JP2000108260A - 積層体 - Google Patents

積層体

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JP2000108260A
JP2000108260A JP10279590A JP27959098A JP2000108260A JP 2000108260 A JP2000108260 A JP 2000108260A JP 10279590 A JP10279590 A JP 10279590A JP 27959098 A JP27959098 A JP 27959098A JP 2000108260 A JP2000108260 A JP 2000108260A
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evoh
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resin
adhesive resin
mol
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JP10279590A
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English (en)
Inventor
Kenji Nimiya
賢二 仁宮
Tomoyuki Yamamoto
友之 山本
Motohiro Enokida
元博 榎田
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Nippon Synthetic Chemical Industry Co Ltd
Futamura Chemical Industries Co Ltd
Original Assignee
Nippon Synthetic Chemical Industry Co Ltd
Futamura Chemical Industries Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ガスバリア性、防湿性、保香性等に優れ、か
つ包装袋としたときにシール性に優れ、外観性にも優れ
た包装袋を得ることができる積層体を提供すること。 【解決手段】 少なくとも一軸方向に延伸されたポリプ
ロピレン(PP)層の片面に、エチレン−酢酸ビニル共
重合体ケン化物(EVOH)、シーラント樹脂及び接着
性樹脂を共押出してPP/接着性樹脂/EVOH/接着
性樹脂/シーラント樹脂の層構成を有する積層体を得た
後、該積層体を幅方向に延伸してなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体ケン化物(以下、EVOHと略記する)を
中間層に用いた積層体に関し、更に詳しくは、ガスバリ
ア性、防湿性、保香性等に優れ、かつシール性や外観性
にれた包装袋を得ることができる製袋適性にも優れた積
層体に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、EVOHはその透明性、ガスバ
リヤー性、保香性、耐溶剤性、耐油性などに優れてお
り、かかる特性を生かして、食品包装材料、医薬品包装
材料、工業薬品包装材料、農薬包装材料等の各種包装材
料に用いられており、従来の塩化ビニリデンコーティン
グフィルムの代替フィルムとしても期待されている。
【0003】すなわち、ポリプロピレン等のポリオレフ
ィンフィルムの表面にEVOH層が接着剤層を介して積
層された積層体であって、通常は積層体の機械的強度等
の向上を目的として延伸処理が施された積層体となって
いる。
【0004】しかしながら、かかる積層体を各種包装用
フィルムとして用いる場合には、該積層体が各構成樹脂
の残存応力差と緩和収縮差が原因で、熱や湿気等の影響
により、カールしたり、ねじれたりしてしまい、これを
包装袋としたときにそのシール部に変形や異常が発生し
てしまい、包装袋の外観や性能に支障をきたしてしまう
ことがある。
【0005】かかる対策として、特開昭58−3342
7号公報には、ポリオレフィン樹脂層と吸湿性樹脂層
(EVOH等)の積層フィルムの該吸湿性樹脂層に0.
