JP2000113854A - 電子エネルギー損失分光分析装置およびそのスペクトルシフト補正方法 - Google Patents

電子エネルギー損失分光分析装置およびそのスペクトルシフト補正方法

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JP2000113854A JP10282861A JP28286198A JP2000113854A JP 2000113854 A JP2000113854 A JP 2000113854A JP 10282861 A JP10282861 A JP 10282861A JP 28286198 A JP28286198 A JP 28286198A JP 2000113854 A JP2000113854 A JP 2000113854A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 外界の電磁場の影響で電子線の径路がシフト
もしくは振動が発生してもエネルギー分解能の劣化、お
よび信頼性の低下を招来すること長時間のスペクトルを
測定する。 【解決手段】 試料を透過した電子線のスペクトルを検
出する電子エネルギー損失分光分析方法において、短い
時間での測定を複数のピクセルにより構成される二次元
位置検出素子を用いて複数回行い、複数回行われた各測
定における各ピクセルの検出値について、電子線のスペ
クトル強度が最大となるピクセルをそれぞれ検出し、各
測定について電子線のスペクトル強度が最大となるピク
セルの位置が一致するように前記二次元位置検出素子を
シフトし、このときに位置が一致するピクセルを同じエ
ネルギー値についてのピクセルであると同定し、各測定
における検出値を積算することにより長い時間での測定
結果とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、二次元位置検出素
子を用いた電子エネルギー損失分光分析装置およびその
スペクトルシフト補正方法に関する。
【0002】
【従来の技術】透過型電子顕微鏡においては、電子線が
試料を透過する際に試料との相互作用により試料を構成
する元素に応じた量のエネルギー損失を受ける。従って
試料を透過した電子線の損失エネルギーを分析すること
により試料を構成する元素の情報が得られる。電子エネ
ルギー損失分光分析(以下、EELS:Electron Energ
y Loss Spectroscopy)装置は、試料を透過した電子線
のエネルギースペクトルから試料透過時に失われたエネ
ルギーを測定することにより試料の元素分析を行う装置
である。
【0003】図6は従来のEELS装置の構成を示す図
である。
【0004】試料103を透過した電子線104は、対
物レンズ105、中間レンズ106、投影レンズ10
7、入射絞り108を通って電子エネルギー分析装置に
入る。さらには電子線は磁界プリズム109において、
そのエネルギーに応じて分散され、レンズ110を通し
て、出射スリット111で取り込む電子線のエネルギー
幅が制限されて、CCD112で検出される。
【0005】なお、CCD112は実際には、電子線を
受けて蛍光を発する蛍光体と、CCDなどの検出位置ご
とに入射強度を測定することができる複数のピクセルか
ら構成された二次元位置検出素子とを組み合わせたもの
であるが、ここではCCD112として説明を行う。ま
た、CCD112にて実際に検出されるのは蛍光強度で
あるが、電子線強度として説明を行う。
【0006】CCD112上の各ピクセルにて蛍光の形
態で検出された電子線強度は、各ピクセルに対応したメ
モリ上に蓄積される。ここで、同じエネルギー値である
同じ列のピクセルに入射した電子線強度の和を取ると、
損失エネルギースペクトルが得られ、出射スリット11
1の幅を調節することにより取り込むエネルギーの幅を
任意に調節することができる。
【0007】また、磁界プリズム109中の磁界の強さ
を変化させることにより、CCD112の1ピクセル分
の長さ当たりのエネルギー量を調節することができる。
【0008】図7(a)はCCD112上の電子線強度
分布を表し、図7(b)は縦軸に試料103で損失した
エネルギーを取り、横軸に電子線強度を取ったエネルギ
ー損失スペクトルの一例を示す図である。図7(b)に
示されるエネルギー損失スペクトルは、エネルギー損失
