JPH11300970A - 静電式のインクジェットプリンタ装置 - Google Patents

静電式のインクジェットプリンタ装置

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JPH11300970A
JPH11300970A JP10124039A JP12403998A JPH11300970A JP H11300970 A JPH11300970 A JP H11300970A JP 10124039 A JP10124039 A JP 10124039A JP 12403998 A JP12403998 A JP 12403998A JP H11300970 A JPH11300970 A JP H11300970A
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Japan
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ultrasonic
liquid toner
colored particles
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projection
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JP10124039A
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Osamu Tajima
修 田島
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Victor Company of Japan Ltd
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Victor Company of Japan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 液体トナーの供給を安定して行なうことがで
きると共に、凝集された着色粒子を効率的に飛ばして濃
度ムラのない印字や画像形成ができる静電式のインクジ
ェットプリンタ装置を提供する。 【解決手段】 規則的に平面に配列された誘電体よりな
る複数の射出突起4と、帯電された着色粒子Pを含んで
前記射出突起の表面を濡らす液体トナー8と、前記帯電
した着色粒子と同極性の電圧を印加してクーロン力によ
り前記液体トナー中の着色粒子を前記射出突起の先端に
凝集させるバイアス電極13と、前記各射出突起の基部
に対応させて設けられて前記射出突起の突出方向に超音
波を発生させる超音波発生部16と、前記超音波発生部
から発生した超音波を前記射出突起の先端に収束させて
前記凝集した着色粒子を含む液滴8Aを離脱させる超音
波収束レンズ44とを備えるように構成する。これによ
り、バイアス電圧の電界で着色粒子を凝集させ、これを
超音波収束レンズで収束させた超音波で離脱させ、離脱
した液滴を効率的に飛ばして濃度ムラのない印字や画像
形成を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、帯電された着色粒
子を分散させた液体トナーを用い、静電気力により着色
粒子を射出突起の先端に凝集させて超音波振動により射
出突起の先端から離脱させ、記録媒体上に飛翔させて記
録を行なう静電式のインクジェットプリンタ装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、パーソナルコンピュータの出力装
置として、対向する記録紙等の記録媒体に向かってイン
ク粒子を射出させる事により記録紙上に文字や画像を形
成するインクジェット記録方式のプリンタが広く普及し
ている。その中にあって、帯電された着色粒子を分散さ
せた液体トナーを用い、静電気力により着色粒子を記録
紙上に射出させて記録を行う静電式インクジェットプリ
ンタ装置が注目されている。この理由は、バブルの熱膨
張によってノズルからインクを飛び出させるバブルジェ
ット方式のプリンタ装置やピエゾポンプを用いてノズル
からインクを飛び出させるピエゾ方式のプリンタ装置
は、液詰まりの原因となるノズルを用いなければならな
いのみならず、記録の濃淡(階調)をつけるためには内
径の異なる多数のノズルを用意しなければならないのに
対し、静電式のプリンタ装置は、ノズルが不要であるの
みならず、濃淡の形成は電圧パルス幅やパルスの高さを
変えるだけで容易に実現できるからである。
【0003】この静電式のプリンタ装置には、例えば特
開平8−149253号公報や特表平7−502218
号公報等に示されており、先端が尖った電極本体の射出
ポイントに、帯電された着色粒子を絶縁性液体中に分散
させてなる液体トナーを供給し、電極本体の電極に帯電