5重量%以上の水分を吸収させることが記載されてい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
方法では、バリア層であるEVOH層に水を吸収させて
いるため、折角のEVOH層のバリア性能が低下する結
果となり、EVOH層のバリア性能を十分に生かすこと
が困難であると同時に、水分吸収工程が加わることによ
り積層フィルムの生産性が低下してしまうという問題点
があり、ガスバリア性、防湿性、保香性等に優れ、更に
はシール性や外観性にも優れた包装袋を得ることができ
る積層体が望まれるところである。
【0007】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者は、か
かる現況に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、少なくとも一
軸方向に延伸されたポリプロピレン(PP)層の片面
に、EVOH、シーラント樹脂及び接着性樹脂を共押出
して、PP/接着性樹脂/EVOH/接着性樹脂/シー
ラント樹脂の層構成を有する積層体を得た後、該積層体
を幅方向(TD方向)に延伸した積層体が、上記の目的
を達成でき、更には該EVOH層の偏光赤外二色法によ
るC−O基の配向係数が−0.1〜−0.4であると
き、本発明の作用効果を顕著に得ることができることを
見いだして本発明を完成するに至った。
【0008】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を詳細に述べる。
本発明に用いられるポリプロピレン(PP)としては特
に限定されず、ホモポリプロピレン、エチレン−プロピ
レンブロック共重合体、エチレン−プロピレンランダム
共重合体、これらのブレンド物、更にこれらのPPに高
密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエ
チレン、直鎖状低密度ポリエチレン、高重合度高密度ポ
リエチレン、高重合度低密度ポリエチレン、不飽和カル
ボン酸変性ポリエチレン、不飽和カルボン酸変性ポリプ
ロピレン等を50%以下の割合でブレンドしたもの等を
用いることができ、好適には、メルトインデックス(M
I)(230℃、荷重2160g)が、0.5〜20g
/10分(更には1〜15g/10分、特には2〜7g
/10分)のPPが用いられ、該メルトインデックスが
該範囲よりも小さい場合には、押出し負荷が大きくなり
すぎ、また該範囲よりも大きい場合には、PPフィルム
の寸法安定性や機械的強度が低下して好ましくない。
【0009】また、本発明に用いられるPPには、必要
に応じて、帯電防止剤、防曇剤、紫外線吸収剤、酸化防
止剤、可塑剤、滑剤、核剤、分散剤、着色剤、抗菌剤、
無機充填剤等の添加剤を添加することができる。
【0010】かかるPPを少なくとも一軸方向に延伸す
るに当たっては、公知の方法を採用することができ、特
に限定されない。延伸については、一軸延伸法、二軸延
伸法(同時、逐次)等が挙げられるが、本発明は、かか
る延伸されたPPフィルムに接着性樹脂/EVOH/接
着性樹脂/シーラント樹脂を共押出した積層体を更に幅
方向(TD方向)に延伸することを特徴とするものであ
るから、該PPについては樹脂流れ方向(MD方向)に
一軸延伸することが好ましい。この時の延伸倍率は2〜
10倍(更には3〜7倍)が好ましく、2倍未満では、
延伸による機械的強度や防湿性の向上の効果が不十分と
なり、逆に10倍を越えると、続く幅方向(TD方向)
の延伸が不安定となって好ましくない。
【0011】また、延伸後のPPフィルムの厚みは特に
限定されないが、続いて幅方向(TD方向)に延伸する
ことを考慮すれば、20μm以上(更には40〜500
μm)であることが好ましい。
【0012】また、かかるPPフィルムは、必要に応じ
て、コロナ放電処理、クロム酸処理、火炎処理、オゾン
処理、サンドブラスト処理、アンカーコート処理、真空
蒸着処理等の表面処理を行っても良い。
【0013】また、上記のPPフィルムに共押出しされ
るEVOHとしては、特に限定されないが、エチレン含
