JP2000114671A - リッジ型半導体光増幅器 - Google Patents

リッジ型半導体光増幅器

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JP2000114671A
JP2000114671A JP10286721A JP28672198A JP2000114671A JP 2000114671 A JP2000114671 A JP 2000114671A JP 10286721 A JP10286721 A JP 10286721A JP 28672198 A JP28672198 A JP 28672198A JP 2000114671 A JP2000114671 A JP 2000114671A
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optical amplifier
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semiconductor optical
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JP10286721A
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Katsuyuki Imoto
克之 井本
Toshio Katsuyama
俊夫 勝山
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Hitachi Cable Ltd
Hitachi Ltd
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Hitachi Cable Ltd
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高速のスイッチング動作が可能で、しかも低
コストなリッジ型半導体光増幅器を提供する。 【解決手段】 半導体基板20上に下部クラッド層21、活
性層22、上部クラッド層23及びコンタクト層24を順次形
成した後、エッチングによりコンタクト層24、上部クラ
ッド層23を略矩形状に加工し、SiO2 層26を形成し、
ポリマ層27を形成する際に、結晶成長が1回ですむため
低コストになる。SiO2 層26及びポリマ層27の形成プ
ロセスは結晶成長プロセスに比べて十分安価なプロセス
である。また、低誘電率のSiO2 膜26及びポリマ層27
を用いているので、寄生容量が小さくなり、高速光スイ
ッチングができる。さらに、上部クラッド層23及びコン
タクト層24の幅が信号光の入出射側でテーパ状に細くな
るようにエッチング加工を施すことにより、両側面に接
続される光ファイバと高効率で結合できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、リッジ型半導体光
増幅器に関する。
【0002】
【従来の技術】波長多重伝送を用いた高速、大容量、長
距離伝送方式及びそれに用いる光デバイスの研究開発が
活発に行われている。この方式を実現する上で、広帯域
な光増幅器は必須の光デバイスである。この種の光増幅
器として、小形化、低コスト化が期待できる半導体光増
幅器が再度注目されている。
【0003】図6は従来のリッジ型半導体光増幅器の概
略構造を示す図である。
【0004】この半導体光増幅器は、InP(n+ )基
板1上に下部クラッド層としてのInP(n)クラッド
層2が形成され、このInP(n)クラッド層2上に略
矩形断面形状の活性層3が形成され、この活性層3を覆
うように上部クラッド層としてのInP(p)クラッド
層4、InGaAsPコンタクト層5、InP(p)埋
込層6及びInP(n)埋込層7で埋め込まれた積層体
構造を有している。積層体8の上面には上部電極9が形
成され、下面には下部電極10が形成されている。積層
体8の両端面には無反射コーティング層11−1、11
−2が形成されている。
【0005】上部電極9と下部電極10との間にしきい
値電流以下の順方向電流(矢印12)を電流注入端子1
3から流し、積層体8の無反射コーティング層11−
1、11−2に光ファイバ(図示せず)を突き合わせ
て、一方の光ファイバから信号光を入射させて活性層3
内を伝搬させ、他方の光ファイバから増幅された信号光
を取出すようにしたものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図6に
示した従来例には以下のような課題がある。
【0007】(1) 結晶成長を少なくとも2回に分けて行