が0付近のゼロロスピークと、試料の構成元素に起因す
るピークで構成されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記のように構成され
る二次元位置検出素子を用いた透過型電子顕微鏡におい
ては、電子線の二次元位置検出素子上の入射ピクセル位
置により損失エネルギーが決定されるが、外界の電磁場
の影響で電子線の径路がシフトもしくは振動すると、二
次元位置検出素子上の入射ピクセル位置も変動してしま
い、スペクトルのエネルギー分解能が劣化するという問
題点がある。
【0010】図8はスペクトルのエネルギー分解能が劣
化する状態を示す図である。図8(a)〜(d)のそれ
ぞれは、t=0ms〜2.5ms,2.5ms〜5m
s,5ms〜7.5ms,7.5ms〜10msと連続
した2.5msごとに測定したゼロロスピークであり、
図8(e)は0ms〜10msのゼロロスピークを示し
ている。図8(e)に示されるように長時間のスペクト
ルを測定する場合には、外界の電磁場の影響で電子線の
径路がシフトもしくは振動の影響によりスペクトルのエ
ネルギー分解能が劣化してしまう。
【0011】上記の問題点を解消するためには、測定を
外界の電磁場の影響で電子線の径路がシフトもしくは振
動による影響を受けない短時間で行うことが考えられる
が、この場合には、検出強度が必要とされる強度に達せ
ず、測定の信頼性が低下してしまう。
【0012】本発明は上述したような従来の技術が有す
る問題点に鑑みてなされたものであって、外界の電磁場
の影響で電子線の径路がシフトもしくは振動が発生して
もエネルギー分解能の劣化、および信頼性の低下を招来
すること長時間のスペクトルを測定することのできる電
子エネルギー損失分光分析装置およびそのスペクトルシ
フト補正方法を実現することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の電子エネルギー
損失分光分析方法は、試料を透過した電子線のスペクト
ルを検出する電子エネルギー損失分光分析方法におい
て、短い時間での測定を複数のピクセルにより構成され
る二次元位置検出素子を用いて複数回行い、複数回行わ
れた各測定における各ピクセルの検出値について、電子
線のスペクトル強度が最大となるピクセルをそれぞれ検
出し、各測定について電子線のスペクトル強度が最大と
なるピクセルの位置が一致するように前記二次元位置検
出素子をシフトし、このときに位置が一致するピクセル
を同じエネルギー値についてのピクセルであると同定
し、各測定における検出値を積算することにより長い時
間での測定結果とすることを特徴とする。
【0014】本発明の他の形態による電子エネルギー損
失分光分析方法は、試料を透過した電子線のスペクトル
を検出する電子エネルギー損失分光分析方法において、
複数のピクセルにより構成される二次元位置検出素子と
して、前記電子線のスペクトル検出用の第1の二次元位
置検出素子と、前記電子線のゼロロスピークを入射する
補正用の第2の二次元位置検出素子と、を設け、短い時
間での測定を複数回行い、複数回行われた各測定におけ
る前記第2の二次元位置検出素子の各ピクセルの検出値
について、電子線のスペクトル強度が最大となるピクセ
ルをそれぞれ検出し、各測定について電子線のスペクト
ル強度が最大となる前記第2の二次元位置検出素子のピ
クセルの位置が一致するように前記第2の二次元位置検
出素子をシフトし、前記第2の二次元位置検出素子と同
様に前記第1の二次元位置検出素子をシフトし、このと
きに位置が一致する前記第1の二次元位置検出素子のピ
クセルを同じエネルギー値についてのピクセルであると
同定し、各測定における検出値を積算することにより長
い時間での測定結果とすることを特徴とする。
【0015】本発明の電子エネルギー損失分光分析装置
は、試料を透過した電子線のスペクトルを検出する電子
エネルギー損失分光分析装置において、前記電子線を検
出する複数のピクセルにより構成される二次元位置検出
素子と、前記二次元位置検出素子による検出結果によ
り、電子線のスペクトルの検出結果を決定する制御装置
とを有し、前記制御装置は、前記二次元位置検出素子を
用いて複数回行われた短い時間での各測定における各ピ
クセルの検出値について、電子線のスペクトル強度が最
大となるピクセルをそれぞれ検出し、各測定について電
