JP2000101065A - 半導体素子 - Google Patents

半導体素子

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JP2000101065A
JP2000101065A JP10272631A JP27263198A JP2000101065A JP 2000101065 A JP2000101065 A JP 2000101065A JP 10272631 A JP10272631 A JP 10272631A JP 27263198 A JP27263198 A JP 27263198A JP 2000101065 A JP2000101065 A JP 2000101065A
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layer
region
gate
semiconductor device
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JP10272631A
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Mitsuru Hanakura
満 花倉
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Meidensha Corp
Meidensha Electric Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Meidensha Corp
Meidensha Electric Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い面積利用率で、高圧大容量素子を作製す
る。 【解決手段】 n型ベース層1の上面側には、比較的高
濃度のn+型層9がエピタキシャル成長により形成され
る。そのn+型層9に対してp型不純物を拡散させて、
後述する第1p型ゲート層4aが形成される。なお、前
記p型不純物の拡散において、n+型層9に対して拡散
される際の横方向および深さ方向の拡散速さは、n+
層9が比較的高濃度であるため、従来技術による拡散速
さと比較して、抑制される。そして、前記n+型層9に
対するp型不純物の拡散が進行し、そのp型不純物がn
型ベース層1に到達すると、前記p型不純物の拡散速さ
は速くなり、従来拡散速さと同等の速さになる。その結
果、n+型層9には第1p型ゲート層4a、n型ベース
層1には第2p型ゲート層4bが、それぞれ比較的狭
く、且つ深く形成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主に電力分野に用
いられる静電誘導サイリスタ等の半導体素子に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】自己消弧型の半導体デバイスは、電力変
換が容易で種々の応用機器に使用されているが、電気エ
ネルギーを高効率利用するために高速動作が可能で低損
失なデバイスの開発が行われている。
【0003】半導体デバイスのうち静電誘導サイリスタ
(以下、SIサイリスタと称する)は、高電圧・大電流領
域において高速動作が可能な次世代の電力用半導体デバ
イスとして注目されている。SIサイリスタを電力分野
へ適用させるためには、現在ゲート・ターンオフ・サイ
リスタ(以下、GTOと称する)では達成されているピー
ク繰り返しオフ電圧が4500V、繰り返し可制御電流
が3000Aクラス以上のデバイスの出現が要望されて
いる。
【0004】図11は、一般的に知られている表面ゲー
ト型SIサイリスタの概略構造図を示すものである。図
11において、符号1は半導体基板(n型半導体基板)で
あるn型半導体から成るベース層(n型高比抵抗領域;
以下、n型ベース層と称する)を示すものであり、その
n型ベース層1の一方の主面側(以下、下面側と称する)
にはアノード領域であるp型半導体から成るエミッタ層
(以下、p型エミッタ層と称する)2が形成される。
【0005】前記n型ベース層1の他方の主面側(以
下、上面側と称する)には、カソード領域であるn型半
導体から成るエミッタ層(以下、n型エミッタ層と称す
る)3が複数個それぞれ所定の間隔を隔てて形成され
る。符号4hは、ゲート領域であるp型半導体から成る
ゲート層(以下、p型ゲート層と称する)を示すものであ
り、そのp型ゲート層4hは前記の各n型エミッタ層3
の間で、それら各n型エミッタ層3と所定の間隔を隔て
て不純物拡散により選択的にそれぞれ形成される。
【0006】前記p型エミッタ層2の表面にはアノード
電極5、前記の各n型エミッタ層3の表面にはカソード
電極6、前記の各p型ゲート層4hの表面にはゲート電
極(金属ゲート電極)7がそれぞれ設けられる。図11に
示したように構成された表面ゲート型SIサイリスタ
は、ゲート領域における表面の大部分に対してゲート電
極が設けられるため、ゲート領域における引き出し抵抗
が低くなる特徴を有する。
【0007】図12は、一般的に知られている埋め込み
ゲート型SIサイリスタの概略構造図を示すものであ
る。なお、図11に示すものと同様なものには同一符号
を付して、その詳細な説明を省略する。図12におい
て、符号1iは、n型ベース層1の上面側に対してエピ
タキシャル成長により形成されたn型ベース層を示すも
のであり、前記n型ベース層1iの上面側にはn型エミ
ッタ層3iが形成される。
【0008】符号4iは、n型ベース層1iにより埋め
込むように、不純物拡散により形成されたp型ゲート層
(埋め込みゲート)を示すものである。なお、図12中の
点線部は、n型ベース層1と、そのn型ベース層1の上
面側にエピタキシャル成長により形成されたエピタキシ
ャル成長層8(n型ベース層1i,n型エミッタ層3
i,p型ゲート層4iの一部)との境界線を示すもので
ある。また、符号6iは前記n型エミッタ層3iに設け
