JP2000114546A - 半導体装置、電子機器、及びこれらの動作方法 - Google Patents

半導体装置、電子機器、及びこれらの動作方法

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JP2000114546A JP10280286A JP28028698A JP2000114546A JP 2000114546 A JP2000114546 A JP 2000114546A JP 10280286 A JP10280286 A JP 10280286A JP 28028698 A JP28028698 A JP 28028698A JP 2000114546 A JP2000114546 A JP 2000114546A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 多様な機能を有する集積回路に迅速に対応で
き、回路設計の容易な半導体装置を提供する。 【解決手段】 内部抵抗制御手段9を構成する第1制御
電極11と第2制御電極12に所定の電圧を印加するこ
とにより、ソース領域3から電位障壁までの内部抵抗を
可変とし、不飽和型電流・電圧特性から飽和型電流・電
圧特性を任意に選択し、機能させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は半導体装置に関し、
特に、電流電圧特性を不飽和型から飽和型特性に変化さ
せることができる個別半導体装置及びそれを少なくとも
一部に用いた半導体集積回路等の半導体装置、及びこれ
ら半導体装置を用いた電子機器に関する。さらには、こ
れら半導体装置及び電子機器の動作方法に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体集積回路の基本をなすのは、第一
に集積回路構成の主要素たるトランジスタの特性、第二
に集積回路に固有の回路構成、第三には半導体基板上に
回路を構成するプロセス技術がある。集積回路を高速で
かつ低電力で動作させるには、トランジスタの性能、及
び回路構成が重要となるが、回路構成については経験的
なもので、例えば新規な性能のトランジスタが得られれ
ば、新しい回路構成が考案されることは十分考えられ
る。個々のトランジスタに必要な性能は高速でかつ低電
力で動作することであり、各トランジスタの伝搬遅延時
間τdの遅れと、消費電力Pdとの積ができるだけ小さい
ことが望まれる。しかし、例えばコンピュータの演算部
に使用される論理集積回路では、高速性が第一に要求さ
れるため、出力インピーダンスが小さく電流の流れやす
いバイポーラトランジスタ(BJT)などが用いられ、
低消費電力ということについては犠牲にせざるを得な
い。逆に、データ記憶部に使用されるメモリ回路では、
集積度が優先され低消費電力化が要求されるため、高イ
ンピーダンスの電界効果トランジスタ(FET)、特に
MOSFETが使用され、高速性についてはある程度犠
牲にされている。このように従来のトランジスタでは集
積回路の体系が違えば用いるトランジスタも異なり、回
路構成、さらに製造プロセスも相違することになる。従
来のトランジスタを混在させて使用することも勿論可能
であるが、各々のトランジスタを別個のプロセスで作製
しなければならず、複雑な製造プロセスとならざるを得
ない。
【0003】静電誘導トランジスタ(SIT)は、ソー
ス・ドレイン間に流す電流に対する電位障壁をゲート及
びドレインに印加する電圧による静電誘導効果により制
御する半導体装置であり、構造はFETに似ている。図
12(a)はSITの構造を示す模式的な断面図で、図
12(b)はFETの構造を示す模式的な断面図であ
る。図12に示すようにFET、SITともにドレイン
領域1及びソース領域3の間にゲート電極8を設け、ド
レイン・ソース間にドレイン電圧VDを印加し、ゲート
電極8に印加する電圧VGで流れる電流を制御する。F
ETとSITの違いは、FETが長ゲートでドレイン・
ソース間に中性領域が存在し、一方、SITにおいて
は、短ゲートでドレイン・ソース間は空乏化あるいはほ
とんど空乏化している状態にあることである。
【0004】構造の類似とは相違して、FETとSIT
の電流・電圧特性は、全く別の特性を示す。図13
(a)はSITの電流・電圧特性で、図13(b)はF
ETの電流・電圧特性である。図13(b)に示すよう
にFETがドレイン電圧VDに対してドレイン電流ID
飽和するいわゆる飽和型特性を示すのに対して、SIT
では図13(a)に示すように指数関数則に従った不飽
和型の特性を示す。また、高速動作の一つの性能指数で
ある相互コンダクタンスgmは、SITに比べFETは
小さくなる。
【0005】FETが飽和型特性を示すのは、ゲート電
極直下のチャネル抵抗、ソース領域からチャネルまでの
抵抗、ソース領域内の寄生抵抗、ソース領域とソース電
極とのコンタクト抵抗などを含めた直列抵抗となる内部
抵抗rsの負帰還効果によるためであることは公知であ
る。また、外部回路で得られるgmは、真の相互コンダ
クタンスgm iに対して、 gm〜gm i/(1+rs・gm i) ・・・・・(1) と表せ、直列抵抗となる内部抵抗rsが大きいFETの
場合は、一般に gm〜1/rs ・・・・・(2) となり、真の相互コンダクタンスgm iに比べ非常に小さ
いものとなる。FETはSITのゲート長を長く、内部
抵抗rsを大きくした半導体装置であるということがで
きる。したがって、SITのソース側に直列に外部抵抗
を接続してもFET特性を得ることが出来る。内部抵抗
sの小さい極限デバイスであるSITでは、ドレイン
電流はドレイン電圧の増大に対して飽和せず、gmも大
きい。従って、SITを用いれば高速性を生かした論理
回路に適用できる。しかも、小さな電流でトランジスタ
動作させることができ、低消費電力動作するためBJT
やFETの長所を併せ持つトランジスタといえる。
【0006】FETについてはSITに比べ、これまで
の集積回路の経験が豊富であり、回路設計が簡単である
こと、またドレイン電流IDがドレイン電圧VDに対して
飽和することにより広範囲のドレイン電圧VDで電流を
一定にでき安定性・安全性に優れている点があげられ
る。
【0007】ところで、集積回路には、大別するとフル
カスタムICとセミカスタムICとがある。フルカスタ
ムICは高性能ICを大量に製造する場合に適してい
る。一方、ASIC(Application Specific Integrate
d circuit)に代表されるセミカスタムICはユーザの
希望する特定用途向けのデバイスを、短期間に開発する
場合に適している。ASICにおいては、SSI,MS
I(LSI)レベルの機能を有する論理セルを準備(登
録)し、ユーザの希望するデバイスを、これらの登録さ
れた論理セルを用いて、計算機による自動設計で行う。
このようにCADを使用して簡単に実現するASICの
設計手法としては、ゲートアレイや、スタンダードセ
ル、エンベッテドアレイの各方式が知られている。フル
カスタム設計においても、計算機による自動設計を取り
入れる場合もあるが、この場合は主として回路動作の予
測とパターンの検証に自動化が適用されている。設計の
他の部分では自動設計の標準化がなされておらず、設計
者が対話的に行う、いわゆる計算機の助けを借りた設計
手法が取り入れられている。
【0008】このように、セミカスタム手法は設計手法
の標準化された、計算機による自動設計であるといえ
る。ASICに用いられるゲートアレイでは基本セルを
格子状に並べたマスターチップを、あらかじめ作成して
おき、基本セルの上部の金属配線層の設計のみを行い、
この金属配線層の配線接続だけを行うことにより、ユー
ザの希望に沿ったLSIを短期間に開発できる特徴をも
っている。ただし、ゲートアレイでは、CPUやメモリ
等の大規模なマクロセルを構成することができないた
め、これを容易に実現するためにスタンダードセルが登
場した。スタンダードセルは、最適設計した検証済みマ
クロセルをCADの設計データベースに予め登録してお
き、このマクロセルをCADを使用して任意に組み合わ
せて構成するものである。このスタンダードセルは、大
規模なマクロセルを容易に構成することができるもので
あるが、各マクロセルは、トランジスタ単位のレベルま
で具体化するものであるため、開発期間が長くなる。そ
こで、ゲートアレイのランダムロジック部に、スタンダ
ードセルのマクロセルを埋め込んだ構造のエンベッテド
アレイが提案されている。このエンベッテドアレイは、
ランダムロジック部のゲート数や、内蔵するマクロセル
の種類を決めた後、直ちにウェーハの製造を開始して配
線工程の前まで製造を進めてマスターチップを用意して
おく。この状態で、論理設計の完成を待ち、論理シミュ
レーション終了後は、ランダムロジック部に配線を施す
だけで完成するものである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】このような、エンベッ
テドアレイ等のセミカスタムLSIにおいては多種・多
様・多機能な論理回路やメモリ部が同一半導体チップ上
に組み込まれている。このため、半導体チップ上の一部
はSIT特性の回路、他の一部はFET特性の回路とし
た方がLSIチップ全体としての特性の向上の期待が出
来る場合がある。しかし、SITとFETとでは、ゲー
ト長やチャネルの不純物密度等の基本的な構造や設計ル
ールが異なるため、従来のセミカスタムLSIの手法に
おいては、マスターチップとして両方に対応できる構造
は準備することが出来ないという問題点があった。
【0010】即ち、SITとFETとを同一半導体チッ
プ上に混在させたLSIを実現するるためには、マスタ
ーチップ段階から変更が必要で、セミカスタムLSIの
特徴である迅速な製品の提供が困難であった。さらに、
マスターチップ段階から変更するにしても、SITとF
ETとではゲート長やチャネルの不純物密度が互いに異
なるため、プロセス条件が複雑化し、工程数が増大する
という問題点を有していた。
【0011】このように、従来のセミカスタムLSIで
は、高速の部分の回路をSITで、低速の部分の回路を
FETで構成するというような自由度を有した設計は不
可能であった。
【0012】さらに、従来の半導体集積回路や電子機器
は、ある特定の電流・電圧特性のみを仮定した設計論で
しか設計されていないため、より回路特性や動作特性の
向上できる可能性を無駄にしている場合が見られた。
【0013】例えば歴史的な経緯からMOSFETを用
いたLSIが先行して発展したために、SITがMOS
FETよりも高速度・低消費電力で動作するトランジス
タであることが公知となった後においても、回路設計者
は不慣れな電流・電圧特性のトランジスタの採用を嫌う
傾向が見られた。
【0014】また、種々の回路のなかには、SITとF
ETとの中間型の電流・電圧特性のスイッチング素子に
より、半導体集積回路や電子機器の特性が改善されるこ
とが期待できる場合もある。しかし、従来このようなS
ITとFETとの中間型の電流・電圧特性のスイッチン
グ素子を用いた論理シミュレーションや回路シミュレー
ション技術は知られていなかった。また、このような未
知の電流・電圧特性の回路に対する設計論自身も未開発
であった。SITとFETとの中間型のうちでも、より
SITに近い特性のものや、よりFETに近い特性のも
のがあり、これらの内でいずれが、多種多様の半導体集
積回路や電子機器に対して、最適な電流・電圧特性であ
るかを見いだすのが困難であった。
【0015】また、論理シミュレーションや回路シミュ
レーション技術には、一定の限界があるので、種々の回
路のなかには、どのような電流・電圧特性のスイッチン
グ素子を用いると、半導体集積回路や電子機器の特性が
最も改善されるかが、不明である場合もある。このよう
な場合は、現実の動作によりその特性を実験的に確かめ
ざるを得ない。しかし、1個のLSIの製造には、莫大
なる経費と時間が必要であり、膨大なる無駄が予想され
る実験的試作には、限界があった。したがって、従来こ
のような冒険的試みはなされなかった。また、電子機器
のシステム全体の総合的な特性を評価するためには、小
規模なシミュレーションや予備実験では予測できない場
合もある。
【0016】さらに、従来の半導体集積回路や電子機器
は動作温度等の使用環境や演算対象の内容が変更になっ
た場合に電流・電圧特性を、SIT特性からFET特性
へ、若しくはFET特性からSIT特性へ変更すること
により、高速性、低消費電力性及び安定性などの特性の
