JP2000111330A - 超音波検査における異常検出方法 - Google Patents

超音波検査における異常検出方法

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JP2000111330A
JP2000111330A JP10281476A JP28147698A JP2000111330A JP 2000111330 A JP2000111330 A JP 2000111330A JP 10281476 A JP10281476 A JP 10281476A JP 28147698 A JP28147698 A JP 28147698A JP 2000111330 A JP2000111330 A JP 2000111330A
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ultrasonic wave
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signal
refractory
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Masaki Yamano
正樹 山野
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Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 超音波による検査の信頼性を向上することが
できる超音波検査における異常検出方法を提供する。 【解決手段】 異常検出器6には、耐熱樹脂シート2か
ら得られる多重反射エコーに係る信号を監視すべく監視
ゲートを設定する監視ゲート設定回路7が設けてあり、
該監視ゲート設定回路7に与えられた各受信信号は、そ
こで監視ゲートが重畳され、該監視ゲートを通過した通
過信号が、第1コンパレータ21の正端子、第2コンパレ
ータ22の負端子、又は第3コンパレータ23の正端子と、
監視ゲート設定回路7の出力端子との接続を切り換える
スイッチ8に出力される。第1コンパレータ21の負端
子、第2コンパレータ22の正端子及び第3コンパレータ
23の負端子には、第1閾値、第2閾値及び第3閾値の電
圧が印加してあり、各コンパレータは負端子の電圧より
正端子の電圧の方が高い場合、警報機25を起動して警報
を発生させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、超音波探触子から
検査対象物(例えば高炉外壁内部に設けた耐火物)へ超
音波を送信して検査対象物を検査する場合に、検査状態
に異常が存在するか否かを検出することができる異常検
出方法に関する。
【0002】
【従来の技術】高炉は、筒状の鉄皮の内側に耐火レンガ
といった耐火物を積層し、耐火物と鉄皮との間に不定形
耐火物であるスタンプ材を介装してなり、炉頂から原料
を耐火物で囲まれた炉内へ投入し、それを溶融して熔銑
となし、炉底から出銑する。このような高炉では、耐火
物が熔銑との接触によって徐々に損耗するため、耐火物
の厚さを高精度に測定することは、高炉を安全に運転
し、また高炉を手入れする上で重要である。高炉の耐火
物の厚さを測定するために、後述する如く超音波を用い
る方法が提案されている。
【0003】高炉の周面の適宜位置に、鉄皮及びスタン
プ材を貫通して耐火物の外面に達する細穴を開設する。
この細穴内に、先端に振動子が設けてある棒状の超音波
探触子を、振動子が検査対象物である耐火物に当接する
まで挿入する。振動子を励振させて20〜200KHz
の超音波を耐火物の外面から耐火物内へ入射し、耐火物
の内面からのエコーを受信する。そして、超音波を耐火
物に入射してから前記エコーを受信するまでの時間から
超音波が耐火物内を伝播する伝播時間を算出し、得られ
た伝播時間及び予め求めた伝播速度から耐火物の厚さを
算出する。
【0004】このとき、超音波の伝播経路上に疵が存在
する場合、超音波の一部が疵で反射されるので、疵に係
るエコーの有無を判定することによって、耐火物に内在
