JP2000096535A - 覆工シート - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 シート部材に固着するブロックのコストを低
くできると共に、ブロックの大きさを任意にすることが
でき、さらに自然の環境に近い状態に敷設施工できる。 【解決手段】 通水性を有するシートに適宜の高さと直
径を持つ多数本の木材を、それぞれの一端面をシート表
面に当接して固着した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、河岸や道路開設等
における法面等を覆工するための覆工シートに関するも
のである。

【０００２】

【従来の技術】従来のこの種の覆工シートとしては、塩
ビシートやゴムシート、さらにネット等のシート部材の
表面に多数の小ブロックを固着したものが知られてい
る。そしてこのシート部材に固着する小ブロックには、
コンクリートブロック、金属精練によって発生するスラ
ッジや製紙スラッジ等を固形化したもの、タイルやレン
ガブロック、さらに合成樹脂の成形体が用いられてい
た。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】従来の覆工シートに用
いるブロックには上記したように成形加工品が用いられ
ていたため、１個１個のブロックのコストが高いという
問題があった。また成形加工品であるため、形状の種類
をあまり多くすることができず、シート部材上での各小
ブロックの突出形状が画一にならざるを得なかった。

【０００４】本発明は上記のことにかんがみなされたも
ので、シート部材に固着するブロックのコストを低くで
きると共に、このブロックの大きさ、特に高さを任意に
することができ、低いコストで、しかも変化に富み、さ
らに法面を極めて自然の環境に近い状態にできる覆工シ
ートを提供することを目的とするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る覆工シートは、通水性を有するシート
に適宜の高さと直径を持つ多数本の木材を、それぞれの
一端面をシート表面に当接して固着した構成になってい
る。

【０００６】

【作 用】上記構成の覆工シートは河岸や道路開設等
における法面等の表面に敷設される。各木材間には木材
がかくれない程度に客土する。木材には自然木が用いら
れるが主として間伐材を用いることにより資源の有効利
用が図られる。

【０００７】

【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面に基づ
いて説明する。図中１は網または不織布等の通水性を有
するシートであり、このシート１の表面に多数の木材２
が、それぞれの軸方向の一端をシート１に固着して取付
けられている。

【０００８】上記通水性を有するシート１は所定の大き
さの矩形状になっており、少なくともその２側辺には接
合代１ａ，１ｂが設けてある。

【０００９】図１、図２に示した第１の実施例では、各
木材２の長さ（高さ）は不揃いであり、その太さも様々
とし、しかもその立設間隔は外周が接触したり、少し離
間したりしたランダム状になっている。

【００１０】図３、図４に示した第２実施例では、各木
材２が縦方向、横方向に整然と配列するように固着され
ている。そしてこの各木材２の高さは、シート１の一方
向（長手方向）にわたって徐々に変化するようにした。

【００１１】上記各木材２は通水性を有するシート１に
対して図５に示すようにステープラ３にて、あるいは図
６に示すように接着剤４にてそれぞれ固着する。

【００１２】そして上記木材２は直径が５〜２０ｃｍ、
高さが５〜２０ｃｍの自然木で、主として間伐材を用い
る。なお全ての木材の高さが同一であってもよい。また
太さも同一のものを用いてもよい。

【００１３】上記した構成の覆工シートはそれぞれの接
合代１ａ，１ｂを重ねて法面に互いに隣接して多数枚敷
設する。そして上記接合代１ａ，１ｂを互いにワイヤや
ロープ、金具等にて接合する。そしてさらに各覆工シー
トの適所に木杭あるいは金具を打ち込んでこれを法面に
固定する。図７、図８は上記した第１の実施例に係る覆
工シートを、また図９、図１０は第２の実施例に係る覆
工シートのそれぞれを法面５へ敷設施工した状態を示
す。

【００１４】図７、図８に示した第１の実施例に係る覆
工シートの場合では、これの表面が木材２の間隔及び高
さが全くのランダム状となり、いかにも荒々しい感じを
与えるが、図９、図１０に示した第２の実施例に係る覆
工シートの場合では、これの表面が木材２の高さの変化
に従ってウェーブ状となり、優美な感じを与える。そし
ていずれの場合も、表面が多数本の自然木が林立した景
観となるので、見た目にも優しいし、周囲の景観ともマ
ッチする。

【００１５】上記両実施例において、法面５への施工後
は各木材２の先端がかくれない程度に、木材２間に客土
を行う。これにより、この部分にやがて草花が生えてさ
らに自然に近い様相を呈することになる。また、流水に
浸漬されている部分では、流下してきた泥、土、砂利等
が丸太２にて捕獲され、この部分にも水草やその他の草
が生えてくることになる。

【００１６】

【発明の効果】本発明によれば、シート部材に多数固着
するブロックに自然木を用いたことによりコストを低く
することができ、特にこのブロックに間伐材を用いるこ
とにより天然資源の有効利用を図ることができる。また
上記ブロックに用いる木材は任意の長さに切ったものを
大きさの種々異なるブロックとして用いることができる
ことにより、大きさが種々異なるブロックを低いコスト
で、しかも変化に富んだものを容易に得ることができ
る。さらにシートに固着するブロックに自然木が用いら
れることにより、この覆工シートで覆工された法面は自
然の環境に近い状態にすることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１の実施例を示す斜視図である。

【図２】本発明の第１の実施例を示す平面図である。

【図３】本発明の第２の実施例を示す斜視図である。

【図４】本発明の第２の実施例を示す平面図である。

【図５】丸太をステープラで固着した例を示す断面図で
ある。

【図６】丸太を接着剤で固着した例を示す断面図であ
る。

【図７】第１の実施例による全体斜視図である。

【図８】第１の実施例による全体断面図である。

【図９】第２の実施例による全体斜視図である。

【図１０】第２の実施例による全体断面図である。

【符号の説明】

１…シート、１ａ，１ｂ…接合代、２…木材、３…ステ
ープラ、４…接着剤、５…法面。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 通水性を有するシートに適宜の高さと直
   径を持つ多数本の木材を、それぞれの一端面をシート表
   面に当接して固着したことを特徴とする覆工シート。