JP2000113613A - 磁気ディスク装置のヘッド位置決め制御装置及び方法 - Google Patents

磁気ディスク装置のヘッド位置決め制御装置及び方法

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JP2000113613A
JP2000113613A JP10283768A JP28376898A JP2000113613A JP 2000113613 A JP2000113613 A JP 2000113613A JP 10283768 A JP10283768 A JP 10283768A JP 28376898 A JP28376898 A JP 28376898A JP 2000113613 A JP2000113613 A JP 2000113613A
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control value
head
actuator
feedforward
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JP10283768A
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Yasushi Teshigawara
康 勅使瓦
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NEC Ibaraki Ltd
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NEC Ibaraki Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 以前のシーク動作に使用したアクチュエータ
制御値を記憶しておき、記憶したアクチュエータ制御値
をフィードフォワード制御値として用いることで、目標
速度に対するヘッド速度の定常誤差を軽減し、目標位置
近傍での残留速度を小さくし、高精度で高速なシーク動
作を可能にする。 【解決手段】 デジタル演算部7は、フィードバック制
御部10で生成したフィードバック制御値10aとフィ
ードフォワード制御値20aとを加算手段30で加算し
てアクチュエータ制御値30aを生成し出力する。駆動
部6は、アクチュエータ制御値30aに対応した電流を
ボイスコイルモータアクチュエータ5へ供給して、磁気
ヘッド4を移動させる。フィードフォワード補償手段2
0は、前回のフィードフォワード制御値20aを記憶手
段23に記憶させておき、同一シーク長のシーク動作時
に記憶したアクチュエータ制御値をフィードフォワード
制御値20aとして出力する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、磁気ディスク装
置のヘッド位置決め制御装置及び方法に係り、詳しく
は、以前のシーク動作に使用したアクチュエータ制御値
を記憶しておき、記憶したアクチュエータ制御値をフィ
ードフォワード制御値として用いることで、目標速度に
対するヘッド速度の定常誤差を軽減し、目標位置近傍で
の残留速度を小さくし、高精度で高速なシーク動作を行
なえるようにした磁気ディスク装置のヘッド位置決め制
御装置及び方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、磁気ディスク装置においては、
ヘッドの位置決めを行なうためのサーボ情報を磁気ディ
スク上に形成しておき、そのサーボ情報に基づいてヘッ
ドの位置決めを行なう方式が用いられている。このよう
な位置決め方式の一つとしてセクタサーボ方式がある。
セクタサーボ方式では、トラック上のセクタの一部(サ
ーボセクタ)に一定の周期でサーボ情報を形成し、この
サーボ情報をセクタ数と磁気ディスクの回転速度とで決
まるサンプリング周期で読み取ることによって磁気ヘッ
ドの位置を制御する。
【0003】ところで、サーボ情報から得られる位置信
号は、磁気ディスクを回転させるスピンドルモータの軸
振れなどの要因により周期的または非周期的に変化して
いる。したがって、磁気ヘッドを高精度に位置決めする
ためには、より短い周期で位置信号を得てサーボ帯域を
あげ、この周期的または非周期的な変化に追従させなけ
ればならない。しかし、セクタサーボ方式を用いる磁気
ディスク装置においては、ディスクのフォーマット効率
の観点からサーボセクタの数をできるだけ少なくする必
要があり、サーボ帯域は制限されることになる。結果と
