JP2000097699A - 自動測量機 - Google Patents

自動測量機

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Abstract

(57)【要約】 【課題】入射光を波長分割する光学手段の小型化を図
り、又光学手段の反射面に生成する光学膜を簡略化し、
光学手段のコストダウン或は自動測量機の小型化を図る
ものである。 【解決手段】対物レンズ5と合焦レンズ6の間の光軸上
に位置し、少なくとも可視光を透過する第1の反射面2
4と、少なくとも所定の波長を透過する第2の反射面2
5を有し、前記第1の反射面からの反射光は前記第2の
反射面に達し、第2の反射面からの反射光は前記光軸と
交差する光学手段を具備する自動測量機。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は目標を自動的に追尾
する自動測量機に関し、特に反射光を追尾光、測距光、
可視光に分割する望遠光学系を有する自動測量機に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】図2は自動測量機の要部を示しており、
自動測量機は一般の測量機と同様に三脚に取付けられる
整準部1、該整準部1に設けられた基盤部2、該基盤部
2に鉛直軸心を中心に回転可能に設けられた托架部3、
該托架部3に水平軸心を中心に回転可能に設けられた望
遠鏡部4から構成される。更に、自動測量機では前記托
架部3、望遠鏡部4は図示しない内蔵のモータにより回
転駆動される様になっており、遠隔で又は自動で操作が
可能となっている。
【0003】前記望遠鏡部4は測定光を照射し、目標対
象物からの反射を受光する光学系を有しており、受光し
た反射光に基づき目標対象物を視準すると共に目標対象
物を検出し追尾する追尾手段、及び目標対象物迄の距離
を測定する測距手段を具備している。
【0004】而して、前記望遠鏡部4から照射された測
定光が目標物に設けられたミラーで反射され、反射光を
受光することで測定者が測量機を目標物に対して視準を
行い、或は距離測定を行い、或は目標物の自動追尾が行
われる。
【0005】前述した目標を自動的に追尾する測量機で
は、照射する測定光には追尾用、測距用の異なる波長帯
が含まれ、目標物で反射され受光した反射光を追尾用、
測距用、可視光と目的毎に波長分割し、分割された測距
光、追尾光を用いて距離測定、自動追尾を行っている。
斯かる波長分割は前記望遠鏡部4の光学系の光路上に配
置される光学手段により行われる。複数の波長帯に分割
する光学手段としてはダイクロイックプリズムが多く使
用される。
【0006】図3により波長を3分割する光学手段を有
する従来の自動測量機の光学系について説明する。
【0007】該光学系は対物レンズ5、合焦レンズ6、
正立プリズム7、焦点鏡8、接眼レンズ9から成り、前
記対物レンズ5と合焦レンズ6との間に光学手段である
ダイクロイックプリズム10が配設され、更に追尾光射
出用の反射ミラー11が前記対物レンズ5とダイクロイ
ックプリズム10の間に配設されている。
【0008】前記合焦レンズ6は光軸O上を移動可能に
設けられ、前記対物レンズ5を経て入光したレーザ光線
を前記焦点鏡8上に結像し、前記正立プリズム7は前記
焦点鏡8に結像される像を正立像とし、前記焦点鏡8は
目標物を視準中心に捉えるスケールを有し、前記接眼レ
ンズ9は前記焦点鏡8に結像された目標物の像を前記ス
ケールと共に測量者の網膜上に結像する。前記反射ミラ
ー11の反射光軸上には図示しない追尾光学系が配設さ
れ、追尾光のレーザ光線を前記反射ミラー11を介して
目標対象物に対して照射する様になっている。
【0009】前記ダイクロイックプリズム10は光路を
横断する2つの第1ダイクロイックミラー面15、第2
ダイクロイックミラー面16を有し、前記第1ダイクロ
イックミラー面15に対向して追尾受光部(図示せず)
が配設され、該第2ダイクロイックミラー面16に対向
して測距光学系の受発光分割ミラー17が配置されてい
る。該測距光学系は前記受発光分割ミラー17を介して
測距用レーザ光線を目標対象物に対して照射し、又該受
発光分割ミラー17を介して測距用反射レーザ光線を受
光する様になっている。
【0010】上記した様に、照射する測定光には追尾
用、測距用の異なる波長帯が含まれる。波長帯としては
例えば視準用には400〜650nmの可視光線、追尾
用としては650nmの赤外光、測距用としては800
nmの赤外光が使用される。
【0011】前記対物レンズ5より入射した反射光は前
記第1ダイクロイックミラー面15により追尾反射光が
反射され、追尾光が他の測距用、可視光から分離され