られるカソード電極、符号7iは前記p型ゲート層4i
に設けられるゲート電極を示すものである。
【0009】図12に示したように構成された埋め込み
ゲート型SIサイリスタは、カソード領域とゲート領域
との間に間隙を設ける必要がないため、素子の面積利用
率が高くなる。なお、埋め込みゲート型SIサイリスタ
の作製においては、エピタキシャル成長技術が重要であ
り、オートドーピングおよび結晶欠陥が少ないエピタキ
シャル成長を行う必要がある。
【0010】以上示したように、図11,12に示すよ
うなSIサイリスタは各々の利点を有するが、大電流素
子を構成する場合には、表面ゲート型SIサイリスタを
形成することが好ましい。この理由として、大電流化に
伴って素子の形状(サイズ)が大きくなってしまうため、
素子全体に対して均一に電流を流す場合には、ゲート抵
抗を低くすることが最も重要であるからである。表面ゲ
ート型SIサイリスタによれば、ゲート電極の厚みを厚
くすることにより、ゲート抵抗を所望の値まで低減する
ことが可能である。
【0011】一方、埋め込みゲート型SIサイリスタの
場合、ゲート抵抗を低減するには、金属と比較して抵抗
がかなり高い半導体層から成る埋め込みゲート層の抵抗
を低減する方法しかない。また、不純物量を多くするこ
とによりゲート抵抗を低減する場合、その不純物と半導
体基板であるSi(シリコン)とにおけるイオン半径の差
により結晶性が損なわれ、エピタキシャル成長における
品質が著しく損なわれてしまう。
【0012】SIサイリスタは、他の電力用半導体素子
と比較して変換効率が高い。そのため、高圧大容量のS
Iサイリスタの実現が可能になれば、エネルギー応用分
野における進歩が期待される。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかし、一般的に知ら
れているSIサイリスタの場合、高圧化(高耐電圧化)す
ると電流容量が減少してしまう問題があり、その問題に
より高圧大容量化が妨げられている。
【0014】図13は、一般的に知られている表面ゲー
ト型SIサイリスタにおけるゲート領域とカソード領域
との間付近の部分拡大図を示すものである。なお、図1
1に示すものと同様なものには同一符号を付して、その
詳細な説明を省略する。図13に示すように表面ゲート
型SIサイリスタは、通常はn型ベース層1に対してゲ
ート領域(p型ゲート層4h)とカソード領域(n型エミ
ッタ層3)とが所定の間隔を隔てて交互に配列(櫛形状)
するように形成される。
【0015】そのため、前記p型ゲート層4hとn型エ
ミッタ層3とにおける能動領域の面積利用率Uは、近似
的に下記の数式で示すことができる。なお、下記の数式
におけるaはn型エミッタ層3の幅、bは前記p型ゲー
ト層4hとn型エミッタ層3との間の距離、yはp型ゲ
ート層4h表面の幅を示すものである。
【0016】 U = a/(y + a + 2b) …… (1) ここで、前記(1)式におけるa,bの値は、静電誘導効
果およびパターン精度の制約を考慮すると、殆ど一定で
ある。前記(1)式におけるyは、高耐圧化に伴って変化
するパラメータであるため、前記p型ゲート層4hの深
さ(拡散深さ)をxとすると、前記yは下記の数式で表す
ことができる。なお、下記の数式における係数「0.
8」は拡散深さに対する横方向拡散の割合を示すもので
あり、cはp型ゲート層4hにおける最小パターニング
を示すものである。
【0017】 y = 0.8 × 2x + c = 1.6x + c …… (2) ゆえに、前記(1),(2)式より、前記面積利用率Uは下
記の数式で示すことができる。
【0018】 U = a/(a + 2b + c + 1.6x) …… (3) ここで、a=10(μm),b=2(μm),c=2.5
(μm)とした場合の前記拡散深さxは、空乏層の広がり
等の制約を考慮すると、1200V級素子の場合は5μ
m、4500V級素子の場合は15μm必要になる。そ
のため、前記(3)式から、1200V級素子の場合の前
記面積利用率Uは40.8%、4500V級素子の場合
の前記面積利用率Uは24.7%となる。
【0019】前記SIサイリスタは、高耐圧化に伴っ
て、前記(3)式における拡散深さxの値が増大すると共
に面積利用率Uが減少するため、大容量化が困難とな
る。なお、高圧大容量素子として、一般的に用いられて
いるゲートターンオフサイリスタ(以下、GTOサイリ
スタと称する)における能動領域の面積利用率は、電圧
に関係することなく30〜50%である。このことか
ら、SIサイリスタにおける高耐圧化に伴う面積利用率
の低下を防がない限り、高圧大容量のGTOサイリスタ
をSIサイリスタで置き換えることは困難である。
【0020】前記問題を解決する手段として、図17
(詳細を後述する)に示すようにSIサイリスタを構成す
る手段が知られている。
【0021】図14〜図17は、一般的に知られている
従来技術によるSIサイリスタの製造工程を示す説明図
である。なお、図11,12に示すものと同様なものに
は同一符号を付して、その詳細な説明を省略する。図1
4は、第1p型不純物拡散工程の説明図を示すものであ
り、n型ベース層1の上面側に対して酸化膜を用いて所
望のパターニングした後、そのパターニングされた酸化
膜を介し、前記n型ベース層1の上面側に対しp型不純
物を選択的に拡散させて、所望の形状のp型ゲート層4
iを形成する。
【0022】図15は、エピタキシャル成長工程の説明
図を示すものであり、前記p型ゲート層4i表面を覆う
ように、前記n型ベース層1の上面側表面に対してn型
エピタキシャル成長によりn型ベース層1iを形成す
る。その後、図16の説明図に示す第2p型不純物拡散
工程にて、前記n型ベース層1の下面側に対しp型不純
物を拡散させてp型アノード層2を形成すると共に、前
記n型ベース層1iに対し、前記p型ゲート層4iが位
置する部分にp型不純物を選択的に拡散させて所望の形
状のp型ゲート層4hを形成する。
【0023】なお、前記p型ゲート層4hを形成する際
