JP2000102980A - プラスチックフィルムまたはシ―ト状物の高周波接合方法 - Google Patents
プラスチックフィルムまたはシ―ト状物の高周波接合方法Info
- Publication number
- JP2000102980A JP2000102980A JP21348299A JP21348299A JP2000102980A JP 2000102980 A JP2000102980 A JP 2000102980A JP 21348299 A JP21348299 A JP 21348299A JP 21348299 A JP21348299 A JP 21348299A JP 2000102980 A JP2000102980 A JP 2000102980A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- sheet
- film
- plastic film
- dielectric loss
- frequency
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Classifications
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B29—WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
- B29C—SHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
- B29C66/00—General aspects of processes or apparatus for joining preformed parts
- B29C66/70—General aspects of processes or apparatus for joining preformed parts characterised by the composition, physical properties or the structure of the material of the parts to be joined; Joining with non-plastics material
- B29C66/71—General aspects of processes or apparatus for joining preformed parts characterised by the composition, physical properties or the structure of the material of the parts to be joined; Joining with non-plastics material characterised by the composition of the plastics material of the parts to be joined
Landscapes
- Lining Or Joining Of Plastics Or The Like (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】現行の高周波ウエルダーをそのまま使用して、
誘電体損失の小さいフィルムまたはシート相互または該
フィルムまたはシートと他の基材(繊維状物等)との接
合を行うことができる高周波接合方法の提供。 【解決手段】同種または異種の誘電体損失の小さいプラ
スチックフィルムまたはシート状物(ポリオレフィン系
樹脂シート等)1,1’を重ね、その上面、下面または
それらの両方に誘電体損失の大きいプラスチックフィル
ムまたはシート(ナイロンシート,ナイロンとFRPと
の積層シート等)2を重ね、それらを高周波電界(3,
4)中に置き、上記誘電体損失の小さいプラスチックフ
ィルムまたはシート状物を接合することからなるプラス
チックフィルムまたはシート状物の高周波接合方法。
誘電体損失の小さいフィルムまたはシート相互または該
フィルムまたはシートと他の基材(繊維状物等)との接
合を行うことができる高周波接合方法の提供。 【解決手段】同種または異種の誘電体損失の小さいプラ
スチックフィルムまたはシート状物(ポリオレフィン系
樹脂シート等)1,1’を重ね、その上面、下面または
それらの両方に誘電体損失の大きいプラスチックフィル
ムまたはシート(ナイロンシート,ナイロンとFRPと
の積層シート等)2を重ね、それらを高周波電界(3,
4)中に置き、上記誘電体損失の小さいプラスチックフ
ィルムまたはシート状物を接合することからなるプラス
チックフィルムまたはシート状物の高周波接合方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はプラスチックフィル
ムまたはシート状物の高周波接合方法に関し、より詳し
くは高周波ウエルダーを用いて誘電体損失の小さいプラ
スチックフィルムまたはシート状物を接合する方法に関
するものである。
ムまたはシート状物の高周波接合方法に関し、より詳し
くは高周波ウエルダーを用いて誘電体損失の小さいプラ
スチックフィルムまたはシート状物を接合する方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】高周波加熱の工業への応用は非常に多い
が、中でもポリ塩化ビニル等の接合(溶着)加工に用い
られている高周波ウエルダーの使用が群を抜いている。
高周波ウエルダーによる接合は、ポリ塩化ビニルやポリ
塩化ビニリデン等の誘電体損失の大きいプラスチックフ
ィルムを高周波電界中に置くことによるフィルムの内部
発熱によるもので、外部加熱に比べ、接合面が美しいこ
とや接合強度が大きいこと等の非常に優れた特長を有し
ている。また、高周波ウエルダーは接合しようとする任
意の形状の電極(一般に金型と称している)を用いて接
合ないしは溶断でき、生産性が高く、製品の均一性にも
富んでいる。このため、高周波ウエルダーによるポリ塩
化ビニルのシートまたはフィルムの接合は、玩具、文房
具、雨具、袋物、雑貨類等の製造をはじめ、日用品の包
装等、広範囲に利用されている。しかしながら、ポリエ
チレン等の誘電体損失の小さいフィルムやシートは高周
波ウエルダーで若干の内部発熱はあるものの、接合する
には到らない。このため、誘電体損失の小さいフィルム
やシートは外部加熱方式(ヒートシールまたはインパル
スシール等)により加工されるのが一般的である。また
現在、高周波ウエルダーにより誘電体損失の小さいフィ
ルム等を接合するために金型、特に高周波発振ダイを5
0〜80℃に加熱する方法があるが、このためには現行
の装置に変更を加える必要があり、処理装置である高周