着色粒子と同極性の電圧を印加してその時発生するクー
ロン力により液体トナーを射出し、記録するものであ
る。画像を形成するためには、帯電着色粒子を射出ポイ
ントに凝集させるバイアス電圧を電極に印加しておき、
画像入力信号に応じて電極に射出電圧を印加して記録を
行う。この静電方式は帯電着色粒子を凝集して射出する
ので高濃度印字が出来ると共に、電極本体の構造がシン
プルなため、電極をライン状に多数並べることによって
射出ポイントを多くしてマルチ射出点とし、高速印字が
容易に出来る特徴を持っている。
【0004】また、他のインクジェットプリンタ装置と
して、超音波を用いたプリンタ装置も次の英語文献に提
案されている[ACOSTIC INK PRINTI
NG:PRINTING BY ULTRASONIC
INK EJECTION](IS&T’s Eig
hth International Congres
s on Advances in Non−Impa
ct Printing Technologies
(1992),411−415ページ)。この装置は、
インク中に沈めた超音波発生装置から超音波を発生さ
せ、これを超音波レンズによってインクの液面に絞り込
むことによって局所的にインクを振動させて微細なイン
クの液滴を分離し、飛翔させるようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、この種の静
電式のプリンタ装置において液体トナーを安定して飛ば
すために重要な点は、射出突起の表面に液体トナーを如
何に安定的に供給し、且つ効率的に着色粒子を飛ばすこ
とができるかという点にある。着色粒子を含む液体トナ
ーの供給量に変動があると、射出される着色粒子の量も
変動して印字や画像に濃度ムラが発生するからである。
この点に関して、上記した公報に開示されているプリン
タ装置では、十分な結果を出すことができないのが現状
である。
【0006】また、上記した超音波を用いたプリンタ装
置では、機械的振動によってインクの液滴を飛ばすよう
にしていることから、着色粒子を帯電させる必要がない
反面、水平レベルのインク液面から微細なインク液滴を
飛ばすためには、150MHzの高い超音波振動周波数
を用いて、この超音波を精度良くインク液面に絞り込ま
なければならない。このため、インク液面の高さをサブ
ミクロンのオーダで精度良くコントロールしなければな
らないばかりか、超音波レンズ系も精度の高いものを用
いなければならず、実用化においては大きな困難がとも
なう。更には、水平レベルのインク液面から超音波のみ
のエネルギで液滴を飛ばすためには、粘性の大きなイン
クを用いることが困難であり、必然的にインクとしては
紙に滲み易い粘性の低い染料しか用いることができず、
高い印字品質を得るために滲みの生じ難い粘性の大きな
顔料インクを用いることができない。
【0007】本発明は、以上のような問題点に着目し、
これを有効に解決すべく創案されたものである。本発明
の目的は、液体トナーの供給を安定して行なうことがで
きると共に、凝集された着色粒子を効率的に飛ばして濃
度ムラのない印字や画像形成ができる静電式のインクジ
ェットプリンタ装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記問題点を
解決するために、規則的に平面に配列された誘電体より
なる複数の射出突起と、帯電された着色粒子を含んで前
記射出突起の表面を濡らす液体トナーと、前記帯電した
着色粒子と同極性の電圧を印加してクーロン力により前
記液体トナー中の着色粒子を前記射出突起の先端に凝集
させるバイアス電極と、前記各射出突起の基部に対応さ
せて設けられて前記射出突起の突出方向に超音波を発生
させる超音波発生部と、前記超音波発生部から発生した
超音波を前記射出突起の先端に収束させて前記凝集した
着色粒子を含む液滴を離脱させる超音波収束レンズとを
備えるように構成したものである。
【0009】これにより、各射出突起の表面全体は、毛
細管作用等により帯電着色粒子を分散させてなる液体ト
ナーで濡れて射出突起の表面全体に薄い液体トナーより
なる錐体形のメニスカスを形成する。バイアス電極に着
色粒子の帯電と同極性のバイアス電圧を印加することに
よってバイアス電圧による電界を発生させ、着色粒子を
メニスカスの先端に凝集させる。電界による帯電粒子を
押す力よりも液体トナーの表面張力が大きいので、凝集
された着色粒子はメニスカスの先端に溜ることになる。
この状態で、駆動電圧を超音波発生部に供給して超音波
を発生させる。これにより、射出突起にその先端へ進む
超音波を印加してバイアス電界で凝集された着色粒子の
メニスカスの先端から離脱させる振動を与える。凝集さ
れた着色粒子はバイアス電界で離脱し易い状態となって
いるので、引き金となる超音波振動を与えると容易に離
脱が起こる。この時、超音波収束レンズにより、超音波