の熱処理により、前記p型ゲート層4iがエピタキシャ
ル成長層側に対して拡大分布(再分布)され、前記p型ゲ
ート層4hとp型ゲート層4iとが接するように形成さ
れる。そのため、エピタキシャル成長層8の厚みは、前
記p型ゲート層4hとp型ゲート層4iとが接するよう
に設定されているものとする。
【0024】図17は、n型不純物拡散工程の説明図を
示すものであり、前記n型ベース層1iの上面側におけ
る前記p型ゲート層4hの間にn型不純物を拡散させ
て、前記p型ゲート層4hと所定の間隔を隔てて複数個
のn型エミッタ層3を形成する。そして、前記p型アノ
ード層2,n型エミッタ層3,p型ゲート層4hに、そ
れぞれアノード電極5,カソード電極6,ゲート電極7
を設けて、SIサイリスタを構成する。
【0025】前記図14〜図17に示す製造工程を経て
SIサイリスタを構成する場合、良好なエピタキシャル
成長層8を形成することは極めて困難である。エピタキ
シャル成長は、基板表面における結晶情報に基づいて結
晶成長させるものであるため、基板表面の微小な歪みに
より、エピタキシャル成長層8において致命的な積層欠
陥を引き起こすことが多い。
【0026】また、前記図14に示した第1p型不純物
拡散工程において、酸化膜のパターニングおよびp型不
純物拡散は、基板表面に対して歪みを発生させてしまう
大きな原因となる。SIサイリスタにおける製造工程の
精度等を向上させることによって、エピタキシャル成長
層8に発生する積層欠陥を減少させることは可能である
が、大容量素子において必然的に要求されること、すな
わち大面積にわたって致命的な積層欠陥を皆無にするこ
とは、現実的に不可能である。
【0027】本発明は、前記課題に基づいて成されたも
のであり、埋め込みゲート層を形成せずに、面積利用率
の高い高耐圧大容量の半導体素子を提供することにあ
る。
【0028】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記課題の解
決を図るために、第1発明はn型半導体基板の一方の主
面側にアノード領域としてp型アノード層を形成し、そ
の他方の主面側にはカソード領域としてn型エミッタ層
を複数個それぞれ所定の間隔を隔てて形成し、前記p型
アノード層とn型エミッタ層との間に、電流経路となる
n型高比抵抗領域としてn型ベース層を備えると共に、
前記n型エミッタ層を覆うように、且つ前記n型エミッ
タ層と所定の間隔を隔てて、電流のオン・オフ制御を行
うためのゲート領域としてp型ゲート層を不純物拡散に
より選択的に形成して構成された静電誘導サイリスタ等
の半導体素子において、前記n型半導体基板のカソード
領域側表面に対して予めエピタキシャル成長により比較
的高濃度のn+型層を形成することにより、前記p型ゲ
ート層の幅を抑制したことを特徴とする。
【0029】第2発明は、前記第1発明において、前記
+型層は、それぞれ不純物濃度の異なる多層構造から
成り、それら各n+型層の不純物濃度は半導体素子表面
に近づくにつれて高くしたことを特徴とする。
【0030】第3発明は、前記第1発明において、前記
+型層は、不純物拡散により形成したことを特徴とす
る。
【0031】第4発明は、前記第3発明において、前記
+型層は、前記n型半導体基板のカソード領域側に対
してn型不純物のデポジションをイオン注入し、熱処理
して所定の厚さで形成したことを特徴とする。
【0032】第5発明は、前記第1〜4発明において、
前記n+型層に対して所望の形状のトレンチ溝を複数個
形成し、その各トレンチ溝に対してp型不純物を拡散さ
せてp型ゲート層を形成したことを特徴とする。
【0033】第6発明は、前記第1〜5発明において、
前記n型エミッタ層とp型ゲート層との間に、前記n型
エミッタ層を覆うように比較的低濃度のp-型ベース層
を形成して、ノーマリオフ型の特性を示す静電誘導サイ
リスタであることを特徴とする。
【0034】第7発明は、前記第1〜6発明において、
前記n型ベース層とp型アノード層との間に、比較的高
濃度のn型バッファ層を形成したことを特徴とする。
【0035】第8発明は、前記第7発明において、前記
n型ベース層またはn型バッファ層とアノード電極とを
短絡させるために、n型短絡層を備えたことを特徴とす
る。
【0036】第9発明は、静電誘導サイリスタとダイオ
ードとを逆並列に集積して成る逆導通静電誘導サイリス
タにおける静電誘導サイリスタ部に、前記第1〜8発明
の何れかを適用したことを特徴とする。
【0037】第10発明は、n型半導体基板の一方の主
面側にn型ドレイン領域を形成し、その他方の主面側に
はn型ソース領域を複数個それぞれ所定の間隔を隔てて
形成し、前記n型ドレイン領域とn型ソース領域との間
に、電流経路となるn型高比抵抗領域を備えると共に、
前記n型ソース領域を覆うように、且つ前記n型ソース
領域と所定の間隔を隔てて、電流のオン・オフ制御を行
うためのp型ゲート領域を形成して構成された静電誘導
トランジスタ等の半導体素子において、前記p型ゲート
領域に、前記第1〜5発明を適用したことを特徴とす
る。
【0038】第11発明は、n型半導体基板の一方の主
面側にn型領域を形成し、その他方の主面側にはp型領
域を複数個それぞれ所定の間隔を隔てて形成し、前記n
型領域の表面にはカソード電極を設け、前記n型領域の
表面と、前記n型半導体基板の他方の主面側の表面とに
アノード電極を設けて構成される静電誘導ダイオード等
の半導体素子において、前記p型領域に、前記第1〜5
発明を適用したことを特徴とする。
【0039】第12発明は、静電誘導サイリスタと静電
誘導ダイオードとを逆並列に集積して成る逆導通完全静
電誘導サイリスタ等の半導体素子において、前記静電誘
導サイリスタ部と静電誘導ダイオードとに前記第1〜8
発明を適用させたことを特徴とする。
【0040】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。なお、図11〜図17に示すもの
と同様なものには同一符号を付して、その詳細な説明を
