JP2000097817A - 標本液採取容器の支持装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【課題】 標本液採取容器に標本液を充填する計量容器
を備えた標本液分取装置において、霧化による標本液の
周囲への飛散を防止する。 【解決手段】 第１円盤４８の上面にすべり軸受け材よ
り成る第２円盤４９を貼り合わせ、第１円盤４８の外周
部に試験管８の挿入を許容する第１開口５１を円周方向
に所定間隔隔てて多数形成する。第２円盤４９の外周部
に前記第１開口５１に試験管８を挿入させ且つ上端縁外
周の鍔部を挿入させて該鍔部を前記第１開口５１周りに
着座させる第２開口５２を形成し、支持台に軸支され前
記第１円盤４８及び第２円盤４９の軸芯部を貫通する中
空回転軸の貫通端に前記第２円盤４９とほぼ同径の第３
円盤の軸芯部を固定する。前記第３円盤に前記第２円盤
４９の上面に沿って摺動移動して前記第２開口５２を開
閉するゲート５５をスライド自在に設ける。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は微生物培養装置や酵
素反応装置から標本液を採取する標本液分取装置に関す
るものであり、特に、多数の標本液採取容器を支持する
と共に、各標本採取容器を採取位置に移動する標本液採
取容器の支持装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】一般に、微生物培養装置や酸素反応装置
等から所定の時間毎に標本を採取する作業や、採取後の
管理洗浄作業等、一連の作業は、技術者が標本採取装置
に備えられているポンプやバルブを操作して行なってい
る。

【０００３】標本液の採取作業は、所定の時間毎に標本
液を採取する必要があるので、人手によって行なう従来
の採取方法では夜間や休日等にも技術者が勤務していな
ければならず、過酷な労働であり、しかも、人手に依存
するため、採取時間や採取量或いは採取品質等に問題を
生じる慮れもある。

【０００４】そこで、図６及び図７に示す標本液分取装
置が考えられている。

【０００５】図６に示すように、この標本液分取装置３
０は、密閉された計量容器３１内の底部側と培養液槽３
２内の底部側とを輸送管３３で連通すると共に、計量容
器３１内の上部をフィルタ３４を有する給排管３５を介
して給排ポンプ３６に接続し、輸送管３３より第２輸送
管３７を分岐させて、該第２輸送管３７の途中に第１ピ
ンチバルブ３８を、輸送管３３の分岐部上流側（培養液
槽側）に第２ピンチバルブ３９をそれぞれ設けた標本液
採取装置と、多数の試験管（標本液採取容器）８…を支
持すると共に、これら多数の試験管８…全体を鉛直軸回
りに回転させて試験管８の入口９を順次第２輸送管３７
の出口に臨ませるための試験管８の支持装置とから成
り、前記支持装置の回転により標本液採取容器を位置決
し、前記第１ピンチバルブ３８開、第２ピンチバルブ３
９を閉とし、前記給排ポンプ３６の吸い込みによる、培
養液槽３２から計量容器３１に定量の標本液を採取し、
第１ピンチバルブ３８を閉、第２ピンチバルブ３９を開
とし、前記給排ポンプ３６による計量容器３１の液面加
圧によって標本液を計量容器から試験管８に移し代える
ように構成されている。

【０００６】そして前記試験管８の入口９は、スライド
ゲート８０と、該スライドゲート８０を開閉するためア
クチュエータ８１によって開閉されるよう構成されてい
る。該スライドゲート８０は、前記標本液採取容器を支
持して回転する回転盤８２の上面にスライド自在に係合
され、前記アクチュエータ８１は、基部が前記回転盤８
２中心側に固定され、先端部が前記スライドゲート８０
の端部上面に接続される。そして前記スライドゲート８
０は、前記アクチュエータ８１の接続部側と前記回転盤
８２の外周側とにおいて二分され、互いにヒンジ８３に
より連結されている。このため前記アクチュエータ８１
の収縮によって前記スライドゲート８０が回転盤２の中
心側に引き寄せられると、前記試験管８の入口９は開放
され、逆に、該アクチュエータ８１の伸長によって、前
記スライドゲート８０が前記回転盤８２の外周側に押し
出されたとき、前記試験管８の入口９が前記スライドゲ
ート８０によって閉鎖される。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】従って、図７に示すよ
うに、前記スライドゲート８０のスライドにより前記試
験管８の入口９を開放し、該入口９に前記第２輸送管３
７の出口を臨ませて前記給排ポンプ３６の圧力によって
標本液を送り出せば、前記計量容器３１より試験管８に
標本液を移し代えることができるが、移送完了直前の外
気と第２輸送管３７内の差圧によって標本液に霧化が発
生すると、スライドゲート８０をスライドさせるための
クリアランスから標本液の飛沫が漏れ出し、スライドゲ
ート８０の周囲が著しく汚れてしまう欠点がある。