わなければならず、製造コストが高くなる。すなわち、
下部クラッド層2及び活性層3を形成し、活性層3を略
矩形断面形状に加工した後、再度結晶成長させることに
より活性層3の外周表面に上部クラッド層4、コンタク
ト層5等を形成しなければならない。
【0008】(2) 半導体光増幅器を光ゲートスイッチと
して使用する場合に、スイッチング速度をナノ秒以下の
高速にすることが困難である。
【0009】(3) 光の入出射面でのモードフィールド径
の拡大を実現させるためには、複雑なプロセスを経なけ
ればならず、結果的にコスト高になる。
【0010】そこで、本発明の目的は、上記課題を解決
し、高速のスイッチング動作が可能で、しかも低コスト
なリッジ型半導体光増幅器を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明のリッジ型半導体光増幅器は、半導体基板上に
スラブ状の下部クラッド層と活性層とが形成されるか、
あるいは半導体基板上にスラブ状の下部クラッド層と活
性層とクラッド層とが形成され、活性層あるいはクラッ
ド層の上に略矩形断面形状の上部クラッド層が形成さ
れ、上部クラッド層の側面と活性層あるいはクラッド層
の露出面とに酸化膜及びポリマ層が形成された積層体の
上部クラッド層の上にコンタクト層を介して上部電極が
形成され、半導体基板の裏面に下部電極が形成され、積
層体の両端面に無反射コーティング層が形成され、積層
体の一方の端面から活性層内に信号光が入射され、活性
層で増幅された信号光が積層体の他方の端面から出射さ
れるものである。
【0012】上記構成に加え本発明のリッジ型半導体光
増幅器は、酸化膜にはSiO2 を用い、ポリマ層にはポ
リイミドを用いるのが好ましい。
【0013】上記構成に加え本発明のリッジ型半導体光
増幅器は、上部クラッド層及びコンタクト層の幅は、信
号光の入射側及び出射側でテーパ状に細くなっていても
よい。
【0014】上記構成に加え本発明のリッジ型半導体光
増幅器は、活性層は、バルク構造或いは多重量子井戸構
造のいずれかで構成されているのが好ましい。
【0015】上記構成に加え本発明のリッジ型半導体光
増幅器は、活性層の上及び下に光導波路層を設けてもよ
い。
【0016】上記構成に加え本発明のリッジ型半導体光
増幅器は、上部電極は信号光の入射側と出射側との間で
電極分離溝によって分離されて二つの上部電極に分か
れ、それぞれの上部電極に電流を独立に注入することに
よって信号光の増幅利得を制御するようにしてもよい。
【0017】上記構成に加え本発明のリッジ型半導体光
増幅器は、出射側の上部電極には逆方向電圧を印加する
ことによって可飽和吸収部を形成させ、増幅された信号
光の雑音を低減させるようにしてもよい。
【0018】上記構成に加え本発明のリッジ型半導体光
増幅器は、半導体基板として、V溝が形成された基板を
用いてよい。
【0019】ここで、従来のリッジ型半導体光増幅器で
は、半導体基板上に下部クラッド層及び活性層を形成し
た後、活性層を略矩形状にエッチング加工し、再度上部
クラッド層及びコンタクト層を結晶成長により形成しな
ければならなかった。すなわち従来技術は2回の結晶成
長を必要としていた。
【0020】本発明によれば、半導体基板上に、下部ク
ラッド層、活性層、上部クラッド層及びコンタクト層を
順次形成した後、エッチングによりコンタクト層、上部
クラッド層(上部クラッド層は大部分は略矩形状に加工
し、一部分をスラブ部分として残しておいてもよい。)
を略矩形状に加工し、SiO2 層を形成し、ポリマ層を
形成する際の結晶成長が1回ですむため低コスト化が図
れる。尚、SiO2 層及びポリマ層の形成プロセスは結
晶成長プロセスに比べて十分安価なプロセスである。
【0021】また、本発明によれば低誘電率のSiO2
膜及びポリマ層を用いているので、寄生容量が小さくな
り、高速の光スイッチングが可能である。
【0022】さらに本発明によれば、上部クラッド層及
びコンタクト層の幅を、信号光の入射側及び出射側でテ
ーパ状に細くするだけの簡単なエッチング加工を施すこ
とにより、両側面に接続される光ファイバと高効率で結
合することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
図面に基づいて詳述する。
【0024】図1(a)は本発明のリッジ型半導体光増
幅器の一実施の形態を示す端面断面図であり、図1
(b)は図1(a)のA−A線断面図である。
【0025】半導体基板20にはInP、GaAsを用
いることができるが本実施の形態ではInP(n+ )基
板20を用いた場合で説明する。