省略する。
【0041】図1は、本発明の実施の第1形態における
半導体素子の部分断面構造図を示すものである。図1に
おいて、n型ベース層1の上面側には、比較的高濃度の
n型半導体から成る層(以下、n+型層と称する)9がエ
ピタキシャル成長により形成される。そのn+型層9に
対してp型不純物を拡散させて、後述する第1p型ゲー
ト層4aが形成される。なお、前記p型不純物の拡散に
おいて、n+型層9に対して拡散される際の横方向およ
び深さ方向の拡散速さは、n+型層9が比較的高濃度で
あるため、図11〜図17に示した従来技術による不純
物の拡散(以下、従来拡散と称する)速さと比較して、抑
制される。
【0042】そして、前記n+型層9に対するp型不純
物の拡散が進行し、そのp型不純物がn型ベース層1に
到達すると、前記p型不純物の拡散速さは速くなり、従
来拡散速さと同等の速さになる。その結果、図1に示し
たように、n+型層9には第1p型ゲート層4a、n型
ベース層1には第2p型ゲート層4bとが形成される。
なお、前記第1p型ゲート層4aと第2p型ゲート層4
bとは互いに接しているものとする。
【0043】図1中の一点鎖線部は、前記第1p型ゲー
ト層4aと第2p型ゲート層4bとから成るp型ゲート
層(以下、p型ゲート層4abと称する)を形成した際の
熱処理(拡散温度および拡散時間)により、n型ベース層
1に対して形成した場合のp型ゲート層4hを示すもの
である。図1に示すように、一点鎖線部で示したp型ゲ
ート層4hと比較して、第1p型ゲート層4a表面の幅
は2Δy1狭くすることができ、本実施の第1形態にお
ける面積利用率U1は下記の数式で示すことができる。
【0044】 U1 = a/(a + 2b + c + 1.6x − 2Δy1) …… (4) ゆえに、本実施の第1形態によれば、図17に示したS
Iサイリスタと比較して、前記(3)式に示した「U」か
ら前記(4)式に示した「U1」を差し引いた分の面積利
用率を改善することができる。面積利用率が改善される
割合を増加させるには、前記n+型層9の不純物濃度を
増加させることにより調整することができる。
【0045】それぞれ同じ熱処理によりp型ゲート層4
abとp型ゲート層4hとを形成した場合、厳密に言え
ば、p型ゲート層4hと比較してp型ゲート層4abの
深さは若干浅くなってしまう。これは、n型ベース層1
に対してp型ゲート層4hを形成する際の従来拡散速さ
と比較して、n+型層9に対してp型ゲート層4aを形
成する際の拡散速さが遅いために生じる効果であると推
測できる。
【0046】p型ゲート層4hと同じ熱処理でp型ゲー
ト層4abを形成し、そのp型ゲート層4abの深さを
前記p型ゲート層4hの深さと同じに調整するには、そ
の熱処理の時間を増加させることにより調整できる。こ
のように、前記p型ゲート層4abの深さを調整した場
合、前記Δy1の値は若干減少する程度であり、図17
に示したSIサイリスタと比較して面積利用率が増加す
ることに変わりは無い。
【0047】本実施の第1形態におけるp型ゲート層4
abは、そのp型ゲート層4abの形状により、p型ゲ
ート層4hと比較して大きい静電誘導効果が得られるた
め、前記p型ゲート層4abの深さがp型ゲート層4h
と比較して浅い場合でも、所望の耐電圧を達成すること
ができる。
【0048】ここで、前記静電誘導効果とは、ゲート電
極とカソード電極との間に逆バイアスを印加した場合
に、それぞれ隣接する各p型ゲート層における周囲にお
いて、n型ベース層に対して拡がる各空乏層がそれぞれ
繋がる効果であり、本実施の第1形態におけるp型ゲー
ト層4abによれば、比較的深い空乏層においても繋が
り易くなる。また、半導体素子の設計によっては、p型
ゲート層4abを形成する際の熱処理時間を増やす必要
も無く、さらに熱処理時間を減少させることも可能とな
る。
【0049】図1に示した半導体素子におけるn+型層
9の上面側には、複数個のn型エミッタ層(図示省略)が
それぞれp型ゲート層4abと所定の間隔を隔てて形成
されるが、n+型層9が比較的高濃度であるため、前記
n型エミッタ層を形成する際における不純物注入効率
は、若干低下してしまう問題がある。しかし、n型エミ
ッタ層から注入されるキャリアの量を抑制して素子のト
レードオフ特性等を改善することができるため、このよ
うなn型エミッタ層からのキャリアの注入効率低下は、
半導体素子において利点となる。
【0050】例えば、従来技術により、不純物濃度が5
×1012cm-3であるn型シリコン基板を用いて作製さ
れた4500V級のSIサイリスタの場合、p型ゲート
層の深さxは16.5μmであり、そのp型ゲート層表
面の幅yは前記(2)式と同様に(26.4+c)μmであ
った。
【0051】一方、本実施の第1形態のように、n型ベ
ース層の上面側に対して、予めエピタキシャル成長によ
り不純物濃度が5×1014cm-3のn型層(n+型層)を
5μm形成した後、従来技術と同様の熱処理を行って作
製されたSIサイリスタの場合、図17に示したSIサ
イリスタと比較して、p型ゲート層の深さが16μm浅
くなり、その浅く形成されたp型ゲート層表面の幅は
5.8μm狭くなることを確認できた。
【0052】以上、n+型層の形成において、本実施の
第1形態では、エピタキシャル成長により形成する方法
を示したが、本実施の第1形態によるエピタキシャル成
長は未処理のSI基板に対して直接行うものである。そ
のため、埋め込みゲート型SIサイリスタを形成する際
に用いられ、高濃度の選択拡散が施された基板に対して
行われるエピタキシャル成長と比較して、本実施の第1
形態におけるエピタキシャル成長は品質(品質維持;積
層欠陥等の防止)の面で極めて優れている。
【0053】本実施の第1形態のように、未処理のSI
基板に対して直接行うエピタキシャル成長によれば、致
命的な積層欠陥が全く無いエピタキシャル成長層を形成
することが容易になり、IGBT基板として工業的にも
広く利用されている。また、本実施の第1形態における