【０００８】そこで、霧化による標本液のゲート周囲へ
の飛散を防止するために解決せられる技術的課題が生じ
てくるのであり、本発明は該課題を解決することを目的
とする。

【０００９】本発明は上記目的を解決するために提案せ
られたものであり、吸い込みにより標本液槽から計量容
器に定量の標本液を採取し、加圧により前記計量容器か
ら標本液採取容器に標本液を充填する標本液分取装置に
おいて、第１円盤とすべり軸受け材より成る第２円盤と
を接合して、前記標本液採取容器を支持する支持盤を形
成し、該支持盤の第１円盤の外周部に前記標本液採取容
器を支持するための第１開口を円周方向に所定間隔隔て
て形成すると共に、第２円盤の外周部に前記標本液採取
容器の鍔径よりも大きな第２開口を前記第１開口と同芯
に形成する一方、支持台に中空回転軸を回転自在に立設
する共に、該中空回転軸の下端面より該中空回転軸の軸
芯部を貫通する支軸を立設し、該支軸の上端に前記第１
円盤側を固定面として前記支持盤の軸芯部を固定すると
共に、前記中空回転軸の上端部に前記第２円盤とほぼ同
径の第３円盤の軸芯部を固定し、該第３円盤に前記第２
円盤の上面を摺動面として移動して前記第２開口を開閉
するゲートをスライド自在に設け、前記ゲート中央部
に、前記計量容器と連通する輸送管の出口部を嵌挿して
該出口部を前記標本液採取容器内に臨ませる筒状部を設
けた標本液採取容器の支持装置を提供し、更に、前記ゲ
ートが、前記筒状部を有するゲート本体と、該筒状部の
外周面に遊嵌する固定板と、前記筒状部外周に形成され
た雄ねじに螺入するナットより構成され、前記第３円盤
が径方向内方より径方向外方に延びて前記第２開口と連
結されるガイド孔が形成され、前記第３円盤の下面側よ
り、前記ガイド孔に前記筒状部を挿入した後、前記第３
円盤の上面側より前記筒状部に前記固定板を遊嵌し、こ
の後、前記筒状部外周面の雄ねじに前記ナットを螺入し
て、前記第３円盤を前記ゲート本体と固定板とで挟圧す
ることにより、前記ゲートのスライドを規制し、前記ナ
ットの弛緩により前記ゲートのスライドを許容するよう
に構成された標本液採取容器の支持装置を提供するもの
である。