する疵を検査することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
超音波検査装置にあっては、次のように検査状態が正常
であるか否かを判定することができないため、検査結果
の信頼性が低いという問題があった。
【0006】探触子は鉄皮及びスタンプ材に開設した穴
に挿入されており、探触子の先端部分を目視することが
できないため、振動子と検査対象物である耐火物との接
触状態の良否を判断することができない。振動子と耐火
物との接触状態が不良である場合、十分な強度の超音波
を耐火物に入射することができないため、超音波が耐火
物の内面に到達する前に減衰して、耐火物の内面から所
要強度のエコーを受信することができないことがある。
この場合、耐火物内の疵によるエコーというように、耐
火物の内面からのエコーではない他のエコーを耐火物の
内面からのエコーと誤認することにより、耐火物の厚さ
が誤った値として求められる。
【0007】また、振動子と耐火物との接触状態が良好
であっても、例えば、探触子の状態が不良である場合、
前同様、十分な強度の超音波を耐火物に入射することが
できず、正確な検査を行うことができない。また、エコ
ーを受信した受信信号に多くのノイズが混入し、SN比
が低下する。
【0008】本発明はかかる事情に鑑みてなされたもの
であり、その目的とするところは、送受信面に超音波伝
播層を設けてなる超音波探触子を用い、前記送受信面か
ら超音波を前記超音波伝播層に送信し、該超音波伝播層
からのエコーに係る信号に基づいて異常を検出すること
によって、超音波による検査の信頼性を向上することが
できる超音波検査における異常検出方法を提供すること
にある。
【0009】
【課題を解決するための手段】第1発明に係る超音波検
査における異常検出方法は、超音波探触子の送受信面及
び検査対象物を超音波的に結合し、前記送受信面から超
音波を検査対象物に送信してエコーを受信し、得られた
受信信号に基づいて検査対象物を検査する場合に発生す
る異常を検出する方法であって、前記送受信面に超音波
を多重反射する超音波伝播層を設けてなる超音波探触子
を用い、前記送受信面から超音波を前記超音波伝播層を
介して送信して得られた受信信号について、前記超音波
伝播層からのエコーに係る信号レベルと予め定めた閾値
とを比較し、前記信号レベルが閾値以上である場合、所
定信号を出力することを特徴とする。
【0010】第2発明に係る超音波検査における異常検
出方法は、超音波探触子の送受信面及び耐火物を外皮で
覆ってなる炉壁の前記耐火物を超音波的に結合し、前記
送受信面から超音波を耐火物に送信してエコーを受信
し、得られた受信信号に基づいて耐火物を検査する場合
に発生する異常を検出する方法であって、前記送受信面
に超音波を多重反射する耐熱性の合成樹脂シートを設け
てなる超音波探触子を用い、前記送受信面から超音波を
前記合成樹脂シートを介して送信して得られた受信信号
について、前記合成樹脂シートからのエコーに係る信号
レベルと予め定めた閾値とを比較し、前記信号レベルが
閾値以上である場合、所定信号を出力することを特徴と
する。
【0011】第1及び第2発明にあっては、例えば、耐
火物を外皮で覆ってなる炉壁に、前記外皮を貫通して耐
火物に達する穴を開設し、超音波の送受信面に超音波伝
播層として耐熱性の合成樹脂シートを設けてなる超音波
探触子を前記穴内に挿入し、超音波伝播層と検査対象物
である耐火物との間に接触媒質を介在させることによっ
て、超音波探触子の送受信面及び検査対象物(耐火物)
を超音波的に結合する。
【0012】送受信面から超音波を超音波伝播層(耐熱
性の合成樹脂シート)を介して検査対象物に送信する。
超音波伝播層内を伝播する超音波は、超音波伝播層と送
受信面との界面、及び超音波伝播層と接触媒質との界面
の間で多重反射し、その多重反射エコーが超音波探触子
に受信される。受信信号に、前記超音波伝播層からの多
重反射エコーに係る信号を通過させるゲートを重畳し
て、該信号のみを通過信号として抽出することによっ
て、多重反射エコーに係る信号領域を監視する。
【0013】超音波探触子の送受信面及び検査対象物の