【0026】InP(n+ )基板20の上にスラブ状の
下部クラッド層21としてのInP(n)クラッド層2
1が形成され、InP(n)クラッド層21の上に活性
層22が形成されている。なお、活性層22の上には数
十nmの厚さのスラブ状のクラッド層が形成されていて
もよい。このクラッド層は上部クラッド層23を略矩形
断面形状に加工する際に、途中で加工を中断することに
よって容易に形成することができる。
【0027】活性層22には、例えば波長1.55μm
帯で増幅する光増幅器を実現する場合には、InGaA
sP層を用い、その厚みは1μm以下にするのが好まし
い。InP(n)クラッド層21の厚みは1.5μm以
上に形成される。
【0028】活性層22の上には略矩形断面形状(リッ
ジ状)の上部クラッド層23としてのInP(p)クラ
ッド層23が形成されている。InP(p)クラッド層
23は、活性層22内に入射した信号光を上部クラッド
層23の下の活性層22内近傍に閉じ込めて伝搬させる
機能を有する。したがって、このInP(p)クラッド
層23にはInP(p)が用いられ、その厚みは1.5
μmから2μm程度に定められ、その幅は3.5〜5μ
mの値に定められる。このInP(p)クラッド層23
の活性層22に面している部分の幅wは約2μmとす
る。
【0029】InP(p)クラッド層23の上にはコン
タクト層24としてのInGaAsPコンタクト層24
が形成され、InGaAsPコンタクト層24の上には
上部電極25が形成されている。活性層22、あるいは
InP(p)スラブクラッド層の露出した上面とInP
(p)クラッド層23の側面は酸化膜(絶縁層)として
のSiO2 層26で覆われ、そのSiO2 層26はポリ
マ層27としてのポリイミド(商品名PIX)膜27で
覆われて積層体28が構成されている。ポリマ層27は
埋込み層として作用する。InP(n+ )基板20の下
面には下部電極29が形成されている。これらInP
(n+ )基板20、InP(n)クラッド層21、活性
層22、InP(p)クラッド層23、InGaAsP
コンタクト層24、SiO2 層26及びポリマ層27か
らなる積層体28の両端面には無反射コーティング層3
0−1、30−2が形成されている。
【0030】リッジ型半導体光増幅器31の上部電極2
5の電流注入端子32から矢印33方向にしきい値電流
以下の順方向電流Ik が注入される。
【0031】両無反射コーティング層30−1、30−
2には図示しない光ファイバが接続される。
【0032】このようなリッジ型半導体光増幅器31の
光ファイバ内を伝搬してきた信号光は、無反射コーティ
ング30−1層を通して活性層22内へ入射して増幅さ
れ、活性層22内を伝搬して反対側の無反射コーティン
グ層30−2を透過して他の光ファイバ(図示せず)内
へ出射される。
【0033】このリッジ型半導体光増幅器の第一の特徴
は、製造時における結晶成長が1回でよい点である。す
なわち、InP(n+ )基板20上にInP(n)クラ
ッド層21、活性層22、InP(p)クラッド層2
3、InGaAsPコンタクト層24を順次形成させる
だけでよい。InGaAsPコンタクト層24を形成し
た後、フォトマスクを介してInGaAsPコンタクト
層(膜厚約0.2μm)24と、InP(p)クラッド
層23とを略矩形断面形状にエッチング加工する。
【0034】なお、InP(p)クラッド層23は大部
分を略矩形断面形状に加工し、一部分をスラブ状InP
(p)クラッド層として残しておいてもよい。
【0035】InP(p)クラッド層23の側面と活性
層22の上面にSiO2 層26をCVD法で形成する。
ついでスピンコーティング法により、SiO2 層26の
上にポリイミド膜27を塗布し、加熱し、InP
(n+ )基板20の下面に下部電極29を形成し、最後
にInGaAsPコンタクト層24に上部電極25を形
成することによりリッジ型半導体光増幅器31が得られ
る。
【0036】このリッジ型半導体光増幅器31の第二の
特徴は、埋込み層に低誘電率のSiO2 層26及びポリ
イミド膜27を用いているので、寄生容量が小さくな
り、光ゲートスイッチとして用いると、高速の光スイッ
チング動作を実現することができる点である。尚、Si
2 層26は、ポリイミド膜27中の水分が活性層22
内に混入しないようにするための耐湿性を向上させるた
めに設けたものである。このSiO2 層26の膜厚は数
千オングストロームから1μm程度の厚さに形成される
のが好ましい。
【0037】図2(a)は本発明のリッジ型半導体光増
幅器の実施の形態を示す端面断面図であり、図2(b)
は図2(a)のB−B線断面図であり、図2(c)は図
