JP2000102847A - クロム溶鋼の鋳造方法 - Google Patents

クロム溶鋼の鋳造方法

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JP2000102847A
JP2000102847A JP10288910A JP28891098A JP2000102847A JP 2000102847 A JP2000102847 A JP 2000102847A JP 10288910 A JP10288910 A JP 10288910A JP 28891098 A JP28891098 A JP 28891098A JP 2000102847 A JP2000102847 A JP 2000102847A
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Shinichi Fukunaga
新一 福永
Ryoji Nishihara
良治 西原
Kazuhisa Tanaka
和久 田中
Yoshito Mimura
義人 三村
Takashi Morohoshi
隆 諸星
Koichi Kosho
弘一 古庄
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 鋳片のセンターポロシティやザク等の欠陥を
解消することにより、簡略な製造プロセスにより安価に
製造可能なクロム溶鋼の鋳造方法を提供する。 【解決手段】 Cr含有量が10〜20重量%のクロム
溶鋼11を鋳型14に注入し、鋳型14の下流側に設け
られ凝固シェルが形成された鋳片15を支持する複数の
鋳片支持セグメント16a〜16k、17a〜17k、
及び更にその下流側に設けられた圧下帯21を通してブ
ルームサイズの鋳片を製造するクロム溶鋼の鋳造方法に
おいて、鋳型14内のクロム溶鋼11及び/又は鋳型交
換時に交換される最上部の支持セグメント16a、17
aを除く支持セグメント16b〜16k、17b〜17
kを通過する未凝固のクロム溶鋼を電磁攪拌して凝固し
た際の鋳片15の等軸晶率を10〜80%の範囲となる
ようにして、鋳片15を圧下帯21で軽圧下する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鋳造する鋳片の芯
部に形成されるセンターポロシティやザク等を解消する
クロム溶鋼の鋳造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ステンレス溶鋼の鋳造の際、鋳片
の芯部に形成されるセンターポロシティやザク等を解消
する方法として、特開平6−142863号公報に記載
のものが知られている。この方法においては、タンディ
ッシュから鋳型内へステンレス溶鋼を流下させて鋳片を
鋳造し、連続的に引き出す際、鋳片を凝固率(中心部固
相率)が15容量%以上になる位置で圧下することによ
って芯部に形成されるザクを押し潰すようにしている。
また、ステンレス鋼板を冷間加工した際に生じるリジン
グ(Ridging)を解消する方法として、特開昭5
2−47522号公報に記載のものが知られている。こ
の方法は、連続鋳造法に低温鋳造法と電磁攪拌法を適用
するに際し、フェライト系ステンレス溶鋼の鋳造時のス
ーパーヒート(過熱温度)を15〜25℃にし、鋳型内
のメニスカスより下方1.5〜3.0mの範囲に電磁力
による攪拌を推力60mmhd以上付与して行うように
している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来のステンレス溶鋼、特にクロム溶鋼(13重量%程
度)の鋳造方法においては、未だ解決すべき以下のよう
な問題があった。 特開平6−142863号公報に記載の方法では、鋳
片の凝固率が15%以上の範囲を圧下するため、凝固が
急激に進行する未凝固率15%未満の範囲の収縮に見合
う量の圧下を行うことがないので、凝固末期にセンター
ポロシティやザク等が発生する。また、例えば、鋳片の
未凝固率が15%未満の範囲を圧下する場合は、大きい
収縮量に見合う圧下を行うことから、圧下量が大きくな
り安定したセンターポロシティやザク等の解消ができな
い。 特開昭52−47522号公報に記載の方法では、電
磁攪拌により等軸晶を形成してスラブのリジングを解消