波ウエルダー自体が高価となってしまう問題や、特に立
体形状の製品を接合により製造するためには工程数が多
くなり、結果的に高コストとなる問題があった。
が、中でもポリ塩化ビニル等の接合(溶着)加工に用い
られている高周波ウエルダーの使用が群を抜いている。
高周波ウエルダーによる接合は、ポリ塩化ビニルやポリ
塩化ビニリデン等の誘電体損失の大きいプラスチックフ
ィルムを高周波電界中に置くことによるフィルムの内部
発熱によるもので、外部加熱に比べ、接合面が美しいこ
とや接合強度が大きいこと等の非常に優れた特長を有し
ている。また、高周波ウエルダーは接合しようとする任
意の形状の電極(一般に金型と称している)を用いて接
合ないしは溶断でき、生産性が高く、製品の均一性にも
富んでいる。このため、高周波ウエルダーによるポリ塩
化ビニルのシートまたはフィルムの接合は、玩具、文房
具、雨具、袋物、雑貨類等の製造をはじめ、日用品の包
装等、広範囲に利用されている。しかしながら、ポリエ
チレン等の誘電体損失の小さいフィルムやシートは高周
波ウエルダーで若干の内部発熱はあるものの、接合する
には到らない。このため、誘電体損失の小さいフィルム
やシートは外部加熱方式(ヒートシールまたはインパル
スシール等)により加工されるのが一般的である。また
現在、高周波ウエルダーにより誘電体損失の小さいフィ
ルム等を接合するために金型、特に高周波発振ダイを5
0〜80℃に加熱する方法があるが、このためには現行
の装置に変更を加える必要があり、処理装置である高周
波ウエルダー自体が高価となってしまう問題や、特に立
体形状の製品を接合により製造するためには工程数が多
くなり、結果的に高コストとなる問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような現
状を考慮してなされたものであり、現行の高周波ウエル
ダーに何ら変更を施すことなしに、誘電体損失の小さい
フィルムまたはシート相互または該フィルムまたはシー
トと他の基材との接合を行うことができる高周波接合方
法の提供を課題としてなされたものである。
状を考慮してなされたものであり、現行の高周波ウエル
ダーに何ら変更を施すことなしに、誘電体損失の小さい
フィルムまたはシート相互または該フィルムまたはシー
トと他の基材との接合を行うことができる高周波接合方
法の提供を課題としてなされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明者は鋭意検討を重ねたところ、ポリエチレン
等の誘電体損失の小さいフィルムやシートの接合部表面
の少なくとも一方にナイロン等の誘電体損失の大きいフ
ィルムやシートを介在させた状態で高周波電界中にこれ
らを置くことにより、上記ポリエチレンのフィルム等が
十分高い強度で接合することを驚くべきことに見出し、
さらに研究を重ね、本発明を完成するに至った。
め、本発明者は鋭意検討を重ねたところ、ポリエチレン
等の誘電体損失の小さいフィルムやシートの接合部表面
の少なくとも一方にナイロン等の誘電体損失の大きいフ
ィルムやシートを介在させた状態で高周波電界中にこれ
らを置くことにより、上記ポリエチレンのフィルム等が
十分高い強度で接合することを驚くべきことに見出し、
さらに研究を重ね、本発明を完成するに至った。
【0005】すなわち、本発明のプラスチックフィルム
またはシート状物の高周波接合方法は、同種または異種
の誘電体損失の小さいプラスチックフィルムまたはシー
ト状物を重ね、その上面、下面またはそれらの両方に誘
電体損失の大きいプラスチックフィルムまたはシートを
重ね、それらを高周波電界中に置き、上記誘電体損失の
小さいプラスチックフィルムまたはシート状物を接合す
ることからなる。本発明はまた、誘電体損失の小さいプ
ラスチックフィルムまたはシート状物と繊維状物を重
ね、その上面、下面またはそれらの両方に誘電体損失の
大きいプラスチックフィルムまたはシートを重ね、それ
らを高周波電界中に置き、上記誘電体損失の小さいプラ
スチックフィルムまたはシート状物と繊維状物を接合す
ることからなるプラスチックフィルムまたはシート状物
の高周波接合方法に関する。
またはシート状物の高周波接合方法は、同種または異種
の誘電体損失の小さいプラスチックフィルムまたはシー
ト状物を重ね、その上面、下面またはそれらの両方に誘
電体損失の大きいプラスチックフィルムまたはシートを
重ね、それらを高周波電界中に置き、上記誘電体損失の
小さいプラスチックフィルムまたはシート状物を接合す
ることからなる。本発明はまた、誘電体損失の小さいプ
ラスチックフィルムまたはシート状物と繊維状物を重
ね、その上面、下面またはそれらの両方に誘電体損失の
大きいプラスチックフィルムまたはシートを重ね、それ
らを高周波電界中に置き、上記誘電体損失の小さいプラ
スチックフィルムまたはシート状物と繊維状物を接合す
ることからなるプラスチックフィルムまたはシート状物
の高周波接合方法に関する。
【0006】本発明において誘電体損失の小さいプラス
チックフィルムまたはシート状物とは、慣用の加熱を行
わない高周波ウエルダーでの処理では内部発熱が接合を
起こすに到らないものを意味し、例えば、ポリオレフィ
ン、例としてポリエチレンもしくはポリプロピレン、エ
チレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メチルメタク
リレート共重合体もしくはポリスチレン、またはこれら
をブレンドしたもののフィルムまたはシート、または共
押出もしくはラミネーションによりこれらを複合フィル
ムまたはシートとしたもの(例としてセロハンにポリエ
チレンをラミネートしたポリセロ等)等の他、紙または
金属箔等に上記ポリオレフィン等をラミネートしたもの
等を挙げることができるが、これらに限定されない。上
記誘電体損失の小さいプラスチックフィルムまたはシー
ト状物の厚さもまた特に制限されないが、30〜600
μm程度が適当である。本発明において誘電体損失の小
さいプラスチックフィルムまたはシート状物は、特にポ
リエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共
重合体およびエチレン−メチルメタクリレート共重合体
からなる群から選択される。本発明の方法により高周波
接合されるのは、誘電体損失の小さいプラスチックフィ
ルムまたはシート状物同士であっても、誘電体損失の小
さいプラスチックフィルムまたはシート状物と繊維状物
であってもよい。プラスチックフィルムまたはシート状
物同士の場合、それらは同種または異種であってもよ
く、異種である場合、それらは相溶性を有するものであ
ることが、接合強度が高い点で好ましい。本発明におい
て繊維状物とは、天然または合成繊維からなる織布、不
織布、紙またはそれらをラミネートしたもの等を意味す