有量が20〜70モル%(更には25〜60モル%)、
ケン化度が80モル%以上(更には90モル%以上)の
ものが用いられ、該エチレン含有量が20モル%未満で
は高湿時のガスバリヤー性、溶融成形性が低下し、逆に
70モル%を越えると充分なガスバリヤー性が得られ
ず、更にケン化度が80モル%未満ではガスバリヤー
性、熱安定性、耐湿性等が低下して好ましくない。
【0014】また、該EVOHのメルトインデックス
(MI)(210℃、荷重2160g)は、1〜50g
/10分(更には2〜30g/10分)が好ましく、該
メルトインデックスが該範囲よりも小さい場合には、成
形時に押出機内が高トルク状態となって押出加工が不安
定となり、また該範囲よりも大きい場合には、成形物の
機械強度が不足して好ましくない。
【0015】該EVOHは、エチレン−酢酸ビニル共重
合体のケン化によって得られ、該エチレン−酢酸ビニル
共重合体は、公知の任意の重合法、例えば、溶液重合、
懸濁重合、エマルジョン重合などにより製造され、エチ
レン−酢酸ビニル共重合体のケン化も公知の方法で行い
得る。
【0016】該EVOHは、少量であればα−オレフィ
ン、不飽和カルボン酸系化合物、不飽和スルホン酸系化
合物、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルア
ミド、ビニルエーテル、ビニルシラン化合物、塩化ビニ
ル、スチレンなどの他のコモノマーで「共重合変性」さ
れても差し支えない。又、本発明の趣旨を損なわない範
囲で、ウレタン化、アセタール化、シアノエチル化など
「後変性」されても差し支えない。
【0017】更に本発明においては、EVOHとして、
2種類以上の混合物を用いることも、安定した延伸が可
能となり、得られる成形物の膜厚が均一になる点で好ま
しく、かかる場合は、混合されるEVOHのエチレン含
有量及び/又はケン化度を変えることが好ましく、この
時のエチレン含有量の差は4モル%以上(更には6〜2
0モル%、特に6〜15モル%)とすることが好まし
く、かかる差が4モル%未満では、延伸性の改善効果が
小さくなって好ましくない。混合されるEVOHが3種
類以上の場合は、その中でエチレン含有量が最小のもの
と最大のものとの差が上記の条件を満足すればよい。ま
た、ケン化度も同様にその差を1モル%以上(更には
1.5〜10モル%、特に2〜5モル%)とすることが
好ましく、かかる差が1モル%未満では、同様に延伸性
の改善効果が小さくなって好ましくない。混合されるE
VOHが3種類以上の場合は、上記と同様にその中でケ
ン化度が最小のものと最大のものとの差が上記の条件を
満足すればよい。
【0018】また、本発明においては、EVOHに飽和
脂肪族アミド(例えばステアリン酸アミド等)、不飽和脂
肪酸アミド(例えばオレイン酸アミド等)、ビス脂肪酸ア
ミド(例えばエチレンビスステアリン酸アミド等)、脂肪
酸金属塩(例えばステアリン酸カルシウム等)、低分子量
ポリオレフィン(例えば分子量500〜10,000程度
の低分子量ポリエチレン、又は低分子量ポリプロピレン
等)などの滑剤、無機塩(例えばハイドロタルサイト
等)、可塑剤(例えばエチレングリコール、グリセリ
ン、ヘキサンジオール等の脂肪族多価アルコールな
ど)、紫外線吸収剤、酸化防止剤、着色剤、抗菌剤、ス
リップ剤、無機充填剤、ポリオレフィン、ポリアミド等
の他樹脂等を配合することも可能である。
【0019】上記のEVOHと共に押出しされるシーラ
ント樹脂としては、シーラント層としての機能を有する
樹脂であれば特に限定されず、エチレン系重合体、プロ
ピレン系重合体、ブテン系重合体、あるいはこれらの共
重合体、エチレンを主成分として炭素数3〜10のα−
オレフィン類、炭素数4〜15のジエン類、酢酸ビニ
ル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル等の内
から選ばれた1種または2種以上のコモノマーとの共重
合体等のオレフィン系重合体や、ポリエステル、ポリア
ミド、ポリアクリロニトリル等を挙げることができ、こ
の中では、エチレン酢酸ビニル共重合体系樹脂(EV
