JP2000108628A - ブッシュ装置 - Google Patents

ブッシュ装置

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JP2000108628A
JP2000108628A JP28660698A JP28660698A JP2000108628A JP 2000108628 A JP2000108628 A JP 2000108628A JP 28660698 A JP28660698 A JP 28660698A JP 28660698 A JP28660698 A JP 28660698A JP 2000108628 A JP2000108628 A JP 2000108628A
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load
suspension rod
inner cylinder
elastic body
suspension
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JP28660698A
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Shigeru Kamifuku
茂 上福
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Bridgestone Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 製造コスト及び重量を増加させることなく、
外部荷重(コーナリング荷重)の方向に応じて弾性体の
ばね定数の大きさを変化させる。 【解決手段】 ゴムブッシュ50の弾性体62には、サ
スペンションロッド32と内筒60との間に中空状のす
ぐり部70が形成されている。弾性体62にすぐり部7
0が形成されていることにより、サスペンションロッド
32に圧縮荷重が作用する場合には、すぐり部70を含
む領域へ圧縮荷重が作用することから、相対的に弾性体
62のばね定数が小さくなり、またサスペンションロッ
ド32へ引張荷重が作用する場合には、すぐり部70を
含まない領域へ圧縮荷重が作用することから、相対的に
弾性体62のばね定数が大きくなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、外部荷重を伝達す
る荷重伝達部材と外部荷重を支持する荷重支持体との間
をゴム等の弾性体を介して連結するブッシュ装置に関す
る。
【0002】また本発明は、自動車用サスペンションへ
適用されてコーナリング荷重を伝達するサスペンション
ロッドと車体との間をゴム等の弾性体を介して連結する
ブッシュ装置に関する。
【0003】
【従来の技術】自動車に用いられるリアサスペンション
装置には、道路の凹凸にタイヤが追従するようにタイヤ
を上下方向へ移動(ストローク)させると共に、コーナ
リング時にタイヤ側から車体側へ伝達されるコーナリン
グフォースに応じてリアタイヤのトー角を変化させるト
ーコントロール機構を備えたものがある。このようなリ
アサスペンション装置としては、例えば、互いに平行に
支持された一対のサスペンションロッドによりコーナリ
ングフォースの一部をタイヤ側から車体側へ伝達するパ
ラレルリンクタイプのものがある。そして近年の自動車
では、ステアリング特性としては若干のアンダーステア
特性が好ましいものとされ、このようなステアリング特
性を得るために、自動車用リアサスペンションは、コー
ナリング時にリアタイヤをトーイン側へ、すなわちコー
ナリング時の旋回方向へリアタイヤを僅かに傾けるよう
にトーコントロールするものが多い。
【0004】パラレルリンクタイプのサスペンション装
置によるトーインを実現するトーコントロール動作の一
例を図面に基づいて説明する。図6には自動車が一定以
上の速度で左方へコーナリングしている時の外側のリア
タイヤ10及びサスペンションロッド14,16の状態
が模式的に示されている。リアタイヤ10はタイヤハブ