するもので、この電磁攪拌の技術を含クロム(Cr)鋼
に単に応用してもセンターポロシティやザク等をある程
度は解消できるが、十分に解消することはできない。ま
た、電磁攪拌を行う位置がメニスカスの下方から1.5
〜3.0mのトップゾーン位置にあたるために、最上段
の鋳片支持セグメントを一括して交換する事故時や鋳片
サイズの変更時などの際には、電磁攪拌装置の着脱が必
要となって、煩雑な作業を要する。しかも、設備が干渉
するためにこのようなトップゾーンに電磁攪拌装置を取
付けること自体が極めて難しく、ブレークアウト等の鋳
造事故の際に破損する可能性がある。さらに、電磁攪拌
装置により付与される電磁攪拌の推力が60mmhd以
上の過大な推力を付与するためには、設備が大型となり
電力の消費が増大する等の問題があった。従って特に、
耐CO2 油井管用として開発された13%Cr−SML
(シームレス)鋼の製造においては、連続鋳造された鋳
片は分塊圧延(BD:BreakDown)等を実施す
るCC−BDを行って、鋳片のザク性欠陥を完全に圧着
してからSML圧延(穿孔)しているので、製造プロセ
スが複雑となり、その結果製造コストの高騰を招いてい
た。
【0004】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
もので、鋳片のセンターポロシティやザク等の欠陥を解
消することにより、簡略な製造プロセスにより安価に製
造可能なクロム溶鋼の鋳造方法を提供することを目的と
する。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記目的に沿う請求項1
記載のクロム溶鋼の鋳造方法は、Cr含有量が10〜2
0重量%のクロム溶鋼を鋳型に注入し、該鋳型の下流側
に設けられ凝固シェルが形成された鋳片を支持する複数
の鋳片支持セグメント、及び更にその下流側に設けられ
た圧下帯を通してブルームサイズの鋳片を製造するクロ
ム溶鋼の鋳造方法において、前記鋳型内のクロム溶鋼及
び/又は鋳型交換時に交換される最上部の鋳片支持セグ
メントを除く前記鋳片支持セグメントを通過する未凝固
のクロム溶鋼を電磁攪拌して凝固した際の鋳片の等軸晶
率を10〜80%の範囲となるようにして、前記鋳片を
前記圧下帯で軽圧下する。なお、好ましくは10〜50
%の範囲で軽圧下する。請求項2記載のクロム溶鋼の鋳
造方法は、請求項1記載のクロム溶鋼の鋳造方法におい
て、前記鋳片の未凝固幅比が0.1〜0.35の範囲か
ら軽圧下する。請求項3記載のクロム溶鋼の鋳造方法
は、請求項1又は2記載のクロム溶鋼の鋳造方法におい
て、前記クロム溶鋼の電磁攪拌を前記鋳型内で行い、該
クロム溶鋼の攪拌位置を前記鋳型内のメニスカスから下
方1.5m未満とする。請求項4記載のクロム溶鋼の鋳
造方法は、請求項1〜3のいずれか1項に記載のクロム
溶鋼の鋳造方法において、前記鋳片の鋳造速度を1.5
m/min以上とする。請求項5記載のクロム溶鋼の鋳
造方法は、請求項1〜4のいずれか1項に記載のクロム
溶鋼の鋳造方法において、前記Cr含有量が11〜17
重量%である。請求項6記載のクロム溶鋼の鋳造方法
は、請求項1〜5のいずれか1項に記載のクロム溶鋼の
鋳造方法において、前記クロム溶鋼の攪拌の推力を60
mmhd未満とする。請求項7記載のクロム溶鋼の鋳造
方法は、請求項1〜6のいずれか1項に記載のクロム溶
鋼の鋳造方法において、前記最上部の鋳片支持セグメン
トを除く下方の鋳片支持セグメントに、多段に電磁攪拌
装置を設けている。請求項8記載のクロム溶鋼の鋳造方
法は、請求項1〜7のいずれか1項に記載のクロム溶鋼
の鋳造方法において、前記鋳片が正方形又は丸形のブル
ームである。
【0006】
【発明の実施の形態】続いて、添付した図面を参照しつ
つ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発
明の理解に供する。ここに、図1は本発明の一実施の形
態に係るクロム溶鋼の鋳造方法を適用する連続鋳造設備
の構成図、図2は圧下直前の鋳片の未凝固幅比の説明
図、図3は鋳型回りの拡大図である。
【0007】図1に示すように、本発明の一実施の形態
に係るクロム溶鋼の鋳造方法を適用する連続鋳造設備1
0は、図示しない溶鋼鍋から受鋼した、C含有量が0.