改善が見込まれる場合もあるが、従来の半導体集積回路
や電子機器はこのような電流・電圧特性の変更は不可能
であった。
【0017】上記問題点を鑑み、本発明の目的は、高速
性、低消費電力性及び安定性などの特性を簡単に制御で
きる設計自由度の大きな半導体装置及びこれを用いた電
子機器を提供することにある。
【0018】本発明の他の目的は、複雑な製造プロセス
を用いることなく多様な論理体系の論理回路を含む半導
体集積回路を簡単に設計・製造できる半導体装置及びこ
れを用いた電子機器を提供することにある。
【0019】本発明の更に他の目的は、SITとFET
とを同一半導体チップ上に混在させたLSIを、迅速に
設計・製造し、ユーザの希望するデバイスを、短期間に
開発できる半導体装置及びこれを用いた電子機器を提供
することにある。
【0020】本発明の更に他の目的は、高速性、低消費
電力性及び安定性などの動作特性を回路特性に合わせな
がら、簡単に設計・製造し、特定用途向けの高性能・多
機能デバイスを、短期間に開発できる半導体装置及びこ
れを用いた電子機器を提供することにある。
【0021】本発明の更に他の目的は、SITとFET
とを同一半導体チップ上に混在させたセミカスタムLS
Iを、迅速に設計・製造できる半導体装置及びこれを用
いた電子機器を提供することにある。
【0022】本発明の更に他の目的は、半導体装置を構
成しているスイッチング素子の電流・電圧特性を、SI
T特性からFET特性へ、若しくはFET特性からSI
T特性へ自由に変更し、設計論が未熟若しくは未開発な
回路であっても、簡単に製造可能で、その動作特性を確
認し、改善できる半導体装置及びこれを用いた電子機器
を提供することにある。
【0023】本発明の更に他の目的は、半導体装置を構
成しているスイッチング素子の電流・電圧特性を、変更
し、その動作特性を改善できる学習機能を有した半導体
装置及びこれを用いた電子機器を提供することにある。
【0024】本発明の更に他の目的は、半導体集積回路
等を構成しているスイッチング素子の電流・電圧特性を
自由に変更し、最も動作特性が良くなる電流・電圧特性
に設定することの出来る半導体装置及びこれを用いた電
子機器の動作方法を提供することにある。
【0025】本発明の更に他の目的は、動作温度等の使
用環境や演算対象の内容が変更になった場合に電流・電
圧特性を、SIT特性からFET特性へ、若しくはFE
T特性からSIT特性へ変更することにより、動作特性
の改善をすることの可能な半導体装置及びこれを用いた
電子機器の動作方法を提供することにある。
【0026】本発明の更に他の目的は、その動作特性を
改善し、学習機能を実現できる半導体装置及びこれを用
いた電子機器の動作方法を提供することにある。
【0027】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の第1の特徴は、ソース領域、ドレイン領
域、ゲート電極及び内部抵抗制御手段を少なくとも具備
し、この内部抵抗制御手段により内部抵抗を可変とし、
内部抵抗が最小となったときに静電誘導トランジスタ
(SIT)として動作するように構成した半導体装置で
あることである。ここで、「内部抵抗」とは、(1)式
に示した負帰還直列抵抗となる内部抵抗rsの意であ
る。
【0028】本発明の第1の特徴の構成によれば、内部
抵抗制御手段により内部抵抗rsを可変とすることによ
り、半導体装置のドレイン電流・ドレイン電圧特性を不
飽和型から飽和型へ、又は、飽和型から不飽和型へと自
由に特性を変化させることができる。完全な飽和型では
なく、飽和型と不飽和型との中間的な電流・電圧特性に
制御しても良い。なお、ゲート電極周辺の構造は、絶縁
ゲート構造、接合ゲート構造、ショットキー・ゲート構
造のいずれでもかまわない。
【0029】本発明の第2の特徴は、SITと、ソース
領域、ドレイン領域、ゲート電極及び内部抵抗制御手段
を少なくとも具備し、内部抵抗制御手段により内部抵抗
を可変とし、この内部抵抗が最小となったときにSIT
として動作するように構成したトランジスタ(擬SI
T)とを同一半導体基板上に集積化した半導体装置(半
導体集積回路)であることである。
【0030】本発明の第2の特徴によれば、内部抵抗制
御手段により内部抵抗rsを可変とすることにより、ト
ランジスタ(擬SIT)の電流・電圧特性を不飽和型か
ら飽和型へと自由に特性を変化させることができる。こ
のため、例えば、高速の信号処理回路から高集積密度で
安定性に優れた論理回路などのように、SIT特性とF
ET特性とを同一半導体チップ上に混在させた集積回路
を簡単に構成することが可能となる。
【0031】本発明の第2の特徴において、SITを含
む回路と、ソース領域、ドレイン領域、ゲート電極及び
内部抵抗制御手段を少なくとも具備し、内部抵抗制御手
段により内部抵抗を可変とし、内部抵抗が最小となった
ときにSITとして動作するように構成したトランジス
タ(擬SIT)を含む回路とを同一半導体基板上に集積
化してもよい。上記と同様に、内部抵抗制御手段により
内部抵抗rsを可変とすることにより、回路を構成して
いるトランジスタ(擬SIT)の電流・電圧特性を不飽
和型から飽和型へと自由に特性を変化させることができ
る。このため、例えば、高速の信号処理回路にはSIT
を含む回路を採用し、比較的高速性が要求されず安定性
が要求される回路には、FET特性もしくはSITとF
ETの中間型のトランジスタを含む回路を採用する等の
回路設計が可能となる。このため、多様な回路体系を有
する集積回路をそれぞれの回路特性に適合させつつ、簡
単に構成することが可能となる。
【0032】本発明の第3の特徴はソース領域、ドレイ
ン領域、ゲート電極及び内部抵抗制御手段を少なくとも
具備し、内部抵抗制御手段により内部抵抗を可変とし、
内部抵抗が最小となったときにSITとして動作するよ
うに構成したトランジスタ(擬SIT)を同一半導体基
板上に複数個配置した半導体集積回路であって、一部の
トランジスタ(擬SIT)の内部抵抗を他のトランジス
タ(擬SIT)の内部抵抗とは異なる値に設定した半導
体装置であることである。
【0033】このように構成すれば、基本構造としては
同一の擬SITを多数個同一半導体基板上に配置して、
それぞれの内部抵抗制御手段に与える電圧を変える、若
しくは一部の内部抵抗制御手段のみに表面金属配線を接
続して特定の内部抵抗制御手段のみを選択的に機能さ
せ、実質的にSIT特性の回路、FET特性の回路、及
び/もしくはSIT特性とFET特性の中間型の特性の
回路を同一半導体基板上に配置した半導体集積回路が実
現できる。
【0034】例えば、ゲートアレイのマスターチップと
して、同一構造の擬SITを多数個同一半導体基板上に
配置したウェハを用意しておき、この状態で、論理設計
の完成を待ち、論理シミュレーション終了後は、特定の
擬SITの内部抵抗制御手段のみに選択的に表面金属配
線を施すだけで、ユーザの希望する特定用途向けのSI
T/FET混合型デバイスを、短期間に開発することが
できる。従って、SIT/FET混合型デバイスの製造
プロセスを極度に複雑化させることもなく簡単に実現で
きる。
【0035】なお、本発明の第1乃至第3の特徴におい
て、内部抵抗rsは、ゲート電極直下のチャネル抵抗、
ソース領域からチャネルの入り口までの抵抗、ソース領
域内の寄生抵抗、ソース領域とソース電極とのコンタク
ト抵抗などを含めた直列抵抗であるが、この内、ソース
領域からチャネルの入り口の電位障壁までの抵抗を制御
するのが効果的である。この電位障壁は、ソース領域と
ドレイン領域との間の主電流通路に形成され、SIT
(及び擬SIT)の主電流となるキャリアの注入量を電
位障壁の高さで制御する。また、この電位障壁は、ゲー
ト電極に印加されるゲート電圧(ゲートバイアス)及び
ドレイン領域に印加されるドレイン電圧(ドレインバイ
アス)で定まる2次元ポテンシャルの鞍部点(サドルポ
イント)により規定される電位障壁である。
【0036】また、本発明の第1乃至第3の特徴におけ
る内部抵抗制御手段は、ゲート電極とは電気的に分離し
て構成し、ソース領域近傍の空乏層幅を電位障壁の高さ
とは独立に制御することが好ましい。空乏層幅を制御す
る手段は、絶縁ゲート構造、接合ゲート構造、ショット
キー・ゲート構造のいずれでもかまわない。そして、こ
の絶縁ゲート構造、接合ゲート構造、ショットキー・ゲ
ート構造のいずれかとなるように、内部抵抗制御手段
は、ソース領域とゲート電極との間に設けられた、ゲー
ト電極とは電気的に独立した制御電極を少なくとも有し
て構成すればよい。例えば、制御電極に電源配線を接続
して一定のバイアス電圧(定電圧)を印加し、ゲート電
極には、信号配線を接続して、正弦波若しくはパルスの
信号を印加するように構成すればよい。ゲート電極に接
続される信号配線とは異なる信号配線を制御電極に接続
して、特定のタイミングのみにおいて、電流・電圧特性
を不飽和型から飽和型へと遷移させるようにすれば、多
値論理回路のような機能を持たせることも可能である。
内部抵抗制御手段は、ソース領域とゲート電極との間
に、複数個の制御電極で構成しても良い。
【0037】本発明の第4の特徴は、SITと、第1の
トランジスタ(第1の擬SIT)と、第2のトランジス
タ(第2の擬SIT)とを同一半導体基板上に集積化し
た半導体装置(半導体集積回路)であることである。こ
こで、「第1のトランジスタ」は、第1のソース領域、
第1のドレイン領域、第1のゲート電極及び第1の内部
抵抗制御手段を少なくとも具備し、第1の内部抵抗制御
手段により第1の内部抵抗を可変とし、第1の内部抵抗
が最小となったときにSITとして動作するように構成
されている。また、「第2のトランジスタ」は、 第2
のソース領域、第2のドレイン領域、第2のゲート電極
及び第2の内部抵抗制御手段を少なくとも具備し、第2
の内部抵抗制御手段により第2の内部抵抗を可変とし、
第2の内部抵抗が最小となったときにSITとして動作
するように構成されている。
【0038】本発明の第4の特徴によれば、第1の内部
抵抗制御手段により第1の内部抵抗rs1を可変とするこ
とにより、第1のトランジスタ(第1の擬SIT)の電
流・電圧特性を不飽和型から飽和型へと自由に特性を変
化させることができる。さらに、第2の内部抵抗制御手
段により第2の内部抵抗rs2を可変とすることにより、
第2のトランジスタ(第2の擬SIT)の電流・電圧特
性を不飽和型から飽和型へと自由に特性を変化させるこ
とができる。第1及び/又は、第2のトランジスタの電
流・電圧特性を不飽和型と飽和型との中間型や、不飽和
型ではあるが比較的内部抵抗の大きな特性のものに制御
することもできる。このため、例えば、高速の信号処理
回路、中程度の速度の信号処理回路、及び比較的低速の
信号処理回路等の種々の仕様の信号処理回路を同一半導
体チップ上に混在させた集積回路を簡単に構成すること
が可能となる。また、このような混在型集積回路を製造
工程を極度に複雑化することなく製造できる。
【0039】たとえば、本発明の第4の特徴において、
第1の内部抵抗制御手段は、第1のソース領域と第1の
ゲート電極との間に設けられた、第1のゲート電極とは
独立した第1の空乏層幅制御手段を少なくとも有し、第
2の内部抵抗制御手段は、第2のソース領域と第2のゲ
ート電極との間に設けられた、第2のゲート電極とは独
立した第2及び第3の空乏層幅制御手段を少なくとも有
するように構成すれば、互いに異なる内部抵抗を制御で
きる。
【0040】本発明の第5の特徴は、ドレイン領域とな
る第1の半導体領域と、第1の半導体領域の上部に形成
されたチャネル領域となる、第1の半導体領域よりも低
不純物密度の第2の半導体領域と、第2の半導体領域の
上部に形成されたソース領域となる、第2の半導体領域
よりも高不純物密度の第3の半導体領域と、第3の半導
体領域を貫通し、第2の半導体領域の側部に形成された
溝部と、溝部の内部において、第2の半導体領域の側部
に形成されたゲート電極と、溝部の内部において、ゲー
ト電極とは離間して、ゲート電極の上部に形成された制
御電極とを少なくとも備え、制御電極により、第3の半
導体領域近傍の第2の半導体領域中の空乏層幅を制御す
る半導体装置であることである。
【0041】ここで、「制御電極」は、第2の半導体領
域中の空乏層幅を制御して、ソース領域とドレイン領域
との間の主電流通路に形成された直列抵抗となる内部抵
抗の値を可変とするように動作する。すなわち、制御電
極にバイアス電圧を印加しない場合は、内部抵抗rs
