JP2000110992A - 非常用潤滑油供給装置 - Google Patents

非常用潤滑油供給装置

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JP2000110992A
JP2000110992A JP10284062A JP28406298A JP2000110992A JP 2000110992 A JP2000110992 A JP 2000110992A JP 10284062 A JP10284062 A JP 10284062A JP 28406298 A JP28406298 A JP 28406298A JP 2000110992 A JP2000110992 A JP 2000110992A
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oil pump
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Takanori Taniguchi
隆典 谷口
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Abstract

(57)【要約】 【課題】起動時間が短くて済み回転部が持つ軸受の長寿
命化が可能な非常用潤滑油供給装置を提供する。 【解決手段】非常用潤滑油供給装置1は、従来例に対
し、補助電源装置2を追加して備えると共に、主潤滑油
供給装置5の健全時には直流電動油ポンプ91が持つ直
流電動機93を補助電源装置2に接続し,非常時には起
動抵抗器7を介し直流電源装置8に接続する切換スイッ
チ19を備える。補助電源装置2は、交流電源6から受
電し,直流電動油ポンプ91が持つ回転油ポンプ92を
所要トルクが最小になる回転数Nm 付近で運転できる値
の直流電圧V2 を出力する。直流電動機93は直流電圧
2 を入力し、主潤滑油供給装置5の健全な運転時に回
転油ポンプ92を回転数Nm 付近で連続運転する。な
お、主潤滑油供給装置5の健全時の直流電動機93の運
転回転数Nは、定格回転数Nr の50〔%〕程度あるい
はそれ以下であれば有効である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、非常用の直流電
源装置から給電される非常時給油用の直流電動油ポンプ
を用いて,非常時に大型の回転機械装置が持つ軸受など
に潤滑油を供給する回転機械装置用の非常用潤滑油供給
装置に係わり、直流電動油ポンプを低速で常時運転して
おくことで,非常用潤滑油供給装置の起動時間の短縮お
よび長寿命化を図った改良されたその構成に関する。
【0002】
【従来の技術】電力用・産業用の蒸気タービン,ガスタ
ービンなどの大型の回転機械装置は、その軸受には常時
潤滑油が供給されることを前提にして構成されることが
一般である。このため、これ等の大型の回転機械装置に
は、その軸受などに潤滑油の供給を行う主潤滑油供給装
置が必ず設置されている。またこれと共に、主潤滑油供
給装置からの潤滑油の供給が不可能となる非常時に備え
て、非常用の直流電源装置から電力の供給を受けて潤滑
油の供給を行う非常用潤滑油供給装置が付属されてい
る。主潤滑油供給装置は、交流電源から電力の供給を受
ける交流電動機で駆動される電動油ポンプにより構成さ
れる方式ものと、回転機械装置が持つ回転軸で駆動され
る軸駆動油ポンプを主油ポンプに用いて構成される方式
のものとに大別される。また、非常用潤滑油供給装置
は、用いられる主潤滑油供給装置の方式にかかわらず、
直流電動機で駆動される電動油ポンプを主体として構成
されることが一般である。
【0003】まず、電動油ポンプにより構成された主潤
滑油供給装置と組み合わされる場合の、従来例の非常用
潤滑油供給装置を図5〜図7を用いて説明する。ここ
で、図5は、従来例の非常用潤滑油供給装置を電動油ポ
ンプにより構成された主潤滑油供給装置などと共に示す