15〜0.2重量%で、Cr含有量が13重量%のクロ
ム溶鋼11を貯留するタンディッシュ12と、タンディ
ッシュ12から浸漬ノズル13を介してクロム溶鋼11
が注入される鋳型14と、鋳型14によって一次冷却さ
れ凝固シェルが形成された鋳片15を、鋳型14の下流
側で二次冷却しながら搬送、支持する複数の対となる鋳
片支持セグメント16a〜16k、17a〜17kから
なる二次冷却帯18と、二次冷却帯18を通過後の鋳片
15を更に、その下流側で軽圧下、搬送する複数の対と
なる圧下セグメント19a〜19c、20a〜20cか
らなる圧下帯21とを有している。なお、連続鋳造設備
10により断面220mm×220mmのブルームサイ
ズの鋳片を製造するものとする。以下、これらについて
詳しく説明する。
【0008】図2は、圧下帯21直前の鋳片15の未凝
固幅比Rを説明するもので、鋳型14による一次冷却、
及び二次冷却帯18による二次冷却により鋳片15は冷
却されて、凝固部22が増大し、未凝固部23が減少し
た状態となっている。なお、図2において、凝固部22
の長さD0 に対する未凝固部23の長さD1 を未凝固幅
比R(=D1 /D0 )と呼ぶ。また、凝固部22の高さ
2 及び未凝固部23の高さD3 として、未凝固幅比R
=D3 /D2 でも表せる。図1に示すように、鋳型14
部(鋳型14内のメニスカス26から下方1.5m未
満)には、鋳型14内のクロム溶鋼11を攪拌する一対
の電磁攪拌装置24a、24bが設けられると共に、鋳
片15の湾曲部内にある鋳片支持セグメント16c、1
7c近傍にも鋳片15の未凝固部23であるクロム溶鋼
11を攪拌する一対の電磁攪拌装置25a、25bが設
けられている。電磁攪拌装置24a、24b及び25
a、25bによる攪拌推力は60mmhd未満となるよ
うにし、推力の方向は回転又は並進方向であってもよ
い。この電磁攪拌作用により図4に示すように、鋳片1
5のL面のデンドライト(樹枝状晶)31の形成を抑制
して等軸晶32を多く形成して、L面等軸晶率Lr(=
A/H×100%;Aは鋳片15の断面中心からのデン
ドライト31の終点までの高さ、Hは鋳片15の断面中
心からのデンドライト31の始点(表面)までの高さ)
を大きくすることができる。この結果、センターポロシ
ティやザク等の発生を抑制することができ、従ってセン
ターポロシティやザク等の欠陥を解消することができ
る。なおL面とは、湾曲して引き抜かれる鋳片15の上
面側であり、F面とは鋳片15の下面側を意味する。鋳
片15における等軸晶率とL面等軸晶率Lrとの関係に
ついては、鋳片15の下面は等軸晶化し易いので、L面
の等軸晶率を指標にすることで鋳片15全体のポアの管
理が可能であり、等軸晶率をL面等軸晶率Lrで代表す
る。鋳片支持セグメント16c、17cの位置は、メニ
スカス(湯面)26(図3を参照)からの深さを4.0
mを超える下方に設定している。
【0009】図3に示す鋳片支持セグメント16a、1
7aと同様、その他の鋳片支持セグメント16b〜16
k、17b〜17kも、鋳片15の凝固部22を、支持
ローラ27a〜27c、28a〜28cによって支持す
るようになっている。なお、図3中符号29は潤滑パウ
ダー、符号30は潤滑パウダーによる潤滑層を表してい
る。圧下セグメント19a〜19c、20a〜20cに
は、それぞれ対となる回転可能な圧下ロール32a〜3
2c、33a〜33cが配置されており、鋳片15は圧
下ロール32a〜32c、33a〜33cによって圧下
されながらピンチロール34に搬送され、切断トーチ3
5により所定の長さに切断される。圧下ロール32a
(その他の圧下ロール32b、32cも同様)は、図2
に示すように、未凝固部23の長さD1 と同程度の長さ
である長さW(例えば88mm程度)、突出高さh(例
えば8mm程度)の環状突起部36を有し、対となる圧
下ロール33a、33b、33c(フラットロール)と
の間で鋳片15を軽圧下するようになっている。突出高
さhは、SML穿孔時に疵が発生しない範囲で、各種条
件を考慮して決定することができる。
【0010】圧下帯21での軽圧下の開始のタイミング
としては、未凝固幅比R(=D1 /D0 )が0.1〜
0.35の範囲で、圧下量が2〜10mmで行うものと
する。二次冷却帯18の長さは約20m、圧下セグメン
ト19a〜19c、20a〜20cそれぞれの長さは約
3.8mとしている。図5はL面等軸晶率Lrに対する
センターポロシティ最大短径指数(センターポロシティ