小さく、ほとんど無視できるので、SITとして動作す
る。一方制御電極にバイアス電圧を印加すると第2の半
導体領域中の空乏層幅が広がり、チャネル層が狭まり、
ソースからチャネルまでの抵抗が増大し、内部抵抗rs
が増加し、FET特性を示すようになる。
【0042】本発明の第5の特徴の構成によれば、制御
電極により、内部抵抗rsを可変とすることにより、半
導体装置のドレイン電流・ドレイン電圧特性を不飽和型
から飽和型へと自由に特性を変化させることができる。
完全な飽和型ではなく、飽和型と不飽和型との中間的な
電流・電圧特性に制御しても良い。
【0043】本発明の第6の特徴は、ドレイン領域とな
る第1の半導体領域と、第1の半導体領域の上部に形成
されたチャネル領域となる、第1の半導体領域よりも低
不純物密度の第2の半導体領域と、第2の半導体領域の
上部に形成されたソース領域となる、第2の半導体領域
よりも高不純物密度の第3の半導体領域と、第3の半導
体領域を貫通し、第2の半導体領域の側部に形成された
溝部と、溝部の内部において、第2の半導体領域の側部
に形成されたゲート電極と、溝部の内部において、ゲー
ト電極とは離間して、ゲート電極の上部に形成された制
御電極とを少なくとも備えたスイッチング素子を同一半
導体基板上に複数個配置した半導体集積回路であって、
特定のスイッチング素子の制御電極にのみに選択的に表
面配線を接続し、この特定のスイッチング素子の第3の
半導体領域近傍の第2の半導体領域中の空乏層幅のみを
選択的に制御する半導体装置であることである。
【0044】このように構成すれば、基本構造としては
同一のスイッチング素子(擬SIT)を多数個同一半導
体基板上に配置して、特定のスイッチング素子の制御電
極にのみに選択的に表面配線を接続し、選択された特定
の制御電極により、特定のスイッチング素子の内部抵抗
sを可変とすることにより、この特定のスイッチング
素子のドレイン電流・ドレイン電圧特性のみを選択的に
不飽和型から飽和型へと自由に特性を変化させることが
できる。この結果、実質的にSIT特性の回路、FET
特性の回路、及び/もしくはSIT特性とFET特性の
中間型の特性の回路を同一半導体基板上に配置した半導
体集積回路が実現できる。
【0045】例えば、セミカスタムLSIのマスターチ
ップとして、同一構造のスイッチング素子(擬SIT)
を多数個同一半導体基板上に配置したウェハを用意して
おき、この状態で、論理設計の完成を待ち、論理シミュ
レーション終了後は、特定のスイッチング素子(擬SI
T)の制御電極のみに選択的に表面金属配線を施すだけ
で、SIT/FET混合型デバイスを、短期間に開発す
ることができる。従って、SIT/FET混合型デバイ
スの製造プロセスを極度に複雑化させることもなく簡単
に実現できる。
【0046】本発明の第7の特徴は、半導体基板上に集
積化された第1のスイッチング素子と第2のスイッチン
グ素子とを少なくとも備えた半導体装置(半導体集積回
路)であることである。ここで、第1のスイッチング素
子は、半導体基板上に設けられた第1の半導体領域と、
第1の半導体領域の上部に形成された第1の半導体領域
よりも低不純物密度の第2の半導体領域と、第2の半導
体領域の上部に形成された第2の半導体領域よりも高不
純物密度の第3の半導体領域と、第3の半導体領域を貫
通し、第2の半導体領域の側部に形成された第1の溝部
と、第1の溝部の内部において、第2の半導体領域の側
部に形成された第1のゲート電極からなるSITであ
る。第2のスイッチング素子は、第1のスイッチング素
子と同一の半導体基板上に設けられた第4の半導体領域
と、第4の半導体領域の上部に形成された第4の半導体
領域よりも低不純物密度の第5の半導体領域と、第5の
半導体領域の上部に形成された第5の半導体領域よりも
高不純物密度の第6の半導体領域と、第6の半導体領域
を貫通し、第5の半導体領域の側部に形成された第2の
溝部と、第2の溝部の内部において、第5の半導体領域
の側部に形成された第2のゲート電極と、第2の溝部の
内部において、第2のゲート電極とは離間して、第2の
ゲート電極の上部に形成された第1の空乏層幅制御手段
から構成されている。この第2のスイッチング素子は、
第1の空乏層幅制御手段により、第6の半導体領域近傍
の第5の半導体領域中の空乏層幅を制御することによ
り、第2のスイッチング素子の内部抵抗を可変とするこ
とができる。即ち、内部抵抗が最小となったときにはS
ITとして動作し、内部抵抗が最大となったときにはF
ETとして動作する。
【0047】本発明の第7の特徴によれば、第1の空乏
層幅制御手段により内部抵抗rsを可変とすることによ
り、第2のスイッチング素子の電流・電圧特性を不飽和
型から飽和型へと自由に特性を変化させることができ
る。このため、例えば、高速の信号処理回路から高集積
密度で安定性に優れた論理回路などのように、SIT特
性とFET特性とを同一半導体チップ上に混在させた集
積回路を簡単に構成することが可能となる。
【0048】本発明の第7の特徴において、第1及び第
2のスイッチング素子と同一の半導体基板上に設けられ
た第7の半導体領域と、第7の半導体領域の上部に形成
された第7の半導体領域よりも低不純物密度の第8の半
導体領域と、第8の半導体領域の上部に形成された第8
の半導体領域よりも高不純物密度の第9の半導体領域
と、第9の半導体領域を貫通し、第8の半導体領域の側
部に形成された第3の溝部と、第3の溝部の内部におい
て、第8の半導体領域の側部に形成された第3のゲート
電極と、第3の溝部の内部において、第3のゲート電極
とは離間して、第3のゲート電極の上部に形成された第
2の空乏層幅制御手段と、第2の空乏層幅制御手段とは
離間して、第2の空乏層幅制御手段の上部に形成された
第3の空乏層幅制御手段とからなる第3のスイッチング
素子を更に備え、第2及び第3の空乏層幅制御手段によ
り、第9の半導体領域近傍の第8の半導体領域中の空乏
層幅を制御すれば、より多様な特性及び多様な論理体系
を有する集積回路を簡単に構成し、製造することが可能
となる。
【0049】本発明の第8の特徴は、第1の半導体基板
上に配置された、第1のソース領域、第1のドレイン領
域、第1のゲート電極及び第1の内部抵抗制御手段を少
なくとも具備し、第1の内部抵抗制御手段により第1の
内部抵抗を可変とし、第1の内部抵抗が最小となったと
きにSITとして動作するように構成した第1のトラン
ジスタからなる第1の半導体集積回路(第1の半導体チ
ップ)と、第2の半導体基板上に配置された、第2のソ
ース領域、第2のドレイン領域、第2のゲート電極及び
第2の内部抵抗制御手段を少なくとも具備し、第2の内
部抵抗制御手段により第2の内部抵抗を可変とし、第2
の内部抵抗が最小となったときにSITとして動作する
ように構成した第2のトランジスタからなる第2の半導
体集積回路(第2の半導体チップ)とを、セラミック基
板等の同一基板上に配置し、第1及び第2の内部抵抗を
互いに異なるように設定したハイブリッドICやマルチ
・チップ・モジュール(MCM)等の半導体装置である
ことである。
【0050】本発明の第8の特徴によれば、第1の内部
抵抗制御手段により第1の内部抵抗rs1を可変とするこ
とにより、第1の半導体集積回路(第1の半導体チッ
プ)を構成している第1のトランジスタ(第1の擬SI
T)の電流・電圧特性を不飽和型から飽和型へ、あるい
は、飽和型から不飽和型へと自由に特性を変化させるこ
とができる。さらに、第2の内部抵抗制御手段により第
2の内部抵抗rs2を可変とすることにより、第2の半導
体集積回路(第2の半導体チップ)を構成している第2
のトランジスタ(第2の擬SIT)の電流・電圧特性を
不飽和型から飽和型へ、あるいは、飽和型から不飽和型
へと自由に特性を変化させることができる。また、不飽
和型と飽和型との中間型や、不飽和型ではあるが比較的
内部抵抗の大きな特性のものに制御することもできる。
このため、例えば、高速の信号処理回路、中程度の速度
の信号処理回路、及び比較的低速の信号処理回路等の種
々の仕様の半導体チップを搭載したハイブリッドICや
MCMの特性を簡単に制御し、全体としての動作特性が
最も良好になるように、各擬SITの電流・電圧特性を
選択することが可能となる。
【0051】本発明の第9の特徴は、第1の半導体基板
上に配置された、第1のソース領域、第1のドレイン領
域、第1のゲート電極及び第1の内部抵抗制御手段を少
なくとも具備し、第1の内部抵抗制御手段により第1の
内部抵抗を可変とし、第1の内部抵抗が最小となったと
きにSITとして動作するように構成した第1のトラン
ジスタからなる第1の半導体集積回路を含む第1の半導
体実装体と、第2の半導体基板上に配置された、第2の
ソース領域、第2のドレイン領域、第2のゲート電極及
び第2の内部抵抗制御手段を少なくとも具備し、第2の
内部抵抗制御手段により第2の内部抵抗を可変とし、第
2の内部抵抗が最小となったときにSITとして動作す
るように構成した第2のトランジスタからなる第2の半
導体集積回路を含む第2の半導体実装体とを少なくとも
具備し、第1及び第2の内部抵抗を互いに異なるように
設定した電子機器であることである。ここで、「第1及
び第2の半導体実装体」とは、第1乃至第7の特徴の半
導体装置を所定の基板上にマウントしたパッケージや、
第8の特徴のハイブリッドICやMCM等の1次/2次
実装体を含む概念である。さらに、これらの1次/2次
実装体をプリント基板等のマザーボードに実装したもの
(3次実装体)、このマザーボードを複数個架枠に実装
したもの(4次実装体)を含む概念である。さらに、4
次実装体を他の電源や操作盤あるいはディスプレイパネ
ルと共に筐体に実装したもの(5次実装体)でも良い。
【0052】本発明の第9の特徴によれば、第1の内部
抵抗制御手段により第1の内部抵抗rs1を可変とするこ
とにより、第1の半導体実装体を構成している第1のト
ランジスタ(第1の擬SIT)の電流・電圧特性を、第
1の半導体実装体の機能に適合すべく所望の特性にを自
由に変化させることができる。さらに、第2の内部抵抗
制御手段により第2の内部抵抗rs2を可変とすることに
より、第2の半導体実装体を構成している第2のトラン
ジスタ(第2の擬SIT)の電流・電圧特性を第2の半
導体実装体の機能に適合すべく所望の特性に自由に変化
させることができる。このため、例えば、高速の信号処
理回路、中程度の速度の信号処理回路、及び比較的低速
の信号処理回路等を搭載した種々の仕様の複数の半導体
実装体のそれぞれの動作特性を制御し、最適化し、電子
機器の総合的な動作特性を改善出来る。
【0053】本発明の第10の特徴は、ソース領域、ド
レイン領域、ゲート電極及び内部抵抗制御手段を少なく
とも具備し、内部抵抗制御手段により内部抵抗を可変と
し、内部抵抗が最小となったときにSITとして動作す
るように構成したトランジスタを同一半導体基板上に複
数個配置した半導体集積回路を用意するステップと、内
部抵抗を初期の内部抵抗値に設定するステップと、初期
の内部抵抗値を用いて、半導体集積回路を試験的に動作
させその特性を測定評価するステップと、測定評価の結
果に基づいて半導体集積回路を構成する少なくとも一部
のトランジスタの内部抵抗を初期の内部抵抗値とは異な
る値に設定するステップとを少なくとも有する半導体装
置の動作方法であることである。
【0054】本発明の第10の特徴によれば、半導体集
積回路を構成している特定のトランジスタ(擬SIT)
の内部抵抗rsを初期の内部抵抗値とは異なる値に設定
することにより、半導体装置の電流・電圧特性を不飽和
型から飽和型へ又は、飽和型から不飽和型へと自由に特
性を変化させることができる。このため、例えば、複数
の性質の異なる回路、例えば、高速の信号処理回路、中
程度の速度の信号処理回路、及び比較的低速の信号処理
回路等の種々の仕様の信号処理回路をそれぞれ最適動作
するように電流・電圧特性を制御し、半導体集積回路全
体として最も特性の良好になる電流・電圧特性を試行錯
誤により見いだし(学習し)、その最適値に設定するこ
とが可能となる。
【0055】本発明の第11の特徴は、第1の半導体基
板上に配置された、第1のソース領域、第1のドレイン
領域、第1のゲート電極及び第1の内部抵抗制御手段を
少なくとも具備し、第1の内部抵抗制御手段により第1
の内部抵抗を可変とし、第1の内部抵抗が最小となった
ときにSITとして動作するように構成した第1のトラ
ンジスタからなる第1の半導体集積回路と、第2の半導
体基板上に配置された、第2のソース領域、第2のドレ
イン領域、第2のゲート電極及び第2の内部抵抗制御手