A)または直鎖状低密度ポリエチレン系樹脂(LLDP
E)が好適に用いられ、更にはメタロセン触媒中で重合
されたLLDPEも好適に用いられる。
【0020】更にシーラント樹脂の融点は、150℃以
下(更には70〜150℃)が好ましく、かかる融点が
150℃を越えると基材のPPとの融点差が小さくなる
ため、ヒートシール時に基材のPPが収縮しやすくな
り、包装袋としたときの外観が悪化することがあり好ま
しくない。
【0021】上記のEVOHと共に押出しされる接着性
樹脂としては特に限定されないが、不飽和カルボン酸又
はその誘導体で変性されたポリオレフィン樹脂が好適に
用いられ、かかる不飽和カルボン酸としては、アクリル
酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン
酸、イタコン酸、シトラコン酸等が挙げられ、これらの
エステルや無水物も用いることができ、更に該誘導体と
しては、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アク
リル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチ
ル、メタクリル酸ブチル、酢酸ビニル、グリシジルアク
リレート、グリシジルメタクリレート、アクリルアミ
ド、メタクリルアミド、アクリル酸ナトリウム、等を挙
げることができ、また、該ポリオレフィン樹脂として
は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、およ
びこれらの共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、
エチレン−アクリル酸エステル共重合体等を挙げること
ができる。
【0022】上記のEVOH、シーラント樹脂及び接着
性樹脂をPPフィルムの表面に、接着性樹脂/EVOH
/接着性樹脂/シーラント樹脂の積層構成で共押出ラミ
ネートするには、公知の方法を採用することができ、例
えば、3種4層の共押出製膜装置にEVOH、シーラン
ト樹脂及び接着性樹脂を供給してPPフィルム表面に共
押出しする方法を挙げることができる。この時の溶融温
度としては、EVOHの場合は170〜300℃(更に
は200〜280℃)から選択することができ、シーラ
ント樹脂および接着性樹脂の場合は150〜300℃
(更には180〜280℃)から選択すればよい。 か
くして、接着性樹脂/EVOH/接着性樹脂/シーラン
ト樹脂なる積層構成を有する積層体がPPフィルム表面
に共押出ラミネートされるのであるが、この時の該積層
体の全体の厚みは、PPフィルムの厚み以下のすること
が生産性が安定する点で好ましく、更に接着性樹脂/E
VOH/接着性樹脂/シーラント樹脂の各厚みは、0.
4〜100μm(更には1〜30μm)/2〜400μ
m(更には4〜150μm)/0.4〜100μm(更
には1〜30μm)/20〜800μm(更には40〜
500μm)の範囲から選択すればよい。
【0023】接着性樹脂層の厚みが0.4μm未満では
共押出が不安定になることがあり、100μmを越える
と延伸後の積層体の透明性が低下することがあり、また
経済的にも不利となる。EVOH層の厚みが2μm未満
では延伸時に局部的偏肉や破断が生じることがあり、4
00μmを越えると延伸後の厚み変動が大きくなる傾向
にあり、また経済的にも不利となる。シーラント樹脂層
の厚みが20μm未満では延伸後の積層体および包装袋
の変形を防止することが困難となることがあり、800
μmを越えると共押出が不安定になることがある。
【0024】上記で得られたPP/接着性樹脂/EVO
H/接着性樹脂/シーラント樹脂からなる積層体は、続
いて横方向(TD方向)に延伸されるのであるが、かか
る延伸に当たっても、公知の方法を採用することができ
る。この時の延伸倍率は2〜20倍(更には4〜15
倍)が好ましく、2倍未満では、延伸による機械的強度
やガスバリヤー性、防湿性の向上の効果が不十分とな
り、逆に20倍を越えると、積層フィルムの局部的偏肉
や破断が生じて好ましくない。