エピタキシャル成長を行わずに、不純物拡散により比較
的高濃度のn型層を形成することも可能である。
【0054】なお、本実施の第1形態におけるエピタキ
シャル成長を行わずに、不純物拡散により比較的高濃度
のn型層(n+型層)を形成する場合、そのn+型層をより
均一に形成するために、まずn型不純物のデポジション
をイオン注入により行い、しかる後に熱処理を行うこと
により所定の厚さで前記n+型層を形成することが好ま
しい。
【0055】次に、本発明の実施の第2形態を説明す
る。図2は、本発明の実施の第2形態における半導体素
子の部分断面構造図を示すものである。なお、図1に示
すものと同様なものには同一符号を付して、その詳細な
説明を省略する。図2において、符号10は、n+型層
9と比較して高濃度のn型半導体から成る層(以下、n
++型層と称する)を示すものであり、前記n+型層9の上
面側に対しエピタキシャル成長により形成されるもので
ある。
【0056】前記n++型層10に対してp型不純物を拡
散させ、後述する第1p型ゲート層4cが形成される。
なお、前記p型不純物の拡散において、n++型層10に
対して拡散される際の横方向および深さ方向の拡散速さ
は、従来拡散速さと比較して、抑制される。その後、前
記n++型層10に対するp型不純物の拡散が進行し、そ
のp型不純物がn+型層9に到達すると、そのp型不純
物の拡散速さは速くなり、前記第1p型ゲート層4aに
おける拡散速さと同等の速さになる。
【0057】そして、前記n++型層10に対するp型不
純物の拡散が進行し、そのp型不純物がn型ベース層1
に到達すると、そのp型不純物の拡散速さが更に速くな
り、前記第2p型ゲート層4bにおける拡散速さと同等
の速さになる。その結果、図2に示したように、n++
層10には第1p型ゲート層4c、n+型層9には第2
p型ゲート層4d、n型ベース層1には第3p型ゲート
層4eがそれぞれ形成される。なお、前記第1p型ゲー
ト層4c,第2p型ゲート層4d,第3p型ゲート層4
eは、それぞれ順次接しているものとする。
【0058】また、図2中の一点鎖線部は、前記第1p
型ゲート層4c,第2p型ゲート層4d,第3p型ゲー
ト層4eから成るp型ゲート層(以下、p型ゲート層4
cdeと称する)を形成する際の熱処理(拡散温度および
拡散時間)で、図14〜図17に示す製造工程を経てn
型ベース層1に対して形成した場合のp型ゲート層4h
を示すものである。図2中の二点鎖線部は、前記p型ゲ
ート層4cdeを形成する際の熱処理(拡散温度および
拡散時間)で、本実施の第1形態によりn+型層9,n型
ベース層1に対して形成した場合のp型ゲート層4ab
を示すものである。図2中の二点鎖線部で示したp型ゲ
ート層4abと比較して、p型ゲート層4cde表面の
幅は2Δy2狭くすることができ、本実施の第1形態と
比較して、面積利用率をさらに向上させることができ
る。
【0059】以上示したように、前記n型ベース層1の
上面側に対して形成する比較的高濃度のn型層を多層構
造(本実施の第2形態では2重構造;n+型層,n++
層)にすることにより、前記面積利用率を向上させるこ
とが可能であることを確認できた。
【0060】なお、前記比較的高濃度のn型層を1層構
造とすると共に濃度を更に高濃度にした場合において
も、その比較的高濃度のn型層に形成されるp型ゲート
層表面の幅を狭くして前記面積利用率を向上させること
が可能ではあるが、その比較的高濃度のn型層に形成さ
れるp型ゲート層の形状が歪になってしまったり、その
p型ゲート層の深さが極端に浅くなってしまう恐れがあ
る。
【0061】しかし、前記のように1層構造で比較的高
濃度のn型層を本実施の第1形態で示したように不純物
拡散により形成する場合には、その比較的高濃度のn型
層表面にて濃度勾配のピークを示すため、本実施の第2
形態における多層構造の比較的高濃度のn型層と同様の
効果を得ることができる。
【0062】次に、本発明の実施の第3形態における半
導体素子を説明する。図3は、本発明の実施の第3形態
における半導体素子の部分断面構造図を示すものであ
る。なお、図1,2に示すものと同様なものには同一符
号を付して、その詳細な説明を省略する。図3に示すよ
うに、n型ベース層1の上面側に対してエピタキシャル
成長によりn+型層9を形成した後、後述する第1p型
ゲート層4f,第2p型ゲート層4gが位置する部分
で、前記n+型層9およびn型ベース層1の上面側に対
して、所望の形状のトレンチ溝11が掘って(エッチン
グ等により)形成される。
【0063】前記トレンチ溝11に対してp型不純物を
拡散させることにより、前記n+型層9における前記ト
レンチ溝11の周囲に対して第1p型ゲート層4fが形
成され、前記n型ベース層1における前記トレンチ溝1
1の周囲に対して第2p型ゲート層4gが形成される。
【0064】例えば、単に前記トレンチ溝11を従来技
術に適用してn型ベース層1にp型不純物を拡散させて
p型ゲート層41を形成した場合(図中の点線部)でも、
そのp型ゲート層41表面の幅は、そのp型ゲート層4
1と同じ熱処理により形成したp型ゲート層4h(図中
の一点鎖線部)の幅と比較して2Δy4狭くすることがで
き、面積利用率を向上させることができる。
【0065】そして、トレンチ溝11の周囲に対してp
型不純物を拡散させて形成した第1p型ゲート層4f,
第2p型ゲート層4gとから成るp型ゲート層(以下、
p型ゲート層4fgと称する)の場合、短い熱処理時間
で深く形成することができるため、そのp型ゲート層4
fg表面の幅は、前記p型ゲート層41表面の幅と比較
してさらに2Δy3狭くすることができ、面積利用率が
さらに向上することを確認できた。
【0066】ゆえに、本実施の第3形態により、従来技
術と比較して、半導体素子の面積利用率をより向上させ
ることが可能であることを確認できた。
【0067】次に、本発明の実施の第4形態における半
導体素子を説明する。本発明の実施の第4形態では、種