る。
チックフィルムまたはシート状物とは、慣用の加熱を行
わない高周波ウエルダーでの処理では内部発熱が接合を
起こすに到らないものを意味し、例えば、ポリオレフィ
ン、例としてポリエチレンもしくはポリプロピレン、エ
チレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メチルメタク
リレート共重合体もしくはポリスチレン、またはこれら
をブレンドしたもののフィルムまたはシート、または共
押出もしくはラミネーションによりこれらを複合フィル
ムまたはシートとしたもの(例としてセロハンにポリエ
チレンをラミネートしたポリセロ等)等の他、紙または
金属箔等に上記ポリオレフィン等をラミネートしたもの
等を挙げることができるが、これらに限定されない。上
記誘電体損失の小さいプラスチックフィルムまたはシー
ト状物の厚さもまた特に制限されないが、30〜600
μm程度が適当である。本発明において誘電体損失の小
さいプラスチックフィルムまたはシート状物は、特にポ
リエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共
重合体およびエチレン−メチルメタクリレート共重合体
からなる群から選択される。本発明の方法により高周波
接合されるのは、誘電体損失の小さいプラスチックフィ
ルムまたはシート状物同士であっても、誘電体損失の小
さいプラスチックフィルムまたはシート状物と繊維状物
であってもよい。プラスチックフィルムまたはシート状
物同士の場合、それらは同種または異種であってもよ
く、異種である場合、それらは相溶性を有するものであ
ることが、接合強度が高い点で好ましい。本発明におい
て繊維状物とは、天然または合成繊維からなる織布、不
織布、紙またはそれらをラミネートしたもの等を意味す
る。
【0007】また、本発明において誘電体損失の大きい
プラスチックフィルムまたはシート(以下において介在
フィルムまたはシートとも称する)とは、慣用の加熱を
行わない高周波ウエルダーでの処理で内部発熱が接合を
起こすに到る程度に大きいものを意味し、例えば、ポリ
塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコー
ル、ナイロン(例としてナイロン6,ナイロン66
等)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、エチレ
ン−ビニルアルコール共重合体、塩酸ゴム、ポリエステ
ル、ポリカーボネート、メラミン樹脂またはフッ素樹脂
〔例としてポリテトラフルオロエチレン(商品名テフロ
ン)〕等を挙げることができる。本発明の一つの好まし
い態様において、介在フィルムまたはシートとしては、
上記のポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニ
ルアルコール、ナイロン、PET、エチレン−ビニルア
ルコール共重合体、塩酸ゴム、ポリエステル、ポリカー
ボネート、メラミン樹脂およびポリテトラフルオロエチ
レンからなる群から選択されるフィルムまたはシート
(以下、基材フィルムまたはシートとも記載する)と繊
維強化プラスチックからなるフィルムまたはシートとの
積層フィルムまたはシートが使用される。繊維強化プラ
スチックはマトリックス樹脂をエポキシ樹脂、不飽和ポ
リエステル、ポリプロピレン等として、これにガラス繊
維、炭素繊維、ボロン繊維、炭化ケイ素繊維、アラミド
繊維等の繊維を配合したものであるが、本発明において
は、使用性や価格等の点でガラス繊維を配合したエポキ
シ樹脂からなるフィルムまたはシートが特に好ましい。
繊維強化プラスチックフィルムまたはシートを積層した
介在フィルムまたはシートは、基材フィルムまたはシー
トの熱変形を抑制して介在フィルムまたはシートのより
多数回の反復利用(長寿命化)が可能となり、高周波に
より生じた熱の放散を抑制して効率のよい接合を可能と
する。繊維強化プラスチックからなるフィルムまたはシ
ートの一方の面に基材フィルムまたはシートが積層され
ていればよいが、両方の面に基材フィルムまたはシート
が積層されることにより、両面が接合フィルムとの接触
面であるため使用性が向上する。なお、繊維強化プラス
チックからなるフィルムまたはシート自身の誘電体損失
が大きい場合、それのみを介在フィルムまたはシートと
して使用してもよいことはもちろんである。これらの介
在フィルムまたはシートの厚さは接合させるフィルムや
処理条件等により適宜選択され、特に制限されないが、
5〜2000μm程度が適当であり、特に100〜10
00μm程度が好ましい。これらのフィルムまたはシー
トは1回の接合操作では通常傷つくことがないので、同
じ箇所が繰り返し使用できる。線状に接合を行う場合が
多いので、長尺の介在フィルムまたはシート自身もま
た、少しずつ長手方向にずらすことにより、相当に多数
の回数繰り返し使用できる。さらに、繊維強化プラスチ
ックからなるフィルムまたはシートを介在フィルムまた
はシートとして、または積層体の一部として使用するこ
とにより、上記したように介在フィルムまたはシートの
反復利用性は大幅に向上する。上記介在フィルムまたは
シートは、接合するフィルムまたはシート状物の上面ま
たは下面のいずれか一方に重ねておけば十分であるが、
それらの両面に重ねておくことにより、より十分で速や
かな接合が行われ得る。また、介在フィルムまたはシー
トは、接合するフィルムまたはシートの上面および/ま
たは下面の全面に重ねてもよいが、少なくとも接合部分
に重ねてあれば十分である。なお、介在フィルムまたは
シートとして積層フィルムまたはシートを使用する場
合、その基材フィルムまたはシートと接合フィルムまた
はシートとが接触するように重ねることが必要である。
プラスチックフィルムまたはシート(以下において介在
フィルムまたはシートとも称する)とは、慣用の加熱を
行わない高周波ウエルダーでの処理で内部発熱が接合を
起こすに到る程度に大きいものを意味し、例えば、ポリ
塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコー
ル、ナイロン(例としてナイロン6,ナイロン66
等)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、エチレ
ン−ビニルアルコール共重合体、塩酸ゴム、ポリエステ
ル、ポリカーボネート、メラミン樹脂またはフッ素樹脂
〔例としてポリテトラフルオロエチレン(商品名テフロ
ン)〕等を挙げることができる。本発明の一つの好まし
い態様において、介在フィルムまたはシートとしては、
上記のポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニ
ルアルコール、ナイロン、PET、エチレン−ビニルア
