JP2000096069A - 石油の処理方法および触媒 - Google Patents

石油の処理方法および触媒

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JP2000096069A
JP2000096069A JP10271165A JP27116598A JP2000096069A JP 2000096069 A JP2000096069 A JP 2000096069A JP 10271165 A JP10271165 A JP 10271165A JP 27116598 A JP27116598 A JP 27116598A JP 2000096069 A JP2000096069 A JP 2000096069A
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acid
light oil
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Makoto Inomata
俣 誠 猪
Toshiya Okumura
村 俊 哉 奥
Shigeki Nagamatsu
松 茂 樹 永
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 本発明の石油の処理方法は、原油を常圧
蒸留して、残渣油と、軽油および軽油より低沸点の留分
からなる留出油とに分離して得られた留出油を、反応温
度320〜380℃、水素分圧25〜60atm、H2/Oil比が60〜140
Nm3/klの条件下で一括して脱硫することを特徴とする。
また、本発明の石油の処理触媒は、アルミナ、シリカア
ルミナ、シリカ及びゼオライトからなる群より選ばれる
1種以上の担体に、金属を担持してなる触媒であって、
酸強度が125kj/mol以下、且つ、酸強度が85kj/mol以上
である酸点の酸量が0.37mmol/g以下であることを特徴と
する。 【効果】 本発明によれば、原油を常圧蒸留して、残渣
油と、軽油および軽油より低沸点の留分からなる留出油
とに分離して得られた留出油を一括して脱硫を行う簡素
化された石油の処理方法であって、留出油の各留分を充
分に脱硫し、且つ、リコンビネーションを生じない石油
の処理方法とおよび触媒を提供することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、石油の処理方法および
触媒に関する。詳しくは、原油を常圧蒸留して、残渣油
と、軽油および軽油より低沸点の留分からなる留出油と
に分離して得られた留出油を、一括して脱硫する石油の
処理方法及び触媒に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】従来の一般的な石油精製において
は、図2に示すように、原油を常圧蒸留装置1において
常圧蒸留し、軽質ガス、LPG、軽質ナフサ、重質ナフ
サ、灯油及び軽油などの各留分に分離した後、それぞれ
の留分を個別に水素化処理して脱硫を行っている。
【0003】このように従来の石油精製方法では、常圧
蒸留して得た軽質ガス、LPG、軽質ナフサ、重質ナフ
サ、灯油及び軽油などの各留分を、それぞれ個別の水素
化精製装置などの処理装置で精製しているため、各留分
を適した条件で処理することができる反面、石油精製プ
ラントの設備構成は複雑で大規模になり、建設コストが
嵩み、大きな設備面積を要するという問題があった。ま
た、多数の装置を個別に制御し、個別にメンテナンスす
る必要があるため、制御やメンテナンスが煩雑であり、
ランニングコストが嵩むという問題があった。
【0004】さらにこのような製油方法は、原油処理量
の多少にかかわらず、画一的に行われているため、特に
原油処理量が少ない場合には石油処理装置を簡素化、小
規模化して、石油精製コストを低下させることが望まれ
ている。
【0005】これに対して、本願出願人は、原油を常圧
