JP2000107584A - 樹脂被覆微粒子の製造方法及びそれに用いられる製造装置 - Google Patents

樹脂被覆微粒子の製造方法及びそれに用いられる製造装置

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JP2000107584A
JP2000107584A JP10281605A JP28160598A JP2000107584A JP 2000107584 A JP2000107584 A JP 2000107584A JP 10281605 A JP10281605 A JP 10281605A JP 28160598 A JP28160598 A JP 28160598A JP 2000107584 A JP2000107584 A JP 2000107584A
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resin
vapor
coated
fine particle
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JP10281605A
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English (en)
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Takahiro Horiuchi
貴洋 堀内
Kiyobumi Morimoto
清文 森本
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Original Assignee
Sharp Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 微粒子を帯電させることなく、しかも、簡便
な操作で短時間でかつ安価に、径が比較的小さく、かつ
揃った樹脂被覆微粒子を製造することができる樹脂被覆
微粒子の製造方法を提供する。 【解決手段】 樹脂材料を蒸気化した飽和蒸気空間に核
微粒子を導入し、この核微粒子の表面に樹脂材料を凝縮
させ、凝縮した樹脂材料間で重合させて微粒子表面に樹
脂の被膜を形成することで樹脂被覆微粒子を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、微粒子の表面が樹
脂(重合体)にて被覆された樹脂被覆微粒子の製造方法
及び製造装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、微粒子表面の性質を改質する
方法として、微粒子表面を改質剤で処理して表面上に改
質剤の膜を形成して被覆することが種々実施されてい
る。
【0003】このような表面改質方法としては、乾式の
他に、液相中において表面改質を行う方法があり、具体
的には、混練法、媒体を用いた撹拌法、或いはスプレー
ドライ法などにより微粒子の表面を改質剤で被覆するも
のである。このような方法は一般的によく知られてお
り、例えば、以下の文献にも詳細に述べられている。
【0004】「微粒子工学−分散の基礎と応用−」
(社団法人日本粉体工業技術協会編集;株式会社朝倉書
店発行;1994年6月25日初版第1刷)123頁〜136
頁。これには、高速回転式衝撃粉砕機や摩砕式ミル、ボ
ールミル、ロールミル、媒体撹拌型粉砕機、ジェットミ
ル等の乾式粉砕機を用いて、粉体状の粒子表面に粉体状
の異種成分(表面改質剤)を物理的に結合させることに
より、微粒子表面の性質が改質された被覆型複合粒子を
製造する方法が記載されている。
【0005】「微粒子ハンドブック」(神保元二等編
集;株式会社朝倉書店発行;1991年9月1日初版第一
刷)383頁〜394頁。これには、混練粉砕法、スプ
レードライ法などを用いた改質方法が記載されている。
【0006】また、この他、気相中にて微粒子表面を改
質する方法もあり、例えば、特開昭52−9182号公
報の集塵装置や、特開昭62−225926号公報の粒
子計数装置に、改質剤の蒸気を微粒子の表面で凝縮させ
て被覆する方法が記載されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来の表面改質方法には、以下のような問題があるた
め、このような表面改質方法を採用して微粒子の表面に
樹脂膜形成して樹脂被覆微粒子を得たとしても、同様の
問題が発生する。
【0008】即ち、に記載されている方法では、微
粒子表面を改質剤で処理する際に、撹拌翼等の撹拌装置
を用いて微粒子を撹拌するので、微粒子が摩擦等によっ
て帯電する。そのため、処理後の微粒子(表面改質済)
は、帯電によりホッパー等の収納部材の内壁に吸着して
搬送不良となり、取り扱いが困難となる。また、微粒子
と改質剤を物理的に結合させるため、表面改質処理に非
常に長い時間を要する上、処理操作も煩雑で、かつ、用
いる装置も高価なものを必要とする。さらに、処理後の
微粒子の形がいびつになりやすく、ナノメートルオーダ
の微粒子の製造は非常に困難である。
【0009】一方、気相中にて表面改質を行う方法で
は、撹拌による摩擦帯電の恐れもなく、かつ、大きさが
ほぼ均一の球形の微粒子を得ることができる。
【0010】本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされ
たものであり、その目的は、製造中の微粒子の帯電によ