【００１０】

【発明の実施の形態】以下、培養液分取装置に適用した
本発明の一実施の形態を図１及び図２に従って詳述す
る。

【００１１】図１は標本液分取装置として培養液分取装
置を示している。同図に示すように、該培養液分取装置
１は、細長い筒状の密閉ガラス容器を計量容器２とし
て、該計量容器２内の上部側と培養液を貯留する培養液
槽（標本液槽）３内の底部側とをシリコンチューブ製の
第１輸送管４で連通し、前記計量容器２の底部に細長い
排出管部５を形成して該排出管部５にシリコンチューブ
製の第２輸送管６を接続し、該第２輸送管６の先端の排
出口７を、標本液採取容器としての試験管８の入口９に
臨ませている。そして、ガラス製の培養液槽３に貯留さ
れている培養液を吸入負圧によって前記計量容器２内に
吸い込み、計量後、計量容器２内に加圧空気を供給して
その所定圧力で液面を加圧することによって計量容器２
内より前記試験管８に培養液を輸送するために、前記第
１輸送管４に、第１ピンチバルブ１１を、また、第２輸
送管６に第２ピンチバルブ１２をそれぞれ取り付けて、
これら第１輸送管４と第２輸送管６とをそれぞれ開閉自
在に構成している。ここで、前記第１ピンチバルブ１１
及び第２ピンチバルブ１２は、前記第１輸送管４及び第
２輸送管６を外側より径方向に沿って挟圧し、押し潰す
ことによって閉塞し、この挟圧の解除により、開放する
弁である。このため、前記第１輸送管４及び第２輸送管
６内外の滅菌処理を簡単に行なうことができるそして、
前記計量容器２の上部には該計量容器２内の容器内雰囲
気を排出し且つ該計量容器２内に所定圧の加圧空気を供
給するための管状の管接続部１３が一体形成され、この
管接続部１３に、清浄と殺菌のためのフィルタ１４を有
する吸排管１５が取り付けられ、該吸排出管１５の端部
を二股に分岐して各分岐管１６、１７をそれぞれ吸い込
みポンプ１８と加圧ポンプ１９に接続されている。

【００１２】従って、第２ピンチバルブ１２の閉により
第２輸送管６を閉塞し、且つ第１ピンチバルブ１１の開
により第１輸送管４を開放し、この後、前記吸い込みポ
ンプ１８のみを作動して前記計量容器２内の雰囲気を外
部に排出すると、計量容器２内の圧力低下に応じて、培
養液槽３の培養液を計量容器２内に吸い込むことが可能
となり、この逆に、第２ピンチバルブ１２を開として第
２輸送管６を開放し、且つ第１ピンチバルブ１１の閉に
より第１輸送管４を閉鎖した状態で前記加圧ポンプ１９
を作動すると、液面に作用する加圧空気の圧力によっ
て、計量容器２内の培養液を第２輸送管６を介して前記
試験管８に移送することが可能となる。

【００１３】そして、第１輸送管４の計量容器２内の出
口２０の計量容器２内高さ位置は、前記計量容器２に採
取される定量の培養液の液面と等しく且つ、定量の培養
液の液面と接するように設定されている。

【００１４】従って、前記第１ピンチバルブ１１の開、
第２ピンチバルブ１２の閉を保持して前記加圧ポンプ１
９を作動すると、培養液の余剰分が前記培養液槽３に押
し戻され、次に、定量の液位で計量容器２内の空気に第
１油送管４の前記出口２０が出会うことによって、第１
輸送管４への培養液の供給が断たれ、計量容器２には結
果的に定量の培養液が採取されることになる。このよう
に本実施の形態では、第１輸送管４の計量容器２内の出
口２０の計量容器２内高さ位置を、前記計量容器２に採
取される定量の培養液の液面と等しく且つ、定量の培養
液の液面と接するよう設定することによって、前記ピン
チバルブ１１，１２の閉鎖タイミング、培養液の粘度
差、及び前記ポンプ１６の慣性に起因して生じる培養液
の過剰な吸い込みを利用し、併せて計量容器２内の空気
と前記第１輸送管４の出口２０とが出会うことによる圧
力の伝達不能も利用することにより、定量の培養液の採
取を実現する。

【００１５】しかし、前記ピンチバルブ１１，１２の開
閉時期並びに前記ポンプ１８，１９の運転時期を制御す
るには、一定の基準が必要であり、このために計量容器
２の培養液の液位を検出するセンサが必要となる。

【００１６】ここに、センサとしては、浮力を利用して
接点を開閉する形式のフロート式センサを用いることも
考えられるが、計量容器２内の容量の制限により、ま
た、清浄性及び滅菌処理の困難さを思料するとその採用
は難しい。

【００１７】そこで、本実施の形態では、前記第１輸送
管４の計量容器内出口２０より前記計量容器外露出部に
及ぶ一端部を金属管２１で構成すると共に、細い金属棒
２２を前記計量容器２内の底部側より上方に延出させ
て、計量容器２の天上部を貫通させ、該金属棒２２及び
前記金属管２１の一方を陽極又は陰極とし、他方を陰極
又は陽極として、それぞれ対応する接点（図示せず）に
電気的に接続し、接点が閉じたときの信号をコントロー
ラ２３に入力するよう構成している。