2(a)のC−C線断面図である。以下、図1に示した
実施の形態と同様の部材には共通の符号を用いた。
【0038】図1(a)、(b)、(c)に示した実施
の形態との相違点は、上部クラッド層23及びコンタク
ト層24の幅が、信号光の入射側及び出射側で外側に向
かって細くなるテーパ状に形成されている点である。
【0039】このリッジ型半導体光増幅器40は、テー
パ状領域41−1、41−2の下側の活性層22a内を
伝搬する信号光のビームに広がりを持たせることができ
るので、入出射端面側での活性層22a内のモードフィ
ールド径を広げることにより、光ファイバのモードフィ
ールド径に等しくすることができる。その結果、光ファ
イバ(図示せず)からリッジ型半導体光増幅器40へ伝
搬する光信号や、リッジ型半導体光増幅器40から光フ
ァイバへ伝搬する光信号を高効率で光結合させることが
できる。尚、上部電極25も上部クラッド層23及びコ
ンタクト層24と同様に入出射側で外側に向かって細く
なるテーパ状領域を設けるのが好ましい。
【0040】図3(a)は本発明のリッジ型半導体光増
幅器の他の実施の形態を示す端面断面図であり、図3
(b)は図3(a)のD−D線断面図であり、図3
(c)は図3(a)のE−E線断面図である。
【0041】図2(a)、(b)、(c)に示した実施
の形態との相違点は、上部電極25b−1、25b−2
が信号光の入射側と出射側との間で電極分離溝52で分
離されている点である。この電極分離溝52は活性層2
2bの近傍か、あるいは活性層22bを横断するように
深く形成して光増幅部53と可飽和吸収部54とのアイ
ソレーションを大きくとっておくのが好ましい。
【0042】このリッジ型半導体光増幅器50は、電極
分離溝52により分離された二つの上部電極25b−
1、25b−2のうち、入射側の上部電極25b−1の
電流注入端子32−1にしきい値電流以下の順方向電流
k を注入することにより光増幅部53が構成され、出
射側の上部電極25b−2の電圧印加端子32−2に逆
方向電圧−Vk を印加することにより可飽和吸収部54
が構成されるようになっている。
【0043】可飽和吸収部54は、増幅された信号光に
含まれている雑音成分を低減させることができる。尚、
光増幅部53の素子長は可飽和吸収部54の素子長より
も長く形成されている。尚、領域51−1、51−2は
信号光の入射側及び出射側でテーパ状に細くなってい
る。
【0044】図4(a)は本発明のリッジ型半導体光増
幅器の他の実施の形態を示す端面断面図であり、図4
(b)は図4(a)のF−F線断面図であり、図4
(c)は図4(a)のG−G線断面図である。
【0045】図3(a)、(b)、(c)に示した実施
の形態との相違点は、入射側の上部電極25c−1にし
きい値電流以下の順方向電流Ik1を注入し、出射側の上
部電極25c−2にしきい値電流以下の順方向電流Ik2
を注入するようにした点である。
【0046】このリッジ型半導体光増幅器60は、電極
分離溝62で分離された入射側の上部電極25c−1に
しきい値電流以下の順方向電流Ik1を注入することによ
り光増幅部63が構成され、出射側の上部電極25c−
2にしきい値電流以下の順方向電流Ik2を注入すること
により光増幅部64が構成されるようになっている。こ
れらの順方向電流Ik1と順方向電流Ik2とをそれぞれ独
立に調整することによって広帯域にわたり、高利得特性
を実現することができる。尚、領域61−1、61−2
は信号光の入射側及び出射側で細くなるテーパ状領域で
ある。
【0047】図5は本発明のリッジ型半導体光増幅器の
他の実施の形態を示す端面断面図である。
【0048】図4(a)、(b)、(c)に示した実施
の形態との相違点は、半導体基板として、V溝71が形
成されたInP(n+ )基板20aを用いた点である。
【0049】このリッジ型半導体光増幅器70は、表面
にV溝71を形成したInP(n+)基板20aの上
に、下部クラッド層21、活性層22、上部クラッド層
23及びコンタクト層24を順次形成し、上部クラッド
層23とコンタクト層24とを略矩形断面形状に加工
し、SiO2 層26及びポリイミド膜27、上部電極2
5及び下部電極29を形成したものである。
【0050】なお、この構造でも活性層22の上にスラ
ブ状のクラッド層23が形成されていてもよい。
【0051】このようにV溝71上に下部クラッド層2
1と活性層22とを形成し、上部クラッド層23の入出
射端側をテーパ状に加工しておくと、V溝71内の下部
クラッド層21と活性層22とが湾曲し、膜厚も薄くな
るので、厚み方向のモードフィールド径が広がり、テー
パ状領域の下部の活性層22のモードフィールド径は、