単線結線図であり、図6は、図5に示した非常用潤滑油
供給装置の単線結線図である。また、図7は、図5に示
した非常用潤滑油供給装置が持つ直流電動機の起動時の
状況を説明する説明図である。
【0004】図5,図6において、5は、電動油ポンプ
51と電動油ポンプ54と、切換スイッチ59とを備
え、図示しない回転機械装置に潤滑油を常時供給する主
潤滑油供給装置である。電動油ポンプ51と電動油ポン
プ54とは、同一仕様を持ち、それぞれ、回転油ポンプ
52,55と、回転油ポンプ52,55のランナに駆動
軸が直結された交流電動機53,56とを有している。
回転油ポンプ52,55が持つ図示しない送油口は、回
転機械装置に潤滑油を供給する図示しない送油配管にそ
れぞれ接続されている。主潤滑油供給装置5では、電動
油ポンプ51が主油ポンプであり、電動油ポンプ54
は、電動油ポンプ51が使用不能な場合に運転される予
備油ポンプである。電動油ポンプ51,54は、交流電
源(商用電源,所内電源など)6から交流の給電を受け
て運転されるが、両電動油ポンプ51,54のどちらを
使用するかは、切換スイッチ59を切り換えることで行
われる。
【0005】9は、停電の発生など、主潤滑油供給装置
5からの潤滑油の供給が何等かの理由で不能になった非
常時に、回転機械装置に潤滑油を供給する非常用潤滑油
供給装置である。非常用潤滑油供給装置9は、回転油ポ
ンプ92と,回転油ポンプ92のランナに駆動軸が直結
された直流電動機93とを持つ非常時給油用の直流電動
油ポンプ91と、起動抵抗器7と、非常用の直流電源装
置8と、スイッチ99とを有する。回転油ポンプ92が
持つ図示しない送油口は、前記送油配管に接続されてい
る。直流電源装置8には、一般に二次電池が用いられて
いる。スイッチ99は、主潤滑油供給装置5が健全に運
転されている場合には開路されており、非常時に閉路さ
れて、直流電源装置8に直流電動油ポンプ91への給電
を開始させる。
【0006】起動抵抗器7は、直流電源装置8と直流電
動機93との間に電気的に直列に接続されており、その
タップを切り換えることで直流電源装置8と直流電動機
93との間に挿入される電気抵抗値を段階的に変更する
ことが可能な一種の可変抵抗器である。この事例の場合
の起動抵抗器7は、図6に示したように4個のタップを
持っている。起動抵抗器7のタップ切換動作を図7を合
わせ用いて説明する。図7では、横軸に直流電動機93
の回転数Nを定格回転数Nr に対する百分率でとり、縦
軸に直流電動機93に流入する電流Iを定格電流Ir
対する百分率でとって、直流電動機93の起動時におけ
る、回転数Nと電流Iとの関係の概要を例示している。
【0007】非常用潤滑油供給装置9では、起動抵抗器
7の最大電気抵抗値は、停止状態の直流電動機93の起
動時に、直流電動機93に流入する電流Iの値が、定格
電流Ir の200〔%〕になるように設定されている
(図7の曲線を参照)。また起動抵抗器7のタップの
切り換えは、直流電動機93の回転数Nが上昇すること
で、電流Iの値が定格電流Ir にまで減少すると行われ
る。このタップ切り換えにより直流電源装置8と直流電
動機93との間に挿入される電気抵抗値が低減されるこ
とで、電流Iの値はいったん増大する。
【0008】以降、タップ切り換えを続け(この事例の
場合では、4個のタップ数に対応して、3回のタップ切
り換えが行われる。)、直流電源装置8と直流電動機9
3との間に挿入される電気抵抗値が零になると、以降、
直流電源装置8から直流電動機93に直接に電流が供給
されることになる。非常用潤滑油供給装置9の運転開始
時における、直流電源装置8が直流電動機93に供給す
る電流Iの最大値は、第3回目のタップ切り換えが行わ
れた時点で発生し、その値は定格電流Ir の約250
〔%〕である(図7の曲線を参照)。すなわち、非常
用潤滑油供給装置9では、直流電源装置8が直流電動機
93に供給する電流Iの最大値を、直流電動機93の定
格電流Ir の約250〔%〕に制限しつつ、その起動時