して、位置信号に対する追従性は低下し高精度な位置決
めが困難となる。
【0004】このような問題を解決するためいくつかの
技術が知られている。例えば、特開平3−58357号
公報には、磁気ヘッドの速度が加速モードもしくは定速
モードから減速モードに切り替わった直後に、目標速度
と磁気ヘッドの速度との差に応じて予め設定した加速度
フィードフォワード量を、目標位置と磁気ヘッドとの差
である位置偏差に応じた時間だけ制御対象に加算するこ
とにより、シーク時に磁気ヘッドが目標位置を越えてし
まうオーバーシュー減少や目標位置の手前で停止してし
まうアンダーシュート現象を防止できるようにした磁気
ヘッド速度制御装置ならびに磁気ディスク装置が記載さ
れている。
【0005】特開平3−142721号公報には、フイ
−ドバツク信号だけで制御した際の駆動信号の各サンプ
ルデ−タの平均値をとり、また光デイスクの回転に同期
してデ−タの読出し及びアナログ信号への変換を行なう
ことにより、高精度なトラツク制御を行なえるようにし
た光デイスク装置のトラツクサ−ボ回路が記載されてい
る。この光デイスク装置のトラツクサ−ボ回路は次のよ
うに構成されている。フィードフォワード信号発生器を
備え、フィードバック信号のみで制御した際の光ヘツド
の駆動信号を光デイスク回転分だけ所定の周期でサンプ
リングしてアナログ・デイジタル変換し、各サンプルデ
−タ毎にその前後L(=1,2,…)個のサンプルデ−
タに基づく平均値を計算して記憶しておく。そして各平
均値を光デイスク2の回転に同期して読出し、デイジタ
ル・アナログ変換してフィードフォワード信号として出
力する。これによりフィードフォワード信号の位相遅れ
がなくなるので光デイスクのトラツク偏心に起因するト
ラツク誤差が改善され、高精度なトラツク制御を行うこ
とができる。
【0006】特開平7−271446号公報には、フィ
ードバック制御系の目標位置信号に対する位置信号の追
従遅れを低減する加速度フィードバック補償を備えた位
置決め制御系において、加速度フィードフォワード信号
を学習的に調整することにより、目標位置信号に対する
位置信号の追従誤差を低減可能な位置決め制御装置が記
載されている。この位置決め制御装置は、加速度フィー
ドフォワード調整器が、所定の移動量を移動中の操作信
号により、加速度フィードフォワードテーブルを更新す
る。所定の移動量を移動中の位置決め補償信号は、加速
度フィードフォワード信号と位置決め補償信号を加算し
た信号であるが、位置決め補償信号は加速度フィードフ
ォワード信号で目標位置信号に追従しきれずに残った追
従誤差をさらに低減しようとする信号である。すなわ
ち、加速度フィードフォワード信号と位置決め補償信号
を加算した信号は、更新前の加速度フィードフォワード
テーブルの持つ目標値追従能力よりも改善された信号と
なる。ここで、加速度フィードフォワードテーブルの更
新を繰り返せば、次第に目標追従能力が改善されてい
く。
【0007】特開平8−124329号公報には、ヘッ
ド位置決め制御システムにおいて、速度制御時にヘッド
の移動速度の高速化を実現して、結果的にアクセス時間
の短縮を図るようにしたヘッド位置決め制御システムお
よびヘッド移動制御方法が記載されている。このヘッド
位置決め制御システムは次のように構成されている。メ
モリにはヘッドのシーク距離に応じてVCMの駆動電流
値を決定するための情報テーブルが格納されている。C
PUは、セクタパルスの間隔でヘッドのシーク距離を算
出し、情報テーブルにより駆動電流量を決定する。VC
Mドライバは、決定された駆動電流量に応じた駆動電流
をVCMに供給して、ヘッドを目標トラックまで移動さ
せる。即ち、いわばフィードフォワード制御により、ヘ
ッドを目標位置まで移動させる速度制御を実行してい
る。
【0008】特開平9−139032号公報には、ヘツ
ド位置のサンプル周期が比較的長いセクタサ−ボについ
て、1〜4トラック程度の短距離シ−クを数サンプルと
いう短いコアス時間で行い、整定時間を含めてシ−ク時
間も10サンプル以下の短時間で可能とするようにした
ディスク装置が記載されている。このディスク装置は次
のように構成されている。FF電流設定部によるFF電
流、位置制御部による目標位置起動、修正値設定部によ
る修正値は、各々シ−ク開始時刻からの経過時間、即ち
予め定めたサンプル数の各サンプルタイミングで生成さ
れ、位置制御部で目標位置と実位置との誤差による位置
フィードバック制御をFF電流による制御と併せて行
う。1トラックのシ−ク距離について、コアス時間を例
