JP2000099716A - 画像データ処理装置およびその色補正方法 - Google Patents

画像データ処理装置およびその色補正方法

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JP2000099716A
JP2000099716A JP10267044A JP26704498A JP2000099716A JP 2000099716 A JP2000099716 A JP 2000099716A JP 10267044 A JP10267044 A JP 10267044A JP 26704498 A JP26704498 A JP 26704498A JP 2000099716 A JP2000099716 A JP 2000099716A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 誤差拡散法とディザ法とにより処理された画
像の色が実質的に一致する画像データ処理装置を提供す
る。 【解決手段】 多値画像データである画像データを誤差
拡散対応ルックアップテーブルによって色補正した後、
誤差拡散法の誤差拡散パターンにより処理した画像デー
タにより得られる誤差拡散法画像と、ディザ法のディザ
パターン(図13(b))により処理した画像データに
より得られるディザ法画像とについてそれぞれドットゲ
インカーブを取得し、比較して、同じ画像データに対し
て得られる誤差拡散法画像の色の濃度とディザ法画像の
色の濃度とが実質的に同じになるようにディザパターン
を修正する(図13(c))。ドットゲインカーブは、
ドット形成面積の演算により取得してもよく、測色によ
り取得してもよい。両画像の色差に基づいてディザパタ
ーンを修正してもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は画像データ処理装置
およびその色補正方法に関するものであり、特に、誤差
拡散法およびディザ法によりそれぞれ実現される画像の
色を補正する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】濃淡のある画像を記録あるいは表示する
場合、2値画像データ、すなわちドットを形成するか否
かを規定するデータに基づいて濃淡を表現することが行
われている。2値の画像データに基づいて形成されるド
ットの単位面積当たりの数を変化させることにより、濃
淡を表現することができるのである。これは白黒画像で
あっても、カラー画像であっても同じである。
【0003】この2値画像データは、画像の濃淡、すな
わち階調の大きさを規定する多値の画像データを2値画
像データに変換することにより得られる。この変換の手
法として従来、誤差拡散法やディザ法が知られている。
誤差拡散法としては、ある画素について作成された多階
調の画像データの値を2値化した場合に、2値化によっ
て生じた誤差を、未だ2値化されていない周辺の画素の
濃度に分配する方法(狭い意味の誤差拡散法)、あるい
は2値化する際に周辺に存在する既に2値化された画素
からその2値化の際に生じた誤差の所定割合を受け取る
方法(平均誤差最小法とも言う)等がよく知られてい
る。これらを含む誤差拡散法が広義の誤差拡散法であ
り、本明細書では、「誤差拡散法」なる用語は、特に断
らない限り、広義の誤差拡散法として用いる。また、デ
ィザ法は、しきい値マトリクスにより構成されるディザ
パターンを用いて2値化を行う方法である。しきい値マ
トリクスは、正方形状に配列されたn×n個(nはディ
ザパターンによって2値化される多値画像データの階調
の最大値の平方根に等しい)のしきい値の集合であり、
1からn2 までの整数値が適宜に配列されている。画像
データの値を、対応するマトリクスのしきい値と比較
し、しきい値より大きいか否かによって2値化データが
作成される。
【0004】誤差拡散法により実現される色とディザ法
により実現される色とは、一致しないのが普通である。
これは、同じ多値画像データを2値化するのであって
も、誤差拡散法とディザ法とでは、2値化の手法が異な
ることによりドットの数は同じであっても形成される位
置が一致しないことによる。ドットの配置や隣接ドット
との重なりの発生率が異なることにより色が異なってく
るのである。そのため、誤差拡散法による2値画像デー
タの作成とディザ法による2値画像データの作成とが択
一的に行われる装置においては、それぞれの方法で2値
化された画像の色が互いに一致しない不都合が生ずる。
例えば、原画像の種類に応じて多値画像データの2値化
の方法が選択されるのであるが、表示あるいは記録され
た画像の色が互いに異なってしまい、使用者に色の再現
性が悪い印象を与えるのである。
【0005】そこで、従来は、誤差拡散法を用いて2値
画像データを得る前およびディザ法を用いて2値画像デ
ータを得る前にそれぞれ、誤差拡散用のルックアップテ
ーブルおよびディザ用のルックアップテーブルを用いて
多値画像データを補正し、各2値化法により実現される
画像の色が同じになるようにすることが行われていた。
しかしながら、各2値化法について色補正用のルックア
ップテーブルが必要であり、装置が複雑となり、また、
処理に時間がかかる問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題,課題解決手段,作用お
よび効果】本発明は、以上の事情を背景とし、誤差拡散
法により実現される画像の色とディザ法により実現され
る画像の色とが実質的に一致する画像データ処理装置お
よびそれの設計時における色補正方法を提供することを
課題として為されたものであり、本発明によって、下記
各態様の画像データ処理装置および色補正方法が得られ
る。各態様は請求項と同様に、項に区分し、各項に番号
を付し、必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記
載する。これは、本明細書に記載の技術的特徴およびそ
れらの組合わせを例示するためであり、本明細書に記載
の技術的特徴やそれらの組合わせが以下のものに限定さ
れると解釈されるべきではない。 (1)誤差拡散法とディザ法とで選択的に画像データを
処理可能な画像データ処理装置において、誤差拡散法に
より実現される画像とディザ法により実現される画像と
の両方の色を補正する方法であって、前記画像データに
ついて前記誤差拡散法の誤差拡散パターンに対応する色
補正を行い、その色補正に適合するようにディザ法のデ
ィザパターンを決定する画像データ処理装置の色補正方
法(請求項1)。誤差拡散法の誤差拡散パターンに対応
する色補正は、誤差拡散法により実現される画像の色が
所望の色(一般には正規の色、例えば、画像データが原
画像の読取りによって得られる画像データであれば、原
画像の色により近い色、画像データがオペレータによっ
て作成されたデータであれば、オペレータが意図する
色)となるように行われる。そして、この色補正に適合
するようにディザ法のディザパターンが決定される。こ
のディザパターン決定の一法は、一般的に使用されてい
る基本的なディザパターンを色補正のために修正するこ
とであり、この方法によれば容易に決定できるが、全く
新規なディザパターンを作成することも可能である。本
発明に従って決定されるディザパターンと基本的なディ
ザパターンとを区別する必要がある場合には、前者を
「特殊ディザパターン」、後者を「通常ディザパター
ン」と称することとする。特殊ディザパターンにより処
理される画像データは、誤差拡散パターンに対応する色
補正が行われた多値画像データである場合と、誤差拡散
パターンに対応する色補正が行われていない多値画像デ
ータである場合とがあるが、いずれの場合にも、特殊デ
ィザパターンによって処理された画像データに基づいて
形成される画像と、誤差拡散パターンおよびそれのため
の色補正によって処理された画像データに基づいて形成
される画像とが実質的に同じになるように、特殊ディザ
パターンが決定される。そのため、誤差拡散法により実
現される画像の色と、ディザ法により実現される画像の
色とは、いずれも所望の色になり、実質的に互いに同じ
になって、処理法の違いによる画像の色の違いがなくな
る。ディザ法により処理される多値画像データが誤差拡
散パターンに対応する色補正が行われた画像データであ
る場合には、誤差拡散パターンに対応する色補正が、誤
差拡散法とディザ法とに共用されることとなる。誤差拡
散パターンに対応する色補正は、通常ディザパターンに
対応して行われるべき色補正と同じではないが、相当程
度似ているのが普通であるため、誤差拡散パターンに対
応する色補正が行われた多値画像データに基づいて画像
が形成されれば、その画像は、誤差拡散パターンおよび
それのための色補正によって処理された画像データに基
づいて形成される画像と相当程度似ている。したがっ
て、この場合の特殊ディザパターンは、誤差拡散パター
ンのための色補正によって処理された画像データを、誤
差拡散法により実現される画像の色にさらに近い画像が
得られるように修正するものであることになる。それに
対して、特殊ディザパターンにより処理される多値画像
データが、誤差拡散パターンに対応する色補正が行われ
ていない画像データである場合には、そのような多値画
像データを処理した画像データに基づいて形成される画
像の色が、誤差拡散法により実現される画像の色と実質
的に同じになるように、特殊ディザパターンが決定され
る。上記2つの場合のいずれにおいても、ディザ法に専
用の色補正手段は不要となるため、その分装置が簡略と
なり、コスト低減が可能となる。後者においては、その
上、ディザパターンによる処理に先立って多値画像デー
タの色補正を行う必要がなくなる分処理時間が短縮され
る効果が得られる。ディザ法は画像データの処理に要す
る時間が誤差拡散法に比較して短く、迅速な画像形成が
望まれる場合に選択されることが多いため、上記処理時
間の短縮効果は実用上きわめて有意義なものである。な
お、ディザ法および誤差拡散法により多値画像データが
処理されて得られるデータは、2値画像データであるこ
とが多いが、これに限らない。多値画像データの階調数
より小さい階調数の画像データに変換してもよいのであ
り、そのようなディザ法および誤差拡散法によって画像
データを処理する方法にも本発明を適用し得る。 (2)誤差拡散法とディザ法とで選択的に画像データを
処理可能な画像データ処理装置において、誤差拡散法に
より実現される画像とディザ法により実現される画像と
の両方の色を補正する方法であって、前記誤差拡散法の
誤差拡散パターンにより処理された画像データによって
実現される画像の色が所望の色になるように前記画像デ
ータを補正する誤差拡散対応データ補正規則を準備する
誤差拡散対応データ補正規則準備工程と、前記誤差拡散
対応データ補正規則および前記誤差拡散パターンにより
処理された画像データによって実現される画像である誤
差拡散法画像と、前記ディザ法のディザパターンにより
処理された画像データによって実現される画像であるデ
ィザ法画像とが実質的に一致するように前記ディザパタ
ーンを変更するディザパターン変更工程とを含むことを
特徴とする画像データ処理装置の色補正方法(請求項