【００１８】従って、前記金属管２１及び金属棒２２よ
り成るセンサ２４は、上記フロート式のセンサと比べて
清浄性、滅菌性に優れ、また計量容器２の容積に影響度
も極めて小さく、構成が簡易で安価となる。また、前記
金属管２１をそのまま前記センサ２４の一部として利用
すると、定量の液位より上方の液位を全て感知すること
が可能となり検出精度及び検出範囲を拡大することが可
能となる。

【００１９】前記コントローラ２３は周知のシーケンサ
又はマイクロコンピュータより成り、計量容器２に培養
液を自動採取し、その後、前記試験管８に移送するため
に、前記各ピンチバルブ１１、１２の開閉及び前記各ポ
ンプ１８、１９の作動・停止を制御するよう構成されて
いる。

【００２０】図２は前記試験管８を支持する支持装置を
示している。同図に示すように、この支持装置４０は、
支持台４１に中空回転軸４２を（図示せず）回転自在に
立設する共に、該中空回転軸４２の下端面より該中空回
転軸４の軸芯部を通って先端面に貫通する支軸４３を立
設して、前記中空回転軸４２の上端面に前記標本液採取
容器としての試験管８を支持する支持盤４４を、ノブナ
ット４５により固定し、更に、前記支軸４３の上面に支
持盤４４とほぼ同径の第３円盤４６の軸芯部を固定し、
そして前記支持台４１に前記中空回転軸４２を回転する
回転駆動装置４７を設けている。

【００２１】前記支持盤４４は、前記第３円盤４６とほ
ぼ同径の第１円盤４８と、すべり軸受け材、例えば、樹
脂材より成る第２円盤４９とを互いに重ね合わせて、こ
れらをねじ（皿子ねじ等）５０…、リベットあるいは接
着材等により一体に接合して成り、前記支持盤４４の第
１円盤４８の外周部には、前記試験管８を支持するため
の第１開口５１…が円周方向に所定間隔隔てて形成さ
れ、第２円盤４９の外周部に前記試験管８の鍔部の鍔径
よりも大径の第２開口５２…が、前記第１開口５１…と
同芯に形成されている。そして、前記第２円盤４９の肉
厚は、前記試験管８の縁部よりも厚く設定されている。
このため、前記第１開口５１…及び前記第２開口５２…
に上方より前記試験管８を臨ませて挿入したとき、試験
管８の鍔部が前記第１開口５１…の周縁部に支持され、
試験管８の鍔部は、第２円盤４９の上面よりも所定深さ
没入する。

【００２２】一方、前記第３円盤４６には、図３及び図
４に示すように、外周部に前記第１開口５１…及び第２
開口５２…のピッチ間隔と対応するピッチ間隔で第３開
口５３…が設けられている。該第３開口５３…は、第２
開口５２…より大径の円孔であり、前記中空回転軸４２
のピッチ円直径と同じピッチ円直径に設定されている。
そしてこの第３円盤４６には、その軸芯側より径方向に
沿って径方向外方に延びる小幅のガイド孔５４…が全体
として放射状に形成され、夫々、前記第３開口５３…と
連絡されている。各ガイド孔５４…には、夫々前記第２
円盤４９の上面を摺動面として移動して前記前記第３開
口５３…を閉鎖すると同時に、前記第２開口５２を閉鎖
するゲート５５がスライド自在に取付けられている。

【００２３】該ゲート５５は、図３（Ａ），（Ｂ）に詳
細に示すように、上面軸芯部に筒状部５６を有するゲー
ト本体５７と、前記筒状部５６の外周面に遊嵌する固定
板５８と、前記筒状部５６の外周に形成された雄ねじ５
９に螺入するナット６０より成り、前記第３円盤４６の
下面側より、前記ガイド孔５４に前記筒状部５６を挿入
した後、前記第３円盤４６の上面側より前記筒状部５６
に前記固定板５８を遊嵌し、この後、前記筒状部５６外
周面の雄ねじに５９前記ナット６０を螺入して、前記第
３円盤４６を前記ゲート本体５７と前記固定板とで表裏
から挟圧することにより、前記ゲート５５のスライドを
規制し、前記ナット６０の弛緩によりスライドを許容す
るように構成されている。