えば3サンプルに設定できる。目標位置軌道を理想的な
値から意図的にずらすことで、オ−バ−シュート・アン
ダ−シュートを抑制する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】特開平3−58357
号公報、特開平8−124329号公報等に記載された
フィードフォワード補償では、目標速度軌道を急峻にす
ると目標速度軌道に正確に追従しなくなり、目標位置近
傍においてヘッドの残留速度が大きくなるので、オーバ
ーシュートが大きくなり、結果としてシーク時間が短縮
できないという問題がある。
【0010】特開平7−271446号公報に記載され
た位置決め制御装置は、磁気ヘッドの各移動量毎に加速
度フィードフォワードデータを記憶しておく必要がある
ため、加速度フィードフォワードテーブルを構成するメ
モリの記憶容量が大きくなり、装置が高価になる虞れが
ある。磁気ディスク装置のシークに関しては、長距離の
シークが連続して起こることは少なく、隣接トラック間
の1トラックシークが多くなる。そこで、例えば1トラ
ックシーク等の短距離シークについてのみ、加速度フィ
ードフォワード信号を学習的に調整する構成にすること
で、メモリ等の記憶装置の記憶容量を小さくして、コス
トパフォーマンスを改善することが望まれていた。
【0011】
【発明の目的】この発明はこのような課題を解決するた
めなされたもので、実際に出力された制御値をフィード
フォワード補償出力として用いることで、目標速度との
誤差を小さくし、オーバーシュート,アンダーシュート
を抑えて、高速で精度の高いシークを可能にした磁気デ
ィスク装置のヘッド位置決め制御装置及び方法を提供す
ることを目的とする。また、1トラックシーク等の短距
離シークについてのみ実際に出力された制御値を記憶す
る構成にすることで、メモリ等の記憶装置の記憶容量を
小さくして、コストパフォーマンスの改善を図った磁気
ディスク装置のヘッド位置決め制御装置及び方法を提供
することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
この発明に係る磁気ディスク装置のヘッド位置決め制御
装置は、磁気ディスクに記録されたサーボ情報に基づい
て磁気ヘッドの現在位置を求めてヘッド位置データを出
力するヘッド位置検出手段と、磁気ヘッドを移動させる
ためのアクチュエータと、アクチュエータ制御値に応じ
た電流をアクチュエータへ供給して前記アクチュエータ
を駆動する駆動部と、少なくともヘッド位置データに基
づいて磁気ヘッドの速度を検出してヘッド速度データを
出力するヘッド速度検出手段と、残りシーク長に対応す
る目標速度データを生成する目標速度生成手段と、ヘッ
ド位置データとヘッド速度データと目標速度データとに
基づいてフィードバック制御値を生成して出力するサー
ボ補償手段と、フィードフォワード制御値を出力するフ
ィードフォワード補償手段と、フィードバック制御値と
フィードフォワード制御値とを加算してアクチュエータ
制御値を出力する加算手段とを備えた磁気ディスク装置
のヘッド位置決め制御装置において、フィードフォワー
ド補償手段は、シーク動作がなされたときのアクチュエ
ータ制御値の時系列データをシーク長との対応を付けて
記憶する記憶手段を備え、新たなシーク要求が発生した
際にそのシーク長のアクチュエータ制御値の時系列デー
タが記憶されている場合には、記憶されているアクチュ
エータ制御値の時系列データをフィードフォワード制御
値として出力するとともに、アクチュエータ制御値の時
系列データを更新する構成としたことを特徴とする。
【0013】なお、フィードフォワード補償手段は、1
トラックシークから数トラックシークのシーク動作がな
されたときのアクチュエータ制御値の時系列データをシ
ーク長との対応を付けて記憶するようにしてもよい。
【0014】さらに、フィードフォワード補償手段は、
1トラックのシーク動作がなされたときのみアクチュエ
ータ制御値の時系列データを記憶するようにしてもよ
い。
【0015】この発明に係る磁気ディスク装置のヘッド
位置決め制御装置は、シークを行なうときに、そのシー
クが行なわれる以前に同距離のシーク長で出力されたア
クチュエータ制御値をフィードフォワード補償として用
い、シーク開始からの時間に応じて対応するアクチュエ
ータ制御値を出力する。駆動部は、アクチュエータ制御
値に応じた電流をアクチュエータへ供給してアクチュエ
ータを駆動する。これにより、磁気ヘッドが移動されシ
ーク動作がなされる。