超音波的な結合が良好である場合、送受信面から送信さ
れた超音波の大部分は、超音波伝播層及び接触媒質を介
して検査対象物へ伝播するため、前述した多重反射エコ
ーに係る信号のレベルは低い。これに対して、超音波的
な結合が不良である場合、超音波伝播層及び接触媒質を
介して検査対象物へ伝播する超音波が減少するため、多
重反射エコーに係る信号のレベルは高い。
【0014】そのため、多重反射エコーに係る信号のレ
ベルに対応して予め閾値を定めておき、前述した通過信
号のレベルと前記閾値とを比較し、前者が後者より高い
場合超音波探触子の送受信面及び検査対象物の超音波的
な結合が不良であるので、警報を出力する。これによっ
て、超音波検査の信頼性が向上する。
【0015】第3発明に係る超音波検査における異常検
出方法は、超音波探触子の送受信面から超音波を検査対
象物に送信してエコーを受信し、得られた受信信号に基
づいて検査対象物を検査するに際して異常を検出する方
法であって、前記送受信面に超音波を多重反射する超音
波伝播層を設けてなる超音波探触子を用い、前記送受信
面と検査対象物とを超音波的に結合せずに得られた信号
について、前記超音波伝播層からのエコーに係る信号レ
ベルと予め定めた閾値とを比較し、前記信号レベルが閾
値未満である場合、所定信号を出力することを特徴とす
る。
【0016】超音波探触子の送受信面及び検査対象物が
超音波的に結合されていない場合、送受信面から送信さ
れた超音波の大部分は、前述した多重反射エコーとして
受信されるため、多重反射エコーに係る信号のレベルは
高い。これに対して、超音波探触子の内部欠陥によって
その発振状態が不良である場合、超音波探触子の寿命で
ある場合、又は何れかの箇所が断線している場合等が生
じた場合、多重反射エコーに係る信号のレベルは低い。
【0017】そのため、良好な状態における多重反射エ
コーに係る信号のレベルに対応した閾値を予め定めてお
き、通過信号のレベルと前記閾値とを比較し、前者が後
者より低い場合、超音波検査を行う装置を構成する各部
品の状態が不良であるので、警報を出力する。各部品の
状態が不良である場合、対応する部品を新しい部品に交
換し、前同様の操作を行って異常でないと判断されるま
で、部品の交換及び異常検出を繰り返す。そして、異常
でないと判断された場合、検査対象物の検査を行う。こ
れによって、超音波検査の信頼性が向上する。
【0018】第4発明に係る超音波検査における異常検
出方法は、超音波探触子の送受信面から超音波を検査対
象物に送信してエコーを受信し、得られた受信信号に基
づいて検査対象物を検査する前後に異常を検出する方法
であって、前記送受信面に超音波を多重反射する超音波
伝播層を設けてなる超音波探触子を用い、前記送受信面
と適宜の物体とを超音波的に結合させ、前記送受信面か
ら超音波を前記超音波伝播層を介して前記物体に送信し
て得られた受信信号について、前記超音波伝播層からの
エコーに係る信号レベルと予め定めた閾値とを比較し、
前記信号レベルが閾値以上である場合、所定信号を出力
することを特徴とする。
【0019】検査対象物を検査するに際し、送受信面に
超音波の一部を多重反射する超音波伝播層を設けてなる
超音波探触子を、接触媒質を介在させて適宜の物体に当
接して、送受信面と適宜の物体とを超音波的に結合させ
る。超音波探触子の送受信面に設けた超音波伝播層の状
態が良好である場合、送受信面から送信された超音波の
大部分は、超音波伝播層及び接触媒質を介して検査対象
物へ伝播するため、前述した多重反射エコーに係る信号
のレベルは低い。
【0020】これに対して、超音波探触子の送受信面に
設けた超音波伝播層の一部が剥離している場合、送受信
面が異常に振動するため、該振動と超音波伝播層からの
エコーとが干渉して、前述した多重エコーに係る信号の
レベルが増大する。
【0021】そのため、超音波伝播層の剥離が無い場合
における、多重エコーに係る信号のレベルに基づいて閾
値を予め定めておき、送受信面と前記物体との超音波的
な結合が良好であるにも拘わらず、多重エコーに係る信
号のレベルが前記閾値以上である場合、超音波伝播層の
状態が不良であるので、警報を出力する。