段を少なくとも具備し、第2の内部抵抗制御手段により
第2の内部抵抗を可変とし、第2の内部抵抗が最小とな
ったときにSITとして動作するように構成した第2の
トランジスタからなる第2の半導体集積回路とを、セラ
ミック基板等の同一基板上に配置した半導体装置を用意
するステップと、第1及び第2の内部抵抗を初期の内部
抵抗値に設定するステップと、初期の内部抵抗値を用い
て、半導体装置を試験的に動作させその特性を測定評価
するステップと、測定評価の結果に基づいて第1及び第
2の内部抵抗の少なくとも一部の内部抵抗を初期の内部
抵抗値とは異なる値に設定するステップとを少なくとも
有する半導体装置の動作方法であることである。
【0056】本発明の第11の特徴によれば、ハイブリ
ッドICやMCM等の半導体装置を試験的に動作させそ
の特性を測定評価することにより、第1及び第2の内部
抵抗の少なくとも一部の内部抵抗を初期の内部抵抗値と
は異なる値に設定することにより、所定のトランジスタ
(擬SIT)の電流・電圧特性を所望の特性に自由に変
化させ、さらにその特性を測定評価することができる。
この操作を繰り返すことにより、半導体装置を構成して
いる各擬SITの電流・電圧特性を、それぞれの回路の
仕様や特性に適合するように最適値に設定する(学習す
る)ことが可能となる。この学習の結果、例えば、高速
の信号処理回路、中程度の速度の信号処理回路、及び比
較的低速の信号処理回路等の種々の仕様の半導体チップ
を搭載したハイブリッドICやMCM等の総合的な動作
特性を、最も良好なものに設定できる。
【0057】本発明の第12の特徴は、第1の半導体基
板上に配置された、第1のソース領域、第1のドレイン
領域、第1のゲート電極及び第1の内部抵抗制御手段を
少なくとも具備し、第1の内部抵抗制御手段により第1
の内部抵抗を可変とし、第1の内部抵抗が最小となった
ときにSITとして動作するように構成した第1のトラ
ンジスタからなる第1の半導体集積回路を含む第1の半
導体実装体と、第2の半導体基板上に配置された、第2
のソース領域、第2のドレイン領域、第2のゲート電極
及び第2の内部抵抗制御手段を少なくとも具備し、第2
の内部抵抗制御手段により第2の内部抵抗を可変とし、
第2の内部抵抗が最小となったときにSITとして動作
するように構成した第2のトランジスタからなる第2の
半導体集積回路を含む第1の半導体実装体とを少なくと
も具備した電子機器を用意するステップと、第1及び第
2の内部抵抗を初期の内部抵抗値に設定するステップ
と、初期の内部抵抗値を用いて、電子機器を試験的に動
作させ、その特性を測定評価するステップと、測定評価
の結果に基づいて第1及び第2の内部抵抗の少なくとも
一部の内部抵抗を初期の内部抵抗値とは異なる値に設定
するステップとを少なくとも有する電子機器の動作方法
であることである。ここで、「第1及び第2の半導体実
装体」とは、第9の特徴において説明したような1次/
2次実装体乃至5次実装体を意味する。
【0058】本発明の第12の特徴によれば、電子機器
を試験的に動作させその特性を測定評価することによ
り、第1及び第2の半導体実装体を構成する所定のトラ
ンジスタ(擬SIT)の第1及び第2の内部抵抗の少な
くとも一部を初期の内部抵抗値とは異なる値に設定する
ことにより、所定のトランジスタ(擬SIT)の電流・
電圧特性を所望の特性に自由に変化させ、さらにその特
性を測定評価することができる。この操作を繰り返すこ
とにより、電子機器を構成している各擬SITの電流・
電圧特性を、それぞれの半導体実装体の仕様や特性に適
合するように最適値に設定する(学習する)ことが可能
となる。この学習の結果、例えば、高速の信号処理回
路、中程度の速度の信号処理回路、及び比較的低速の信
号処理回路等を搭載した種々の仕様の半導体実装体から
構成されたコンピュータシステムやマルチメディア機器
等の電子機器の総合的な動作特性を、最も良好なものに
設定できる。
【0059】
【発明の実施の形態】次に、図面を参照して、本発明の
実施の形態を説明する。図1は本発明の基本原理を示す
等価回路図である。図1(a)は、絶縁ゲート構造の個
別半導体装置を、図1(b)は、接合ゲート構造の個別
半導体装置を示す。図1に示すように、本発明の基礎と
なる個別半導体装置は、ソース領域S、ドレイン領域
D、ゲート電極G及び内部抵抗制御手段を少なくとも具
備し、この内部抵抗制御手段により内部抵抗rsを可変
とし、内部抵抗rsが最小となったときにSIT(SI
T)として動作するように構成している。ここで、内部
抵抗とは、ゲート電極直下のチャネル抵抗、ソース領域
からチャネルまでの抵抗、ソース領域内の寄生抵抗、ソ
ース領域とソース電極とのコンタクト抵抗などを含めた
直列抵抗である。(1)式に示すように、負帰還直列抵
抗となる内部抵抗rsを可変とすることによりにより、
外部回路で得られるgmは、真の相互コンダクタンスgm
iに対して変化する。
【0060】図1(a)に示した絶縁ゲート構造、及び
図1(b)に示した接合ゲート構造以外にもショットキ
ー・ゲート構造であってもかまわないことは勿論であ
る。
【0061】以下の本発明の第1及び第2の実施の形態
において、本発明の半導体装置の具体的な構造を説明す
る。この第1及び第2の実施の形態における図面の記載
において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号
を付している。ただし、図面は模式的なものであり、厚
みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は現実のも
のとは異なることに留意すべきである。したがって、具
体的な厚みや寸法は以下の説明を参酌して判断すべきも
のである。また図面相互間においても互いの寸法の関係
や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
【0062】(第1の実施の形態)図2は本発明の第1
の実施の形態に係る個別半導体装置の模式的な断面図で
ある。図2に示すように、本発明の第1の実施の形態に
係る個別半導体装置は、ドレイン領域となるn+Si基
板(第1の半導体領域)1上にチャネル領域となるn-
層(第2の半導体領域)2が配置され、さらにn-層2
の上部にはソース領域となるn+層(第3の半導体領
域)3が形成されている。n-層(第2の半導体領域)
2は、n+Si基板(第1の半導体領域)1よりも低不
純物密度で、n+層(第3の半導体領域)3は、n-
(第2の半導体領域)2よりも高不純物密度である。こ
のn-層2とn+層3を挟むように両側にU溝(溝部)が
配置され、U溝の側壁にゲート絶縁膜4が形成され、U
溝の底部に第1絶縁膜5が埋め込まれている。n+基板
1の裏面にはドレイン電極6が、n+層3の上部にはソ
ース電極7が配置されている。U溝に埋め込まれた第1
絶縁膜5の上部にはゲート電極8が配置されている。ゲ
ート電極8の上部には第2絶縁膜11を介して第1制御
電極21が配置され、第1制御電極21の上部には第3
絶縁膜12を介して第2制御電極22が配置されてい
る。第2絶縁膜11、第1制御電極21、第3絶縁膜1
2及び第2制御電極22とにより内部抵抗制御手段9が
構成されている。
【0063】図2に示す本発明の第1の実施の形態に係
る個別半導体装置は、内部抵抗制御手段9を除けば縦形
構造のSITとみなすことが可能である。このため、ゲ
ート電極8に両側を挟まれたn-チャネル層2は、ゲー
ト電極8に一定のゲートバイアス電圧を印加することに
よりゲート絶縁膜4の界面から空乏化する。一方、ドレ
イン電極6にドレインバイアス電圧を印加することによ
りn-チャネル層2はドレイン領域側からも空乏化す
る。こうして、ゲートバイアス電圧及びドレインバイア
ス電圧で定まる2次元ポテンシャルの鞍部点(サドルポ
イント)により、ソース領域3とドレイン領域1間の主
電流通路に電位障壁が形成される。
【0064】この電位障壁の高さはゲートバイアス電圧
及びドレインバイアス電圧で制御される。したがってゲ
ート電極8及びドレイン電極6に印加する電圧によりド
レイン領域1に注入されるキャリアの量が制御される。
ゲート・ソース間のn-チャネル層2には内部抵抗rs
存在する。この内部抵抗rsは、ゲート電極直下のチャ
ネル抵抗、ソースからチャネルまでの抵抗やソースの寄
生抵抗などを含めた直列抵抗成分である。第1及び第2
制御電極21,22にバイアス電圧を印加しない場合
は、内部抵抗rsは小さく、ほとんど無視できるので、
図2に示す本発明の第1の実施の形態に係る個別半導体
装置は、SITとして動作する。一方第1及び第2制御
電極21,22にバイアス電圧を印加すると第1及び第
2制御電極に隣接したn-層2中に空乏層31が広が
り、チャネル層が狭まり、ソースからチャネルまでの抵
抗が増大し、内部抵抗rsが増加し、FET特性を示す
ようになる。
【0065】図3に本発明の第1の実施の形態に係る個
別半導体装置の、内部抵抗制御手段により変化させられ
た3種の内部抵抗rsに対するそれぞれのドレイン電極
D−ドレイン電圧VD特性を示す。図3(a)に示すよ
うに第1,第2制御電極にバイアス電圧を印加しない場
合、不飽和型のSIT特性を示す。図3(b)は第1制
御電極21のみにバイアス電圧を印加し内部抵抗rs
ある程度増加させた場合である。この場合は不飽和型と
飽和型の中間の特性を示す。図3(c)は第1制御電極
21及び第2制御電極22の両方に対して所定の電圧を
バイアスし内部抵抗rsをさらに、大きくした場合であ
る。この場合は内部抵抗rsの負帰還効果により飽和型
のFET様の特性になる。gmは、ドレイン電極ID−ド
レイン電圧VD特性が、不飽和型〜中間型〜飽和型と内
部抵抗rsの増大に伴い遷移するとともに、その値が次
第に小さくなる。
【0066】本発明の第1の実施の形態に係る個別半導
体装置においては、ゲート電極8とは別に設けられた内
部抵抗制御手段9を構成する複数の制御電極21,22
に印加するバイアス電圧により容易に不飽和型の高速性
を有するトランジスタから、低消費電力で安定性のよい
飽和型トランジスタまで簡単に実現できる。したがって
本発明の第1の実施の形態に係る個別半導体装置を用い
ることにより、同一の半導体素子の特性を不飽和型から
飽和型へと変化させることができ、論理体系を制御する
集積回路の設計作製を可能とする基本スイッチング素子
が実現できる。
【0067】例えば、本発明の第1の実施の形態に係る
個別半導体装置において、第1制御電極21及び第2制
御電極22にそれぞれ第1及び第2の電源配線を接続し
て一定のバイアス電圧(定電圧)を印加し、ゲート電極
8には、信号配線を接続して、正弦波若しくはパルスの
信号を印加するように構成すればよい。あるいは、ゲー
ト電極8に接続される信号配線とは異なる第1及び第2
の制御用信号配線を第1制御電極21及び第2制御電極
22にそれぞれ接続して、特定のタイミングのみにおい
て、電流・電圧特性を不飽和型から飽和型へと遷移させ
ることも可能である。このようにダイナミカルに動作さ
せれば、多値論理回路用の素子として用いることも可能
である。
【0068】本発明の第1の実施の形態に係る個別半導
体装置は以下のようにすれば製造できる。
【0069】(イ)まず不純物密度5×1017cm-3
至5×1019cm-3のn+Si基板1上にチャネル領域
となる不純物密度5×1012cm-3乃至5×1016cm
-3のn-層2をエピタキシャル成長し、さらに不純物密
度5×1018cm-3乃至1×1021cm-3のソース領域
となるn+層3を連続的にエピタキシャル成長する。ソ
ース領域となるn+層3は75As+31+のイオン注入
で形成しても良い。
【0070】(ロ)続いて、n+層3の上に熱酸化法に
より酸化膜を形成し、フォトリソグラフィー法及び反応
性イオンエッチング(RIE)法により酸化膜をパター
ニングし、Siエッチング用マスクを形成する。このS
iエッチング用マスクを用いて、n+層3、n-層2及び
+Si基板1の一部をエッチング除去し、U溝(トレ
ンチ)を形成する。
【0071】(ハ)その後、U溝(トレンチ)の側壁に
熱酸化法により酸化膜を形成しゲート絶縁膜8とする。
更に、U溝(トレンチ)の底部に酸化膜を真空蒸着法で
埋め込み第1絶縁膜5を形成する。この第1絶縁膜5の
上部にタングステン(W)を真空蒸着法で埋め込みゲー
ト電極8を形成する。
【0072】(ニ)更に、埋め込みゲート電極8の上部
に、酸化膜を真空蒸着法で埋め込み第2絶縁膜11を形
成する。この第2絶縁膜11の上部にタングステン