【0016】フィードフォワード補償手段は、以前にな
されたシーク距離と同距離のシークを行なう際に、以前
のシーク動作におけるアクチュエータ制御値をフィード
フォワード制御値として出力する。サーボ補償手段は、
フィードフォワード制御値で磁気ヘッドの駆動した際に
発生する目標速度偏差,ヘッド位置偏差に基づいてそれ
らの偏差を小さくするようフィードバック制御値を出力
する。フィードフォワード制御値とフィードバック制御
値とを加算したものがアクチュエータ制御値として出力
される。したがって、以前のアクチュエータ制御値をフ
ィードフォワード制御値として用いることで、目標速度
に対して生ずるヘッド速度の定常誤差を小さくすること
ができる。その結果、目標位置近傍での残留速度が小さ
くなる。したがって、アンダーシュートやオーバーシュ
ートが抑えられ、精度の良い高速なシークが可能とな
る。同距離のシークがなされる度にアクチュエータ制御
値の更新を繰り返すことで、フィードフォワード制御値
がより最適な値に学習されていくので、より高精度でよ
り高速なシークが可能となる。
【0017】なお、全てのシーク長に対してフィードフ
ォワード制御値を記憶・更新するのではなく、1トラッ
クシークのみまたは1トラックシークから数トラックシ
ークのシーク動作がなされたときのアクチュエータ制御
値の時系列データをシーク長との対応を付けて記憶・更
新する構成とすることで、メモリ等の記憶部の記憶容量
を小さくできる。これにより、メモリ等の記憶部を安価
でき、コストパフォーマンスを改善することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下この発明の実施の形態を添付
図面に基づいて説明する。図1はこの発明に係る磁気デ
ィスク装置のヘッド位置決め制御装置のブロック構成図
である。この発明に係る磁気ディスク装置のヘッド位置
決め制御装置1は、複数枚(例えば3枚)の磁気ディス
ク2と、各磁気ディスク2を回転駆動するスピンドルモ
ータ3と、各磁気ディスク2へのデータ書き込みならび
に各磁気ディスク2からのデータ読み出しを行なう複数
の磁気ヘッド4と、各磁気ヘッド4を移動させるための
アクチュエータであるVCM(ボイスコイルモータ)ア
クチュエータ5と、VCMアクチュエータ5を駆動する
駆動部6と、デジタル演算部7とからなる。
【0019】デジタル演算部7は、フィードバック制御
手段10と、フィードフォワード補償手段20と、加算
手段30とからなる。フィードバック制御手段10は、
ヘッド位置検出手段11と、ヘッド速度検出手段12
と、サーボ補償手段14とからなる。フィードフォワー
ド補償手段20は、シーク長判断手段21と、初期値記
憶部22と、記憶手段23と、切替手段24とからな
る。
【0020】各磁気ディスク2上には複数のサーボセク
タ2aが放射状に配置されている。各サーボセクタ2a
には、トラック番号情報とトラック中心からのずれを示
す情報が記録されている。磁気ヘッド4は、サーボセク
タ2aから記録されている情報を読み取り、セクタサー
ボ信号4aを再生する。セクタサーボ信号4aはヘッド
位置検出手段11へ供給される。
【0021】ヘッド位置検出手段11は、セクタサーボ
信号4aに基づいてトラック番号とトラック中心からの
ずれ量を求める。そして、ヘッド位置検出手段11は、
現在のトラック番号データとトラック中心からのずれ量
データとからなるヘッド位置データ11aを生成して出
力する。ヘッド位置データ11aは、ヘッド速度検出手
段12,目標速度生成手段13ならびにサーボ補償手段
14へそれぞれ供給される。
【0022】ヘッド速度検出手段12は、ヘッド位置デ
ータ11aとデジタル演算部7の出力であるアクチュエ
ータ制御値30aとに基づいて、磁気ディスク2に対す
る磁気ヘッド4のヘッド速度を検出し、ヘッド速度デー
タ12aを出力する。ヘッド速度データ12aはサーボ
補償手段14へ供給される。
【0023】目標速度生成手段13は、VCMアクチュ
エータ5の数学的近似モデルによって構成される。VC
Mアクチュエータ5の最高速度、最大加速度のデータか
ら残シーク長に対するVCMアクチュエータ5の目標速
度データを計算によって求め、テーブルとしてメモリな
どの記憶手段に記憶しておく。目標速度生成手段13
は、作成したテーブルから残シーク長に対応する目標速
度データ13aを生成して出力する。目標速度データ1
3aはサーボ補償手段14へ供給される。
【0024】サーボ補償手段14は、予め設定したシー
ク範囲、例えばシーク開始位置から目標トラックの0.