【0022】超音波伝播層の状態が不良である場合、送
受信面に超音波伝播層を設けてなる予備の超音波探触子
と交換した後、前同様の操作を行い、異常でないと判断
されるまで、超音波探触子の交換及び異常検出を繰り返
す。そして、異常でないと判断された場合、検査対象物
の検査を行う。これによって、超音波検査の信頼性が向
上する。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明をその実施の形態を
示す図面に基づいて詳説する。図1は本発明に係る超音
波検査装置の要部構成を示すブロック図であり、高炉30
の外壁内部に設けた検査対象物である耐火物33を検査す
る場合を示している。高炉30は、筒状の鉄皮31の内側
に、耐火レンガといった耐火物33を積層し、耐火物33と
鉄皮31との間に不定形耐火物であるスタンプ材32を介装
してなり、炉頂から原料を耐火物33で囲まれた炉内へ投
入し、それを溶融して熔銑となし、炉底から出銑してい
る。
【0024】高炉30の周面の適宜位置には、直径が略4
0mm〜200mmであり、鉄皮31及びスタンプ材32を
貫通して耐火物33の外面に達する穴35が開設してあり、
該穴35内に棒状の超音波探触子1が挿入してある。超音
波探触子1のハウジング11内には、振動子12が収納され
ており、該振動子12の超音波出射面には、厚さが50m
m程度であり、超音波出射面に応じた形状にポリアミド
樹脂を成形してなる耐熱樹脂シート2が貼設してある。
【0025】この耐熱樹脂シート2の材料には、次のよ
うな条件に適合する合成樹脂を用いる。振動子12に耐熱
樹脂シート2を貼設した超音波探触子1で検査対象物か
らのエコーを受信した受信信号のSN比のレベルが、振
動子12に耐熱樹脂シート2を貼設していない超音波探触
子1による前記受信信号のSN比と略同じレベルである
こと。熱伝導性が低く、検査中に熱変形を生じないこ
と。また、後述する如く、耐熱樹脂シート2の内部で超
音波が多重に反射して得られる多重反射エコーが所要の
強度であること。これらの条件を満足するものとして、
前述したポリアミド樹脂、又はウルテム等の耐熱性合成
樹脂が適している。
【0026】耐熱樹脂シート2上には、ウレタンゴムと
いった軟質ゴムを数mmの厚さに成形してなり、超音波
探触子1と検査対象物である耐火物33との間の接触媒質
である弾性シート3が貼設してある。なお、超音波探触
子1に弾性シート3が貼設していない場合、100〜3
00℃程度の温度で気化しない接触媒質を、検査を実施
する都度、超音波探触子の先端に塗布する。ところで、
前述した弾性シート3は繰り返し使用することができる
ため、検査の都度、接触媒質を塗布する手間を省くこと
ができる。
【0027】後述する如く、耐火物33の検査を実施する
前に、超音波検査装置の異常の有無を診断するようにな
っており、異常無しと診断された場合、超音波探触子1
は高炉30に設けた穴35内に、前記弾性シート3が耐火物
33の外面に当接するまで挿入される。
【0028】超音波探触子1に内蔵された振動子12に
は、パルサ4から数十〜数百Vのパルス電圧が印加され
るようになっており、振動子12は、印加されたパルス電
圧によって発振して、超音波出射面から50〜200K
Hz程度の周波数の超音波を耐火物33へ出射し、そのエ
コーを受信する。超音波探触子1はその受信信号を信号
増幅回路5に与え、信号増幅回路5は与えられた各受信
信号のレベルを所要のレベルに増幅した後、耐火物33の
厚み及び耐火物33の内部欠陥を検査する検査器27、及び
超音波検査の異常を検出する異常検出器6にそれぞれ与
える。
【0029】検査器27は、信号増幅回路5から与えられ
た受信信号に基づいて、耐火物33の厚さを算出すると共
に、耐火物33に欠陥が発生しているか否か、欠陥が発生
している場合は、その深さを算出し、得られた結果を出
力装置28に与え、該出力装置28に出力させる。
【0030】前述した異常検出器6には、耐熱樹脂シー
ト2に入射された超音波が該耐熱樹脂シート2内で多重
反射して得られる多重反射エコーに係る信号を監視すべ
く、受信信号が与えられてから所定時間経過後に、所定
