JP2000112175A - 静電荷像現像用カプセルトナーの製造方法 - Google Patents

静電荷像現像用カプセルトナーの製造方法

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JP2000112175A
JP2000112175A JP28154798A JP28154798A JP2000112175A JP 2000112175 A JP2000112175 A JP 2000112175A JP 28154798 A JP28154798 A JP 28154798A JP 28154798 A JP28154798 A JP 28154798A JP 2000112175 A JP2000112175 A JP 2000112175A
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dispersion
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Hitoshi Itabashi
仁 板橋
Yayoi Nagao
弥生 長尾
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の粉砕法によるトナーの製造プラントを
そのまま用いることができ、しかも、現像特性や定着特
性等に優れた球形カプセル化トナーが簡易に得られる経
済性に優れた静電荷像現像用カプセルトナーの製造方法
の提供。 【解決手段】 結着樹脂と着色剤と離型剤とを有する着
色樹脂組成物からなる粉砕トナー粒子を、少なくとも、
粉砕トナー粒子を、トナー粒子が不溶な分散媒体中に
分散させて分散液を作製する工程、で得た分散液内
に、トナー粒子の結着樹脂を溶解し、且つで使用した
分散媒体に対して不溶性或いは難溶性の液状化合物を投
入し、これをトナー粒子に膨潤させるの工程、で膨
潤した液状化合物をトナー粒子より除去するの工程で
処理してトナーを球形化させると共に、離型剤を内包化
したカプセル構造を有するトナーの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、静電潜像を顕像化
する電子写真の画像形成用に用いられる静電荷像現像用
カプセルトナーの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、静電潜像を現像して顕像化するた
めの現像剤に用いられるトナーは、粉砕法と呼ばれる製
造方法によって製造されるのが一般的である。粉砕法に
よるトナーの製造方法では、結着樹脂と、染料や顔料等
の着色剤、必要に応じて添加される荷電制御剤等の添加
剤からなるトナー構成成分を溶融混練した後、得られた
混練物を冷却後、微粉砕し、必要であれば分級操作を加
えることにより所望の粒径を有する着色樹脂微粒子から
なるトナーを得ている。
【0003】その他のトナーの製造方法としては、近
年、静電荷像現像用トナーのトナー粒子形状を球形化す
ることによって、転写効率を向上させる試みがなされる
ようになり、これに伴って、トナーの製造方法として、
球形トナーが容易に得られる重合法を利用するトナーの
製造方法が知られるようになってきている。具体的に
は、例えば、結着樹脂の構成成分となる重合性単量体を
含む重合性単量体組成物を水系媒体中で造粒し、同時に
重合性単量体を重合させることによって、重合反応時に
球状の着色樹脂粒子を形成して球形形状を有するトナー
を直接得る方法である。しかしながら、工業的な生産性
を考えると、この重合法を利用したトナーの製造方法
は、先に述べた従来の粉砕法とは全く異なる製造方法で
あるため、重合反応を行うことが可能なプラントを新し
く建設したり、重合時に必要な熱量を確保せねばなら
ず、製造コストが高くなるという問題があった。
【0004】又、より現像特性や定着特性等に優れるト
ナーを得るために、トナーの製造に重合法を利用し、ト
ナー粒子をカプセル構造とするトナーのカプセル化の試
みが以前から盛んに行われてきている。例えば、ワック
ス等の融点の低い低分子量化合物からなる離型剤等をト
ナー中に内包化させたカプセル構造を有するトナーを用
いることによって、定着器のオイルレス化を図る等の提
案が種々なされている。しかし、現実問題として、重合
法を利用したトナーの製造方法によって実際にカプセル
トナーを得ようとすると、処方や合成操作等の様々なノ
ウハウが必要であり、カプセルトナーを容易に作製する