ルコール共重合体、塩酸ゴム、ポリエステル、ポリカー
ボネート、メラミン樹脂およびポリテトラフルオロエチ
レンからなる群から選択されるフィルムまたはシート
(以下、基材フィルムまたはシートとも記載する)と繊
維強化プラスチックからなるフィルムまたはシートとの
積層フィルムまたはシートが使用される。繊維強化プラ
スチックはマトリックス樹脂をエポキシ樹脂、不飽和ポ
リエステル、ポリプロピレン等として、これにガラス繊
維、炭素繊維、ボロン繊維、炭化ケイ素繊維、アラミド
繊維等の繊維を配合したものであるが、本発明において
は、使用性や価格等の点でガラス繊維を配合したエポキ
シ樹脂からなるフィルムまたはシートが特に好ましい。
繊維強化プラスチックフィルムまたはシートを積層した
介在フィルムまたはシートは、基材フィルムまたはシー
トの熱変形を抑制して介在フィルムまたはシートのより
多数回の反復利用(長寿命化)が可能となり、高周波に
より生じた熱の放散を抑制して効率のよい接合を可能と
する。繊維強化プラスチックからなるフィルムまたはシ
ートの一方の面に基材フィルムまたはシートが積層され
ていればよいが、両方の面に基材フィルムまたはシート
が積層されることにより、両面が接合フィルムとの接触
面であるため使用性が向上する。なお、繊維強化プラス
チックからなるフィルムまたはシート自身の誘電体損失
が大きい場合、それのみを介在フィルムまたはシートと
して使用してもよいことはもちろんである。これらの介
在フィルムまたはシートの厚さは接合させるフィルムや
処理条件等により適宜選択され、特に制限されないが、
5〜2000μm程度が適当であり、特に100〜10
00μm程度が好ましい。これらのフィルムまたはシー
トは1回の接合操作では通常傷つくことがないので、同
じ箇所が繰り返し使用できる。線状に接合を行う場合が
多いので、長尺の介在フィルムまたはシート自身もま
た、少しずつ長手方向にずらすことにより、相当に多数
の回数繰り返し使用できる。さらに、繊維強化プラスチ
ックからなるフィルムまたはシートを介在フィルムまた
はシートとして、または積層体の一部として使用するこ
とにより、上記したように介在フィルムまたはシートの
反復利用性は大幅に向上する。上記介在フィルムまたは
シートは、接合するフィルムまたはシート状物の上面ま
たは下面のいずれか一方に重ねておけば十分であるが、
それらの両面に重ねておくことにより、より十分で速や
かな接合が行われ得る。また、介在フィルムまたはシー
トは、接合するフィルムまたはシートの上面および/ま
たは下面の全面に重ねてもよいが、少なくとも接合部分
に重ねてあれば十分である。なお、介在フィルムまたは
シートとして積層フィルムまたはシートを使用する場
合、その基材フィルムまたはシートと接合フィルムまた
はシートとが接触するように重ねることが必要である。
【0008】本発明の高周波接合方法には、高周波発振
ダイを加熱する必要はなく、慣用の高周波ウエルダーが
そのまま適用可能である。すなわち、本発明における高
周波ウエルダーでは約1〜200MHz、その中でも約
35〜50MHzの高周波電界が使用され、4000〜
11000Vの高電圧が使用される。処理時間は接合フ
ィルムまたはシート状物および介在フィルムまたはシー
トの材質や厚さ等により適宜選択されるが、通常1〜6
秒程度である。
ダイを加熱する必要はなく、慣用の高周波ウエルダーが
そのまま適用可能である。すなわち、本発明における高
周波ウエルダーでは約1〜200MHz、その中でも約
35〜50MHzの高周波電界が使用され、4000〜
11000Vの高電圧が使用される。処理時間は接合フ
ィルムまたはシート状物および介在フィルムまたはシー
トの材質や厚さ等により適宜選択されるが、通常1〜6
秒程度である。
【0009】本発明の高周波接合方法によれば、高さの
異なる部分の接合が1回の高周波処理により行うことが
できる。ここで高さの異なる部分とは連続していても、
不連続であってもよい。例えば、誘電体損失の小さいプ
ラスチックフィルムまたはシートからなる円筒形状の胴
部の上面と下面への、同種または異種の誘電体損失の小
さいプラスチックフィルムまたはシートの接合も、ワン
ショットの高周波処理により行うことができる。このよ
うな接合する部分が不連続である場合、接合する上面用
および下面用のシートまたはフィルムのいずれにも介在
フィルムまたはシートを載せ、または敷いて処理が通常
行われる。誘電体損失の小さいプラスチックフィルムま
たはシートからなる袋状物または箱状物の接合部に、該
フィルムまたはシートと同種または異種の誘電体損失の
小さいプラスチックからなる内容物取出口等を接合する
場合(高さの異なる連続部分の接合の場合)、例えば医
療用等の輸液バックの上端部とカテーテル接合部の接合
等もまた、本発明の高周波接合方法によればワンショッ
トで行うことができる。
異なる部分の接合が1回の高周波処理により行うことが
できる。ここで高さの異なる部分とは連続していても、
不連続であってもよい。例えば、誘電体損失の小さいプ
ラスチックフィルムまたはシートからなる円筒形状の胴
部の上面と下面への、同種または異種の誘電体損失の小
さいプラスチックフィルムまたはシートの接合も、ワン
ショットの高周波処理により行うことができる。このよ
うな接合する部分が不連続である場合、接合する上面用
および下面用のシートまたはフィルムのいずれにも介在
フィルムまたはシートを載せ、または敷いて処理が通常
行われる。誘電体損失の小さいプラスチックフィルムま
たはシートからなる袋状物または箱状物の接合部に、該
フィルムまたはシートと同種または異種の誘電体損失の
小さいプラスチックからなる内容物取出口等を接合する
場合(高さの異なる連続部分の接合の場合)、例えば医
療用等の輸液バックの上端部とカテーテル接合部の接合
等もまた、本発明の高周波接合方法によればワンショッ
トで行うことができる。
【0010】さらに本発明は、上記本発明の方法により
高周波接合された物品に関するものである。該物品とし
ては何ら制限されるものではないが、例えば玩具、文房
具、雨具、袋物、雑貨類、包装箱、包装袋、容器等が包
含される。
高周波接合された物品に関するものである。該物品とし
ては何ら制限されるものではないが、例えば玩具、文房
具、雨具、袋物、雑貨類、包装箱、包装袋、容器等が包
含される。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明のプラスチックフィルムま
たはシート状物の高周波接合方法では、ポリエチレン、
ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体および
エチレン−メチルメタクリレート共重合体からなる群か
ら選択される同種または異種のフィルムまたはシート状