子線のスペクトル強度が最大となるピクセルの位置が一
致するように前記二次元位置検出素子をシフトし、この
ときに位置が一致するピクセルを同じエネルギー値につ
いてのピクセルであると同定し、各測定における検出値
を積算することにより長い時間での測定結果とすること
を特徴とする。
【0016】本発明の他の形態による電子エネルギー損
失分光分析装置は、試料を透過した電子線のスペクトル
を検出する電子エネルギー損失分光分析装置において、
複数のピクセルにより構成された前記電子線のスペクト
ル検出用の第1の二次元位置検出素子と、複数のピクセ
ルにより構成された前記電子線のゼロロスピークが入射
される位置に配置される補正用の第2の二次元位置検出
素子と、前記第1および第2の二次元位置検出素子によ
る検出結果により、電子線のスペクトルの検出結果を決
定する制御装置とを有し、前記制御装置は、前記第1お
よび第2の二次元位置検出素子を用いて複数回行われた
短い時間での各測定における各ピクセルの検出値につい
て、前記第2の二次元位置検出素子の各ピクセルの検出
値について、電子線のスペクトル強度が最大となるピク
セルをそれぞれ検出し、各測定について電子線のスペク
トル強度が最大となる前記第2の二次元位置検出素子の
ピクセルの位置が一致するように前記第2の二次元位置
検出素子をシフトし、前記第2の二次元位置検出素子と
同様に前記第1の二次元位置検出素子をシフトし、この
ときに位置が一致する前記第1の二次元位置検出素子の
ピクセルを同じエネルギー値についてのピクセルである
と同定し、各測定における検出値を積算することにより
長い時間での測定結果とすることを特徴とする。
【0017】上記のいずれの場合においても、二次元位
置検出素子は、電子線を受けて蛍光を発する蛍光体と、
検出位置ごとに前記蛍光の入射強度を測定する複数のピ
クセルから構成されたCCDとが組み合わされていると
してもよい。
【0018】さらに、二次元位置検出素子を用いて複数
回行われた短い時間での各測定における各ピクセルの検
出値を記憶するメモリを有し、制御装置は前記メモリの
アドレスを変更して読み出すことにより二次元位置検出
素子のシフトとすることとしてもよい。
【0019】「作用」上記のように構成される本発明に
おいては、電子線のスペクトル強度が最大となるゼロロ
スピークのシフトに合わせてスペクトル検出値をシフト
して積算している。外界の電磁場の影響で電子線の径路
がシフトもしくは振動が発生した場合にはゼロロスピー
クもシフトし、これに合わせてシフトされたスペクトル
検出値が積算されるので、エネルギー分解能が劣化する
ことはない。
【0020】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施例について図
面を参照して説明する。
【0021】図1は本発明の一実施例の構成を示すブロ
ック図である。本実施例は図6に従来例として示したE
ELSの装置のCCD112を2つのCCD1,2と
し、各CCD1,2の検出値を記憶するメモリ12,1
3、各メモリの記憶内容から検出値に補正を行う制御装
置14および補正結果を表示する表示装置15を設けた
ものである。これら以外に図1に示される試料3、電子
線4、対物レンズ5、中間レンズ6、投影レンズ7、入
射絞り8、磁界プリズム10および出射スリット11は
図6に示した試料103、電子線104、対物レンズ1
05、中間レンズ106、投影レンズ107、入射絞り
108、磁界プリズム110および出射スリット111
と同様であるために説明は省略する。
【0022】図2および図3のそれぞれは、CCD1,
2の受光状態を説明するための図であり、電子線4の進
行方向を紙面の上から下の向きになる方向で描いたもの
である。
【0023】本実施例においては、スペクトル検出用の
CCD1の傍らにドリフト補正用のCCD2が設置され
ている。ドリフト補正用のCCD2はゼロロスピークが
その受光面上に入るように設けられている。
【0024】図1に示す例では、ゼロロススペクトルが
CCD1,2のそれぞれに入射する場合が示され、図2
に示す例では、ゼロロススペクトルがスペクトル検出用
CCD1に入らず、CCD2のみに入射している状態が
示されている。図1および図2に示されるように、ゼロ
ロスピークに追随して補正用CCD2が設置されてい
る。
【0025】上記のようにゼロロススペクトルがスペク