評点:空孔の断面積を円に換算した時の直径を表すもの
で、10mmを基準にしてセンターポロシティの大きさ
を表す指標であり、L面等軸晶率Lrがゼロの場合を1
0としている)Icとの関係を示し、図中の各線はセン
ターポロシティ改善対策を実施した場合のセンターポロ
シティ最大短径指数Icの低下(マクロ的な改善の効
果)の状況を説明している。合格ラインをIc=4.5
mm以下としている理由は、AS−CC材(連続鋳造機
から出片された鋳片)を加熱処理してマンドミルで穿孔
した際、この穿孔方法による圧着効果によりセンターポ
ロシティが無害化され、Ic=0mmと同程度の品質を
維持できるからである。
【0011】線A:溶鋼の攪拌を適用した場合(低温
鋳造を含む)、鋳型内のクロム溶鋼及び/又は鋳型交換
時に交換される最上部の鋳片支持セグメントを除く鋳片
支持セグメントを通過する未凝固のクロム溶鋼を電磁攪
拌装置で攪拌することによってデンドライトの先端をカ
ットし、等軸晶を形成する。また溶鋼を攪拌すること
で、未凝固層の温度を均一にし、デンドライトの発生を
抑制し等軸晶を形成し易くする。 線B:線A+(未凝固部の軽圧下)を適用した場合、
軽圧下の位置は、メニスカスから19〜31mの範囲
で、押し込み量を最大7mm程度とする。なお、溶鋼の
スーパーヒートは20〜40℃とした。
【0012】次に、本発明の一実施の形態に係るクロム
溶鋼の鋳造方法について図を参照しながら説明する。図
1に示すように、タンディッシュ12内のCrを13重
量%含むクロム溶鋼11を、浸漬ノズル13を介して鋳
型14に注入し、鋳型14で一次冷却された鋳片15
を、鋳片支持セグメント16a〜16k、17a〜17
kからなる湾曲された二次冷却帯18により鋳造速度
1.5m/minで搬送、支持しながら二次冷却し、圧
下セグメント19a〜19c、20a〜20cからなる
圧下帯21により、軽圧下を行っている。同時に、普通
鋼に比較してセンターポロシティ性欠陥を生じやすいデ
ンドライト31の生成を抑制して等軸晶32を形成する
ために、鋳型14近傍の電磁攪拌装置24a、24bを
作動して、鋳型14付近の未凝固のクロム溶鋼11を攪
拌すると共に、鋳片支持セグメント16c、17c近傍
に設けた電磁攪拌装置25a、25bによりその上方及
び下方の未凝固部23であるクロム溶鋼11を攪拌す
る。
【0013】即ち、電磁攪拌装置25a、25bによっ
て攪拌されるクロム溶鋼11の位置は、鋳型14内のメ
ニスカス26より4m下方で、最上部の鋳片支持セグメ
ント16a、17aを除く湾曲部の範囲としている。攪
拌する位置が、メニスカス26の下方1.5m以上の最
上部の鋳片支持セグメント16a、17aの場合には、
鋳造事故やサイズ変更時に頻繁に取替が必要であり、場
合によっては設備の損傷を招くからである。また、電磁
力による攪拌推力は60mmhd未満にしている。攪拌
推力が60mmhd以上となる場合には、攪拌するため
の装置が大きくなるからである。また、二次冷却帯18
を出て、圧下帯21に入る際の鋳片15の未凝固幅比R
が0.1〜0.35になるように一次及び二次冷却を制
御している。
【0014】圧下帯21においては、圧下セグメント1
9a〜19c、20a〜20cにより、未凝固幅比Rが
0.1〜0.35から凝固完了までを2〜10mmの押
し込み量で軽圧下して、クロム溶鋼11の封じ込めを行
っている。未凝固幅比Rが0.1においては、凝固部2
2の長さD0 =220mmと仮定すると、未凝固部23
の長さD1 =22mmでありR値が0.1の点から溶鋼
の封じ込めが発生するので、この値を下限範囲として圧
下を行う。また、未凝固幅比Rが0.35を超える領域
では、未凝固部23が大きくなり過ぎて鋳片を圧下して
も圧着の効果が得られない。L面等軸晶率は10〜80
%未満、好ましくは10〜50%未満とする。L面等軸
晶率が10%未満では軽圧下しても、圧着が不十分であ
るためザクが発生し、一方L面等軸晶率が80%を超え
ると未凝固部の断面積が小さくなり、最終の軽圧下の効
果が小さくなるため、ザクが発生する。圧下帯21を通
過した鋳片15は、ピンチロール34により引き抜かれ
ながら搬送され、切断トーチ35により所定の長さに切
断された後、300℃以上で図示しない保熱炉に装入さ
れて700〜800℃に昇温後、直接穿孔装置に送られ
てシームレスパイプに成形される。従って、こうして得
られた合格ライン以下のセンターポロシティ最大短径指
数Icを有するブルームの鋳片15を図示しない加熱処
