ップ部を通過する。この際、押圧ロール22および加熱
ロール22によって加熱・加圧され、画像は記録媒体3
に強固に固定される。画像形成装置が定着手段21を備
えていると、画像強度が向上するので好ましい。特に、
着色粒子と記録媒体との付着力が小さい場合、例えば、
着色粒子の粒径が比較的大きくて、紙の付着力が劣るよ
うな場合に、特に有効である。
【0047】定着手段は前記構成に限定されず、例え
ば、加熱ロール以外にも加熱定着方式の定着手段として
は、加熱パッドとフィルム状部材で構成したものや、強
い光源などを非接触で近接配置させた定着手段等を使用
することができる。また、使用する着色粒子の特性に合
わせ、これを記録媒体に強固に付着させるために有効な
手段を適宜選択することができ、例えば定着剤を含んだ
カプセルタイプの着色粒子を使用する場合は、圧力ロー
ルを配置し、圧力によってカプセルを破壊して定着させ
る方法を利用することもできる。
【0048】また、図13に示すように、無端ベルト状
の中間転写媒体19を設け、記録ヘッド17から中間転
写媒体19に同様に画像を形成した後、搬送手段16に
よって搬送されてくる記録媒体に転写してもよい。中間
転写媒体19として表面が平滑で薄いフィルム等を使用
すると、電極間距離を制御しやすくでき、さらに電極間
距離を小さくできるので、エネルギー効率を改善するこ
とができる。また、液滴の飛翔距離を小さくできるので
位置ずれも小さくできる。また、中間転写媒体として、
金属ベルト等の少なくとも表面が導電性を有するベルト
を使用すれば、中間転写媒体を対向電極として使用する
ことができるので、画像形成装置の構成が簡素化せき
る。
【0049】
【実施例】以下、実施例を挙げて、本発明をさらに詳細
に説明するが、本発明は、これに限定されるものではな
い。実施例1 図1と同様な画像形成装置を用い、粒径の異なる5種類
の着色粒子(0.5μm、1.0μm、3.0μm、
5.0μm、7.0μm、いずれもポリスチレン系樹脂
を結着樹脂として用いた。)と、液体2として純水を使
用して、以下のように、インクジェット用記録紙、上質
紙、および再生紙に画像を記録した。電極アレイ11と
して、40μm角の微小電極12が70.6μmピッチ
で千鳥格子配列に2列に並べられている720dpiの
電極アレイを用いた。電極アレイ11と対向電極10と
の距離は、800μmであった。圧電素子7(共振点は
700Hz、1.8kHz、11.6kHz、および2
2.4kHz)に、周波数22.4kHzで正弦波電圧
±30Vを与えて、純水に振動を作用させたところ、い
ずれの着色粒子についても約10秒以内に純粋2の表面
に着色粒子からなる薄膜が形成された。その後、電極1
1に対向電極10との間で形成される電界が4V/μm
となるように電圧を印加したところ、電圧を供与した電
極11の上部の液面から液滴が吐出し、液面と対向して
いる記録紙に液滴が付着した。
【0050】得られた画像について、画像濃度、ドット
径、および画像の裏抜けを調べた結果を表1に示した。
【0051】
【表1】
【0052】粒径が3μm以上の着色粒子を使用した場
合、着色粒子は用紙の表面および表面近傍にトラップさ
れており、記録媒体の種類によらず、滲みや裏抜けはほ
とんど発生しなかった。また、ドットが真円に近く、画
像のざらつき感も同時に改善された。さらに画像濃度
も、1.5以上を達成することができた。着色粒子の粒
径が1.0μm以下になると、僅かに滲みが発生し、濃
度も若干低下したが、染料系のインクを使用した比較例
1と比較すると、低下の程度は格段に小さかった。比較
例1は、市販のインクジェット用水性インク(染料系イ
ンク)を使用して、本実施例で使用した記録ヘッドを用
いて印字したものである。インクと水の表面張力はあら
かじめ同等に調整した。尚、表1中、裏抜けの評価の基
準は、以下に示すとおりである。 ◎ : 得られた画像には、裏抜けはまったく認められ
なかった。 ○ : 得られた画像には、僅かに裏抜けが発生してい
たが、実用上問題はなかった。 × : 得られた画像には、裏抜けが発生していた。
【0053】実施例2 図1の画像形成装置に設置されている電極アレイ9を、
発熱素子が同様に配列されている720dpiの発熱素
子アレイに代えた以外は同様な構成の画像形成装置を使
用した。対向電極10と発熱素子アレイにバイアス電圧
を印加し、約2.5V/μmの電界を液体に作用させ
た。この状態で、圧電素子7(共振点は700Hz、
1.8kHz、11.6kHz、および22.4kH
z)に、周波数22.4kHzで正弦波電圧±30Vを
与えて、純水に振動を作用させたところ、約10秒以内
に純水2の表面に着色粒子からなる薄膜が形成された。
その後、画像情報に応じて発熱素子に30Vの電圧を3