は絞り込まれて射出突起の先端に収束される。従って、
エネルギが収束されているので、液体トナーの液滴を効
率的に離脱させることが可能となる。離脱した着色粒子
(液体トナーの液滴)は帯電されているので、バイアス
電圧の電界で加速されて遠くまで飛翔し、射出方向に配
置した記録媒体に付着して印字や画像などが形成され
る。
【0010】そして、超音波振動を印加したり、停止し
たりする制御を行なうことによって着色粒子の射出の制
御が行なわれる。このように、着色粒子の離脱及び飛翔
を効率的に行なうことができるので、例えば粘度が比較
的高い顔料インクを液体トナーとして使用でき、高濃度
の滲みのない精細な印字或いは画像形成を行なうことが
できる。
【0011】この場合、前記超音波収束レンズは、前記
超音波発生部と前記射出突起との間に介在させたレンズ
用液体と前記射出突起との境界面を曲面状に成形するこ
とにより形成してもよいし、或いは前記超音波収束レン
ズは、同心円状に配列された複数のリング板よりなる回
折格子により形成してもよい。
【0012】また、上記超音波発生部には、超音波励起
信号としてバースト高周波信号を印加する。
【0013】前記超音波励起信号は、前記液滴を離脱さ
せるための振幅の大きなバースト高周波信号と、前記液
体トナー中の着色粒子の移動を促進させるための振幅の
小さなバースト高周波信号とを含むようにしてもよい。
この場合には、着色粒子の移動が促進されるので、この
着色粒子の凝集を促進させることが可能となる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下に、本発明に係る静電式のイ
ンクジェットプリンタ装置の一実施例を添付図面に基づ
いて詳述する。図1は本発明の静電式のインクジェット
プリンタ装置を示す平面図、図2は図1に示す装置のA
−A線矢視概略拡大断面図、図3は本発明のプリンタ装
置の動作を示す断面図である。図1及び図2に示すよう
に、このインクジェットプリンタ装置1は、後述する超
音波発生部等を設けた基板部2と、この上に所定の間隙
40を隔てて接合される射出突起板3を有している。射
出突起板3は、誘電体である例えば熱可塑性プラスチッ
クにより射出成形で形成されており、これには縦横に規
則正しく複数(多数)の射出突起4が等ピッチで配列さ
れている。各射出突起4は、ここでは円錐体の形状をし
ているが、円錐の先端を平坦状に切り落としたような截
頭円錐形状としたり、先端5を曲面形状にしたり、或い
は角錐の先端を切り落としたような截頭角錐形状として
もよい。
【0015】各射出突起4の基部間は微細な間隔になさ
れて全体が連なってカナル7を形成している。そして、
このカナル7内に、帯電された着色粒子を例えばイソパ
ラフィン等よりなる絶縁性液体中に分散されてなる液体
トナー8を毛細管現象を利用して流して供給するように
なっている。この射出突起板3上には、例えば一方から
新鮮な液体トナー8が供給され、他方からは液体トナー
8が排出されて循環使用されるようになっている。この
ように射出突起板3の表面に上記液体トナー8を供給す
ることにより、毛細管現象により各射出突起4の表面全
体が液体トナー8により濡れて表面が表面張力により凹
凸状になったメニスカス12を形成することになる。
【0016】また、射出突起板3の底面であって、各射
出突起4に対応する部分は、突起方向へ窪ませて所定の
半径Rの曲面42になされており、この底面と上記基板
部2との間隙40内に所定のレンズ形成用液体43を封
入することによって、ここに超音波収束レンズ44を形
成している。そして、このレンズ形成用液体43中と射
出突起板3中における超音波の速度差を利用して形成さ
れた超音波収束レンズ44により、後述する超音波発生
部45から発生した超音波を上記射出突起4の先端近傍
へ収束させるようになっている。
【0017】そして、この射出突起板3の底面全体に
は、例えば銅箔よりなる薄いバイアス電極13が設けら
れており、このバイアス電極13にバイアス電源14を
接続して上記着色粒子と同極性の直流のバイアス電圧を
印加するようになっている。このバイアス電圧の印加に
より、電界が図2中において上向きに発生し、液体トナ
ー8中の着色粒子をクーロン力により移動せしめて射出
突起4の先端5に凝集されることになる(図3参照)。
【0018】一方、上記基板部2には、上記各射出突起
4に対応させて超音波発生部16が個別に設けられてい
る。各超音波発生部16は、例えばPZTやチタン酸バ
リウム等の圧電セラミックよりなり、これに電圧を印加
すると射出突起4の先端方向Aへ高い周波数で機械的に
振動して超音波振動を発するようになっている。図2に
示すように各超音波発生部16の上面は共通に接続され
て共通電極17になっており、下面は個別電極18が形
成されてそれぞれに端子19が接続されている。そし
て、この端子19を介して上記個別電極18に、駆動電