2)。「所望の色」は、本来あるべき正規の色、例え
ば、スキャナにより読み取られる原画像の色や、画像デ
ータの作成者が意図する色とされるのが普通であるが、
意図的にそれらとは異なる色とされてもよい。例えば、
色が複数種類に異なる画像を形成可能とし、使用者がそ
れらの1つを選択できるようにすることも可能なのであ
り、その場合に、それら複数種類の画像の1つ以上につ
いて、本発明を適用することも可能なのである。誤差拡
散法画像とディザ法画像とを比較すれば、両画像の色が
同じであるか否か、同じでない場合にはどのように異な
るかの傾向がわかり、ディザパターンを変更して誤差拡
散法画像とディザ法画像とを実質的に一致させることが
できる。誤差拡散パターンにより処理される画像データ
は、誤差拡散対応データ補正規則によって補正されてお
り、誤差拡散法画像とディザ法画像とが実質的に一致す
るようにディザパターンを変更すれば、ディザ法により
処理される画像データについては、ディザ対応データ補
正規則による色補正を行わなくても、ディザ法画像にお
いても誤差拡散法画像と同様に所望の色が得られる。変
更前のディザパターンが基本的なディザパターンである
通常ディザパターンであり、変更により得られるディザ
パターンが特殊ディザパターンであり、特殊ディザパタ
ーンにより処理される画像データは、誤差拡散パターン
に対応する色補正が行われた多値画像データである場合
と、誤差拡散パターンに対応する色補正が行われていな
い多値画像データである場合とがある。(1)項および
(2)項の方法は、画像データに基づいて画像を光で表す
CRTディスプレイ等の画像データ処理方法において採
用してもよく、あるいは画像をインク等の記録材料によ
って記録するプリンタ等の画像データ処理装置において
採用してもよく、両方の機能を備えた装置において採用
してもよい。 (3)前記ディザパターン変更工程が、前記誤差拡散法
画像のドットゲインカーブである第1ドットゲインカー
ブを取得する第1ドットゲインカーブ取得工程と、前記
ディザ法画像のドットゲインカーブである第2ドットゲ
インカーブを取得する第2ドットゲインカーブ取得工程
と、それら取得した第1ドットゲインカーブと第2ドッ
トゲインカーブとを比較するドットゲインカーブ比較工
程とを含む (2)項に記載の画像データ処理装置の色補正
方法。ドットゲインカーブは、ドットゲインカーブを取
得するために作成されたドットゲインカーブ取得用入力
画像データを、誤差拡散パターンおよびディザパターン
によりそれぞれ処理することによって形成されるドット
の数と濃度または輝度との関係を表す。画像がインク等
の記録材料により形成される場合には濃度、光により形
成される場合には輝度が使用されるのである。形成され
るドットの数が異なるように複数種類のドットゲインカ
ーブ取得用入力画像データを用意し、ドット数と濃度
(または輝度)との組を複数組取得してドットゲインカ
ーブを作成する。同じドットゲインカーブ取得用入力画
像データを誤差拡散パターンおよびディザパターンによ
ってそれぞれ処理すれば、形成されるドットの数は同じ
であるが、濃度(または輝度)は異なる。形成されるド
ットの位置が異なるからであり、第1ドットゲインカー
ブおよび第2ドットゲインカーブを取得し、比較すれ
ば、濃度差(または輝度差)の生じ方や大きさがわか
り、それに基づいて誤差拡散法画像とディザ法画像とが
実質的に一致するようにディザパターンを変更すること
ができる。 (4)前記第1ドットゲインカーブと前記第2ドットゲ
インカーブとの少なくとも一方の取得が、ドット形成面
積の演算に基づいて行われる (3)項に記載の画像データ
処理装置の色補正方法。単位面積当たりのドット形成面
積と濃度(または輝度)との関係は予めわかっており、
ドット形成面積に基づいて濃度(または輝度)を取得
し、ドットゲインカーブを取得することができる。 (5)前記第1ドットゲインカーブと前記第2ドットゲ
インカーブとの少なくとも一方の取得が、実際にドット
が形成された面の測色の結果に基づいて行われる(3)項
または (4)項のいずれか1つに記載の画像データ処理装
置の色補正方法。実際にドットが形成された面を測色す
れば、その面の濃度(または輝度)がわかり、ドットゲ
インカーブを取得することができる。 (6)前記ディザパターン変更工程が、前記誤差拡散法
画像と前記ディザ法画像との色差を取得する色差取得工
程を含み、その色差取得工程で取得した色差がしきい値
以下となるように前記ディザパターンを変更するもので
ある (2)項に記載の画像データ処理装置の色補正方法。
色差は、例えば、誤差拡散法画像の色とディザ法画像の
色とをそれぞれ測色装置を用いて測定し、その測定結果
に基づいて演算により取得することができる。 (7)前記誤差拡散対応データ補正規則準備工程が、前
記誤差拡散対応データ補正規則として誤差拡散対応ルッ
クアップテーブルを作成する誤差拡散対応ルックアップ
テーブル作成工程を含む (2)項ないし (6)項のいずれか
1つに記載の画像データ処理装置の色補正方法。誤差拡
散対応ルックアップテーブルは、入力画像データの値に
対して出力画像データの値、すなわち誤差拡散パターン
により処理された画像データによって実現される画像の
色が所望の色になる値が対応付けられたテーブルであ
り、演算によることなく、画像データを容易にかつ迅速
に補正することが可能である。誤差拡散対応ルックアッ
プテーブルは、全部の入力画像データの値についてそれ
ぞれ出力画像データの値を有するテーブルとしてもよ
く、あるいは規定点の出力画像データのみを規定するも
のとしてもよい。後者の場合には、補間演算が必要には
なるが、この演算は比較的簡単である。 (8)前記誤差拡散対応データ補正規則準備工程が、前
記誤差拡散対応データ補正規則として誤差拡散対応マス
キング式を作成する誤差拡散対応マスキング式作成工程
を含む (2)項ないし (6)項のいずれか1つに記載の画像
データ処理装置の色補正方法。画像データは、誤差拡散
対応マスキング式を用いた演算により補正される。その
ため、ルックアップテーブルの使用時に比較して、画像
データの処理を行う装置に設けられる記憶装置の記憶容
量が少なくて済む。 (9)誤差拡散パターンの使用による色補正を行う誤差
拡散法により画像データを処理する誤差拡散処理部と、
ディザ法により画像データを処理するディザ処理部と、
それら誤差拡散処理部とディザ処理部とを択一的に選択
する選択部と、前記誤差拡散処理部において処理された
画像データにより実現される画像の色が正規の色になる
ように、誤差拡散処理部における処理前の画像データに
ついて誤差拡散対応データ補正規則に従って色補正を行
う誤差拡散対応データ補正手段とを含み、前記ディザ処
理部において処理される画像データについてディザ対応
データ補正規則に従って色補正を行うディザ対応データ
補正手段は含まず、かつ、前記誤差拡散対応データ補正
規則および前記誤差拡散パターンにより処理された画像
データによって実現される画像である誤差拡散法画像
と、前記ディザ法のディザパターンにより処理された画
像データによって実現される画像であるディザ法画像と
が実質的に一致する画像データ処理装置(請求項3)。
画像データの処理を誤差拡散法に従って行うべきか、デ
ィザ法に従って行うべきかに応じて、誤差拡散処理部と
ディザ処理部との一方が選択される。いずれの処理部に
おいて処理されても、画像の色が実質的に同じになる。
ディザ対応データ補正規則が不要な分、装置を簡易に構
成し得るとともに、ディザ法によるデータ処理時間が短
縮できる。ディザ法のディザパターンにより処理される
画像データは、誤差拡散パターンに対応する色補正が行
われた多値画像データである場合と、誤差拡散パターン
に対応する色補正が行われていない多値画像データであ
る場合とがある。本態様の装置は、画像を光で表すCR
Tディスプレイ等の画像データ処理装置として採用して
もよく、画像をインク等の物理的な記録材料によって記
録するプリンタ等の画像データ処理装置として採用して
もよく、両方の機能を備えた装置の画像データ処理装置
として採用してもよい。誤差拡散処理部とディザ処理部
とで処理された画像データに基づく画像の実質的同一
は、例えば、誤差拡散対応データ補正規則および誤差拡
散パターンのドットゲインカーブである第1ドットゲイ
ンカーブとディザ法により画像データを処理するための
ディザパターンのドットゲインカーブである第2ドット
ゲインカーブとが実質的に同じであるか否かにより判定
することができる。また、両処理部において処理された
画像データに基づく画像を測色装置により測色し、色差
がしきい色差以下であるか否かにより判定することもで
きる。 (10)前記誤差拡散対応データ補正規則が誤差拡散対
応ルックアップテーブルを含む (9)項に記載の画像デー
タ処理装置。本態様の装置は (7)項に記載の色補正方法
の実施に使用することができる。 (11)前記誤差拡散対応データ補正規則が誤差拡散対
応マスキング式を含む (9)項に記載の画像データ処理装
置。本態様の装置は (8)項に記載の色補正方法の実施に
使用することができる。 (12)同一の入力画像データに対する誤差拡散法画像
の濃度とディザ法画像の濃度との差の最大値の、濃度の
最大値に対する比が、10%以下である (9)項ないし(1
1)項に記載の画像データ処理装置。上記比は、5%以下
であることが望ましく、3%以下、2%以下であること
がさらに望ましい。前述のように、画像の濃度あるいは
輝度は、処理される画像データが同じであっても、画像
データの処理法によって異なるが、その濃度差の最大値
の、濃度の最大値に対する比が、10%以下であれば、
誤差拡散法画像とディザ法画像とは実質的に一致してい
ると言うことができる。 (13)前記誤差拡散法画像と前記ディザ法画像との色
差(ΔE)が15以下である (9)項ないし(12)項のいず
れか1つに記載の画像データ処理装置。上記色差は10
以下,5以下であることがさらに望ましい。 (14)さらに、入力画像データの値を座標値とする座
標系に設定された複数の規定点の各々における出力画像
データの値を規定する規定点ルックアップテーブルと、
その規定点ルックアップテーブルの複数の規定点の各々
における出力画像データの値に基づいて、任意の入力画
像データの値に対応する出力画像データの値を補間演算
する補間演算手段とを含み、前記規定点ルックアップテ
ーブルを、少なくとも入力画像データの極限値に対応す
る規定点における出力画像データが予定の最高値より大
きいものとした (9)項ないし(13)項のいずれか1つに記
載の画像データ処理装置(請求項4)。入力画像データ
の極限値は、入力画像データと出力画像データとの種類
が同じである場合には「入力画像データの最高値」とな
り、異なる場合には「入力画像データの最低値」とな
る。画像データの種類とは、光の強さを規定する輝度デ
ータであるか、インク等の記録材料の濃さを規定する濃
度データであるかであり、本態様は出力画像データが輝
度データである場合に適用される態様であって、例え
ば、規定点ルックアップテーブルが、輝度データについ
て色補正を行い、輝度データを得るものである場合のよ
うに、入力画像データが輝度データである場合には、入
力画像データの極限値は最高値となり、規定点ルックア