間を短縮するように動作している。なお、多くの場合
に、非常用潤滑油供給装置では、直流電源装置8が直流
電動機93に供給する電流の最大値を、定格電流Ir
2倍程度〜3倍程度に設定することが一般である。
【0009】また、非常用潤滑油供給装置9では、第1
回目のタップ切り換えは、直流電動機93が回転数N12
(図7参照)に上昇すると行われ、この回転数N12は、
直流電動機93の定格回転数Nr に対して約50〔%〕
である。そうして、主潤滑油供給装置5および非常用潤
滑油供給装置9から供給される潤滑油が通流する送油配
管には、主潤滑油供給装置5からの潤滑油の供給が不能
になってから,非常用潤滑油供給装置9から潤滑油の供
給が開始されるまでの間、回転機械装置に潤滑油の供給
を行う図示しないアキュームレータが接続されることが
一般であり、信頼性の高い潤滑油供給システムとされて
いる。
【0010】次に、従来例の非常用潤滑油供給装置が、
回転機械装置が持つ回転軸で駆動される軸駆動油ポンプ
を主油ポンプに用いて構成された主潤滑油供給装置と組
み合わされる場合について図8を用いて説明する。な
お、以下の説明においては、図5,図6に示した従来例
の非常用潤滑油供給装置と同一部分には同じ符号を付
し、その説明を省略する。また、以後の説明に用いる図
中には、図5,図6で付した符号については、極力代表
的な符号のみを記すようにしている。ここで図8は、従
来例の非常用潤滑油供給装置を軸駆動油ポンプを主体に
構成された主潤滑油供給装置などと共に示す単線結線図
である。図8において、5Aは、主潤滑油供給装置5に
対して、電動油ポンプ51および切換スイッチ59に代
えて、それぞれ、軸駆動油ポンプ57およびスイッチ5
8を用いるようにした主潤滑油供給装置である。
【0011】主潤滑油供給装置5Aでは、軸駆動油ポン
プ57が主油ポンプであり、電動油ポンプ54は、回転
機械装置が起動または停止動作時にあって低速状態のた
めに、軸駆動油ポンプ57が所要量の潤滑油を供給する
ことできない場合に動作する補助油ポンプの役目を果た
している。軸駆動油ポンプ57および電動油ポンプ54
がそれぞれに持つ送油口は、当然のことながら送油配管
に接続されている。スイッチ58は、回転機械装置が起
動または停止動作状態にある場合に閉路されて電動油ポ
ンプ54を動作させるが、それ以外の場合には開路され
ている。
【0012】そうして、交流電源6が喪失した場合には
回転機械装置は運転を停止するように動作されるが、回
転機械装置が蒸気タービンやガスタービンなどである場
合には慣性が大きいために、軸駆動油ポンプ57はかな
り長い時間(例えば、30分間程度)にわたり所要量の
潤滑油の供給が可能である。したがって、主潤滑油供給
装置5Aを採用した潤滑油供給システムでは、主潤滑油
供給装置5を採用した場合とは異なり、アキュームレー
タを設置しないことが多い。また、主潤滑油供給装置5
Aを採用した潤滑油供給システムの場合には、図示しな
いセンサ(例えば、送油配管での潤滑油の油圧を検出す
るセンサ)で監視していて、このセンサの出力が規定値
を下回った時点で、非常用潤滑油供給装置9の運転を開
始するように設定されている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】従来例の非常用の非常
用潤滑油供給装置9は、前述の構成としたので、主潤滑
油供給装置5,5Aからの潤滑油の供給が不能になった
際には、直流電源装置8を用いて回転機械装置への潤滑
油の供給を可能にしている。しかしながら、次記する問
題が残存しており、その解決が望まれている。すなわ
ち、 非常用潤滑油供給装置9が起動を開始して運転状態に
なるまでの間,潤滑油の供給をアキュームレータに依存
する必要がある潤滑油供給システムの場合には、アキュ
ームレータが貯留すべき油量が多量にならざるを得な
い。この結果、回転機械装置に対する付属装置が大形に
なり、広い設置スペースを要している。