μ秒だけ印加したところ、電圧を印加した発熱素子の上
部に位置する水面から液滴が吐出し、液面と対向してい
る記録紙に液滴が付着した。
【0054】実施例3 図9と同様な画像形成装置を用いて、以下のように画像
を形成した。液体保持容器15の底部に、セラミック系
の圧電素子7b(共振周波数5MHz、直径300μ
m)を420μmのピッチで千鳥格子状に配列して設置
した。各々の圧電素子7bに周波数5MHzで±25V
の正弦波電圧を印加したところ、着色粒子の薄膜を約2
0秒以内に形成することができた。尚、圧電素子7bの
超音波振動により水面に隆起部5が形成されているのを
目視にて確認した。液体保持容器15内に設置されてい
るプレート14には、直径200μmの開口部13が設
けられ、この開口部13の外縁には電極11が配置され
ていて、600dpiの電極アレイを構成していた。電
極アレイから対向電極10までの距離は、実施例1と同
様である。電極11に、対向電極との間で形成される電
界が2.5V/μmとなるように電圧を印加したとこ
ろ、液滴が吐出し、液面と対向している記録紙に画像ド
ットが形成された。
【0055】次に、3μmの着色粒子を使用した場合
に、直径30μmの液滴を吐出させた後に、粒子薄膜が
再生されるまでに要する時間を調べた。粒子薄膜の再生
の有無は、高速カメラにて観察して確認した。実施例1
で用いた画像形成装置では、粒子薄膜が再生されるまで
に約200μ秒を要したのに対して、実施例3では、1
00μ秒以下で粒子薄膜が再生できた。従って、隆起部
5から、液滴を吐出されると、粒子薄膜の再生が迅速化
できることが実証された。
【0056】実施例4 図11と同様な画像形成装置を用いて、以下のように画
像を形成した。圧電素子7cとして、実施例3で用いた
圧電素子7bと同様なものを用い、配列も同様とした。
対向電極10と圧電素子7cの距離は約1μmとした。
対向電極10と圧電素子7cとの間には、約2V/μm
の電界が形成されるようにバイアス電圧を供与した。次
に、圧電素子7cに正弦波電圧±20Vの電圧を印加し
て、超音波振動させ、液体に超音波振動を作用して粒子
薄膜を形成した。粒子薄膜が形成された後、圧電素子7
cと対向電極10との間の電界の強さを瞬間的に3V/
μmとしたところ、液面より液滴が吐出し、液面と対向
している記録紙にドットが形成された。
【0057】次に、同様に粒子薄膜が形成された後、圧
電素子7cに50μ秒だけ正弦波電圧±30Vを瞬間的
に印加したところ、液滴が吐出し、液面と対向している
記録紙に画像ドットが形成された。
【0058】
【発明の効果】本発明の画像形成方法および画像形成装
置によって画像を形成すると、記録媒体として普通紙を
使用した場合も、画像に滲みや裏抜け等がなく、充分な
画像濃度を有する画像が得られる。さらに、本発明の画
像形成方法および画像形成装置は、耐水性および耐光性
にも優れている画像を安定的に形成し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の画像形成装置の一例の部分的断面図
である。
【図2】 本発明の画像形成方法の工程を模式的に示し
た図である。
【図3】 本発明の画像形成方法の工程を模式的に示し
た図である。
【図4】 本発明の画像形成方法における、粒子薄膜の
形成過程の一例を模式的に示した図である。
【図5】 本発明の画像形成方法における、粒子薄膜の
形成過程の他の例を模式的に示した図である。
【図6】 本発明の画像形成装置の一例の部分的断面図
である。
【図7】 本発明の画像形成装置の一例の部分的断面図
である。
【図8】 本発明の画像形成装置の一例の部分的断面図
である。
【図9】 本発明の画像形成装置の一例の部分的断面図
である。
【図10】 (a)画像信号のタイミングの例と、
(b)(a)の画像信号のタイミングに対応した隆起部
形成信号のタイミングの一例である。
【図11】 本発明の画像形成装置の一例の部分的断面
図である。
【図12】 本発明の画像形成装置(多色用)の一例の
部分的断面図である。
【図13】 本発明の画像形成装置(多色用)の他の例
の部分的断面図である。
【図14】 本発明の画像形成装置に用いられる定着装
置の一例の概略断面図である。
【符号の説明】
1 着色粒子 2 液体(水) 3 記録媒体 4 液滴 4a 液滴 4b 液柱 5 隆起部 6 着色粒子供給手段 7、7a、7b、7c 振動子(圧電素子) 8 振動板 9 電極アレイ 10 対向電極 11 電極 12 液室 13 開口部 14 プレート 15 液体保持容器 16 搬送手段 17 記録ヘッド 18 液体貯蔵部 19 中間転写媒体 20 用紙トレイ 21 定着手段 22 押圧ロール 23 加熱ロール