(W)を真空蒸着法で埋め込み、第1制御電極21を形
成する。更に、第1制御電極21の上部に、酸化膜を真
空蒸着法で埋め込み第3絶縁膜12を形成する。この第
3絶縁膜12の上部にタングステン(W)を真空蒸着法
で埋め込み第2制御電極22を形成する。
【0073】(ホ)更に、全面に図示を省略した層間絶
縁膜を形成し、この層間絶縁膜及びn+層3の上部のゲ
ート絶縁膜8にコンタクトホールを開口する。そして、
全面に、アルミニウム(Al)若しくはアルミニウム合
金(Al−Si、Al−Cu−Si)を真空蒸着法で堆
積し、フォトリソグラフィー法及び反応性イオンエッチ
ング(RIE)法によりこのアルミニウム(Al)若し
くはアルミニウム合金(Al−Si、Al−Cu−S
i)をパターニングし、ソース電極7を形成する。同様
に、図示を省略したコンタクトホールを開口して、ゲー
ト電極8、第1制御電極21及び第2制御電極22に対
する取り出し電極(プラグ電極)及び配線層を接続す
る。一方、n+基板1の裏面全面に、アルミニウム(A
l)若しくはアルミニウム合金(Al−Si、Al−C
u−Si)を真空蒸着法で堆積し、ドレイン電極6を形
成すれば、図2に示す本発明の第1の実施の形態に係る
個別半導体装置が完成する。
【0074】なお、上記製造方法は一例であり、例えば
U溝(トレンチ)の底部に酸化膜を真空蒸着法で埋め込
む代わりに、CVD法で酸化膜を堆積し、U溝の上部の
酸化膜をエッチバックしても良い。また、U溝の側壁の
上部にシリコン窒化膜(Si34)を形成し、U溝の底
部にシリコンを露出させてから、LOCOS法を用いて
形成することも可能である。その他、種々の方法で、本
発明の第1の実施の形態に係る個別半導体装置は製造で
きる。
【0075】図4は本発明の第1の実施の形態の変形例
(第1変形例)に係る接合ゲート構造の個別半導体装置
の模式的な断面図である。ドレイン領域となるn+Si
基板1上にチャネル領域となるn-層2が配置され、さ
らにn-層2の上部にはソース領域となるn+層3が形成
されている。このn-層2とn+層3を挟むように両側に
U溝が配置され、このU溝の側壁からn-チャネル領域
2の表面に向かって、p+ゲート領域81が形成されて
いる。p+ゲート領域81にはゲート電極8が接続され
ている。ゲート電極8の下部、即ち、U溝の底部に第1
絶縁膜5が埋め込まれている。n+基板1の裏面にはド
レイン電極6が、n+層3の上部にはソース電極7が配
置されている。ゲート電極8の上部には第2絶縁膜11
を介して第1制御電極21が配置され、第1制御電極2
1の上部には第3絶縁膜12を介して第2制御電極22
が配置されている。第2絶縁膜11、第1制御電極2
1、第3絶縁膜12及び第2制御電極22とにより内部
抵抗制御手段9が構成されている。
【0076】図2に示す個別半導体装置と同様に、第1
及び第2制御電極21,22にバイアス電圧を印加しな
い場合は、内部抵抗rsは小さく、ほとんど無視できる
ので、図4に示す本発明の第1の実施の形態の第1の変
形例に係るに係る個別半導体装置は、SITとして動作
する。一方、第1及び第2制御電極21,22にバイア
ス電圧を印加すると第1及び第2制御電極に隣接したn
-層2中に空乏層が広がり、チャネル層が狭まり、ソー
スからチャネルまでの抵抗が増大し、内部抵抗rsが増
加し、第1の変形例に係る個別半導体装置はFET特性
を示すようになる。
【0077】図5は本発明の第1の実施の形態の他の変
形例(第2の変形例)に係る第1の変形例に係る個別半
導体装置の模式的な断面図である。図4に示した第1の
変形例に係る個別半導体装置において、さらに接合ゲー
ト構造の内部抵抗制御手段9を有した場合である。図5
のn-層2とn+層3を挟むように両側にU溝が配置さ
れ、このU溝の側壁からn-チャネル領域2の表面に向
かって、p+ゲート領域81及びp+制御領域82が形成
されている。p+ゲート領域81にはゲート電極8が、
+制御領域82には、制御電極23が接続されてい
る。ゲート電極8の下部、即ち、U溝の底部に第1絶縁
膜5が埋め込まれているのは図2及び図4と同様であ
る。
【0078】図5に示す本発明の第1の実施の形態の第
2の変形例に係る個別半導体装置において、制御電極2
3に逆バイアス(負バイアス)電圧を印加しない場合
は、内部抵抗rsは小さく、ほとんど無視できるので、
SITとして動作する。一方制御電極23に負バイアス
を印加するとn-層2中に空乏層が広がり、チャネル層
が狭まり、ソースからチャネルまでの抵抗が増大し、内
部抵抗rsが増加し、FET特性を示すようになる。
【0079】(第2の実施の形態)図6は本発明の第2
の実施の形態に係る半導体集積回路の模式的な断面図で
ある。制御電極のないSIT構造のものから、4個の制
御電極213,214を有する本発明の基本スイッチン
グ素子を同一p基板100上に形成した集積回路例であ
る。
【0080】図6に示すように、本発明の第2の実施の
形態に係る半導体集積回路は、p基板100上に、第
1,第2,第3,・・・・・のスイッチング素子が形成され
ている。第1のスイッチング素子は、半導体基板(p基
板)100上に設けられたn+埋め込みドレイン領域
(第1の半導体領域)101と、第1の半導体領域10
1の上部に形成された第1の半導体領域101よりも低
不純物密度のn-チャネル領域(第2の半導体領域)2
01と、第2の半導体領域201の上部に形成された第
2の半導体領域201よりも高不純物密度の第3の半導
体領域(n+ソース領域)301と、第3の半導体領域
301を貫通し、第2の半導体領域201の側部に形成
された第1の溝部(U溝)と、第1の溝部の内部におい
て、第2の半導体領域の側部の両側に形成された第1の
ゲート電極801から構成されている。この第1のスイ
ッチング素子は、通常の切り込みゲート型SIT構造の
トランジスタである。
【0081】第2のスイッチング素子は、第1のスイッ
チング素子と同一の半導体基板100上に設けられた第
4の半導体領域(n+埋め込みドレイン領域)103
と、第4の半導体領域103の上部に形成された第4の
半導体領域103よりも低不純物密度の第5の半導体領
域(n-チャネル領域)203と、第5の半導体領域2
03の上部に形成された第5の半導体領域203よりも
高不純物密度の第6の半導体領域(n+ソース領域)3
03と、第6の半導体領域303を貫通し、第5の半導
体領域203の側部に形成された第2の溝部(U溝)
と、第2の溝部の内部において、第5の半導体領域20
3の側部の両側に形成された第2のゲート電極803
と、第2の溝部の内部において、第2のゲート電極80
3とは離間して、第2のゲート電極803の上部に形成
された第1制御電極(第1の空乏層幅制御手段)212
から構成されている。この第1制御電極212は、n-
チャネル領域203の左側に隣接したゲート電極803
の上部に、第2絶縁膜111を介して配置されると同時
に、n-チャネル領域203の右側に隣接したゲート電
極803の上部にも、第2絶縁膜111を介して配置さ
れ、第2のスイッチング素子の内部抵抗制御手段を構成
している。この第2のスイッチング素子においては、第
1制御電極(第1の空乏層幅制御手段)212により、
第6の半導体領域303近傍の第5の半導体領域203
中の空乏層幅を制御することにより、内部抵抗を可変と
することができるので、内部抵抗が最小となったときに
はSITとして動作し、内部抵抗が最大となったときに
はFETとして動作する。
【0082】第3のスイッチング素子は、第1及び第2
のスイッチング素子と同一の半導体基板100上に設け
られた第7の半導体領域(n+埋め込みドレイン領域)
104と、第7の半導体領域104の上部に形成された
第7の半導体領域104よりも低不純物密度の第8の半
導体領域(n-チャネル領域)204と、第8の半導体
領域204の上部に形成された第8の半導体領域204
よりも高不純物密度の第9の半導体領域(n+ソース領
域)304と、第9の半導体領域304を貫通し、第8
の半導体領域204の側部に形成された第3の溝部(U
溝)と、第3の溝部の内部において、第8の半導体領域
204の側部の両側に形成された第3のゲート電極80
4と、第3の溝部の内部において、第3のゲート電極8
04とは離間して、第3のゲート電極804の上部に形
成された第1制御電極(第2の空乏層幅制御手段)21
3と、第1制御電極213とは離間して、第1制御電極
213の上部に形成された第2制御電極(第3の空乏層
幅制御手段)214とから構成されている。第1制御電
極213は、n-チャネル領域204の左側に隣接した
ゲート電極804の上部に、第2絶縁膜111を介して
配置されている。そして、この第1制御電極213の上
部には第3絶縁膜112を介して第2制御電極214が
配置され、第3のスイッチング素子の内部抵抗制御手段
が構成されている。また、n-チャネル領域204の右
側に隣接したゲート電極804の上部にも、第1制御電
極213が配置され、第1制御電極213の上部には第
3絶縁膜112を介して第2制御電極214が配置さ
れ、第3のスイッチング素子の内部抵抗制御手段が構成
されている。
【0083】図6に示す本発明の第2の実施の形態に係
る半導体集積回路は、さらに、半導体基板100上に設
けられたn+埋め込みドレイン領域102と、n+埋め込
みドレイン領域102の上部に形成されたn+埋め込み
ドレイン領域102よりも低不純物密度のn-チャネル
領域202と、n-チャネル領域202の上部に形成さ
れたn-チャネル領域202よりも高不純物密度のn+
ース領域302と、n+ソース領域302を貫通し、n-
チャネル領域202の側部に形成されたU溝と、両側の
U溝の内部において、n-チャネル領域202の側部の
両側に形成されたゲート電極802と、左側のU溝の内
部のみにおいて、ゲート電極802とは離間して、ゲー
ト電極802の上部に形成された第1制御電極211と
からなる他のスイッチング素子が形成されている。n-
チャネル領域202の右側に隣接したゲート電極802
の上部には、制御電極は形成されず、通常の切り込みゲ
ート型SIT構造と同様なゲート構造になっている。
【0084】n+埋め込みドレイン領域101,10
2,103,104は、それぞれ独立した領域として、
p基板100上に形成されている。したがって、このn
+埋め込みドレイン領域101,102,103,10
4の上に形成されたn-チャネル領域201,202,
203,204はそれぞれ互いに電気的に分離されてい
る。それぞれのn-チャネル領域201,202,20
3,204を挟むようにそれぞれの両側に配置されたU
溝の側壁には10nm乃至100nmの薄い酸化膜から
なるゲート絶縁膜4がそれぞれ形成されている。それぞ
れのU溝の底部には、50nm乃至2μmの厚い酸化膜
からなる第1絶縁膜5が埋め込まれている。そして、こ
のU溝に埋め込まれた第1絶縁膜5の上部にゲート電極
801,802,803,804が配置されている。
【0085】n+ソース領域301,302,303,
304の上部にはソース電極およびソース電極に接続さ
れるソース配線311,312,313,314が配置
されている。第2制御電極214の上部には第1層間絶
縁膜113が形成され、この第1層間絶縁膜113中に
形成されたコンタクトホールを介して制御電極配線22
3,224が配置されている。同様に、第1制御電極2
11,212に対しても第1層間絶縁膜113中に形成
されたコンタクトホールを介して制御電極配線221,
222が配置されている。更に、ゲート電極801、8
02に対しては、第2絶縁膜111、第3絶縁膜112
及び第1層間絶縁膜113を貫通して形成されたコンタ
クトホールを介してゲート配線811,812が配置さ
れている。ゲート配線811,812、及び制御電極配
線221,222,223,224とソース配線31
1,312,313,314との間には第2層間絶縁膜
114が挿入され互いに電気的に絶縁分離している。n
+埋め込みドレイン領域104に対しては、第2絶縁膜
111、第3絶縁膜112、第1層間絶縁膜113及び
第2層間絶縁膜114を貫通して形成されたコンタクト
ホールを介してドレイン配線354が配置されている。
図示を省略しているが、n+埋め込みドレイン領域10
1,102,103に対しても紙面の奥の方で、第2絶
縁膜111、第3絶縁膜112、第1層間絶縁膜113
及び第2層間絶縁膜114を貫通して形成されたコンタ
クトホールを介してそれぞれドレイン配線が配置され、
他のスイッチング素子に接続されている。