蒸留して得られる留出油を一括して同一の水素化処理装
置で水素化処理する方法を提案している(特開平7−8
2573号公報)。この方法によれば、各留分毎に水素
化処理装置を設ける場合に比べ、装置構成を大幅に簡素
化することができ、建設コスト及び設備面積を削減でき
るとともに、メンテナンスも一括して行うことができ
る。この方法は特に原油処理量が少ない場合に有用であ
る。
【0006】ところで、環境汚染防止などの観点から、
石油製品をより完全に脱硫すること、特に軽油を深度脱
硫することが望まれている。軽油留分の脱硫効率を上げ
るためには、脱硫反応温度を上昇させるのが効果的であ
る。しかしながら、反応温度を上昇させた場合には、水
素化脱硫によって生成した硫化水素とナフサ留分中のオ
レフィンがリコンビネーション反応(再結合反応)を起こ
しやすくなるという問題がある。
【0007】リコンビネーション反応が起こると、主に
メルカプタンが生じ、生じたメルカプタンは水素化脱硫
後のナフサ留分中に混入する。このため、ナフサの硫黄
濃度が高くなり、脱硫に続いてナフサを接触改質する場
合に、その触媒を劣化させるという問題がある。
【0008】このようなリコンビネーション反応を避け
る方法として、一括脱硫を比較的低温で行うことが挙げ
られるが、低温では脱硫効率が低下するため、軽油留分
の脱硫が不完全になり、硫黄含量の多い軽油しか得られ
ないという問題がある。また、比較的低温の脱硫条件で
あっても、使用する脱硫触媒量を増加させることにより
脱硫効率を向上させることができるが、高価な触媒を多
量に使用するため、コスト高になるという問題がある。
【0009】また、軽油留分の脱硫効率を上げるために
は、酸性度の高い触媒を用いるのが有効であることが知
られている。しかしながら酸性度が高い触媒を用いる
と、軽油留分は充分に脱硫されるが、リコンビネーショ
ン反応を併発し、メルカプタンが生じるため、重質ナフ
サ留分の硫黄含量が多くなり、得られた重質ナフサ留分
を接触改質などの原料として使用できないという問題が
あった。
【0010】そこで本願出願人は、軽油および軽油より
沸点の低い留分を一括して脱硫したのち、リコンビネー
ションで生じたメルカプタンを除去するためにさらに脱
硫する方法を提案している(特願平9-247119)。しかし
ながらこの方法では、脱硫を二段階で行うため、一括脱
硫のために2つの脱硫装置を必要とする。このため、さ
らに脱硫方法を簡素化し、コストダウンを図ることが求
められていた。
【0011】このような問題を解決するために、留出油
を一括して脱硫する場合に、各留分を充分に脱硫するこ
とができ、かつリコンビネーション反応の生じない石油
の処理方法及び脱硫触媒の開発が望まれていた。
【0012】
【発明の目的】本発明は、原油を常圧蒸留して、残渣油
と、軽油および軽油より低沸点の留分からなる留出油と
に分離した留出油を、一括して脱硫する石油の処理方法
と、そのための触媒を提供することを目的とする。詳し
くは、原油を常圧蒸留して得られる留出油を充分に脱硫
し、且つ、リコンビネーションを生じない石油の処理方
法と、そのための触媒を提供することを目的とする。
【0013】
【発明の概要】本発明の石油の処理方法は、原油を常圧
蒸留して、残渣油と、軽油および軽油より低沸点の留分
からなる留出油とに分離して得られた留出油を、反応温
度320〜380℃、水素分圧25〜60atm、H2/Oil比が60〜140
Nm3/klの条件下で一括して脱硫することを特徴としてい
る。
【0014】また、本発明の石油の処理方法は、原油を
常圧蒸留して、残渣油と、軽油および軽油より低沸点の
留分からなる留出油とに分離して得られた留出油を、酸
強度が125kj/mol以下、且つ、酸強度が85kj/mol以上で
ある酸点の酸量が0.37mmol/g以下である触媒を用いて、
反応温度320〜380℃、水素分圧25〜60atmの条件下で一
括して脱硫することを特徴としている。
【0015】また、本発明の石油の処理触媒は、アルミ