る搬送不良等の不具合を伴うこともなく、また、簡便な
装置及び操作で製造でき、かつ、数ナノメートルから数
十ミクロンの樹脂被覆微粒子を短時間で製造し得る方
法、及び製造装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の樹脂被覆微粒子
の製造方法は、上記の課題を解決するために、樹脂材料
を蒸気化して微粒子表面に凝縮させ、凝縮した樹脂材料
間で重合させて微粒子表面に樹脂の被膜を形成する工程
を含むことを特徴としている。
【0012】これによれば、微粒子の表面に樹脂材料の
蒸気を凝縮させ、微粒子の表面で樹脂材料間の重合を起
こさせて樹脂が形成されるので、樹脂被覆微粒子の製造
は気相中における処理となる。したがって、撹拌による
摩擦帯電の恐れもなく微粒子の搬送はスムーズに実施で
き、操作も簡便で、かつ、大きさがほぼ均一の球形の微
粒子を得ることができる。しかも、微粒子と樹脂とを物
理的に結合させるのではなく、微粒子表面に付着した樹
脂材料が重合して樹脂となることで、処理時間は短くて
済む。また、樹脂材料の蒸気が凝縮する量、つまり、凝
縮する環境下に保持する時間や、凝縮させる際の微粒子
や樹脂材料の蒸気の温度を調整することで、微粒子を被
覆する樹脂の膜厚を容易に制御でき、その結果、所望の
大きさの樹脂被覆微粒子を得ることができる。
【0013】また、上記製造方法においては、樹脂材料
の蒸気と混合する前に微粒子を冷却しておくこと、或い
は樹脂材料の蒸気を加熱しておくこと、或いは冷却され
た微粒子と加熱された樹脂材料の蒸気とを混合すること
が好ましい。
【0014】樹脂材料蒸気の微粒子表面への凝縮は、核
となる微粒子が低温であって、樹脂材料の飽和蒸気が冷
やされて過飽和となったことで起こるため、微粒子と樹
脂材料蒸気との間の温度差が大きい方が好ましい。そこ
で、上記のように、樹脂材料蒸気と微粒子とを混合する
前に、微粒子を冷却しておくか、或いは樹脂材料蒸気を
加熱して高温の飽和蒸気としておくか、より好ましくは
微粒子を冷却すると共に樹脂材料蒸気の加熱をしておく
ことで、樹脂材料蒸気が速やかに凝縮して、処理の迅速
化を図れる。
【0015】また、上記の製造方法においては、上記の
樹脂材料が、少なくとも2種類の化合物であることが好
ましい。これにより、気相中で樹脂を連続して合成し製
造することができる。
【0016】また、上記の製造方法においては、微粒子
表面に樹脂の被膜を形成する工程を2回以上繰り返して
行うようにしてもよい。これにより、樹脂の膜を厚く形
成でき、かつ、工程の繰り返す回数を適宜選択すること
により、微粒子を被覆する樹脂の膜の厚みを調整して、
所望の大きさの樹脂被覆微粒子を得ることができる。
【0017】また、微粒子表面に樹脂の被膜を形成する
工程を2回以上繰り返す際に、異なる化合物の組み合わ
せとすることで、樹脂の膜を厚く形成でき、かつ、所望
の大きさの樹脂被覆微粒子を得ることができることに加
えて、微粒子表面に互いに組成の異なる樹脂を積層する
ことができる。
【0018】本発明の樹脂被覆微粒子の製造装置は、上
記の課題を解決するために、微粒子を気体と共に供給す
る微粒子供給部と、樹脂材料を蒸気化して樹脂材料を含
む雰囲気を形成する複数の蒸気供給部と、上記微粒子供
給部より供給される微粒子と、複数の蒸気供給部よりそ
れぞれ供給される各樹脂材料の蒸気とを混合して微粒子
表面に各樹脂材料を凝縮させる混合処理部とを備えてい
ることを特徴としている。
【0019】これによれば、混合処理部には、微粒子供
給部より核となる微粒子が供給されると共に、複数設け
られた蒸気供給部より、各々において生成された各樹脂
材料蒸気が供給される。そして、混合処理部では、これ
ら各樹脂材料蒸気と微粒子とを混合して微粒子表面に各
樹脂材料を凝縮させる。すると、微粒子表面に凝縮した
樹脂材料同士が重合して樹脂となり、微粒子表面を被覆
して、樹脂被覆微粒子となる。したがって、このような
装置を用いることで、本発明の樹脂被覆微粒子の製造方
法を容易に実施できる。
【0020】また、上記の製造装置においては、微粒子
供給部より供給される微粒子を処理部へと導入する微粒
子導入管と、各蒸気供給部より供給される樹脂材料の蒸
気を処理部へと導入する各蒸気導入管とが、1つの配管
内に組み込まれた構成とすることが望ましい。
【0021】これにより、樹脂材料の種類が増加して蒸
気導入管の本数が増加しても、装置構成を複雑化せず、
装置構成の簡素化が図れる。
【0022】また、上記の製造装置においては、配管内
における微粒子導入管と各蒸気導入管との間に、断熱材
が介在されていることが好ましい。
【0023】上述したように、核となる微粒子の表面に
樹脂材料の蒸気を凝縮させるためには、微粒子は冷却
し、樹脂材料蒸気の方は加熱し、両者間に温度差を設け
ておくことが好ましい。したがって、断熱材を設けるこ
とで、複数の導入管を1本化して装置構成の簡素化を図
りつつ、樹脂被覆微粒子の製造も不具合なくスムーズに
実施できる。
【0024】
【発明の実施の形態】本発明にかかる樹脂被覆微粒子の
製造方法及び製造装置を、図1〜図11に基づいて説明
すれば、以下の通りである。
【0025】本発明にかかる樹脂被覆微粒子の製造方法
は、重合して樹脂を形成する樹脂材料を蒸気化し、樹脂
材料の飽和雰囲気中に核となる微粒子を曝すことで、該
微粒子の表面にこれら樹脂材料を凝縮させ、微粒子の表
面上で凝縮した樹脂材料を重合させて樹脂を形成して樹