ことは困難であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、上記した従来技術の問題点を解決した静電荷像現像
用カプセルトナーを提供することにある。即ち、従来の
粉砕法によるトナーの製造プラントをそのまま用いるこ
とができ、しかも、現像特性や定着特性等に優れた球形
カプセル化トナーが簡易に得られる経済性に優れた静電
荷像現像用カプセルトナーの製造方法を提供することに
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、下記の本
発明によって達成される。即ち、本発明は、結着樹脂と
着色剤と離型剤とを少なくとも含有する着色樹脂組成物
を溶融混練し、得られる混練物を粉砕して着色樹脂微粒
子からなるトナー粒子を製造した後、該粉砕トナー粒子
を、少なくとも下記の〜の工程で処理することによ
ってトナーの形状を球形化し、且つ少なくとも離型剤を
内包化してカプセル構造を有するトナーを製造すること
を特徴とする静電荷像現像用カプセルトナーの製造方法
である。 上記粉砕トナー粒子を、該トナー粒子が不溶な分散
媒体中に分散させて分散液を作製する工程 の工程で得られた分散液内に、少なくとも粉砕ト
ナー粒子を構成する結着樹脂に対する溶解性を有し、且
つの工程で使用した分散媒体に対して不溶性或いは難
溶性を有する液状化合物を投入し、該液状化合物をトナ
ー粒子に膨潤させる工程 の工程で膨潤した液状化合物をトナー粒子より除
去する工程
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施の形
態を挙げて本発明を詳細に説明する。本発明者らは、上
記した従来技術の課題を解決すべく鋭意検討の結果、従
来からの一般的なトナーの製造方法である粉砕法によっ
て製造された粉砕トナー粒子を用い、該トナー粒子の形
状を容易に球形化し、しかもカプセル構造を有するトナ
ー粒子とする方法を見いだして本発明に至った。即ち、
先ず、粉砕トナーを、該トナーを構成している樹脂組成
物を溶解しない媒体(分散媒体)中に分散させる。次
に、その分散液系内で、分散しているトナー粒子に、少
なくともトナーを構成している結着樹脂を溶解し、且つ
上記媒体に溶解しない液体(以下、膨潤剤と呼ぶ)を膨
潤させる。膨潤剤がトナー粒子に膨潤されると、事実
上、トナー粒子は膨潤剤によって溶解された溶液状態と
なるが、このときに、トナー粒子は分散媒体中に分散し
ているので、トナーは媒体中で球形の液滴となる。同時
に、トナー中に含まれる離型剤等の結着樹脂と相溶しに
くい成分は、徐々に相分離を起こし、最終的にはトナー
粒子がカプセル構造をなすようになる。そこで、このよ
うなカプセル構造が形成された後に膨潤剤をトナー粒子
内から除去すれば、粉砕トナーから球形形状を有するカ
プセルトナーを容易に得ることができる。
【0008】本発明の静電荷像現像用カプセルトナーの
製造方法では、従来の製造工程によって得られる粉砕ト
ナー粒子を、下記の〜の工程によって球形化し、且
つカプセル化することを特徴とする。以下、これらの工
程について説明する。 上記粉砕トナー粒子を、該トナー粒子が不溶な分散
媒体中に分散させて分散液を作製する工程 の工程で得られた分散液内に、少なくとも粉砕ト
ナー粒子を構成する結着樹脂に対する溶解性を有し、且
つの工程で使用した分散媒体に対して不溶性或いは難
溶性を有する液状化合物を投入し、該液状化合物をトナ
ー粒子に膨潤させる工程 の工程で膨潤した液状化合物をトナー粒子より除
去する工程
【0009】先ず、粉砕トナー粒子が分散された分散液
を作製する上記の工程について説明する。の工程で
使用する分散媒体としては、粉砕トナー粒子を構成して
いる着色樹脂組成物、特に結着樹脂を溶解しない液媒体
が好適に用いられる。従って、主に、トナーの結着樹脂
の種類や、その分子量等によって決定される。具体的に
は、例えば、スチレン−アクリル共重合体(スチレン:
アクリル=80:20)を結着樹脂とするトナー粉末を
用いる場合には、例えば、水、及び、メタノール、エタ
ノール、イソプロパノール、シクロヘキサノール等のア
ルコール類、四塩化炭素等の炭化水素類等を用いること
ができる。即ち、一般的な構成材料からなるトナーは、
水、又はアルコール類に不溶であるため、上記に挙げた
ような液媒体を、粉砕トナー粒子の分散媒体として用い
ることが好ましい。更に、本発明で使用する分散媒体
は、後述するの工程で用いる膨潤剤を溶解しない媒体
でなければならないが、該膨潤剤として好適な化合物は
有機性であるので、本発明においては、の工程で使用
する分散媒体としては、殆どの有機性の液体を溶解しな