トル検出用CCD1の受光面上に入ったり入らなかった
りするのは、磁界プリズム9の励磁値によって分散の度
合いが変化することによる。例えば、CCDが1024
のピクセルから構成されていて、1ピクセルあたりで検
出できるエネルギーが0.5eVとしたときは、検出で
きるエネルギー幅は512eVに限られる。600eV
のエネルギーロスされたピークを見ようとする場合はC
CDに入射するエネルギー領域を150eV〜650e
Vなどとすることになり、ゼロロスピークが入らなくな
る。
【0026】典型的なエネルギー損失スペクトルは図7
に示したようにゼロロスピークが最大強度となる。ゼロ
ロスピークはスペクトルのドリフトの周期が長いため、
例えば2.5ms程度の短時間測定の場合にはスペクト
ルのドリフトによる影響はほとんど受けない。
【0027】本実施例は、上記のようなゼロロスピーク
の特性に着目してなされたものであって、ゼロロスピー
クを入射する補正用のCCD2の検出状態に応じてスペ
クトル検出用のCCD1の検出値を補正することにより
外界の電磁場の影響で電子線の径路がシフトもしくは振
動によるエネルギー分解能の劣化を防止するものであ
る。
【0028】次に、本実施例の長時間測定における動作
について説明する。
【0029】CCD1およびCCD2における各検出値
は、制御装置14を介してメモリ12,13にそれぞれ
格納される。制御装置14は、各CCD1,2により同
じ時間帯(同時刻)に検出されたデータを対応づけて認
識しており、CCD2により検出されたゼロロスピーク
のシフトに対応してCCD1の検出値をシフトする。具
体的には、CCD1,2の各々により短時間に測定した
スペクトル強度をメモリ12,13上に蓄積し、メモリ
13中の最大値をとるアドレスを判断し、そのアドレス
の値(カウント)をピーク値用として予め定められてい
るアドレスに移動する。同様にピーク値の周辺のカウン
トをピーク値用のアドレスの周辺に移動する。そして移
動後の各アドレスの強度を積算していく。メモリ12に
対してもメモリ13と同様のアドレス移動を行い、その
結果をCRTやプリンタ等の表示装置15に出力する。
【0030】図4は本実施例によるゼロロススペクトル
の検出状態を示す図である。図4(a)〜(d)は時間
t=0ms〜2.5ms,2.5ms〜5ms,5ms
〜7.5ms,7.5ms〜10msと連続した2.5
msごとに測定したゼロロスピークを示し、図4(e)
は、それらを積算して得た0ms〜10msのゼロロス
ピークを示している。図4(b)〜(d)における実線
は実際にCCD2による検出値を示し、破線はメモリ1
3で行われる上記のアドレス移動を行った結果を示して
いる。破線に示されるように、外界の電磁場の影響を受
けて電子線の径路がシフトするため、スペクトルのピー
ク位置はそれに応じて徐々に動くが、アドレス移動を行
うことにより、分解能が低下することはない。
【0031】制御装置14はメモリ13と同様のアドレ
ス移動を、スペクトル検出用のCCD1の検出値を格納
するメモリ12に対して行うため、本実施例における短
期間での測定値を積算して長時間のスペクトルを測定す
るスペクトル検出では、分解能の劣化が発生しないもの
となっている。
【0032】なお、上述したようにゼロロスピークのス
ペクトルの振動が起こる周期は10ms以上なので、ゼ
ロロスピークのスペクトルの振動による影響を緩和する
ことができる。
【0033】次に、本発明の第2の実施例について説明
する。図5は本発明の第2の実施例の要部構成を示すブ
ロック図である。
【0034】本実施例は、ゼロロスピークがスペクトル
測定の窓から非常に遠くて、磁界プリズムから出てこな
い場合のものである。
【0035】本実施例は第1の実施例と比較して磁界プ
リズム9の出射窓を広くし、出射スリット11およびレ
ンズ10の手前にドリフト補正用のCCD14を設置し
たものである。この他の構成は図1に示した実施例と同
様であるために図示および説明は省略する。
【0036】図中の波線のように電子線の径路が通常の
ルートから外れた場合であっても、本発明による配置は
有効となる。
【0037】なお、以上説明した各実施例において、ス
ペクトル検出用のCCD1(CCD13)の検出値およ
びゼロロスピークを入射する補正用のCCD2(CCD
14)の検出値をそれぞれ格納するメモリ12,13を
独立に設けるものとして説明したが、これらは1つのメ