脂被覆微粒子を得るものである。
【0026】本発明にかかる上記の核となる微粒子(以
下、核微粒子とし、これが樹脂で被覆されてなる樹脂被
覆微粒子と明確に区別する)は、特にミスト、液体、固
体と限定されるものではないが、特に、酸化チタン、シ
リカ、アルミナ、ポリスチレン等の固体粒子などが好適
に用いられる。
【0027】また、本発明にかかる核微粒子の表面上に
形成される樹脂としては、特に限定されるものではない
が、例えば、ポリアミド樹脂などが好適に用いられる。
そして、重合してポリアミド樹脂となる樹脂材料、つま
りモノマーとしては、特に限定されるものではないが、
例えば、1,3-ジアミノプロパン、1,6-ジアミノヘキサ
ン、1,4-ジアミノシクロヘキサン、ピペラジン、ジメチ
ルピペラジン、1,10- ジアミノデカン、1,12- ジアミノ
ドデカン、尿素、チオ尿素、2,4-ジアミノトルエン、2,
6-ジアミノトルエン、3,3'- ジアミノベンジジン、3,3'
- ジアミノベンゾフェノン、4,4'- ジアミノジシクロヘ
キシルメタンなどのアミノ基を有する化合物と、アジポ
イルクロリド、セバコイルクロリド、テレフタロイルク
ロリド、イソフタロイルクロリドなどのハロゲン化アシ
ル化合物との組み合わせが挙げられる。
【0028】次に、本発明にかかる樹脂被覆微粒子の製
造方法に好適に供される樹脂被覆微粒子の製造装置の一
例を、図2ないし図11に基づいて説明する。
【0029】図2に示すように、樹脂被覆微粒子の製造
装置は、主に、核微粒子供給部10、2つの光学測定部
20a・20b、2つの蒸気供給部30a・30b、及
び混合部40からなる。
【0030】核微粒子供給部(微粒子供給部)10は、
核微粒子1を混合部40へと供給するものである。ここ
では、核微粒子1は光学測定部20aを介して供給され
る。各光学測定部20a・20bはそれぞれ、微粒子の
径を測定するもので、光学測定部20aは、混合部40
へと供給される微粒子、つまり、核微粒子供給微粒子1
0より供給される核微粒子1の径を測定し、光学測定部
20bは、混合部40より排出される樹脂被覆微粒子3
の径を測定するものである。
【0031】各蒸気供給部30a・30bはそれぞれ、
内包するモノマーを蒸気化して混合部40へと供給する
もので、蒸気供給部30aはモノマーAを蒸気化し、第
2の蒸気供給部30bはモノマーAとは異種のモノマー
Bを蒸気化する。図2の製造装置においては、樹脂を形
成する樹脂材料としてモノマーAとモノマーBの2種類
を用いるため、蒸気供給部も蒸気供給部30a・30b
の2つが設けられた構成であるが、使用するモノマーの
数に応じて蒸気供給部の配設数を決定すればよい。
【0032】混合部(混合処理部)40は、核微粒子供
給部10より供給される核微粒子1と、各蒸気供給部3
0a・30bよりそれぞれ供給されるモノマーA及びモ
ノマーBの蒸気とを混合し、核微粒子1の表面にモノマ
ーA及びモノマーBをそれぞれ凝縮させ、両モノマーを
重合させて樹脂を形成させるものである。
【0033】上記の核微粒子供給部10、各光学測定部
20a・20b、各蒸気供給部30a・30b、及び混
合部40の構成について図面等を用いて詳細に説明す
る。
【0034】まず、核微粒子供給部10であるが、ここ
では、微粒子を液体に懸濁させてなる微粒子懸濁液を液
滴にし、この液滴を混合部40へと搬送する間に乾燥さ
せて核微粒子1とする構成となっている。微粒子懸濁液
を用いることで、撹拌による微粒子同士の摩擦帯電もな
く、微粒子を問題なく搬送でき、また、均等な大きさを
有する核微粒子1を効率よく得やすい。
【0035】微粒子懸濁液に用いられる液体としては、
乾燥を考慮すると、揮発性の高い液体であることが好ま
しい。揮発性の高い液体を用いることで、混合部40に
至るまでに液体が蒸発し、核微粒子の表面にモノマーA
及びモノマーBの各蒸気が凝縮し易くなる。揮発性の高
い液体としては、例えば液化ガス等が挙げられる。液化
ガスは、揮発度が極めて高く、その上、核微粒子1の表
面に凝縮したモノマーA及びモノマーBの重合を妨げる
こともない。
【0036】図9に、核微粒子供給部10の機能ブロッ
ク図を示す。核微粒子供給部10において粒子懸濁液の
液滴は気体にて搬送されるが、ここで、加熱部を設けて
気体を加熱しておくことが好ましい。搬送用の気体を加
熱しておくことで、微粒子懸濁液の液滴生成部にて生成
された液滴(ミスト状)はこの熱で加熱されて速やかに
乾燥する。
【0037】また、冷却部及び乾燥部を設けておき、液
滴を搬送する気体に冷却部、乾燥部を通過させる構成と
することが好ましい。冷却部を通過させることで、気体
中に含まれる液体の蒸気は搬送路の管壁等に凝縮し、気
体が乾燥し、さらに乾燥部を通過させることでさらなる
気体を乾燥させ得る。
【0038】核微粒子1の搬送に用いる気体としては、
核微粒子1やそれを懸濁している液体と反応する虞れの
ない、不活性ガスが好ましい。
【0039】また、微粒子懸濁液に用いられる液体や輸
送のために用いられる気体は何れも、塵埃が除去された
清浄液体、清浄気体であることが好ましい。これは、仮
に上記液体や気体に塵埃が含まれていると、この塵埃が
核微粒子1の代わりに核として機能し、この塵埃の表面
にモノマーA及びモノマーBの蒸気が凝縮する虞れがあ
るからである。
【0040】核微粒子供給部10より供給された核微粒
子1は、図2に示すように、光学測定部20aを介し