【0025】また、かかる積層体は、必要に応じて、コ
ロナ放電処理、クロム酸処理、火炎処理、オゾン処理、
サンドブラスト処理、アンカーコート処理、真空蒸着処
理等の表面処理を行っても良い。
【0026】かかる延伸によって得られるPP/接着性
樹脂/EVOH/接着性樹脂/シーラント樹脂からなる
積層構成を有する積層体の全体の厚みは15〜160μ
m(更には20〜100μm)、各層の厚みは、8μm
以上(更には10〜50μm)/0.2〜5μm(更に
は0.3〜2μm)/1〜20μm(更には1〜10μ
m)/0.2〜5μm(更には0.3〜2μm)/5μ
m以上(更には8〜50μm)の範囲から選択すればよ
い。
【0027】全体の厚みが15μm未満では積層体およ
び包装袋としたときの腰がなくなり取り扱いに支障をき
たすことがあり、160μmを越えると積層体および包
装袋としたときのフレキシビリティが不足気味となる。
PP層の厚みが8μm未満では防湿性が不足する傾向に
ある。接着性樹脂層の厚みが0.2μm未満ではEVO
H層との層間接着性に劣り、5μmを越えると積層体の
透明性が低下することがある。EVOH層の厚みが1μ
m未満ではガスバリア性が不足し、20μmを越えると
積層体の耐屈曲性が悪化する傾向にある。シーラント樹
脂層の厚みが5μm未満では積層体および包装袋の変形
を防止することが困難となることがある。
【0028】かくして、PP/接着性樹脂/EVOH/
接着性樹脂/シーラント樹脂からなる延伸積層体が得ら
れるのであるが、本発明では、かかる延伸積層体の該シ
ーラント樹脂表面に更に熱可塑性樹脂層を積層すること
も可能である。かかる熱可塑性樹脂としては、前述のシ
ーラント樹脂と同様のものを用いることができる。積層
に当たっては、公知の方法を採用することができ、例え
ばドライラミネート法、ポリサンドラミネート法、押出
ラミネート法等の方法を挙げることができるが、得られ
る積層体の臭気と寸法変化が少ない点で、ドライラミネ
ート法が好ましい。
【0029】また、シーラント層と熱可塑性樹脂層の間
に印刷層を設けることも好ましく、印刷面はシーラント
層側、熱可塑性樹脂層側どちらでも可能であり、印刷に
ついてはグラビア印刷、フレキソ印刷、スクリーン印刷
等公知の印刷方法と装置、インキを用いることが可能で
ある。
【0030】かくして、本発明の積層体が得られるので
あるが、本発明においては、かかる積層体におけるEV
OH層の偏光赤外二色法によるC−O基の配向係数が−
0.4〜−0.01(更には−0.3〜−0.05)で
あることが好ましく、かかるC−O基の配向係数が−
0.4未満では積層体の耐引裂性が低下する傾向にあ
り、逆に−0.01を越えると延伸によるガスバリヤー
性の向上効果が不十分となる傾向にあり好ましくない。
ここで言う偏光赤外二色法による配向係数(F)は、以
下の(1)式により求めることができる。
【0031】
【数1】 F=(1−D)/(1+2D) ・・・ (1) ここで、Fは配向係数、Dは二色比を表し、D=At/
Amで、更にAt、Amは該積層体のIR吸収スペクト
ルにおける、延伸方向に平行(Am)および垂直(A
t)方向のC−O伸縮振動の吸収ピーク(1090cm
−1付近)の吸光度を表す。吸光度の算出においては、
780cm−1と1550cm−1付近のピークの谷間
を直線で結んだ線をベースラインとして求める。また、
ここで言う延伸方向とはEVOH層が延伸された方向の
ことで、本文中で言う積層体の幅方向(TD方向)のこ
とを表す。
【0032】かかる配向係数を調整するには、EVOH
の組成、延伸条件(延伸温度、延伸速度、延伸倍率)等
をコントロールすればよく、中でもEVOH組成物中の
主成分のEVOHのエチレン含有量を20〜40モル
%、ケン化度を98モル%以上とし、横方向(TD方
向)の延伸倍率を4倍以上とする方法が好適に用いられ
る。
【0033】かくして得られた本発明の積層体は、食品
や医薬品の防湿包装、熱殺菌包装、高温充填包装、ピロ
ー包装、電子レンジ用包装、PTP包装、バッグインボ
ックスなど各種包装用途に有用で、中でも特に従来の塩
化ビニリデンコーティングポリプロピレンフィルム(K