及びハブキャリア等(図示省略)を介してサスペンショ
ン装置により車体12へ連結されている。サスペンショ
ン装置は、タイヤハブと車体12とを連結する一対のサ
スペンションロッド14,16を備えており、この一対
のサスペンションロッド14,16は、リアタイヤ10
の転がり中心となる車軸心ST に対して前方及び後方へ
それぞれ略対称的に配置され、かつ互いに平行となるよ
うに支持されている。サスペンションロッド14,16
には、それぞれ車体12側の一端部にゴムブッシュ1
8,20が配置されており、このゴムブッシュ18,2
0を介してサスペンションロッド14,16の一端部は
車体12へ連結されている。
【0005】自動車がコーナリングする際には、リアタ
イヤ10は図6に示されるように遠心力に対抗するコー
ナリングフォースFを発生する。このコーナリングフォ
ースFは、外側のリアタイヤ10と車体12とを連結し
た一対のサスペンションロッド14,16へそれぞれ圧
縮荷重(分力f1 ,f2 として作用する。ここで、
図6に示されるリアサスペンションは、サスペンション
ロッド14,16へ圧縮荷重として作用する分力f1
2 の大きさが互いに等しくなり、かつ前方側へ配置さ
れたゴムブッシュ18の圧縮方向へのばね定数が、後方
側へ配置されたゴムブッシュ20の圧縮方向へのばね定
数より小さくなるように構成されている。
【0006】前方側のサスペンションロッド14に配置
されるゴムブッシュ18は、図7に示されるように大径
円筒状の外筒22と、この外筒22の中空部内に配置さ
れた小径円筒状の内筒24と、外筒22と内筒24との
間へ全周に亘って配置され、外筒22と内筒24とを連
結するゴム製の弾性体26とを備えている。ここで、外
筒22の外周面には、サスペンションロッド14の一端
部が溶接等により固着されている。また内筒24には車
体12に固定された揺動軸(図示省略)が挿通し、この
揺動軸を中心としてサスペンションロッド14は上下方
向へ揺動可能に支持される。
【0007】内筒24の外周面24Aには、軸方向中間
部に径方向へ突出した内筒凸部28が設けられている。
この内筒凸部28は、図7(B)に示されるように、軸
直角断面が径方向における肉厚が一定とされた略C字状
とされている。これにより、外筒22と内筒24との間
には、内筒凸部28の外周面が外筒22の内周面へ対向
する部位では径方向へ狭い隙間が形成され、また内筒2
4の外周面24Aが外筒22の内周面へ対向する部位で
は広い隙間が形成される。
【0008】弾性体26の内周面には、図7(A)に示
されるように内筒凸部28に対応する凹部26Aが形成
されている。外筒22と内筒24との間へ充填された弾
性体26は外筒22と内筒凸部28との間へ隙間なく挿
入される。従って、弾性体26は、径方向における厚さ
が内筒凸部28と外筒22の内周面との間へ挟まれる部
分では薄くなり、内筒24の外周面24Aと外筒22の
内周面との間へ挟まれる部分では厚くなる。
【0009】ここで、内筒24の内筒凸部28は、図7
(B)に示されるようにサスペンションロッド14の中
心線Cの延長線上へ配置され、この延長線を略中心とし
て周方向へ対称的な形状とされ、かつ内筒24の外周面
24Aから車体12側へ突出するように配置されてい
る。これにより、弾性体26は、コーナリングフォース
Fの伝達方向に沿った肉厚がサスペンションロッド14
側で厚く、車体12側で薄くなるように配置される。
【0010】一方、図6に示される後方側のサスペンシ
ョンロッド16の一端部に設けられるゴムブッシュ20
は、内筒に内筒凸部が設けられておらず、内筒の外径が
ゴムブッシュ18の内筒24より所定の長さ大径とされ
ている点を除いては、図7に示されるゴムブッシュ18
と同一構造とされている。
【0011】前方側のゴムブッシュ18では、コーナリ
ングフォースFがサスペンションロッド14へ圧縮荷重
として作用する際にはばね定数が小さく、またコーナリ
ングフォースFがサスペンションロッド16へ引張荷重
として作用する際にばね定数が大きくなるように、荷重
方向に応じてばね定数の大きさを変化させる。一方、後