て、冷却装置60を有する導入管(微粒子導入管)10
3内を通って冷却された後、混合部40へと送られる。
【0041】上記核微粒子供給部10の構成例を、図3
〜図7に示す。図3に示す核微粒子供給部110は、微
粒子懸濁液を噴霧して微粒子を含む液滴を生成するもの
である。この核微粒子供給部110は、ケーシング10
a、ノズル11、懸濁液供給管15、バッフル16、及
び液滴供給管18等を備えている。ノズル11の先端部
11a、懸濁液供給管15の上端部15a、バッフル1
6の先端部16aは、ほぼ一直線上にかつ水平となるよ
うに配置されている。
【0042】ケーシング10aには、酸化チタン等から
なる微粒子を液体に懸濁してなる懸濁液22が所定量仕
込まれている。懸濁液供給管15は、支持部材17によ
ってノズル11に固定されている。懸濁液供給管15
は、その下端部が懸濁液22に浸漬されて開口してお
り、上端部15aに対しノズル11より不活性ガスが水
平に吹き付けられて内部が減圧状態となることにより、
懸濁液22を上端部15aまで吸い上げるようになって
いる。
【0043】ノズル11は、ケーシング10aにおける
液滴供給管18に対向する位置に配設されており、不活
性ガス(搬送用の気体)をケーシング10a内部に供給
する。ノズル11は、その先端部11aから懸濁液供給
管15の上端部15aに不活性ガスを水平に吹き付けて
懸濁液22を噴霧することによって、懸濁液22を液滴
状(ミスト状)にするようになっている。
【0044】ノズル11は、エアーフィルタ13及びミ
スト除去部12を介して図示しない不活性ガス供給装置
に接続されている。上記のミスト除去部12及びエアー
フィルタ13は、ケーシング10aに清浄な不活性ガス
が供給されるように、不活性ガスに含まれる塵埃等の不
純物を除去するようになっている。
【0045】エアーフィルタ13は、気体中に含まれる
塵埃を確実に除去することができるものであれば特に限
定されるものではないが、たとえば、バグフィルタ・H
EPAフィルタ・ULPAフィルタの少なくとも1つが
用いられることが好ましい。また、上記各フィルタを組
み合わせてもよい。
【0046】バッフル16は、懸濁液供給管15に固定
されており、球状の先端部16aを有している。バッフ
ル16は、その先端部16aに、懸濁液供給管15の上
端部15aにて形成された液滴が不活性ガスと共に衝突
することにより、径の比較的大きな液滴(基本の核微粒
子が多数含まれている液滴等)を除去するようになって
いる。
【0047】核微粒子供給部10より排出する液滴の最
大径は、このバッフル16の先端部16aの大きさを適
宜調節することによって、任意に制御することができ
る。
【0048】また、液滴の単位時間当たりの供給量は、
懸濁液供給管15の管径、不活性ガスの流量及び圧力等
の噴霧条件を調節することによって、任意に制御するこ
とができる。尚、バッフル16によって除去された液滴
は、バッフル16を伝って流れ落ち、懸濁液22として
再利用される。
【0049】図4に示す核微粒子供給部210も、図3
の核微粒子供給部110と同様に、微粒子懸濁液を噴霧
して微粒子を含む液滴を形成するものである。
【0050】図5に示す核微粒子供給部310は、懸濁
液22を遠心力を利用して液膜を振り切り微小な核微粒
子1を含む液滴を形成するアトマイザー式である。アト
マイザー式の核微粒子供給部310は、懸濁液22が高
濃度で粘度が大きい場合でも、小径の液滴を製造するこ
とができる。
【0051】この核微粒子供給部310では、筒状のケ
ーシング119の中央部に回転部160が円板状に設け
られ、この回転部160の中央真上に懸濁液22を供給
するノズル111が設けられている。また、回転部16
0の上方側には、ケーシング119の端部開口を覆うス
クリーン112が配設されており、このスクリーン11
2を通して不活性ガス(搬送用の気体)が回転部160
に対して吹き付けられる。
【0052】回転部160の周囲には、懸濁液22から
生成した、微小な核微粒子を含む液滴における、所望す
る径を有する液滴のみを混合部40に導入するための通
路113が設けられている。また、回転部160の下方
側には、懸濁液22の振り切りにより生じる所望の大き
さより小さな径を有する液滴を回収して排出する排出路
114が設けられている。
【0053】このような核微粒子供給部310において
は、不活性ガスを吹き付けながら、懸濁液22をノズル
111により高速回転している回転部160上に滴下す
る。回転部160上にて液膜となった懸濁液22が遠心
力により回転部160の外縁部から外方に振り切られて
液滴(ミスト状)となる。液滴は、吹き付けられる不活
性ガスにより通路113を介して混合部40に搬送され
る。また、例えば粒径が小さすぎる不要な液滴は、分別
されて排出路114により排出される。
【0054】図6に示す核微粒子供給部410は、オリ
フィス161から吹き出る懸濁液22のジェット噴流に
対し、さらに超音波振動を与えることにより、懸濁液2
2から、液滴を発生するものである。
【0055】この核微粒子供給部410では、懸濁液2
2は導入管150によりオリフィス161に導入され
る。オリフィス161は、ピエゾ素子などの振動部材1
70により超音波振動されており、オリフィス161か
ら吹き出る懸濁液22のジェット噴流はこの振動にて液
滴状となる。一方、オリフィス161等を収納する空間
部116の下方側には、不活性ガス(搬送用の気体)を