ップテーブルが、例えば、濃度データを輝度データに変
換するものである場合のように、入力画像データが濃度
データである場合には、入力画像データの極限値は最低
値となるのである。規定点ルックアップテーブルによる
画像データの補正は、誤差拡散法あるいはディザ法によ
る画像データの処理の前であって、誤差拡散対応データ
補正規則による画像データの補正後に行われる。後述す
るように、規定点ルックアップテーブルが誤差拡散対応
ルックアップテーブルを兼ねているのであれば、両ルッ
クアップテーブルによる補正は同時に行われる。入力画
像データを補正するためのルックアップテーブルは、全
部の入力画像データの値の各々について出力画像データ
の値を有するテーブルとしてもよいが、ルックアップテ
ーブルを記憶する記憶装置の容量が大きくなる。そのた
め、ルックアップテーブルは、入力画像データの値を座
標値とする座標系に設定された複数の規定点の各々のみ
について、出力画像データの値が規定された規定点ルッ
クアップテーブルとされ、記憶装置の記憶容量が少なく
て済むようにされている。入力画像データの値と同じ値
の規定点があれば、その規定点の出力画像データの値
が、そのまま出力画像データの値とされる。入力画像デ
ータの値と同じ値の規定点がなければ、その入力画像デ
ータの値を含む複数の規定点の各々における出力画像デ
ータの値に基づいて補間演算が行われ、入力画像データ
の値に対応する出力画像データの値が求められる。入力
画像データの極限値に対応する規定点における出力画像
データの値が予定の最高値より大きくされている(この
ことを最高値の引上げと略称する)ため、入力画像デー
タの値が、入力画像データの極限値を座標値とする規定
点と、その規定点に隣接する規定点との間の値であって
も、補間演算により得られた出力画像データの値が予定
の最高値を超えることができる。入力画像データの値が
極限値でなくても、予定の最高値以上の出力画像データ
が得られるのであり、後述の理由で、黄色や白の美しい
画像が得られる画像データを得ることができる。入力画
像データの極限値が最高値であり、出力画像データの最
高値の引上げが行われた画像データ処理装置は、例え
ば、ディスプレイやスキャナ(読取画像がディスプレイ
により再現されることが予定されているもの)等、画像
が光によって出力(表示)され、画像データが輝度デー
タである装置に設けられる。このようにすれば、光によ
り出力される画像の色が美しくなる。例えば、カラーデ
ィスプレイにより表示される黄,マゼンタ,シアン,
赤,緑,青等が美しくなり、モノクロディスプレイによ
り表示される白が美しくなるのである。 (15)前記補間演算手段を、演算した出力画像データ
の値が前記予定の最高値を超える場合には、その出力画
像データの値を予定の最高値に抑える制限手段を含むも
のとした(14)項に記載の画像データ処理装置。本態様に
よれば、出力画像データの値が予定の最高値に抑えられ
ることにより、当該画像データ処理装置が設けられた装
置に支障が生ずることを確実に回避し得る。例えば、多
値画像データを誤差拡散法によって2値画像データに変
換する場合、制限手段が設けられなければ、出力画像デ
ータの最高値を超える分が多値画像データの2値化に無
用の悪影響を与えるのであるが、制限手段が設けられて
いれば、それを回避できる。誤差拡散法では、あるピク
セルの多値画像データの値としきい値との差が、そのピ
クセル以外のピクセルに分散させられるため、出力画像
データの値が予定の最高値を超えているのに最高値に制
限されなければ、その最高値を超える分だけ無駄にしき
い値との差が大きくなり、他のピクセルに分散させられ
て、それらピクセルについて設定される2値画像データ
に悪影響を及ぼすのであるが、最高値に制限されればそ
れが回避できるのである。それに対し、多値画像データ
をディザ法によって2値画像データに変換する場合に
は、画像データのうちの最高値のものも、最高値を超え
るものも、共にドットの形成を表す値に変換されるのみ
であるから、制限手段が設けられなくても、上記のよう
な悪影響は生じない。しかし、例えば、多値画像データ
の1ピクセル分を表すのに8ビットでは足りなくなると
いう別の問題が生じる。0から255までの数値は8ビ
ットで表すことができるのに対し、例えば、260は8
ビットで表し得ないのである。この観点からすれば、制
限手段を設けることが望ましい。 (16)前記規定点ルックアップテーブルが、前記入力
画像データの極限値に対応する規定点の出力画像データ
の値が予定の最高値になるように前記複数の規定点の出
力画像データの値が定められた上で、入力画像データの
極限値に対応する規定点の出力画像データの値のみが増
大させられたものである(14)項または(15)項に記載の画
像データ処理装置。本態様によれば、出力画像データの
最高値の引上げが行われる規定点は、入力画像データの
極限値に対応する規定点のみであり、極限値に対応する
規定点とその規定点に隣接する規定点との間の出力画像
データのみが最高値の引上げの影響を受ける。極限値に
対応する規定点とその規定点に隣接する規定点との間の
出力画像データのうちの、極限値に対応する規定点に近
い出力画像データのみが最高値より大きくなるのであ
る。本態様によらず、例えば、入力画像データの極限値
に対応する規定点およびその規定点に隣接する規定点に
おける各出力画像データの値をいずれも予定の最高値と
しても、値がそれら規定点間の値である入力画像データ
に対する出力画像データの値を予定の最高値とすること
はできる。しかし、この場合には、引上げが望ましくな
い出力画像データについても引上げが行われてしまい、
色の出力精度が低下する。それに対し、本態様によれ
ば、極限値に極く近い入力画像データの値のみについ
て、出力画像データの値の引上げが行われるため、上記
出力精度の低下が回避される。 (17)前記規定点ルックアップテーブルが、前記入力
画像データの極限値に対応する規定点の出力画像データ
の値が予定の最高値になるように前記複数の規定点の出
力画像データの値が定められた上で、入力画像データの
極限値に対応する規定点およびそれに隣接する1個以上
5個以下の規定点の出力画像データの値のみが増大させ
られたものである(14)項または(15)項に記載の画像デー
タ処理装置。入力画像データの極限値に対応する規定点
については、出力画像データの値が必ず予定の最高値よ
り大きくされるのであるが、その規定点に隣接する規定
点については、出力画像データの値が予定の最高値より
大きくされてもよく、あるいは、予定の最高値より小さ
い範囲で大きくされてもよい。入力画像データの極限値
に対応する規定点に隣接する規定点について、予定の最
高値より小さい範囲で大きくされれば、入力画像データ
の極限値に対応する規定点と、その規定点に隣接する規
定点との間の出力画像データのみならず、それより広い
領域の出力画像データが最高値引上げの影響を受けるこ
ととなるが、その影響の程度が急激に変化する箇所が生
じることが回避される。出力画像データの値が増大させ
られる規定点の数は、規定点総数よりは十分に小さい数
に選定されるのが普通であり、一般に規定点総数が大き
いほど大きい数に選定される。 (18)さらに、入力画像データの値を座標値とする座
標系に設定された複数の規定点の各々における出力画像
データの値を規定する規定点ルックアップテーブルと、
その規定点ルックアップテーブルの複数の規定点の各々
における出力画像データの値に基づいて、任意の入力画
像データの値に対応する出力画像データの値を補間演算
する補間演算手段とを含み、前記規定点ルックアップテ
ーブルを、少なくとも入力画像データの極限値に対応す
る規定点における出力画像データが予定の最低値より小
さいものとした (9)項ないし(13)項のいずれか1つに記
載の画像データ処理装置(請求項5)。入力画像データ
の極限値は、入力画像データと出力画像データとの種類
が同じである場合には「入力画像データの最低値」とな
り、異なる場合には「入力画像データの最高値」とな
る。本態様は出力画像データが濃度データである場合に
適用される態様であって、例えば、規定点ルックアップ
テーブルが、濃度データについて色補正を行い、濃度デ
ータを得るものである場合のように、入力画像データが
濃度データである場合には、入力画像データの極限値は
最低値となり、規定点ルックアップテーブルが、例え
ば、輝度データを濃度データに変換するものである場合
のように、入力画像データが輝度データである場合に
は、入力画像データの極限値は最高値となるのである。
入力画像データの極限値に対応する規定点における出力
画像データの値が予定の最低値より小さくされている
(このことを最低値の引下げと略称する)ため、入力画
像データの値が、入力画像データの極限値を座標値とす
る規定点と、その規定点に隣接する規定点との間の値で
あっても、補間演算により得られた出力画像データの値
が予定の最低値を下回ることができる。入力画像データ
の値が極限値でなくても、予定の最低値以下の出力画像
データが得られるのであり、後述の理由で、黄色や白の
美しい画像が得られる画像データを得ることができる。
入力画像データの極限値が最低値であり、出力画像デー
タの最低値の引下げが行われた画像データ処理装置は、
例えば、プリンタやスキャナ(読取画像がプリンタによ
り再現されることが予定されているもの)等、画像がイ
ンク等の記録材料により形成される装置に設けられる。
このようにすれば、記録材料により形成される画像の色
が美しくなる。例えば、カラープリンタにより記録され
る黄,マゼンタ,シアン,赤,緑,青等が美しくなり、
モノクロプリンタにより記録される画像の白が美しくな
るのである。 (19)前記補間演算手段を、演算した出力画像データ
の値が前記予定の最低値を下回る場合には、その出力画
像データの値を予定の最低値に引き上げる制限手段を含
むものとした(18)項に記載の画像データ処理装置。本態
様においては、出力画像データの値が予定の最低値に引
き上げられることにより、前記(15)項に記載の態様にお
けると類似の効果が得られる。例えば、多値画像データ
を誤差拡散法によって2値画像データに変換する場合、
出力画像データの最低値を下回る分が多値画像データの
2値化に無用の悪影響を与えることが回避され、あるい
は、多値画像データの1ピクセル分を表すのに8ビット
では足りなくなるという問題の発生が回避される等の効
果が得られるのである。 (20)前記規定点ルックアップテーブルが、前記入力
画像データの極限値に対応する規定点の出力画像データ
の値が予定の最低値になるように前記複数の規定点の出
力画像データの値が定められた上で、入力画像データの
極限値に対応する規定点の出力画像データの値のみが減
少させられたものである(18)項または(19)項に記載の画
像データ理装置。本態様においては、入力画像データの
極限値に対応する規定点の出力画像データの値が減少さ
せられる点において前記(16)項に記載の態様と異なる
が、作用,効果は同様に考えることができ、極限値に極
く近い入力画像データの値のみについて、出力画像デー
タの引下げが行われるため、出力精度の低下を回避でき
る効果が得られる。 (21)前記規定点ルックアップテーブルが、前記入力