方側のゴムブッシュ20では、コーナリングフォースF
がサスペンションロッド14へ圧縮荷重として作用して
も、また引張荷重として作用してもばね定数の大きさ略
一定に保たれる。ここで、前方側のゴムブッシュ18
は、圧縮荷重に対するばね定数が後方側のゴムブッシュ
20のばね定数より小さくされ、引張荷重に対するばね
定数が後方側のゴムブッシュ20のばね定数と略等しく
されている。
【0012】パラレルリンクタイプのリアサスペンショ
ンでは、前方側のサスペンションロッド14に荷重方向
に応じてばね定数が変化するゴムブッシュ18を配置
し、かつ後方側のサスペンションロッド16に荷重方向
によらず、ばね定数が略一定のゴムブッシュ20を配置
することにより、コーナリング時に外側のリアタイヤ1
0をトーイン側へコントロールする。なお、コーナリン
グ特性への影響が少ない内側のリアタイヤ10は、前方
側のゴムブッシュ18の引張荷重に対するばね定数が後
方側のゴムブッシュ20のばね定数と略等しいことか
ら、コーナリング時にも直進時と略等しいトー角が保た
れる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、内筒2
4の外周面24Aへ図7に示されるような内筒凸部28
を設けるためには、内筒24の素材となる金属製の肉厚
パイプ等へ多数の工程からなる加工をしなければなら
ず、内筒24の製造コストが大幅に上昇する。また内筒
凸部28により金属製の内筒24が肉厚化することか
ら、ゴムブッシュ18の重量が増加する。
【0014】本発明は、上記事実を考慮し、製造コスト
及び重量を増加させることなく、外部荷重(コーナリン
グ荷重)の方向に応じて弾性体のばね定数の大きさが変
化するブッシュ装置を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】請求項1記載のブッシュ
装置は、外部荷重を伝達する荷重伝達部材及び、前記外
部荷重を支持する荷重支持体の一方に連結される外筒
と、前記外筒の内周側中空部内へ配置され、前記荷重伝
達部材及び荷重支持体の他方に連結される内筒と、前記
外筒と前記内筒との間へ全周に亘って配置され外筒と内
筒とを連結すると共に、前記内筒に対して前記荷重伝達
部材側及び前記荷重支持体側の一方の側へ偏倚し、かつ
前記荷重伝達部材により伝達される外部荷重により圧縮
される中空状のすぐり部が形成された弾性体と、を有す
るものである。
【0016】上記構成のブッシュ装置によれば、弾性体
の内筒に対して荷重伝達部材側及び荷重支持体側のいず
れか一方に偏倚した領域に中空状のすぐり部が形成され
ることにより、弾性体におけるすぐり部を含む一部に圧
縮荷重が作用する場合には、すぐり部を含まない一部に
圧縮荷重が作用する場合と比較し、相対的に小さい荷重
でも弾性体には大きな弾性変形が生じる。この結果、外
部荷重が荷重伝達部材へ圧縮荷重として作用する時の弾
性体のばね定数の大きさを相対的に小さくし、かつ外部
荷重が荷重伝達部材へ引張荷重として作用する時の弾性
体のばね定数の大きさを相対的に大きくできる。このと
き、弾性体の所定の領域に中空状のすぐり部を形成する
だけで、外部荷重の方向に応じて弾性体のばね定数の大
きさを変化できるので、装置の製造コスト及び重量の増
加を防止又は抑制できる。
【0017】請求項2記載のブッシュ装置は、車両旋回
時のコーナリング荷重をタイヤ側から車体側へ伝達する
サスペンションロッドに配置されるブッシュ装置であっ
て、前記サスペンションロッドの端部及び車体の一方へ
連結される外筒と、前記外筒の内周側中空部内へ配置さ
れ、前記サスペンションロッドの端部及び車体の他方へ
連結される内筒と、前記外筒と前記内筒との間へ全周に
亘って配置され外筒と内筒とを連結すると共に、前記内
筒に対して前記サスペンションロッド側及び前記車体側
の一方の側へ偏倚し、かつ前記サスペンションロッドに
より伝達されるコーナリング荷重により圧縮される中空
状のすぐり部が形成された弾性体と、を有するものであ
る。
【0018】上記構成のブッシュ装置によれば、弾性体