【0014】前記項に関連して、アキュームレータ
が貯留すべき油量を低減するために、非常用潤滑油供給
装置9の起動時間の短縮化が試みられているが、起動時
間の短縮は直流電動機93を大きな起動電流によって起
動させることであり、この場合には、直流電源装置8の
電流容量が増大するという新たな問題が生じる。 また、従来例の非常用潤滑油供給装置9では、主潤滑
油供給装置5,5Aから供給される潤滑油供給量が規定
量を満足している場合には、回転油ポンプ92,直流電
動機93などの回転部は停止状態で待機している。この
待機状態では、回転部が持つ軸受部に使用されている転
がり軸受は、同一位置によって荷重を支持し続けてお
り、その間、この荷重支持点は潤滑油で潤滑されること
がない。このために、転がり軸受の寿命が短縮されると
いう問題がある。
【0015】この発明は、前述の従来技術の問題点に鑑
みなされたものであり、その目的は、起動時間が短くて
済みしかも回転部が持つ軸受の長寿命化が可能な非常用
潤滑油供給装置を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】この発明では前述の目的
は、 1)非常時に回転機械装置に潤滑油を供給する直流電動
油ポンプと、直流電動油ポンプに給電する非常用の直流
電源装置と、直流電源装置と直流電動油ポンプとの間に
接続された多段切換え式の起動抵抗器とを備えた非常用
潤滑油供給装置において、交流電源から受電して,直流
電源装置から出力される電圧よりも低電圧の直流を起動
抵抗器を介さずに前記直流電動油ポンプに供給する補助
電源装置を備え、直流電動油ポンプを定格回転数以下の
低速状態で常時運転する構成とすること、または、 2)前記1項に記載の手段において、常時運転時の前記
直流電動油ポンプは、所要トルクが最小になる回転数付
近で運転する構成とすること、または、 3)前記1項に記載の手段において、常時運転時の前記
直流電動油ポンプは、所要トルクの最小点に最も近い前
記起動抵抗器の切換え点に対応する回転数付近で運転す
る構成とすること、さらにまたは、 4)前記1項から3項までのいずれかに記載の手段にお
いて、非常用の直流電源装置から受電して,前記補助電
源装置から出力される電圧と同等値の低電圧の直流を前
記直流電動油ポンプに出力する直流電圧降下装置を備
え、直流電動油ポンプは、補助電源装置用の交流電源が
喪失した場合に直流電圧降下装置から受電して低速状態
で運転する構成とすること、により達成される。
【0017】
【発明の実施の形態】以下この発明の実施の形態を図面
を参照して詳細に説明する。図1は、この発明の実施の
形態の一例による非常用潤滑油供給装置を関連装置と共
に示す単線結線図である。図1において、1は、図5,
図6に示した従来例による非常用潤滑油供給装置9に対
して、スイッチ99に代えて切換スイッチ19を用いる
と共に、補助電源装置2を追加して備えるようにした非
常用潤滑油供給装置である。切換スイッチ19は、主潤
滑油供給装置5が健全に運転されている場合には直流電
動油ポンプ91が持つ直流電動機93を補助電源装置2
に直接に接続し、非常時には直流電動機93を起動抵抗
器7を介して直流電源装置8に接続するように動作す
る。
【0018】補助電源装置2は、交流電源6から交流を
受電して、直流電動油ポンプ91が持つ回転油ポンプ9
2をその所要トルクτが最小値τm になる回転数Nm
付近で運転できる値の直流電圧V2 を出力する。直流電
動機93は、補助電源装置2が出力する直流電圧V2
入力して、主潤滑油供給装置5が健全に運転されている
状態において、回転油ポンプ92を回転数Nm の付近で
連続運転する。この回転油ポンプ92の回転数Nと所要
トルクτ(回転油ポンプ92を回転数Nで運転する際
に、直流電動機93が出力すべきトルク)の関係の事例
を図2に示す。ここで図2は、直流電動油ポンプが持つ
回転油ポンプの回転数と所要トルクとの関係の一例を示