【００２４】係る構成において、よりスライド性を改善
するために、前記第２円盤４９の上面に摺接する前記ゲ
ート本体５７の摺動面に、前記ガイド孔５４に沿って移
動する滑子６１が一体に取付けられ、更に、前記第３開
口５３の周縁部には該第３開口５３の中心部を挟んで前
記ガイド孔５４と反対側に、前記ゲート５５が前記第３
開口５３を閉塞する際に、前記滑子６１の端部を案内す
ると共に係合する切欠部６２が形成され、前記ナット６
０を弛緩して前記筒状部５６の外周の雄ねじ５９より取
り外し、前記固定板５７を取り外すと、前記第３円盤４
６より、前記ゲート５５を取り外すことが可能となる。
そして、前記筒状部５６は、上端側に前記第２輸送管６
を嵌挿するための筒状の管挿入孔６３を構成すると共
に、該管挿入穴６３の内底に小径な貫通孔６４が同芯に
開穿されている。勿論、前記ナット６０を袋ナットに形
成して、該ナット６０により、液漏れ、又は蒸気漏れの
防止を図ることも可能である。

【００２５】このように、本実施形態に係る標本液採取
容器の支持装置４０にあっては、第１にゲート本体５７
の径を第第２開口５２よりも大きく設定して、支持盤４
４の第２円盤４９にゲート本体５７の摺接面が摺接する
構造として、霧化された培養液（標本液）の吹き出しを
規制し、第２に、前記管挿入孔６３の内底に細い貫通孔
６４を形成し、この貫通孔６４の絞りを通じて試験管８
内に標本液を注入する構成として、霧化された標本液の
液化を促し、これらにより、標本液のゲート５５周囲へ
の飛散の防止を防止する。

【００２６】従って、標本液のゲート周囲への飛散が防
止され、装置を清浄に保つことができる。

【００２７】前記駆動装置４７は、図２に示すように、
中空回転軸４２の下部外周面に一体的且つ同軸に固設さ
れた従動ギヤ６５に、該従動ギヤ６５と噛合して前記中
空回転軸４２を回転駆動する主動ギヤ６６と、該主動ギ
ヤ６６を駆動するモータ（ステップピングモータ）６７
とから構成され、前記中空回転軸４２を所定角度、すな
わち、前記第２開口５２のピッチ間隔で回転するように
構成されている。なお、前記支持台４１には、回転角の
制御のために、磁気式、あるいは光式の回転角検出セン
サ６８が設けられる。

【００２８】図４は、前記支持盤４４に支持されている
試験管８の入口９を開閉するための第２ゲート６９を示
している。同図に示すように、この第２ゲート６９は、
上面軸芯部にスタッドボルト部７０を有する第２ゲート
本体７１と、該第２ゲート本体７１の外周面に遊嵌する
第２固定板７２と、前記スタッドボルト部７０に螺入に
よって取付ける第２滑子７３と、前記スタッドボルト部
７０に螺入により取付ける第２ナット７４より成り、前
記第３円盤４６の下面側より、前記ガイド孔５４に前記
スタッドボルト部７０を挿入した後、前記第３円盤４６
の上面側より前記スタッドボルト部７０に前記第２固定
板７２を遊嵌し、この後、前記スタッドボルト部７０に
前記第２ナット７４を螺入して、前記第３円盤４６を前
記第２ゲート本体７１と第２固定板７２とで表裏から挟
圧することにより、該第２ゲート６９のスライドを規制
し、前記第２ナッ７４の弛緩によりスライドを許容する
ように構成されている。

【００２９】このため、第２ナット７４を弛緩して、第
２ゲート６９を閉鎖位置より開放位置に移動すれば、試
験管８の入口９を簡単に開放することができ、また、第
１開口５１、第２開口５２及び第３開口５３より成る一
連の開口より、試験管８を簡単に抜き取ることができ
る。