における内筒に対してサスペンションロッド側及び車体
側のいずれか一方に偏倚した領域に中空状のすぐり部が
形成されることにより、弾性体におけるすぐり部を含む
一部に圧縮荷重が作用する場合には、すぐり部を含まな
い一部に圧縮荷重が作用する場合と比較し、相対的に小
さい荷重でも弾性体には大きな弾性変形が生じる。この
結果、コーナリング荷重がサスペンションロッドへ圧縮
荷重として作用する時の弾性体のばね定数の大きさを相
対的に小さくし、かつコーナリング荷重がサスペンショ
ンロッドへ引張荷重として作用する時の弾性体のばね定
数の大きさとを相対的に大きくすることができる。この
とき、弾性体の所定の領域に中空状のすぐり部を形成す
るだけで、外部荷重の方向に応じて弾性体のばね定数の
大きさを変化できるので、装置の製造コスト及び重量の
増加を防止又は抑制できる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態に係る
ブッシュ装置について図面を参照して説明する。
【0020】(実施形態の構成)図1には本発明の実施
形態に係るゴムブッシュが適用されるリアサスペンショ
ンが示されている。自動車の車体には、図1に示される
左右一対のリアタイヤにそれぞれ対応する一対のリアサ
スペンション30が設けられている。リアサスペンショ
ン30はパラレルリンクを構成した一対のサスペンショ
ンロッド32,34、ショクアブソーバユニット36、
スタビライザロッド38、ストラットロッド40等を備
えており、本実施形態に係るゴムブッシュはサスペンシ
ョンロッド32へ適用される。なお、図1の矢印F方向
は車両の前進方向を示している。サスペンションロッド
32,34は軸心が直線とされた丸棒状に形成され、そ
れぞれ一端部が車体フレームの一部を構成したサスペン
ションメンバ42へ連結されると共に、他端部がハブキ
ャリア44へ連結されている。ハブキャリア44はベア
リング(図示省略)を介して肉厚円板状のブレーキ一体
型タイヤハブ46を回転可能に支持しており、このタイ
ヤハブ46の外側面にはリアタイヤ48(図2参照)が
同軸的に固定される。
【0021】一対のサスペンションロッド32,34
は、図2に示されるようにリアタイヤ48の転がり中心
となる車軸心ST に対して前方及び後方へそれぞれ対称
的に配置され、かつ互いに平行となるように支持されて
いる。サスペンションロッド32,34には、それぞれ
車体側の一端部にゴムブッシュ50,52が配置され、
タイヤ側の他端部にゴムブッシュ54,56が配置され
ている。ここで、図1に示されるようにサスペンション
ロッド32,34は、それぞれ一端部がゴムブッシュ5
0,52を介してサスペンションメンバ42へ連結さ
れ、他端部がゴムブッシュ54,56を介してハブキャ
リア44へ連結されている。
【0022】サスペンションロッド32の車体側のゴム
ブッシュ50は、図3に示されるように円筒状の外筒5
8と、この外筒58の中空部内に同軸的に配置され外筒
58に対して小径とされた円筒状の内筒60と、外筒5
8と内筒60との間へ全周に亘って配置されたゴム製の
弾性体62とを備えている。この弾性体62は、外筒5
8の内周面及び内筒60の外周面へそれぞれ加硫接着さ
れて外筒58と内筒60とを連結している。従って、外
筒58と内筒60とは弾性体62が弾性変形することに
より3次元的な相対変位が可能となる。また外筒58の
外周面には、軸方向中心部にサスペンションロッド32
の一端部が溶接等により固着されている。
【0023】一方、図4に示されるように、サスペンシ
ョンロッド32のタイヤ側のゴムブッシュ54も外筒6
4、内筒66及び弾性体68を備えており、このゴムブ
ッシュ52の外筒64の外周面には、軸方向中心部にサ
スペンションロッド32の他端部が溶接等により固着さ
れている。このとき、サスペンションロッド32は、そ
の中心線Cがそれぞれゴムブッシュ50,52の軸心S
1 ,S2 と略直交するように配置され、軸心S1 ,S2
が互いに略平行となるようにゴムブッシュ50,52を
連結している。
【0024】車体側ゴムブッシュ50の弾性体62に