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)液体の表面に着色粒子からなる薄
    膜を形成する工程と、 (B)画像情報に応じて液体に電界を作用させ、表面に
    着色粒子からなる薄膜が形成されている液体から、表面
    に着色粒子を付帯した液滴を静電的引力により飛翔さ
    せ、記録媒体または中間転写媒体に付着させる工程とを
    含む画像形成方法。
  2. 【請求項2】 (B)工程において、画像情報に応じて
    液体に超音波振動を作用させて液体の表面を隆起させ、
    表面が隆起している液体に電界を作用させることを特徴
    とする請求項1に記載の画像形成方法。
  3. 【請求項3】 (A)工程の前に、前記着色粒子を帯電
    する工程を有し、前記(B)工程において、液体に電界
    を作用させるとともに、着色粒子にも電界を作用させる
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像
    形成方法。
  4. 【請求項4】 液体の表面に着色粒子を供給する着色粒
    子供給手段と、 供給された着色粒子を液体の表面に展開し、液体の表面
    に着色粒子からなる薄膜を形成する薄膜形成手段と、 画像情報に応じて液体に電界を作用させ、表面に着色粒
    子からなる薄膜が形成されている液体から、表面に着色
    粒子を付帯した液滴を静電的引力により飛翔させ、記録
    媒体に付着させる電界発生手段と、 記録媒体を液体の表面と対向する位置に搬送する搬送手
    段とを備えている画像形成装置。
  5. 【請求項5】 前記電界発生手段が、画像信号に応じて
    液体に電界を作用させるとともに、画像情報に応じて液
    体に圧力を作用させ、液体の表面を少なくとも瞬間的に
    隆起させる圧力を発生させる手段を有することを特徴と
    する請求項4に記載の画像形成装置。
  6. 【請求項6】 液体の表面に着色粒子を供給する着色粒
    子供給手段と、 供給された着色粒子を液体の表面に展開し、液体の表面
    に着色粒子からなる薄膜を形成する薄膜形成手段と、 超音波振動の作用により液体の表面を隆起させる超音波
    振動供与手段と、 画像情報に応じて前記隆起部に電界を作用させ、表面に
    着色粒子からなる薄膜が形成されている液体から、表面
    に着色粒子を付帯した液滴を静電的引力により飛翔さ
    せ、記録媒体に付着させる電界発生手段と、 記録媒体を液体の表面と対向する位置に搬送する記録媒
    体搬送手段とを備えている画像形成装置。
  7. 【請求項7】 前記薄膜形成手段が、液体に振動を作用
    させることによって着色粒子を液体の表面に展開し、液
    体の表面に着色粒子からなる薄膜を形成する手段である
    ことを特徴とする請求項4から請求項6までのいずれか
    1項に記載の画像形成装置。
  8. 【請求項8】 前記薄膜形成手段が、液体に超音波振動
    を作用させることによって、液体の表面を隆起させ、着
    色粒子を液体の表面に展開して、液体の表面に着色粒子
    からなる薄膜を形成する手段であることを特徴とする請
    求項4から請求項6までのいずれか1項に記載の画像形
    成装置。
  9. 【請求項9】 液体の表面を隆起させるとともに、該隆
    起部の高さを画像情報に応じて変える手段を有すること
    を特徴とする請求項5から請求項8までのいずれか1項
    に記載の画像形成装置。
  10. 【請求項10】 液体の表面に着色粒子を供給する着色
    粒子供給手段と、 供給された着色粒子を液体の表面に展開し、液体の表面
    に着色粒子からなる薄膜を形成する薄膜形成手段と、 画像情報に応じて液体に電界を作用させ、表面に着色粒
    子からなる薄膜が形成されている液体から、表面に着色
    粒子を付帯した液滴を静電的引力により飛翔させ、中間
    転写媒体に付着させる電界発生手段と、 中間転写媒体上の着色粒子からなる画像を記録媒体に転
    写する転写手段とを備えている画像形成装置。
  11. 【請求項11】 記録媒体に形成された着色粒子からな
    る画像を定着する定着手段を備えていることを特徴とす
    る請求項4から請求項10までのいずれか1項に記載の
    画像形成装置。
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JP2011073403A (ja) * 2009-10-01 2011-04-14 Ricoh Co Ltd 画像形成方法及び画像形成装置

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