画像データの極限値に対応する規定点の出力画像データ
の値が予定の最低値になるように前記複数の規定点の出
力画像データの値が定められた上で、入力画像データの
極限値に対応する規定点およびそれに隣接する1個以上
5個以下の規定点の出力画像データの値のみが減少させ
られたものである(18)項または(19)項に記載の画像デー
タ理装置。入力画像データの極限値に対応する規定点に
ついては、出力画像データの値は必ず予定の最低値より
小さくされるのであるが、その規定点に隣接する規定点
については、出力画像データの値が予定の最低値より小
さくされてもよく、あるいは、予定の最低値より大きい
範囲で小さくされてもよい。入力画像データの極限値に
対応する規定点に隣接する規定点について、予定の最低
値より大きい範囲で小さくされれば、入力画像データの
極限値に対応する規定点と、その規定点に隣接する規定
点との間の出力画像データのみならず、それより広い領
域の出力画像データが最低値引上げの影響を受けること
となるが、その影響の程度が急激に変化する箇所が生じ
ることが回避される。出力画像データの値が減少させら
れる規定点の数は、規定点総数よりは十分に小さい数に
選定されるのが普通であり、一般に規定点総数が大きい
ほど大きい数に選定される。 (22)さらに、入力画像データの値を座標値とする座
標系に設定された複数の規定点の各々における出力画像
データの値を規定する規定点ルックアップテーブルと、
その規定点ルックアップテーブルの複数の規定点の各々
における出力画像データの値に基づいて、任意の入力画
像データの値に対応する出力画像データの値を補間演算
する補間演算手段とを含み、前記規定点ルッククアップ
テーブルとして、少なくとも入力画像データの極限値に
対応する規定点における出力画像データが予定の最高値
より大きい第1ルックアップテーブルと、少なくとも入
力画像データの極限値に対応する規定点における出力画
像データが予定の最低値より小さい第2ルックアップテ
ーブルとを設けるとともに、それら2つのルックアップ
テーブルを選択する選択手段を設けた(9)項ないし(13)
項のいずれか1つに記載の画像データ処理装置。第1ル
ックアップテーブルの「入力画像データの極限値」およ
び第2ルックアップテーブルの「入力画像データの極限
値」はそれぞれ、(14)項および(18)項に記載の画像デー
タ処理装置における説明がそのまま該当する。本態様の
画像データ処理装置は、ディスプレイ等、画像の出力を
光により行う機能と、プリンタ等、画像の出力を記録材
料により行う機能との両方を備えた装置に設けられる。
画像の出力が光によって行われる場合には、出力画像デ
ータが輝度データとされる必要があるため、選択手段に
より第1ルックアップテーブルが選択され、画像の出力
が記録材料により行われる場合には、出力画像データが
濃度データとされる必要があるため、選択手段により第
2ルックアップテーブルが選択される。それにより、画
像の出力が光によって行われる場合にも、記録材料によ
って行われる場合にも、黄色や白の美しい画像が得られ
ることとなる。また、補間演算手段が、画像の出力が光
によって行われる場合と記録材料によって行われる場合
とに兼用されるため、その分、装置のコスト低減が可能
となる。なお、プリンタは、ドットプリンタであればよ
く、インクジェット, サーマルプリンタの他、レーザプ
リンタ等でもよい。本態様に関しても、(15),(16),(1
7),(19),(20),(21) 項に記載の各特徴を採用することが
できる。 (23)前記補間演算手段を、演算した出力画像データ
の値が前記予定の最高値を超える場合には、その出力画
像データの値を予定の最高値に抑え、演算した出力画像
データの値が前記予定の最低値を下回る場合には、その
出力画像データの値を予定の最低値まで引き上げる制限
手段を含む(22)項に記載の画像データ処理装置。本態様
によれば、前記(15)項および(19)項に記載の効果が得ら
れる。 (24)前記規定点ルックアップテーブルが前記誤差拡
散対応ルックアップテーブルを兼ねている(14)項ないし
(23)項のいずれか1つに記載の画像データ処理装置。本
態様によれば、ルックアップテーブルが少なくて済み、
装置を簡易にかつ安価に構成することができるととも
に、画像データ処理時間を短縮し得る。 (25)前記補間演算手段が直線補間により前記任意の
入力画像データの値に対応する出力画像データの値を演
算する直線補間演算手段を含む(14)項ないし(24)項のい
ずれか1つに記載の画像データ処理装置。直線補間演算
手段によれば、補間演算を簡易にかつ迅速に行うことが
できる。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、画像の読取り機能,記録媒
体への記録機能および画面への表示機能を備えた画像シ
ステムを例に取り、本発明の実施形態である画像データ
処理装置および色補正方法を説明する。図1において1
0はハウジングであり、画像データを読み取る読取部1
2と、画像データに基づいて記録媒体たる記録用紙14
に画像をプリントするプリント部16とが設けられてい
る。読取部12に、複数の送りローラ18および送りロ
ーラ18を駆動する駆動源たる原稿送りモータ20を含
み、画像が読み取られる原稿を送るる原稿送り装置22
および画像データ読取装置たるCCDイメージセンサ2
4を含んでいる。CCDイメージセンサ24は、赤色
光,緑色光および青色光を選択的に発するランプ装置
と、複数のCCDがライン状に並んだCCD装置と、原
稿からの反射光をCCD装置に導く光学系とを含む。読
取原稿に3色の光が選択的に照射され、その反射光と原
稿の送りとに基づいて二次元のカラーの読取画像データ
が得られる。
【0008】プリント部16は、記録用紙14が収容さ
れたカセット30,記録用紙14を送る記録媒体送り装
置たる記録用紙送り装置32,記録用紙14に画像を記
録する記録ヘッド34および記録ヘッド34を移動させ
るヘッド移動装置36を含んでいる。記録用紙送り装置
32は、2個を一対とする送りローラ38を複数対含
み、それら送りローラ38は、記録用紙送り方向と直角
に設けられたプラテン40の記録用紙送り方向において
上流側と下流側とにそれぞれ設けられている。これら送
りローラ38は、駆動源たる用紙送りモータ42(図3
参照)により回転させられる。
【0009】記録ヘッド34は、インクを噴射して記録
用紙14に画像を記録するインクジェット式のヘッドで
あり、シアン色のインクを噴射するインク噴射ヘッド,
マゼンタ色のインクを噴射するインク噴射ヘッドおよび
イエロー色のインクを噴射するインク噴射ヘッドを備え
ている。各インク噴射ヘッドはそれぞれ、複数個のイン
ク噴射ノズルを有している。複数個のインク噴射ノズル
はそれぞれ、吐出口およびインク室を有しており、イン
ク室の壁を構成する圧電材料製のピエゾ素子に駆動電圧
を印加することにより、インクを噴射し、記録用紙14
に画像をカラーで記録する。
【0010】記録ヘッド34は、上記4色の各インクが
収容されたカートリッジ44と共にキャリッジ46に搭
載されている。キャリッジ46は、キャリッジ駆動モー
タ48(図3参照)を駆動源とするキャリッジ移動装置
により、記録用紙送り方向と直角な方向に移動させら
れ、記録ヘッド34が記録用紙14に沿って移動させら
れる。記録用紙14は、給紙ローラ50によってカセッ
ト30から1枚ずつ送り出されるとともに、記録用紙送
り装置32によってプラテン40と記録ヘッド34との
間に送られ、記録ヘッド34により画像が記録される。
【0011】上記読取部12およびプリント部16とは
別体にCRTディスプレイ58が設けられ、表示部60
を構成している。CRTディスプレイ58はカラーディ
スプレイであり、図2に概略的に示すように、赤色用,
緑色用,青色用の各電子銃62,64,66,シャドウ
マスク(図示省略)および赤,緑,青の各蛍光体が設け
られた蛍光面68を含む。各電子銃62,64,66か
らの電子ビームがシャドウマスクを介して対応する色の
蛍光体を刺激し、それにより画像がカラーで表示され
る。電子銃62,64,66の強度を変えることにより
種々の色が得られる。
【0012】本画像システムは、図3に示す制御装置8
0を備えている。制御装置80は、PU(プロセッシン
グユニット)82,ROM84,RAM86およびそれ
らを接続するバス88を含むコンピュータ90を主体と
するものである。バス88には入出力インタフェース9
2が接続され、前記読取部12を構成する読取制御装置
94,プリント部16を構成する記録制御装置96,表
示部60を構成する表示制御装置98および入力装置1
00等が接続されている。これら読取制御装置94,記
録制御装置96および表示制御装置98は制御装置80
と同様にコンピュータを主体として構成されており、読
取制御装置94は、原稿送りモータ20,CCDイメー
ジセンサ24等を制御し、記録制御装置96は用紙送り
モータ42,記録ヘッド34(正確には、複数のインク
噴射ノズルの各ピエゾ素子を駆動する駆動回路)および
キャリッジ駆動モータ48を制御し、表示制御装置98
は電子銃62,64,66を制御する。入力装置100
は、例えば、テンキー,アルファベットキー,ファンク
ションキー等を備えたキーボードにより構成され、作業
者が入力装置100を用いてデータ等を入力する。入力
装置は、例えば、作業者が画像データを記録用紙14に
記録するか、CRTディスプレイ58に表示するかや、
画像データを記録用紙14に記録する場合、2値化処理
を誤差拡散パターンを用いて行うか、ディザパターンを
用いて行うか等の指示等を行うために用いられる。RO
M84には、図4にフローチャートで示す色補正処理の
ためのプログラムを始めとする種々のプログラムおよび
図6ないし図8にそれぞれ示すルックアップテーブル1
10,112,114が格納されている。
【0013】読取部12における画像データの読取りか
ら、プリント部16における画像データの記録および表
示部60における画像データの表示までの画像データの
処理を図5に概略的に示す。読取部12において画像デ
ータの読取りにより得られた読取画像データについて
は、読取用ルックアップテーブル110を用いて色補正
が行われ、読取画像データが原画像の色に忠実な色の画
像を規定するデータに補正される。この補正後の画像デ
ータに基づいて画像がCRTディスプレイ58に表示さ
れ、あるいは記録用紙14に記録されるのであるが、C
RTディスプレイ58に表示する際には、画像がよりき
れいな色で表示されるように表示用ルックアップテーブ
ル112を用いて色補正が行われ、記録用紙14に記録
する際には、記録用ルックアップテーブル114を用い
て、輝度データである読取画像データが濃度データであ
る記録画像データに変換されるとともに、よりきれいな
色で画像が記録されるデータに補正される。ルックアッ
プテーブル110,112,114を用いた色補正は、
制御装置80において行われる。なお、読取用ルックア
ップテーブル110による色補正が、表示用ルックアッ
プテーブル112および記録用ルックアップテーブル1
14によりそれぞれ行われるようにすること、すなわ
ち、表示用ルックアップテーブル112および記録用ル