は、図3に示されるように軸心S1 に対する径方向中間
部に中空状のすぐり部70が形成されている。このすぐ
り部70は、弾性体62における内筒60とサスペンシ
ョンロッド32との間に設けられており、図3(A)に
示されるように軸心S1 に沿った弾性体62の断面では
長手軸心が軸心S1 と平行に延在すると共に軸方向へ貫
通しており、また図3(B)に示されるように軸直角断
面が周方向を長手方向とするスリット状に形成され、そ
の両端部がそれぞれ半円筒状の曲面とされている。ここ
で、すぐり部70はサスペンションロッド32の中心線
Cの延長線上に配置されており、この中心線Cの延長線
を略中心として周方向へ対称的な形状とされている。こ
のとき、すぐり部70は、中心線Cと直交する高さ方向
における上端部から下端部までの直線距離L(図3
(B)参照)が内筒60の外径より十分長くなるような
周長とされている。
【0025】弾性体62に上記のようなすぐり部70を
形成することにより、弾性体62のすぐり部70付近の
剛性が低下する。この結果、弾性体62は、すぐり部7
0を含む領域へ、すなわちサスペンションロッド32と
内筒60とにより挟まれ、かつ中心線Cに沿った領域へ
圧縮荷重が作用する場合には相対的にばね定数が小さく
なり、すぐり部70を含まない領域へ、すなわち内筒6
0を挟んですぐり部70とは逆側の中心線Cに沿った領
域へ圧縮荷重が作用する場合には相対的にばね定数が大
きくなる。またすぐり部70は、中心線Cと平行なサス
ペンションロッド32の軸方向Kにおける開口幅がコー
ナリング時にトーイン側へコントロールされるリアタイ
ヤ48のトー角の上限値に応じた幅とされている。
【0026】一方、前方側サスペンションロッド32の
タイヤ側のゴムブッシュ52及び後方側サスペンション
ロッド34の両端部のゴムブッシュ54,56は、弾性
体68にすぐり部70が形成されないことを除いては基
本的にゴムブッシュ50と同一構造を有している。但
し、各ゴムブッシュ52,54,56は、それぞれ要求
されるばね定数等が異なる場合があることから、要求さ
れるばね定数等に応じて内筒66の外径又は外筒64の
内径が変えられ、この内筒66の外径及び外筒64の内
径の径差に対応する肉厚の弾性体62が使用される。な
お、本実施形態に係るリアサスペンション30に関して
は、説明を簡単にするためにゴムブッシュ50を除く各
ゴムブッシュ52,54,56のばね定数が同一である
として説明を行う。
【0027】一対のサスペンションロッド32,34の
車体側にそれぞれ配置されたゴムブッシュ50,52の
内筒60,66には、図1に示されるようにサスペンシ
ョンメンバ42に固定された揺動軸72,74が圧入
し、この揺動軸72,74によりサスペンションロッド
32,34の一端部はそれぞれ支持される。また一対の
サスペンションロッド32,34のタイヤ側にそれぞれ
配置されたゴムブッシュ52,56には、ハブキャリア
44へ固定された揺動軸76,78が圧入し、この揺動
軸76,78によりサスペンションロッド32,34の
他端部はそれぞれ支持される。すなわち、一対のサスペ
ンションロッド32,34は、ハブキャリア44をサス
ペンションメンバ42へ連結するリンク機構を構成して
おり、ハブキャリア44は、道路への接地角(キャンバ
ー角)を変化させることなく道路の凹凸に追従するよう
に上下方向へ移動可能に支持される。
【0028】(実施の形態の作用)次に、本実施形態に
係るリアサスペンション30の作用及び動作を説明す
る。サスペンションロッド32,34に配置されたゴム
ブッシュ50〜54は、基本機能として振動及び衝撃に
対する減衰機能及び2軸間を変位可能に連結するジョイ
ント機能を有している。すなわち、ゴムブッシュ50〜
54は、弾性体62,68の内部摩擦により振動及び衝
撃を減衰し、タイヤ側から車体側へ伝達される振動及び
衝撃を緩和する。これと共に、ゴムブッシュ50〜54
は、弾性体62,64が上下、左右、前後、捩じり等の
多方向へそれぞれ弾性変形が可能であることから、ハブ
キャリア44とサスペンションロッド32,34との間