OP)の代替フィルムとしての包装袋として有用で、か
かる包装袋としての使用法について説明する。
【0034】製袋に当たっては、通常の製袋機を採用す
ることができ、例えばホットバーシール式やホットロー
ル式の製袋機が使用でき、側面シール形、2方シール
形、3方シール形、合掌シール形等の袋に加工して利用
される。また、製袋と充填を同時に行うピロー包装、3
方シール包装、4方シール包装などの自動製袋充填機を
用いることもできる。
【0035】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明
する。尚、実施例中「部」、「%」とあるのは特に断り
のない限り重量基準を示す。
【0036】実施例1 単層Tダイ押出製膜装置にポリプロピレン[融点160
℃、密度0.90g/cm3、MI3g/10分(23
0℃、荷重2160g)、アミン系帯電防止剤1%配
合]を供給して、厚み600μmのPPシートを得た
後、加熱ロール上で縦方向(MD方向)に4倍延伸して
厚み150μmのPPフィルムを得た。
【0037】次いで、得られたPPフィルムの片面に、
3種4層Tダイ共押出ラミネート装置を用いて、接着性
樹脂[密度0.89g/cm3、MI4g/10分(2
30℃、荷重2160g)、無水マレイン酸濃度0.0
5%、エチレン含有量3モル%の変性エチレン−プロピ
レン共重合体]/EVOH[エチレン含有量36モル
%、ケン化度99.5モル%、MI4g/10分(21
0℃、荷重2160g)のEVOH70部とエチレン含
有量47モル%、ケン化度96.5モル%、MI4.5
g/10分(同上)のEVOH30部の混合物]/接着
性樹脂[前記と同様]/直鎖状低密度ポリエチレン[密
度0.92g/cm3、MI2g/10分(190℃、
荷重2160g)]の積層体(厚み構成は8μm/40
μm/8μm/80μm)を130m/分の速度で積層
した後、これをテンター法にて横方向(TD方向)に速
度27m/分、温度160℃で10倍に延伸して、PP
フィルム/接着性樹脂/EVOH/接着性樹脂/シーラ
ント樹脂なる本発明の延伸積層体(厚み構成は15μm
/0.8μm/4μm/0.8μm/8μm、EVOH
層の偏光赤外二色法による配向係数は−0.15)を得
た。
【0038】得られた積層体の酸素透過度及び水蒸気透
過度を測定したところ、それぞれ4.5cc/m2・a
tm・day(20℃、50%RH)、5.5cc/m
2・day(40℃、90%RH)で、良好なガスバリ
ア性能と防湿性能を示した。また、自動充填製袋機(フ
ジキカイ社製の横形ピロー包装機「FW3400」)を
用いて、シール温度160℃、ショット数50個/分の
条件で、得られた積層体の直鎖状低密度ポリエチレン層
をシール層として、縦20cm×横10cmの包装袋
(口貼り及び背貼りからなる3方シール、充填物なし)
を作製した。
【0039】かかる包装袋の背貼りシール強度(引張速
度200mm/min、23℃で測定)は1200g/
15mmで、包装袋の状態を目視で観察したが、口貼り
及び背貼りともに異常は認められず良好であった。更に
上記の包装袋の一方の口貼り部分を切開してパラジクロ
ルベンゼン(PDCB)3gを入れて切開部分をヒート
シールして密封した後、2リットルのガラス容器に入れ
て密栓して23℃で保管したが、2ヶ月後においてもガ
ラス容器中にPDCBの香りは感知されず良好な保香性
能を示した。
【0040】実施例2 単層Tダイ押出製膜装置にポリプロピレン[融点160
℃、密度0.90g/cm3、MI3g/10分(23
0℃、荷重2160g)、アミン系帯電防止剤1%配
合]を供給して、厚み600μmのPPシートを得た
後、加熱ロール上で縦方向(MD方向)に6倍延伸して
厚み100μmのPPフィルムを得た。
【0041】次いで、得られたPPフィルムの片面に、
3種4層Tダイ共押出ラミネート装置を用いて、接着性
樹脂[密度0.89g/cm3、MI4g/10分(2
30℃、荷重2160g)、無水マレイン酸濃度0.0
5%、エチレン含有量3モル%の変性エチレン−プロピ
レン共重合体]/EVOH[エチレン含有量34モル