る。前記追尾受光部は追尾反射光を受光し、受光結果に
より自動測量機本体の制御部(図示せず)はモータを駆
動して測量機の視準中心に目標対象物が位置する様に姿
勢を自動調整する。
【0012】前記第1ダイクロイックミラー面15を透
過したレーザ光線は、前記第2ダイクロイックミラー面
16により更に測距光が反射され、測距光と可視光とが
分離される。分離された測距光は、前記測距光学系によ
り受光され、距離測定がなされる。又、前記第2ダイク
ロイックミラー面16を透過した可視光は前記接眼レン
ズ9を介して測量者に視認され、自動測量機の設置時の
視準、測定時の視準が行われる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】上記した従来の自動測
量機では、可視光、追尾光、測距光の波長帯に分割する
ダイクロイックプリズム10が、望遠鏡部4の光軸上で
入射した反射光を追尾反射光、測距反射光、可視光に順
次分割する構成である。前記ダイクロイックプリズム1
0には、前記対物レンズ5を透過した光束が入射するに
必要とされる大きさと、追尾反射光、測距反射光をそれ
ぞれ反射するに必要な長さの第1ダイクロイックミラー
面15、第2ダイクロイックミラー面16とが要求され
る。この為、前記ダイクロイックプリズム10は必然的
にかなりの大きさになる。大きなダイクロイックプリズ
ム10は高価であり、望遠鏡部4を大型化する。望遠鏡
部4が大型化すると電気系、測距系の電気回路の一部は
托架部側に設けられることになり、測量機自体が大き
く、重くなってしまう問題があり、重量の増大に伴い駆
動電力も増大し、別電源を用意しなければならない等の
問題も生じていた。
【0014】更に、前記ダイクロイックプリズム10の
第1ダイクロイックミラー面15では赤外光、可視光の
内一部の赤外光のみ分割するものである為、第1ダイク
ロイックミラー面15に生成される光学膜は複雑で高価
なものとなる。
【0015】本発明は斯かる実情に鑑み、入射光を波長
分割する光学手段の小型化を図り、又光学手段の反射面
に生成する光学膜を簡略化し、光学手段のコストダウン
或は自動測量機の小型化を図るものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明は、対物レンズと
合焦レンズの間の光軸上に位置し、少なくとも可視光を
透過する第1の反射面と、少なくとも所定の波長を透過
する第2の反射面を有し、前記第1の反射面からの反射
光は前記第2の反射面に達し、第2の反射面からの反射
光は前記光軸と交差する光学手段を具備する自動測量機
に係るものであり、又前記第1の反射面はダイクロイッ
クミラーであり少なくとも可視光を透過し、第2の反射
面はダイクロイックミラーであり少なくとも一つの赤外
波長を透過する自動測量機に係り、更に前記ダイクロイ
ックミラーの第1の反射面は400〜650nmの光を
透過し、650〜850nmを反射し、第2の反射面は
650〜720nmの光を反射し、720〜850nm
を透過する自動測量機に係るものであり、複数の波長帯
を有する入射光を複数の波長に分割する複数の反射面の
内光軸上に位置するのは1つのみであり、この為光軸方
向の長さが短くなり、光学手段の小型化が図れ、更に可
視光については1つの反射面を透過するだけであるの
で、可視光の減衰率が低く抑えられる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しつつ本発明の
実施の形態を説明する。
【0018】図1中、図3中で示したものと同様のもの
には同符号を付し、その説明は省略する。
【0019】光軸O上に対物レンズ5、合焦レンズ6、
正立プリズム7、焦点鏡8、接眼レンズ9を順次配設
し、前記対物レンズ5と合焦レンズ6との間に光学手
段、好ましくはダイクロイックプリズム20を配設す
る。
【0020】前記ダイクロイックプリズム20はペンタ
型プリズム21の対向する面に楔型プリズム22,23
を貼付け、第1ダイクロイックミラー面24、第2ダイ
クロイックミラー面25を形成したものである。
【0021】前記第1ダイクロイックミラー面24は入
射した反射光の内、可視光を透過し、赤外光を反射する
ものであり、前記第2ダイクロイックミラー面25は測
距光を透過し、追尾光を反射するものである。前記第1
ダイクロイックミラー面24の反射光軸上に測距光学系
(図示せず)を設け、前記第2ダイクロイックミラー面
25の反射光軸上に追尾受光部(図示せず)を設ける。
追尾光射出部(図示せず)は追尾受光部側に設けられて
いる。尚、図中26は測距光学系の受発光分割ミラーで
あって光束を紙面に対して垂直な方向に分割する様横向
きに配置されている。