の3次元的な相対変位及びサスペンションロッド32,
34とサスペンションメンバ42との間の3次元的な相
対変位をそれぞれ可能とする。
【0029】またゴムブッシュ50〜54は、上記の減
衰機能及びジョイント機能に加えて自動車がコーナリン
グする際にリアサスペンション30によるリアタイヤ4
8のトーコントロールを実現するためのばね機能を有し
ている。次に、このゴムブッシュ50〜54のばね機能
を具体的に説明する。
【0030】自動車がコーナリングする際には、図2に
示されるように外側及び内側のリアタイヤ48は、それ
ぞれ遠心力に対抗するコーナリングフォースFOUT ,F
INを発生する。このコーナリングフォースFOUT は、外
側のリアタイヤ48を車体80へ連結した一対のサスペ
ンションロッド32,34へそれぞれ圧縮荷重(分力f
1 ,f2 として作用し、コーナリングフォースF
OUT は、内側のリアタイヤ48を車体80へ連結した一
対のサスペンションロッド32,34へそれぞれ引張荷
重(分力f3 ,f4 )として作用する。
【0031】ここで、リアサスペンション30は、サス
ペンションロッド32,34へ圧縮荷重として作用する
分力f1 ,f2 の大きさが互いに等しくなり、かつサス
ペンションロッド32,34へ引張荷重として作用する
分力f3 ,f4 の大きさが互いに等しくなるようにサス
ペンションジオメトリー等が設計されている。
【0032】さらに前方側サスペンションロッド32の
車体側へ配置されたゴムブッシュ50は、弾性体62に
すぐり部70が形成されていることにより、コーナリン
グフォースがサスペンションロッド32へ圧縮荷重とし
て作用する場合には、すぐり部70を含む領域へ圧縮荷
重が作用することから、すぐり部70を含まない領域へ
圧縮荷重が作用する場合と比較して相対的にばね定数が
小さくなり、コーナリングフォースがサスペンションロ
ッド32へ引張荷重として作用する場合には、すぐり部
70を含まない領域へ圧縮荷重が作用することから、す
ぐり部70を含む領域へ圧縮荷重が作用する場合と比較
してばね相対的にばね定数が大きくなる。
【0033】一方、他のゴムブッシュ52〜56はコー
ナリングフォースがサスペンションロッド32,34へ
圧縮荷重として作用しても、また引張荷重として作用し
てもばね定数の大きさ略一定に保たれるように外筒64
と内筒62とにより挟まれる弾性68の肉厚が周方向の
任意の位置で一定とされている。このとき、ゴムブッシ
ュ50は、コーナリングフォースがサスペンションロッ
ド32へ圧縮荷重として作用する場合にはばね定数がゴ
ムブッシュ52のばね定数より小さくされ、コーナリン
グフォースがサスペンションロッド32へ引張荷重とし
て作用する場合にはばね定数がゴムブッシュ52のばね
定数と略等しくなるように設計されている。
【0034】上記のように荷重方向に応じてばね定数が
変化するゴムブッシュ50を前方側サスペンションロッ
ド32の車体側へ配置し、荷重方向によらずばね定数が
一定のゴムブッシュ52をサスペンションロッド32の
タイヤ側へ配置することにより、コーナリング時には外
側リアタイヤ48を車体80へ連結したサスペンション
ロッド32に配置されたゴムブッシュ50の圧縮変形量
がサスペンションロッド34に配置されたゴムブッシュ
52の圧縮変形量より大きくなる。この結果、外側リア
タイヤ48を車体80へ連結する前方側サスペンション
ロッド32の車体側への変位量が後方側サスペンション
ロッド34の車体側への変位量より大きくなることか
ら、リアサスペンション30は、図2に示されるように
直進時と比較して外側リアタイヤ48をコーナリングの
旋回方向(図2では左方)へ僅かに傾くようにトーコン
トロールする。なお、コーナリング特性への影響が少な
い内側リアタイヤ48は、前方側のゴムブッシュ50の
サスペンションロッド32への引張荷重に対するばね定
数が後方側のゴムブッシュ52のばね定数と略等しいこ
とから、コーナリング時にも直進時と略等しいトー角が
保たれる。
【0035】またすぐり部70の軸方向Kにおける開口
幅がリアタイヤ48のトー角の上限値に応じた幅とされ