すグラフである。図2では、横軸に回転油ポンプ92の
回転数Nを定格回転数Nr に対する百分率でとり、縦軸
に回転油ポンプ92の所要トルクτを定格所要トルクτ
r に対する百分率でとって、回転油ポンプ92の、回転
数Nと所要トルクτとの関係を示している。
【0019】なお、この事例の場合には、回転油ポンプ
92には遠心ポンプが用いられている。この遠心式油ポ
ンプが用いられた回転油ポンプ92では、ポンプ作用に
より必要となるトルクτP は、周知のように回転数Nの
二乗に比例し、したがって、ポンプ作用による回転油ポ
ンプ92の出力は、回転数Nの三乗に比例する。また、
回転油ポンプ92のランナを回転させるには、摩擦トル
クτF にうちかつ必要がある。摩擦トルクτF は、周知
のように、回転数N=0ではいわゆる静止摩擦状態であ
ることから最も大きく、以降、回転数Nの増大に従って
徐々に低減する性質を持つ。回転油ポンプ92の所要ト
ルクτは、ポンプ作用により必要となるトルクτP と摩
擦トルクτF との和であり、回転数Nが小さい範囲では
摩擦トルクτF による成分が支配的であるために、所要
トルクτは、回転数Nm で最小値τm となる(図2参
照)。図2に示した事例では、回転数Nm は、定格回転
数N r の約20〔%〕である。
【0020】補助電源装置2は、交流電源6から受電し
て、直流電動機93を回転数Nm で連続運転するため
に、直流電源装置8から出力されるよりも低い値を持つ
直流電圧V2 を生成する装置である。したがって、補助
電源装置2は、周知の各種のコンバータの方式を採用で
きる。例えば、交流電源6の交流電圧を整流するダイオ
ード式のコンバータと,このコンバータで得られた直流
電圧を制御極付き半導体素子を用いて直流電圧V2 に変
換する直流/直流コンバータとを組み合わせる方式、あ
るいは、交流電源6の交流電圧を遞降する変圧器と,こ
の変圧器の出力を整流し直流電圧V2 を得るダイオード
式のコンバータとを組み合わせる方式などである。
【0021】なおまた、非常用潤滑油供給装置1は、主
潤滑油供給装置5からの潤滑油の供給が不可能となった
非常時には、切換スイッチ19が切り換えられること
で、直流電動油ポンプ91に必要な電力は、直流電源装
置8から供給される。この場合の非常用潤滑油供給装置
1の動作は、従来例の非常用潤滑油供給装置9の場合と
基本的には同一である。
【0022】図1に示すこの発明の実施の形態の一例に
よる非常用潤滑油供給装置1では前述の構成としたの
で、主潤滑油供給装置5が健全な場合には、回転油ポン
プ92は、この発明による特長として、回転数Nm 付近
の低速状態で常時運転される。このため、非常時に切換
スイッチ19が切り換えられた場合には、回転油ポンプ
92は、従来例の場合と異なり、回転数Nm 付近から増
速を開始するので、その起動時間が短縮される。これに
より、非常用潤滑油供給装置1では、アキュームレータ
への依存度が低減するので、アキュームレータは、貯蔵
油量を低減でき、その設置スペースを縮小することがで
きる。
【0023】回転数Nm 付近の低速状態で運転される回
転油ポンプ92では、トルクτP に対応する出力が回転
数Nの三乗に比例するので、直流電動機93の所要出力
は、定格回転数Nr で運転される場合のほぼ百分の一程
度で済むことになる。しかも、回転油ポンプ92を低速
状態で運転する場合に直流電動機93に与える電力は交
流電源6から供給されるので、直流電源装置8の設備容
量などは従来例の場合と同一でよい。
【0024】また、回転油ポンプ92は、回転数Nm
近の低速状態で常時運転されるので、回転部が持つ軸受
部に使用されている転がり軸受には、従来例の場合のよ
うな、同一位置によって荷重を支持し続けることによる
問題は解消されると共に荷重支持点は潤滑油で常時潤滑
されるのて、その寿命を延長することができる。しか
も、この運転条件では、前述したように回転油ポンプ9
2の出力は極めて小さいので、したがって、損失動力も