供給するガス供給管117が配設されている。オリフィ
ス161にて生成された液滴は、ガス供給管117から
供給される不活性ガスによる気体輸送にて混合部40へ
と搬送される。ここで、液滴の生成率は、振動部材17
0の振動周波数で制御される。
【0056】図7に示す核微粒子供給部510は、超音
波振動により液滴を発生するものである。この核微粒子
供給部510では、ケーシング119内の下方に設けら
れた槽状の供給部163に懸濁液22が供給される。こ
の供給部163の底面は、下方に凸に湾曲したわん曲板
162からなり、その下方には、ピエゾ素子などの超音
波振動を発生する振動部材170が配置されている。供
給部163と振動部材170との間は、振動部材170
からの超音波振動を供給部163に伝達する媒体となる
空気層180が形成されている。
【0057】供給部163内の懸濁液22は、振動部材
170より発生する超音波振動にてわん曲板162が振
動することで液滴となる。液滴は、ケーシング119の
上方に配設されたガス供給管117より供給される不活
性ガス(搬送用の気体)によって排出口118から混合
部40へと搬送される。
【0058】そして、上述した各核微粒子供給部310
・410・510においても、核微粒子供給部110・
210と同様に、液滴の径を調整できる構成となってい
ることが好ましい。
【0059】液滴の径を調節する方法としては特に限定
されるものではないが、例えば図8に示すように、上述
した振り切りにより液滴を生成する核微粒子供給部31
0では、通路113内に通路113内を流路方向に沿っ
て分割するように仕切り板115を設けてもよい。この
ような仕切り板115の設定位置により、所望の大きさ
の液滴のみを、混合部40に輸送することができる。ま
た、核微粒子供給部410・510では、振動部材17
0による振動周波数を変えることにより、液滴の大きさ
をそれぞれ可変することができる。
【0060】次に、各光学測定部20a・20bである
が、図10に示すように、何れも筐体内部に、光源2
6、レンズ23、透光板24a・24b、光検出部25
等が配設されている。光源26から出射された光は、筐
体21の内部に導入された微粒子によって散乱及び減光
することにより、その光量が変化する。これにより、入
射された光量に応じて光検出部25から出力される信号
に基づいて、微粒子径及び個数濃度を測定できる。
【0061】各光学測定部20a・20bを用いて、核
微粒子1及び樹脂被覆微粒子3の微粒子径及び個数濃度
を測定することにより、核微粒子1の異常や樹脂被覆微
粒子の異常等を速やかに発見でき、樹脂被覆微粒子の製
造工程を管理できる。
【0062】なお、ここでは、各光学測定部20a・2
0bは、光透析・散乱法を採用して粒子径を測定する構
成となっているが、測定法は特に限定されるものではな
く、例えば、X線透過法、沈降法、レーザ回折・散乱
法、動的散乱を利用した光子相関法等を採用することも
できる。また、光学的に測定する方法以外に、光学顕微
鏡や電子顕微鏡を使用する画像処理解析法等を採用する
こともできる。個数濃度に関しては、例えば光透過法に
より求めることができる。
【0063】次に、各蒸気供給部30a・30bである
が、図2に示すように、水平方向に延びる細長い円柱形
状または角柱形状をなす構造を有している。各蒸気供給
部30a・30bは、外壁を構成するステンレス等から
なる本体壁31を有し、この本体壁31内部に形成され
る密閉可能な空間部に蒸気生成箱32が配設されてい
る。
【0064】蒸気生成箱32は、箱内に封入された樹脂
材料であるモノマー(モノマーA或いはモノマーB)を
蒸気に変え、飽和蒸気空間を形成するものである。蒸気
生成箱32は、壁面の一部が、セラミックスや不織布な
どの多孔質材料からなる多孔質壁部32aで構成されて
いる。また、蒸気生成箱32は、混合部40とは反対の
方が下となるような傾斜を有しており、最下部となる位
置にモノマーを貯留する貯留槽32bを有している。
【0065】蒸気に変えるモノマーは、多孔質壁部32
aに付着または含浸されるか、或いは、貯留槽32bに
貯留される。蒸気生成箱32内に発生したモノマーの蒸
気で過飽和状態となって蒸気生成箱32の壁面に凝縮し
たモノマーは、傾斜した壁面をつたって貯留槽32bに
回収される。
【0066】蒸気生成箱32の加熱は、本体壁31の外
周に巻き付けられたリボンヒータ等からなる加熱装置3
3にて行われる。図示しない温度制御手段にてこの加熱
装置33の出力が制御されることで、本体壁31側から
その内部を所望の温度に調整され、蒸気生成箱32内の
モノマーが蒸気化する。
【0067】また、蒸気生成箱32には、該蒸気生成箱
32内にモノマー蒸気搬送用の気体を供給するための気
体供給管34が配設されている。この気体としては、こ
こでもモノマー蒸気等との反応のおそれのない不活性ガ
ス等を用いることが好ましい。また、モノマー蒸気の温
度を保持して、混合部40での凝集が速やかに起こるよ
うにするために、この気体は予め加熱しておくことが好
ましい。
【0068】そして、この気体供給管34にも、エアー
フィルタ13及びミスト除去部12が接続されており、
気体に含まれる不純物を除去して清浄な気体を蒸気生成
箱32に供給するようになっている。これも、仮に上記
気体に塵埃が含まれていると、この塵埃が核微粒子1の
代わりに核として機能し、この塵埃の表面にモノマーA
及びモノマーBの蒸気が凝縮する虞れがあるからであ
る。