モリ内に領域を分けて実現してもよい。
【0038】また、補正用のCCDについては移動機構
を組み合わせ、ゼロロスピークが入射される位置に移動
機構により移動させたうえで上記の各実施例に示される
スペクトル検出を行うものとしてもよい。
【0039】さらに、CCDを2つ設けるものとして説
明したが、ゼロロスピーク近傍のスペクトルを検出する
場合や、ピクセル数の多いCCDを使用する場合には1
つのCCDで上記の各実施例に示されるスペクトル検出
を行うことができ、このような構成としてもよい。
【0040】
【発明の効果】本発明により得られる効果は、外界の電
磁場によるスペクトルのシフトおよび振動の影響をなく
すことができるという点である。従来は、0.5eV程
度のエネルギー幅を持った電子線が入射しても、外界の
電磁場により電子線の径路がシフトし、例えば1eV程
度にエネルギー幅が広がって観測されていたが、本発明
では外界の電磁場の影響で電子線の径路にシフト、もし
くは、振動が発生した場合にはゼロロスピークのシフト
に合わせてシフトされたスペクトル検出値が積算によ
り、エネルギー幅の増加、すなわちエネルギー分解能の
低下を抑制することができる効果がある。
【0041】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の構成を示すブロック図であ
る。
【図2】図1中のCCD1,2の受光状態を説明するた
めの図である。
【図3】図1中のCCD1,2の受光状態を説明するた
めの図である。
【図4】図1に示した実施例によるゼロロススペクトル
の検出状態を示す図であり、(a)〜(d)は時間t=
0ms〜2.5ms,2.5ms〜5ms,5ms〜
7.5ms,7.5ms〜10msと連続した2.5m
sごとに測定したゼロロスピークを示し、(e)は、そ
れらを積算して得た0ms〜10msのゼロロスピーク
を示している。
【図5】本発明の第2の実施例の要部構成を示すブロッ
ク図である。
【図6】EELS装置の構成を示す図である。
【図7】(a)は図6に示したCCD112上の電子線
強度分布を表し、(b)は縦軸に試料103で損失した
エネルギーを取り、横軸に電子線強度を取ったエネルギ
ー損失スペクトルの一例を示す図である。
【図8】スペクトルのエネルギー分解能が劣化する状態
を示す図である(a)〜(d)のそれぞれは、t=0m
s〜2.5ms,2.5ms〜5ms,5ms〜7.5
ms,7.5ms〜10msと連続した2.5msごと
に測定したゼロロスピークであり、(e)は0ms〜1
0msのゼロロスピークを示している。
【符号の説明】
1,2 CCD 3 試料 4 電子線 5 対物レンズ 6 中間レンズ 7 投影レンズ 8 入射絞り 9 磁界プリズム 10 レンズ 11 出射スリット 12,13 メモリ 14 制御装置 15 表示装置

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 試料を透過した電子線のスペクトルを検
    出する電子エネルギー損失分光分析方法において、 短い時間での測定を複数のピクセルにより構成される二
    次元位置検出素子を用いて複数回行い、 複数回行われた各測定における各ピクセルの検出値につ
    いて、電子線のスペクトル強度が最大となるピクセルを
    それぞれ検出し、 各測定について電子線のスペクトル強度が最大となるピ
    クセルの位置が一致するように前記二次元位置検出素子
    をシフトし、このときに位置が一致するピクセルを同じ
    エネルギー値についてのピクセルであると同定し、各測
    定における検出値を積算することにより長い時間での測
    定結果とすることを特徴とする電子エネルギー損失分光
    分析方法。
  2. 【請求項2】 試料を透過した電子線のスペクトルを検
    出する電子エネルギー損失分光分析方法において、 複数のピクセルにより構成される二次元位置検出素子と
    して、前記電子線のスペクトル検出用の第1の二次元位
    置検出素子と、前記電子線のゼロロスピークを入射する
    補正用の第2の二次元位置検出素子と、を設け、 短い時間での測定を複数回行い、 複数回行われた各測定における前記第2の二次元位置検
    出素子の各ピクセルの検出値について、電子線のスペク