時間領域の監視ゲートを設定する監視ゲート設定回路7
が設けてあり、該監視ゲート設定回路7に与えられた各
受信信号は、そこで監視ゲートが重畳され、該監視ゲー
トを通過した通過信号がスイッチ8に出力される。
【0031】スイッチ8は、第1コンパレータ21の正端
子、第2コンパレータ22の負端子、又は第3コンパレー
タ23の正端子と、監視ゲート設定回路7の出力端子との
接続を切り換えるようになしてある。第1コンパレータ
21の負端子、第2コンパレータ22の正端子及び第3コン
パレータ23の負端子には、抵抗を介して所定レベルの電
圧がそれぞれ第1閾値、第2閾値及び第3閾値として印
加してあり、各コンパレータ21,22,23は、負端子の電
圧より正端子の電圧の方が高い場合、警報機25を起動し
て警報を発生させる。
【0032】前述した第1閾値は、弾性シート3の耐火
物33への接触状態の異常を検出すべく定めてあり、第2
閾値は、超音波検査装置の異常を検出すべく定めてあ
り、第3閾値は、振動子12に貼設した耐熱樹脂シート2
に剥離している部分が存在する異常を検出すべく定めて
ある。
【0033】超音波探触子1を高炉30に設けた穴35に挿
入する前後に、スイッチ8を切り換えて、監視ゲート設
定回路7の出力端子と第2コンパレータ22の負端子とを
接続しておき、弾性シート3を何らかの物体に接触させ
ることなく、パルサ4を起動して、振動子12から超音波
を耐熱樹脂シート2へ送信する。監視ゲートを通過した
通過信号が監視ゲート設定回路7から第2コンパレータ
22の負端子に与えられ、第2コンパレータ22は、正端子
に印加されている第2閾値と負端子に印加された通過信
号との電圧レベルを比較し、前者が後者以下である場
合、超音波探触子1又は信号ケーブルに異常があるとし
て、警報機25を起動する。
【0034】超音波探触子1の送受信面及び耐火物33が
超音波的に結合されていない場合、超音波探触子1から
送信された超音波の大部分は、耐熱樹脂シート2からの
多重反射エコーとして受信されるため、多重反射エコー
に係る信号の強度は高い。これに対して、振動子12の発
振状態が不良である場合、振動子12の寿命である場合、
又は超音波探触子1の内部配線又はパルサ4と超音波探
触子1との間の配線等、配線の何れかが断線している場
合等が生じたとき、多重反射エコーに係る信号の強度は
低い。
【0035】そのため、それらが良好な状態における多
重反射エコーに係る信号の強度に対応した第2閾値を予
め定めておき、通過信号内に、前記第2閾値以上の強度
の信号成分が存在しない場合、超音波検査装置を構成す
る各部品の状態が不良であるので、警報機25を起動す
る。
【0036】各部品の状態が不良である場合、対応する
部品を新しい部品に交換し、前同様の操作を行って異常
でないと判断されるまで、部品の交換及び異常検出を繰
り返す。
【0037】また、超音波探触子1を高炉30に設けた穴
35に挿入する前後に、スイッチ8を切り換えて、監視ゲ
ート設定回路7の出力端子と第3コンパレータ23の正端
子とを接続しておき、例えば、弾性シート3に手を密接
させた後、パルサ4を起動して、振動子12から超音波を
耐熱樹脂シート2へ送信する。監視ゲートを通過した通
過信号が監視ゲート設定回路7から第3コンパレータ23
の正端子に与えられ、第3コンパレータ23は、負端子に
印加されている第3閾値と正端子に印加された通過信号
との電圧レベルを比較し、前者が後者以上である場合、
振動子12に貼設した耐熱樹脂シート2の一部が剥離して
いる異常があるとして、警報機25を起動する。
【0038】耐熱樹脂シート2の剥離がなく、耐熱樹脂
シート2の状態が良好である場合、振動子12から送信さ
れた超音波の大部分は、耐熱樹脂シート2及び弾性シー
ト3を介して、弾性シート3に密着させた手に伝播する
ため、前述した多重反射エコーに係る信号のレベルは低
い。これに対して、耐熱樹脂シート2の一部が剥離して
いる場合、振動子12が異常に振動するため、その振動と
多重反射エコーとが干渉して、多重エコーに係る信号の
レベルが増大する。
【0039】そのため、耐熱樹脂シート2の状態が良好
である場合に、ゲートを通過した通過信号の強度を求め