%、ケン化度99.5モル%、MI8g/10分(21
0℃、荷重2160g)のEVOH80部とエチレン含
有量44モル%、ケン化度96.2モル%、MI6.5
g/10分(同上)のEVOH20部の混合物]/接着
性樹脂[前記と同様]/直鎖状低密度ポリエチレン[密
度0.92g/cm3、MI2g/10分(190℃、
荷重2160g)]の積層体(厚み構成は7μm/21
μm/7μm/55μm)を150m/分の速度で積層
した後、これをテンター法にて横方向(TD方向)に速
度21m/分、温度155℃で7倍に延伸して、PPフ
ィルム/接着性樹脂/EVOH/接着性樹脂/シーラン
ト樹脂なる本発明の延伸積層体(厚み構成は14μm/
1μm/3μm/1μm/8μm)、EVOH層の偏光
赤外二色法による配向係数は−1.3)を得た。
【0042】得られた積層体の酸素透過度及び水蒸気透
過度を測定したところ、それぞれ5.2cc/m2・a
tm・day(20℃、50%RH)、4.5cc/m
2・day(40℃、90%RH)で、良好なガスバリ
ア性能と防湿性能を示した。また、自動充填製袋機(同
上)を用いて、シール温度160℃、ショット数50個
/分の条件で、得られた積層体の直鎖状低密度ポリエチ
レン層をシール層として、縦25cm×横5cmの包装
袋(同上)を作製した。
【0043】かかる包装袋の背貼りシール強度(同上)
は1000g/15mmで、包装袋の状態を目視で観察
したが、口貼り及び背貼りともに異常は認められず良好
であった。更に実施例1と同様に、包装袋にショウノウ
3gを入れて切開部分をヒートシールして密封した袋に
ついてガラス容器に入れて保管したが、2ヶ月後におい
てもガラス容器中にショウノウの香りは感知されず良好
な保香性能を示した。
【0044】実施例3 単層Tダイ押出製膜装置にポリプロピレン[融点160
℃、密度0.90g/cm3、MI3g/10分(23
0℃、荷重2160g)、アミン系帯電防止剤1%配
合]を供給して、厚み800μmのPPシートを得た
後、加熱ロール上で縦方向(MD方向)に5倍延伸して
厚み160μmのPPフィルムを得た。
【0045】次いで、得られたPPフィルムの片面に、
3種4層Tダイ共押出ラミネート装置を用いて、接着性
樹脂[密度0.89g/cm3、MI4g/10分(2
30℃、荷重2160g)、無水マレイン酸濃度0.0
5%、エチレン含有量3モル%の変性エチレン−プロピ
レン共重合体]/EVOH[エチレン含有量29モル
%、ケン化度99.7モル%、MI12g/10分(2
10℃、荷重2160g)のEVOH60部とエチレン
含有量36モル%、ケン化度99.5モル%、MI8g
/10分(210℃、荷重2160g)のEVOH20
部とエチレン含有量42モル%、ケン化度97.5モル
%、MI13g/10分(同上)のEVOH20部の混
合物]/接着性樹脂[前記と同様]/エチレン酢酸ビニ
ル共重合樹脂[MI3g/10分(190℃、荷重21
60g)、酢酸ビニル含有量5%]の積層体(厚み構成
は10μm/60μm/10μm/80μm)を150
m/分の速度で積層した後、これをテンター法にて横方
向(TD方向)に速度38m/分、温度165℃で12
倍に延伸して、PPフィルム/接着性樹脂/EVOH/
接着性樹脂/シーラント樹脂なる本発明の延伸積層体
(厚み構成は13μm/0.8μm/5μm/0.8μ
m/6.5μm)、EVOH層の偏光赤外二色法による
配向係数は−0.20)を得た。
【0046】得られた積層体の酸素透過度及び水蒸気透
過度を測定したところ、それぞれ3.2cc/m2・a
tm・day(20℃、50%RH)、4.5cc/m
2・day(40℃、90%RH)で、良好なガスバリ
ア性能と防湿性能を示した。また、自動充填製袋機(同
上)を用いて、シール温度160℃、ショット数50個
/分の条件で、得られた積層体のエチレン酢酸ビニル共
重合樹脂層をシール層として、縦25cm×横5cmの
包装袋(同上)を作製した。
【0047】かかる包装袋の背貼りシール強度(同上)
は800g/15mmで、包装袋の状態を目視で観察し
たが、口貼り及び背貼りともに異常は認められず良好で