理等を行ってから、シームレス穿孔加工装置で処理し
て、所定の寸法の円周方向に継ぎ目のないステンレスパ
イプを得ることができる。このブルームの鋳片15は鋳
片中心部におけるセンターポロシティの発生が抑制され
ているので、これをシームレス穿孔加工しても、ステン
レスパイプの内面にセンターポロシティに伴う欠陥を生
成することはない。従って、ステンレスパイプを、過酷
な環境条件下で使用される石油や天然ガスを地中から取
り出すための油井用チュービングやケーシング等に適用
して、ステンレス鋼の持つ二酸化炭素ガスや硫化水素ガ
ス等に対する耐蝕性を生かすことができ、ステンレスパ
イプの寿命を向上できると共に、分塊圧延を連続鋳造後
の鋳片に施すことがないので、この圧延工程を省略して
ステンレスパイプの大幅なコスト削減を達成できる。
【0015】前記実施の形態では、クロム溶鋼11のク
ロム含有量を13重量%としたが、Cr系SUSとして
クロム含有量は10〜20重量%、好ましくは11〜1
7重量%である。11重量%未満では、ザク性欠陥の発
生はなく、一方、17重量%を超えると合金コストがア
ップするからであり、10重量%未満、20重量%を超
えると、更にその傾向が顕著になる。圧下帯21の圧下
セグメントの数を3セットとしたが、通常1〜4セット
程度とする。圧下セグメントに用いた圧下ロール32a
〜32cの形状を、凸状(段付き)としたが、これに限
定されず、フラット状又は太鼓状とすることもできる。
鋳造速度は1.5m/minとしたが、生産性向上のた
め必要に応じて1.6〜2.0m/minとすることも
できる。前記実施の形態では、最上部の鋳片支持セグメ
ントを除く下方の鋳片支持セグメントに一対の電磁攪拌
装置を設置したが、多段に設けることもできる。鋳造す
るブルームの断面形状は、正方形に限定されず、多角
形、丸(又は円)形等でも適用できる。
【0016】
【発明の効果】請求項1〜8記載のクロム溶鋼の鋳造方
法においては、鋳型内のクロム溶鋼及び/又は鋳型交換
時に交換される最上部の鋳片支持セグメントを除く鋳片
支持セグメントを通過する未凝固のクロム溶鋼を電磁攪
拌して凝固した際の鋳片の等軸晶率を10〜80%の範
囲となるようにした鋳片を圧下帯にて軽圧下するので、
圧着の効果が十分であるためザク性欠陥の発生が抑制さ
れるため、品質の良好な鋳片を製造することができると
共に、この鋳片によりシームレスパイプを製造する際、
簡略な製造プロセスにより安価に製造可能となる。ま
た、鋳型鋳造事故時の電磁攪拌装置の損傷の心配がな
く、また鋳型鋳造事故時やサイズ変更時の電磁攪拌装置
の取替が不要である。特に、請求項2記載のクロム溶鋼
の鋳造方法においては、鋳片の未凝固幅比が0.1〜
0.35の範囲から軽圧下するので、等軸晶率に応じた
溶鋼の封じ込めのタイミングで行える。請求項3記載の
クロム溶鋼の鋳造方法においては、クロム溶鋼の攪拌位
置を鋳型内のメニスカスから下方1.5m未満とするの
で、デンドライトの発生を抑制し等軸晶を形成し易くで
きる。請求項4記載のクロム溶鋼の鋳造方法において
は、鋳片の鋳造速度を1.5m/min以上とするの
で、生産性が向上する。請求項5記載のクロム溶鋼の鋳
造方法においては、Cr含有量が11〜17重量%であ
るので、合金コストを適正に抑えることができる。請求
項6記載のクロム溶鋼の鋳造方法においては、クロム溶
鋼の攪拌の推力を60mmhd未満とするので、デンド
ライトの発生をさらに抑制し、その結果、等軸晶の形成
がさらに容易となると共に、設備がコンパクトになり、
電力消費の削減もできる。請求項7記載のクロム溶鋼の
鋳造方法においては、最上部の鋳片支持セグメントを除
く下方の鋳片支持セグメントに、多段に電磁攪拌装置を
設けているので、最上部の鋳片支持セグメントの鋳造事
故やサイズ変更時にも電磁攪拌装置を取り替える必要が
なく、生産性が向上する。請求項8記載のクロム溶鋼の
鋳造方法においては、鋳片が正方形又は丸形のブルーム
であるので、穿孔加工が容易にできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係るクロム溶鋼の鋳造
方法を適用する連続鋳造設備の構成図である。
【図2】圧下直前の鋳片の未凝固幅比の説明図である。
【図3】鋳型回りの拡大図である。
【図4】L面等軸晶率の説明図である。
【図5】L面等軸晶率とセンターポロシティ最大短径指
数との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
10 連続鋳造設備 11 クロム溶