極めて小さく、回転油ポンプ92の温度上昇は僅かであ
る。
【0025】次に、図3を用いて、この発明の実施の形
態の異なる例による非常用潤滑油供給装置を説明する。
なお、以下の説明においては、図1に示したこの発明に
よる非常用潤滑油供給装置と同一部分には同じ符号を付
し、その説明を省略する。ここで図3は、この発明の実
施の形態の異なる例による非常用潤滑油供給装置に関す
る図であり、(a)は非常用潤滑油供給装置を関連装置
と共に示す単線結線図で、(b)は図3(a)に示した
非常用潤滑油供給装置の起動抵抗器を詳細に示す要部の
単線結線図である。図3において、1Aは、図1に示し
たこの発明による非常用潤滑油供給装置1に対して、補
助電源装置2および起動抵抗器7に代えて、それぞれ補
助電源装置2Aおよび起動抵抗器7Aを用いるようにし
た非常用潤滑油供給装置である。
【0026】補助電源装置2Aは、直流電動油ポンプ9
1が持つ回転油ポンプ92を図7に示した回転数N
12(回転油ポンプ92の定格回転数Nr に対して約50
〔%〕)で運転できる値の直流電圧V2Aを出力すること
のみが、補助電源装置2と相異している。また、起動抵
抗器7Aは、タップ数が3個であり、起動抵抗器7と対
比すると、タップ数が1個少ないことのみが相異してい
る。そうして、このことで起動抵抗器7Aの構成が起動
抵抗器7に対して削除されている部分は、停止状態の直
流電動機93の起動時に電流Iの値を制限している部分
(図7に曲線で示されている)である。
【0027】非常用潤滑油供給装置1Aでは、直流電動
油ポンプ91が持つ直流電動機93は、補助電源装置2
Aが出力する前述した値を持つ直流電圧V2Aを入力し
て、主潤滑油供給装置5が健全に運転されている状態に
おいて、回転油ポンプ92を回転数N12で連続運転す
る。なお、非常用潤滑油供給装置1Aでは、回転数N12
は、前記回転数Nm に最も近い起動抵抗器7の切換え点
に対応する回転数Nである。
【0028】図3に示すこの発明の実施の形態の異なる
例による非常用潤滑油供給装置1Aでは前述の構成とし
たので、主潤滑油供給装置5が健全な場合には、回転油
ポンプ92は、この発明による特長として、回転数N12
付近の低速状態で常時運転される。このため、非常時に
切換スイッチ19が切り換えられた場合には、回転油ポ
ンプ92は、この発明の非常用潤滑油供給装置1の場合
とは異なり、回転数N m よりも高速の回転数N12付近か
ら増速を開始するので、その起動時間はさらに短縮され
る。これにより、非常用潤滑油供給装置1Aでは、アキ
ュームレータへの依存度がさらに低減され、アキューム
レータを場合によっては不要にすることも可能になる。
【0029】回転数N12付近の低速状態で運転される回
転油ポンプ92では、直流電動機93の所要出力は、非
常用潤滑油供給装置1の場合よりも増大はするが、定格
回転数Nr で運転される場合のほぼ八分の一で済むこと
になる。また、起動時間が従来例の場合よりもかなり短
縮されることで、二次電池を用いた直流電源装置8のア
ンペアアワー容量は、従来例の場合よりも削減すること
が可能になる。
【0030】また、非常用潤滑油供給装置1Aでは、回
転油ポンプ92が回転数N12付近で常時運転されてお
り、図7に曲線で示した部分に対する電流Iの制限動
作が不要になる。これにより、起動抵抗器7Aは、その
部分を担当していた抵抗要素と,1個のタップとを削減
することができ、構造が簡単化されると共に,製造原価
が低減される。なお、非常用潤滑油供給装置1Aにおい
ても、回転部に使用されている転がり軸受の寿命の延長
を図れることなどは、非常用潤滑油供給装置1の場合と
同様である。
【0031】図1,図2および図3を用いた前述の説明
では、非常用潤滑油供給装置1および非常用潤滑油供給
装置1Aが組み合わされる主潤滑油供給装置は、主潤滑
油供給装置5であるとしてきたが、これに限定されるも
のではなく、例えば、主潤滑油供給装置5Aであっても
よいものである。続いて、図4を用いて、この発明の実