ていることにより、すぐり部70は、コーナリングフォ
ースが所定の値より大きくなった時には、内周面におけ
るサスペンションロッド32側と内筒60側との平行部
を互いに圧接させる。このようにすぐり部70の平行部
が互いに圧接した状態では弾性体62のばね定数が増加
するので、コーナリングフォースの増加に伴うリアタイ
ヤ48のトー角増加を抑制され、コーナリングフォース
が過大になった場合でもリアタイヤ48のトー角が所定
の上限値以下に保たれる。
【0036】以上説明した本実施形態に係るブッシュ装
置50によれば、コーナリングフォースがサスペンショ
ンロッド32へ圧縮荷重として作用する時の弾性体62
のばね定数の大きさを相対的に小さくし、かつコーナリ
ングフォースがサスペンションロッド32へ引張荷重と
して作用する時の弾性体62のばね定数の大きさとを相
対的に大きくすることができる。このとき、弾性体62
の所定の領域に中空状のすぐり部70を形成するだけ
で、外部荷重の方向に応じて弾性体62のばね定数の大
きさを変化できるので、ゴムブッシュ50の製造コスト
及び重量の増加を防止又は抑制できる。
【0037】次に、図5に基づいて本実施形態に係るゴ
ムブッシュ50における弾性体の他の例を説明する。ゴ
ムブッシュ50の弾性体62には、図5に示されるよう
に軸心S1 に対する径方向中間部に中空状のすぐり部8
2が形成されている。このすぐり部82は、弾性体63
における内筒60とサスペンションロッド32との間に
設けられ、弾性体62の軸方向の両端面から中心位置の
手前までそれぞれ穿孔されている。弾性体62の両端面
から穿孔された一対のすぐり部82は、軸方向における
それぞれ深さが同一されており、軸心S1 に沿った弾性
体62の断面では軸心S1 と平行に延在しており、また
軸直角断面での形状が図3に示される弾性体62のすぐ
り部70と同一形状とされている。従って、図5に示さ
れるすぐり部84は、図3に示されるすぐり部70とは
軸方向へ貫通していない点のみが形状的に異なってい
る。
【0038】上記のようなすぐり部82をブッシュ装置
50の弾性体62へ形成した場合でも、すぐり部70を
ブッシュ装置50の弾性体62へ形成した場合と同様
に、コーナリングフォースがサスペンションロッド32
へ圧縮荷重として作用する時の弾性体62のばね定数の
大きさを相対的に小さくし、かつコーナリングフォース
がサスペンションロッド32へ引張荷重として作用する
時の弾性体62のばね定数の大きさとを相対的に大きく
することができ、更にすぐり部82の軸直角断面の面積
を変えるだけではなく、すぐり部82の弾性体62の両
端面からの深さを変えることによっても、コーナリング
フォースがサスペンションロッド32へ圧縮荷重として
作用する時の弾性体62のばね定数の大きさを調整する
ことが可能になる。
【0039】なお、以上説明したリアサスペンション3
0では、本実施形態に係る荷重方向に応じてばね定数が
異なるゴムブッシュ50を前方側サスペンションロッド
32の車体側へ配置した場合のみを説明したが、ゴムブ
ッシュ50を前方側サスペンションロッド32の両端部
及び後方側サスペンションロッド34の両端部の何れの
位置に配置した場合することが可能である。例えば、後
方側サスペンションロッド34の車体側へ本実施形態の
ゴムブッシュ50を配置する場合には、コーナリングフ
ォースがサスペンションロッド34に引張荷重として作
用するときのばね定数が低下するようにすぐり部70又
は82を内筒60より車体側へ設け、かつ前方側サスペ
ンションロッド32の車体側には、荷重方向によらずゴ
ムブッシュ50の低い側のばね定数と略等しいばね定数
を有する従来のゴムブッシュを配置する。このようにゴ
ムブッシュ50を配置した場合でも、リアサスペンショ
ン30によりリアタイヤ48をトーイン側へトーコント
ロールすることが可能になる。
【0040】また弾性体62には、すぐり部70,82
を軸方向から見て単一の穴状となるように形成したが、
このようなすぐり部は、内筒60に対してサスペンショ
ンロッド側及び車両側の一方の側へ偏倚し、かつサスペ