【0069】このような各蒸気供給部30a・30bで
作られたモノマーA及びモノマーBの各飽和蒸気は、各
々の蒸気生成箱32より延びる導入管(蒸気導入管)1
03を通して混合部40へと送られる。
【0070】混合部40は、図2に示すように、処理空
間部41と、緩冷却部42とからなる。処理空間部41
は、蒸気供給部30aより供給されるモノマーAの飽和
蒸気と、第2蒸気供給部30bより供給されるモノマー
Bの飽和蒸気と、核微粒子供給部10より供給される核
微粒子1とを混合する空間部であり、この空間部におい
て、核微粒子1表面へのモノマーA及びモノマーBの凝
縮が起こり始める。
【0071】緩冷却部42は、処理空間部41と樹脂被
覆微粒子の排出口45を繋ぐ管状形状であり、処理空間
部41を経て通過する、核微粒子1、モノマーAの蒸
気、モノマーBの蒸気を緩やかに冷却して、上述した核
微粒子1表面へのモノマーA及びモノマーBの凝縮を促
進し、核微粒子1の表面への樹脂の成膜を促す空間であ
る。
【0072】また、図11(a)(b)に示すように、核
微粒子供給部10及び各蒸気供給部30a・30bより
混合部40へと、核微粒子1、モノマーA及びモノマー
Bの各蒸気の導入を行う3本の導入管103は、1つの
配管内に集約されて複合導入管70として配設されてい
る。このような複合導入管70を用いることで、装置構
成の複雑化を回避して構成の簡素化が図れる。
【0073】また、上記複合導入管70においては、各
微粒子1を導入する導入管103とモノマーA及びモノ
マーBの各蒸気を導入する導入管103との間に断熱材
を設けていることが特に好ましい。これは、上述したよ
うに、核微粒子1の表面にモノマーA及びモノマーBの
蒸気を凝縮させるために、核微粒子1は冷却し、モノマ
ー蒸気の方は加熱しておくことが望ましく、両者の間に
温度差があり、かつそれを保持する必要があるためであ
る。
【0074】ここで用いられる断熱材としては、アルミ
ナ粉末等の粉末・微粒子状断熱材、発泡スチレン・発泡
ウレタン等の固体断熱材、或いはガラス繊維・シリカや
アルミナ繊維等の線状断熱材がある。
【0075】図1の工程図に基づいて、上記構成の樹脂
被覆微粒子の製造装置を用いた樹脂被覆微粒子を製造手
順を説明する。
【0076】まず、モノマーAを、蒸気供給部30aに
おける蒸気生成箱32の多孔質壁部32aに付着または
含浸させる(P1)。次いで、加熱装置33を用いて蒸
気供給部30aを加熱し、蒸気生成箱32内を予め定め
る設定温度とし、モノマーAの飽和蒸気を生成する(P
2)。
【0077】続いて、同様に、モノマーBを、蒸気供給
部30bにおける蒸気生成箱32の多孔質壁部32aに
付着または含浸させ(P3)、加熱装置33を用いて蒸
気供給部30bを加熱し、蒸気生成箱32内を予め定め
る設定温度とし、モノマーBの飽和蒸気を生成する(P
4)。
【0078】次に、蒸気供給部30a・30bよりモノ
マー蒸気が送られる混合部40における処理空間部41
を、温度調節器(図示せず)にて予め定める設定温度と
なるように調整する(P5)。
【0079】混合部40が設定温度となると、混合部4
0へ、蒸気供給部30a・30bよりモノマーA及びモ
ノマーBの飽和蒸気、及び予め定める温度にまで冷却し
た核微粒子1を同時に導入し、蒸気供給部30a・30
bよりモノマーA及びモノマーBの飽和蒸気を混合部4
0の処理空間部41にて混合する(P6)。
【0080】ここで、モノマーA及びモノマーBの各飽
和蒸気は、冷却された核微粒子1と接触することで核微
粒子1の周りが過飽和状態となり、核微粒子1の周囲に
凝縮し始める。そして、処理空間部41を経てその先の
緩冷却部42にて緩やかに冷却されることで、モノマー
A及びモノマーBの核微粒子1表面への凝縮が促進さ
れ、凝縮したモノマーA及びモノマーBは重合し、樹脂
となり、核微粒子1は樹脂にて被覆され樹脂被覆微粒子
3となる。
【0081】その後、所定の時間経過し、光学測定器2
0bにて径を測定し、樹脂被覆微粒子3が所定の径にま
で成長すると、樹脂被覆微粒子3を装置外へ取り出し、
処理が終了する(P7)。
【0082】ここで、樹脂被覆微粒子3の径、すなわ
ち、樹脂の膜の厚さは、各蒸気発生部30a・30bの
加熱温度、清浄ガスの流速、核微粒子1の温度、及び、
処理空間部41の温度などを適宜設定することによっ
て、容易に制御することができる。
【0083】また、混合部40において、核微粒子1を
モノマーA及びモノマーBの過飽和蒸気に曝す時間は、
清浄気体の流速、及び、緩冷却部42の管長さなどを適
宜設定することによって、容易に調節することができ
る。
【0084】このような手順にて、所望の厚さの樹脂膜
が形成された樹脂被覆微粒子3を、簡単にかつ連続的に
製造することができる。
【0085】なお、このような製造装置を用いて樹脂被
覆微粒子3を製造する際には、装置内を、たとえば搬送
用に用いる不活性ガスなどの清浄気体であらかじめ置換
しておくことが望ましい。
【0086】また、一度の樹脂膜の形成では十分な厚み
が得られない場合は、蒸気供給部30a・30bと混合
部40とを1つのユニットとし、このユニットを複数個
直列に連結すればよい。、つまり、最下段のユニットに
おける排出口45を、その上の段のユニットの核微粒子
1が供給される導入管103に連結する。
【0087】このとき、各ユニットにおいては、それぞ
れ異なるモノマーを用いてもよいし、同一のモノマーを
用いてもよい。異なるモノマーを用いる場合では、被改