ておき、得られた通過信号の強度に応じた強度の第3閾
値を予め定めておく。そして、前述した如く得られた通
過信号内に、前記第3閾値以上の強度の信号成分が存在
する場合、耐熱樹脂シート2が剥離しているので、異常
であるとして警報を出力させる。
【0040】耐熱樹脂シート2の一部が剥離している場
合、耐熱樹脂シート2が貼設してある予備の超音波探触
子1と交換した後、前同様の操作を行い、異常でないと
判断されるまで、超音波探触子1の交換及び異常検出を
繰り返す。そして、スイッチ8を第2コンパレータ22及
び第3コンパレータ23に切り換えて、前同様の操作を行
い、何れの場合でも警報が出力されなかった場合、検査
対象物の検査を行う。これによって、超音波検査の信頼
性が向上する。
【0041】耐火物33を検査する場合、スイッチ8を切
り換えて、監視ゲート設定回路7の出力端子と第1コン
パレータ21の正端子とを接続しておき、超音波探触子1
を高炉30に設けた穴35に、弾性シート3が耐火物33に当
接するまで挿入した後、パルサ4を起動して、振動子12
から超音波を耐火物33へ送信する。監視ゲートを通過し
た通過信号が監視ゲート設定回路7から第1コンパレー
タ21の正端子に与えられ、第1コンパレータ21は、負端
子に印加されている第1閾値と正端子に印加された通過
信号との電圧レベルを比較し、前者が後者以上である場
合、弾性シート3の耐火物33への接触状態が不良である
として、警報機25を起動する。
【0042】図2は超音波探触子1に設けた弾性シート
3を耐火物33に接触させていない場合の受信信号の波形
図であり、図3は、超音波探触子1に設けた弾性シート
3を耐火物33に良好に接触させた場合の受信信号の波形
図である。両図中、縦軸は信号強度を、横軸は時間をそ
れぞれ示している。
【0043】図2に示した如く、送信エコーSに続いて
超音波探触子1に設けた耐熱樹脂シート2からの多重反
射エコーTが受信されており、この時間領域に監視ゲー
トgを設ける。また、弾性シート3を耐火物に接触させ
ていない場合、耐熱樹脂シート2及び弾性シート3を介
して耐火物33へ超音波が伝播しないため、監視ゲートg
を通過する多重反射エコーT(通過信号)の強度は高
い。
【0044】一方、図3から明らかな如く、弾性シート
3が耐火物33に良好に接触した場合、超音波探触子1か
ら送信された超音波の大部分は、耐熱樹脂シート2及び
弾性シート3を介して耐火物33へ伝播するため、監視ゲ
ートgを通過する多重反射エコーT(通過信号)の強度
は低い。また、監視ゲートgを設定した時間帯から適宜
時間経過後に、耐火物33の内面からの反射エコーKが受
信される。
【0045】これに対して、弾性シート3と耐火物33と
の接触状態が不良である場合、耐熱樹脂シート2及び弾
性シート3を介して耐火物33へ伝播する超音波が減少す
るため、その多重反射エコーTの強度は、図2に示した
通過信号の強度より小さく、図3に示した多重反射エコ
ーTの強度より大きい。そのため、図2に示した多重反
射エコーTの強度より小さく、図3に示した多重反射エ
コーTの強度より大きい強度の第1閾値を予め定めてお
き、前述した多重反射エコーT内に、第1閾値以上の強
度の信号成分が存在する場合、弾性シート3と耐火物33
との接触状態が不良であるので、異常であると決定す
る。これによって、超音波検査の信頼性が向上する。
【0046】なお、本実施の形態では、超音波の送信及
び受信を同一の超音波探触子を用いて行うようになして
あるが、本発明はこれに限らず、超音波の受信を、送信
に用いる超音波探触子とは別の超音波探触子を用いて行
ってもよいことはいうまでもない。
【0047】
【発明の効果】以上詳述した如く第1及び第2発明にあ
っては、超音波探触子の送受信面及び検査対象物の超音
波的な結合が不良である異常を検出することができるた
め、そのような異常を視認することができない場合であ
っても、超音波検査の信頼性が高い。
【0048】第3発明にあっては、超音波検査を行う装
置の構成部品の状態が不良であるという異常を検出する
ことができるため、超音波検査の信頼性が更に向上す
る。