物(接合フィルム状物)を重ね、その上面および/また
は下面に、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ
ビニルアルコール、ナイロン、PET、エチレン−ビニ
ルアルコール共重合体、塩酸ゴム、ポリエステル、ポリ
カーボネート、メラミン樹脂およびポリテトラフルオロ
エチレンからなる群から選択されるか、またはこれと繊
維強化プラスチックフィルムまたはシートとの積層体か
らなる介在フィルムまたはシートを重ね、それらを約3
5〜50MHzの高周波電界中に置くことにより、金型
を加熱することなく、上記接合フィルム状物をワンショ
ットで接合でき、その接合強度は十分に高い。本明細書
においては、これまで、接合されるべき重ねたフィルム
状物の接合面以外の二つの面を便宜上「上面」および
「下面」と呼称してきたが、これは高周波処理の際の位
置関係を意味するものではなく、重ねたフィルム状物の
接合面以外の二つの面の少なくとも一方に介在フィルム
またはシートを重ねた状態であれば、それらを水平にし
て処理しても、垂直に処理しても、また可能であれば斜
めにして処理しても、何ら問題ない。
たはシート状物の高周波接合方法では、ポリエチレン、
ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体および
エチレン−メチルメタクリレート共重合体からなる群か
ら選択される同種または異種のフィルムまたはシート状
物(接合フィルム状物)を重ね、その上面および/また
は下面に、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ
ビニルアルコール、ナイロン、PET、エチレン−ビニ
ルアルコール共重合体、塩酸ゴム、ポリエステル、ポリ
カーボネート、メラミン樹脂およびポリテトラフルオロ
エチレンからなる群から選択されるか、またはこれと繊
維強化プラスチックフィルムまたはシートとの積層体か
らなる介在フィルムまたはシートを重ね、それらを約3
5〜50MHzの高周波電界中に置くことにより、金型
を加熱することなく、上記接合フィルム状物をワンショ
ットで接合でき、その接合強度は十分に高い。本明細書
においては、これまで、接合されるべき重ねたフィルム
状物の接合面以外の二つの面を便宜上「上面」および
「下面」と呼称してきたが、これは高周波処理の際の位
置関係を意味するものではなく、重ねたフィルム状物の
接合面以外の二つの面の少なくとも一方に介在フィルム
またはシートを重ねた状態であれば、それらを水平にし
て処理しても、垂直に処理しても、また可能であれば斜
めにして処理しても、何ら問題ない。
【0012】
【実施例】次に、図面を参照して本発明の実施例につい
て説明するが、これらは本発明をより詳細に説明するた
めのものであり、限定するためのものではない。 実施例1 図1を参照してポリエチレンシート(厚さ200μm)
を接合することによる平袋の成形について説明する。2
枚のポリエチレンシート1,1’を重ね、その下面に介
在シートとしてナイロンシート(厚さ100μm)2を
重ね、これらを金型(高周波発振ダイ)3と金属板であ
る支持台4の間に置き、金型3と支持台4の間に生じる
高周波電界(約42MHz)に2.5秒間暴露すると、
ほぼ金型3の幅の部分のポリエチレンシート1,1’が
接合される。ここで、高周波電界処理には例えば高周波
ウエルダー(精電舎電子工業株式会社製,型式KW−4
000T)が使用されるが、これに限定されないことは
もちろんである。左右両端および底部を接合することに
より、各種ケース等として使用し得る平袋が成形され
る。この平袋はかなりの重量のものを収納しても接合部
が剥離することなく、十分な接合強度を有するものであ
った。なお、上の例では接合するポリエチレンシート
1,1’の下面に介在シート2を置いたが、該介在シー
ト2を図2に示すようにポリエチレンシート1,1’の
上面に重ねても、また図3に示すようにポリエチレンシ
ート1,1’の上面および下面の両方に重ねて行っても
よい。また、被接合シートとして厚さの同じポリエチレ
ンからなる同種のものを用いたが、互いに厚さが異なる
ものや、異種のフィルムまたはシート同士もまた同様に
接合し得、さらにプラスチックフィルムまたはシートと
繊維状物との接合も同様に可能であることはいうまでも
ない。 実施例2 次に図4を参照してポリプロピレンシート(厚さ200
μm)からなる立体物品の成形について説明する。ま
ず、実施例1で説明した平面加工と同様の方法でポリプ
ロピレンシートから円筒体1”を成形する。内径が該円
筒体1”の外径とほぼ同じ円筒形状の金属筒5に上記円
筒体1”を挿入し、上下両端部を金属筒5の外側に折り
曲げ、接合折り曲げ部fを設けた後、上記と同様のポリ
プロピレンシート1,1’を上面および下面に重ね、さ
らにそのそれぞれに介在シートとしてナイロンシート
(厚さ100μm)2,2’を重ね、これらを金型3と
支持台4の間に置き、金型3と支持台4の間に生じる高
周波電界(約42MHz)に6秒間暴露すると、矢印で
示す部分が金属筒5の縁に沿って、1回の高周波処理に
より接合され、各接合部が十分な接合強度を有する円柱
状の立体物が成形される。このように上面および下面の
接合がワンショットで行い得るため、生産性が非常に高
い。ここで、円筒体1”を成形する前に、ファスナーを
接合するための切欠き部をポリプロピレンシートに設
け、ファスナーの布基部とポリプロピレンシートとを実
施例1に示す方法で高周波接合することにより、上記布
基部にポリプロピレンが進入して、ポリプロピレンシー
トにファスナーが固定され、その後に上記の工程を行う
ことにより、図5に示すようなファスナー付きの立体物
が得られる。ファスナー7の布部が接合部aでポリプロ
ピレンシートの円筒体1”に接合されている。図5に示
す例は、このファスナー付きの立体物にポリプロピレン
等の取っ手8を図中b部分を本発明の高周波接合により
接合してバッグ6としたものである。このように本発明
によれば、従来、ポリ塩化ビニルで成形されていた、こ
のようなバッグがポリプロピレン等を素材として、高周
波ウエルダーをそのまま用いて製造することができる。 実施例3 繊維強化プラスチックシートと基材シートとの積層シー
トを介在シートとして使用するプラスチックシートの接
合の例を図6に示す。介在シート2はナイロンシート
(厚さ100μm)2aとガラス繊維強化エポキシ樹脂
からなるシート(厚さ100μm)2bとの積層シート
である。厚さ300μmのポリエチレンシート1,1’
を重ね、その下面に介在シート2を、ポリエチレンシー
ト1’とナイロンシート2aの面とが接するように重
ね、これらを金型3と支持台4の間に置き、金型3と支
持台4の間に生じる高周波電界(約42MHz)に2.