テーパ状に幅方向に広がると共に、厚み方向にもテーパ
状に広がる。この結果、このリッジ型半導体光増幅器7
0は、ビームスポット径を活性層の幅方向以外に厚み方
向へも拡大させることができる。
【0052】本発明は、上述した実施の形態には限定さ
れない。図1から図5に示した実施の形態において、活
性層22にはバルク構造以外に、多重量子井戸構造を用
いることができる。例えば、活性層22を量子井戸構造
で7周期構造とする。信号光の波長帯を1.55μm帯
とすると、7周期構造は井戸層(膜厚約7nm、InG
aAs層)と、バリア層(膜厚約8nm、InGaAs
P層)の7周期構造である。尚、活性層の層数はあまり
多いと利得は高くなるが、キャリアが注入されにくくな
る。また、活性層22の上と下とに導波路層(図示せ
ず)を設けてモードフィールド径をひろげるようにして
もよい。例えば上の導波路層にバンドギャップ波長が
1.15μmで厚さが約0.05μmのものを形成し、
下の導波路層にバンドギャップ波長が1.15μmで厚
さが約0.15μmのものを形成しておくと、より大き
なモードフィールド径を得ることができる。
【0053】酸化膜(絶縁層)には、SiO2 以外にフ
ッ素を添加したSiO2 、SiON等を用いることがで
きる。またポリマ層にはポリイミド以外にフッ素を添加
したポリイミドを用いてもよい。フッ素を添加すると、
より低誘電率特性を実現することができるが、フッ素の
添加量が多すぎると耐熱性、耐湿度性が低下する。
【0054】以上において、本発明によれば、 (1) 従来は半導体基板上に下部クラッド層及び活性層を
形成した後、活性層を矩形状にエッチング加工し、その
後で再び上部クラッド層及びコンタクト層を結晶成長に
より形成しなければならなかった。つまり、従来技術は
2回の結晶成長を必要としていた。これに対し、本発明
では、半導体基板上に1回の結晶成長で下部クラッド
層、活性層、上部クラッド層、コンタクト層及び上部ク
ラッド層を略矩形状に加工し、ついでSiO2 を形成し
た後、ポリイミド層を塗布、加熱することによって形成
する、いわゆる結晶成長が1回ですむために、低コスト
化が図れる。また各層間に散乱中心となるような不均一
な構造不整や、光吸収物等が生じにくいので、高利得の
光増幅器を実現することができる。
【0055】(2) 尚、SiO2 膜及びポリイミド膜形成
プロセスは結晶成長プロセスに比べて十分に安価なプロ
セスである。
【0056】(3) 従来は、上部クラッド層、InP
(p)埋込み層、InP(n)埋込み層が高誘電率の結
晶材料で構成されているために、寄生容量が大きく、こ
のような結晶材料で製造した半導体光増幅器を光ゲート
スイッチとして用いる場合には、寄生容量が影響を及ぼ
して高速の光スイッチング動作が困難であった。これに
対し、本発明は、InP(n)埋込み層、InP(n)
埋込み層の代わりに低誘電率のSiO2 膜及びポリイミ
ド膜、あるいはフッ素添加膜を用いるので、高速の光ス
イッチングが可能である。
【0057】(4) 上部クラッド層及びコンタクト層の幅
を、信号光の入射端側及び出射端側でテーパ状に細くな
るように形成することにより、両側面に接続される光フ
ァイバとの光結合を高効率で実現することができる。す
なわち、本発明のリッジ型半導体光増幅器は、上部クラ
ッド層及びコンタクト層の幅を入射端側及び出射端側で
テーパ状に細くするだけの簡単なエッチング加工のみで
光ビームスポットサイズ変換機能をもたせることができ
る。従来の構成光ビームスポットサイズ変換機能をもた
せようとすると、矩形状の活性層の幅及び厚みを入射端
と出射端側でテーパ状に細くする加工が必要となり、こ
のような加工は高価なプロセスを必要とする。
【0058】(5) 本半導体光増幅器を並列にアレイ状に
配置した構造が光マトリクススイッチや光マトリクスゲ
ート回路等を実現する上で必須になってくるが、上記ア
レイ状構造を製造するのが容易であり、かつ、各々の光
増幅器の構造を非常に均一に製造することができ、結果
的に光学特性のそろった光増幅器を実現することができ
る。これは、結晶成長が1回でよいことと、酸化膜及び
ポリマ膜を形成する工程を用いているためである。すな
わち、下部クラッド層、活性層、上部クラッド層及びコ
ンタクト層の物理的特性(例えば組成、膜厚等)が各々
の光増幅器に対してそろっていること、酸化膜及びポリ
マ膜も同様であることによる。
【0059】
【発明の効果】以上要するに本発明によれば、次のよう
な優れた効果を発揮する。
【0060】高速のスイッチング動作が可能で、しかも
低コストなリッジ型半導体光増幅器の提供を実現するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明のリッジ型半導体光増幅器の一