圧として超音波励起信号を印加することにより、射出突
起4の先端5に凝集している着色粒子と離脱し得るよう
になっている。
【0019】この実施例における各部の寸法は、射出突
起4間のピッチL1が0.5〜1.0mm程度、射出突
起4の高さL2が0.2〜1.0mm程度、レンズ44
の口径aが0.5〜1.4mm程度であり、例えば平面
配置10列で600DPI(ドットパーインチ)の画像
密度を形成している。
【0020】次に、以上のように構成された本実施例の
動作について説明する。まず、図3に示すように液体ト
ナー8を射出突起板3の上面に供給し、これを毛細管現
象を利用してカナル7(図2参照)内に流すと同時に、
各射出突起4の表面全体も濡らし、また、使用済みの液
体トナー8は、供給側とは反対側へ排出して回収し、循
環使用する。各射出突起4の表面を濡らす液体トナー8
は、溶媒の表面張力で凹凸状となったメニスカス12
(図2参照)を形成することになる。ここでバイアス電
極13に電圧が印加されていない時は図2に示すように
メニスカス12の頂部への着色粒子Pの凝集は無く、頂
部は膨らんでいない。そして、バイアス電極13にバイ
アス電圧が印加されると電界が発生し、これと同極性に
帯電されている着色粒子Pがバイアス電極13から遠ざ
かるように押しやられ、図3に示すようにメニスカス1
2の頂部は符号30に示すように着色粒子Pが凝集され
て膨らむ。
【0021】ここで各端子19の内、所定の選択された
端子19Aを介して個別電極18Aに超音波励起信号を
印加すると、超音波発生部16Aは図2中の矢印A方向
への振動を起こして超音波31を射出突起4Aの先端方
向へ発射する。発生した超音波は、超音波収束レンズ4
4により射出突起4の先端5で収束されて振動パワーは
強まる。この振動エネルギによって、トナー溶媒の表面
張力による着色粒子の保持のバランスが破れ、メニスカ
ス12の頂部が着色粒子凝集のクーロン力で急激に伸び
て着色粒子が離脱してこの液滴8Aが発生する。この液
滴8Aは帯電しており、溶媒表面張力の拘束を解かれた
のでバイアス電界により加速されて図中上方へ飛翔し、
図示しない記録紙等の記録媒体に付着して文字や像を形
成することになる。この時、個別電極18Aに印加され
る超音波励起信号は、例えば図4(B)及び図5(A)
に示されており、例えば電力Wの10MHz程度のバー
スト高周波信号が印加され、振幅の大きい部分で液滴8
Aが発生し、この長さを変えることで印字濃度をコント
ロールする。
【0022】図4(A)はバイアス電極13に印加する
バイアス電源14の波形を示しており、動作中において
継続してVbのバイアス電圧を印加している。また、図
4(B)及び図5(A)に示すような信号に替えて、図
4(C)及び図5(B)に示すような超音波信号を印加
するようにしてもよい。この場合には、液滴8Aの発生
時には前述と同じ電力Wの信号を印加し、それ以外の時
には振幅の小さい電力Woの信号を印加して、バイアス
電圧によるクーロン力と相乗して液滴8Aが射出しない
ようにする。これによれば、超音波は液体トナー8中に
おいて溶媒と着色粒子の拘束を解いて粒子間の摩擦を減
らすことから、印字パルス間の着色粒子Pのクーロン力
による凝集をより高速に行なうことができるので、射出
インターバルを小さくすることが可能となる。
【0023】このように、超音波は、主として凝集して
いる着色粒子Pが分離して液滴8Aを形成するために用
いられ、バイアス電圧は、液体トナー8中の帯電着色粒
子を凝集させるため及び形成された液滴8Aを加速して
記録媒体に向けて飛翔させるために用いることにより、
液体トナー8の液滴を効率的に形成して記録媒体に印字
や画像形成を行なうことが可能となる。この場合、上述
のように液滴を効率的に形成できることから、液体トナ
ー8としては、染料よりも粘性の大きな顔料インクを用
いることができるので、画像や印字に滲みも発生するこ
となく、品質の良好な画像等を形成することができる。
【0024】また、発生した超音波は、超音波収束レン
ズ44の作用により射出突起4の先端に向けて強制的に
次第に絞り込ませて収束させて行くので、超音波振動パ
ワーを上昇でき、超音波の利用効率を高めることができ
るのみならず、従来装置と比較して超音波発生部16の
形成にそれ程高い精度が必要とされていないので、設計
が容易となる。また、超音波の副次的な作用として液体
トナー8中の着色粒子を振動させるので、液体トナーの
毛細管現象によるカナル7中の移動、メニスカス12内
の着色粒子の凝集が円滑に行なわれる利点があり、この
ためより高い周波数での射出が容易となる。
【0025】ここで超音波収束レンズ44の収束効果に
ついて具体的数値例を用いて検証する。図6は収束レン
ズの収束効果を説明するためのモデル図であり、図2或
いは図3中の1つの射出突起4の部分に対応している。
射出突起4の先端5の近傍における焦点域直径dは次の