い水を用いることがより好適である。
【0010】本発明の静電荷像現像用カプセルトナーの
製造方法においては、上記の工程で得られる粉砕トナ
ー粒子が分散された分散液に、の工程で、粉砕トナー
粒子を構成する結着樹脂成分を少なくとも溶解し、且
つ、工程で使用した分散媒体に不溶或いは難溶性であ
る液状化合物を分散液内に投入し、該液状化合物をトナ
ー粒子に膨潤させる。この際の粉砕トナー粒子に液状化
合物(膨潤剤)を膨潤させる手法は、具体的には以下の
通りである。
【0011】粉砕トナーが、水等の分散媒体中に分散し
た状態の分散液に、上記の特性を有する膨潤剤を投入す
る。そうすると、この膨潤剤は、分散媒体には不溶若し
くは難溶であるので、分散媒体中に液滴状となって分散
される。しかしながら、膨潤剤は僅かに分散媒体中に溶
解し、ここで用いられている膨潤剤は、トナー粒子を構
成している結着樹脂を少なくとも溶解するものであるの
で、この溶解した膨潤剤はトナーを溶解する。つまり、
膨潤剤はトナーを構成している物質との親和性が高いた
めに、徐々にトナー粒子に吸収されていく。又、分散媒
体中に分散しているトナー粒子と膨潤助剤の液滴が、分
散媒体中で接触した際に膨潤剤がトナー粒子に吸収され
ることも生じる。そして、これらの吸収が進むと、やが
てトナー粒子は膨潤剤によっていわば溶解された液体状
態となる。このトナーの液状化物は、分散媒体に不溶で
あることから、分散媒体中で球形の液滴を形成する。更
に、この状態を保つと、トナー中に含まれる離型剤等の
結着樹脂と相溶しにくい成分は、徐々に相分離を起こ
す。そこで、トナー粒子内でトナーの構成成分の相分離
が起こるように充分な時間放置し、その後、膨潤剤が可
溶な液媒体を系内に投入して膨潤剤をトナー粒子から除
去(の工程)すれば、粉砕トナー粉末から球形形状を
有し、しかも、離型剤等が内包化された構造のカプセル
構造を有する球形形状のトナー粒子が容易に得られる。
【0012】上記の工程で使用する膨潤剤としては、先
ず、先に説明した工程で使用する分散媒体に対して不
溶性或いは難溶性であることを要し、更に、粉砕トナー
粒子を構成している樹脂組成物、少なくとも結着樹脂成
分を溶解することのできる液状化合物が用いられる。こ
のような液状化合物としては、具体的には、例えば、結
着樹脂として、スチレン−アクリル共重合体(スチレ
ン:アクリル=80/20)が用いられている粉砕トナ
ー粒子を用いた場合には、例えば、酢酸イソアミル、安
息香酸イソアミル、酢酸エチル等のエステル類;メチル
エチルケトン、アセトン等のケトン類;等を用いること
ができる。更に、トルエン、ベンゼン等の有機溶媒を用
いることができる。
【0013】本発明においては、上記に挙げたような膨
潤剤を、の工程で得た分散液内に投入して放置するこ
とによって、分散剤をトナー粒子に吸収させて膨潤させ
るため、その吸収効率を向上させる目的で、分散媒体中
に投入された膨潤剤がより微細に分散されるように構成
することが好ましい。具体的には、原料とする粉砕トナ
ー粒子の粒径よりも、膨潤剤の液滴の粒径の方が細かく
なるようにすることが好ましい。
【0014】又、の工程においては、緩やかに膨潤剤
を除去することが大切である。分散系を加熱したり、室
温で撹拌したり、減圧したりすることによりトナー粒子
から膨潤剤を除去してもよいし、膨潤剤を溶解し、且つ
トナー成分を溶解しない溶媒で洗浄してもよく、又、こ
れらを組み合わせてもよい。上記の要件を満たす溶媒と
しては、具体的には、例えば、メタノール、エタノー
ル、プロパノール、アセトン、ジメチルエーテル、ジエ
チルエーテル、エチルメチルエーテル等が挙げられる。
【0015】又、本発明においては、の工程で粉砕ト
ナー粒子を分散させた場合に、又、トナー粒子に膨潤剤
を吸収させた場合に形成される球形のトナー液滴の凝集
を防ぐために、必要に応じて系内に分散安定剤を含有さ
せてもよい。更に、本発明のトナーの製造方法において
は、膨潤剤を除去してカプセル構造を有する球形形状の
トナー粒子を得た後、必要に応じて分級操作を行なっ
て、所望の粒度分布を有するトナーを得るように構成す
ることも好ましい。
【0016】
【実施例】以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を更
に詳細を説明する。尚、単に部とあるのは、特に断りの
ない限り重量基準である。 <粉砕トナー粒子の調製>以下の手順で、実施例及び比