【0086】なお、図6は一方向の断面図のみを示すも
のであるが、四角柱や六角柱等の多角柱、さらには円柱
を形成するように掘り込みを行った場合は、左右だけで
なく、多角柱を構成する各側面に、若しくは円柱の側面
を分割して複数の制御電極を設けることができる。従っ
て、制御電極の数を更に多く設けることにより、より細
かく内部抵抗rsの制御が可能となる。
【0087】図6は各スイッチング素子の断面図を模式
的に示したにすぎない。図7は、本発明の第2の実施の
形態に係る半導体集積回路として、エンベッテドアレイ
の平面図を示す。図7に示す本発明の第2の実施の形態
に係るエンベッテドアレイでは、半導体チップ700の
チップ縁部にはボンディングパッド701が設けられ、
その他の領域には、マクロセルとして、CPUコア70
2、RAM703、RAMバス・インタフェース70
4、PLL705、及びROM706が形成され、加え
て、これらマクロセルの各機能を実現するためのランダ
ムロジック部707が形成されている。本発明の第2の
実施の形態においては、高速動作を要求されるCPUコ
ア702、ランダムロジック部707にはSIT特性の
スイッチング素子を、比較的低速度で安定な動作を要求
されるRAM703、ROM706には内部抵抗制御部
9を有したスイッチング素子を用いている。
【0088】このエンベッテドアレイは、ランダムロジ
ック部のゲート数や、内蔵するマクロセルの種類を決め
た後、直ちにウェーハの製造を開始して図6に示すゲー
ト電極801,802,803,804の形成及びその
上の第2絶縁膜111形成工程まで製造を進めておき、
マスターチップとして用意しておく。
【0089】この状態で、論理設計の完成を待ち、論理
シミュレーション及び回路シミュレーション終了後に、
論理シミュレーション及び回路シミュレーションの結果
に応じて、必要な箇所のみに、第1制御電極211,2
12,213及び第2制御電極214の少なくとも一方
を配置して、内部抵抗制御手段を形成することが出来
る。
【0090】この結果、SITとFETとを同一半導体
チップ上に混在させたLSIを、セミカスタム手法によ
り迅速に設計・製造し、ユーザの希望する特定用途向け
のデバイスを、短期間に開発できる半導体装置を提供す
ることができる。即ち、高速性、低消費電力性及び安定
性などの特性を回路特性に合わせながら、マスターチッ
プの必要な箇所のみに内部抵抗制御手段を付加すること
により短期間に開発できる。
【0091】より好ましくは、ゲート電極の上の第2絶
縁膜111形成工程まで製造を進めておくのではなく、
さらに、第1制御電極、第3絶縁膜112、第2制御電
極、第1層間絶縁膜113、及び第2層間絶縁膜114
レベルまで完成したマスターチップとして用意しておけ
ばよい。この状態で、論理設計の完成を待ち、論理シミ
ュレーション及び回路シミュレーション終了後に、論理
シミュレーション及び回路シミュレーションの結果に応
じて、必要な第1制御電極若しくは第2制御電極に対し
て選択的に表面金属配線を接続し、特定の素子のみをF
ET若しくはSITとFETとの中間型として動作さ
せ、第1制御電極及び第2制御電極に表面金属配線が接
続されなかった素子をSITとして動作させることが可
能となる。このように、第1及び第2制御電極レベルま
で完成したマスターチップとして用意しておけば、工程
数の増大は更に削減される。
【0092】例えば、表面金属配線として、特定の素子
の第1制御電極及び第2制御電極に選択的に第1及び第
2の電源配線を接続して一定のバイアス電圧(定電圧)
を印加し、それぞれのゲート電極には、必要な信号配線
を接続して、正弦波若しくはパルス等の信号を印加する
ように構成すればよい。あるいは、ゲート電極に接続さ
れる信号配線とは異なる第1及び第2の制御用信号配線
を特定の第1制御電極及び第2制御電極に選択的に接続
して、特定のタイミングのみにおいて、特定の素子の電
流・電圧特性のみを不飽和型から飽和型、若しくは飽和
型から不飽和型へと遷移させることも可能である。この
ように特定の素子をダイナミカルに動作させれば、多値
論理回路等の高機能な論理回路用の素子として用いるこ
とも可能である。
【0093】さらに、半導体チップ上のすべての素子に
第1制御電極及び第2制御電極を設けた構造として、第
1制御電極、第3絶縁膜112、第2制御電極、第1層
間絶縁膜113、及び第2層間絶縁膜114レベルまで
完成したマスターチップとして用意しておき、すべての
第1制御電極及び第2制御電極に第1及び第2の電源配
線を接続してもよい。この場合は、特定の第1制御電極
及び第2制御電極に、選択的に特定の電圧を印加して、
特定の素子の電流・電圧特性のみを不飽和型から飽和
型、若しくは飽和型から不飽和型へと遷移させることも
可能である。
【0094】たとえば、本発明の第2の実施の形態に係
るエンベッテドアレイは以下のようにすれば、学習機能
を持たせることが出来る。
【0095】(イ)まず、第1制御電極及び第2制御電
極に所定の電圧を印加し、エンベッテドアレイを構成し
ている各トランジスタの内部抵抗を初期の内部抵抗値に
設定する。
【0096】(ロ)次に、この初期の内部抵抗値によっ
て決まる電流・電圧特性を用いて、エンベッテドアレイ
を試験的に動作させ、その特性を測定評価する。
【0097】(ハ)そして、この測定評価の結果に基づ
いて、特定のトランジスタの第1制御電極及び第2制御
電極に印加する電圧を変更する。この結果、エンベッテ
ドアレイを構成する少なくとも一部のトランジスタの内
部抵抗は、初期の内部抵抗値とは異なる値に、選択的に
再設定され、その一部のトランジスタの電流・電圧特性
は、不飽和型から飽和型へ、又は、飽和型から不飽和型
へと変化する。
【0098】(ニ)この再設定された内部抵抗値によっ
て決まる電流・電圧特性を用いて、エンベッテドアレイ
を再び動作させ、先の試験的に動作させ時の特性と比較
評価する。
【0099】このような手順を繰り返して、エンベッテ
ドアレイとしての総合的な動作特性が最も良くなるま
で、各トランジスタの内部抵抗を変更する。この結果、
学習の結果として、最もよい総合的な動作特性が得られ
ることになる。
【0100】また、本発明の第2の実施の形態におい
て、第2制御電極は省略可能である。従って、第2制御
電極のない構造を、マスターチップとして用意しておい
てもよい。すなわち、第1制御電極、第1層間絶縁膜1
13、及び第2層間絶縁膜114レベルまで完成したマ
スターチップとして用意してき、論理シミュレーション
及び回路シミュレーション終了後に、必要な第1制御電
極に対して選択的に表面金属配線を接続し、特定の素子
のみをFET若しくはSITとFETとの中間型として
動作させ、他をSITとして動作させるようにしてもよ
い。いずれにしても、このように、同一構造の内部抵抗
制御手段を有したマスターチップとして用意しておき、
表面金属配線のレイアウトでそれぞれの素子の電流・電
圧特性を選択するようにすれば、工程数の増大を伴うこ
となく簡単に複雑な機能を有したLSIが短期間に製造
できる。
【0101】さらに、若干構造は複雑になるが、第2制
御電極の上に、第3制御電極や第4制御電極を構成した
構造を、マスターチップとして用意しておいてもよい。
同様に、表面金属配線のレイアウトの変更のみで、それ
ぞれの素子の電流・電圧特性を選択し制御できる。
【0102】なお、図6では、n+埋め込みドレイン領
域101,102,103,104は、それぞれ独立し
た領域として、p基板100上に形成されているが、こ
れは一例であるということに留意すべきである。これら
のn+埋め込みドレイン領域101,102,103,
104の一部またはすべてを共通領域として、p基板1
00上に形成して、電源電位や所定の信号を与えること
も可能である。また、記憶回路やイメージセンサのよう
なマトリクスを構成した回路において、各行、若しくは
各列に対して共通領域としてn+埋め込みドレイン領域
を構成し、これを埋め込みビット線として用いることも
可能である。また、回路仕様によっては、p基板100
の代わりにn+基板を用いて、このn+基板を各スイッチ
ング素子に共通のドレイン領域とすることも可能であ
る。
【0103】(その他の実施の形態)上記のように、本
発明は第1及び第2の実施の形態によって記載したが、
この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定す
るものであると理解すべきではない。この開示から当業
者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明
らかとなろう。
【0104】上述した第1及び第2の実施の形態におい
ては、縦形構造の半導体装置を用いたが、図8に示すよ
うな横形でも勿論差し支えない。図8は、基板(支持基
板)901,埋め込み絶縁膜902及びn-チャネル領
域2からなるSOI構造に個別半導体装置(スイッチン
グ素子)を形成した場合である。SOI膜となるn-
ャネル領域2にn+ソース領域3及びn+ドレイン領域1
を形成し、n+ソース領域3とn+ドレイン領域1の間に
位置するn-チャネル領域2の上部にゲート絶縁膜4が
形成されている。そして、ゲート絶縁膜4の上部にはゲ
ート電極8、第1制御電極21及び第2制御電極22が
配置されている。n+ドレイン領域1にはドレイン電極
6が、n+ソース領域3にはソース電極7が接続されて
いる。図2の縦型構造と同様に、第1及び第2制御電極
21,22にバイアス電圧を印加しない場合は、内部抵
抗rsは小さく、SITとして動作する。一方、第1及
び第2制御電極21,22にバイアス電圧を印加すると
第1及び第2制御電極に隣接したn-層2中に空乏層が
広がり、ソースからチャネルまでの抵抗が増大し、内部
抵抗rsが増加し、FET特性を示すようになる。
【0105】さらに図9に示すようにn-チャネル領域
2の両側にU溝を形成して、このU溝の側壁にゲート絶
縁膜4を形成した横型のスイッチング素子としても良
い。図9においては、Si基板の表面に離間して、n+
ソース領域3及びn+ドレイン領域1が形成され、この
+ソース領域3とn+ドレイン領域1の間をn-チャネ
ル領域2とするようにU溝が形成されている。U溝は、
-チャネル領域2の側壁方向と直交する方向にも形成
され、周囲を取り囲み、隣接する他の横型のスイッチン
グ素子(図示省略)と電気的に分離されている。図9に
示す横型のスイッチング素子は、図8と同様な、支持基
板,埋め込み絶縁膜及びSOI膜(Si領域)からなる
SOI構造を用い、そのSOI膜(Si領域)の一部
を、n-チャネル領域とすればよい。n-チャネル領域2
に隣接したU溝側壁のゲート絶縁膜4の上部には、n-
チャネル領域2を挟むようにゲート電極8、第1制御電
極21及び第2制御電極22がペアで配置されている。
図9においては主電流は基板の主表面と平行方向に走行
する点で図2とは異なるが、基本的には図2に示した、
縦形構造のスイッチング素子と同様な動作をする。すな
わち、第1及び第2制御電極21,22にバイアス電圧
を印加しない場合は、内部抵抗rsは小さく、SITと
して動作し、第1及び第2制御電極21,22にバイア
ス電圧を印加すると内部抵抗rsが増加し、FET特性
を示すようになる。
【0106】しかし、図8や図9に示すような横形のス
イッチング素子は、平面のリソグラフィー技術による微
細加工(半導体表面での横方向の寸法精度)の限界を有
している。周知のように、厚さ方向の寸法精度は、横方
向の寸法精度より一桁以上も優れている。特に分子層エ
ピタキシー(MLE)技術を用いれば、単分子層単位の
厚さの制御が可能である。本発明は、ソース・ゲート間
に、第1,第2制御電極21,22を配置する微細加工
が必要であるので、図2,図4−6に示すような縦形構
造のスイッチング素子とした方が製造が容易である。ま
た、理想型SIT等の超高速度の半導体装置の作製が容
易である点からも、縦形構造のスイッチング素子が望ま
しい。更に、3次元的に集積化できる縦形構造のスイッ
チング素子を基礎とすることにより、より高集積密度の
半導体集積回路が実現できることは容易に理解できるで
あろう。この点からも、縦形構造のスイッチング素子が
望ましい。
【0107】本発明の第1及び第2の実施の形態におい
ては、半導体装置のドレイン・ソース間構造として、n
+/n-/n+構造を示したが、SIT特性を実現できる
構造、例えば、n+/n/p-/n+、n+/i/n+
造、あるいはn+/i/p+/i/n+層構造等でも良い