式で与えられる。 d=1.2λ(a/f) ただし、λ:超音波の波長、a:収束レンズ44の口
径、f:焦点距離である。 ここで、波長λは共振周波数を選ぶときは以下のように
なる。 λ=2t・Vs/Vt ここでt:超音波発生部16の厚さ、Vs:射出突起4
内の音速、Vt:超音波発生部16内の音速である。
【0026】また、焦点距離fは以下の式のように与え
られる。 f=R・Ve/(Vs−Ve) ここでR:レンズ曲面42の半径、Ve:レンズ形成用
液体43中の音速である。 上記関係において、レンズ形成用液体43として水を用
い、射出突起4の材料としてポリスチレンを用い、R=
1mm、f=1.7mm、t=0.2mm、λ=0.2
4mm、a=1.4mmに設定するとd=0.35mm
となる。従って、面積比(a/d)2 ≒16となり、超
音波のパワーを収束させて略16倍のパワー密度を得る
ことができた。
【0027】上記実施例においては、レンズ形成用液体
43とて水を用いた場合を例にとって説明したが、水に
限定されず、他の液体、例えば液体トナーを用いてもよ
い。図7はレンズ形成用液体43として液体トナーを用
いた場合のプリンタ装置の断面図を示している。図示す
るように、間隙40と射出突起板3の上面とを連通する
ように連通路50を各射出突起4間に形成し、そして、
間隙40内にレンズ形成用液体43として液体トナー8
を供給している。この実施例では間隙40に供給した液
体トナー8は、各連通路50内を上昇して射出突起4の
表面に供給されることになる。
【0028】液体トナー8の溶媒としては、一般的には
イソパラフィンが用いられており、この場合には、水を
用いないで装置構成を比較的簡単化することが可能とな
る。また、バイアス電界の作用により、連通路50内を
流れる着色粒子の流れを促進させることもできる。レン
ズ形成用液体43として液体トナー8を用いた場合に
も、レンズ作用による焦点が射出突起4の先端5の近傍
となるように各部分の寸法等を設定するのは勿論であ
る。また、上記実施例では、超音波収束レンズ44を形
成するために、液体43と射出突起板2との境界面を曲
面形状に成形したが、これに限定されず、例えば図8及
び図9に示すように回折格子を用いてレンズ作用を発揮
させるようにしてもよい。
【0029】図8は本発明の第2実施例を示す断面図で
あり、図9は図8中のC−C線矢視断面図であり、回折
格子の状態を示している。図示するように、ここでは超
音波収束レンズ51として回折格子52を用いており、
この回折格子52は、同心円状に凹凸状に配列された複
数のリング板53A、53B、53Cを有している。こ
の凹凸状のリング板53A、53B、53Cは、射出突
起板2を射出成形する時に一体的に成形すればよい。図
9においては、図8において下方へ突出している部分を
斜線で示している。この場合には、一次回折の超音波5
4が射出突起4の先端5の近傍に収束するように、その
格子定数などを設定すればよく、この場合にも先に示し
た実施例と同様な作用効果を発揮することができる。
尚、上記実施例における各寸法は単に一例を示したに過
ぎず、これに限定されないのは勿論である。
【0030】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の静電式の
インクジェットプリンタ装置によれば、次のように優れ
た作用効果を発揮することができる。バイアス電界によ
り着色粒子を射出突起の先端へ凝集させ、超音波により
射出突起のメニスカスの先端を加震することによって凝
集着色粒子を離脱させ、更に、バイアス電界により離脱
した着色粒子を加速させて飛翔させることによって印字
や画像の形成を行なうようにしたので、吸収性のある
紙、非吸収性のアート紙等、あらゆる記録媒体に高濃度
の滲みのない精細なプリントを行なうことができる。ま
た、凝集着色粒子の飛翔は、バイアス電界によって加速
されるので記録媒体を射出ヘッドから離間でき、射出ヘ
ッド組み付けに関して精密な調整組立の必要ない廉価な
プリンタ装置が実現できる。更に、超音波を収束する収
束レンズにより効率的に超音波を収束するようにしたの
で、超音波振動パワーを上昇させて、印字エネルギを小
さくすることができる。
【0031】また、従来の超音波インクジェット方式に
比べて液滴サイズは超音波焦点域径によって決められる
方式でないので超音波周波数、収束レンズの精度等に関
して高いものが必要でなく設計生産が容易であり、しか
も液体トナーの液面を焦点面に数μmの精密な制御する
必要もない。更に、超音波で各射出突起の液滴射出の制
御を行ない、超音波は電界のように拡がらないので隣接
射出ポイントへのクロストークは極めて少なくすること
ができる。また、着色粒子の凝集のためのバイアス電界
は固定されたものであるからかなり高い電圧に設定でき
る。従って、バイアス電極は射出突起の先端から離間し