較例に用いる粉砕トナー粒子を作製した。 ・スチレン/ブチルアクリレート共重合体(スチレン:アクリル=80/20) 100重量部 ・カーボンブラック 6重量部 ・ジ−tert−ブチルサリチル酸のクロム錯塩 4重量部 ・低分子量ポリプロピレンワックス 20重量部
【0017】上記した組成を充分に予備混合した後、溶
融混練し、得られた溶融混練物を冷却後、ハンマーミル
を用いて粒径約1〜2mm程度に粗粉砕した。次いで、
エアージェット方式による微粉砕機で微粉砕した。更
に、得られた微粉砕物をエルボジェット分級機を用いて
分級して粉砕トナーを得た。得られたトナーについて、
コールターカウンターで粒径を求めたところ、体積平均
粒径が7.51μmであった。
【0018】又、得られたトナー粒子の形状について、
丸さの度合いを以下の要領で測定して数量化した。日立
製作所(株)社製のフィールドエミレッション走査電子
顕微鏡S−800を用いて、トナー粒子をランダムに選
択して300個抽出し、これらの粒子についてニレコ社
製の画像処理解析装置Luzex3を用いて解析を行な
い、次式によって導かれる形状係数SF−1を求めた。
即ち、SF−1の値が1に近い程、トナー粒子の形状は
真球に近く、大きくなる程、形状が不定形に近いことに
なる。
【0019】
【数1】 上記のようにして測定した結果、上記で作製した粉砕ト
ナーの球形度SF−1は1.33であり、不定形に近い
ことがわかった。
【0020】実施例1 予め、膨潤剤として用いる酢酸イソアミル5重量部を、
0.3wt%ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水
溶液30重量部に投入した後、超音波ホモジナイザーを
用いて充分に分散処理して、酢酸イソアミルの細かい液
滴が分散された分散液を調製した。次いで、先に調製し
た粉砕ブラックトナー粒子0.9重量部を、0.5wt
%ポリビニルアルコール水溶液30重量部に分散して、
粉砕トナー粒子が分散されている分散液を得た。この分
散液の中に、先に調製しておいた酢酸イソアミル分散液
を投入し、室温で2時間攪拌することにより、酢酸イソ
アミルをトナー粒子に吸収させて膨潤させた。更に、こ
の状態で1昼夜攪拌を続けた。次に、系内に多量のエタ
ノールを投入し、酢酸イソアミルをトナー粒子内部より
除去した。更に、再度エタノールで粒子を洗浄した後、
精製水で洗浄し、濾別、乾燥することによって本実施例
のブラックトナーを得た。
【0021】上記で得られたブラックトナー粒子の平均
粒子径をコールターカウンターを用いて測定したとこ
ろ、8.20μmであった。又、トナー粒子がカプセル
構造を有していることの確認は、下記の方法で行なっ
た。例えば、エポキシ樹脂により固めたトナー粉末をミ
クロトームでスライスし、オスミウム酸の如き染料によ
って染色して薄板状の測定用の試料を調製する。この試
料について、TEMを用いて拡大倍率1万倍〜10万倍
で観察し、得られた拡大写真から、離型剤を核としたカ
プセル構造を確認することができた。更に、粉砕トナー
の場合と同様にしてこの形状係数を測定したところSF
−1の値は1.04であり、得られたブラックトナー粒
子の形状は、真球に近いことがわかった。
【0022】更に、上記で得られたブラックトナー95
部にシリカ粉末5部を加えて、ヘンシェルミキサーを用
いて混合することによって、トナーにシリカ粉末を外添
した。更に、このシリカ粉末を外添したトナー5部と、
シリコーン樹脂で被覆された40μmのフェライトキャ
リア95部を混合して、2成分系現像剤を調製した。こ
の現像剤を搭載したCLC700改造機を用い、トナー
画像の現像を行って以下の要領で、紙等の被記録媒体へ
の転写効率を測定した。即ち、印字動作の途中、未だ転
写動作がすべて完了していない段階で装置の運転を停止
し、先ず、被記録媒体への転写前の感光体上のトナー量
(A)を測定した、次いで、転写動作がすべて完了した
後に、被記録媒体に転写されず感光体上に残ったトナー
量(B)を測定した。これらの測定値から、下式によっ
て転写効率を算出した。この結果、得られた転写効率は
98.2%であり、良好に転写されていることが確認で
きた。
【0023】
【数2】
【0024】又、得られたトナーの定着性を評価するた
めに、CLC700装置から定着機を取り外し、外部駆
動及び温度コントロール機能を付け、更に、オイル塗布
装置を取り除いた後に、被記録媒体に転写されたトナー
画像を定着させて定着試験を行った。その結果、定着温
度領域は115℃〜175℃であり、低温定着性、オフ
セット性に優れた良好な結果が得られた。ここで、更に
100枚の複写動作を繰り返したが画像の変化は見られ
