JP2000105064A - 保存装置 - Google Patents
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Abstract
たペアガラス構造のガラス扉を備えたショウケース、低
温フリーザなどの保存装置であって、印刷インキ層がガ
ラスとよく接着する上、耐湿性、耐摩耗性、耐久性など
に優れた保存庫を提供する。 【解決手段】 印刷インキ層を二液型常温硬化型アクリ
ルシリコン塗料を用いて形成する。アミン基を有するア
クリル骨格を有する主剤と、エポキシ基を有するシラン
カップリング構造を有する硬化剤とからなる二液型常温
硬化型アクリルシリコン塗料が好ましく使用できる。例
えばスクリーン印刷により印刷インキ層を好ましく形成
できる。
Description
フリーザ、家庭用冷蔵庫、業務用冷蔵庫、プレハブ式冷
蔵庫、自動販売機、業務用温蔵庫などとして用いられる
保存装置に関するものである。
ビスマーク、シンボルマーク、絵柄などの印刷インキ層
を設けたガラス扉を備えた業務用冷蔵庫、プレハブ式冷
蔵庫、自動販売機、業務用温蔵庫などとして用いられる
保存装置がある。この印刷インキ層の形成にはアミノア
ルキッド系塗料、エポキシ樹脂系塗料、二液型ウレタン
系塗料などが用いられている。これらの塗料はガラスと
ある程度接着するが、耐湿性がなく、庫内が冷却されて
ガラス表面に着霜が起こると剥離してしまったり、50
℃、98%で10日放置後、碁盤の目テストを行うと印
刷インキ層が剥離してしまう問題があった。また、耐摩
耗性に劣り、引き戸式ガラス扉をスライドさせて一方の
ガラス表面が他方のガラス表面に形成した印刷インキ層
に擦れると剥離してしまう問題があった。
性、耐久性などが特に要求される場合は通常、高温焼き
付け型塗料が用いられている。しかし、ガラス扉がペア
ガラス構造のガラス扉である場合は、塗料を表面に印刷
後、高温焼き付けすることができないので、高温焼き付
け型塗料を使用できないという問題があった。
焼き付け型塗料を用いることなく表面に印刷インキ層を
設けたペアガラス構造のガラス扉を備えたショウケー
ス、低温フリーザ、家庭用冷蔵庫、業務用冷蔵庫、プレ
ハブ式冷蔵庫、自動販売機、業務用温蔵庫などとして用
いられる据付型あるいは移動可能な保存装置であって、
印刷インキ層がガラスとよく接着する上、耐湿性、耐摩
耗性、耐久性などに優れた保存庫を提供することであ
る。
めの請求項1の発明は、表面に印刷インキ層を設けたペ
アガラス構造のガラス扉を備えた保存装置であって、印
刷インキ層が二液型常温硬化型アクリルシリコン塗料を
用いて形成されていることを特徴とする保存装置であ
る。
の保存装置において、二液型常温硬化型アクリルシリコ
ン塗料が、アミン基を有するアクリル骨格を有する主剤
と、エポキシ基を有するシランカップリング構造を有す
る硬化剤とからなることを特徴とする。
いは請求項2記載の保存装置において、スクリーン印刷
により印刷インキ層が形成されていることを特徴とす
る。
請求項3のいずれかに記載の保存装置において、保存装
置がショウケース、低温フリーザ、家庭用冷蔵庫、業務
用冷蔵庫、プレハブ式冷蔵庫、自動販売機あるいは業務
用温蔵庫であることを特徴とする。
アクリルシリコン塗料は、ペアガラス構造のガラスの上
に印刷して、常温で硬化させて、ガラスとの接着性がよ
く、耐湿性、耐摩耗性、耐久性などに優れた印刷インキ
層を形成できるような二液型アクリルシリコン塗料であ
れば特に限定されるものではない。
ミン基(NR2 )(Rは水素、アラルキル基などであ
り、脂肪族第1級アミン、脂肪族第2級アミン、脂肪族
第3級アミン、脂肪族不飽和アミン、脂環式アミン、芳
香族アミン由来のアミン基を包含する)を有するアクリ
ル骨格を有する主剤と、構造式(2)で示されるような
エポキシ基を有するシランカップリング構造を有する硬
化剤とからなる二液型常温硬化型アクリルシリコン塗料
は好ましく使用できる。このような主剤と硬化剤とから
なる二液型常温硬化型アクリルシリコン塗料は市販され
ており、本発明においては市販品を使用することもでき
る。市販品の例としては、カシュー(株)製のアスコー
ト#300S、アスコート#300J、アスコート#1
16Jなどを挙げることができる。
構造式(2)で示される硬化剤とを例えば配合比(重量
比)10:1で配合し、有機系や無機系の顔料、各種添
加剤(例えば、酸化防止剤、レベリング剤、紫外線吸収
剤、耐熱性向上剤、滑剤など)などを添加して十分に混