5秒間暴露すると、ほぼ金型3の幅の部分のポリエチレ
ンシート1,1’が接合される。繊維強化プラスチック
シートが積層された介在シート2は基材シート(ナイロ
ンシート)2aの熱変形を大幅に抑制し、ナイロンシー
トのみを介在シートとして使用する場合に比べ、極めて
多い回数の接合を行うことができ、しかも、繊維強化プ
ラスチックシート(ガラス繊維強化エポキシ樹脂シー
ト)2bが熱伝導を遮断し、接合のための熱をより高い
効率で接合フィルムに伝えるものである。この積層シー
トからなる介在シートは図2ないし4における介在シー
ト2のように使用することができ、上記の効果を同様に
奏する。なお、接合シートの上に介在シートを載せる場
合も、基材シート2aを接合シートと接触させることが
必要である。 実施例4 実施例3における介在シートを図7に示す介在シート2
に代えて実施例3と同様の操作を行う。本例で使用され
る介在シート2は、ガラス繊維強化エポキシ樹脂からな
るシート(厚さ100μm)2bの両面にPETシート
(厚さ200μm)2aを積層したものである。この介
在シート2もまた、実施例3のものと同様に、基材シー
ト(PETシート)2aの熱変形を大幅に抑制し、PE
Tシートのみを介在シートとして使用する場合に比べ、
極めて多い回数の接合を行うことができ、しかも、繊維
強化プラスチックシート(ガラス繊維強化エポキシ樹脂
シート)2bが熱伝導を遮断し、接合のための熱をより
高い効率で接合フィルムに伝えるものであり、さらに、
接合プラスチックシートに重ねる場合、両表面がPET
シートであるため介在シートとの接触面を選ぶ必要がな
く、使用性が非常に高い。
て説明するが、これらは本発明をより詳細に説明するた
めのものであり、限定するためのものではない。 実施例1 図1を参照してポリエチレンシート(厚さ200μm)
を接合することによる平袋の成形について説明する。2
枚のポリエチレンシート1,1’を重ね、その下面に介
在シートとしてナイロンシート(厚さ100μm)2を
重ね、これらを金型(高周波発振ダイ)3と金属板であ
る支持台4の間に置き、金型3と支持台4の間に生じる
高周波電界(約42MHz)に2.5秒間暴露すると、
ほぼ金型3の幅の部分のポリエチレンシート1,1’が
接合される。ここで、高周波電界処理には例えば高周波
ウエルダー(精電舎電子工業株式会社製,型式KW−4
000T)が使用されるが、これに限定されないことは
もちろんである。左右両端および底部を接合することに
より、各種ケース等として使用し得る平袋が成形され
る。この平袋はかなりの重量のものを収納しても接合部
が剥離することなく、十分な接合強度を有するものであ
った。なお、上の例では接合するポリエチレンシート
1,1’の下面に介在シート2を置いたが、該介在シー
ト2を図2に示すようにポリエチレンシート1,1’の
上面に重ねても、また図3に示すようにポリエチレンシ
ート1,1’の上面および下面の両方に重ねて行っても
よい。また、被接合シートとして厚さの同じポリエチレ
ンからなる同種のものを用いたが、互いに厚さが異なる
ものや、異種のフィルムまたはシート同士もまた同様に
接合し得、さらにプラスチックフィルムまたはシートと
繊維状物との接合も同様に可能であることはいうまでも
ない。 実施例2 次に図4を参照してポリプロピレンシート(厚さ200
μm)からなる立体物品の成形について説明する。ま
ず、実施例1で説明した平面加工と同様の方法でポリプ
ロピレンシートから円筒体1”を成形する。内径が該円
筒体1”の外径とほぼ同じ円筒形状の金属筒5に上記円
筒体1”を挿入し、上下両端部を金属筒5の外側に折り
曲げ、接合折り曲げ部fを設けた後、上記と同様のポリ
プロピレンシート1,1’を上面および下面に重ね、さ
らにそのそれぞれに介在シートとしてナイロンシート
(厚さ100μm)2,2’を重ね、これらを金型3と
支持台4の間に置き、金型3と支持台4の間に生じる高
周波電界(約42MHz)に6秒間暴露すると、矢印で
示す部分が金属筒5の縁に沿って、1回の高周波処理に
より接合され、各接合部が十分な接合強度を有する円柱
状の立体物が成形される。このように上面および下面の
接合がワンショットで行い得るため、生産性が非常に高
い。ここで、円筒体1”を成形する前に、ファスナーを
接合するための切欠き部をポリプロピレンシートに設
け、ファスナーの布基部とポリプロピレンシートとを実
施例1に示す方法で高周波接合することにより、上記布
基部にポリプロピレンが進入して、ポリプロピレンシー
トにファスナーが固定され、その後に上記の工程を行う
ことにより、図5に示すようなファスナー付きの立体物
が得られる。ファスナー7の布部が接合部aでポリプロ
ピレンシートの円筒体1”に接合されている。図5に示
す例は、このファスナー付きの立体物にポリプロピレン
等の取っ手8を図中b部分を本発明の高周波接合により
接合してバッグ6としたものである。このように本発明
によれば、従来、ポリ塩化ビニルで成形されていた、こ
のようなバッグがポリプロピレン等を素材として、高周
波ウエルダーをそのまま用いて製造することができる。 実施例3 繊維強化プラスチックシートと基材シートとの積層シー
トを介在シートとして使用するプラスチックシートの接
合の例を図6に示す。介在シート2はナイロンシート
(厚さ100μm)2aとガラス繊維強化エポキシ樹脂
からなるシート(厚さ100μm)2bとの積層シート
である。厚さ300μmのポリエチレンシート1,1’
を重ね、その下面に介在シート2を、ポリエチレンシー
ト1’とナイロンシート2aの面とが接するように重
ね、これらを金型3と支持台4の間に置き、金型3と支
持台4の間に生じる高周波電界(約42MHz)に2.