ず、現像性も終始良好であった。
【0025】(比較例1)実施例1で用いたと同じ先に
調製した粉砕トナーを用い、該トナー95部にシリカ微
粉末を5部を加えて、混合してシリカ微粉末を外添した
トナーを用いた以外は実施例1と同様にして、2成分系
現像剤を調製した。この現像剤を搭載したCLC700
改造機を用いて、実施例1と同様の方法で転写効率を測
定したところ78.2%であり、実施例1の場合と比べ
て劣っていた。更に、実施例1と同様の方法で定着試験
を行ったところ、定着性としては実施例1と同様に良好
であった。しかし、連続して100枚の複写動作を行な
い、その様子を観察したところ、初期からカブリが発生
しており、複写動作を重ねるにつれて、得られた画像全
面にひどいカブリ、及びクリーニング不良による縦スジ
が多く発生した。これは、トナー中に含有させた低分子
量化合物である離型剤がトナー表面に出ているために、
初期から帯電不良が起こり、複写動作を重ねるにつれて
感光体表面にトナーが融着し、感光体の帯電不良やクリ
ーニング不良等が発生したものと考えられる。
【0026】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
従来、一般的に行なわれている粉砕法によって製造され
た粉砕トナー粒子を用いて、簡易な方法で、球形のカプ
セル構造を有するトナーを製造し得るトナーの製造方法
が提供される。又、このトナーの製造方法を用いること
によって、転写効率、定着性及び耐久性が向上した優れ
た特性のトナーが容易に得られる。更に、本発明によれ
ば、従来の粉砕法によるトナーの製造プラントをそのま
ま用いることができるので、新たな重合プラントのよう
な大掛かりな装置等を必要とすることなく、上記した優
れた特性を有するトナーが経済的に得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H005 AA06 AA11 AA15 AB03 AB04 CA13 CA14 4G005 AA01 AB15 AB17 BA12 BB06 BB08 BB20 DA02X DC32W DC52W DC68X DD04Z DD08Z DD12X DD12Z DD53Z DD57W DD58Z EA08

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 結着樹脂と着色剤と離型剤とを少なくと
    も含有する着色樹脂組成物を溶融混練し、得られる混練
    物を粉砕して着色樹脂微粒子からなるトナー粒子を製造
    した後、該粉砕トナー粒子を、少なくとも下記の〜
    の工程で処理することによってトナーの形状を球形化
    し、且つ少なくとも離型剤を内包化してカプセル構造を
    有するトナーを製造することを特徴とする静電荷像現像
    用カプセルトナーの製造方法。 上記粉砕トナー粒子を、該トナー粒子が不溶な分散
    媒体中に分散させて分散液を作製する工程 の工程で得られた分散液内に、少なくとも粉砕ト
    ナー粒子を構成する結着樹脂に対する溶解性を有し、且
    つの工程で使用した分散媒体に対して不溶性或いは難
    溶性を有する液状化合物を投入し、該液状化合物をトナ
    ー粒子に膨潤させる工程 の工程で膨潤した液状化合物をトナー粒子より除
    去する工程
  2. 【請求項2】 分散媒体が水である請求項1に記載の静
    電荷像現像用カプセルトナーの製造方法。
JP28154798A 1998-10-02 1998-10-02 静電荷像現像用カプセルトナーの製造方法 Pending JP2000112175A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100619014B1 (ko) 2003-12-30 2006-08-31 삼성전자주식회사 캡슐화된 안료를 포함하는 습식 토너, 그 제조 방법 및 그이용
US9057970B2 (en) 2012-03-09 2015-06-16 Canon Kabushiki Kaisha Method for producing core-shell structured resin microparticles and core-shell structured toner containing core-shell structured resin microparticles

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