施の形態のさらに異なる例による非常用潤滑油供給装置
を説明する。ここで図4は、この発明の実施の形態のさ
らに異なる例による非常用潤滑油供給装置を関連装置と
共に示す単線結線図である。図4において、1Bは、図
1に示したこの発明による非常用潤滑油供給装置1に対
して、直流電圧降下装置3および切換スイッチ18を追
加して備えるようにした非常用潤滑油供給装置である。
【0032】切換スイッチ18は、交流電源6が健全な
場合には補助電源装置2を直流電動油ポンプ91に接続
し、交流電源6が喪失された場合には、直流電圧降下装
置3を直流電動油ポンプ91に接続するように動作す
る。直流電圧降下装置3は、この事例の場合には固定抵
抗器であり、交流電源6が喪失した場合に、切換スイッ
チ18と切換スイッチ19とを介して、直流電源装置8
と直流電動機93との間に接続され、直流電動機93が
前記回転数Nm で運転できる値の直流電圧V3 (V3
値=V2 の値)を供給する。
【0033】ところで、従来の技術の項で説明したよう
に、主潤滑油供給装置5Aを採用した潤滑油供給システ
ムの場合では、交流電源6が喪失して回転機械装置が運
転停止動作を行う際には、センサの出力が規定値を下回
った時点で非常用潤滑油供給装置の運転が開始される。
したがってこの潤滑油供給システムで交流電源6が喪失
した場合には、前記した非常用潤滑油供給装置1,1A
が持つ構成では、直流電動機93の低速状態での運転を
継続することができない。
【0034】これに対処したのが非常用潤滑油供給装置
1Bである。すなわち、非常用潤滑油供給装置1Bで
は、直流電圧降下装置3を備え、交流電源6の喪失時に
は直流電源装置8から電力を供給して、直流電動機93
の回転数Nm 付近の低速状態での運転を継続する。な
お、交流電源6の喪失時における直流電動機93の低速
状態での運転は、センサの出力が規定値を下回るまでの
限られた時間であることと、この運転状態での直流電動
機93の所要電力が前述したように定格運転時よりもか
なり少ないことで、直流電源装置8の設備容量などは従
来例の場合と同等でよい。
【0035】図4を用いた前述の説明では、直流電圧降
下装置3は固定抵抗器であるとしてきたが、これに限定
されるものではなく、例えば、補助電源装置2の構成
が、交流電源6の交流電圧を整流するダイオード式のコ
ンバータと,このコンバータで得られた直流電圧を直流
電圧V2 に変換する直流/直流コンバータとを組み合わ
せる方式である場合には、次記するような構成をとるこ
とができる。すなわち、直流電源装置8の出力電圧と,
ダイオード式のコンバータで得られる直流電圧とを同等
値に設定したうえで、交流電源6の喪失時に直流電源装
置8の出力を直流/直流コンバータに供給する。この構
成によれば、新たな装置を設置すること無しに、直流電
圧降下装置3を備えることができる。
【0036】また、図4を用いた前述の説明では、非常
用潤滑油供給装置1Bが備える補助電源装置は補助電源
装置2であるとしてきたが、これに限定されるものでは
なく、例えば、補助電源装置2Aであってもよいもので
ある。
【0037】
【発明の効果】この発明による非常用潤滑油供給装置に
おいては、前記課題を解決するための手段の項で述べた
構成とすることで、次記する効果が有る。 前記課題を解決するための手段の項の第(1)項,第
(2)項による構成とすることで、非常用潤滑油供給装
置が持つ回転油ポンプは、所要トルクが最小になる回転
数付近で常時運転される。これにより、非常用潤滑油供
給装置の起動時間が短縮され、アキュームレータの貯蔵
油量を低減でき、設置スペースの縮小が可能になると共
に、回転部が持つ軸受部に使用されている転がり軸受の
寿命を延長することが可能になる。また、 前記課題を解決するための手段の項の第(3)項によ
る構成とすることで、非常用潤滑油供給装置が持つ回転
油ポンプは、所要トルクの最小点に最も近い起動抵抗器
の切換え点に対応する回転数付近で常時運転される。こ