【００３０】図５はコントローラ２３の基本的な制御を
示すブロック図である。同図に示すように、この制御で
は、まず、コントローラ２３は、標本開始のためのスイ
ッチのオン入力があると、年、日、時刻を管理するタイ
マーを起動する。そして待機モードに入り、該タイマー
により設定された時間（年、日、時刻）まで待機する
（ステップ０）。

【００３１】タイマにより設定時刻となると、前記第１
ピンチバルブ１１を開、第２ピンチバルブ１２を閉と
し、この後、前記加圧ポンプ１９を所定時間（約１０ｓ
ｅｃ）起動する（ステップ１）。

【００３２】加圧空気の圧力で、前記第１輸送管４内の
付着物は全て培養液槽３に吹き戻され、同様に管内の微
生物の成長による高粘度の培養液は全て管外に排出され
る。これにより、前記第１輸送管４内は清掃され、ま
た、前記培養液槽３は撹拌されその粘度は一様となる。
もちろん清掃時間の設定によっては微生物を一様に分布
させることも可能である。

【００３３】次に、培養液の採取のため、前記第１ピン
チバルブ１１を開及び前記第２ピンチバルブ１２の閉に
保持して、前記センサ２４より通電信号が入力されるま
で前記吸い込みポンプ１８を起動する（ステップ２）。

【００３４】計量容器２の圧力の降下により前記培養液
槽３より計量容器２内に培養液が吸入され、前記金属管
２１と金属棒２２の双方が培養液と接触して互いに電気
的に導通すると、コントローラ２３は計量容器２に対す
る培養液の採取が完了したとみなして、前記吸い込みポ
ンプ１８を停止し、同時に、第１ピンチバルブ１１を
開、第２ピンチバルブ１２を閉に保持して、加圧ポンプ
１９を所定時間（約１０ｓｅｃ）起動する。

【００３５】これにより、前記計量容器２に採取された
培養液の液面に加圧力が作用し、培養液の余剰分はこの
圧力によって培養液槽３に押し戻される（ステップ
３）。

【００３６】所定時間（約１０ｓｅｃ）経過後、前記加
圧ポンプ１９の運転、第１ピンチバルブ１１の閉に保持
して、第２ピンチバルブ１２を開作動し、液面に作用す
る加圧ポンプ１９の加圧力によって培養液を試験管８に
移送する（ステップ４）。このとき、前記貫通孔６４等
によって、霧化された培養液の液化が促されるため標本
液の供給量に殆ど変化は生じない。

【００３７】そして、加圧ポンプ１９の運転及び、第１
ピンチバルブ１１の開、第２ピンチバルブ１２の閉を所
定時間（約５ｓｅｃ）して、第１輸送管４の残存液を前
記培養槽３に吹き戻し、これによって第１輸送管４内を
清掃する（ステップ５）。

【００３８】更に、所定時間（約１０ｓｅｃ）、第１ピ
ンチバルブ１１の閉、第２ピンチバルブ１２の開を保持
して、前記加圧ポンプ１９を作動して、第２輸送管６を
乾燥する（ステップ６）。

【００３９】そして、この後、前記回転駆動装置（ステ
ップモータ等）に駆動信号を出力して、前記支持台４１
を所定角度、すなわち、前記試験管８のピッチ分、回転
し、次の試験管８を前記第２輸送管１２の排出口７に臨
ませ（ステップ７）、ステップ０に戻る。

【００４０】このように本実施の形態に係る培養液分種
装置は、単に、前記各ピンチバルブ１１、１２の閉鎖タ
イミング及び標本液としての培養液の粘度のバラツキに
起因した流体慣性の影響を排除するに止まらず、更に、
第１輸送管４を清掃し、第２輸送管８を清掃すると共に
乾燥して、次回の培養液の採取に備えるので、一定品質
の培養液の自動採取の信頼性を可及的に向上することが
できる。

【００４１】なお、本実施の形態では、吸い込みポンプ
１８と加圧ポンプ１９とを設け、それぞれフィルタ１４
により浄化する説明をしたが、前記給排ポンプ３６と一
個のフィルタ１４によって構成することも可能であり、
本発明は係る構成をも含むものである。また、前記培養
液分種装置１は、微生物の種別あるいは標本液の性状に
より、一定温度に管理する必要がある場合は、冷蔵庫等
の温度管理された庫内に設置されることは当然になされ
るものである。