5トラック手前までは速度制御モードとして動作し、目
標速度データ13aとヘッド速度データ12aとの差が
小さくなるようにフィードバック制御値14aを調整す
る。サーボ補償手段14は、磁気ヘッド4の位置が目標
トラックの0.5トラック以内に入ると位置制御モード
に切り替わり、目標トラックとヘッド位置データ11a
との差が小さくなるようにフィードバック制御値14a
を調整する。
【0025】加算手段30は、フィードバック制御手段
10から供給されるフィードバック制御値14aとフィ
ードフォワード補償手段20から出力されるフィードフ
ォワード制御値20aとを加算して、加算した出力をア
クチュエータ制御値30aとして出力する。
【0026】フィードフォワード補償手段20は、アク
チュエータ制御値30aをメモリ等からなる記憶手段2
3に記録しておき、シーク長判断手段21により切替手
段24の切替動作を制御して、フィードフォワード制御
値20aとして記憶手段23に記録した値を出力するか
初期値記憶部22に設定した初期値とするかを切り替え
る。
【0027】駆動部6は、デジタルデータからなるアク
チュエータ制御値30aをアクチュエータ制御値30a
に対応したアナログ信号へ変換するD/A変換器と、D
/A変換器の出力に基づいてアクチュエータ制御値30
aに応じた電流をVCMアクチュエータ5へ供給する電
流増幅器等を備える。駆動部6は、アクチュエータ制御
値30aに応じた電流をVCMアクチュエータ5へ供給
することで、磁気ヘッド4の移動速度を制御する。
【0028】図2は1トラックシーク動作時のみフィー
ドフォワード補償を行なう場合のフローチャートであ
る。シーク動作を開始したら、シーク長判断手段21は
指定されたシーク長が1トラックシークか否か判断する
(ステップS1)。シーク長が1トラック以外の場合、
フィードフォワード出力を判断する値Nを0にセットし
(ステップS2)、ステップS10でシーク動作の終了
が判断されるまで、通常の速度制御、位置制御を行な
う。
【0029】シーク動作が1トラックシークの場合、フ
ィードフォワード出力を判断する値Nに基づいて条件を
判断する。フィードフォワード出力を判断する値Nが
0、つまり、前回のシークが1トラックシークではなか
った場合、フィードフォワード出力を判断する値Nを1
にセットする(ステップS4)。次に、フィードフォワ
ードの値を保持するレジスタなどの記憶手段FFに予め
実験などの手段で求めておいた初期値をセットする(ス
テップS5)。このとき、シーク方向が外周方向、内周
方向によって出力が逆になるので、フィードフォワード
の値を保持するレジスタなどの記憶手段FFの値に対し
てシーク方向に対する補正を施す(ステップS7)。外
力などによりアクチュエータ制御値はオフセットを生じ
るので、その補正が必要な場合もある。
【0030】加算手段30は、シーク方向等に対する補
正が施されたフィードフォワード制御値20aとフィー
ドバック制御値14aとを加算して出力する。これによ
り、アクチュエータ制御値30aが出力される(ステッ
プS8)。フィードフォワード補償手段20は、シーク
開始からシーク終了までの間、VCMアクチュエータ5
の制御間隔ごとにアクチュエータ制御値30aをメモリ
などの記憶手段23を用いて記録し、ff(t)にテー
ブル化する(ステップS9)。ここでtはシーク開始か
らの時間を示している。一般に、1トラックシークの場
合、VCMアクチュエータ5の制御間隔に比較してシー
ク時間は極端に長くはないので、作成したテーブルはあ
まり大きくはならない。
【0031】シーク動作が1トラックシークで、フィー
ドフォワード出力を判断する値Nが1、つまり、前回の
シークも1トラックシークであった場合、記録したテー
ブルff(t)から、シーク動作開始からの時間に対応
するデータをレジスタなどの記憶手段FFに順次セット
する(ステップS6)。先述したのと同様にレジスタな
どの記憶手段FFにセットしたデータにシーク方向等に
対する補正を施す(ステップS7)。加算手段30は、
シーク方向等に対する補正が施されたフィードフォワー
ド制御値20aとフィードバック制御値14aとを加算
して出力する。これにより、前回の1トラックシークで
使用されたアクチュエータ制御値がフィードフォワード
制御値として用いられることになる(ステップS8)。
また、この場合もシーク開始からシーク終了までの間、
アクチュエータ制御値30aをメモリなどの記憶手段2
3に記録し、ff(t)にテーブル化する(ステップS
9)。