ックアップテーブル114に読取用ルックアップテーブ
ル110を兼ねさせることも可能であるが、本実施形態
における読取部12は、他社の表示部60やプリント部
16とも組み合わせて使用可能なものとして構成されて
いるため、標準的な読取画像データを出力するために、
読取用ルックアップテーブル110が表示用ルックアッ
プテーブル112および記録用ルックアップテーブル1
14とは別に設けられている。読取部12が、他社の表
示部60やプリント部16と組み合わせて使用される場
合には、読取用ルックアップテーブル110を、読取制
御装置96を構成するコンピュータのROMに格納し、
読取制御装置96に読取用ルックアップテーブル110
を用いた色補正を行わせる。
【0014】読取部12において原稿の読取りにより得
られた読取画像データは、読取制御装置96から制御装
置80へ供給され、読取画像データについて、読取用ル
ックアップテーブル110を用いて色補正が行われる。
読取画像データの補正を行う読取用ルックアップテーブ
ル110の一部を図6に示す。読取用ルックアップテー
ブル110は、入力画像データ、すなわち読取画像デー
タの値を座標値とする3次元座標系に設定された規定点
の各々における出力画像データの値を規定する。読取画
像データはカラー画像データであり、光の3原色である
赤,緑,青(以下、それぞれR,G,Bで表す)の各々
について、その強さを表す輝度データを含むため、入力
画像データの値を座標値とする座標系が3次元とされて
いるのである。本実施形態においては、3原色の各々に
ついて256段階の階調が設定され、3次元座標系の3
軸、すなわちR軸,G軸,B軸の各予定の最高値は25
5であり、予定の最低値は0である。そして、規定点
は、原則として、各軸毎に16階調毎に17点(0を含
む)ずつ設定され、3次元座標系全体においては17 3
個の規定点が設定されており、各規定点の各々につい
て、その規定点の3次元座標系における位置を規定する
座標値、すなわち入力画像データの値と、その規定点に
おける出力画像データの値とが対応付けられている。
【0015】任意の入力画像データの値に対応する出力
画像データの値は、補間演算によって求められる。上記
のように、3軸の各軸毎に17個ずつの規定点を設定す
れば、入力画像データの値を座標値とする3次元座標系
は、原則として、1辺を16とし、8個の規定点を頂点
とする163 個の立方体に分割される。補間演算は、任
意の入力画像データの値が、いずれの立方体内に位置す
るかを求め、その立方体を規定する8個の規定点におけ
る出力画像データの値に基づいて行われ、任意の入力画
像データの値に対応する出力画像データが求められる。
【0016】図9に示すように、入力画像データの値を
座標値とする座標系において設定された上記立方体の各
辺は座標系の軸に平行であるが、その立方体の各規定点
における出力画像データの値を頂点とする六面体は、一
般に、それの各辺が座標軸に平行とはならず、歪んだ六
面体になる。入力画像データの値を座標値とする点に対
応する点はこの歪んだ六面体内に位置する。実際には、
六面体の各辺は直線ではないが、直線に近似し、この歪
んだ六面体を規定する8個の規定点の座標値に基づく直
線補間演算により出力画像データが求められる。この直
線補間演算の手法はよく知られており、説明は省略す
る。図6には、入力画像データの値を座標値とする3次
元座標系において、入力画像データ(250,250,
0)により規定される点Pを含む立方体を規定する8個
の規定点D1 〜D8 の各座標値およびそれら規定点の各
々における出力画像データの値が示されている。入力画
像データ(250,250,0)に対応する出力画像デ
ータを求めるべく、8個の規定点の各々における出力画
像データに基づいて直線補間演算が行われた結果、出力
画像データ(252,250,0)が得られたとする。
【0017】全部の入力画像データの値について出力画
像データの値が得られたならば、そのデータについて表
示あるいは記録のための色補正が行われる。読み取られ
た画像データを記録用紙14に記録すべきか、CRTデ
ィスプレイ58に表示すべきかは、オペレータにより入
力装置100から指示される。まず、画像がCRTディ
スプレイ58に表示される場合を説明する。この場合、
画像はR,G,B3色の光の混色によって表示されるた
め、表示部60に供給される画像データは輝度データで
よいが、よりきれいな色の画像が得られるように表示用
ルックアップテーブル112を用いて画像データが補正
される。
【0018】この色補正は、図4に示す色補正処理に従
って行われる。まず、ステップ1(以下、S1と略記す
る。他のステップについても同じ。)において1ピクセ
ル分の入力画像データが読み込まれる。この入力画像デ
ータは、先に、読取用ルックアップテーブル110を用
いた色補正により得られた出力画像データである。次い
でS2が実行され、記録用紙14に画像データが記録さ
れるか否かの判定が行われる。ここでは、CRTディス
プレイ58への画像データの表示がオペレータによって
指示されているため、S2の判定結果はNOとなってS
3が実行され、入力画像データにより規定される点を含
む立方体を規定する8個の規定点の座標値が求められる
とともに、それら規定点の各々における出力画像データ
の値が表示用ルックアップテーブル112から取り込ま
れる。
【0019】表示用ルックアップテーブル112は、読
取用ルックアップテーブル110と同様に、入力画像デ
ータの値を座標値とする3次元座標系に設定された17
3 個の規定点の各々における出力画像データの値を規定
したものであり、3軸の各予定の最高値は255、最低
値は0であるが、出力画像データの最高値が予定の最高
値である255より大きくされている。表示用ルックア
ップテーブル112は、入力画像データおよび出力画像
データ共に輝度データであって、輝度データを輝度デー
タに色補正するルックアップテーブルであり、入力画像
データの極限値である最高値に対応する規定点における
出力画像データの値が予定の最高値より大きくされてい
るのである。表示用ルックアップテーブル112の一部
を図7に示す。図7には、上記3次元座標系において、
入力画像データ(250,250,0)により規定され
る点Pを含む立方体を規定する8個の規定点D1 〜D8
の各座標値およびそれら規定点の各々における出力画像
データの座標値が示されている。
【0020】次いでS4が実行され、入力画像データの
値に対応する出力画像データの値を求めるべく、上記8
個の規定点D1 〜D8 における出力画像データの値に基
づいて直線補間演算が行われる。入力画像データの値を
座標値とする3次元座標値においては、任意の入力画像
データにより規定される点は、8個の規定点を頂点とす
る立方体に含まれるが、出力画像データの値を座標値と
する3次元座標系においては、8個の規定点により規定
される歪んだ六面体内にある。この六面体の各辺は直線
ではないが、直線に近似し、この歪んだ六面体を規定す
る8個の規定点の座標値に基づく直線補間演算により出
力画像データが行われる。
【0021】補間演算の後、S5が実行され、記録用紙
14に画像データが記録されるか否かの判定が行われる
が、この判定結果はNOであってS6が実行される。S
6においては出力画像データを構成するR,G,Bにつ
いての3つの値がそれぞれ、予定の最高値、すなわち2
55より大きいか否かの判定が行われる。前述のよう
に、出力画像データの最高値が予定の最高値である25
5より大きくされており、出力画像データの値が予定の
最高値より大きくなり得る。入力画像データ(250,
250,0)について行われた直線補間演算の結果が
(257,256,0)になったとすれば、RおよびG
については値が255より大きいためS6の判定結果が
YESになってS7が実行され、値が予定の最高値であ
る255に抑えられる。Bについては255以下である
ため、S6の判定結果がNOになり、S7は実行されな
い。このようにして得られた出力画像データの値は、S
8の実行により表示制御装置98に供給される。
【0022】このように入力画像データの値が最高値よ
り小さい値であっても、値が予定の最高値の出力画像デ
ータが得られるため、入力画像データ(250,25
0,0)に対する出力画像データは(255,255,
0)となる。表示部60においては、出力画像データの
値に基づいて電子銃62,64,66を駆動する駆動電
圧の大きさが設定される。CRTディスプレイ58にお
いて黄色は、赤色光と緑色光との混色によって得られる
が、赤および緑の各値が予定の最高値とされることによ
り、美しい黄色が得られる。
【0023】記録用紙14に画像を記録する場合を説明
する。この場合には、S1の実行後、S2が実行される
が、その判定結果がYESになってS9が実行され、入
力画像データにより規定される点を含む立方体を規定す
る8個の規定点の座標値が求められるとともに、それら
規定点における出力画像データの値が図8に示す記録用
ルックアップテーブル114から取り込まれる。記録用
紙14への画像の記録はインクにより行われるため、イ
ンクの濃さを規定する濃度データが必要であり、記録用
ルックアップテーブル114を用いて輝度データが濃度
データに変換される。
【0024】光の3原色であるR,G,Bと、インクの
3原色であるシアン,マゼンタ,イエロー(以下、C,
M,Yで表す)とは、図10に示すように補色関係にあ
る。そのため、最も単純には、階調値の最高値である2
55から輝度データの値を引くことにより、濃度データ
が得られる。この演算が記録用ルックアップテーブル1
14を用いて行われる。記録用ルックアップテーブル1
14は、入力画像データの値を座標値とする3次元座標
系、すなわちR,G,Bを各軸とし、各軸の最高値が2
55、最低値が0である3次元座標系において設定され
た複数の規定点の各々について、出力画像データの値が
規定されたテーブルである。規定点は、原則として、3
次元座標系の3軸毎に16階調毎に17点ずつ設定さ
れ、3次元座標系全体においては173 個の規定点が設
定されている。
【0025】輝度データに対して濃度データが求められ
るため、出力画像データの値はC,M,Yを3軸とする
3次元座標系における値であって、濃度を表す。この3
次元座標系の各軸の最高値は255,予定の最低値は0
であるが、階調値の最高値である255から輝度データ
の値を引くことにより濃度データが求められるため、入
力画像データの最高値に対応するのは出力画像データの
最低値であり、記録用ルックアップテーブル114にお
いては、入力画像データの極限値である最高値に対応す
る規定点における出力画像データの値は、図8に示すよ
うに、予定の最低値である0より小さくされている。図
8には、記録用ルックアップテーブル114のうち、入
力画像データ(250,250,0)により規定される
点Pを含む立方体を規定する8個の規定点D1 〜D8
座標値およびそれら規定点の各々における出力画像デー
タの座標値が図示されている。
【0026】S9の実行後、S4が実行され、S9にお
いて読み込んだデータに基づいて直線補間演算が行わ
れ、入力画像データの値に対する出力画像データの値が
求められる。次いでS5が実行され、記録用紙14に画