々のSIサイリスタで本実施の第1形態を適用した場合
を図4〜7に基づいて以下に説明する。なお、図1〜3
に示すものと同様なものには同一符号を付して、その詳
細な説明を省略する。
【0068】図4は、本実施の第1形態を適用し、ゲー
ト領域に対して逆バイアスを印加しない状態で素子がオ
ン状態になる、ノーマリオン型のSIサイリスタにおけ
る概略構成図を示すものである。図4に示すように、n
型ベース層1の上面側に対してエピタキシャル成長によ
りn+型層9を形成し、そのn+型層9の上面側にn型不
純物を拡散させて、複数個のn型エミッタ層3をそれぞ
れ所定の間隔を隔てて形成する。
【0069】前記の各n型エミッタ層3と所定の間隔を
隔てて、前記n+型層9に対してp型不純物を拡散させ
て第1p型ゲート層4aを形成する。さらに、前記第1
p型ゲート層4aにおける拡散を進行させ、そのp型不
純物をn型ベース層1に対しても拡散させることによ
り、前記第1p型ゲート層4aの下方に位置する部分に
対して、第2p型ゲート層4bを形成する。
【0070】そして、p型エミッタ層2,n型エミッタ
層3,第1p型ゲート層4aにおける各々の表面に対し
て、それぞれアノード電極5,カソード電極6,ゲート
電極7を設けてノーマリオン型のSIサイリスタが構成
される。
【0071】図5は、本実施の第1形態を適用し、ゲー
ト領域に対して逆バイアスを印加しない状態でオフ状態
になるノーマリオフ型のSIサイリスタにおける概略構
成図を示すものである。図5に示すように、n型ベース
層1の上面側に対してエピタキシャル成長によりn+
層9を形成し、そのn+型層9の上面側に対して比較的
低濃度のp型半導体から成る拡散層(p-型ベース領域;
以下、p-型層と称する)12を形成する。
【0072】そして、前記図4に示したノーマリオン型
のSIサイリスタと同様に、p型エミッタ層2,n型エ
ミッタ層3,第1p型ゲート層4a,第2p型ゲート層
4bをそれぞれ形成し、アノード電極5,カソード電極
6,ゲート電極7をそれぞれ設けて、ノーマリオフ型の
SIサイリスタが構成される。
【0073】図6は、本実施の第1形態を適用し、高耐
圧の素子の場合においてもベース厚みの増加を抑えるこ
とが可能なパンチスルー型のSIサイリスタの概略構成
図を示すものである。図6に示すように、n型ベース層
1とp型エミッタ層2との間に、比較的高濃度のn型半
導体から成るバッファ層(以下、n+型バッファ層と称す
る)13を形成し、前記図4に示したノーマリオン型の
SIサイリスタと同様に、p型エミッタ層2,n型エミ
ッタ層3,第1p型ゲート層4a,第2p型ゲート層4
bをそれぞれ形成し、アノード電極5,カソード電極
6,ゲート電極7をそれぞれ設けて、パンチスルー型の
SIサイリスタが構成される。
【0074】前記のようにパンチスルー型のSIサイリ
スタを構成することにより、耐圧印加時において、n型
ベース層に対して拡がる空乏層がp型エミッタ層に達し
ないようにすることができるため、前記n型ベース層が
薄い場合でも高耐圧を達成することが可能となる。
【0075】図7は、本実施の第1形態を適用して、タ
ーンオフ損失を低減することが可能なアノードショート
型のSIサイリスタの概略構成図を示すものである。図
7に示すように、n型ベース層1の下面側およびp型エ
ミッタ層2に対してn型不純物を拡散させて、n型半導
体から成るショート層(以下、n型ショート層と称する)
14を複数個それぞれ所定の間隔を隔てて形成し、前記
図4に示したノーマリオン型のSIサイリスタと同様
に、p型エミッタ層2,n型エミッタ層3,第1p型ゲ
ート層4a,第2p型ゲート層4bをそれぞれ形成し、
アノード電極5,カソード電極6,ゲート電極7をそれ
ぞれ設けて、アノードショート型のSIサイリスタが構
成される。前記のように構成されたアノードショート型
のSIサイリスタは、n型ベース層とp型エミッタ層と
がアノード電極により短絡される。
【0076】以上、本実施の第4形態により、本実施の
第1形態を適用した種々のSIサイリスタを説明した
が、図4〜7に示した種々のSIサイリスタを組み合わ
せた構造、例えばパンチスルー型とアノードショート型
とを組み合わせたSIサイリスタにおいても、本実施の
第1形態を適用することが可能である。
【0077】なお、本実施の第4形態では、種々のSI
サイリスタにおいて本実施の第1形態を適用したが、そ
れら種々のSIサイリスタに本実施の第2,3形態を適
用することも可能である。
【0078】次に、本発明の実施の第5形態における半
導体素子を説明する。図8は、SIサイリスタとダイオ
ードとを逆並列に集積して成る逆導通静電誘導サイリス
タ(以下、逆導通SIサイリスタと称する)で、その逆導
通SIサイリスタのサイリスタ部(詳細を後述する)に本
実施の第1形態を適用した場合の概略構成図である。
【0079】図8に示すように、逆導通SIサイリスタ
は、SIサイリスタ部A、ダイオード部B、前記SIサ
イリスタ部Aとダイオード部Bとを分離するための分離
部Cから成る。まず、n型ベース層1の下面側におい
て、SIサイリスタ部Aが位置する部分に対してはp型
不純物を拡散させてp型エミッタ層2を形成し、ダイオ
ード部Bが位置する部分に対してはn型不純物を拡散さ
せてn+型層15を形成する。
【0080】前記n型ベース層1の上面側に形成される
+型層9において、前記SIサイリスタ部Aが位置す
る部分には前記図4に示したSIサイリスタと同様にn
型エミッタ層3,第1p型ゲート層4aを形成し、前記
ダイオード部Bが位置する部分にはp型不純物を拡散さ
せて第1p型アノード層16aを形成する。前記第1p
型ゲート層4a,第1p型アノード層16aは、同じ熱
処理により同時に形成される。
【0081】その後、前記第1p型ゲート層4a,第1
p型アノード層16aにおける熱処理を進行させて、第
1p型ゲート層4aの下方に位置するn型ベース層1に
対しては第2p型ゲート層4b、第1p型アノード層1
6aの下方に位置するn型ベース層1に対しては第2p