【0032】このフィードフォワード補償を行なうこと
により、2回目以降の1トラックシークにおいて、より
高速で正確な位置決めが実現できる。この動作を繰り返
すことによって、フィードフォワード制御値30aが、
より最適な値に近づいていく。すなわち、フィードフォ
ワード制御値30aの学習がなされる。
【0033】この発明に係る磁気ディスク装置のヘッド
位置決め制御装置1は、以前のシークのアクチュエータ
制御値30aをフィードフォワード制御値20aとして
用いるようにしたので、従来、目標速度に対して生じて
いたヘッド速度の定常誤差を小さくすることができ、そ
の結果、目標位置近傍での残留速度を小さくすることが
できる。よって、アンダーシュート、オーバーシュート
が抑えられ、精度の良い高速なシークが可能となる。
【0034】図2に示すフローチャートでは1トラック
シークのみの場合の動作を示したが、メモリなどの記憶
手段23の記憶容量に充分な余裕があれば、数トラック
シークなどにわたるシークの場合についても、アクチュ
エータ制御値30aを記録しておき、対応するシーク長
に応じてフィードフォワード制御値20aを切り替える
ことも可能である。
【0035】図3は数トラックシークに対してフィード
フォワード補償を行なう場合のフローチャートである。
シークが開始されると、シーク長判断手段21は、指令
のシーク長を例えばシーク長レジスタ等のシーク長記憶
部Kにセットし(ステップS11)、シーク長記憶部K
のシーク長が予め設定したシーク長(1トラックから数
トラックのシーク長)かどうかを判断する(ステップS
12)。シーク長が設定した値よりも大きい場合、フィ
ードフォワード制御値を記録しているテーブルff
(K,t)値を予め実験などの手段により求めておいた
初期値にセットする(ステップS13)。ここで、tは
シーク開始からの時間を示している。ここでは、フィー
ドフォワード制御値の出力は行わず通常の制御でシーク
を行う。
【0036】Kの値が設定した値以下の場合、フィード
フォワード制御値を保持するレジスタなどの記憶手段F
Fにテーブルff(K,t)の値を順次読み込んでいく
(S14)。ここでも、シーク方向によって出力が逆に
なるので、FFの値にシーク方向の補正を行なう(ステ
ップS15)。次に、フィードフォワード制御値20a
とフィードバック制御値10aとを加算して得たアクチ
ュエータ制御値30aを出力する(ステップS16)。
そして、シーク動作中のアクチュエータ制御値30aを
サンプル時間ごとにテーブルff(K,t)に記録して
いく(ステップS17)。
【0037】フィードフォワード制御部20は、同じシ
ーク長が続けて起こったときに、前回のシーク動作にお
いて使用したアクチュエータ制御値30aをフィードフ
ォワード制御値20aとして用いる。これにより、同じ
シーク長が続けて起こったときに、過渡応答の収束が速
く、より高速で正確なシークが可能となる。
【0038】
【発明の効果】以上説明したようにこの発明に係る磁気
ディスク装置の位置決め制御装置及び方法は、以前のア
クチュエータ制御値をフィードフォワード制御値として
用いるようにしたので、目標速度に対して生ずるヘッド
速度の定常誤差を小さくすることができる。その結果、
目標位置近傍での残留速度が小さくなる。したがって、
アンダーシュートやオーバーシュートが抑えられ、精度
の良い高速なシークが可能となる。同距離のシークがな
される度にアクチュエータ制御値の更新を繰り返すこと
で、フィードフォワード制御値がより最適な値に学習さ
れていくので、より高精度でより高速なシークが可能と
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る磁気ディスク装置のヘッド位置
決め制御装置のブロック構成図である。
【図2】1トラックシーク動作時のみフィードフォワー
ド補償を行なう場合のフローチャートである。
【図3】数トラックシークに対してフィードフォワード
補償を行なう場合のフローチャートである。
【符号の説明】
1 磁気ディスク装置の位置決め制御装置 2 磁気ディスク 3 スピンドルモータ 4 磁気ヘッド 5 VCMアクチュエータ 6 駆動部 7 デジタル演算部 10 フィードバック制御部 11 ヘッド位置検出手段 12 ヘッド速度検出手段 13 目標速度生成手段 14 サーボ補償手段 20 フィードフォワード制御手段 21 シーク長判断手段 22 初期値記憶部 23 記憶手段 24 切替手段 30 加算手段

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁気ディスクに記録されたサーボ情報に