像を記録するか否かの判定が行われるが、この判定結果
はYESであり、S10において出力画像データの値が
0より小さいか否かの判定が行われる。例えば、入力画
像データの値が(250,250,0)であるとすれ
ば、直線補間演算の結果は(−1,−1,255)とな
り、C,MについてはS10の判定結果がYESになっ
てS11が実行され、出力画像データの値が予定の最低
値に引き上げられて0とされる。YについてはS10の
判定結果はNOであり、S11は実行されない。このよ
うにして得られた出力画像データの値(0,0,25
5)は、S12において記録制御装置96に供給され
る。
【0027】このように記録用ルックアップテーブル1
14が、入力画像データの最高値に対応する出力画像デ
ータの値が予定の最低値より小さくされるとともに、予
定の最低値を下回る値が予定の最低値に引き上げられて
0とされるため、入力画像データの座標値が(250,
250,0)であって、完全な黄色を規定するデータで
なくても、記録は黄色のインクのみで行われ、黄色の中
にシアンおよびマゼンタが混じることがない美しい画像
が得られる。記録用ルックアップテーブル114を用い
て、輝度データの濃度データへの変換が行われるととも
に、色の補正が行われるのである。
【0028】以上のようにして補正された画像データは
多値の画像データであり、表示部62においてCRTデ
ィスプレイ58に画像を表示する際には、多値画像デー
タに基づいて電子銃62,64,66の駆動電圧が設定
されるが、記録用紙14に画像を記録する場合、2値の
画像データ、すなわちピクセル毎にドットを形成するこ
とを指示するドット形成データあるいはドットを形成し
ないことを指示するドット不形成データに変換される。
このデータの変換は、誤差拡散法の誤差拡散パターンあ
るいはディザ法のディザパターンに従って行われる。い
ずれのパターンに従って2値化を行うかは、本実施形態
においてはオペレータにより指示される。例えば、読取
部12において画像データを読み取られた原画像が写真
であれば、誤差拡散法に従って2値化され、文字のみの
文書であれば、ディザ法に従って2値化される。
【0029】記録制御装置96においては、記録用ルッ
クアップテーブル114を用いた色変換により得られた
出力画像データが供給されれば、図11に示す2値化処
理が行われる。この処理は、記録制御装置96を構成す
るコンピュータのROMに格納されている。まず、S1
01において誤差拡散法により画像データを2値化する
か否かの判定が行われる。誤差拡散法による画像データ
の2値化が指示されていれば、S101の判定結果はY
ESになってS102が実行され、誤差拡散パターンに
従って画像データが2値化される。
【0030】以上の説明においては、理解を容易にする
ために、記録用ルックアップテーブル114は、輝度デ
ータを単純に濃度データに変換するとともに、入力画像
データのうち、最高値近傍のデータについて色補正が行
われるテーブルとして説明したが、実際には、誤差拡散
パターンに従って多値画像データが2値画像データに変
換されたとき、より原画像に忠実な色が得られる色補正
が併せて行われるように構成されている。記録用ルック
アップテーブル114は、誤差拡散対応ルックアップテ
ーブルを兼ねているのである。そのため、記録用ルック
アップテーブル114を用いて入力画像データの値に対
応する出力画像データの値が直線補間演算によって求め
られるとき、前記読取用ルックアップテーブル110お
よび表示用ルックアップテーブル112を用いて出力画
像データの値が直線補間演算される場合と同様に、歪ん
だ六面体内において出力画像データの値が取得されるこ
ととなる。
【0031】誤差拡散パターンは、例えば、図12に示
すように構成されている。誤差拡散パターンを用いた画
像データの処理は、既によく知られており、簡単に説明
する。図12において*印が、多値画像データが2値画
像データに変換されるピクセルであり、そのピクセルに
ついて取得された多値画像データの値がしきい値、例え
ば、記録濃度の最大値と最小値との中間値と比較され、
2値画像データが作成されるとともに、誤差が拡散され
る。多値画像データの値がしきい値以上であれば、ドッ
ト形成データが作成されるとともに、多値画像データの
値から記録濃度の最大値を引いた値が、誤差拡散パター
ンにおいて設定された誤差拡散値に従って近傍のピクセ
ルに分散される。誤差の1/48に図12の各値を掛け
た値が、対応するピクセルの多値画像データの値に加算
されるのである。また、多値画像データの値がしきい値
より小さければ、ドット不形成データが作成されるとと
もに、多値画像データの値から記録濃度の最小値を引い
た値が、誤差拡散パターンにおいて設定された数値に従
って近傍のピクセルに分散される。なお、ここでは画像
はカラー画像であり、誤差拡散パターンを用いた処理
は、C,M,Yの各濃度を規定する多値画像データにつ
いてそれぞれ、共通の誤差拡散パターンを用いて行われ
る。
【0032】ディザ法による処理が指示されていれば、
S101の判定結果がNOになってS103が実行さ
れ、ディザパターンに従って多値画像データが2値化さ
れる。ディザパターンは、図13に示すように、マトリ
クス状に構成されており、マトリクスを構成する複数の
しきい値と多値画像データの値とが比較され、2値画像
データが作成される。
【0033】ディザパターンは、当該画像システムの画
像データ処理装置の設計時に作成され、誤差拡散対応ル
ックアップテーブルおよび誤差拡散パターンにより処理
した画像データによって実現された画像である誤差拡散
法画像の色と、誤差拡散対応ルックアップテーブルおよ
びディザ法のディザパターンにより処理した画像データ
によって実現される画像であるディザ法画像の色とが実
質的に一致するように作成されている。記録用ルックア
ップテーブル114を用いた輝度データの濃度データへ
の変換時に、誤差拡散パターンに対応した色補正が行わ
れるため、ディザパターンにより処理される画像データ
についても、誤差拡散対応ルックアップテーブルによる
色補正が行われているのである。画像はカラー画像であ
り、ディザパターンにより画像データを処理する場合に
も、C,M,Yの各色の値についてディザパターンに従
って処理を行う。
【0034】ディザパターンの作成を説明する。ディザ
パターンの作成時には、まず、誤差拡散対応データ補正
規則としての誤差拡散対応ルックアップテーブルを兼ね
ている記録用ルックアップテーブル114を作成する。
この工程が誤差拡散対応データ補正規則準備工程の一例
としての誤差拡散対応ルックアップテーブル作成工程で
ある。記録用ルックアップテーブル114は、前述のよ
うに、輝度データを濃度データに変換する際に、入力画
像データの最高値に対応する出力画像データの最低値を
予定の最低値である0より小さい値に設定するととも
に、誤差拡散パターンにより処理された画像データによ
って記録される画像の色が正規の色、例えば、原画像の
色に忠実な色になるように作成する。次いで、記録用ル
ックアップテーブル114および誤差拡散パターンによ
り処理した画像データによって実現される画像である誤
差拡散法画像と、ディザ法のディザパターンにより処理
した画像データによって実現される画像であるディザ法
画像とを比較する。
【0035】この比較は、ドットゲインカーブ取得用の
入力画像データ(多値の輝度データである)を複数種類
作成し、それぞれの入力画像データについて誤差拡散法
画像のドットゲインカーブである第1ドットゲインカー
ブと、ディザ法画像のドットゲインカーブである第2ド
ットゲインカーブとをそれぞれ取得し、両者を比較する
ことにより行う。この作業はコンピュータを用いて行
う。
【0036】ドットゲインカーブ取得用入力画像データ
は、誤差拡散パターンを構成する誤差拡散値の数および
ディザパターンを構成するしきい値の数より多数のピク
セルを含むドット形成領域内にドットを形成するように
作成し、各ピクセルについての設定値はすべて同じとす
る。この値は輝度の階調の最小値から最大値までの間か
ら選択し、この値、すなわち階調レベルが異なる複数種
類のドットゲインカーブ取得用入力画像データを準備す
る。なお、ドットゲインカーブ取得用入力画像データに
従ってドット形成領域に形成されるドットの数および濃
度は、インクの色が異なっても同じであり、第1ドット
ゲインカーブおよび第2ドットゲインカーブは、C,
M,Yのいずれか1つの色について取得すれば足りる。
そのため、輝度データであるドットゲインカーブ取得用
入力画像データは、C,M,Yのいずれか1つの色が得
られるとともに、濃度が複数種類に異なるように作成す
る。
【0037】第1ドットゲインカーブを取得する際に
は、まず、ドットゲインカーブ取得用入力画像データを
記録用ルックアップテーブル110を用いて濃度データ
に変換するとともに、誤差拡散パターンにより処理して
2値画像データを得る。2値画像データを得れば、実際
に記録用紙14に画像を記録しなくても、いずれのピク
セルにドットが形成されるかがわかり、複数種類のドッ
トゲインカーブ取得用入力画像データの各々について得
られる複数の誤差拡散法画像のそれぞれについて、ドッ
ト形成面積を演算する。ドット形成面積は、ドット形成
領域より小さい領域であって、誤差が均されている領域
において形成されたドットについて演算することが望ま
しい。なお、本実施形態においては、インクは、記録用
紙14に染みて縁がぼやけることがなく、また、隣接す
るピクセルに形成されたドットの一部が互いに重複する
ことがあっても、重複部において濃度が大きくなること
はないものとする。
【0038】単位面積内におけるドット数(ドット形成
面積)と濃度との関係は予めわかっており、上記のよう
に演算された複数種類のドットの数と濃度との関係を表
す第1ドットゲインカーブを得ることができる。第1ド
ットゲインカーブを図15に示す。ドットの数とドット
ゲインカーブ取得用入力画像データの値(レベル)とは
対応しており、図15に示すカーブは、ドットゲインカ
ーブ取得用入力画像データのレベルと濃度との関係を示
すカーブであるということもできる。このように第1ド
ットゲインカーブを取得する工程が第1ドットゲインカ
ーブ取得工程である。
【0039】第2ドットゲインカーブの取得時には、図
13(b)に例示するディザパターンを使用する。この
ディザパターンは、図13(a)に示すディザパターン
を基本とし、このディザパターンを4個組み合わせたも
のであり、基本的なディザパターンである通常ディザパ
ターンである。なお、図13(b)に示すディザパター
ンは、理解を容易にするために、8×8のマトリクスと
されているが、本実施形態のプリント部16は画像を2
56階調で記録するものとされており、実際には、12
8×128のマトリクスのディザパターンが使用され
る。
【0040】輝度データであるドットゲインカーブ取得
用入力画像データを記録用ルックアップテーブル114
を用いて濃度データに変換するとともに、図13(b)
に示すディザパターンに従って2値画像データに変換
し、ドット数を取得するとともにドット形成面積を演算
する。この場合には、ドット形成領域内において、少な