型アノード層16bを形成する。そして、n型エミッタ
層3,第1p型ゲート層4aにはそれぞれカソード電極
6,ゲート電極7、前記第1p型アノード層16aには
アノード電極17を設ける。符号18は、SIサイリス
タ部Aのアノード電極と、ダイオード部Bのカソード電
極とを兼ねた共通電極を示すものである。
【0082】図8に示したように、逆導通SIサイリス
タのダイオード部におけるp型アノード層が細分化され
ていない(幅の広い単独の拡散層;一層構造)ことによ
り、p型アノード層表面の幅が多少狭く(数μmの範囲)
なった場合においても、素子の特性が影響を受けること
は無い。
【0083】次に、本発明の実施の第6形態における半
導体素子を説明する。図9は、本実施の第1形態を適用
した、SIサイリスタと同様の静電誘導素子である静電
誘導トランジスタの概略構成図を示すものである。図9
において、n型ベース層19の下面側には、n型不純物
を拡散させて、比較的高濃度のn型半導体から成るドレ
イン層(以下、n+型ドレイン層と称する)20が形成さ
れる。前記n型ベース層19の上面側には、エピタキシ
ャル成長等により、前記n型ベース層19と比較して高
濃度のn+型層21が形成される。
【0084】前記n+型層21の上面側には、n型不純
物を拡散させて比較的高濃度のn型半導体から成るソー
ス層(ソース領域;以下、n+型ソース層と称する)22
を複数個それぞれ所定の間隔を隔てて形成すると共に、
p型不純物を拡散させて前記の各n型ソース層22と所
定の間隔を隔てて第1p型ゲート層23aを形成する。
【0085】その後、前記第1p型ゲート層23aにお
ける熱処理を進行させて、前記n型ベース層19におけ
る前記第1p型ゲート層23aの下方に位置する部分に
第2p型ゲート層23bを形成する。そして、前記n+
型ドレイン層20,n+型ソース層22,第1p型ゲー
ト層23aに対して、それぞれドレイン電極24,ソー
ス電極25,ゲート電極26を設けて静電誘導トランジ
スタが構成される。
【0086】図9に示したように静電誘導トランジスタ
を構成することにより、前記図4〜7に示したSIサイ
リスタと同様に、ソース領域における面積利用率を向上
させることが可能となる。
【0087】次に、本発明の実施の第7形態における半
導体素子を説明する。図10は、本実施の第1形態を適
用した、SIサイリスタと同様の静電誘導素子である静
電誘導ダイオードの概略構成図を示すものである。図1
0において、半導体基板であるn型層27の下面側に対
してn型不純物を拡散させてn+型層28を形成する。
前記n型層27の上面側には、エピタキシャル成長によ
り前記n型層27と比較して高濃度のn+型層29を形
成する。
【0088】前記n+型層29に対してp型不純物を拡
散させて、p型半導体から成る第1拡散層(以下、第1
p型層と称する)30aを所望の形状で形成する。前記
第1p型層30aの熱処理を進行させて、前記n型層2
7の上面側における前記第1p型層30aの下方に位置
する部分に第2p型拡散層(以下、第2p型層と称する)
30bを形成する。そして、前記n+型層28,第1p
型層30aに対して、それぞれカソード電極31,アノ
ード電極32を設けて静電誘導ダイオードが構成され
る。
【0089】静電誘導ダイオードは、優れた逆回復特性
を有することで知られているが、図10に示すように、
アノード電極32によりn型層27とp型層(第1p型
層30a,第2p型層30b)とが短絡されている構造
であるため、設計耐圧を達成することが困難である。こ
の問題を解決する手段として、埋め込みp型層を形成し
て静電誘導効果を強め、設計耐圧を達成させる手段が知
られているが、本実施の第7形態によれば、前記の埋め
込みp型層を形成する必要なく、同様の効果を達成させ
ることが可能となる。
【0090】図10に示した静電誘導ダイオードの他
に、その静電誘導ダイオードとSIサイリスタとを逆並
列に集積して成る逆導通完全静電誘導サイリスタにおい
ても、SIサイリスタ部におけるゲート部と、ダイオー
ド部における複数個に分割されたp型層と共に、本実施
の第7形態を適用することにより、面積利用率の高いS
Iサイリスタと逆回復特性に優れた高耐圧逆導通完全静
電誘導サイリスタを得ることができる。
【0091】なお、本実施の第5〜第7形態における半
導体素子では、本実施の第1形態を適用したが、本実施
の第2〜第3形態を適用した場合においても、本実施の
第5〜第7形態に示した効果が得られることは明らかで
ある。
【0092】
【発明の効果】以上示したように本発明によれば、SI
サイリスタ等の静電誘導素子において、その素子を高耐
圧化する際に面積利用率が減少しないため、高い面積利
用率で高圧大容量素子を作製することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の第1形態における半導体素子の
一部分の断面構造図。
【図2】本発明の実施の第2形態における半導体素子の
一部分の断面構造図。
【図3】本発明の実施の第3形態における半導体素子の
一部分の断面構造図。
【図4】本発明の実施の第4形態におけるノーマリオン
型SIサイリスタの概略構成図。
【図5】本発明の実施の第4形態におけるノーマリオフ
型SIサイリスタの概略構成図。
【図6】本発明の実施の第4形態におけるパンチスルー
型SIサイリスタの概略構成図。
【図7】本発明の実施の第4形態におけるアノードショ
ート型SIサイリスタの概略構成図。
【図8】本発明の実施の第5形態における半導体素子の
概略構成図。
【図9】本発明の実施の第6形態における半導体素子の
概略構成図。
【図10】本発明の実施の第7形態における半導体素子
の概略構成図。
【図11】一般的に知られている表面ゲート型SIサイ
リスタの概略構成図。
【図12】一般的に知られている埋め込みゲート型SI
サイリスタの概略構成図。
【図13】図11の表面ゲート型SIサイリスタの部分
拡大図。
【図14】第1p型不純物拡散工程の説明図。
【図15】エピタキシャル成長工程の説明図。