合し、必要に応じてシンナーで希釈して二液型アクリル
シリコン塗料を調製する。可使時間は30℃で5〜10
時間程度であるので、調製後なるべく早く使用するのが
好ましい。
料をペアガラス構造のガラスの上に印刷して印刷インキ
層を形成する手段は、公知のグラビア印刷法、オフセッ
ト印刷層、凸版印刷法、フレキソ印刷法、刷毛塗り法、
スプレー印刷法、スクリーン印刷法などのいずれの方法
でも可能であり、特に限定するものではない。しかし複
雑な模様の版下が容易に作成できる、塗り重ねにより多
色印刷ができるなどの点でスクリーン印刷法は経済的で
あり好ましく使用できる。
ついて次に述べる。ペアガラス構造のガラスの上に印刷
された二液型アクリルシリコン塗料中の硬化剤のエポキ
シ基が先ず主剤のアミン基と常温で反応し、次いで空気
中の水分によりアルコキシ基が加水分解され、脱水反応
によりシロキサン結合を有する中間重縮合生成物が形成
されるものと考えられる。この中間重縮合生成物が有す
る水酸基がガラス表面に存在する水酸基と常温で脱水反
応をおこし、図1に示したようにして中間重縮合生成物
がガラス表面に共有結合により結合するものと考えられ
る。もちろんこれらの考え方に限定されるものではな
い。図1におけるRはアクリル樹脂由来の残基を示す。
このようにして形成された印刷インキ層はその後も空気
中の水分と反応して高分子化が進行する。上記の反応は
常温で進行する。もしペアガラス構造のガラスを60℃
程度に加熱可能である場合は、60℃程度に加熱するこ
とにより硬化時間を例えば20〜30分程度に短縮する
ことができる。
上に形成された印刷インキ層はガラス表面に共有結合に
より強固に結合している上、硬度、RCA摩耗性、往復
スライド摩耗性、消しゴム摩耗性、耐汚染性、耐溶剤
性、耐湿性、耐候性、耐久性などにすぐれている。
詳述する。図2は、ペアガラス構造のガラスの上に印刷
インキ層を形成した引き戸式ガラス扉を備えた本発明の
一実施例を示す保存装置の斜視図である。図2のAはペ
アガラス構造のガラスの断面を説明する説明図である。
本発明の保存装置1は、断熱箱体2の前面の開口部に引
き戸式ガラス扉3を備えており、装置内は図示しない冷
凍装置により冷却された空気をファンにより循環して所
定の冷蔵温度に制御して、ビールなどの商品を冷蔵して
保存するようになっている。引き戸式ガラス扉3は外側
を左右にスライドして開閉するガラス引き戸31と内側
を左右にスライドして開閉するガラス引き戸32の2枚
のガラス引き戸から構成されている。33および34は
それぞれガラス引き戸31およびガラス引き戸32に設
けられた把手溝である。
1およびガラス引き戸32のペアガラス表面に設けられ
た図柄(本発明でいう印刷インキ層)である。図柄35
および36は本発明で用いる前記二液型常温硬化型アク
リルシリコン塗料[カシュー(株)製のアスコート11
6J]をペアガラス表面に印刷して、常温で硬化させて
設けられたものである。Aにペアガラスの断面を拡大し
て示したように、ペアガラスは2枚のガラス37と38
の間に空気39がサンドイッチして密閉された構造を有
しており、外面のガラス37の表面に図柄36が形成さ
れている。
を矢印で示した方向にスライドさせて開ける際には、ガ
ラス引き戸31の内表面がガラス引き戸32のガラス3
7の表面および図柄36に接触して擦れるが、図柄36
が剥離することがなかった。また、装置が冷却されてガ
ラス37などの表面に着霜が起きても図柄35や36が
剥離することがなかった。
のペアガラス表面に設けられた図柄35および36につ
いて硬度、RCA摩耗性、往復スライド摩耗性、消しゴ
ム摩耗性、耐汚染性、耐溶剤性、耐湿性などを試験した
結果を次に示す。 硬度:鉛筆硬度2H程度が得られた。 RCA摩耗性:12μm厚の図柄35、36(印刷イン
キ層)をRCA摩耗試験機で試験して、300回〜40
0回の結果が得られた。 往復スライド摩耗性:1kg荷重で20万回〜30万回
の結果が得られた。 消しゴム摩耗性:1.6kg荷重で200万回〜300
万回の結果が得られた。 耐汚染性:ニベアクリーム、バター、汗などによる汚染
に対して耐汚染性が高かった。 耐溶剤性:アルカリ、酸、メタノール、エタノール、M
EK、ガソリンなどに対して耐溶剤性が高かった。 耐湿性:50℃、98%で10日放置後、碁盤の目テス
トで印刷インキ層が剥離しなかった。 以上の試験結果から、高温焼き付け型塗料を使用した場
合とほぼ同等の優れた結果が得られたことが判る。