くとも、ディザパターンを構成するピクセルが占める領
域の整数倍のドット数取得領域を設定して、ドット数お
よびドット形成面積を取得することが望ましい。予めわ
かっているドット形成面積と濃度との関係に基づいて、
単位面積内におけるドットの数と濃度との関係を表す第
2ドットゲインカーブ(図15参照)を得る。このよう
に第2ドットゲインカーブを取得する工程が第2ドット
ゲインカーブ取得工程である。
【0041】次に、第1ドットゲインカーブと第2ドッ
トゲインカーブとの比較により、複数種類のドット数に
ついてディザ法画像と誤差拡散法画像との濃度を比較す
る。このように第1ドットゲインカーブと第2ドットゲ
インカーブとを比較する工程がドットゲインカーブ比較
工程であり、第1ドットゲインカーブ取得工程および第
2ドットゲインカーブ取得工程と共に画像比較工程を構
成している。ディザ法画像と誤差拡散法画像とは、ドッ
ト数が同じでもドットの配置や隣接するドット同士の重
なりの発生率が異なるため、両画像の濃度は一般に一致
しない。ディザ法画像の方が誤差拡散法画像より濃度が
小さいことが多い。そこで、ディザパターン変更工程を
実行し、誤差拡散法画像の色とディザ法画像の色とを実
質的に一致させる。
【0042】この変更は、図13(b)に例示するディ
ザパターンを構成するしきい値を図13(c)に例示す
るディザパターンを構成するしきい値に変更することに
より行う。図13(b)に示す通常ディザパターンを色
補正のために修正し、図13(c)に示すディザパター
ンを得るのである。図13(c)に示すディザパターン
が特殊ディザパターンであり、本実施形態において、デ
ィザパターンの作成は、この特殊ディザパターンを作成
することである。図13(b)に示す通常ディザパター
ンでは、ディザ法画像の濃度が誤差拡散法画像の濃度よ
り小さくなるため、ディザ法画像の濃度が大きくなるよ
うに通常ディザパターンを変更すればよい。通常ディザ
パターンを構成するしきい値の一部を小さくし、ドット
形成データが作成され易くすればよいのである。
【0043】また、図15のグラフから明らかなよう
に、ドットの数(ドットゲインカーブ取得用入力画像デ
ータの値(レベル))が最大および最小の場合より、そ
れらの間の値である場合に濃度差が大きい。そのため、
図14に示すように、通常ディザパターンを構成する複
数のしきい値のうち、中間の複数のしきい値について、
他のしきい値よりも変更量を大きくする。それにより、
ドット形成データ数の増加量が、中間のレベルの入力画
像データの方が他のレベルの入力画像データより多くな
り、濃度差を縮めることができる。図14は、図13
(b)に示す通常ディザパターンを構成する4個の基本
パターンにそれぞれI〜IVの番号を付け、図13(b)
の通常ディザパターンを構成するしきい値と、I〜IVの
各基本パターンにおけるしきい値と、変更量の和とを表
にして示したものである。
【0044】本実施形態においては、通常ディザパター
ンのしきい値の変更が、誤差拡散法画像の色の濃度とデ
ィザ法画像の色の濃度との差の最大値の、濃度の最大値
(ピクセル全部にドットが形成された場合の値)に対す
る比が3%以下となるように行われている。このように
通常ディザパターンを変更すれば、誤差拡散法画像の色
とディザ法画像の色とに人が認識できるほどの差が生ぜ
ず、違和感を生ずることがない。以上のように、通常デ
ィザパターンを変更する工程がディザパターン変更工程
である。上記第1,第2ドットゲインカーブの比較はコ
ンピュータにより自動で行われる。通常ディザパターン
の変更は、原則としてコンピュータにより、予め設定さ
れた変更プログラムに従って行われるとともに、コンピ
ュータによる変更により得られたディザパターンに基づ
く処理により得られた画像と、誤差拡散パターンに基づ
く処理により得られた画像とをオペレータが比較し、変
更量が不足しているしきい値および過剰なしきい値につ
いて、入力装置を用いて変更を指示することにより行わ
れる。通常ディザパターンの変更は、原則としてコンピ
ュータにより行われるため、オペレータの作業量が少な
くて済む。
【0045】以上の説明から明らかなように、本実施形
態においては、表示用ルックアップテーブル112が規
定点ルックアップテーブルである第1ルックアップテー
ブルを構成し、記録用ルックアップテーブル114が規
定点ルックアップテーブルである第2ルックアップテー
ブルを構成するとともに、誤差拡散対応ルックアップテ
ーブルを兼ねており、記録制御装置96のS101を実
行する部分が選択部を構成し、S102を実行する部分
が誤差拡散処理部を構成し、S103を実行する部分が
ディザ処理部を構成し、制御装置80の記録用ルックア
ップテーブル114に従って色補正を行う部分が誤差拡
散対応データ補正手段を構成している。制御装置80お
よび記録制御装置96が、本発明の一実施形態である画
像データ処理装置を構成しているのである。また、制御
装置80のS4を実行する部分が補間演算手段を構成
し、S6およびS7を実行する部分が、出力画像データ
の値を予定の最高値に抑える制限手段を構成し、S10
およびS11を実行する部分が、出力画像データの値を
予定の最低値に引き上げる制限手段を構成し、S2を実
行する部分が選択手段を構成している。
【0046】なお、上記実施形態においては、誤差拡散
パターンにより処理された画像データにより実現される
画像の色が正規の色となるように、誤差拡散法により処
理される画像データをルックアップテーブルを用いて補
正するようにされていたが、誤差拡散対応データ補正規
則たる誤差拡散対応マスキング式を用いて補正してもよ
い。誤差拡散対応マスキング式は、例えば、図16に示
すように構成される。係数a11ないしa33の各値を適宜
に設定することにより、R,G,Bの各入力画像データ
の値に対して、正規の色が得られる出力画像データの値
R´,G´,B´が得られる。この誤差拡散対応マスキ
ング式を作成する工程が誤差拡散対応マスキング式作成
工程である。
【0047】また、上記各実施形態において誤差拡散法
画像およびディザ法画像の比較は、各画像のドットゲイ
ンカーブを比較することにより行われていたが、誤差拡
散法画像とディザ法画像との色差を取得することにより
比較してもよい。例えば、誤差拡散対応ルックアップテ
ーブルおよび誤差拡散パターンによる処理により得られ
た2値画像データ、ディザパターンによる処理により得
られた2値画像データに基づいて記録用紙にドットを形
成し、それらドットにより形成される画像を光電色彩計
により測色し、各画像について、XYZ表色系の三刺激
値X,Y,Zを直接取得する。そして、図17に示す
(1)式ないし(3)式の演算を、2つの画像について
それぞれ取得された2組の三刺激値X,Y,Zに基づい
て行い、その演算結果を用いて(4)式ないし(6)式
の演算を行った後、(7)式の演算を行って色差ΔEを
求める。このように色差ΔEを求める工程が色差取得工
程である。次いで、ディザパターン変更工程が実行さ
れ、色差ΔEが設定値、例えば5以下となるようにディ
ザパターンを変更する。なお、図17に示す式は、XY
Z表色系とは別に、国際照明委員会により勧告された均
等色空間であるCIELABにおける2色の距離(色
差)を求める式である。
【0048】さらに、上記各実施形態において第1,第
2ドットゲインカーブは、ドット形成面積の演算に基づ
いて取得されていたが、実際にドットが形成された面の
測色に基づいて取得してもよい。ドットゲインカーブを
取得するためのドットゲインカーブ取得用画像データを
誤差拡散対応ルックアップテーブルおよび誤差拡散パタ
ーンにより処理して2値画像データを取得し、記録用紙
に実際にドットを形成し、そのドット形成面を測色装置
により測色して濃度を取得する。ドット形成面に形成し
たドットの数はわかっており、ドットゲインカーブが得
られる。ディザパターンについても同様に、2値画像デ
ータを取得して記録用紙にドットを形成し、測色により
濃度を取得する。
【0049】また、上記各実施形態において、インクは
記録用紙ににじまず、また、ドットの重複部における濃
度は重複しない部分と同じであるとしてドットゲインカ
ーブの取得を説明したが、インクが記録用紙ににじみ、
ドットの重複部は、重複しない部分より濃度が濃くなる
のであれば、それらを考慮してドット形成面積を演算
し、濃度を取得してドットゲインカーブを取得すること
が望ましい。
【0050】さらに、上記各実施形態においては、カラ
ー画像を記録するためのシアン,マゼンタおよびイエロ
ーの各インクにおいて、ドット数と濃度との関係は同じ
であるとしてドットゲインカーブの取得を説明したが、
その関係が色毎に異なるのであれば、通常ディザパター
ンを色毎に作成し、色毎にドットゲインカーブを取得し
て各通常ディザパターンを変更し、特殊ディザパターン
を得ればよい。この場合には、実際の記録時にも、色毎
に専用のディザパターンを用いて2値画像データが作成
される。誤差拡散法による画像データ処理においては、
誤差拡散対応ルックアップテーブルの数値の設定によ
り、いずれの色についても正規の色が得られる画像デー
タが得られるため、シアン,マゼンタ,イエローの各色
について共通の誤差拡散パターンが用いられる。実際に
ドットが形成された面の測色によってドットゲインカー
ブを取得する場合も同じである。
【0051】また、上記実施形態においてプリンタ部1
6は、シアン,マゼンタ,イエローの3色のインクによ
ってカラー画像を記録するものとされていたが、更に黒
インクを併用してカラー画像を記録するようにしてもよ
い。この場合、R,G,Bの各々について輝度を設定す
る多値画像データは、ルックアップテーブルを用いて
C,M,Y,Kの各々の濃度を設定する多値画像データ
に変換される。
【0052】さらに、プリンタは、カラープリンタに限
らず、白黒プリンタでもよい。また、プリンタは、イン
クジェットプリンタ以外のドットプリンタ、例えばサー
マルプリンタでもよい。
【0053】また、ディザパターンにより処理される画
像データは、誤差拡散パターンに対応する色補正が行わ
れていない多値画像データでもよい。誤差拡散パターン
により処理される画像データのみについて、誤差拡散パ
ターンに対応する色補正が行われるようにするのであ
る。
【0054】さらに、上記各実施形態においては、読取
部12,プリント部16,表示部60の各々について制
御装置94,96,98が設けられるとともに、色補正
を行うための制御装置80が設けられていたが、読取制
御,記録制御,表示制御および色補正制御を1つの制御
装置により行ってもよい。
【0055】さらに、上記各実施形態において、表示部
60においては、表示用ルックアップテーブル112を
用いた色補正により得られた多値画像データに基づいて
電子銃62,64,66が制御されてカラー画像が表示
されるようになっていたが、多値画像データを2値画像
データに変換して電子銃62,64,66を制御し、カ
ラー画像を表示してもよい。2値画像データを得るにあ
たり、画像を記録する場合と同様に、ディザ法および誤
差拡散法によって選択的にデータを処理し、両法によっ
て得られる画像データにより実現される各画像の色が実
質的に同じになるようにディザパターンを決定してもよ
い。