ことは、勿論である。あるいはこれらの導電型をすべて
逆にしたpチャネル素子としても良い。さらに、nチャ
ネル素子とpチャネル素子からなる相補型の素子で回路
を構成しても良い。いずれにしても、ゲートバイアス電
圧及びドレインバイアス電圧で定まる2次元ポテンシャ
ルの鞍部点(サドルポイント)により、ソース領域とド
レイン領域間の主電流通路に電位障壁が形成されるよう
な構造であれば勿論よい。また、チャネル領域の不純物
密度は一定である必要はない。例えば、ソース領域から
電位障壁までの不純物密度を、電位障壁からドレイン領
域までのドリフト領域となるチャネル領域の不純物密度
よりも高くすることも有効である。こうすれば、SIT
動作時には、よりオン抵抗を低くし、かつ高速動作を可
能にすることができる。そして、FET動作時にはゲー
トバイアスとは異なる電位を制御電極に印加して、ソー
ス領域近傍の空乏層幅を自由に制御出来る。
【0108】また、Si以外の半導体、例えばGe等の
元素半導体、あるいはGaAs等の化合物半導体でも同
様の効果が得られるのも勿論である。
【0109】さらに絶縁ゲート型と接合ゲート型につい
て説明したがショットキー・ゲート型のゲート構造でも
かまわない。さらに高電子移動度トランジスタ(HEM
T)やこれに類似のヘテロ接合を用いたゲート構造を有
するスイッチング素子でもかまわない。
【0110】本発明の第2の実施の形態においてはモノ
リシックICについて説明したが、本発明はモノリシッ
クICに限られるものではない。たとえば、図10に示
すようなマルチ・チップ・モジュール(MCM)やハイ
ブリッドICでも同様である。
【0111】図10に示すMCMは、セラミック基板6
2の上に、第1,第2,第3,・・・・・の半導体チップ5
1,52,53,・・・・・がフリップチップとして搭載さ
れている。第1,第2,第3,・・・・・の半導体チップ5
1,52,53,・・・・・における各トランジスタは、そ
れぞれ内部抵抗制御手段を有している。そして、この内
部抵抗制御手段によりそれぞれの内部抵抗を可変とする
ことにより、第1,第2,第3,・・・・・の半導体チップ
51,52,53,・・・・・上のそれぞれのトランジスタ
(擬SIT)の電流・電圧特性を不飽和型から飽和型
へ、又は、飽和型から不飽和型へと自由に特性を変化さ
せることができる。
【0112】さらに、図10に示した1次/2次実装体
に留まらず、さらに、図11に示すような、1次/2次
実装体(パッケージ)71をプリント基板等のマザーボ
ード72に実装した3次実装体でもよい。さらに、この
マザーボードを複数個架枠に実装した4次実装体や、4
次実装体を他の電源や操作盤あるいはディスプレイパネ
ルと共に筐体に実装し5次実装体でも良い。本発明は、
こららの半導体実装体の複数からなる、コンピュータシ
ステムやマルチメディア機器等の電子機器にも適用でき
ることは、上記の説明から容易に理解できるであろう。
【0113】例えば、第1及び第2の半導体実装体から
なる電子機器を考えてみる。この電子機器の第1の半導
体実装体を構成している第1のトランジスタ(第1の擬
SIT)の電流・電圧特性は、第1の半導体実装体の仕
様や機能に適合すべく所望の電流・電圧特性に自由に選
ぶことが出来る。そして、第2の半導体実装体を構成し
ている第2のトランジスタ(第2の擬SIT)の電流・
電圧特性も、第2の半導体実装体の仕様や機能に適合す
べく所望の特性に自由に変化させることができる。この
ため、例えば、高速の信号処理回路、中程度の速度の信
号処理回路、及び比較的低速の信号処理回路等を搭載し
た種々の仕様の複数の半導体実装体のそれぞれの動作特
性を制御し、最適化できる。また、本発明によれば、こ
れらの最適な電流・電圧特性を設定するために、試行錯
誤を繰り返し、電子機器のシステム全体としての特性の
改善のための動作条件の学習が可能となる。
【0114】このように、本発明はここでは記載してい
ない様々な実施の形態等を包含するということを理解す
べきである。したがって、本発明はこの開示から妥当な
特許請求の範囲の発明特定事項によってのみ限定される
ものである。
【0115】
【発明の効果】本発明によれば、不飽和型から飽和型の
トランジスタ特性を自由に制御でき、論理回路や記憶回
路の特性を簡単に制御でき、回路システムの設計の容易
な半導体集積回路等の半導体装置及びこれを用いた電子
機器を提供することができる。
【0116】本発明によれば高速性、低消費電力性及び
安定性などの動作特性を簡単に制御できる設計自由度の
大きな半導体装置及びこれを用いた電子機器を提供する
ことができる。
【0117】本発明によれば、複雑な製造プロセスを用
いることなく多様な論理体系の論理回路を含む半導体集
積回路を簡単に設計・製造できる半導体装置及びこれを
用いた電子機器を提供することができる。
【0118】本発明によれば、SITとFETとを同一
半導体チップ上に混在させたLSIを、セミカスタム手
法により迅速に設計・製造し、ユーザの希望する特定用
途向けのデバイスを、短期間に開発できる半導体装置及
びこれを用いた電子機器を提供することができる。
【0119】本発明によれば、特定用途向けの高性能・
多機能デバイスを、高速性、低消費電力性及び安定性な
どの種々の特性をユーザの希望に合わせながら、短期間
に開発できる半導体装置及びこれを用いた電子機器を提
供することができる。
【0120】本発明によれば、半導体装置を構成してい
るスイッチング素子の電流・電圧特性を、SIT特性か
らFET特性へ、若しくはFET特性からSIT特性へ
自由に変更し、設計論が未熟若しくは未開発な回路であ
っても、簡単に製造可能で、その動作特性を確認し、改
善できる半導体装置及びこれを用いた電子機器を提供す
ることができる。
【0121】本発明によれば、「学習」により各スイッ
チング素子の電流・電圧特性を最適化できる機能を有し
た半導体装置及びこれを用いた電子機器を提供すること
ができる。
【0122】本発明によれば、半導体集積回路等を構成
しているスイッチング素子の電流・電圧特性を自由に変
更し、最も動作特性が良くなる電流・電圧特性に設定す
ることの出来る半導体装置及びこれを用いた電子機器の
動作方法を提供することができる。
【0123】本発明によれば、使用環境や演算対象の内
容が変更になった場合に電流・電圧特性を、変更するこ
とにより、動作特性の改善をすることの可能な半導体装
置及びこれを用いた電子機器の動作方法をを提供するこ
とができる。
【0124】本発明によれば、各スイッチング素子の電
流・電圧特性を最適化するための学習機能を実現できる
半導体装置及びこれを用いた電子機器の動作方法を提供
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による半導体装置の等価回路を示す図で
ある。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る個別半導体装
置の模式的な断面図である。
【図3】本発明による半導体装置により得られるトラン
ジスタ特性の図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態の第1の変形例に係
る個別半導体装置の模式的な断面図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態の第2の変形例に係
る個別半導体装置の模式的な断面図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態に係る半導体集積回
路を示す模式的な断面図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態に係る半導体集積回
路の平面図である。
【図8】本発明の他の実施の形態に係る個別半導体装置
の模式的な断面図である。
【図9】本発明のさらに他の実施の形態に係る個別半導
体装置の模式的な鳥瞰図である。
【図10】本発明のさらに他の実施の形態に係るマルチ
・チップ・モジュール(MCM)の模式的な鳥瞰図であ
る。
【図11】本発明のさらに他の実施の形態に係る半導体
実装体の模式的な鳥瞰図である。
【図12】従来の静電誘導トランジスタ(SIT)、及
び電界効果トランジスタ(FET)の構造を示す図であ
る。
【図13】従来の静電誘導トランジスタ(SIT)、及
び電界効果トランジスタ(FET)の特性を示す図であ
る。
【符号の説明】
1 n+ドレイン領域 2,201,202,203,204 n-チャネル領
域 3,301,302,303,304 n+ソース領域 4 ゲート絶縁膜 5 第1絶縁膜 6 ドレイン電極 7 ソース電極 8,801,802,803,804 ゲート電極 9 内部抵抗制御手段 11,111 第2絶縁膜 12,112 第3絶縁膜 13 フィールド絶縁膜 21,211,212,213 第1制御電極 22,214 第2制御電極 23 制御電極 31 空乏層 51 第1の半導体チップ 52 第2の半導体チップ 53 第3の半導体チップ 61 セラミックカバー 62 セラミック基板 71 パッケージ 72 マザーボード 81 p+ゲート領域 82 p+制御領域 101,102,103,104 n+埋め込みドレイ
ン領域 113 第1層間絶縁膜 114 第2層間絶縁膜 221,222,223,224 制御電極配線 311,312,313,314 ソース配線 354 ドレイン配線 700 半導体チップ 701 ボンディングパッド 702 CPUコア 703 RAM 704 RAMバス・インタフェース 705 PLL 706 ROM 707 ランダムロジック部 811,812 ゲート配線 901 基板(支持基板) 902 埋め込み絶縁膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松本 史夫 東京都港区芝2−31−19 通信・放送機構 内 Fターム(参考) 5F102 FA09 FB01 GA01 GA13 GA17 GB01 GB04 GC01 GC05 GC09 GD01 GD04 GD10 GJ02 GJ03 GJ05 GJ10 GL03 GQ01 HC01 HC07 HC11 HC15

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ソース領域、ドレイン領域、ゲート電極
    及び内部抵抗制御手段を少なくとも具備し、前記内部抵
    抗制御手段により内部抵抗を可変とし、該内部抵抗が最
    小となったときに静電誘導トランジスタとして動作する
    ように構成したことを特徴とする半導体装置。
  2. 【請求項2】 静電誘導トランジスタと、 ソース領域、ドレイン領域、ゲート電極及び内部抵抗制
    御手段を少なくとも具備し、前記内部抵抗制御手段によ
    り内部抵抗を可変とし、該内部抵抗が最小となったとき
    に静電誘導トランジスタとして動作するように構成した
    トランジスタとを同一半導体基板上に集積化したことを
    特徴とする半導体装置。
  3. 【請求項3】 ソース領域、ドレイン領域、ゲート電極
    及び内部抵抗制御手段を少なくとも具備し、前記内部抵
    抗制御手段により内部抵抗を可変とし、該内部抵抗が最
    小となったときに静電誘導トランジスタとして動作する
    ように構成したトランジスタを同一半導体基板上に複数
    個配置した半導体集積回路であって、一部のトランジス
    タの内部抵抗を他のトランジスタの内部抵抗とは異なる
    値に設定したことを特徴とする半導体装置。
  4. 【請求項4】 前記内部抵抗は、前記ソース領域から前
    記静電誘導トランジスタの主電流を制御する電位障壁ま
    での抵抗であることを特徴とする請求項1乃至3のいず
    れか1項記載の半導体装置。
  5. 【請求項5】 前記内部抵抗制御手段は、前記ソース領
    域近傍の空乏層幅を前記電位障壁の高さとは独立に制御
    することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記
    載の半導体装置。
  6. 【請求項6】 前記内部抵抗制御手段は、前記ソース領
    域と前記ゲート電極との間に設けられた、前記ゲート電
    極とは独立した制御電極を少なくとも有することを特徴
    とする請求項1乃至5のいずれか1項記載の半導体装
    置。
  7. 【請求項7】 前記内部抵抗制御手段は、前記ソース領
    域と前記ゲート電極との間に設けられた、前記ゲート電