のではないので、特許請求の範囲に記載の趣旨から逸脱
しない範囲で各種の変形実施が可能である。例えば上記
の説明では冷蔵温度に制御するタイプの保存装置の例に
ついて述べたが、本発明の保存装置はこれに限定され
ず、低温フリーザ、冷凍庫、温蔵庫などにも適用される
ものであり、また本発明の保存装置は据付型であって
も、あるいは移動車輪や移動用把手などの移動用装置を
設置して移動可能にした保存装置であっても差し支えな
い。
ガラス扉の表面に設けられた印刷インキ層が二液型常温
硬化型アクリルシリコン塗料を用いて形成されているの
で、ガラス表面に共有結合により強固に結合している
上、硬度、RCA摩耗性、往復スライド摩耗性、消しゴ
ム摩耗性、耐汚染性、耐溶剤性、耐湿性、耐候性などに
優れており、高温焼き付け型塗料を使用した場合とほぼ
同等の優れた耐久性を有する。
ル骨格を有する主剤と、エポキシ基を有するシランカッ
プリング構造を有する硬化剤とからなる二液型常温硬化
型アクリルシリコン塗料を用いて形成されれば、優れた
性能を有する印刷インキ層が得られる上、塗料の入手も
容易で経済的である。
する方法は、複雑な模様の版下が容易に作成でき、また
塗り重ねにより多色印刷ができ、そして経済的である。
可能なショウケース、低温フリーザ、家庭用冷蔵庫、業
務用冷蔵庫、プレハブ式冷蔵庫、自動販売機、業務用温
蔵庫などに適用でき、広い用途に用いることができる。
温で脱水反応によりガラス表面に共有結合する反応を説
明する説明図である。
明する斜視図である。
Claims (4)
- 【請求項1】 表面に印刷インキ層を設けたペアガラス
構造のガラス扉を備えた保存装置であって、印刷インキ
層が二液型常温硬化型アクリルシリコン塗料を用いて形
成されていることを特徴とする保存装置。 - 【請求項2】 二液型常温硬化型アクリルシリコン塗料
が、アミン基を有するアクリル骨格を有する主剤と、エ
ポキシ基を有するシランカップリング構造を有する硬化
剤とからなることを特徴とする請求項1記載の保存装
置。 - 【請求項3】 スクリーン印刷により印刷インキ層が形
成されていることを特徴とする請求項1あるいは請求項
2記載の保存装置。 - 【請求項4】 保存装置がショウケース、低温フリー
ザ、家庭用冷蔵庫、業務用冷蔵庫、プレハブ式冷蔵庫、
自動販売機あるいは業務用温蔵庫であることを特徴とす
る請求項1から請求項3のいずれかに記載の保存装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27586198A JP2000105064A (ja) | 1998-09-29 | 1998-09-29 | 保存装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27586198A JP2000105064A (ja) | 1998-09-29 | 1998-09-29 | 保存装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000105064A true JP2000105064A (ja) | 2000-04-11 |
Family
ID=17561462
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP27586198A Pending JP2000105064A (ja) | 1998-09-29 | 1998-09-29 | 保存装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000105064A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN101941337A (zh) * | 2010-07-27 | 2011-01-12 | 江苏德莱仕电器有限公司 | 彩晶玻璃印刷工艺及使用该工艺成品的冰箱门体成型方法 |
-
1998
- 1998-09-29 JP JP27586198A patent/JP2000105064A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN101941337A (zh) * | 2010-07-27 | 2011-01-12 | 江苏德莱仕电器有限公司 | 彩晶玻璃印刷工艺及使用该工艺成品的冰箱门体成型方法 |
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