質粒子の表面上に複数の重合体の膜を形成することがで
きる。一方、同一のモノマーを用いる場合では、重合体
の膜厚をより厚くすることが可能である。
【0088】
【実施例】次に、本発明にかかる樹脂微粒子製造方法の
具体的な実施例について、図2及び図12に基づいて説
明する。なお、図12は、本発明にかかる樹脂微粒子の
製造方法の処理手順を示す工程図である。
【0089】本実施例では、核微粒子1としては、酸化
チタンよりなる微粒子を用い、この酸化チタン微粒子の
表面に被膜する樹脂としては、1,6-ジアミノヘキサン及
びアジポイルクロリドを重合して得られるポリアミド樹
脂を用いている。
【0090】まず、蒸気供給部30aにおける蒸気生成
箱32の多孔質壁部32aに樹脂材料であるアジポイル
クロリドを含ませた(P11)。次に、図示しない制御
装置により加熱装置33を制御することにより、加熱装
置33によって多孔質壁部32aの温度が430Kとな
るように調節した(P12)。これにより、空間にアジ
ポイルクロリドの飽和蒸気が生成した。
【0091】次に、蒸気供給部30bにおける蒸気生成
箱32の多孔質壁部32aに樹脂材料である1,6-ジアミ
ノヘキサンを含ませた(P13)。次に、図示しない制
御装置により加熱装置33を制御することにより、加熱
装置33によって多孔質壁部32aの温度が470Kと
なるように調節した(P14)。これにより、空間に1,
6-ジアミノヘキサンの飽和蒸気が生成した。
【0092】次に、図示しない制御装置によって混合部
40に設けられた図示しない温度調節器を制御して、混
合部40内の処理空間部41の温度を310Kに加熱し
た(P15)。
【0093】次に、処理空間部41に、核微粒子22と
して、酸化チタン微粒子を微粒子導入口46から導入
し、また、蒸気供給部30a及び蒸気供給部30bより
アジポイルクロリド及び1,6-ヘキサンジアミンの高温飽
和蒸気をそれぞれ導入し、酸化チタン微粒子を、処理空
間部41内に充満したアジポイルクロリド及び1,6-ヘキ
サンジアミンの高温飽和蒸気と混合した(P16)これ
により、処理空間部41にてアジポイルクロリド及び1,
6-ヘキサンジアミンの飽和蒸気と酸化チタン微粒子が混
合されアジポイルクロリド及び1,6-ヘキサンジアミンの
飽和蒸気は酸化チタン微粒子により冷却され過飽和状態
となり凝縮が生じた。その後、緩やかに冷却を行う管状
の緩冷却部42内で、酸化チタン微粒子の表面上にアジ
ポイルクロリドの蒸気及び1,6-ヘキサンジアミンの蒸気
のさらなる凝縮が生じた。
【0094】その結果、酸化チタン微粒子の表面上にア
ジポイルクロリド及び1,6-ヘキサンジアミンが凝縮し
た。これにより、酸化チタン微粒子表面上でアジポイル
クロリドと1,6-ヘキサンジアミの重縮合反応が起こって
ポリアミド樹脂が生成し、ポリアミド樹脂膜を表面に有
する樹脂被覆微粒子3が得られた。
【0095】上記樹脂被覆微粒子3の径を光学測定部3
0bにより測定したところ、上記樹脂被覆微粒子3は、
一次微粒子径4μm のほぼ大きさの揃った微粒子であっ
た。その後、この樹脂被覆微粒子3を排出口45から装
置外に排出させ、処理を終了した(S17)。
【0096】なお、本発明にかかる樹脂被覆微粒子の製
造方法は、上記に示した方法のみに限定されるものでは
なく、所望の樹脂被覆微粒子を得るためには、上記実施
例以外のステップを組み入れても構わない。
【0097】
【発明の効果】本発明の樹脂被覆微粒子の製造方法は、
以上のように、樹脂材料を蒸気化して微粒子表面に凝縮
させ、凝縮した樹脂材料間で重合させて微粒子表面に樹
脂の被膜を形成する工程を含むものである。
【0098】これにより、製造中の微粒子の帯電による
搬送不良等の不具合を伴うこともなく、また、簡便な装
置及び操作で製造でき、かつ、数ナノメートルから数十
ミクロンの樹脂被覆微粒子を短時間で製造し得る樹脂被
覆微粒子の製造方法を提供できるという効果を奏する。
【0099】本発明の樹脂被覆微粒子の製造装置は、上
記の課題を解決するために、微粒子を気体と共に供給す
る微粒子供給部と、樹脂材料を蒸気化して樹脂材料を含
む雰囲気を形成する複数の蒸気供給部と、上記微粒子供
給部より供給される微粒子と、複数の蒸気供給部よりそ
れぞれ供給される各樹脂材料の蒸気とを混合して微粒子
表面に各樹脂材料を凝縮させる混合処理部とを備えてい
ることを特徴としている。
【0100】これにより、製造中の微粒子の帯電による
搬送不良等の不具合を伴うこともなく、また、簡便な装
置及び操作で製造でき、かつ、数ナノメートルから数十
ミクロンの樹脂被覆微粒子を短時間で製造し得る樹脂被
覆微粒子の製造方法を実施できる製造装置を提供できる
という効果を奏する。
【0101】また、上記の製造方法においては、上記の
樹脂材料が、少なくとも2種類の化合物であることが好
ましく、これにより、樹脂材料として異種のモノマーを
含む2種類以上の化合物を選択し、これらを各々別個に
蒸気化することで、核となる微粒子に、気相中で連続的
に樹脂を合成し、製造することができる。
【0102】また、上記の製造装置においては、微粒子
供給部より供給される微粒子を処理部へと導入する微粒
子導入管と、各蒸気供給部より供給される樹脂材料の蒸
気を処理部へと導入する各蒸気導入管とが、1つの配管
内に組み込まれた構成とすることが望ましく、さらに
は、微粒子導入管と各蒸気導入管との間に、断熱材が介
在されていることが好ましい。