5秒間暴露すると、ほぼ金型3の幅の部分のポリエチレ
ンシート1,1’が接合される。繊維強化プラスチック
シートが積層された介在シート2は基材シート(ナイロ
ンシート)2aの熱変形を大幅に抑制し、ナイロンシー
トのみを介在シートとして使用する場合に比べ、極めて
多い回数の接合を行うことができ、しかも、繊維強化プ
ラスチックシート(ガラス繊維強化エポキシ樹脂シー
ト)2bが熱伝導を遮断し、接合のための熱をより高い
効率で接合フィルムに伝えるものである。この積層シー
トからなる介在シートは図2ないし4における介在シー
ト2のように使用することができ、上記の効果を同様に
奏する。なお、接合シートの上に介在シートを載せる場
合も、基材シート2aを接合シートと接触させることが
必要である。 実施例4 実施例3における介在シートを図7に示す介在シート2
に代えて実施例3と同様の操作を行う。本例で使用され
る介在シート2は、ガラス繊維強化エポキシ樹脂からな
るシート(厚さ100μm)2bの両面にPETシート
(厚さ200μm)2aを積層したものである。この介
在シート2もまた、実施例3のものと同様に、基材シー
ト(PETシート)2aの熱変形を大幅に抑制し、PE
Tシートのみを介在シートとして使用する場合に比べ、
極めて多い回数の接合を行うことができ、しかも、繊維
強化プラスチックシート(ガラス繊維強化エポキシ樹脂
シート)2bが熱伝導を遮断し、接合のための熱をより
高い効率で接合フィルムに伝えるものであり、さらに、
接合プラスチックシートに重ねる場合、両表面がPET
シートであるため介在シートとの接触面を選ぶ必要がな
く、使用性が非常に高い。
【0013】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明のプ
ラスチックフィルムまたはシート状物の高周波接合方法
は、既存の高周波ウエルダー装置および金型を用いて、
ポリオレフィン等の誘電損失の小さいフィルムまたはシ
ート状物を容易に接合することができる。従来、ポリオ
レフィン等のフィルムやシートを高周波ウエルダーで接
合するには、金型を50〜80℃に加熱する必要がある
ため、追加装置を要し、装置が高額となっていたが、本
発明の方法によれば、既存の装置を用いて実施可能とな
った。また、介在フィルムまたはシートとして誘電体損
失の大きい基材フィルムまたはシートと繊維強化プラス
チックフィルムまたはシートの積層体を使用することに
より、基材フィルムまたはシートの熱変形が抑制されて
介在フィルムまたはシートの長寿命化が図られ、しかも
接合のための熱が効率的に接合フィルムに伝達するた
め、より低いエネルギーでの接合が可能となり、高周波
接合の省エネルギー化および低コスト化が図られる。さ
らに、本発明の方法は、接合フィルムまたはシート状物
と金型が直接接する必要がないため、立体成形品等の製
造の際に必要とされる高さの異なる部分の接合をワンシ
ョットの操作で行うことができ、生産性が著しく向上す
る。誘電損失の小さいフィルムまたはシート状物の高周
波接合では従来、金型の構造上、このようなワンショッ
ト操作は困難であったことを考慮すると、本発明の当該
分野への寄与は大きい。従来、高周波接合にはポリ塩化
ビニルが最も多く使用され、各種広範囲の物品が製造さ
れていたが、これらの物品を同様の装置を用いてポリオ
レフィン系樹脂から製造することが本発明により初めて
可能になった。これはダイオキシンの発生源の一つと考
えられているポリ塩化ビニルをポリオレフィン系樹脂で
代替し得ることを意味し、環境保護にも寄与するもので
ある。
ラスチックフィルムまたはシート状物の高周波接合方法
は、既存の高周波ウエルダー装置および金型を用いて、
ポリオレフィン等の誘電損失の小さいフィルムまたはシ
ート状物を容易に接合することができる。従来、ポリオ
レフィン等のフィルムやシートを高周波ウエルダーで接
合するには、金型を50〜80℃に加熱する必要がある
ため、追加装置を要し、装置が高額となっていたが、本
発明の方法によれば、既存の装置を用いて実施可能とな
った。また、介在フィルムまたはシートとして誘電体損
失の大きい基材フィルムまたはシートと繊維強化プラス
チックフィルムまたはシートの積層体を使用することに
より、基材フィルムまたはシートの熱変形が抑制されて
介在フィルムまたはシートの長寿命化が図られ、しかも
接合のための熱が効率的に接合フィルムに伝達するた
め、より低いエネルギーでの接合が可能となり、高周波
接合の省エネルギー化および低コスト化が図られる。さ
らに、本発明の方法は、接合フィルムまたはシート状物
と金型が直接接する必要がないため、立体成形品等の製
造の際に必要とされる高さの異なる部分の接合をワンシ
ョットの操作で行うことができ、生産性が著しく向上す
る。誘電損失の小さいフィルムまたはシート状物の高周
波接合では従来、金型の構造上、このようなワンショッ
ト操作は困難であったことを考慮すると、本発明の当該
分野への寄与は大きい。従来、高周波接合にはポリ塩化
ビニルが最も多く使用され、各種広範囲の物品が製造さ
れていたが、これらの物品を同様の装置を用いてポリオ
レフィン系樹脂から製造することが本発明により初めて
可能になった。これはダイオキシンの発生源の一つと考
えられているポリ塩化ビニルをポリオレフィン系樹脂で
代替し得ることを意味し、環境保護にも寄与するもので
ある。
【図1】本発明に係る高周波接合方法により平面成形品
を製造する際の一実施例を説明する断面図である。
を製造する際の一実施例を説明する断面図である。
【図2】本発明に係る高周波接合方法により平面成形品
を製造する際の別の実施例を説明する断面図である。
を製造する際の別の実施例を説明する断面図である。
【図3】本発明に係る高周波接合方法により平面成形品
を製造する際のさらに別の実施例を説明する断面図であ
る。
を製造する際のさらに別の実施例を説明する断面図であ
る。
【図4】本発明に係る高周波接合方法により立体成形品
を製造する際の一実施例を説明する断面図である。
を製造する際の一実施例を説明する断面図である。
【図5】本発明に係る高周波接合方法の一実施例により
製造された立体成形品を示す斜視図である。
製造された立体成形品を示す斜視図である。
【図6】本発明の方法によりプラスチックフィルムを高
周波接合する一実施例を説明する断面図である。
周波接合する一実施例を説明する断面図である。
【図7】本発明の方法によりプラスチックフィルムを高
周波接合する別の実施例を説明する断面図である。
周波接合する別の実施例を説明する断面図である。
1,1’,1” 被接合シート(フィルム) 2,2’ 介在シート(フィルム) 2a 基材シート(フィルム) 2b 繊維強化プラスチックシート(フィルム) 3 電極(高周波発振ダイ) 4 支持台 5 金属筒
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B29L 9:00
Claims (7)
- 【請求項1】 同種または異種の誘電体損失の小さいプ
ラスチックフィルムまたはシート状物を重ね、その上
面、下面またはそれらの両方に誘電体損失の大きいプラ
スチックフィルムまたはシートを重ね、それらを高周波
電界中に置き、上記誘電体損失の小さいプラスチックフ
ィルムまたはシート状物を接合することからなるプラス
チックフィルムまたはシート状物の高周波接合方法。 - 【請求項2】 誘電体損失の小さいプラスチックフィル
ムまたはシート状物と繊維状物を重ね、その上面、下面
またはそれらの両方に誘電体損失の大きいプラスチック
フィルムまたはシートを重ね、それらを高周波電界中に