ンションロッド32により伝達されるコーナリングフォ
ースにより圧縮される領域内ならば、軸方向から見て複
数の穴状となるように形成してもよい。
【0041】
【発明の効果】以上のように説明したように本発明のゴ
ムブッシュ装置によれば、製造コスト及び重量を増加さ
せることなく、外部荷重(コーナリング荷重)の方向に
応じて弾性体のばね定数の大きさを変化できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るゴムブッシュが適用さ
れた自動車用リアサスペンションを示す斜視図である。
【図2】図1に示されるリアサスペンションによるコー
ナリング時のリアタイヤへのトーコントロール動作を模
式的に示す平面図である。
【図3】本発明の実施形態に係るゴムブッシュを示す軸
方向に沿った側面断面図及び軸方向平面図である。
【図4】本発明の実施形態に係るゴムブッシュ及び従来
のゴムブッシュが両端部にそれぞれ配置されたサスペン
ションロッドの軸方向に沿った側面図である。
【図5】本発明の実施形態に係るゴムブッシュにおける
すぐり部の他の例を示す軸方向に沿った側面断面図であ
る。
【図6】パラレルリンクタイプの自動車用リアサスペン
ションによるコーナリング時のリアタイヤへのトーコン
トロール動作を模式的に示す平面図である。
【図7】従来のゴムブッシュを示す軸方向に沿った側面
断面図及び軸方向平面図である。
【符号の説明】
30 リアサスペンション 32,34 サスペンションロッド(荷重伝達部材) 42 サスペンションメンバ(荷重支持体) 48 リアタイヤ 50 ゴムブッシュ(ブッシュ装置) 52〜56 ゴムブッシュ 58 外筒 60 内筒 62 弾性体 70,82 すぐり部

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外部荷重を伝達する荷重伝達部材及び、
    前記外部荷重を支持する荷重支持体の一方に連結される
    外筒と、 前記外筒の内周側中空部内へ配置され、前記荷重伝達部
    材及び荷重支持体の他方に連結される内筒と、 前記外筒と前記内筒との間へ全周に亘って配置され外筒
    と内筒とを連結すると共に、前記内筒に対して前記荷重
    伝達部材側及び前記荷重支持体側の一方の側へ偏倚し、
    かつ前記荷重伝達部材により伝達される外部荷重により
    圧縮される中空状のすぐり部が形成された弾性体と、 を有することを特徴とするブッシュ装置。
  2. 【請求項2】 車両旋回時のコーナリング荷重をタイヤ
    側から車体側へ伝達するサスペンションロッドに配置さ
    れるブッシュ装置であって、 前記サスペンションロッドの端部及び車体の一方へ連結
    される外筒と、 前記外筒の内周側中空部内へ配置され、前記サスペンシ
    ョンロッドの端部及び車体の他方へ連結される内筒と、 前記外筒と前記内筒との間へ全周に亘って配置され外筒
    と内筒とを連結すると共に、前記内筒に対して前記サス
    ペンションロッド側及び前記車体側の一方の側へ偏倚
    し、かつ前記サスペンションロッドにより伝達されるコ
    ーナリング荷重により圧縮される中空状のすぐり部が形
    成された弾性体と、 を有することを特徴とするブッシュ装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100451089B1 (ko) * 2002-07-16 2004-10-02 현대모비스 주식회사 차량의 리어세미트레일링암형 현가장치
JP2016050658A (ja) * 2014-09-02 2016-04-11 東洋ゴム工業株式会社 防振装置

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KR100451089B1 (ko) * 2002-07-16 2004-10-02 현대모비스 주식회사 차량의 리어세미트레일링암형 현가장치
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