ナ、シリカアルミナ、シリカ及びゼオライトからなる群
より選ばれる1種以上の担体に、金属を担持してなる
(a) 〜(d) のいずれかの触媒であって、酸強度が125kj/
mol以下、且つ、酸強度が85kj/mol以上である酸点の酸
量が0.37mmol/g以下であることを特徴としている。 (a) コバルト−モリブデン系触媒 (b) ニッケル−モリブデン系触媒 (c) ニッケル−コバルト−モリブデン系触媒 (d) ニッケル−タングステン系触媒
【0016】
【発明の具体的説明】以下、本発明について具体的に説
明する。 <石油の処理方法>本発明の石油の処理方法では、図1
に示すように、原油を常圧蒸留装置または粗蒸留装置1
で常圧蒸留して、残渣油と軽油および軽油より低沸点の
留分からなる留出油とに分離して得られた留出油を水素
化脱硫装置12において一括して脱硫するのが望ましい。
【0017】常圧蒸留は、原油を通常脱水および脱塩な
どの前処理をした後、予熱して、常圧蒸留塔などの常圧
蒸留装置に導入して行うことができる。常圧とは、通常
蒸発部で0.5〜2kg・cm2・G程度となる条件であることをい
う。常圧蒸留では、蒸発部温度にもよるが、通常は沸点
が約−40〜400℃程度の留分が留出油として分取され、
塔底油として常圧蒸留残渣油が得られる。
【0018】常圧蒸留の段階では、軽質ガス、LPG、
軽質ナフサ、重質ナフサ、灯油及び軽油などの、軽油お
よび軽油より低沸点の留分からなる留出油を、各留分ご
とに分離して得てもよく、また常圧蒸留残渣油を除く軽
油および軽油より低沸点の留分からなる留出油を一留分
の形態で得てもよい。また、水素化脱硫処理を必要とし
ない留出分(たとえば軽質ガスあるいはLPG)を除く
軽油および軽油より低沸点の留分からなる留出油を一留
分の形態で得ることができる。常圧蒸留で、軽油および
軽油より低沸点の留分からなる留出油を、各留分ごとに
分離して得た場合には、それらを一括して水素化脱硫処
理に供する。
【0019】続いて本発明では、上記常圧蒸留で得た水
素化脱硫処理を必要とする留出油を一括して水素化脱硫
する。このとき、水素化脱硫原料とする留出油には、水
素化脱硫処理を必要としない留分が含まれていてもよ
い。すなわち、上記常圧蒸留で得た留出油を一括して水
素化脱硫するか、または、常圧蒸留で得た留出油のう
ち、水素化脱硫処理を必要としない留出分(たとえば軽
質ガスあるいはLPG)を除いた留分を一括して水素化
脱硫することができる。
【0020】また、常圧蒸留残渣油を減圧蒸留して得ら
れる減圧軽油を、水素化脱硫に供する留出油中に加えて
もよい。本発明の水素化脱硫処理は、上記のような留出
分を一括して反応器内で水素化脱硫触媒の存在下で行
う。このときの反応温度は、320〜380℃、好ましくは33
0〜360℃、さらに好ましくは340〜360℃であるのがよ
い。また、水素分圧は25〜60atm、好ましくは30〜50atm
であるのが望ましい。
【0021】反応温度が上記範囲内にある場合には、脱
硫が不充分にならず、また、リコンビネーションを生じ
ないため好ましい。また、水素分圧が上記範囲内であれ
ば充分な水素化脱硫を行うことができ、また経済的であ
るため好ましい。
【0022】また、H2/Oil(NL/L)比は60〜140Nm3/kl好
ましくは70〜120 Nm3/klであるのが望ましい。また、液
空間速度(LHSV)が1〜5hr-1、好ましくは1.5〜3 hr-1
あることが望ましい。
【0023】本発明の水素化脱硫処理に用いる反応器と
しては、上述の反応条件を満たす反応を行うことができ
るものであればいずれを用いてもよいが、たとえば気液
下向並流型反応器、気液向流型反応器、気液上向並流型
反応器などを用いることができる。
【0024】本発明の水素化脱硫に用いる触媒として
は、後述するように、酸強度が125kj/mol以下、且つ、
酸強度が85kj/mol以上である酸点の酸量が0.37mmol/g以
下の触媒を用いるのが好ましい。この触媒の酸強度は、