【図16】第2p型不純物拡散工程の説明図。
【図17】n型不純物拡散工程の説明図。
【符号の説明】
1,19…n型ベース層 2…p型アノード層 3…n型エミッタ層 4a〜4i,4ab,23a,23b,41…p型ゲー
ト層 5,17,32…アノード電極 6,31…カソード電極 7,26…ゲート電極 8…エピタキシャル成長層 9,15,21,28,29…n+型層 10…n++型層 11…トレンチ溝 12…p-型層 13…n+型バッファ層 14…n型ショート層 16a,16b…p型アノード層 18…共通電極 19,27…n型層 20…n型ドレイン層 22…n型ソース層 24…ドレイン電極 25…ソース電極 30a,30b…p型層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 29/91 D

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 n型半導体基板の一方の主面側にアノー
    ド領域としてp型アノード層を形成し、その他方の主面
    側にはカソード領域としてn型エミッタ層を複数個それ
    ぞれ所定の間隔を隔てて形成し、 前記p型アノード層とn型エミッタ層との間に、電流経
    路となるn型高比抵抗領域としてn型ベース層を備える
    と共に、前記n型エミッタ層を覆うように、且つ前記n
    型エミッタ層と所定の間隔を隔てて、電流のオン・オフ
    制御を行うためのゲート領域としてp型ゲート層を不純
    物拡散により選択的に形成して構成された静電誘導サイ
    リスタ等の半導体素子において、 前記n型半導体基板のカソード領域側表面に対して予め
    エピタキシャル成長により比較的高濃度のn+型層を形
    成することにより、前記p型ゲート層の幅を抑制したこ
    とを特徴とする半導体素子。
  2. 【請求項2】 前記n+型層は、それぞれ不純物濃度の
    異なる多層構造から成り、それら各n+型層の不純物濃
    度は半導体素子表面に近づくにつれて高くしたことを特
    徴とする請求項1記載の半導体素子。
  3. 【請求項3】 前記n+型層は、不純物拡散により形成
    したことを特徴とする請求項1記載の半導体素子。
  4. 【請求項4】 前記n+型層は、前記n型半導体基板の
    カソード領域側に対してn型不純物のデポジションをイ
    オン注入し、熱処理して所定の厚さで形成したことを特
    徴とする請求項3記載の半導体素子。
  5. 【請求項5】 前記n+型層に対して所望の形状のトレ
    ンチ溝を複数個形成し、その各トレンチ溝に対してp型
    不純物を拡散させてp型ゲート層を形成したことを特徴
    とする請求項1〜4記載の半導体素子。
  6. 【請求項6】 前記n型エミッタ層とp型ゲート層との
    間に、前記n型エミッタ層を覆うように比較的低濃度の
    -型ベース層を形成して、ノーマリオフ型の特性を示
    す静電誘導サイリスタであることを特徴とする請求項1
    〜5記載の半導体素子。
  7. 【請求項7】 前記n型ベース層とp型アノード層との
    間に、比較的高濃度のn型バッファ層を形成したことを
    特徴とする請求項1〜6記載の半導体素子。
  8. 【請求項8】 前記n型ベース層またはn型バッファ層
    とアノード電極とを短絡させるために、n型短絡層を備
    えたことを特徴とする請求項7記載の半導体素子。
  9. 【請求項9】 静電誘導サイリスタとダイオードとを逆
    並列に集積して成る逆導通静電誘導サイリスタにおける
    静電誘導サイリスタ部に、請求項1〜8の何れかを適用
    したことを特徴とする半導体素子。
  10. 【請求項10】 n型半導体基板の一方の主面側にn型
    ドレイン領域を形成し、その他方の主面側にはn型ソー
    ス領域を複数個それぞれ所定の間隔を隔てて形成し、前
    記n型ドレイン領域とn型ソース領域との間に、電流経
    路となるn型高比抵抗領域を備えると共に、前記n型ソ
    ース領域を覆うように、且つ前記n型ソース領域と所定
    の間隔を隔てて、電流のオン・オフ制御を行うためのp
    型ゲート領域を形成して構成された静電誘導トランジス
    タ等の半導体素子において、 前記p型ゲート領域に、請求項1〜5を適用したことを
    特徴とする半導体素子。
  11. 【請求項11】 n型半導体基板の一方の主面側にn型
    領域を形成し、その他方の主面側にはp型領域を複数個
    それぞれ所定の間隔を隔てて形成し、前記n型領域の表
    面にはカソード電極を設け、前記n型領域の表面と、前
    記n型半導体基板の他方の主面側の表面とにアノード電
    極を設けて構成される静電誘導ダイオード等の半導体素
    子において、 前記p型領域に、請求項1〜5を適用したことを特徴と
    する半導体素子。
  12. 【請求項12】 静電誘導サイリスタと静電誘導ダイオ
    ードとを逆並列に集積して成る逆導通完全静電誘導サイ
    リスタ等の半導体素子において、 前記静電誘導サイリスタ部と静電誘導ダイオードとに請
    求項1〜8を適用したことを特徴とする半導体素子。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018530916A (ja) * 2015-09-11 2018-10-18 アーベーベー・シュバイツ・アーゲー フラットゲート転流型サイリスタ

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JP2018530916A (ja) * 2015-09-11 2018-10-18 アーベーベー・シュバイツ・アーゲー フラットゲート転流型サイリスタ

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