    トル強度が最大となるピクセルをそれぞれ検出し、 各測定について電子線のスペクトル強度が最大となる前
    記第2の二次元位置検出素子のピクセルの位置が一致す
    るように前記第2の二次元位置検出素子をシフトし、 前記第2の二次元位置検出素子と同様に前記第1の二次
    元位置検出素子をシフトし、このときに位置が一致する
    前記第1の二次元位置検出素子のピクセルを同じエネル
    ギー値についてのピクセルであると同定し、各測定にお
    ける検出値を積算することにより長い時間での測定結果
    とすることを特徴とする電子エネルギー損失分光分析方
    法。
  3. 【請求項3】 試料を透過した電子線のスペクトルを検
    出する電子エネルギー損失分光分析装置において、 前記電子線を検出する複数のピクセルにより構成される
    二次元位置検出素子と、 前記二次元位置検出素子による検出結果により、電子線
    のスペクトルの検出結果を決定する制御装置とを有し、 前記制御装置は、前記二次元位置検出素子を用いて複数
    回行われた短い時間での各測定における各ピクセルの検
    出値について、電子線のスペクトル強度が最大となるピ
    クセルをそれぞれ検出し、各測定について電子線のスペ
    クトル強度が最大となるピクセルの位置が一致するよう
    に前記二次元位置検出素子をシフトし、このときに位置
    が一致するピクセルを同じエネルギー値についてのピク
    セルであると同定し、各測定における検出値を積算する
    ことにより長い時間での測定結果とすることを特徴とす
    る電子エネルギー損失分光分析装置。
  4. 【請求項4】 試料を透過した電子線のスペクトルを検
    出する電子エネルギー損失分光分析装置において、 複数のピクセルにより構成された前記電子線のスペクト
    ル検出用の第1の二次元位置検出素子と、 複数のピクセルにより構成された前記電子線のゼロロス
    ピークが入射される位置に配置される補正用の第2の二
    次元位置検出素子と、 前記第1および第2の二次元位置検出素子による検出結
    果により、電子線のスペクトルの検出結果を決定する制
    御装置とを有し、 前記制御装置は、前記第1および第2の二次元位置検出
    素子を用いて複数回行われた短い時間での各測定におけ
    る各ピクセルの検出値について、前記第2の二次元位置
    検出素子の各ピクセルの検出値について、電子線のスペ
    クトル強度が最大となるピクセルをそれぞれ検出し、各
    測定について電子線のスペクトル強度が最大となる前記
    第2の二次元位置検出素子のピクセルの位置が一致する
    ように前記第2の二次元位置検出素子をシフトし、前記
    第2の二次元位置検出素子と同様に前記第1の二次元位
    置検出素子をシフトし、このときに位置が一致する前記
    第1の二次元位置検出素子のピクセルを同じエネルギー
    値についてのピクセルであると同定し、各測定における
    検出値を積算することにより長い時間での測定結果とす
    ることを特徴とする電子エネルギー損失分光分析装置。
  5. 【請求項5】 請求項3または請求項4に記載の電子エ
    ネルギー損失分光分析装置において、 二次元位置検出素子は、電子線を受けて蛍光を発する蛍
    光体と、検出位置ごとに前記蛍光の入射強度を測定する
    複数のピクセルから構成されたCCDとが組み合わされ
    ていることを特徴とする電子エネルギー損失分光分析装
    置。
  6. 【請求項6】 請求項3乃至請求項5のいずれかに記載
    の電子エネルギー損失分光分析装置において、 二次元位置検出素子を用いて複数回行われた短い時間で
    の各測定における各ピクセルの検出値を記憶するメモリ
    を有し、 制御装置は前記メモリのアドレスを変更して読み出すこ
    とにより二次元位置検出素子のシフトとすることを特徴
    とする電子エネルギー損失分光分析装置。
JP28286198A 1998-10-05 1998-10-05 電子エネルギー損失分光分析装置およびそのスペクトルシフト補正方法 Expired - Fee Related JP3269524B2 (ja)

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