【0049】第4発明にあっては、超音波伝播層の状態
が不良であるという異常を検出することができるため、
超音波検査の信頼性が更に向上する等、本発明は優れた
効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る超音波検査装置の要部構成を示す
ブロック図である。
【図2】超音波探触子に設けた弾性シートを耐火物に接
触させていない場合の受信信号の波形図である。
【図3】超音波探触子に設けた弾性シートを耐火物に良
好に接触させた場合の受信信号の波形図である。
【符号の説明】
1 超音波探触子 2 耐熱樹脂シート 3 弾性シート 4 パルサ 5 信号増幅回路 6 異常検出器 7 監視ゲート設定回路 8 スイッチ 12 振動子 21 第1コンパレータ 22 第2コンパレータ 23 第3コンパレータ 25 警報機 27 検査器 28 出力装置 30 高炉 31 鉄皮 32 スタンプ材 33 耐火物

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 超音波探触子の送受信面及び検査対象物
    を超音波的に結合し、前記送受信面から超音波を検査対
    象物に送信してエコーを受信し、得られた受信信号に基
    づいて検査対象物を検査する場合に発生する異常を検出
    する方法であって、 前記送受信面に超音波を多重反射する超音波伝播層を設
    けてなる超音波探触子を用い、前記送受信面から超音波
    を前記超音波伝播層を介して送信して得られた受信信号
    について、前記超音波伝播層からのエコーに係る信号レ
    ベルと予め定めた閾値とを比較し、前記信号レベルが閾
    値以上である場合、所定信号を出力することを特徴とす
    る超音波検査における異常検出方法。
  2. 【請求項2】 超音波探触子の送受信面及び耐火物を外
    皮で覆ってなる炉壁の前記耐火物を超音波的に結合し、
    前記送受信面から超音波を耐火物に送信してエコーを受
    信し、得られた受信信号に基づいて耐火物を検査する場
    合に発生する異常を検出する方法であって、 前記送受信面に超音波を多重反射する耐熱性の合成樹脂
    シートを設けてなる超音波探触子を用い、前記送受信面
    から超音波を前記合成樹脂シートを介して送信して得ら
    れた受信信号について、前記合成樹脂シートからのエコ
    ーに係る信号レベルと予め定めた閾値とを比較し、前記
    信号レベルが閾値以上である場合、所定信号を出力する
    ことを特徴とする超音波検査における異常検出方法。
  3. 【請求項3】 超音波探触子の送受信面から超音波を検
    査対象物に送信してエコーを受信し、得られた受信信号
    に基づいて検査対象物を検査するに際して異常を検出す
    る方法であって、 前記送受信面に超音波を多重反射する超音波伝播層を設
    けてなる超音波探触子を用い、前記送受信面と検査対象
    物とを超音波的に結合せずに得られた信号について、前
    記超音波伝播層からのエコーに係る信号レベルと予め定
    めた閾値とを比較し、前記信号レベルが閾値未満である
    場合、所定信号を出力することを特徴とする超音波検査
    における異常検出方法。
  4. 【請求項4】 超音波探触子の送受信面から超音波を検
    査対象物に送信してエコーを受信し、得られた受信信号
    に基づいて検査対象物を検査する前後に異常を検出する
    方法であって、 前記送受信面に超音波を多重反射する超音波伝播層を設
    けてなる超音波探触子を用い、前記送受信面と適宜の物
    体とを超音波的に結合させ、前記送受信面から超音波を
    前記超音波伝播層を介して前記物体に送信して得られた
    受信信号について、前記超音波伝播層からのエコーに係
    る信号レベルと予め定めた閾値とを比較し、前記信号レ
    ベルが閾値以上である場合、所定信号を出力することを
    特徴とする超音波検査における異常検出方法。
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