120kj/mol以下であるのがさらに好ましく、また、酸量
(85<酸強度)は0.35mmol/g以下であるのがさらに好まし
い。
【0025】本発明の石油の処理方法によれば、従来個
別に水素化脱硫処理を行っていた、常圧蒸留して得た軽
質ガス、LPG、軽質ナフサ、重質ナフサ、灯油及び軽
油などの各留分を、一括して処理することができ、しか
も各留分の硫黄含有量が充分に少なく、リコンビネーシ
ョンを生じずに水素化脱硫処理を行うことができる。こ
のため、軽油および軽油より沸点の低い留分を効率よく
水素化脱硫することができる。
【0026】また、水素化脱硫に係る石油処理設備を簡
略化することができ、石油精製プラントの建設コストを
低減し、敷地面積を縮小することができる。また、装置
の簡略化に伴って、装置制御が容易になり、低コストで
装置を制御することが可能となる。さらに、装置の簡略
化に伴ってメンテナンスコストを削減することができ
る。
【0027】本発明の石油の処理方法は、従来の処理方
法よりも簡略化された方法であるため、少量の原油を処
理する場合等には特に有用である。
【0028】<石油の処理触媒>本発明の石油の処理触
媒は、アルミナ、シリカアルミナ、シリカ及びゼオライ
トからなる群より選ばれる1種以上の担体に、金属を担
持してなる(a) 〜(d) のいずれかの触媒であって、酸強
度が125kj/mol以下、好ましくは120kj/mol以下であっ
て、且つ、酸強度が85kj/mol以上である酸点の酸量が0.
37mmol/g以下、好ましくは0.35mmol/g以下であることが
望ましい。この酸点の酸量の下限値は明確ではないが、
少なくとも触媒調製後に酸点を有すれば、本発明の効果
を有する。 (a) コバルト−モリブデン系触媒 (b) ニッケル−モリブデン系触媒 (c) ニッケル−コバルト−モリブデン系触媒 (d) ニッケル−タングステン系触媒
【0029】本発明の石油の処理触媒の調製は、アルミ
ナ、シリカアルミナ、シリカ及びゼオライトからなる群
より選ばれる1種以上の担体に、上記(a) 〜(d) のいず
れかの触媒構成する金属を担持させる通常の方法で調整
することができる。たとえば、所望の単体に、所望の金
属塩の水溶液を含浸させた後、乾燥、焼成することによ
って調整することができる。
【0030】本発明の触媒の酸強度および酸点の量は、
金属の担持量にも依存するが、その他の条件によっても
変化する。たとえば、酸点を持つ触媒がピリジン等の酸
点に吸着しやすい物質に接触した場合には、酸強度およ
び酸量が低下する傾向を示す。
【0031】このため金属の担持量は、上記酸強度およ
び酸量を満たす量であればよく、限定されるものではな
いが、一般に、コバルトで2〜7重量%、モリブデンで8
〜22重量%、ニッケルで1〜5重量%、タングステンで1
〜5重量%程度であるのがよい。
【0032】本発明の石油の処理触媒は、水素化脱硫処
理に用いることができる触媒であって、特に、軽油およ
び軽油より低沸点の留分を一括して水素化脱硫するため
の触媒として好ましく用いることができる。
【0033】
【発明の効果】本発明の石油の処理方法によれば、原油
を常圧蒸留して、残渣油と、軽油および軽油より低沸点
の留分からなる留出油とに分離して得られた留出油を一
括して脱硫を行う簡素化された石油の処理方法であっ
て、留出油の各留分を充分に脱硫し、且つ、リコンビネ
ーションを生じない石油の処理方法を提供することがで
きる。
【0034】また、本発明の石油の処理触媒を用いる
と、軽油および軽油よりも低沸点の留分からなる留出油
を一括して水素化脱硫する場合においても、リコンビネ
ーションを生じることなく、各留分を充分に脱硫するこ
とができる。
【0035】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体
的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定される
ものではない。