【0103】複合導入管とすることで、樹脂材料の種類
が増加して蒸気導入管の本数が増加しても、装置構成を
複雑化せず、装置構成の簡素化が図れ、かつ、導入管間
に断熱材を設けることで、複数の導入管を1本化して装
置構成の簡素化を図りつつ、樹脂被覆微粒子の製造も不
具合なくスムーズに実施できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る実施の一形態の樹脂被覆微粒子の
製造方法の工程図である。
【図2】本発明に係る実施の形態の樹脂被覆微粒子の製
造装置の概略図である。
【図3】上記樹脂被覆微粒子の製造装置における核微粒
子供給部の一構成例の概略図である。
【図4】上記樹脂被覆微粒子の製造装置における核微粒
子供給部の一構成例の概略図である。
【図5】上記樹脂被覆微粒子の製造装置における核微粒
子供給部の一構成例の概略図である。
【図6】上記樹脂被覆微粒子の製造装置における核微粒
子供給部の一構成例の概略図である。
【図7】上記樹脂被覆微粒子の製造装置における核微粒
子供給部の一構成例の概略図である。
【図8】上記樹脂被覆微粒子の製造装置における核微粒
子供給部の一構成例の概略図である。
【図9】上記樹脂被覆微粒子の製造装置における核微粒
子供給部の機能ブロック図である。
【図10】上記樹脂被覆微粒子の製造装置における光学
測定部の一構成例の概略図である。
【図11】上記樹脂被覆微粒子の製造装置における混合
部へとモノマー蒸気及び核微粒子を導入する複合導入管
の構成を示す説明図である。
【図12】本発明に係る実施例の樹脂被覆微粒子の製造
方法の工程図である。
【符号の説明】
1 核微粒子(微粒子) 3 樹脂被覆微粒子 10 核微粒子供給部(微粒子供給部) 30a 蒸気供給部 30b 蒸気供給部 40 混合部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F006 AA38 AA55 AB38 EA01 4F070 AA54 AB09 AC15 AC23 AC76 AE01 BA02 BA03 BA04 BA07 BA08 DA01 DB04 DC13 4G004 BA00 4K018 BC30

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】樹脂材料を蒸気化して微粒子表面に凝縮さ
    せ、凝縮した樹脂材料間で重合させて微粒子表面に樹脂
    の被膜を形成する工程を含むことを特徴とする樹脂被覆
    微粒子の製造方法。
  2. 【請求項2】微粒子表面に樹脂の被膜を形成する上記の
    工程において、樹脂材料の蒸気と混合する前に微粒子を
    冷却しておくことを特徴とする請求項1記載の樹脂被覆
    微粒子の製造方法。
  3. 【請求項3】微粒子表面に樹脂の被膜を形成する上記の
    工程において、微粒子と混合する前に樹脂材料の蒸気を
    加熱しておくことを特徴とする請求項1又は2記載の樹
    脂被覆微粒子の製造方法。
  4. 【請求項4】上記の樹脂材料は、少なくとも2種類の化
    合物であることを特徴とする請求項1ないし3の何れか
    に記載の樹脂被覆微粒子の製造方法。
  5. 【請求項5】微粒子表面に樹脂の被膜を形成する上記の
    工程を2回以上繰り返して行うことを特徴とする請求項
    1ないし4の何れかに記載の樹脂被覆微粒子の製造方
    法。
  6. 【請求項6】異なる化合物の組み合わせで、微粒子表面
    に樹脂の被膜を形成する上記の工程を2回以上繰り返し
    て行うことを特徴とする請求項4記載の樹脂被覆微粒子
    の製造方法。
  7. 【請求項7】微粒子を気体と共に供給する微粒子供給部
    と、 樹脂材料を蒸気化して樹脂材料を含む雰囲気を形成する
    複数の蒸気供給部と、 上記微粒子供給部より供給される微粒子と、複数の蒸気
    供給部よりそれぞれ供給される各樹脂材料の蒸気とを混
    合して微粒子表面に各樹脂材料を凝縮させる混合処理部
    とを備えていることを特徴とする樹脂被覆微粒子の製造
    装置。
  8. 【請求項8】微粒子供給部より供給される微粒子を処理
    部へと導入する微粒子導入管と、各蒸気供給部より供給
    される樹脂材料の蒸気を処理部へと導入する各蒸気導入
    管とが、1つの配管内に組み込まれていることを特徴と
    する請求項7記載の樹脂被覆微粒子の製造装置。
  9. 【請求項9】上記配管内における微粒子導入管と各蒸気
    導入管との間に、断熱材が介在されていることを特徴と
    する請求項8記載の樹脂被覆微粒子の製造装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7068273B2 (en) 2002-01-28 2006-06-27 Konami Corporation Recording medium which stores 3D image processing program, 3D image processor, 3D image processing method, and video game machine
JP2015063722A (ja) * 2013-09-24 2015-04-09 トヨタ自動車株式会社 鉄粉成形方法

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