れにより、前記項による効果と共に起動抵抗器の構造
が簡単化され製造原価の低減が可能になる。特に前記
項による効果に関しては、常時運転時の回転数によって
は、アキュームレータを不要にすることも可能になる。
さらにまた、 前記課題を解決するための手段の項の第(4)項によ
る構成とすることで、軸駆動油ポンプを主油ポンプに用
いる潤滑油供給システムにおいても、前記項および
項による効果を得ることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態の一例による非常用潤滑
油供給装置を関連装置と共に示す単線結線図
【図2】直流電動油ポンプが持つ回転油ポンプの回転数
と所要トルクとの関係の一例を示すグラフ
【図3】この発明の実施の形態の異なる例による非常用
潤滑油供給装置に関する図で、(a)は非常用潤滑油供
給装置を関連装置と共に示す単線結線図、(b)は図3
(a)に示した非常用潤滑油供給装置の起動抵抗器を詳
細に示す要部の単線結線図
【図4】この発明の実施の形態のさらに異なる例による
非常用潤滑油供給装置を関連装置と共に示す単線結線図
【図5】従来例の非常用潤滑油供給装置を電動油ポンプ
により構成された主潤滑油供給装置などと共に示す単線
結線図
【図6】図5に示した非常用潤滑油供給装置の単線結線
【図7】図5に示した非常用潤滑油供給装置が持つ直流
電動機の起動時の状況を説明する説明図
【図8】従来例の非常用潤滑油供給装置を軸駆動油ポン
プを主体に構成された主潤滑油供給装置などと共に示す
単線結線図
【符号の説明】
1 非常用潤滑油供給装置 19 切換スイッチ 2 補助電源装置 5 主潤滑油供給装置 6 交流電源 7 起動抵抗器 8 直流電源装置 91 直流電動油ポンプ 92 回転油ポンプ 93 直流電動機

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】非常時に回転機械装置に潤滑油を供給する
    直流電動油ポンプと、直流電動油ポンプに給電する非常
    用の直流電源装置と、直流電源装置と直流電動油ポンプ
    との間に接続された多段切換え式の起動抵抗器とを備え
    た非常用潤滑油供給装置において、 交流電源から受電して,直流電源装置から出力される電
    圧よりも低電圧の直流を起動抵抗器を介さずに前記直流
    電動油ポンプに供給する補助電源装置を備え、直流電動
    油ポンプを定格回転数以下の低速状態で常時運転するこ
    とを特徴とする非常用潤滑油供給装置。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の非常用潤滑油供給装置に
    おいて、常時運転時の前記直流電動油ポンプは、所要ト
    ルクが最小になる回転数付近で運転することを特徴とす
    る非常用潤滑油供給装置。
  3. 【請求項3】請求項1に記載の非常用潤滑油供給装置に
    おいて、常時運転時の前記直流電動油ポンプは、所要ト
    ルクの最小点に最も近い前記起動抵抗器の切換え点に対
    応する回転数付近で運転することを特徴とする非常用潤
    滑油供給装置。
  4. 【請求項4】請求項1から3までのいずれかに記載の非
    常用潤滑油供給装置において、非常用の直流電源装置か
    ら受電して,前記補助電源装置から出力される電圧と同
    等値の低電圧の直流を前記直流電動油ポンプに出力する
    直流電圧降下装置を備え、直流電動油ポンプは、補助電
    源装置用の交流電源が喪失した場合に直流電圧降下装置
    から受電して低速状態で運転することを特徴とする非常
    用潤滑油供給装置。
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Cited By (5)

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