【００４２】さらに、本発明は、本発明の精神を逸脱し
ない限り種々の改変を為すことができ、そして、本発明
が該改変されたものに及ぶことは当然である。

【００４３】

【発明の効果】請求項１記載の発明は、上記一実施の形
態に詳述したように、霧化された培養液の吹き出しを規
制できるので、ゲート周囲の汚れを防止し、装置を清浄
に保つことができ、また、請求項２記載の発明によれ
ば、標本液採取容器の入口の開閉と、標本液採取容器の
取り出しを必要に応じて行なうことができる等、正に、
著大なる効果を発揮する発明である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施の形態に係る標本液分取装置の
一実施の形態に係る培養液分種装置の構成図である。

【図２】本発明の一実施の形態に係る標本液採取容器の
支持装置を示す断面図である。

【図３】ゲートの取付構造を示す断面図である。

【第４】第２ゲートを示す断面図である。

【図５】コントローラの制御内容を示すブロック図であ
る。

【図６】検討した従来の標本液分取装置の構成図であ
る。

【図７】検討した従来の標本液採取装置のゲートを示す
解説図である。

【符号の説明】

１ 培養液分取装置（標本液分取装置） ２ 計量容器 ３ 培養液槽 ４ 第１輸送管 ５ 第２輸送管 ８ 試験管（標本液採取容器） １１ 第１ピンチバルブ １２ 第２ピンチバルブ １４ フィルタ １８ 吸い込みポンプ １９ 加圧ポンプ ２０ 計量容器内出口 ２１ 金属管 ２２ 金属棒 ２３ コントローラ ４１ 支持台 ４６ 第３円盤 ４８ 第１円盤 ４９ 第２円盤 ５１ 第１開口 ５２ 第２開口 ５５ ゲート ５６ 筒状部

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 吸い込みにより標本液槽から計量容器に
   定量の標本液を採取し、加圧により前記計量容器から標
   本液採取容器に標本液を充填する標本液分取装置におい
   て、 第１円盤とすべり軸受け材より成る第２円盤とを接合し
   て、前記標本液採取容器を支持する支持盤を形成し、 該支持盤の第１円盤の外周部に前記標本液採取容器を支
   持するための第１開口を円周方向に所定間隔隔てて形成
   すると共に、 第２円盤の外周部に前記標本液採取容器の鍔径よりも大
   きな第２開口を前記第１開口と同芯に形成する一方、 支持台に中空回転軸を回転自在に立設する共に、 該中空回転軸の下端面より該中空回転軸の軸芯部を貫通
   する支軸を立設し、 該支軸の上端に前記第１円盤側を固定面として前記支持
   盤の軸芯部を固定すると共に、 前記中空回転軸の上端部に前記第２円盤とほぼ同径の第
   ３円盤の軸芯部を固定し、 該第３円盤に前記第２円盤
   の上面を摺動面として移動して前記第２開口を開閉する
   ゲートをスライド自在に設け、 前記ゲート中央部に、前記計量容器と連通する輸送管の
   出口部を嵌挿して該出口部を前記標本液採取容器内に臨
   ませる筒状部を設けたことを特徴とする標本液採取容器
   の支持装置。
2. 【請求項２】 前記ゲートが、前記筒状部を有するゲー
   ト本体と、該筒状部の外周面に遊嵌する固定板と、前記
   筒状部外周に形成された雄ねじに螺入するナットより構
   成され、 前記第３円盤が径方向内方より径方向外方に延びて前記
   第２開口と連結されるガイド孔が形成され、 前記第３円盤の下面側より、前記ガイド孔に前記筒状部
   を挿入した後、前記第３円盤の上面側より前記筒状部に
   前記固定板を遊嵌し、この後、前記筒状部外周面の雄ね
   じに前記ナットを螺入して、 前記第３円盤を前記ゲート本体と固定板とで挟圧するこ
   とにより、前記ゲートのスライドを規制し、前記ナット
   の弛緩により前記ゲートのスライドを許容するように構
   成されたことを特徴とする請求項１記載の標本液採取容
   器の支持装置。