【0036】以下の実施例および比較例で用いる触媒の
性状を表1に示す。
【0037】
【表1】
【0038】
【実施例1】原油を常圧蒸留し、留出分と常圧蒸留残渣
油とに分離した。得られた留出分の性状を表2に示す。
【0039】続いて、内径108mm×長さ6000mmのチュー
ブ型反応器に常圧蒸留で得られた留出分を一括して供給
し、水素化脱硫処理を行った。この水素化脱硫処理の条
件は、反応温度330℃、全圧40atm、水素分圧33kg/cm2
H2/Oil比90Nm3/kl、LHSV1.5hr-1であって、水素化脱硫
触媒としては、表1に示す性状の触媒Aを用いた。触媒
の酸強度および酸量は、カロリメトリー(アンモニアの
微分吸着熱)により測定した。
【0040】水素化脱硫処理後の各留分の性状を測定
し、結果を表3に示す。
【0041】
【表2】
【0042】
【表3】
【0043】実施例1によれば、常圧蒸留による留出油
を一括して水素化脱硫した場合に、各留分が充分に脱硫
されていることが示される。また、重質ナフサ留分の硫
黄量が充分に少ないことから、リコンビネーションによ
るメルカプタンの発生が生じていないことがわかる。
【0044】
【実施例2〜7および比較例1,2】実施例1において、
表4に示す触媒および温度条件としたことの他は、実施
例1と同様にして水素化脱硫処理を行った。このときの
触媒充填量は250ml、LHSVは1.5hr-1であった。予備硫化
後、反応条件に達してから100時間後に、脱硫生成物中
の重質ナフサの硫黄分として、総硫黄分およびメルカプ
タン硫黄分を分析した。結果を表4に示す。
【0045】
【表4】
【0046】実施例2〜7および比較例1,2の結果よ
り、反応温度が320℃未満である比較例1および比較例2
の場合には、水素化脱硫後の総硫黄量が多く、脱硫が不
充分であることがわかる。
【0047】
【実施例8〜17】実施例1において、表5に示す触媒
および反応温度としたことの他は、実施例1と同様にし
て水素化脱硫を行った。結果を表5に示す。
【0048】
【表5】
【0049】実施例8〜17の結果より、反応温度が360℃
では、330℃の場合と比較して、灯軽油中の硫黄含有量
は少なく脱硫効率は高いが、重質ナフサではこれとは逆
に360℃で処理したほうが硫黄含有量が多く、リコンビ
ネーションが起きていることを示している。
【0050】また、触媒機能についてみれば、酸強度が
125〜85kj/molであり、かつ酸量が0.37mmol/g以下の範
囲にある触媒を用いた場合には、灯軽油の脱硫効率を損
なうことなく重質ナフサ中の硫黄分を効率的に除去で
き、リコンビネーションも抑えられていることがわか
る。
【0051】
【実施例18〜20および比較例3】実施例1において、表6
に示すH2/Oil比としたことの他は実施例1と同様にして
水素化脱硫を行った。このときに得られる重質ナフサお
よび軽油の総硫黄量を測定した。結果を表6に示す。
【0052】
【表6】
【0053】実施例18〜20および比較例3の結果より、H
2/Oil比が60未満である比較例3では、脱硫が不充分であ
ることがわかる。
【0054】
【実施例21〜23および比較例4】実施例1において、表7
に示す水素分圧としたことの他は実施例1と同様にして
水素化脱硫を行った。このときに得られる重質ナフサお
よび軽油の総硫黄量を測定した。結果を表7に示す。
【0055】
【表7】
【0056】実施例21〜23および比較例4の結果より、
水素分圧が25atm未満である比較例4では、脱硫が不充
分であることがわかる。
【0057】
【実施例24】触媒Aを用いて、LHSVが1.3hr-1の条件下
で、反応温度を310〜380℃まで変化させたことの他は、
実施例1と同様にして水素化脱硫を行った。このとき、
水素化脱硫処理原料である留出油中の重質ナフサ留分に
含まれる硫黄量をSf、水素化脱硫後の重質ナフサ留分に
含まれる硫黄量をSpとし、Sf/Spを求めて図3に表し
た。
【0058】
【実施例25】触媒として触媒Dを用いたことの他は、実