実施の形態を示す端面断面図であり、(b)は(a)の
A−A線断面図である。
【図2】(a)は本発明のリッジ型半導体光増幅器の実
施の形態を示す端面断面図であり、(b)は(a)のB
−B線断面図であり、(c)は(a)のC−C線断面図
である。
【図3】(a)は本発明のリッジ型半導体光増幅器の他
の実施の形態を示す端面断面図であり、(b)は(a)
のD−D線断面図であり、(c)は(a)のE−E線断
面図である。
【図4】(a)は、本発明のリッジ型半導体光増幅器の
他の実施の形態を示す端面断面図であり、(b)は
(a)のF−F線断面図であり、(c)は(a)のG−
G線断面図である。
【図5】本発明のリッジ型半導体光増幅器の他の実施の
形態を示す端面断面図である。
【図6】従来のリッジ型半導体光増幅器の概略構造を示
す図である。
【符号の説明】
20 半導体基板(InP(n+ )基板) 21 下部クラッド層(InP(n)クラッド層) 22 活性層 23 上部クラッド層(InP(p)クラッド層) 24 コンタクト層(InGaAsPコンタクト層) 25 上部電極 26 酸化膜(絶縁層、SiO2 層) 27 ポリマ層(ポリイミド膜) 29 下部電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 勝山 俊夫 東京都国分寺市東恋ケ窪一丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 Fターム(参考) 5F072 AB13 JJ20 MM03 MM04 MM08 MM20 5F073 AA13 AA14 AA45 AA61 AA74 AA83 AA89 AB21 AB22 CB11 EA14 EA27

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体基板上にスラブ状の下部クラッド
    層と活性層とが形成され、該活性層の上に略矩形断面形
    状の上部クラッド層が形成され、該上部クラッド層の側
    面と上記活性層の露出面とに酸化膜及びポリマ層が形成
    された積層体の上記上部クラッド層の上にコンタクト層
    を介して上部電極が形成され、上記半導体基板の裏面に
    下部電極が形成され、上記積層体の両端面に無反射コー
    ティング層が形成され、上記積層体の一方の端面から上
    記活性層内に信号光が入射され、上記活性層で増幅され
    た信号光が上記積層体の他方の端面から出射されること
    を特徴とするリッジ型半導体光増幅器。
  2. 【請求項2】 上記スラブ状の活性層と略矩形断面形状
    の上部クラッド層との間にスラブ状のクラッド層が付加
    され、該上部クラッド層の側面と上記スラブ状のクラッ
    ド層の露出面とに酸化膜及びポリマ層が形成されている
    請求項1に記載のリッジ型半導体光増幅器。
  3. 【請求項3】 上記酸化膜にはSiO2 を用い、上記ポ
    リマ層にはポリイミドを用いた請求項1又は2に記載の
    リッジ型半導体光増幅器。
  4. 【請求項4】 上記上部クラッド層及び上記コンタクト
    層の幅は、信号光の入射側及び出射側でテーパ状に細く
    なっている請求項1から3のいずれかに記載のリッジ型
    半導体光増幅器。
  5. 【請求項5】 上記活性層は、バルク構造或いは多重量
    子井戸構造のいずれかで構成されている請求項1から4
    のいずれかに記載のリッジ型半導体光増幅器。
  6. 【請求項6】 上記活性層の上及び下に光導波路層を設
    けた請求項1から5のいずれかに記載のリッジ型半導体
    光増幅器。
  7. 【請求項7】 上記上部電極は信号光の入射側と出射側
    との間で電極分離溝によって分離されて二つの上部電極
    に分かれ、それぞれの上部電極に電流を独立に注入する
    ことによって信号光の増幅利得を制御するようにした請
    求項1から6のいずれかに記載のリッジ型半導体光増幅
    器。
  8. 【請求項8】 出射側の上部電極には逆方向電圧を印加
    することによって可飽和吸収部を形成させ、増幅された
    信号光の雑音を低減させるようにした請求項7に記載の
    リッジ型半導体光増幅器。
  9. 【請求項9】 上記半導体基板として、V溝が形成され
    た基板を用いた請求項1から8のいずれかに記載のリッ
    ジ型半導体光増幅器。
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