JP2000110944A - 内燃機関におけるヘッドガスケットの構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 シリンダブロック１とシリンダヘッド１６と
の間に介挿するシール用ヘッドガスケット３を薄金属板
製にして、その複数枚を積層状に積み重ねたとき、各ヘ
ッドガスケットが互いに密着した状態になることを、シ
ール性を損なうことなく、回避する。 【手段】 前記ヘッドガスケット３の一部に、シリンダ
ブロック１の側面から突出するはみ出し部１１を設け
て、このはみ出し部１１に、はとめ片１３等による金属
板を二枚以上重ねた部分を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関におい
て、シリンダブロックと、その上面に締結されるシリン
ダヘッドとの間に介挿される金属板製のヘッドガスケッ
トの構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】一般
に、この種のヘッドガスケットには、薄い金属板が使用
されるが、この薄い金属製のヘッドガスケットは、これ
を複数枚積層状に積み重ねて、この状態で搬送し、そし
て、その最上段のものから一枚ずつ捲るように取り出し
て、シリンダブロックとシリンダヘッドとの間に組み込
むようにしている。

【０００３】しかし、前記した薄い金属板製のヘッドガ
スケットは、その複数枚を積層状に積み重ねたときに、
上下のもの同士が互いに密着することになるから、その
最上段のものから取り出すときに、一枚ごとに分離でき
ず、二枚重ねのままシリンダブロックとシリンダヘッド
との間に組み込んでしまうと言う事態が発生し易いと言
う問題があった。

【０００４】本発明は、このような問題が発生すること
がないようにしたヘッドガスケットの構造を提供するこ
とを技術的課題とするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】この技術的課題を達成す
るため本発明は、「内燃機関におけるシリンダブロック
とシリンダヘッドとの間に介挿されるヘッドガスケット
を薄い金属板製にて成るものにおいて、前記ヘッドガス
ケットにおける外周の一部に、前記シリンダブロック又
はシリンダヘッドの側面から突出するはみ出し部を一体
的に設け、このはみ出し部に、金属板を二枚以上重ねた
部分を設ける。」と言う構成にした。

【０００６】

【発明の作用・効果】このように構成することにより、
ヘッドガスケットの複数枚を積層状に積み重ねたとき、
各ヘッドガスケットの間には、金属板を二枚以上重ねた
部分によって隙間ができることになるから、上下のもの
同士が互いに密着することを確実に防止できる一方、前
記した金属板を二枚以上重ねた部分は、ヘッドガスケッ
トのうちシリンダブロック又はシリンダヘッドの側面か
ら突出するはみ出し部に設けられていて、シリンダブロ
ックとシリンダヘッドとの間に挟まれることがないか
ら、この金属板を二枚以上重ねた部分がヘッドガスケッ
トのシール性を阻害することはないのである。

【０００７】従って、本発明によると、複数枚積層状に
積み重ねられる薄金属板製のヘッドガスケットを、二枚
重ねのままシリンダブロックとシリンダヘッドとの間に
組み込むことを、当該ヘッドガスケットにおけるシール
性を損なうことなく、確実に防止できて、内燃機関の組
立性を向上できる効果を有する。

【０００８】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
１〜図４の図面について説明する。この図において、符
号１は、複数個のシリンダボア２を備えたシリンダブロ
ックを、符号３は、前記シリンダブロック１の上面に載
置されるヘッドガスケットを各々示す。

【０００９】前記ヘッドガスケット３は、厚さ約０．３
〜０．５ｍｍ程度の薄い金属板製であり、前記シリンダ
ブロック１における各シリンダボア２に該当する抜き孔
４、前記シリンダブロック１に対してシリンダヘッド１
６を締結するための複数本のヘッドボルト（図示せず）
が貫通するボルト孔５、シリンダブロック１からシリン
ダヘッドへの冷却水の通孔６及び前記シリンダブロック
１におけるオイル落とし通路７及びブローバイガス通路
８に対する抜き孔９，１０の各々が穿設されている。

【００１０】そして、前記ヘッドガスケット３の外周の
うち互いに対角を成す二箇所の部分に、前記シリンダブ
ロック１又はシリンダヘッド１６の側面から外向きに突
出するはみ出し部１１を一体的に設け、この両はみ出し
部１１に穿設した抜き孔１２内に、金属板製の鍔部１３
ａと筒部１３ｂとを備えて成るはとめ片１３を挿入した
のち、このはとめ片１３を、その筒部１３ｂの先端を外
向きに広げかしめて固着することにより、金属板を三枚
重ねた部分を設ける。

【００１１】このように構成することにより、ヘッドガ
スケット３の複数枚を積層状に積み重ねたとき、この各
ヘッドガスケット３に設けたはとめ片１３による金属板
の三枚重ねの部分が、図４に示すように、重なることに
より、各ヘッドガスケット３の間には、前記はとめ片１
３による金属板の三枚重ねの部にて隙間ができることに
なるから、上下のもの同士が互いに密着することを確実
に防止できる。

【００１２】一方、前記したはとめ片１３による金属板
の三枚重ねの部分は、ヘッドガスケット３のうちシリン
ダブロック１又はシリンダヘッド１６の側面から突出す
るはみ出し部１１に設けられていることにより、シリン
ダブロック１とシリンダヘッド１６との間に挟まれるこ
とがないから、ヘッドガスケット３によるシール性を阻
害することはないのである。

【００１３】なお、前記したはとめ片１３による金属板
の三枚重ねの部分を、ヘッドガスケット３の左右の対角
を成す二箇所に設けることにより、ヘッドガスケット３
の複数枚を積層状に積み重ねたときにおいて傾くことを
回避できるのである。また、前記実施の形態は、ヘッド
ガスケット３にはみ出し部１１を一体的に設け、このは
み出し部１１に、はとめ片１３による金属板の三枚重ね
の部分を設けた場合を示したが、本発明は、これに限ら
ず、図５に示すように、ヘッドガスケット３に部分的に
設けたはみ出し部１１に、コ字状の切り線を刻設して、
その内側片１４を表面又は裏面に折り曲げることによっ
て、金属板を二枚重ねた部分を設けるとか、或いは、図
６に示すように、ヘッドガスケット３における前記はみ
出し部１１に一体的に設けた耳片１５、又は前記はみ出
し部１１の一部分を、表面又は裏面に折り曲げることに
よって、金属板を二枚重ねた部分を設けるように構成し
ても良いことは言うまでもない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施の形態を示す斜視図である。

【図２】図１のII−II視拡大断面図である。

【図３】分解した状態を示す図である。

【図４】ヘッドガスケットの複数枚を積層状の積み重ね
た状態を示す図である。

【図５】本発明の別の実施の形態を示す斜視図である。

【図６】本発明の更に別の実施の形態を示す斜視図であ
る。

【符号の説明】

１ シリンダブロック ２ シリンダボア ３ ヘッドガスケット １１ はみ出し部 １３ はとめ片 １４ 内側片 １５ 耳片

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】内燃機関におけるシリンダブロックとシリ
   ンダヘッドとの間に介挿されるヘッドガスケットを薄い
   金属板製にて成るものにおいて、 前記ヘッドガスケットにおける外周の一部に、前記シリ
   ンダブロック又はシリンダヘッドの側面から突出するは
   み出し部を一体的に設け、このはみ出し部に、金属板を
   二枚以上重ねた部分を設けたことを特徴とする内燃機関
   におけるヘッドガスケットの構造。