施例24と同様にして水素化脱硫を行い、実施例24と同様
にSf/Spを求めて図3に表した。
【0059】実施例24、25の結果より、反応温度条件が
320〜380℃、好ましくは330〜360℃の場合に良好な脱硫
率が得られることがわかる。また、特定の酸強度と酸量
を有する触媒を用いた場合には、広い範囲の反応温度で
高い脱硫性能を示していることがわかる。一方、上記酸
強度および酸量を外れた触媒を用いた場合には、狭い温
度範囲では良好な結果を示すが、高温ではリコンビネー
ションにより脱硫性能が低下していることがわかる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明の石油の処理方法の一例を示
す工程図である。
【図2】 図2は、従来の石油の処理方法の工程説明図
である。
【図3】 図3は、実施例24および実施例25の結果を表
すグラフである。
【符号の説明】
11… 粗蒸留装置(常圧蒸留装置) 1 … 常圧蒸留装置 12… 水素化脱硫装置 2 … アミン処理装置 3 … 硫黄回収装置 4 … LPG処理装置 5 … 軽質ナフサ処理装置 6 … 重質ナフサ処理装置 7 … 接触改質装置 8 … 灯油処理装置 9 … 軽油処理装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 永 松 茂 樹 神奈川県横浜市西区みなとみらい2−3− 1 日揮株式会社内 Fターム(参考) 4G069 AA03 BA01A BA01B BA02A BA02B BA03A BA03B BA07A BA07B BC59A BC59B BC60A BC60B BC67A BC67B BC68A BC68B CC02 4H029 CA00 DA00

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】原油を常圧蒸留して、残渣油と、軽油およ
    び軽油より低沸点の留分からなる留出油とに分離して得
    られた留出油を、 反応温度320〜380℃、水素分圧25〜60atm、H2/Oil比が6
    0〜140Nm3/klの条件下で一括して脱硫することを特徴と
    する石油の処理方法。
  2. 【請求項2】原油を常圧蒸留して、残渣油と、軽油およ
    び軽油より低沸点の留分からなる留出油とに分離して得
    られた留出油を、 反応温度330〜360℃、水素分圧30〜50atm、H2/Oil比が7
    0〜120Nm3/klの条件下で一括して脱硫することを特徴と
    する請求項第1項に記載の石油の処理方法。
  3. 【請求項3】原油を常圧蒸留して、残渣油と、軽油およ
    び軽油より低沸点の留分からなる留出油とに分離して得
    られた留出油を、 酸強度が125kj/mol以下、且つ、酸強度が85kj/mol以上
    である酸点の酸量が0.37mmol/g以下である触媒を用い
    て、 反応温度320〜380℃、水素分圧25〜60atmの条件下で一
    括して脱硫することを特徴とする石油の処理方法。
  4. 【請求項4】アルミナ、シリカアルミナ、シリカ及びゼ
    オライトからなる群より選ばれる1種以上の担体に、金
    属を担持してなる(a) 〜(d) のいずれかの触媒であっ
    て、酸強度が125kj/mol以下、且つ、酸強度が85kj/mol
    以上である酸点の酸量が0.37mmol/g以下である石油の処
    理触媒。 (a) コバルト−モリブデン系触媒 (b) ニッケル−モリブデン系触媒 (c) ニッケル−コバルト−モリブデン系触媒 (d) ニッケル−タングステン系触媒
  5. 【請求項5】原油を常圧蒸留して得られる軽油および軽
    油より沸点の低い留分を一括して水素化脱硫する触媒で
    ある請求項第4項に記載の触媒。
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