【0056】また、上記各実施形態において、誤差拡散
パターンは、15個分のピクセルについて誤差拡散値が
設定されたパターンとされていたが、誤差拡散パターン
の大きさは、これに限定さず、更に大きいパターンとし
てもよい。15個より多数のピクセルの各々について値
が設定されたパターンとしてもよいのである。
【0057】さらに、上記各実施形態において、読取画
像データは読取用ルックアップテーブル110を用いて
補正された後、表示用ルックアップテーブル112ある
いは記録用ルックアップテーブル114を用いて補正さ
れるようになっていたが、読取用ルックアップテーブル
110を用いた補正は省略してもよく、あるいは表示用
ルックアップテーブルに読取用ルックアップテーブルを
兼ねさせ、記録用ルックアップテーブルに読取用ルック
アップテーブルを兼ねさせてもよい。表示用ルックアッ
プテーブルが読取用ルックアップテーブルを兼ねると
き、そのルックアップテーブルは読取部に設けてもよ
く、表示部に設けてもよい。
【0058】また、上記各実施形態においては、記録用
ルックアップテーブル114は3つの機能、すなわち
輝度データを濃度データに変換し、画像データを、誤
差拡散法により実現される画像の色が正規の色となる画
像データに色補正し、入力画像データの最高値に対応
する規定点における出力画像データの値を予定の最低値
より小さくすることにより色補正する機能を備えたもの
とされていたが、の機能を別のルックアップテーブル
により行ってもよい。ただし、およびの機能を行う
ルックアップテーブルおよびの機能を行うルックアッ
プテーブルがいずれも、規定点の出力画像データを規定
する規定点ルックアップテーブルであって補間演算が行
われる場合には、の機能の後におよびの機能が行
われるようにすることが望ましい。また、記録のために
画像データを色補正する場合、入力画像データの最高値
に対応する規定点における出力画像データの値を予定の
最低値より小さくすることに代えて、入力画像データの
最低値に対応する規定点における出力画像データの値を
予定の最低値より小さくすることにより色補正を行って
もよい。この機能を´とする。上記の機能,の機
能および´の機能は、それぞれ別々のルックアップテ
ーブルにより行ってもよく、2つの機能を1つのルック
アップテーブルにより行い、残りの1つの機能を別の1
つのルックアップテーブルにより行ってもよい。ただ
し、´の機能用のルックアップテーブルは、の機能
用のルックアップテーブルとは別に設けられ、かつ、
の機能用のルックアップテーブルより後に使用される。
また、3つの機能を1つのルックアップテーブルで行う
のではなく、かつ、それらルックアップテーブルが規定
点の出力画像データを規定する規定点ルックアップテー
ブルであって補間演算が行われる場合には、´の機能
は最後に行われるようにすることが望ましい。また、
の機能が1つのルックアップテーブルにより行われ、か
つの機能より前に行われるのであれば、の機能のた
めのルックアップテーブルは、濃度データを濃度データ
に変換するテーブルとされ、の機能がの機能の後に
行われるのであれば、の機能のためのルックアップテ
ーブルは輝度データを色補正して輝度データを得るテー
ブルとされる。なお、の機能の後にの機能を果たす
ルックアップテーブルは、画像データが誤差拡散法によ
り処理される場合のみに使用され、ディザ法により処理
される場合には使用されないようにすることも可能であ
る。
【0059】また、ルックアップテーブルによって画像
データを処理するとき、入力画像データの極限値に対応
する規定点の出力画像データの最高値を予定の最高値よ
り大きく、あるいは出力画像データの最低値を予定の最
低値より小さくすることは不可欠ではなく、行わなくて
もよい。
【0060】また、入力画像データの極限値に対応する
出力画像データの値が予定の最高値より大きくされた規
定点ルックアップテーブルあるいは入力画像データの極
限値に対応する出力画像データの値が予定の最低値より
小さくされた規定点ルックアップテーブルは誤差拡散対
応ルックアップテーブルとは別に設けてもよく、その場
合、誤差拡散対応ルックアップテーブルは、任意の入力
画像データの値の各々に対応して出力画像データが設定
されたテーブルとしてもよく、あるいは入力画像データ
の値を座標値とする座標系に設定された複数の規定点の
各々における出力画像データの値を規定するテーブルと
してもよい。
【0061】その他、当業者の知識に基づいて種々の変
形,改良を施した態様で本発明を実施することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の実施形態である画像データ処
理装置を含む画像システムを概略的に示す正面図(一部
断面)である。
【図2】上記画像システムの表示部を構成するCRTデ
ィスプレイを概略的に示す図である。
【図3】上記画像システムのうち、画像データの色補正
を制御する制御装置の構成を概念的に示すブロック図で
ある。
【図4】上記制御装置を構成するコンピュータのROM
に格納された色補正処理を示すフローチャートである。
【図5】上記制御装置による画像データの処理の流れを
機能的に示すブロック図である。
【図6】上記コンピュータのROMに格納された読取用
ルックアップテーブルの一部を示す図表である。
【図7】上記コンピュータのROMに格納された表示用
ルックアップテーブルの一部を示す図表である。
【図8】上記コンピュータのROMに格納された記録用
ルックアップテーブルの一部を示す図表である。
【図9】上記色補正処理において行われる直線補間演算
を説明する図である。
【図10】上記色補正処理において行われる輝度データ
の濃度データへの変換を説明する図である。
【図11】上記プリント部に設けられた記録制御装置を
構成するコンピュータのROMに格納された2値化処理
を示すフローチャートである。
【図12】上記2値化処理において画像データを誤差拡
散法により処理するための誤差拡散パターンを示す図で
ある。
【図13】上記2値化処理において画像データをディザ
法により処理するためのディザパターンを示す図であ
る。
【図14】上記ディザパターンの変更を説明する図であ
る。
【図15】誤差拡散法画像の第1ドットゲインカーブと
ディザ法画像の第2ドットゲインカーブとを示すグラフ
である。
【図16】本発明の別の実施形態である画像データ処理
装置において画像データを補正するための誤差拡散対応
マスキング式を表す図である。
【図17】本発明の別の実施形態である画像データ処理
装置において、誤差拡散法画像とディザ法画像との色差
を取得するための式を示す図である。
【符号の説明】
12:読取部 16:プリント部 60:表示部
80:制御装置 96:記録制御装置 98:表示制御装置 11
0:読取用ルックアップテーブル 112:表示用ル
ックアップテーブル 114:記録用ルックアップテ
ーブル

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 誤差拡散法とディザ法とで選択的に画像
    データを処理可能な画像データ処理装置において、誤差
    拡散法により実現される画像とディザ法により実現され
    る画像との両方の色を補正する方法であって、 前記画像データについて前記誤差拡散法の誤差拡散パタ
    ーンに対応する色補正を行い、その色補正に適合するよ
    うにディザ法のディザパターンを決定することを特徴と
    する画像データ処理装置の色補正方法。
  2. 【請求項2】 誤差拡散法とディザ法とで選択的に画像
    データを処理可能な画像データ処理装置において、誤差
    拡散法により実現される画像とディザ法により実現され
    る画像との両方の色を補正する方法であって、 前記誤差拡散法の誤差拡散パターンにより処理された画
    像データによって実現される画像の色が所望の色になる
    ように前記画像データを補正する誤差拡散対応データ補
    正規則を準備する誤差拡散対応データ補正規則準備工程
    と、 前記誤差拡散対応データ補正規則および前記誤差拡散パ
    ターンにより処理された画像データによって実現される
    画像である誤差拡散法画像と、前記ディザ法のディザパ
    ターンにより処理された画像データによって実現される
    画像であるディザ法画像とが実質的に一致するように前
    記ディザパターンを変更するディザパターン変更工程と
    を含むことを特徴とする画像データ処理装置の色補正方
    法。
  3. 【請求項3】 誤差拡散パターンの使用による色補正を
    行う誤差拡散法により画像データを処理する誤差拡散法
    処理部と、 ディザ法により画像データを処理するディザ法処理部
    と、 それら誤差拡散法処理部とディザ法処理部とを択一的に
    選択する選択部と、 前記誤差拡散処理部において処理された画像データによ
    り実現される画像の色が正規の色になるように、誤差拡
    散処理部における処理前の画像データについて誤差拡散
    対応データ補正規則に従って色補正を行う誤差拡散対応
    データ補正手段とを含み、前記ディザ処理部において処
    理される画像データについてディザ対応データ補正規則
    に従って色補正を行うディザ対応データ補正手段は含ま
    ず、かつ、前記誤差拡散対応データ補正規則および前記
    誤差拡散パターンにより処理された画像データによって
    実現される画像である誤差拡散法画像と、前記ディザ法
    のディザパターンにより処理された画像データによって
    実現される画像であるディザ法画像とが実質的に一致す
    る画像データ処理装置(請求項3)。
  4. 【請求項4】 さらに、 入力画像データの値を座標値とする座標系に設定された
    複数の規定点の各々における出力画像データの値を規定
    する規定点ルックアップテーブルと、 その規定点ルックアップテーブルの複数の規定点の各々
    における出力画像データの値に基づいて、任意の入力画
    像データの値に対応する出力画像データの値を補間演算
    する補間演算手段とを含み、 前記規定点ルックアップテーブルを、少なくとも入力画
    像データの極限値に対応する規定点における出力画像デ
    ータが予定の最高値より大きいものとしたことを特徴と
    する請求項3に記載の画像データ処理装置。
  5. 【請求項5】 さらに、 入力画像データの値を座標値とする座標系に設定された
    複数の規定点の各々における出力画像データの値を規定
    する規定点ルックアップテーブルと、 その規定点ルックアップテーブルの複数の規定点の各々
    における出力画像データの値に基づいて、任意の入力画
    像データの値に対応する出力画像データの値を補間演算
    する補間演算手段とを含み、 前記規定点ルックアップテーブルを、少なくとも入力画
    像データの極限値に対応する規定点における出力画像デ
    ータが予定の最低値より小さいものとしたことを特徴と
    する請求項3に記載の画像データ処理装置。
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