鋼 12 タンディッシュ 13 浸漬ノズ
ル 14 鋳型 15 鋳片 16a〜16k 鋳片支持セグメント 17a〜17k 鋳片支持セグメント 18 二次冷却帯 19a〜19c
圧下セグメント 20a〜20c 圧下セグメント 21 圧下帯 22 凝固部 23 未凝固部 24a、24b 電磁攪拌装置 25a、25b
電磁攪拌装置 26 メニスカス 27a〜27c
支持ローラ 28a〜28c 支持ローラ 29 潤滑パウ
ダー 30 潤滑層 31 デンドラ
イト 32 等軸晶 32a〜32c
圧下ロール 33a〜33c 圧下ロール 34 ピンチロ
ール 35 切断トーチ 36 環状突起
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 和久 福岡県北九州市戸畑区飛幡町1番1号 新 日本製鐵株式会社八幡製鐵所内 (72)発明者 三村 義人 福岡県北九州市戸畑区飛幡町1番1号 新 日本製鐵株式会社八幡製鐵所内 (72)発明者 諸星 隆 福岡県北九州市戸畑区飛幡町1番1号 新 日本製鐵株式会社八幡製鐵所内 (72)発明者 古庄 弘一 福岡県北九州市戸畑区飛幡町1番1号 新 日本製鐵株式会社八幡製鐵所内 Fターム(参考) 4E004 GA05 MC05 MC07 NB02 NB04 NC04

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Cr含有量が10〜20重量%のクロム
    溶鋼を鋳型に注入し、該鋳型の下流側に設けられ凝固シ
    ェルが形成された鋳片を支持する複数の鋳片支持セグメ
    ント、及び更にその下流側に設けられた圧下帯を通して
    ブルームサイズの鋳片を製造するクロム溶鋼の鋳造方法
    において、 前記鋳型内のクロム溶鋼及び/又は鋳型交換時に交換さ
    れる最上部の鋳片支持セグメントを除く前記鋳片支持セ
    グメントを通過する未凝固のクロム溶鋼を電磁攪拌して
    凝固した際の鋳片の等軸晶率を10〜80%の範囲とな
    るようにして、前記鋳片を前記圧下帯で軽圧下すること
    を特徴とするクロム溶鋼の鋳造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のクロム溶鋼の鋳造方法に
    おいて、前記鋳片の未凝固幅比が0.1〜0.35の範
    囲から軽圧下することを特徴とするクロム溶鋼の鋳造方
    法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載のクロム溶鋼の鋳造
    方法において、前記クロム溶鋼の電磁攪拌を前記鋳型内
    で行い、該クロム溶鋼の攪拌位置を前記鋳型内のメニス
    カスから下方1.5m未満とすることを特徴とするクロ
    ム溶鋼の鋳造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項に記載のク
    ロム溶鋼の鋳造方法において、前記鋳片の鋳造速度を
    1.5m/min以上とすることを特徴とするクロム溶
    鋼の鋳造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1項に記載のク
    ロム溶鋼の鋳造方法において、前記Cr含有量が11〜
    17重量%であることを特徴とするクロム溶鋼の鋳造方
    法。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか1項に記載のク
    ロム溶鋼の鋳造方法において、前記クロム溶鋼の攪拌の
    推力を60mmhd未満とすることを特徴とするクロム
    溶鋼の鋳造方法。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれか1項に記載のク
    ロム溶鋼の鋳造方法において、前記最上部の鋳片支持セ
    グメントを除く下方の鋳片支持セグメントに、多段に電
    磁攪拌装置を設けていることを特徴とするクロム溶鋼の
    鋳造方法。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれか1項に記載のク
    ロム溶鋼の鋳造方法において、前記鋳片が正方形又は丸
    形のブルームであることを特徴とするクロム溶鋼の鋳造
    方法。
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