あった。更に実施例1と同様に、包装袋に緑茶10gを
入れて切開部分をヒートシールして密封した袋について
ガラス容器に入れて保管したが、2ヶ月後においてもガ
ラス容器中に緑茶の香りは感知されず良好な保香性能を
示した。
【0048】比較例1 実施例1において、LLDPEの共押出積層を行わずに
積層体を得て、得られた積層体の酸素透過度及び水蒸気
透過度を測定したところ、それぞれ5.0cc/m2
atm・day(20℃、50%RH)、8.5cc/
2・day(40℃、90%RH)であった。
【0049】また、得られた積層体で同様(但し、接着
性樹脂層面同士をヒートシールした)に包装袋を作製し
て、同様の評価を行ったが、背貼りシール強度(同上)
は200g/15mmしかなく、更に包装袋の状態を目
視で観察したが、製袋時に積層体がカールして背貼り部
分にシワが入ったり、積層体がカールしたままヒートシ
ールされている部分もあり、極めて外観性等に問題のあ
るものであった。更に実施例1と同様に、包装袋にパラ
ジクロルベンゼン(PDCB)を入れてガラス容器に保
管したが、試験開始後1週間後にはガラス容器中にPD
CBの香りが漏れていた。
【0050】
【発明の効果】本発明の積層体は、ガスバリア性、防湿
性、保香性等に優れており、更に包装袋としたときにシ
ール性に優れ、外観性にも優れた包装袋を得ることがで
き、各種包装用途をはじめとして、食品や医薬品の包装
袋等に有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 榎田 元博 愛知県海部郡大治町大字西条字笠見立1番 地1号 二村化学工業株式会社名古屋工場 内 Fターム(参考) 4F100 AK01B AK01D AK01E AK04C AK07A AK63 AK64 AK69C AL07 BA05 BA07 BA10A BA10E BA13 BA15 CB00B CB00D CB00E EH20 EJ37 EJ37A GB17 JA20 JD02 JD04 JD20 JL11B JL11D JL11E YY00 YY00C

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも一軸方向に延伸されたポリプ
    ロピレン(PP)層の片面に、エチレン−酢酸ビニル共
    重合体ケン化物(EVOH)、シーラント樹脂及び接着
    性樹脂を共押出して、PP/接着性樹脂/EVOH/接
    着性樹脂/シーラント樹脂の層構成を有する積層体を得
    た後、該積層体を幅方向(TD方向)に延伸したことを
    特徴とする積層体。
  2. 【請求項2】 エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物
    (EVOH)層の偏光赤外二色法によるC−O基の配向
    係数が−0.4〜−0.01であることを特徴とする請
    求項1記載の積層体。
  3. 【請求項3】 エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物
    (EVOH)が2種のエチレン−酢酸ビニル共重合体ケ
    ン化物(EVOH)からなり、それぞれのエチレン含有
    量の差が4モル%以上及び/又はそれぞれのケン化度の
    差が1モル%以上であることを特徴とする請求項1また
    は2記載の積層体。
  4. 【請求項4】 エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物
    (EVOH)が3種以上のエチレン−酢酸ビニル共重合
    体ケン化物(EVOH)からなり、エチレン含有量の最
    大値と最小値の差が4モル%以上及び/又はケン化度の
    最大値と最小値の差が1モル%以上であることを特徴と
    する請求項1または2記載の積層体。
  5. 【請求項5】 包装袋に用いることを特徴とする請求項
    1〜4いずれか記載の積層体。
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