    極とは独立した複数の制御電極を少なくとも有すること
    を特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載の半導
    体装置。
  8. 【請求項8】 静電誘導トランジスタと、 第1のソース領域、第1のドレイン領域、第1のゲート
    電極及び第1の内部抵抗制御手段を少なくとも具備し、
    前記第1の内部抵抗制御手段により第1の内部抵抗を可
    変とし、前記第1の内部抵抗が最小となったときに静電
    誘導トランジスタとして動作するように構成した第1の
    トランジスタと、 第2のソース領域、第2のドレイン領域、第2のゲート
    電極及び第2の内部抵抗制御手段を少なくとも具備し、
    前記第2の内部抵抗制御手段により第2の内部抵抗を可
    変とし、前記第2の内部抵抗が最小となったときに静電
    誘導トランジスタとして動作するように構成した第2の
    トランジスタとを同一半導体基板上に集積化したことを
    特徴とする半導体装置。
  9. 【請求項9】 前記第1の内部抵抗制御手段は、前記第
    1のソース領域と前記第1のゲート電極との間に設けら
    れた、前記第1のゲート電極とは独立した第1の空乏層
    幅制御手段を少なくとも有し、前記第2の内部抵抗制御
    手段は、前記第2のソース領域と前記第2のゲート電極
    との間に設けられた、前記第2のゲート電極とは独立し
    た第2及び第3の空乏層幅制御手段を少なくとも有する
    ことを特徴とする請求項8記載の半導体装置。
  10. 【請求項10】 ドレイン領域となる第1の半導体領域
    と、 前記第1の半導体領域の上部に形成されたチャネル領域
    となる、前記第1の半導体領域よりも低不純物密度の第
    2の半導体領域と、 前記第2の半導体領域の上部に形成されたソース領域と
    なる、前記第2の半導体領域よりも高不純物密度の第3
    の半導体領域と、 前記第3の半導体領域を貫通し、前記第2の半導体領域
    の側部に形成された溝部と、 前記溝部の内部において、前記第2の半導体領域の側部
    に形成されたゲート電極と、 前記溝部の内部において、前記ゲート電極とは離間し
    て、前記ゲート電極の上部に形成された制御電極とを少
    なくとも備え、前記制御電極により、前記第3の半導体
    領域近傍の前記第2の半導体領域中の空乏層幅を制御す
    ることを特徴とする半導体装置。
  11. 【請求項11】 ドレイン領域となる第1の半導体領域
    と、 前記第1の半導体領域の上部に形成されたチャネル領域
    となる、前記第1の半導体領域よりも低不純物密度の第
    2の半導体領域と、 前記第2の半導体領域の上部に形成されたソース領域と
    なる、前記第2の半導体領域よりも高不純物密度の第3
    の半導体領域と、 前記第3の半導体領域を貫通し、前記第2の半導体領域
    の側部に形成された溝部と、 前記溝部の内部において、前記第2の半導体領域の側部
    に形成されたゲート電極と、 前記溝部の内部において、前記ゲート電極とは離間し
    て、前記前記ゲート電極の上部に形成された制御電極と
    を少なくとも備えたスイッチング素子を同一半導体基板
    上に複数個配置し、 特定のスイッチング素子の前記制御電極にのみに選択的
    に表面配線を接続し、該特定のスイッチング素子の前記
    第3の半導体領域近傍の前記第2の半導体領域中の空乏
    層幅のみを選択的に制御することを特徴とする半導体装
    置。
  12. 【請求項12】 半導体基板上に設けられた第1の半導
    体領域と、前記第1の半導体領域の上部に形成された前
    記第1の半導体領域よりも低不純物密度の第2の半導体
    領域と、前記第2の半導体領域の上部に形成された前記
    第2の半導体領域よりも高不純物密度の第3の半導体領
    域と、前記第3の半導体領域を貫通し、前記第2の半導
    体領域の側部に形成された第1の溝部と、前記第1の溝
    部の内部において、前記第2の半導体領域の側部に形成
    された第1のゲート電極からなる第1のスイッチング素
    子と、 前記半導体基板上に設けられた第4の半導体領域と、前
    記第4の半導体領域の上部に形成された前記第4の半導
    体領域よりも低不純物密度の第5の半導体領域と、前記
    第5の半導体領域の上部に形成された前記第5の半導体
    領域よりも高不純物密度の第6の半導体領域と、前記第
    6の半導体領域を貫通し、前記第5の半導体領域の側部
    に形成された第2の溝部と、前記第2の溝部の内部にお
    いて、前記第5の半導体領域の側部に形成された第2の
    ゲート電極と、前記第2の溝部の内部において、前記第
    2のゲート電極とは離間して、前記第2のゲート電極の
    上部に形成された第1の空乏層幅制御手段からなる第2
    のスイッチング素子とを少なくとも備え、前記第1の空
    乏層幅制御手段により、前記第6の半導体領域近傍の前
    記第5の半導体領域中の空乏層幅を制御することを特徴
    とする半導体装置。
  13. 【請求項13】 前記半導体基板上に設けられた第7の
    半導体領域と、前記第7の半導体領域の上部に形成され
    た前記第7の半導体領域よりも低不純物密度の第8の半
    導体領域と、前記第8の半導体領域の上部に形成された
    前記第8の半導体領域よりも高不純物密度の第9の半導
    体領域と、前記第9の半導体領域を貫通し、前記第8の
    半導体領域の側部に形成された第3の溝部と、前記第3
    の溝部の内部において、前記第8の半導体領域の側部に
    形成された第3のゲート電極と、前記第3の溝部の内部
    において、前記第3のゲート電極とは離間して、前記第
    3のゲート電極の上部に形成された第2の空乏層幅制御
    手段と、前記第2の空乏層幅制御手段とは離間して、前
    記第2の空乏層幅制御手段の上部に形成された第3の空
    乏層幅制御手段とからなる第3のスイッチング素子を更
    に備え、 前記第2及び第3の空乏層幅制御手段により、前記第9
    の半導体領域近傍の前記第8の半導体領域中の空乏層幅
    を制御することを特徴とする請求項12記載の半導体装
    置。
  14. 【請求項14】 第1の半導体基板上に配置された、第
    1のソース領域、第1のドレイン領域、第1のゲート電
    極及び第1の内部抵抗制御手段を少なくとも具備し、前
    記第1の内部抵抗制御手段により第1の内部抵抗を可変
    とし、前記第1の内部抵抗が最小となったときに静電誘
    導トランジスタとして動作するように構成した第1のト
    ランジスタからなる第1の半導体集積回路と、 第2の半導体基板上に配置された、第2のソース領域、
    第2のドレイン領域、第2のゲート電極及び第2の内部
    抵抗制御手段を少なくとも具備し、前記第2の内部抵抗
    制御手段により第2の内部抵抗を可変とし、前記第2の
    内部抵抗が最小となったときに静電誘導トランジスタと
    して動作するように構成した第2のトランジスタからな
    る第2の半導体集積回路とを同一基板上に配置し、前記
    第1及び第2の内部抵抗を互いに異なるように設定した
    ことを特徴とする半導体装置。
  15. 【請求項15】 第1の半導体基板上に配置された、第
    1のソース領域、第1のドレイン領域、第1のゲート電
    極及び第1の内部抵抗制御手段を少なくとも具備し、前
    記第1の内部抵抗制御手段により第1の内部抵抗を可変
    とし、前記第1の内部抵抗が最小となったときに静電誘
    導トランジスタとして動作するように構成した第1のト
    ランジスタからなる第1の半導体集積回路を含む第1の
    半導体実装体と、 第2の半導体基板上に配置された、第2のソース領域、
    第2のドレイン領域、第2のゲート電極及び第2の内部
    抵抗制御手段を少なくとも具備し、前記第2の内部抵抗
    制御手段により第2の内部抵抗を可変とし、前記第2の
    内部抵抗が最小となったときに静電誘導トランジスタと
    して動作するように構成した第2のトランジスタからな
    る第2の半導体集積回路を含む第2の半導体実装体とを
    少なくとも具備し、前記第1及び第2の内部抵抗を互い
    に異なるように設定したことを特徴とする電子機器。
  16. 【請求項16】 ソース領域、ドレイン領域、ゲート電
    極及び内部抵抗制御手段を少なくとも具備し、前記内部
    抵抗制御手段により内部抵抗を可変とし、該内部抵抗が
    最小となったときに静電誘導トランジスタとして動作す
    るように構成したトランジスタを同一半導体基板上に複
    数個配置した半導体集積回路を用意するステップと、 前記内部抵抗を初期の内部抵抗値に設定するステップ
    と、 該初期の内部抵抗値を用いて、前記半導体集積回路を試
    験的に動作させその特性を測定評価するステップと、 該測定評価の結果に基づいて前記半導体集積回路を構成
    する少なくとも一部のトランジスタの内部抵抗を前記初
    期の内部抵抗値とは異なる値に設定するステップとを少
    なくとも有する半導体装置の動作方法。
  17. 【請求項17】 第1の半導体基板上に配置された、第
    1のソース領域、第1のドレイン領域、第1のゲート電
    極及び第1の内部抵抗制御手段を少なくとも具備し、前
    記第1の内部抵抗制御手段により第1の内部抵抗を可変
    とし、前記第1の内部抵抗が最小となったときに静電誘
    導トランジスタとして動作するように構成した第1のト
    ランジスタからなる第1の半導体集積回路と、第2の半
    導体基板上に配置された、第2のソース領域、第2のド
    レイン領域、第2のゲート電極及び第2の内部抵抗制御
    手段を少なくとも具備し、前記第2の内部抵抗制御手段
    により第2の内部抵抗を可変とし、前記第2の内部抵抗
    が最小となったときに静電誘導トランジスタとして動作
    するように構成した第2のトランジスタからなる第2の
    半導体集積回路とを同一基板上に配置した半導体装置を
    用意するステップと、 前記第1及び第2の内部抵抗を初期の内部抵抗値に設定
    するステップと、 該初期の内部抵抗値を用いて、前記半導体装置を試験的
    に動作させその特性を測定評価するステップと、 該測定評価の結果に基づいて前記第1及び第2の内部抵
    抗の少なくとも一部の内部抵抗を前記初期の内部抵抗値
    とは異なる値に設定するステップとを少なくとも有する
    半導体装置の動作方法。
  18. 【請求項18】 第1の半導体基板上に配置された、第
    1のソース領域、第1のドレイン領域、第1のゲート電
    極及び第1の内部抵抗制御手段を少なくとも具備し、前
    記第1の内部抵抗制御手段により第1の内部抵抗を可変
    とし、前記第1の内部抵抗が最小となったときに静電誘
    導トランジスタとして動作するように構成した第1のト
    ランジスタからなる第1の半導体集積回路を含む第1の
    半導体実装体と、第2の半導体基板上に配置された、第
    2のソース領域、第2のドレイン領域、第2のゲート電
    極及び第2の内部抵抗制御手段を少なくとも具備し、前
    記第2の内部抵抗制御手段により第2の内部抵抗を可変
    とし、前記第2の内部抵抗が最小となったときに静電誘
    導トランジスタとして動作するように構成した第2のト
    ランジスタからなる第2の半導体集積回路を含む第2の
    半導体実装体とを少なくとも具備した電子機器を用意す
    るステップと、 前記第1及び第2の内部抵抗を初期の内部抵抗値に設定
    するステップと、 該初期の内部抵抗値を用いて、前記電子機器を試験的に
    動作させその特性を測定評価するステップと、 該測定評価の結果に基づいて前記第1及び第2の内部抵
    抗の少なくとも一部の内部抵抗を前記初期の内部抵抗値
    とは異なる値に設定するステップとを少なくとも有する
    電子機器の動作方法。
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