    基づいて磁気ヘッドの現在位置を求めてヘッド位置デー
    タを出力するヘッド位置検出手段と、 前記磁気ヘッドを移動させるためのアクチュエータと、 アクチュエータ制御値に応じた電流を前記アクチュエー
    タへ供給して前記アクチュエータを駆動する駆動部と、 少なくとも前記ヘッド位置データに基づいて前記磁気ヘ
    ッドの速度を検出してヘッド速度データを出力するヘッ
    ド速度検出手段と、 残りシーク長に対応する目標速度データを生成する目標
    速度生成手段と、 前記ヘッド位置データと前記ヘッド速度データと前記目
    標速度データとに基づいてフィードバック制御値を生成
    して出力するサーボ補償手段と、 フィードフォワード制御値を出力するフィードフォワー
    ド補償手段と、 前記フィードバック制御値と前記フィードフォワード制
    御値とを加算して前記アクチュエータ制御値を出力する
    加算手段とを備えた磁気ディスク装置のヘッド位置決め
    制御装置において、 前記フィードフォワード補償手段は、シーク動作がなさ
    れたときの前記アクチュエータ制御値の時系列データを
    シーク長との対応を付けて記憶する記憶手段を備え、新
    たなシーク要求が発生した際にそのシーク長の前記アク
    チュエータ制御値の時系列データが記憶されている場合
    には、記憶されている前記アクチュエータ制御値の時系
    列データを前記フィードフォワード制御値として出力す
    るとともに、前記アクチュエータ制御値の時系列データ
    を更新する構成としたことを特徴とする磁気ディスク装
    置のヘッド位置決め制御装置。
  2. 【請求項2】 前記フィードフォワード補償手段は、1
    トラックシークから数トラックシークのシーク動作がな
    されたときの前記アクチュエータ制御値の時系列データ
    をシーク長との対応を付けて記憶することを特徴とする
    請求項1記載の磁気ディスク装置のヘッド位置決め制御
    装置。
  3. 【請求項3】 前記フィードフォワード補償手段は、1
    トラックのシーク動作がなされたときのみ前記アクチュ
    エータ制御値の時系列データを記憶することを特徴とす
    る請求項1記載の磁気ディスク装置のヘッド位置決め制
    御装置。
  4. 【請求項4】 磁気ディスクに記録されたサーボ情報に
    基づいて、前記磁気ヘッドを移動させるためのアクチュ
    エータ制御値を出力するヘッド位置決め制御方法におい
    て、 シーク動作がなされたときの前記アクチュエータ制御値
    の時系列データをシーク長との対応を付けて記憶し、新
    たなシーク要求が発生した際に、記憶されている前記ア
    クチュエータ制御値の時系列データに基づき前記アクチ
    ュエータ制御値を出力するとともに、前記アクチュエー
    タ制御値の時系列データを更新する構成としたことを特
    徴とする磁気ディスク装置のヘッド位置決め制御方法。
  5. 【請求項5】 1トラックシークから数トラックシーク
    のシーク動作がなされたときの前記アクチュエータ制御
    値の時系列データをシーク長との対応を付けて記憶する
    ことを特徴とする請求項4記載の磁気ディスク装置のヘ
    ッド位置決め制御方法。
  6. 【請求項6】 1トラックのシーク動作がなされたとき
    のみ前記アクチュエータ制御値の時系列データを記憶す
    ることを特徴とする請求項4記載の磁気ディスク装置の
    ヘッド位置決め制御方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7136258B2 (en) 2001-09-21 2006-11-14 Hitachi Global Storage Technologies Netherlands B.V. Rotational recording apparatus and control method
JP2007087528A (ja) * 2005-09-22 2007-04-05 Fujitsu Ltd 記憶装置、記憶装置の制御方法および記憶装置に用いられる制御プログラム

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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