【0022】前記ダイクロイックミラー面は、例えば4
00〜650nmの可視光を透過し、650〜850n
mを反射する。第2のダイクロイックミラー面は、65
0〜720nmを反射し、720〜850nmを透過す
る。
【0023】以下、作用を説明する。
【0024】目標対象物で反射された反射測定光が前記
対物レンズ5より入射すると、前記第1ダイクロイック
ミラー面24で赤外光、即ち追尾反射光と測距反射光が
反射され、可視光は透過する。透過した可視光は前記合
焦レンズ6により前記焦点鏡8で結像し、結像した像は
該焦点鏡8のスケールと共に再び測量者の網膜に結像さ
れ、視準が行われる。
【0025】前記第2ダイクロイックミラー面25では
前記第1ダイクロイックミラー面24で反射された赤外
光の内、追尾光が反射され、測距光が透過される。追尾
反射光は前記光軸Oと交差する方向でペンタ型プリズム
21から射出され、追尾受光部で受光される。追尾受光
部で受光された結果に基づき前述したと同様、測量機の
視準中心に目標対象物が位置する様に自動測量機の姿勢
が自動調整される。前記第2ダイクロイックミラー面2
5を透過した測距反射光は図示しない測距光学系に受光
されて距離測定がなされる。尚、前記光軸Oと前記第2
ダイクロイックミラー面25の反射光軸とは同一平面内
に有っても、そうでなくともよい。
【0026】前記第1ダイクロイックミラー面24、第
2ダイクロイックミラー面25はいずれも所定の波長で
2分割する構成であるので、形成する光学膜は簡単で、
安価である。更に、ダイクロイックミラー面は波長を選
択して透過しそれ以外を反射するものであるが、完全に
透過するわけではない。従って、複数回ダイクロイック
ミラー面を透過した場合はその分減衰効果が大きく透過
光線の光量が少なくなる。本発明では可視光は第1ダイ
クロイックミラー面24を一度透過するだけであるの
で、透過の光量が多くなり、明瞭な視準を行える。
【0027】前記光軸O上に配置されるダイクロイック
ミラー面は前記第1ダイクロイックミラー面24の一面
でよく、他の第2ダイクロイックミラー面25は光軸O
から外れた位置となる。この為、前記ダイクロイックプ
リズム20の光軸方向の寸法が短くなる。従って、該ダ
イクロイックプリズム20を前記合焦レンズ6に接近さ
せた位置に配置させることで、前記ダイクロイックプリ
ズム20と対物レンズ5間の距離を大きくすることがで
きる。このことで、前記ダイクロイックプリズム20に
入射するレーザ光線の光束径が小さくなり、該ダイクロ
イックプリズム20も小型化できる。
【0028】
【発明の効果】以上述べた如く本発明によれば、ダイク
ロイックプリズムを小型化できるので、製作費が低減
し、又望遠鏡部側に追尾系、測距系の電気回路等を収納
できる空間を確保でき、自動測量機全体の小型化、軽量
化が図れる。更に、可視光の減衰を小さくできるので明
瞭な視準が行え作業性が向上する、等の優れた効果を発
揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示す要部構成図である。
【図2】本発明が実施される自動測量機の要部外観図で
ある。
【図3】従来例を示す要部構成図である。
【符号の説明】
1 整準部 2 基盤部 3 托架部 4 望遠鏡部 5 対物レンズ 6 合焦レンズ 7 正立プリズム 8 焦点鏡 9 接眼レンズ 20 ダイクロイックプリズム 21 ペンタ型プリズム 22 楔型プリズム 23 楔型プリズム 24 第1ダイクロイックミラー面 25 第2ダイクロイックミラー面

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 対物レンズと合焦レンズの間の光軸上に
    位置し、少なくとも可視光を透過する第1の反射面と、
    少なくとも所定の波長を透過する第2の反射面を有し、
    前記第1の反射面からの反射光は前記第2の反射面に達
    し、第2の反射面からの反射光は前記光軸と交差する光
    学手段を具備することを特徴とする自動測量機。
  2. 【請求項2】 前記第1の反射面はダイクロイックミラ
    ーであり少なくとも可視光を透過し、第2の反射面はダ
    イクロイックミラーであり少なくとも一つの赤外波長を
    透過する請求項1の自動測量機。
  3. 【請求項3】 前記ダイクロイックミラーの第1の反射
    面は400〜650nmの光を透過し、650〜850
    nmを反射し、第2の反射面は650〜720nmの光
    を反射し、720〜850nmを透過する請求項2の自
    動測量機。
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