た設計が可能であり、射出突起板の設計、製造法の選択
の自由度が大きくなり、本提案のごとく厚さの必要な射
出成型法が利用でき廉価な射出ヘッドを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の静電式のインクジェットプリンタ装置
を示す平面図である。
【図2】図1に示す装置のA−A線矢視概略拡大断面図
である。
【図3】本発明のプリンタ装置の動作を示す断面図であ
る。
【図4】バイアス電極に印加される電圧波形と超音波発
生部に印加される超音波励起信号を示す波形図である。
【図5】図4に示す超音波励起信号の詳しい波形を示す
図である。
【図6】収束レンズの収束効果を説明するためのモデル
図である。
【図7】レンズ形成用液体として液体トナーを用いた場
合のプリンタ装置を示す断面図である。
【図8】本発明の第2実施例を示す断面図である。
【図9】図8中のC−C線矢視断面図であり、回折格子
の状態を示す図である。
【符号の説明】
1…インクジェットプリンタ装置、2…基板部、3…射
出突起板、4…射出突起、7…カナル、8…液体トナ
ー、8A…液滴、10…湧出孔、12…メニスカス、1
3…バイアス電極、16…超音波発生部、17…共通電
極、18…個別電極、31,54…超音波、42…曲
面、43…レンズ形成用液体、44,51…超音波収束
レンズ、52…回折格子、P…着色粒子。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 規則的に平面に配列された誘電体よりな
    る複数の射出突起と、帯電された着色粒子を含んで前記
    射出突起の表面を濡らす液体トナーと、前記帯電した着
    色粒子と同極性の電圧を印加してクーロン力により前記
    液体トナー中の着色粒子を前記射出突起の先端に凝集さ
    せるバイアス電極と、前記各射出突起の基部に対応させ
    て設けられて前記射出突起の突出方向に超音波を発生さ
    せる超音波発生部と、前記超音波発生部から発生した超
    音波を前記射出突起の先端に収束させて前記凝集した着
    色粒子を含む液滴を離脱させる超音波収束レンズとを備
    えたことを特徴とする静電式のインクジェットプリンタ
    装置。
  2. 【請求項2】 前記超音波収束レンズは、前記超音波発
    生部と前記射出突起との間に介在させたレンズ用液体と
    前記射出突起との境界面を曲面状に成形することにより
    形成されていることを特徴とする請求項1記載の静電式
    のインクジェットプリンタ装置。
  3. 【請求項3】 前記超音波収束レンズは、同心円状に配
    列された複数のリング板よりなる回折格子よりなること
    を特徴とする請求項1記載の静電式のインクジェットプ
    リンタ装置。
  4. 【請求項4】 前記超音波発生部には、超音波励起信号
    としてバースト高周波信号が印加されることを特徴とす
    る請求項1乃至3のいずれかに記載の静電式のインクジ
    ェットプリンタ装置。
  5. 【請求項5】 前記超音波励起信号は、前記液滴を離脱
    させるための振幅の大きなバースト高周波信号と、前記
    液体トナー中の着色粒子の移動を促進させるための振幅
    の小さなバースト高周波信号とを含むことを特徴とする
    請求項1乃至4のいずれかに記載の静電式のインクジェ
    ットプリンタ装置。
JP10124039A 1998-04-16 1998-04-17 静電式のインクジェットプリンタ装置 Pending JPH11300970A (ja)

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JP10124039A JPH11300970A (ja) 1998-04-17 1998-04-17 静電式のインクジェットプリンタ装置
US09/292,235 US6302529B1 (en) 1998-04-16 1999-04-15 Electrostatic ink-jet printer

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6302529B1 (en) * 1998-04-16 2001-10-16 Victor Company Of Japan, Ltd. Electrostatic ink-jet printer

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6302529B1 (en) * 1998-04-16 2001-10-16 Victor Company Of Japan, Ltd. Electrostatic ink-jet printer

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