置き、上記誘電体損失の小さいプラスチックフィルムま
たはシート状物と繊維状物を接合することからなるプラ
スチックフィルムまたはシート状物の高周波接合方法。 - 【請求項3】 誘電体損失の小さいプラスチックフィル
ムまたはシート状物がポリエチレン、ポリプロピレン、
エチレン−酢酸ビニル共重合体およびエチレン−メチル
メタクリレート共重合体からなる群から選択される請求
項1または2記載の高周波接合方法。 - 【請求項4】 誘電体損失の大きいプラスチックフィル
ムまたはシートがポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデ
ン、ポリビニルアルコール、ナイロン、ポリエチレンテ
レフタレート、エチレン−ビニルアルコール共重合体、
塩酸ゴム、ポリエステル、ポリカーボネート、メラミン
樹脂およびポリテトラフルオロエチレンからなる群から
選択される請求項1ないし3のいずれか1項に記載の高
周波接合方法。 - 【請求項5】 誘電体損失の大きいプラスチックフィル
ムまたはシートが、繊維強化プラスチックからなるフィ
ルムまたはシートの少なくとも一方の面にポリ塩化ビニ
ル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ナイ
ロン、ポリエチレンテレフタレート、エチレン−ビニル
アルコール共重合体、塩酸ゴム、ポリエステル、ポリカ
ーボネート、メラミン樹脂およびポリテトラフルオロエ
チレンからなる群から選択されるフィルムまたはシート
を積層した積層フィルムまたはシートである請求項1な
いし4のいずれか1項に記載の高周波接合方法。 - 【請求項6】 高さの異なる部分の接合が1回の高周波
処理により行われる請求項1ないし5のいずれか1項に
記載の高周波接合方法。 - 【請求項7】 請求項1ないし6のいずれか1項に記載
の方法により高周波接合された物品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21348299A JP2000102980A (ja) | 1998-07-30 | 1999-07-28 | プラスチックフィルムまたはシ―ト状物の高周波接合方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10-229402 | 1998-07-30 | ||
JP22940298 | 1998-07-30 | ||
JP21348299A JP2000102980A (ja) | 1998-07-30 | 1999-07-28 | プラスチックフィルムまたはシ―ト状物の高周波接合方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000102980A true JP2000102980A (ja) | 2000-04-11 |
Family
ID=26519827
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP21348299A Pending JP2000102980A (ja) | 1998-07-30 | 1999-07-28 | プラスチックフィルムまたはシ―ト状物の高周波接合方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000102980A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103286945A (zh) * | 2013-05-17 | 2013-09-11 | 刘炜舜 | 一种焊接效果好的焊接装置 |
JP2016011123A (ja) * | 2014-06-27 | 2016-01-21 | サニー・ケミカルス株式会社 | 取っ手テープ |
-
1999
- 1999-07-28 JP JP21348299A patent/JP2000102980A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103286945A (zh) * | 2013-05-17 | 2013-09-11 | 刘炜舜 | 一种焊接效果好的焊接装置 |
JP2016011123A (ja) * | 2014-06-27 | 2016-01-21 | サニー・ケミカルス株式会社 | 取っ手テープ |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP0084827B1 (en) | Method for the manufacture of a deep-drawn object | |
US9067364B2 (en) | Coated fabric from monoaxially drawn plastic tapes and bag produced therefrom | |
JP4791755B2 (ja) | 電子部品ケース用包材の製造方法及び製造装置 | |
US5993593A (en) | High-temperature, heat-sealed products and methods and means for their manufacture | |
JP2000102980A (ja) | プラスチックフィルムまたはシ―ト状物の高周波接合方法 | |
JPH0632343A (ja) | ポリプロピレンフオームのバリヤートレイ | |
JP5450956B2 (ja) | 包装袋、その製造装置、および包装袋の製造方法 | |
JP2016141427A (ja) | 収容容器、その製造方法および製造装置 | |
CN113056365A (zh) | 包装软管用耐剥离性片材以及其制造方法 | |
JPH0699506A (ja) | 積層成形品及びその製造方法 | |
JP2013043321A (ja) | 繊維強化熱可塑性樹脂の接合方法 | |
JP2022002904A (ja) | 収容容器、その製造方法および製造装置 | |
JPH10278184A (ja) | 連続繊維強化熱可塑性樹脂積層物およびその製造法 | |
JP3740645B2 (ja) | フレキシブルコンテナ袋の接合構造 | |
JP2000355067A (ja) | 包装用クリ−ンフィルムおよびそれを使用した包装用袋 | |
JP2014240283A (ja) | 板紙と熱可塑性樹脂製フィルムとの接合方法、及びその方法を用いた物品の固定・包装方法。 | |
EP1323642A1 (en) | Cushioning packaging method, cushioning package body, and cushioning package bag | |
JP6960680B2 (ja) | 収容容器、その製造方法および製造装置 | |
JP2938184B2 (ja) | 複合構造物 | |
JPH10202735A (ja) | 成形容器の製造方法 | |
JP2024046256A (ja) | ガゼット袋、ガゼット袋の製造方法 | |
JP2022111979A (ja) | ハニカムパネルの製造方法及びハニカムパネル | |
JP2000094524A (ja) | 樹脂フィルムの溶着方法及び該方法によって得られる包装袋 | |
JP2023124342A (ja) | 包装袋の製造装置および製造方法 | |
JPS58153631A (ja) | 中芯がプラスチツク製の段ボ−ルおよびその製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20040107 |